【大変動】難民キャンプはブートキャンプ
革酎
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シナリオID:659
オープニング
シルトラース帝国からは今も尚、大量の難民がリーンエス王国との国境付近に向けて断続的に流入し続けている。
彼らはそこかしこで難民キャンプを形成しており、ロモズ旧村もまた、それら難民キャンプのひとつとして稼働していた
その位置はヴァイセントラフ砦から東方に数日、峻険な山岳地帯へ足を踏み入れた山奥に当たる。
十数年前に住民の高齢化と過疎化で廃村となった土地だったが、帝都を発った一部の難民が近隣のカルケル集落群の長老達に紹介され、ロモズ旧村を難民キャンプとして活用する運びとなったのだ。
放棄された施設や畑地は、少し手を加えればすぐにでも復活させることが可能であり、カルケル集落群を臨時の難民キャンプとして定めていた帝国民達は、ロモズ旧村への難民キャンプ移設をふたつ返事で受け入れた。
それから、数カ月が経過した。
現時点でこのロモズ旧村の規模は最早ひとつの村と呼べるものではなく、町として認識されても差し支えない程の人口に膨れ上がりつつあった。
そして更にこのロモズ旧村に於いては過日、難民を主兵力とする歩兵団が発足した。
その名もロモズ歩兵団。
近い将来、帝国奪還戦が実施されるであろうことを想定し、一部の有志が難民という立場でありながらも歩兵候補として入団したのが始まりではあったが、入団数は日増しに右肩上がりとなり、既に五百数十名を超える難民が歩兵訓練を受ける毎日を過ごしていた。
入団資格として帝国国民であることと、健常な成年であること以外はさしたるハードルも課されておらず、周辺の難民キャンプからも多くの有志がロモズ歩兵団への参加を申し出て来るという日々が続いていた。
このロモズ歩兵団の練兵を担当しているのはリーヴァー・シュランドル帝国子爵。
帝国崩壊直前に家督を継いだばかりの若き貴族であり、対メドゥの指先戦略の軍事作戦に関わっていた武闘派家系の血脈を継ぐ嫡子でもあった。
リーヴァー子爵の指導の元、ロモズ歩兵団は徐々にではあるが軍隊としての体裁を整えるようになってきており、簡単な任務であれば組織として稼働させることも可能な程の習熟度に達していた。
だがそれでも、帝国奪還の本格戦力としてはまだまだ実力が足りない。
何よりも、実践的な対人戦闘訓練が不十分だったのである。
●ブラックデスとの邂逅
厳しい寒さで難民達を震えあがらせた冬の冷たい空気が、ようやく柔らかな陽射しを迎え入れようとし始めた頃、旧村長宅に生活拠点を置くリーヴァー子爵の元に一団のゴブリンが姿を見せた。
彼らはブラックデスを名乗った。知るひとぞ知る、ゴールディ最大手のマフィアである。その首領はドン・ゴーフル。直接の面識は無いが、リーヴァー子爵もその名前だけは聞き及んでいた。
曰く、ブラックデスは帝国内にゴブリン種族が暮らしていける場所を確保したいと考えている為、帝国の現状を鑑み、難民キャンプに協力を申し出るという方策を取ることにしたらしい。
ゴブリン種族がひと、それも文明人であることを世に知らしめたいという意味の台詞を、リーダー格のゴブリン戦士が神妙な顔つきでリーヴァー子爵に述べた。
「あなた方のお申し入れは大変嬉しく、また魅力的だと存じ上げる。しかしながら、先ずは当キャンプ内で協議を重ねた上でお返事申し上げたい。大変申し訳ないが、数日お待ち頂けないだろうか。勿論その間、このキャンプに寝泊まり頂く為の場所を確保しましょう」
リーヴァー子爵の回答を受けてゴブリン達は脈ありだと感じ、その言葉に甘えて数日、ロモズ旧村に滞在する運びとなった。
そして後日、再びリーヴァー子爵と面会の場を設けることが出来た。
「先日のご提案をお受けすることで話が纏まりました。是非ともドン・ゴーフル閣下に感謝の意をお伝え願いたい」
かくしてロモズ旧村とブラックデスの間に、友好協定が締結される運びとなった。
そしてブラックデスからの協力施策第一弾として、ロモズ歩兵団への練兵支援が決定した。
ロモズ旧村近郊の山間で、ロモズ歩兵団の選抜メンバーとブラックデスのゴブリン達が山岳模擬戦闘訓練を実施するというのである。
使用する武器は全て安全面を考慮した非殺傷型の訓練用木製武具だが、戦術行動は全て本格的な戦闘や索敵、斥候等が採用される。
またロモズ歩兵団とブラックデス双方に、安全確保や非常時の対応要員という目的で冒険者を数名組み入れることも決定した。
「冒険者には想定外の負傷者が出た場合の応急処置対応や事故防止に加え、必要ならば奇襲要員として相手方のメンバーに軽い攻撃を仕掛けて貰いましょう。その方が緊張感も高まり、応用力の訓練にもなります」
「成程、そいつは良いアイデアです。是非お願いしましょう」
旧村長宅のリビングで訓練要領書を読み合わせながら、リーヴァー子爵とゴブリン側リーダー格のテルデレンスは頷き合った。
歩兵候補達には少々辛い目に遭って貰うことになるが、良い訓練になりそうだ――リーヴァー子爵は内心で苦笑を漏らした。
解説
マスターより
リプレイ
大規模な人数同士の戦闘といえば、平原での大会戦を連想する者が多いかも知れない。
少なくとも、ロモズ旧村で教練に勤しむ歩兵候補達は、その様に考えていた。
しかし今回リーヴァー・シュランドル子爵が彼らに与えたのは、山岳地帯でのゲリラ戦を想定した対人での模擬戦闘訓練であった。
歩兵候補達の教練を指導するリーヴァーは、平地での戦闘訓練は難民キャンプを出た後でも出来る、と考えている。逆に、山奥で生活している今だけにしか出来ない訓練を実施しておきたいとの発想から、今回の山岳戦闘訓練に至ったというのが実情だろう。
そして、ある程度まとまった人数同士での山岳戦闘は思いの外、困難を極める。その過酷な状況の中で身体能力のみならず、状況分析や瞬時の判断力を鍛えさせるのも、狙いのひとつであった。
そういう意味では、相手役として立ちはだかるブラックデスのゴブリン達にも良い訓練になりそうだった。
模擬戦闘訓練自体は数日を通して実施される。数百名という規模にまで膨れ上がった人数を、一度の訓練に全員参加させる訳にはいかなかった為である。
逆にブラックデスの面々にとっては毎日休み無く、異なる歩兵候補達に対して模擬戦闘の相手をしなければならない為、彼らにとっては体力増強の良い機会になるだろう。
初日、ヒューマンでありながらゴブリン側について指導することとなったアウレーリア・フォン・ネーベルベルクは、この日の訓練に参加する歩兵候補リスト内に或る人物の名が無いことに小首を傾げていた。
「……あら。ホレイス様は? 張り切ってらしたのに、こういう地味なお仕事は苦手かしら」
翌日以降の参加者リストを見ても、ホレイス・ゼイロノフ男爵子息の名は見当たらない。過日の大規模な対コボルト戦で実力不足を大いに思い知った筈なのだが、戦闘訓練に参加する意欲が無いというのは一体どういうことなのか。
(……まぁ、そういうお方だった、ということなのかしら)
内心で苦笑を禁じ得ないアウレーリアだったが、いよいよ訓練開始の時刻が迫ってきたところで気持ちを切り替えた。
ゴブリン側の出発地点は稜線に程近い河原である。ここからロモズ旧村を目指して進軍するというのが、彼らに与えられたシナリオであった。
「帝国民は故郷奪還の為に奮闘しているみたいだな」
腰を上げたアウレーリアの傍らに、テテリカが歩を寄せてきた。彼は今回の訓練にはゴブリン側につき、事故防止と監督に努める。つまりアウレーリアとは同僚という立ち位置になる訳だ。
アウレーリアと並んで、これから向かう南の空を眺めた。実に良く晴れ渡っている。
この時、テテリカの瞳には望郷の想いにも似た穏やかな色が浮かんでいた。
(今でこそゴールディがゴブリンの本拠地だが、元は大樹海の奥が大昔の先祖達の土地だったんだな)
目の前に広がる雪解けの山岳とは似ても似つかぬ情景が、テテリカの瞼の裏にひっそりと浮かんでいた。
しばし樹海での騒動に思いを馳せていたテテリカだったが、進軍を開始したゴブリン達の気合の籠もった表情を見るや、自身も両頬を軽く叩きながら早足で彼等に随行した。
「さて……教えて差し上げることはてんこ盛りよ」
アウレーリアも静かに吐息を漏らし、テテリカに歩調を合わせながら気を引き締めた。
一方、ロモズ旧村側でも同様に訓練開始の進軍が始まろうとしていた。
歩兵候補達に随行するのは、ノックス・マグナとマタリキー・T・ヒーローの両名である。
「あんなにしごきしごかれ……仕事だとしても、ヤバくねすか……」
「辛いと思うかどうかは、訓練を受ける本人がどのような意思を持っているかによるでしょうね」
若干引き気味のマタリキーに、ノックスはどこか感慨深げな声音を返した。
これまで幾度と無くロモズ旧村に関わってきたノックスとしては、ただ守られる側に過ぎなかった難民達が自らの意思で歩兵団として立ち上がり、帝国奪還の為に戦おうとしている――故郷を同じくするノックスにしてみれば、心を揺さぶられない訳が無かった。
マタリキーはノックスと、そして気合十分の歩兵候補達の面を交互に見比べ、そして成程と頷く。自分自身が戦いの中に身を置くようになってから、学んだことも少なくはなかった。
今ここで辛い目に遭っておかねば、いざ戦場に臨んだ際に窮地へと追い込まれて困るのは、何より歩兵候補たる彼らなのだ。リーヴァー子爵が課している全ての訓練は歩兵候補達を虐めて喜ぶ為ではなく、彼らが生き残る為の基礎を植え付けることを目的としていた。
(そういうことをしているかしていないかで、生き残る率も、目的を達成する率も、どーんと跳ね上がるか、がくっと落ちるかってぇ訳すね)
マタリキーは改めて、ノックスの穏やかな横顔を見た。
ノックスは分身を生み出して二匹になったペットの栗鼠を、左右に走らせていた。一匹はブラックデスの後方に、そしてもう一匹は歩兵候補達の背面へと配置することで戦況を把握する為である。
既に何度も足を運んできたことで、ロモズ旧村周辺の地形をほぼ完璧に把握していた為、天眼の発動も極めて容易だった。
「さぁ、それでは行きましょうか」
「終わったら美味い飯が待ってると信じて、頑張って訓練す」
ノックスに促されて張り切るマタリキーだったが、彼らが担うのは飽くまでも補助であり、指導であり、そして重傷者の発生阻止である。要は見守りなのだが、それでもマタリキーはやるべきことは多いと、自分自身にハッパをかけていた。
●成長の実感
模擬戦闘訓練に参加しない歩兵候補達は、決して遊んでいる訳ではない。彼らは交代で訓練現場へと繰り出しては、現況を簡単に取り纏めてリーヴァー子爵の待つ旧村長宅へと足を運び、その都度訓練状況を報告する。
リーヴァー子爵は事故が起こり易い場所や怪我人の有無を考慮して、訓練時間の延長や短縮、或いは訓練地そのものの変更を検討するなどして、常に頭をフル回転させていた。
初日だけで夕刻までに十回を超える報告が飛び込んできていたが、訓練終了前の最後の報告時には、ストレガ・L・リベルガストラが同伴して旧村長宅に足を運んできた。
曰く、教導官からの目線としての報告内容をいち早く伝えておきたいとの由。
「実に良く訓練されているのだ。加えて、吸収も早い。一人前の歩兵団としてひとり立ちする日は、決して遠くはないと思うのだ」
ストレガは歩兵候補達が情報戦の重要性を全員で理解し、斥候を起点にした柔軟な戦術を採択していることを素直に称賛した。
当初はストレガが仕掛けた光の障害や鉄壁の魔術に困惑し、翻弄されるケースも目立ったが、彼らは次第に対処法を学び、的確に対応し始めるまでに然程の時間を要さなかったのである。
「キャスターを相手に廻した時の戦術も、すぐに覚えるようになったのだ」
単なる難民が、どうしてここまで急成長を遂げることが出来たのか――寧ろストレガはそのことに興味を抱いた。
その疑問に対しリーヴァーは、ひとの成長に必要なのは素質ではなく、学ぼうとする意志だと答えた。
「素質があっても学ぶ意志が無ければ決して伸びません。逆に素質が無くとも、学ぶ意志さえあれば、ひとは必ず伸びます」
その言葉に、ストレガも異論は無かった。意志の無い者に成長は無い。真理であろう。
「己の盾は仲間を守る為のもの、己の武器は仲間の敵を討つもの……私がいわずとも、彼らはそのことを体で覚えていたのだ」
教導とは実に大変なものだが、教え子達が学んでくれる姿を見るのはそれ以上に嬉しい。ストレガはロモズ歩兵団が帝国奪還の為に華々しく活躍する場面を脳裏に思い描き、早くその日を迎えたいと本気で思うようになっていた。
模擬戦闘訓練初日を終えた夜、冒険者達とリーヴァー子爵、そしてブラックデスからはリーダー格のテルデレンスが旧村長宅の広いリビングに集まり、連絡会を兼ねた夕食の席が設けられた。
「いやぁ、うちの若い衆がつい熱くなっちまって……色々手を焼かせちまって済まない、兄弟」
テルデレンスがパンをかじりながら、頭を掻く。テテリカは苦笑を交えてかぶりを振りつつ、良く焼けたベーコンをがぶりと噛んだ。
ふたりの様子から見て、一部のゴブリンが熱中する余りに、やや本気に近い戦闘が生じた模様だ。勿論その後はテテリカが上手く収めて殺伐とした空気が流れる様なことは無かったのだろう。こうしてテルデレンスが申し訳無さそうに笑っているのが、その証左であった。
そのテテリカは、訓練中に手鏡を咥えて方々を走り回った大鼬にベーコンの切れ端を与えながら、そういえばと小首を捻る。
「てっきりダニやヒルなんかの毒虫がわんさか居るもんだと思ってたが、こんだけ雪が残ってたら、虫どころか獣もほとんど居なかったな。まだ冬眠から醒めるには時期が早いってことか」
蒸し暑く、年中真夏の様な大樹海とはまるで状況が異なることを、テテリカはこの日改めて実感した。結果として気を付けなければならないのは、模擬戦闘による想定外の負傷や地滑り等の自然災害のみであった。
「地形への対処や各種戦術行動は、非常にしっかりしていましたね」
次いでアウレーリアが、手元に置いたメモをフォークの先で指し示して小さく肩を竦めた。
警戒、襲撃予測、範囲攻撃対策、戦力集中運用、情報戦の重要性等、幾つかの項目に分けて訓練課程を歩兵候補達に施した。最初のうちは良い様にあしらわれていた歩兵候補達も回数を重ねる毎に対処法を覚え、見る見るうちに上達していくのが目に見えて分かった。
「地形の所在と効果を知り尽くし、自在に集合散開を繰り返しながらも情報共有に乱れ無し……最初のうちは怪我人も多く出ましたが、終盤には理想のゲリラ戦が出来ていました」
平地に於ける野戦とは異なり、後方浸透で後衛を叩き、前衛の孤立や奇襲を図れるか――アウレーリアの意図をまるで以心伝心で汲んだかの如く、歩兵候補達は与えられた課題を最終的には見事にこなしてみせた。
同じことを明日以降も続けていけば、ロモズ歩兵団は難民上がりの戦闘集団としては最強と呼んでも差し支えない程の戦闘力を獲得していることだろう。
●未来のエリート達
二日目以降も、前日と同様の訓練が続いた。
度重なる負傷の為に、幾度にも亘って脱落しそうになる者は冒険者達が施す治療で万全の状態(少なくとも肉体的には)に戻し、再び戦列へと復帰させる。
中には余りの厳しさに心が折れそうになる者も居なくはなかったが、他の歩兵候補達の励ましで気力を取り戻すケースが多く、無理矢理訓練を継続させるという様な事態はただの一度も発生しなかった。
(冗談かと思ってたら、本当にそういう訓練すか)
まさかそれ程の厳しさでと思わなくもなかったマタリキーだったが、歩兵候補達の強烈な意志に引っ張られる形で、自身もそれなりに厳しい訓練を課した。
中でも授恵者と遭遇した際の対応については、非常に細かく指導した。一般人に過ぎない歩兵候補達が、強大な力を振るう授恵者と接敵した場合、それは場合によっては死に直結する。
「大切なのは、気づきす。気づきさえすれば、回避することも可能す」
危機管理の一環として絶対に覚えて欲しいと、マタリキーは何度も繰り返し訓練を課した。近づかずに飛び道具だけで攻撃する、或いは包囲のみに徹する等、目的に合わせて対処の方法は幾らでもあることを、様々なシーンを想定して何度も訓練させた。
マタリキーが課した訓練を終えた者から、逐次ゴブリン部隊との山岳戦に入ってゆく。ひとつの戦闘が終了するたびに、ノックスは双方の動きを細かく確認し、敵の動きを把握出来ていたか、相応の対応が出来ていたかを評価し、各訓練班の班長に結果を伝えていた。
「ストレガさんの魔術や、テテリカさんの陽動と鳴動装置への対処が最初の難関ですね」
訓練に参加する歩兵候補は毎日入れ替わる。ルールとして、既に訓練を終えた者は未修了者に対し、訓練内容を一切口外してはならないと定められている為、毎日の様にストレガの仕掛ける魔術とテテリカの薄煙炸弾を絡めた陽動等に引っかかってしまう。
アウレーリアの仕掛ける諸々の課題に至っては、必ず全員が最初に失敗するという有様であったが、それでもその日の訓練が終わる頃には皆一様に、逞しい表情を見せる様になっていた。
アドバイスを告げる毎に内容が変わるのは、彼らが成長した証――ノックスは我知らず、嬉しさに目を細めることが多くなっていた。
「ロモズ歩兵団はきっと将来、エリートと呼ばれるんじゃないかと思います」
「こんなに厳しい訓練に耐えたっていう経験は、嘘をつかないす」
ノックスの感慨深げな声に、マタリキーは笑顔を返した。
模擬戦闘訓練は冒険者達による監督と補助もあり、特に大きな事故も無く、無事に全日程を終了した。
最終日には訓練に参加した全員が、ロモズ旧村の広場で催された記念の食事会に招かれた。リーヴァーが私財を投じ、近隣から食材を掻き集めて開催したものである。
冒険者達も舌鼓を打ち、訓練課程の完遂を喜び合った。
「僅か数日間だけど、皆、素晴らしく顔立ちが変わったのだ」
ストレガが感心した様に、歩兵候補達はいずれも凛々しく、そして逞しい顔立ちになっていた。最早彼らは候補ではない。一人前の歩兵と呼んで良いだろう。
「総数五百数十名……これはもう立派な戦団と呼んでもおかしくないのだ」
規模としては決して小さくはない。しかもひとりひとりが過酷な訓練を耐え抜いた。戦力としては非常に充実しているだろうと、ストレガは我がことの様に嬉しくなった。
数カ月前までは巨大なごく潰し集団に過ぎなかった難民が、今ではヴァイセントラフ砦から有望視されても良いような、立派な戦闘集団へと生まれ変わった。
もしここでレイウェスト皇子から出撃の命を下されても、即座に動くことが出来るだろう。
帝国の正式な兵として迎えられるかどうかは分からないが、少なくともリーヴァーは、ヴァイセントラフ砦から要請があればいつでも出陣させる腹を固めていた。
そのリーヴァーに、アウレーリアが一冊の文書を差し出した。今回の訓練内容と結果を詳細に分析し、作成した報告書である。必ずや後進の指導や今後の歩兵従軍の際に役立つだろう。
「次にご一緒する時は敵役ではなく、友軍として、ですね」
アウレーリアの穏やかな笑みに、リーヴァーは力強く頷き返した。
今やロモズ旧村は難民キャンプではなく、自立した歩兵駐屯基地として機能する様になっていた。
それは帝国奪還に向けた、確かな第一歩であろう。そしてその裏にはブラックデスが大きく寄与していたことも、語り継がれるに違いない。
マスターコメント
ショートシナリオ易しい 報酬:少ない5 / 4〜5人
2021年03月26日 15時59分22秒 公開
相談掲示板
ほうほう。ブートキャンプ。俺も素人みたいなもんなんで、勉強してみたいもんすね。 >依頼内容はオープニング本文にもあります通り、ロモズ歩兵団側とゴブリン側のいずれかに参戦して頂き、訓練の内容を監督したり、負傷者に対する応急処置や重大な事故の防止等に努めて頂きます。 > 歩兵候補とゴブリン双方が模擬戦上の敵として行動し、冒険者の皆さん自身も彼らの敵として行動します。 やるべきはこの2点、すね。 それぞれどう関わるかにもよりそうすけど、敵に回るにしても片方だけになっちゃうとアレすから、両方に移るほうがよさそうすね。 今回のニーズとしては、 >何よりも、実践的な対人戦闘訓練が不十分だったのである。 っていう点らしいんで、俺らがちょっと汎用スキルなりでアドとるのは構わないとは思うんで、何か分担してその時の対応策を叩き込むって感じになるすかねえ
ストレガなのだ。よろしくなのだ。 依頼内容的に私は補助なのだ ヒールかけに行ったり障害作成にアイアンウォールやアーケインを仕掛けに行くのだ
テテリカだ。よろしく。 >ロモズ歩兵団側とゴブリン側 俺達冒険者がバランスよく分かれるのが望ましいな。 とりあえず俺はゴブリン側の監督と事故防止役に回ろう。 >対人戦闘訓練 ふむ……。対人戦を意識して、安全な範囲で罠でもしかけてみるか……。
あら、成立したのね。良かった、流れるかと。 キャスター、アウレーリアよ。宜しく。 私の役割は移動砲台ね。ゴブリン側参加で歩兵団を教育します。 ……この歩兵団、ほぼ身内だから逆だとちょっと都合が悪いのよね。 応急処置や監督は勿論だけど、範囲攻撃でそれなりに追い込むわ。 対キャスター戦術を身に着けていってくれたら幸いね。
シューターのノックスです。よろしくお願いします。 すでに二名がゴブリン側を表明しているので私はロモズ歩兵団の方を監督しますね。 ロモズ歩兵団側で私が目立った活躍をするのはのは良くないと思うので、エーテルリンクを用いて戦況を把握してロモズ歩兵団の動きに問題がないか、相手の動きを読めているかの確認とアドバイスをしたいと思います。