【CP】分断への潮流 難民サイド
革酎
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シナリオID:458
オープニング
シルトラース帝国からは今も尚、大量の難民がリーンエス王国との国境付近に向けて断続的に流入し続けている。
彼らはそこかしこで難民キャンプを形成しており、ロモズ旧村もまた、それら難民キャンプのひとつとして稼働していた。
現時点でこのロモズ旧村の規模は最早ひとつの村と呼べるものではなく、町として認識されても差し支えない程の人口に膨れ上がりつつあった。
難民達は日々の食料を確保する為にロモズ旧村領内で農耕や狩猟、或いは近隣を流れる河川での漁に多くのひと手を割いていたが、ここ最近、新たな問題に直面することとなった。
東北側の稜線を越えたところに位置する、エルフの小集落との生活圏の競合である。
空が鉛色の雲に覆われ、屋根や村道に雪がうっすらと積もり始めた寒い日の朝。
旧村長宅の広間で、ふたりの男が長卓を挟んで対峙していた。
一方は帝国貴族リーヴァー・シュランドル子爵。そしてもう一方はホレイス・ゼイロノフ男爵子息。
リーヴァーは実力で家督と子爵位を継いだ有能な若者であったが、ホレイスは父親が帝国男爵だというだけで自身は家督も男爵位も継いでおらず、飽くまで男爵子息という呼称を得ているのみであった。
リーヴァーは二十歳をまだ少し過ぎたばかりの若年だが、対するホレイスは三十半ばと、リーヴァーよりひと回り以上の年齢を重ねている。
そのふたりが、お互いの敵意に満ちた視線をじっとぶつけ合っていた。
現在ロモズ旧村に於ける高貴なる身分はリーヴァーとホレイスのふたりだけであり、難民達はこの両者の険悪な空気の間に割って入ることも出来ない。
「エルフ共への実力行使は飽くまでも反対とおっしゃる訳ですかな、子爵閣下」
ホレイスの声音には明らかに棘が含まれており、慇懃無礼とまではいかないものの、年下の貴族を侮る感情が端々に滲み出ていた。
対するリーヴァーは表情こそ厳しかったものの、その口調は至極穏やかであった。
「まだ時期尚早だと申しているのです、ゼイロノフ殿。そもそもここは王国領ですぞ。確たる証拠も無しに王国領内のエルフ達と刃を交えるのが如何に稚拙か、貴殿ならば分からぬ筈もないでしょう」
リーヴァーの諫める声に、ホレイスはふんと鼻を鳴らした。これが帝都の議場内であればホレイスは侮辱行為で即刻退場を命じられたかも知れないが、ここは難民キャンプであり、更にいえば帝国領内ですらない。ホレイスの傲然たる態度も、単にリーヴァーの細い眉を軽くひそめさせる程度に終わった。
今このふたりが議論を戦わせているのは、山向こうに住まうエルフとの小競り合いを如何にして収束させるかという点についてであったが、穏健派のリーヴァーと武闘派のホレイスとではまるで話が噛み合わなかった。
元々リーヴァーは対メドゥの指先戦略の軍事作戦にも関わろうとする程の軍略家ではあったが、性格的には慎重な軍師肌であった。一方のホレイスは何とか武功を立てて正式に家督と男爵位を継ぎたいと必死になっているのが誰の目にも透けて見えており、今回の対エルフ強硬論も、己の勲功を焦る余りの暴走、といえなくもなかった。
しかし、エルフの小集落との衝突は既に不可壁の段階へと進みつつある。ロモズ旧村に寝起きする難民達の半数近くがホレイスに同調しようとしている事実からも、難民キャンプ全体の空気が穏健派と武闘派に分断されつつあるのが目に見えてよく分かった。
●怒れる者達の暴発
事の発端は、山向こうから現れたと思しきひとりのエルフが、ロモズ旧村領内で木材の調達に出ていた難民に奇襲を仕掛けたことであった。
そのエルフは妙に野暮ったい服装で薄汚れた格好ではあったが、樹間を駆け抜ける速さはどう見ても授恵者そのものであった。
口元を覆い隠すケープの為にその容貌ははっきりとは見て取れなかったが、特徴的な尖った耳先や樹木間を自在に走り回るその機動性から鑑みて、難民達は木材調達班を襲ったのは間違いなく山向こうのエルフだと確信していた。
ホレイスの対エルフ強硬論に多くの難民が同調し始めたのは、同一犯と思しきエルフによって、難民達がしばしば襲撃されていたからである。
リーヴァーはこの襲撃者エルフが本当に山向こうのエルフ小集落からやってきたのかと疑問を呈したが、否定する側にも肯定する側にも確たる証拠はない。
これに対してホレイスは、山向こうのエルフを全て駆逐した後にも襲撃者エルフが出現するようならば、小集落のエルフとは無関係だったことが分かるなどと暴論を吐き、エルフ小集落壊滅をぶち上げたのだ。
余りに乱暴な理論ではあったが、エルフ襲撃者に対する怒りが沸点に達しようとしていた難民達は、ホレイスの扇動にいともたやすく乗った。
そしてリーヴァーとホレイスが激論を戦わせた翌日、50人近い武装難民がホレイスに率いられて、ロモズ旧村を発った。
リーヴァーは珍しく、怒りの余り歯を噛み鳴らした。
同日、フランクス商会の隊商がロモズ旧村に支援物資の定期便を輸送してきた。
ロモズ旧村近隣には野盗や魔物の群れが出没する為、この定期便には毎回、少なくない数の冒険者が護衛として同行してくる。
その中に、リーヴァーとも顔馴染みの冒険者の姿があった。
「ディーグ殿、どうか彼らを止めて下さい。このままではエルフ達との本格的な武力衝突へと発展してしまいます。そうなってしまっては、全てが手遅れです」
リーヴァーは、隊商護衛として久々にロモズ旧村を訪れたドワーフの軽戦士ディーグ・ディオロンの手を取った。ディーグは何事かと目を白黒させつつも、リーヴァーの説明を受けておおよその事態は理解した。
「エルフ共がどうなろうと正直、知ったこっちゃあねぇんだが……」
しかし他ならぬリーヴァーの頼みならば仕方が無いと、自身の分厚い胸を叩いた。ついでに、他の冒険者にも声をかけてみるという。
リーヴァーの頬に、僅かながら希望の色が萌した。
しかしディーグは釘を刺すことも忘れない。
「けどよぉ、今回は今まで守り抜いてきた難民が相手だ。必ずしも成功するとは限らねぇぜ。何せ俺自身、連中の気持ちも分からねぇこたぁねぇからなぁ」
それは百も承知だ、とリーヴァーは神妙な面持ちで頷き返す。
だが少なくとも、実力ある冒険者が間に立ってくれることで急激な衝突は避けられる筈だ。リーヴァーは文字通り藁にもすがる思いで、冒険者達に全てを託した。
●野心家の嘲笑
ロモズ旧村は、かつてはヴァンティール子爵領の一部として治められていた。
が、十年前に廃村の手続きが取られたことで一度は王国直轄領となり、ヴァンティール子爵の支配権から離れた。このロモズ旧村を再び自らの所領として取り戻そうとしているのが現ヴァンティール家の家督継承者ブラギス・ヴァンティールであった。
ロモズ旧村から半日程の距離にある領都クリウルーの自邸内で、ヴァンティール子爵は二週間前に帰着した歩兵団長ソルドからの報告書に視線を落としていた。
(エルゼット、コヴール、イルジンガーの三家は手持ちの歩兵団を失った。これでロモズに守備兵力を出せる近隣貴族は我がヴァンティール以外には居ないという訳だな。それにレブロンも、エルフと難民共に大義名分を与えてやっている……中々上手に動いているようだな)
ヴァンティール子爵は小さく笑った。
解説
マスターより
リプレイ
薄暗い山中を、幾つかの影が雪を掻き分けながら足早に進んでいる。歩くというよりは、最早駆けるような速さだといって良いだろう。
その先頭を行くルチル・プルメリア・グレイハーツの瞳が、頭蓋面の奥で幾分苦笑に近い色を湛えた。
(リーヴァー殿も、これは頭が痛いだろうね)
これまでルチルは過去に数度、ロモズ旧村に関わったことがある。そしてその裏で蠢く、とある王国貴族の不気味な動向についても決して良からぬ印象を抱いていた。
「素人の集団だとばかり思ってたが、連中、意外と足が速いな」
ルチルと並んで雪道を掻き分けているクリエーナ・バーリフェルトのいささか呆れた様な声音が、冷たい空気を僅かに弛緩させた。ルチルは頷き返しながら、前方の稜線を見上げた。
陽光は随分と西に傾きかけ、夕刻に差し掛かろうとしている。ただでさえ冬の日光は明るさに乏しい上に、分厚い雪雲が冒険者達の頭上で幾重にも広がっていた。
その時、前方からひとりと一頭の影が並んで近づいてくるのが見えた。ノックス・マグナと、彼に付き従うゴリラである。この寒い地域ではゴリラの毛並みは非常に色濃く映える為、ルチルもクリエーナも、ノックスの姿というよりはゴリラの体色で見分けがついたといった方が正しい。
「いましたよ、難民の皆さんが」
先行して難民五十名を捜索していたノックスが、左手前方を指差した。ここから数百メートル先の清流のほとりで、ホレイス・ゼイロノフ男爵子息に率いられた難民達が暖を取って休憩中だというのである。
ここで一気に距離を詰めれば、間違いなく追いつけるという距離であった。
「折角リーヴァー様から、ホレイス様に功績を譲り渡す保証を頂けたのだから……ここで何としても難民の皆さんを引き返させるべきよね」
ルチルのすぐ後ろで、アウレーリア・フォン・ネーベルベルクが気炎を上げた。ロモズ旧村を出る直前、アウレーリアはリーヴァー・シュランドル子爵と面談し、エルフ集落との和解が成った暁には、その功績をホレイスに譲ることの承諾を取り付けていたのである。
アウレーリアが見たところ、リーヴァーは名を捨てて実を取る実務型の人物だった。逆にホレイスは名誉欲の塊であると踏んでいる。尤も、いずれの人物がより信頼に足るかは、今回の本題ではない。
「ふぅ~、良かった良かったッ! まだここからなら十分、引き返せるねッ!」
アウレーリアの隣りでトゥーリがほっとひと息入れた。聞いていた話では、件の襲撃者は稜線付近を中心にして難民達に被害を出さしめている。いわば、この周辺はまだロモズ旧村の勢力圏内だ。如何に問題の襲撃者が凄腕であったとしても、そう簡単に手出しは出来ないだろう。
「説得出来たら、難民達は俺が連れ帰るよ。けどホレイスって御仁は、駄々こねるかもなぁ」
最後尾を進んでいたドワーフの軽戦士ディーグ・ディオロンが渇いた笑いを響かせた。きっとそうだろうな、とクリエーナも軽い頭痛を覚えながら首筋を掻いた。リーヴァーの話を聞く限りでは、ホレイス男爵子息は兎に角我が強いらしい。恐らく、このまま簡単にはロモズ旧村までは引き返してはくれないだろう。
ともあれ、冒険者達は無事に難民達に追いついたのだ。この勢いのまま彼らを上手く説得し、エルフ集落に対する強襲を思い留まらせなければならない。
「さ、それじゃあ説得説得。上手くワタシ達の口車に乗ってくれたら良いんだけどねぇ~」
「おいおい、口車って……」
ひとり浮き浮きと歩を弾ませるトゥーリに、ルチルは小さく肩を竦めた。だが確かに、進展具合によっては口車に乗せることも考えなければならない。
「では、行きましょうか」
案内役には、ノックスが立った。難民達が休憩を取っている清流のほとりまでの正確な道程を知っているのは彼と、彼のゴリラだけなのである。
●説得とは言葉と想いの格闘
冒険者達が追い付いた時、ホレイスと難民達は突然姿を現した思わぬ追跡者達の姿に、何ともいえない表情を見せた。
まずトゥーリが元気一杯に声を張り上げて、ホレイスと難民達を追いかけて来た理由について簡潔に述べたところ、当然ながらホレイスも難民達も一様に不愉快そうな色を浮かべ始めた。
だが相手は冒険者、それも全員が授恵者揃いとあっては、如何に数を揃えているといっても、実力的に到底敵う相手ではない。ホレイスと難民達は苦虫を噛み潰した上に呑み込んでしまったかのような拒絶反応を見せながらも、冒険者達の声に耳を傾けざるを得なかった。
一方、冒険者達は特に取り決めをしていた訳でもなかったのだが、最初にトゥーリとアウレーリアがホレイスに語りかけたことから、ルチル、クリエーナ、ノックスの三人は自ずと難民達の説得に立ち回るという役どころでそれぞれが動く運びとなった。
「ホレイスさんッ! 村に来た凄い将軍さんが前にいってたんだけど……」
気難しげな様子のホレイスを手頃な岩に腰かけさせたところで、トゥーリが自身の目線をやや低い位置に落とすような格好で座り込みながら声を励ました。
曰く、武力制圧は下策であり、手持ちの札を活用して相手を丸め込むことが何よりも得策だ、と。真の勝利というものは、決して流血を伴わない。更にいえば、まずは交渉から入るのが常套だというのがトゥーリの論であった。
加えて、アウレーリアが儚げな表情で下手に出た。
「ホレイス様……帝国の民がこんなことで傷つくなんて、耐えられないのです」
戦争は怖い、とアウレーリアは小さな吐息を漏らす。彼女もまた、戦わずして勝つことの利を訴えた。損害を出さずにエルフを抑え込むことが出来れば、統治能力の最たる証明になる、ともアウレーリアは付け加えた。
「リットくんとかのことも、知ってるよね?」
「う、うむ……まぁ、そうだな。知っておる……ぞ」
いささか自信無さそうな声音で、ホレイスはトゥーリに頷き返す。アウレーリアはここが勝負どころだと勘を働かせ、表情こそは弱々しい少女を装いながらも一気に勝負へと出た。
「戦わずして勝利を得れば、お父上もきっと貴方様をお認めになることでしょう」
このひと言は、ホレイスには相当に効いたらしい。尊大と傲慢が服を着て歩いているようなホレイスが、この時初めて真摯な様子でしばし、考え込んだのである。
一方ルチル、クリエーナ、ノックスらが相手に廻している難民達は、最初のうちこそは硬い表情を見せていたものの、矢張り相手が授恵者ともなると色々思うところがあるのか、次第に三人の言葉を受け入れる様な反応を示し始めた。
特に三人が口を揃えたのは、全面戦争となった場合、ロモズ旧村に残してきた家族や仲間達にも甚大な被害が及ぶ可能性があるという点であった。
「不安は分かるが、ロモズ旧村に家族や友人を残している者も居るだろう? そいつらを、もっと困らせて良いのかい?」
とルチルが鋭く切り込めば、
「全面戦争になっちまったら、間違いなくキャンプに居る家族や仲間に被害が出るぞ。その覚悟は出来ているのか?」
とクリエーナが流れの勢いに乗って不安を煽る。
「ここで多くの血が流れることに何の得がありますか? あなた方は帝国を取り戻す為の貴重な戦力をここで疲弊させてしまうおつもりですか?」
とどめとばかりに、ノックスが難民達の今の境遇に至った元凶に触れた。最初はエルフ共をひとり残さず殺せと血気に逸っていた難民達だったが、流石にこれだけの冷や水を浴びせかけられれば、集団ヒステリーを脱して落ち着きを取り戻すというものであろう。
更にルチルとクリエーナは、襲撃者が本当はエルフ集落の者ではない可能性についても言及した。
「それにさ、どうにも引っかかることがあるんだよね……落ち着いて考えてみな。今の段階でエルフ側が襲撃を仕掛ける利点があるか? この状況を利用しようと企んでるヤツがいるんじゃないか?」
「要求も警告も無しに、いきなり襲撃だけ加える。引き際の良さや鮮やかな手並みから見ても、何かおかしい。はっきりいって、違和感だらけだ。そうは思わないか?」
ルチルとクリエーナが立て続けに問いかけた。その予想外の内容に難民達は少なからず衝撃を受けたらしく、彼らは一様に声を失い、互いの顔を見合わせていた。
この時、ルチルはちらりとホレイスの様子を伺った。が、ホレイスにはルチルとクリエーナの声は届いていなかったらしく、特段の反応も見せないまま、トゥーリとアウレーリアの言葉に聞き入っていた。
●重なる想定外
結局難民達はルチル、クリエーナ、ノックスらの説得に応じてロモズ旧村へ引き上げる運びとなった。
謎の襲撃者による攻撃の可能性も考え、事前に打ち合わせていた通り、ディーグが彼らを護衛して戻ることとなったが、問題はホレイスである。
冒険者達は一様にホレイスを連れてエルフ集落に赴き、そこで改めて生活圏の競合問題に関する交渉を持ってはどうかと勧めたのだが、どういう訳かホレイスはエルフ達との邂逅には相当に渋い表情を見せていた。
今すぐの武力衝突の回避には合意したホレイスなのだが、エルフ集落との平和的な妥結には冒険者達が驚く程の抵抗感を露わにしていたのである。
この点は、冒険者達にとっても想定外だった。
「貴方がエルフとの会談で襲撃者の決定的な証拠を掴む、或いは和平を結ぶことが出来れば、リーヴァー殿も大きな顔は出来ますまい」
クリエーナが甘言を放っても、ホレイスは首肯しない。彼の傲岸で自信過剰な面を見れば、すぐにでも乗ってきそうな話に思われたが、それでもホレイスは応とはいわなかった。
ここまで来ると、最早頑迷を通り越して何かの裏があるように思えてならなかった。
「ん~……それじゃあワタシ達だけで、エルフの皆さんとお目通りしとく?」
トゥーリがルチルに水を向けた。
ロモズ旧村で難民キャンプを営む者のほぼ全員がヒューマンだ。ならば種族的にエルフからの不信感を買いにくいトゥーリとルチルが代表として出向けばどうだろう。
ホレイスも、冒険者達が勝手にエルフ集落と交渉を持つ分には何もいわなかった。だが襲撃者の居場所が分からない問題もあり、ホレイスひとりを放っておく訳にもいかない。冒険者達の説得をホレイスは渋々ながらも受け入れ、エルフ集落の近くまでは同行することで折り合いをつけた。
「では失礼……先に行って色々見て参ります」
ここで再び、ノックスがゴリラを連れて斥候へと走った。今回ノックスは徹底して襲撃者の接近に対して、常に神経を尖らせている。敵の実力が皆目分からないのだから、この警戒心は寧ろ妥当だといって良い。
斥候ついでに、エルフとの事前接触も可能であれば試みたいところであったが、エルフ集落近くの尾根を越えるまでは、結局それらしい人影を見ることは無かった。
その一方でアウレーリアが道中、難民への軍事教練を担当してみてはと提案すると、ホレイスはまんざらでも無さそうな様子でいやらしそうな笑みを浮かべた。仮称ロモズ歩兵団を設立し、帝国民独力での治安維持を確立出来れば、ホレイスの株はますます上がるだろうと持ち上げてやると、ホレイスは先程までの渋い表情が嘘の様に上機嫌な顔を見せ始めた。
このホレイスの豹変ぶりには、トゥーリとルチルは互いに顔を見合わせて小首を捻る。エルフとの交渉を極端に嫌ったかと思えば、この機嫌の良さである。全く芯というものが見えない。
男爵子息と呼ばれてはいるが、ホレイス自身は三十を過ぎた良い大人である。こんな調子で本当に大丈夫なのか――冒険者でなくとも不安に思う者は決して少なくないだろう。
ところが、エルフ集落との接触は遂に叶わなかった。
ノックスがゴリラを連れて、渋い表情を浮かべながら引き返してきたのである。
曰く、エルフ集落の周辺に張られている結界の一歩手前まで接近した時、集落側からドゥバと名乗る年若いエルフの娘と出会ったのだという。
そのドゥバによれば昨晩、エルフ集落の長老小屋が放火によって炎上し、死人が出る騒ぎになっているのだという。この状況でのこのこ顔を出すのは危険以外の何物でもない、とドゥバはエルフ集落への訪問を延期するよう強く勧めてきたとの話であった。
想定外に想定外が重なる。
冒険者達としてもドゥバなるエルフ女性の進言を無視する訳にはいかず、結局ロモズ旧村へ引き返す運びとなった。
●闇の中の声
冒険者達とホレイスがロモズ旧村に帰着したのは、その日の夜遅くであった。
旧村長宅で待ち受けていたリーヴァーが、心底ほっとした表情で冒険者達を労った。エルフ側と交渉の場が持てなかった為、問題は先送りにされたままではあったが、ひとまず武力衝突という最悪の事態だけは免れたのだから、冒険者達はリーヴァーの依頼を無事に遂行したといって良い。
ささやかな饗宴を受けて旧村長宅を辞した冒険者達は用意された宿舎へと足を運ぼうとした。が、濃い闇に包まれた村道の途中で不意にルチルが足を止めた。
彼女のペットである栗鼠のラトが、容易ならぬ情報を伝えてきたのである。当初ラトは難民の中に襲撃者が居ないかどうかを確かめる為に放たれていたのだが、ロモズ旧村帰着後はそのまま特に理由も無く、ホレイスの近くに居座っていた。これが、思わぬ情報を伝えてくる結果となった。
ホレイスは西の外壁柵近くの茂みの中で、誰かと会っていた。
「……ご子息、あんた何考えてんだ? エルフ共を皆殺しにしねぇと鉱脈利権は取れねぇって、うちの旦那があれ程口酸っぱくいってたじゃねぇか」
「そ、それはそうなんだが……しかし聞いてくれ。実はここの難民達を鍛え上げてロモズ歩兵団を創設しようというプランの道筋を、私の人柄と人脈で取りつけることが出来たのだぞ」
「あのなぁご子息。あんたのメンツなんてどうでも良いんだよ。いわれたこたぁ、ちゃんとやってくれよ……まぁ良いさ。うちの旦那はもう次の手を打ってあるらしいからな」
その声に、ルチルは聞き覚えがあった。白銀虎のニヒルな笑みが、彼女の脳裏に浮かび上がっていた。
ルチルは冒険者達を手近の篝火の下へと呼び集め、周辺地図を開いた。
「この周辺に鉱脈なんて、あったかしら?」
アウレーリアが疑問を呈する。確かに、王国側領内ではそのような話は聞いたことが無い。だが、トゥーリとクリエーナがあることに気づいた。
国境の向こう側の山地に、シルトラース帝国直轄の鉄鉱山が鎮座しているのである。
恐らくはその鉄鉱山の鉱脈が王国側にまで延びているのだろう。その延伸先がエルフ集落の下にある、と見て良い。
「それが狙いか、ヴァンティール」
ルチルは喉の奥で唸った。と同時に、ノックスはあることに気づいた。
エルフ集落で発生した放火と死亡事故。
当然、何か関係があるに違いない、と。
マスターコメント
ショートシナリオ難しい 報酬:標準5 / 4〜5人
2021年01月29日 21時58分26秒 公開
相談掲示板
情報屋のルチルだ。よろしく。
つい最近≪赤眼の山猫団≫を名乗ろうかなーって決めた団長のクリエーナだぁ!よろしくなぁ! ぶっちゃけ当の謎エルフくんちゃんを踏ん捕まえるのがベストな気がするんだけど、まぁ……何処にいるのか顔を出すのかさーっぱりなんだよな。 ホレイス男爵子息の説得なわけなんだが、ただただガマンしろ、じゃぁ爆発するだけだと思うんだよな。 だから俺がパッっと思いついたのは……難民にはお帰り頂いて、俺ら&男爵子息だけでエルフんところ挨拶いけねーかなって。 難民50人より遙かに戦力になるじゃん?とりあえず話を聞くのが条件で……、ガチでエルフ側がやってんならそらぁ多少の脅しはやってもいいわけじゃん??道理的に。 コレで問題が解決できれば男爵子息様の手柄になって、キャンプでの発言権も増すわけだろうし、良い餌になんねーかな。
アウレーリアよ。宜しく。 腐れ外道のヴァンティールがまた、ろくでもないことを企んでいるのね。 というより、この状況を作り出す下準備だったということかしら。 もしかしなくても、難民に奇襲を仕掛けたエルフは奴の手先でしょうね。レブロンというのがそれかしら、メドゥの指先の構成員だった、とかでも特に驚かないわ。 敢えて襲撃を誘うような(介入が必要な)事態にでもならない限り、顔を出すことはないでしょうね。だって今はもう、放っておくだけで勝手に燃え広がるフェイズだもの。 エルフの集落に顔出しに行くのは、必要になると思う。 でも多分、感情的になった難民達に帰るよう言っても納得してくれないと思うわ。 望ましい展開としては、エルフ達と話した結果「そんな襲撃者は存在しない」と明らかになって、火種を撒く何者かに対して両者全員が団結する、というものだけれど。 手を出させないよう、また襲撃者の正体が疑いなく知れるよう、手を考えないといけないわね。 「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」 だからホレイス様の説得から入るのが道理かしらねぇ。
ノックスです。よろしくお願いします。 ヴァンティールによる策謀の結果であるのは私も間違いないと思います。 ただ、PC視点でそのような情報はないですから説得する際にはやはり襲撃者の情報を集める必要がありますね。 それとは別に個人的な考え方ですが、今までに流れた血よりもこれから先に流れる血のことを訴えて説得する線もあると思ってます。 エルフ側でも何やら被害が出ているようなので、難民キャンプから危害を加えるようなことをした人間がいないか確認した方が良いと思います。 此度の一件が既にヴァンティールの手を離れて動き出している可能性もあるので。 ホレイス男爵子息の扱いに関して流石は殿下、というべきでしょうか。武力による解決とは別の功を立てさせるのは良い案だと思います。 面倒だから山に埋めようか、と考えていた自分を恥じ入るばかりです。
エルフサイドとの時系列はどうなっているのでしょうね。 同時進行?それともこちらが先で、向こうが後なのでしょうか。向こうでも何か起きている、ということくらいは調査すれば分かるのかしら? あっちで受恵者のエルフに被害が出ていることを考えると、交渉材料として難民の中で受恵者のアリバイ証明が必要になるかも知れないわね……。流石に、向こうの犯人がこっちで見つかる、なんてことは無いと思うけれど。 ……よく考えるとこの依頼、リーヴァー様名義で出てるからただ解決しただけではホレイス様の功績にならないわ。寧ろ良いように抑え込まれたことになって、発言力は落ちそう。 この件をホレイス様が納めたことにする代わり、リーヴァー様には何か手土産が必要よね……。 周辺のエルフとの交渉権、ひいてはロモズ旧村の食料・物資調達に関する実質的管轄権。 そんなところでどうかしら。名と実、それぞれ振り分けてwin-winじゃない?
わははっ!頭も使えるって所を見せんとイカンからなぁ!特に今回は戦闘無しで切り抜けたいところだしな。 なるほどな、んじゃ難民相手は念を入れて、相手のエルフに手練れが居るってことにゃぁなってるから、《依頼を受けてないから難民の命まで守る義務はない》《向うのエルフ達がやってるなら、ノコノコ相手の領域に入ればまず死ぬ》って脅しつけたうえで、《代表者のホレイスはキッチリ連れて行く。》《旗印であるホレイス自身を説得して当人からも言ってもらう》って流れでどうよ? リーヴァー殿のへの手見上げとしては、大人しくなったホレイス殿が一番なんじゃねーの?特に依頼内容に含まれてねーし。というか当人としても今後強硬手段を取らなくなってくれれば万々歳って感じがするぜ?バリバリ敵対してるならこんな穏当な依頼ださねーだろ。 という事で大事なのは説得内容だとおもうんだよな! 出せる飴玉は《俺らが護衛についてエルフの集落までいける》ってくらいなわけだが……。 武力一辺倒の判断を反省させる、今後暴走しない様に功績をくれてやるってアタリがポイントでいいよな? 反省ポイントは……授恵者がいる想定ならたったこれだけの人数で集落を攻め滅ぼせるわけねーだろ。とか、たとえ勝ったとしてエルフ側の領域でボロボロのまま帰ったら良いカモだろーがとか?
んで、気になった所。 俺もエルフの集落の調査を事前にできたらいいなー……とは思うんだけど、やってる暇あるかなって所。 ホレイス殿追い越してエルフの集落までいって折り返してホレイス殿止められるかな……? あと、そこまで大胆な動きをしたとき≪襲撃者≫がコッチの動きを察知する可能性があるんだよな。 調査してる間に襲撃されて一人二人怪我人死人が出たら……難易度上がんねぇかなって。 かと言ってこの少人数、相手の実力が未知数だから2部隊に分けて行動するのもこえーわけよ。 それでも二部隊に分けるって話になると……俺単独でエルフの集落に行くのがベターかな。 一人でなら最悪全速力で逃げられる。
説得の方向性としてはノックスの言う「今までに流れた血よりもこれから先に流れる血のことを訴える」線が組み立てやすいと思う。 武装した難民たちは怒りと恐怖を焚き付けられて動いてる状態だ。 水をぶっかけてやる……ってのは物の例えだが、 全面戦争になれば難民側にも多くの死傷者が出るし、難民を一方的に襲撃するような相手に人数が勝っていても被害を出さずに勝てるわけがないって現実は突きつけてやる必要がある。 武装難民たちの中にも戦えない家族をキャンプに残している者もいるだろし、そいつらを残してもいいのかい……ってね。 全員がこれで大人しく言う事を聞いてくれなくとも、襲撃に疑いを持つ難民が出れば牙は削げるし先導するホレイスもたった一人では襲撃に移れないだろう。 ただ、このやり口でも火種はまだ残ったままだから犯人はこっちで捕まえるとか調べをいれるとかの約束を取り付け、出来る限り火種を鎮静化するのは必須だが。 民衆を帰せたらホレイスにはさらに個別で説得が必要かね。 襲撃犯の特定やエルフの集落の調査なんだが……依頼の説明を見る限りこれらは本題ではないように思える。 まあ情報を引き抜ければよい事に変わりはないんだが。 しかし先回りしてホレイスたちに接触する動きは助かるね。足止めにはなる。 襲撃者が雇われたエルフならかなりの手練れだと思う。だから襲われた場合、かなりのリスクがある行為って事は言っておく。 単独なら全体に大きな影響はないため強くは反対しないって所だね。
んんぅ、その路線で話し始めて、取っ掛かりには良いと思うんだけど。 最後まで説得し切るには、ちょっと足りないような気がするのよねー……。 難民の視点では何もしてないのに血が流れたわけだし、矛を収めれば被害を防げる保証はない。 寧ろ、集落を殲滅すれば今後の被害はなくなる、なんて考えても無理はないわ。 予想被害の大きさで脅したところで、じゃあ100人で行くか、とか思われても困るし。 襲撃は筋違いで無意味だ、ってことを納得して欲しいのよ。 そう言う意味で、エルフの方の状況を気にしているのよね、私。 事前じゃなくても良いから、向こうの情報を得て考えるタイミングが欲しい。 双方睨み合いの中ででも、何とか接触なり会談なりの場は得られないものかしら。 その切欠として、今出てる説得の内容を使うのは悪くないと思うのだけど。 襲撃された場合は、ほとんど賭けね。 捕縛したり、人相や装備品なんかの物証を得られれば状況が好転するかも知れないけど。 一方的に被害を受けて逃げられれば、クリエーナの言う通りになるでしょう。 難民の軍勢がぞろぞろ侵攻を続けているうちは手出ししないかな、というくらいで。 変に足を止めると、発破を掛けてくるかも知れないわね。 手土産云々はまぁ、リーヴァー様ご本人は要らないと仰るかも知れないけど。 今後のパワーバランス的な問題ね。あまりホレイス様のような方に得意になって欲しくないの。 エルフとの交渉窓口、ホットライン的な役割も期待していたりするのよ。
だがしかし、無意味と証明するにはエルフ側の情報が必要と……。 多少強引でも難民だけは戻して、ホレイス殿を実際に対談させるのって所だけは全員同意見って考えてもいいかな? 会ったその場での完全な説得は難しいだろう、とりあえず脅しつけて妥協案として俺達の護衛でエルフ側集落へ行く、って所まで飲ませて、あとは実際のエルフ側の情報次第じゃねーかな。 まじでやってました!ならホレイス殿に正統性がなくもないし。 違いましたよ!って事ならそこで初めて顧みてくれるんじゃねーかな。 とりあえず難民を追い返す説得はルチルとノックスの説得方針で良いとおもうぜ。 《現在の戦力不足》《今後の被害予想》《死ぬ覚悟》を突きつけてからの、それだけで収まらないであろうことから《代案としての代表者とエルフの対談》を提案して一先ずは妥協してもらう。 後は対談を通してこの襲撃が無意味であったことを知っていただくという流れになるんじゃぁないかな。
リーヴァー殿への手見上げについては……実際功績を上げるのはホレイス殿になる訳だが、行動方針はリーヴァー殿が正しい……って事になる形だから、そこまでバランスも崩れないと思うんだよな。 これで調子にのってまたしでかすようなら……それこそもう手の付けようがないし、リーヴァー殿から別の形で依頼が来るだろうよ。 アウレーリアの考えや気持ちは分るが、俺は其処に関しては必要性を感じないので手は貸さん。
遅くなってごめんね! 少しバタバタしてたけど、ここまでの流れはしっかり確認させてもらったよ。 目的:怒りに燃えた難民達を諫め、血気に逸るホレイスを叱り飛ばして反省させる 方法: ・難民たちをいさめるために 今までに流れた血よりもこれから先に流れる血のことを訴える」方向性 全員を説得できずとも、全体として迷いを生じさせる 代替案として、授恵者で追加の調査を行う由を提案する ・ホレイスを反省させるために 未定! 現地で集めた証拠を基に、ホレイスさんの方針の誤りを指摘する方向? 少しはホレイスさんにも華を持たせる必要がありそう。 ◆ワタシの懸念 ホレイスさんと少数の強硬派がエルフへの襲撃を強行する可能性はあると思う そこは誰か警戒しておく必要があるんじゃないかな? エルフとの対談にホレイスさんを同行させる方向できちんとまとまるなら、大丈夫そうだけど……そう上手く運ばなかった場合にね。 エルフさんに対しては、どうやって私たちと交渉してもらう? このシナリオだけの事情で考えるなら、しっかりと敵意が無いことを説明しないと交渉の席についてくれない可能性もあるかなぁって。冒険者ギルドは中立ですよって話があったと思うけど、エルフさんたちはその辺の事情って分かってるのかなあ?
トゥーリ、まとめありがと。ごちゃつく前に整理してくれて嬉しいわ。 説得の雰囲気は、「こういう可能性もありますけれど如何でしょう?」くらいに、下手に出て柔らかく再考を促す程度が穏当かしらねぇ。ホレイス様が「自分の指揮で」平和が得られた!功績だ!みたいな感じで自尊心を満たしてくれれば良いわ。 侵攻中の難民については、集落の手前で一時停止、くらいが最初に出来る説得の限度だと思う。 攻撃前に念の為確認しておきませんか、という流れでしょうし、向こうが悪いと分かったら攻撃続行できる選択肢が残ってるように演出しておきましょう? それに、難民だけ帰すとその帰路で襲撃が入りそうな気がする……。山道で50人全員を守り切れる自信がないし、指導者不在で被害が出たら今度こそ止めようがない恐慌状態に陥るわ。 手土産云々はまぁ、いいわ。私の字数以外の何ともトレードオフではないのだし。 ちょっとした保険で、不発だったらそれはそれ。協力しなくていいから、一応仕込ませて頂戴。
あぁ、そう言えばこのパーティーにはエルフが一人もいないのね……。 閉鎖主義的な相手に、初対面でスムーズにとはいかないかも知れないけれど。 侵攻が迫っている状況を包み隠さず話して、戦火を抑えたいと素直に伝えるしかないわね。 帝国やギルドのことを知らなくても、危険を知らせて回避に努めたいという相手を邪険にはしない……と思う。多分。それに一応、向こうも依頼に来る程度には外への認識ある筈だし……。
まとめありがとう。 懸念点はもっともだね。 正直難民たちを帰さなくとも帰しても、襲撃される危険は同じくらいだと思う。 襲撃者がこっちに手を出す気なら、説得を聞いて気を抜いた時は狙い目だ。 同じ襲撃の危険があるなら、分断が危険だから交渉が終わるまで集落と近い場所に難民たちをまとめておきたいつもりなら、帰さない方がやりやすいかね。 ただ、50人超という大人数はエルフ側の警戒を強める危険はあるけどね。 ホレイスをこっちで抑えておく事に失敗した場合でも、難民たちを見張っておこうと思ったがエルフが同族以外で比較的心を開いてるのはリザードマンであるから交渉の場に居た方がいいのでは?と思い始めたよ。 エルフ全体にとっての話で、この集落のエルフたちがそうとは限らないけれどね。 一介の冒険者が貴族同士の既得権益の交渉にどの程度携われるか疑問なんで、手土産の用意自体に協力は難しいが 今後のためにホレイスのプライドは保ちつつ、リーヴァーが強い立場を取れるようにしたいって意図を邪魔しないようにしたいとは思うよ。 そうなると説得の方向性に第三勢力による陰謀が絡んでる可能性の示唆を追加したい。 OPの情報を知らなくたって、いくらなんでもやたらめったらに人間に喧嘩を吹っ掛けるメリットがない事はすぐに考え付くだろうし、実際ヴァンディールがなんか企んでる様だから矛先を別の方に挿げ替えてやってもいいんじゃないかね。
トゥーリは纏めありがとうな? 懸念事項の事は……少なくとも、俺らの目の届く範囲ではやらないとおもうが……たとえ交渉が成功したように見えても警戒はしておこう。 エルフに対してはななぁ……向うも対話の席を設けたいとは思ってるんじゃねーかな。 小競り合いばっかりだし……。 包み隠さず話して、誠意で納得してもらうのが一番かなとは。 難民の対処だけど、どこまで進んでるか……にも寄るんだが、帰す方がいいと思う。 つーのも、それこそ50人ゾロゾロ連れてきたら交渉なんて空気じゃないし、相手の領域に50人も長時間留めて置きたくねぇ。 其れこそいつ襲撃されるか分からん。指導者不在は交渉中だってそうなんだぜ? なんで、まぁ……難民キャンプと集落の中間地点を基準として、難民キャンプの方が近ければ一度キャンプ近くまで全員で戻る……というのはどうだろう。 集落の方が近いなら、集落の手前ではなくどこかには入れて置きたい。 第三者が襲撃すると想定して内部と外では襲撃のしやすさは大分違うだろう?
そーだな、ルチルの言う通り第三者の介入の可能性は伝えておいた方が納得しやすいと思う。 可能性の要素としては……『単独犯であること』『姿を見せる割には分かりやすい警告はしない事』『練度が高すぎる事』かな。 実力者が一人しかいない……って言う可能性はあるが常に一人ってのが怪しい。姿を見せても何処の集落の者かも名乗り上げないし、普通、ここまで明確な攻撃をするなら『立ち去れ』だとか、『ここは我々の土地だ!』とか警告や要求を出すだろ?明確に要求や警告を発してないのは身元がバレると困る立場なんじゃぁないか?集落の出でも身内の同意のない勝手な行動の可能性がある。 その上、手際が鮮やかすぎる。 授恵者だとしても、一人で多人数相手に何度も襲撃して見事逃げおおせる腕前なんだろ? そんな奴がたまたまこんな場所で燻ってた……なぁんてデキすぎじゃないか? って所? おう、手伝いはせんが、邪魔もせん。 ……まぁ、その交渉に置いて邪魔になりそうななんかあったら言ってくれればなるべく避けるよ。 本来の依頼達成にプラスの影響ありそうな手段ならバリバリ協力するし。
第三勢力、まぁどう考えても土地の王国勢力しか考えられないのだけど。 介入を伝えるなら、その流れで難民・エルフ間の防衛協力まで持っていっても良さそうね。 難民には勿論、エルフに対しても平気で危害を加えようとしているのは明らかだし。 エルフに土地と食料採集を認めてもらう代わり、難民はその数を以て外敵に備え、彼らを守る。 PL情報だけど、ヴァンティールは守備隊の駐留を企んでいるのでしょう? ホレイス様には軍事教練でも担当してもらって、武装化と独力での治安維持を目指すの。 そうすれば今後、介入の口実を潰すことができると思う。 交渉の顔は確かに、ヒューマン以外の種族の方が幾分マシかも知れないわね。 彼らにとって、外から面倒事を持ち込むのはいつもヒューマンという印象でしょうし。 ルチルが出てくれるなら、お願いしたいわ。 難民の配置は……うぅん。大勢連れてくると威圧感がある、というのは納得なのだけど。 集落の中まで連れ込まなければ問題ないと思うし……。 入れておくと言っても、山の中に50人を収容できるような場所はあるかしら。 帰すなら私達から護衛を割くことになって交渉組と分断されるし、何かあっても移動してると再合流しづらいし、冬山で大勢を連れまわすと疲労や怪我、遭難の恐れも看過できないわ。 いざとなればすぐ駆け付けられる場所で、大人しく待っていて欲しいのだけれど……。 ごめんなさいね、ケチを付けたいわけじゃないのよ。
都合よく50人をまとめて置いていられる場所が見つかると思えないが、難民キャンプからの距離によっては逆に大勢をぞろぞろ連れて集落付近まで歩く方が危なくないかね? 出発まで残り時間も少ないし、難民たちを帰すか残すかどうかはキャンプからの距離次第で決定。帰さない場合は集落に圧をかけないように距離を離しておくって方針がいいんじゃないか? 第三勢力に関する示唆も二人の言う方向性で良いと思うね。 ともあれ、アタイはエルフの集落へ交渉に回るよ。
雪山を連れまわすという点なら、集落に連れて行くでも同じだし、一度キャンプ近くまで全員で戻ると言うのは護衛班と難民だけという意味ではなく『全員』でって意味のつもりだ。 あと、問題がない程度に集落の中に入れない……ってことは集落の住人から見えない場所に置いておくって事だろ? 護衛を付けるのは当然としても恰好の的では?という話よ。 交渉中になるからホレイス殿が居ないゆえ、俺らの言う事は聞きにくい状況。 奇襲で怪我人が出たら、集落も近い事から暴徒になる可能性がある。 集落の中に入れたいというのは、つまりエルフ側の監視下にある状況でなら第三者には手を出しにくくなるからよ。 一集落であるならほとんど顔見知りだろうから、余所者が入れば向うが気付いてくれるはずだからな。
なーんで、位置関係や距離で難民を戻すのが無理なら連れて行くのは仕方ないとしても、集落の外でもいいけど少なくともエルフ側の監視の目がある場所には置きてぇ。 交渉前にエルフ側に50人連れてきてる事を隠すワケじゃないよな?もし住人に見つかったらヤベーし。 だから連れてきた事を正直に言うなら威圧感的にはそんなに変わらんし無効としても居るならいるで見える場所に置いておいてほしーだろ?
そう……ね。山向こうということは、稜線を越えるのよね。 まだ登らないと辿り着かないなら、一度山から降りた方が良いのかしら。 そのまま進んで停まるのと引き返させるのとでは、必要な説得の強度が変わるわ。 戻る場合は、冬山行軍での難民達自身の安全の事も盛り込みましょう。 それで一度全員で戻って、ちゃんと話を付ける、という名目でホレイス様と再出発。 そういう流れで、良いのよね?
つまり、ホレイス殿に、自警団の団長を務めてもらうという話? 良いとおもうぞ。 武闘派っぽいし、軍事力っていう分かりやすい権力好きそうだからホイホイ釣れそう。 交渉の顔役もルチルで良いとおもう。 別種族側からの出のほうが中立感もあるし、適任だと思う。 それにしても、人種間問題の根はふけぇなぁ…………。
正直、エルフ達と難民達を今の状態で直接会わせたくはないのだけれど……。 中に入れるならせめて、言い合い小競り合いが生じないよう、きっちり分けておきましょう。 難民にとっては敵の本拠地、張り詰めるあまり些細なことでも攻撃されたと判断しかねないわ。 そんなことが無いよう、護衛の名目で私達が囲み、接触させない。どうかしら?
うん、上り切ってないならその方が良いと思う。 護衛の約束も盛り込むことにも異論はない。 勿論、交渉の結果それで納得しない……というなら最悪連れて行くしかないのは俺も割り切るさ。 ゆーて、ホレイス殿の護衛の建前があるし交渉に少なくとも二人はついていくんだろ? 手練れ相手に3人で50人全員無傷で守るきる……なんて豪語は出来んからよ。 其処は分ってもらえるとおもうんだが……。 たしかに、集落に入れるならキッチリ双方の壁になのはやらねばならんな。 ま、ここまで俺の意見を押し通させてもらってる身、投げられた石すら身で受けるくらいの努力はさせていただきますとも。
結構話が進んでたね。 確かに中途半端に折衷案取るよりは5人全員ひとまとりで動けるようにした方が得策か。 個人的に、難民たちを戻す方を推すがどっちを選ぶにしてもリスクがある事もわかったから、はっきり条件付けで「こうする」と分ける雛型を作ってもらえるのは助かる。 とりあえず、まとめて見てこんな具合かね? ●武装難民の扱い 帰還の説得に成功 →全員で難民を連れて帰投 キャンプに残しホレイスと冒険者だけで集落へ 説得に失敗または距離の関係で連れ戻すのが困難 →冒険者が見張るという条件付きで集落入りを交渉 交渉に失敗しても合流しやすい近くに置く 問題なければアタイのプレイングで書いておこうと思うが説得と交渉合わせると字数がつらくなるかもしれん。手が空いてるヤツがいるなら入れてくれると助かるね。 そもそも交渉組も集落の中に入れるか定かではないが、その場合でも上手い事情報を引き出せるように努力するさ。
難民の扱いに関しては私の方で受け持てますよ。 多くて400ぐらいなので字数が増えても大丈夫です。
ルチルはエルフ側の交渉の方を優先してもらおう。 ……アウレーリアも多分ホレイスが対談する時にはついていった方がいいだろう? 今後の為にも交渉内容の詳細は把握しておきたいだろうし。 難民側は俺とノックスで受け持とう。 トゥーリはちょっとどのタイミングで反応するか読めないので本人任せる方向で。
プレイングはこんな感じ。 ノックスはエルフ集落へ難民を連れて行った時の扱いを盛りこめるか? ▼説得の行動方針 難民は全員キャンプへ連れ戻し、代表のホレイス殿をエルフとの交渉の場へ連れて行く事。 ただし、戻る事に納得しないとかエルフの集落の方が近いなら全員で集落へ行く方向で。 説得の要点としては、 『相手に襲撃者が居る想定ならば難民自身への被害』 『疲弊した帰路に襲撃者に襲われるの危険性』 『全面戦争になった時、キャンプにいる身内への被害』 等、今後流れる血を訴え、いったん冷や水を掛けたうえで。 そもそも見当違いになる可能性が有るという点。 『襲撃者は単独である』『要求や警告はせす襲撃するのみ』『引き際が鮮やかな腕利きが偶然にもこんな場所にいる事への違和感』 という点から、『身元がバレると困る立場……集落の出でも身内の同意のない勝手な行動、あるいは完全な第三者』であり、報復のつもりが一方的な攻撃になってしまう可能性が有る事を示し。 勿論それだけでは納得できないだろうから代案として。 『全員は人が多く守り切れないので代表者であるホレイス殿を我々が責任をもって護衛して、エルフに直談判出来るよう連れて行く』 という方向で説得したい。 ホレイス殿への甘言として。 何も功績は武功のみではないでしょう?貴方がこの対談で決定的な証拠をつかむ、あるいは和平を結べればリーヴァー殿も大きな顔は出来ますまい。 てな所でどうだ。 なるべく武器は仕舞い、護衛となる時は体をはって壁となろう。
ごめんね、一つ一つの発言が長くて……読み込むのに時間が掛かってるんだ。 いま自分でまとめながら、流れをおさらいしてる。 時間までには全体の穴を埋めるような形で準備をしておくよ!
◆目的:難民とエルフの武力衝突を抑止し、エルフの代表とホレイスが会談の場を設けるおぜん立てをする ◆段取り 1.全員で難民+ホレイスの後を追い、武力衝突を思い留まるように説得。可能であれば難民はキャンプへ返す。 難民を抑える上での論点 ・難民への被害の可能性(往路/帰路への懸念もここへ含む) ・更なる報復を伴う全面戦争の可能性 ・エルフが真犯人ではない可能性 ホレイスを抑える上での論点 ・武功のみが名を挙げる手段ではない ・和平あるいはより良い結果を手に入れることが出来ればよい 分担 難民への説得:ノックス・クリエーナ ホレイスへの説得:ルチル(・アウレーリア)・トゥーリ 2.ホレイスを伴いエルフとの交渉の席へ着く 授恵者+ホレイスのみで接触、50人の難民はキャンプへ帰投している状態が最善 難民を連れて来ざるを得ない場合、難民の存在は隠さないが、エルフと難民が互いに交戦しない距離を保たせる エルフへの交渉代表:ルチル・アウレーリア(+ホレイス) 難民とエルフの不要な接触の防止:クリエーナ・ノックス・トゥーリ 全体的な理解としては、こんな感じで抑えたよ。 プレイングは細かい懸念点を潰すような感じでフォローに回るように書いとくね!
ノックスは引き受けてくれてありがとう。 こちらのプレイングは完成した。 流れに合わせるように村民とホレイスたちの説得、エルフに協力するメリットを挙げて協力の要請。大まかにこんな感じだね。 後は念の為ペットに襲撃犯が来ないか見張らせてリーヴァーにヴァンティールについて後で聞きだすって所だな。 字数としては難民たちの説得にかける字数の配分が多めになったが内容は詰め込んだつもりだ。
トゥーリは全体のフォロー役ありがとな。 他のみんなもギリギリまでお疲れさん。 後はどうなるかを待つのみか……。
みんな、分担ありがとね。 私もどうにか字数に収めたけれど、具体的な手順は皆のプレに任せてしまっているわ。 ホレイス様への説得は私からもアプローチしているから、括弧外して大丈夫よ。 それじゃ、現場でね。お互い頑張りましょう。