【PT】簒奪者との遭遇
夜帷かもめ
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シナリオID:2
オープニング
遮るものの無い荒れ地の向こうに、夕陽が沈んでいく。桑の実を潰したような鈍い紅が、世界を染めていった。
「じきに、暗くなる。急ごう」
傍らで、誰かが呟いた。貴方はそれに同調し、静かに頷く。事前の情報が正しければ、この辺りは既にバルバロイの手に落ちているはずだ。十分な備えが出来ぬままの野営は避けたい。それに――出来得ることならば、一日でも早い、アロシュナバラ砦の解放を。その想いは皆同じであった。
焦りが、貴方たちの足並みを早くする。授恵者であるあなた達の速さは、ちょっとしたものである。古くから使われてきた街道は足元の不安もなく、ここまでは順調にやって来た。一心不乱にここまで歩み続けてきたが、ふとした弾みに、出立前に見舞って来た少女――リオと言ったか――の顔がふと脳裏に過ぎる。バルバロイの手に落ちたアロシュナバラ砦から単身で五日ほどの道のりを逃げ延びてきた彼女は、今ごろ街の暖かいベッドで眠っているだろうか。
●風雲急を告げる者
「アロシュナバラの砦が、バルバロイの手に――落ちました」
やっとのことで木戸を押し開けて……そう告げると、生傷だらけの少女は精も根も尽き果てた様子で戸口に倒れ込んだ。
帝国の崩壊を狙いすましたかのように蜂起したバルバロイが、リーンエス王国北西部――街道沿いの要害にあるとは言えど、いささか時代遅れの遺跡になりつつある――アロシュナバラ砦を突如として占拠した。また、周辺の村や町もこれらのバルバロイによって略奪を受けた。逆らう者は躊躇なく斬り捨てられ、生き残った男や器量の良い女は砦へと監禁された。その他の女子供は幾らかは見せしめに、また幾らかは人質となり、残りの僅かな人々のみが村へ残されて労働を強いられている。
正気を取り戻した少女は、リオと名乗った。
彼女が告げたその内容は、リーンエス王国のみならず冒険者ギルドをも驚かせた。バルバロイが組織立って行動し、王国軍が駐留する砦を占拠するなど……少なくとも、記憶の限りには存在しない。王国、帝国そして都市同盟。三者の危ういバランスの上に成り立っていた平穏に慣れ切った者らには、バルバロイは存在を認識こそはすれど、その身に差し迫った脅威とは実感しにくい部分がある。それが、突然に喉元深くその牙を突き立ててきた。寝耳に水の話を聞かされた人々の驚きは、想像に難くない。
ましてや、リオは戦うだけの力を持たない少女である。どれだけの距離を、どれだけの絶望を胸にここまでやって来たのだろうか。傷の手当てを受け、暖かい食事を胃の腑に流し込んでもなお、リオは青ざめた顔で時折りカタカタと歯の根を鳴らしている。言葉少なに、だが訥々と彼女自身が受けた言葉にするのも悍ましい程の仕打ちを詳らかにする様子を目の当たりにして、貴方の胸には義憤の炎が宿ったのだ。
リオの語る言葉の真偽を疑う声もあった。だが。
「アロシュナバラ砦を、バルバロイの手から救わねばならない」
その衝動が、貴方を突き動かしたのだ。軍を動かすことに及び腰の王国は、事態の収拾を冒険者ギルドへと依頼した。その事を知った貴方は、身支度を整え、貼り出されたばかりの依頼書を手に取ることとなった。
●そして、遭遇
静寂を馬の嘶きが切り裂いた。そして、一拍置いて男たちの怒号が聞こえる。
ただならぬ気配を感じ取った貴方たちは、互いに顔を見合わせ頷き合うと走り出す。少し小高くなった丘を登り切ると、視界が一気に開けて街道の先が見渡せた。
そこには。
「ゲッゲゲッッ! 手前ェら、命と荷物置いて行きやがれ!!」
下卑た笑いと共に護衛の男を切り捨て、隊商の一行へと血潮滴る剣の切っ先を向けるバルバロイの姿があった。その周囲には手下だろうか。短剣や弓を持った男らの姿も見える。恐らくはアロシュナバラ砦を占拠したバルバロイに連なる連中だろう。
冒険者ギルドからの依頼は『アロシュナバラ砦を占拠しているバルバロイおよびその協力者に関する撃退』である。
いずれにしても……だ。この所業を前に、無力にも立ち尽くす隊商の人々を見捨てる訳には、いかない。
解説
マスターより
リプレイ
イオ・ラヴバロックが、同行者らを振り返って小さく呟いた。
アロシュナバラ砦の奪還を目指し、現地へ向かっていた最中にバルバロイに襲われた隊商の一行を発見した授恵者たち。砦を中心とした地域のバルバロイ勢力の撃退・撃破は全て冒険者ギルドからの依頼として扱われる。それでなくとも、今、目の前で襲われている人々を放置するようでは……大きな目的を成し遂げることも出来ないだろう。
「手が……震えてる」
フリーダ=ブロムヴィストはこれが初陣である。神の御言葉に導かれて授恵者となったが、まだ、自分で武器を振るって戦う事に実感はない。ましてや、バルバロイは――姿かたちは自分たちと変わらない。それを、自分の意志で討ち倒そうというのだ。そんな不安を隠せないフリーダの肩を、サキ・シンクライトがそっと後ろから抱く。
「うん、大丈夫」
ここには、仲間がいる。自分一人で戦う訳じゃない。だけど、自分たちがここでやらなければ、隊商は壊滅するだろう。決意と共に握りしめたその剣に、もう震えは無かった。
「バルバロイが組織立って行動するのは、誰かの意図を感じさせて不安ではあるけれど……」
でも、きっと大丈夫。エルゼリオ・レイノーラが皆を鼓舞するように、笑みを浮かべて言った。
細身な体躯にピンクブロンドの髪を長く結ったエルゼリオは、女性に間違われることもあるが、れっきとした男性だ。常日頃から変わりゆく自身に不安を感じているからこそ、フリーダの不安にも敏感に反応したのかもしれない。
「ふふ、それはとっても『恐ろしい』ことでありますね」
言葉とは裏腹に、嫋やかにほほ笑んだのは禊萩だ。この様な荒れ地にあっても爪先と踵の尖った靴を履き、汗一つかかぬ表情の上に色気を貼り付けた彼女はリーンエス王国の生まれである。その仔細を同行者に語りはしなかったが、真っ当な稼業ではない凄みがその言葉や立ち居振る舞いの端々に現れていた。
「ただでさえ、王国には腐った果実がそこかしこに枝を重くしておりますのに」
羽虫まで入ってこられては。禊萩もまた、彼女なりに王国の在り方を憂いているのだろうか。
「まったく。辺境とはいえ砦を蛮族に落とされて、軍すら出さないとは――!」
憤慨した様子でリリアーヌ・ウォルトグレイヴが語気を強める。貴族の一員、それも武門として名高いウォルトグレイヴ家の一員としては、軍の体たらくにも、腐敗した貴族連中にも一言物申したい。
血気盛んに意気を上げるリリアーヌの服の袖を、イヴェール・イリュジオンが軽く引いて窘める。まだバルバロイは授恵者らに気が付いていないとはいえ、少し距離がある。
物音で気が付かれる前に、もう少し、距離を詰めたい。
「ああ……いい香りです。土と、血と、悲喜こもごもが入り混じった絶望の芳しい香りだ」
隊商の牽く馬車へ近づくと、男たちの怒号や興奮した馬の嘶き、金属が磨れる騒がしい音が聞こえてくる。風に乗って運ばれてきた戦いの予感に、イオは感極まった表情で術式を締めくくった。
「さあ――幕開けですよ!」
爆炎が虚空を灼く。イオが放ったそれはバルバロイへ届きこそしなかったが、音と光で襲撃者らの不意を打つには十分だった。
「助けに来ました……もう、大丈夫です!」
閃光がバルバロイの目を眩ませた隙に、レティシア・レインフィールは距離を詰めて怪我をした商人の下へと一直線に駆け寄る。バルバロイによって斬られたのだろうか。荒く息を吐きレティシアの声に顔を向ける男の額から、口元へと血が流れていた。その姿が記憶の中の母親に重なって見え、レティシアは首を振る。
(――初めての実戦、こんなことで止まってはいられない)
自分に巣食う臆病の虫を意志の力で追い出すと、彼女は掌にエーテルを集中させ、治癒の光の詠唱へと入った。
●
「手前ェら……授恵者か!」
爆炎に不意を衝かれたバルバロイは、だが、頭領を中心に素早く体勢を立て直して敵意を剥き出しにする。この場で引き下がるつもりはなく、あわよくば隊商に加えて授恵者らすらも略奪の対象とする算段らしい。
「上等だ。殺っちまえ!」
そう叫ぶと、頭領自ら剣を振りかぶるとイヴェールへと斬りかかった。
「――迅いっ!?」
油断は無かった。だが、イヴェールをしてその一撃は盾で受けるのが精いっぱいである。授恵者として鍛えられた身体が、剣戟の重みを受けてじり……と押し下げられた。
「イヴェールさんっ、援護します!」
余勢を駆っての追撃は、横合いから体当たりを試みたフリーダの一撃で止められる。チャージングの勢いを駆っての一撃は頭領の左腕に狙い過たず命中する。よく磨かれた腕当てが、一撃でバネを壊されて弾け飛んだ。
「やるじゃねえか、小娘」
致命傷には至らなかったのだろう。ニヤリと笑って頭領はイヴェールとフリーダ、二人を比べるように睨め付けた。二対一の状況であっても引けを取らない蛮族の長は、さすがに頭領と目されるだけのことはある。
「ウォルトグレイヴの剣、お見せしましょう!」
馬車の横では、短剣を携えたバルバロイ二人とリリアーヌ、エルゼリオの交戦も始まっていた。口火を切ったのはリリアーヌである。間合いに入る前から駆け引きは始まっている。土埃に紛れて放った飛ぶ斬撃が蛮剣の手にした短剣を弾き飛ばす。ついでとばかりに、指が二本ほど飛んで血が舞った。
「――大丈夫。もう誰も傷付けさせないから……!」
もう一体の蛮剣にはエルゼリオが割って入る。手早く傷を負った護衛の冒険者へヒールを施すと、棍を操りそれ以上のバルバロイの接近を許さない。衝きと払いを中心に立ち回ると、身のこなしが軽いバルバロイの兵士であってもその懐に入るのは容易ではなかった。
「俺らの獲物を横取りするんじゃねぇよ」
蛮剣も然る者。意識を取り戻したばかりの冒険者を庇ったままでは、エルゼリオもまた、致命打を与えるに至っていない。恐らくは毒を塗っているのであろう短剣の一撃に、距離を取っては魔法の矢での一撃もこなす。存外に器用な蛮剣を相手に授恵者らもまた、苦戦を強いられていた。
「巻き起こりなさい、豪風よ!」
つむじ風が、弓を番えたバルバロイの頬を撫でる。と、彼が認識したのは束の間。風は荒れ狂う嵐となって蛮弓らを襲った。本来であれば、先に頭領へ牽制の一撃を放つ予定であったが、弓使いへの対応が少し手薄になっている。戦況を敏く見て取ると、イオは蛮弓らの動きを抑えるべく攻撃の矛先を向ける。隊商の馬を狙って弓を放たんとしていた蛮弓は、横合いからの攻撃に為す術もなく、風の奔流に揉まれてしまった。
「近づく敵は私が抑えます。皆さんは、積み荷の影へ!」
馬の傍に倒れていた冒険者は、幸いにも一命をとりとめていた。手当ての甲斐あってこちらも意識を取り戻したことをレティシアは確認すると、商人や馬と合わせて全てを背後に隠すように蛮族へと立ちはだかった。エルゼリオを攻めあぐねたバルバロイが、守るべきものが多いレティシアの方が与しやすしと見てこちらへ向かってきているのが見えた。
(こんなところで……甘えてはいられないっ)
背中に商人や冒険者らの視線を感じる。ここで下がる訳にはいかない。覚悟と共に素早く聖印を結ぶと、輝く光の盾が彼女の眼前に顕現する。
「死ねやぁっ!」
怒号と共に振り下ろされた剣の切っ先は、エーテルの盾で勢いを弱められたもののレティシアの頬を浅く切る。一筋の紅が走り、痛みとは別に、痺れるような嫌な感触を彼女は覚えた。
●
「ぐっ……重い!」
「まだまだ、負けません!」
一撃を受ける度に骨が軋む。イヴェールとフリーダは、頭領による大振りのなぎ払いを受けて踏鞴を踏む。息が上がり、視界は酸欠で白くなり始めていた。バルバロイの頭領も、腕や足、胴に無数の傷を受けている。
イヴェールが鎧を砕き、フリーダが連打で間断なく責め立てる。二方向からの攻撃は技量の差があるとは言えども、捌き切れるものではない。
生半な賊であれば、とうに斃れていてもおかしくなかった。それを、ここまで押し返す頭領が強敵なのか。その攻防を幾度となく受け、なお戦意を失わずに立ち向かうイヴェールとフリーダを称えるべきか。彼女たちでなければ、頭領の剣の一撃で切り裂かれていたかもしれない――そう、護衛の冒険者のように。
「この様子ならば、わたくしも頭領の足止めに入った方がよさそう、かしら?」
禊萩は状況を見て取ると、走る向きを変えて頭領へと斬りかかった。まず優先するべきはリーダー格であり、立て直されて指示を出されることを防ぐべきだろう。
それに、蛮剣と相対したリリアーヌやエルゼリオには、まだ余裕がある。数の不利をしてなお、互角の戦いを繰り広げているイヴェールとフリーダに加勢するべきだと彼女は咄嗟に判断する。死角を突いたはずの禊萩の攻撃は、だが半身下がるだけの最小限の動きで躱された。その代わりに、下卑た視線と笑いが妖艶な女の肢体にぶつけられる。
「――あいにくと、お命以外に受け取る予定はありませんのよ」
回避を意識していたが故に、いま一歩踏み込みが足りなかったか。それとも僅かに天運が足りなかったか。彼我の力量を値踏みして禊萩も間合いを計る。
「ふふ――ふ。いい、顔をしますね」
戦いの主導権はイオの手に有った。最初の一撃で弓を取り落とした弓兵の、その隙を見逃す程の甘さは彼にはない。弓を拾わんと手を伸ばすその二の腕を魔矢で貫き、距離を詰め、自らの足で踏みつけて動きを封じる。
「た……たすけて、くれ……!」
全身をエーテルの刃で切り刻まれ、吐息と共に血の塊を吐き出す蛮弓。既に勝負は決したかのように見えた。
だが。
「困りますね。それだけは、出来ないんですよ」
三日月が、ニィと切れ込みを深くする。刹那、命乞いをしていたバルバロイが炎に包まれる。断末魔の声を上げる間も無く、蛮弓は事切れた。相方の末路を見せつけられたもう一人の蛮弓も、腰が抜けて動けないようだ。足下から立ち上る死の匂いを胸腔いっぱいに吸い込み、イオは笑った。
「言動が悪人そのままなら、顔も見事な悪人顔をしていますね……手抜きなく殺せそうです」
「言うねぇ。気の強い女は嫌いじゃねえが、生かしておく気もねえ。そろそろ死ねや」
頭領が一歩飛び退ると、剣を逆手に持つ。
授恵者らが警戒をした瞬間。裂帛の気合と共にバルバロイの頭領は一足の踏み込みで彼我の距離を零に帰す。
「危ないッ――!」
狙われたのは、イヴェール。咄嗟に彼女を庇おうとレティシアも飛び出さんとするが、既に限界を超えた脚は動かない。
「うおおおぉぉぉッ!!!」
咆哮を上げる獣を、イヴェールもまた全身全霊を持って迎え撃つ。
「口ほどにもないな」
利き手の指を失ったバルバロイを、リリアーヌは圧倒していた。本来の力量は、ほぼ互角。だが、最初の一撃。それが全ての趨勢を決めていた。主たる攻撃手段を失った蛮剣は、それでも足や左手で果敢に応戦する。その一つひとつを丁寧に往なしながら、リリアーヌは止めの一撃を放つタイミングを狙っていた。
「一人一殺……ウォルトグレイヴの家訓は我が胸にあり」
鋭く振りぬいた刃が、男の首を刎ねる。矜持の一撃が勝負の終わりを告げた。その結末を、リリアーヌは振り返らない。それは、まだ為すべきことがあるから。
ずるり、と。脱力した男の体重が圧し掛かってくる。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ!」
紙一重。全体重を乗せた頭領の剣は、イヴェールの肩口からを袈裟懸けに切り裂こうとしていた。その懐へと飛び込んだイヴェールが、大剣を男の腹へと突き刺すのが、少し。ほんの少しだけ早かった。それだけの差。
だが、決定的な差である。血の塊をごふりと吐き出し、バルバロイの頭領は動かなくなった。
その様子を見やり、禊萩は隊商の本隊へと踵を返した。頭領は勝負を急いだが故に決着も早かったが、ヒットアンドアウェイを繰り返しプレッシャーを与えてくる蛮剣と、エルゼリオ・レティシアは交戦を続けている。馬や商人へも容赦なく毒の刃を向ける蛮剣相手に、少しばかり手数が足りないようだ。
禊萩がフォローに入ったことで、レティシアとエルゼリオは隊商の救護に専念することが出来た。
「動きは随分とお疾いようにお見受けしますが」
一合、二合、三合と。刃を重ねて蛮剣と禊萩の死闘は続く。見た目の傷以上に、全身に回る毒が二人の動きを鈍らせていた。頭領を失ってそれでも、この敵は戦意を失わない。肌をびりびりと灼く緊張感に、禊萩は高揚する。
まずは――その風を切る、脚から。しなやかな身のこなしと、視線でフェイントを入れ、太ももの腱を切り裂くように刃を滑らせる。肉と、脂を切る感触が禊萩の手に伝わる。
「――くそっ、たれ!」
毒が回り切ったこともあり、動けなくなって倒れるバルバロイ。
「少しの反応と、経験の差……ですかしら?」
彼に抵抗する力がなくなったことを確認し、禊萩はぼろ布を細かく割いて紐状にするとこれを縛り上げた。
隊商を襲っていたバルバロイの一団は、偶然行き会った授恵者らの奮戦により全員が無力化、ないし討伐された。
●
「――助かりました」
レティシアから治療を受けた商人が、礼を言う。授恵者らが到着した時点で既に殺されていた者を除き、全ての者が生き残ることが出来た。少しの傷は残るだろうが、命に別条はない。
「バルバロイに狙われた心当りは? 何か貴重な物品を積んでるとか……」
周囲の警戒を終わらせ、一行へと合流したエルゼリオが問う。隊商が襲われることはそう珍しくはないとはいえ、護衛をつけて尚、抵抗も出来ずに一方的に襲われるというのはさすがに珍しい。交戦の際に気になったのは、バルバロイが装備している武器防具の質の良さだ。手入れが十分ではなく本来の力を発揮するには及ばなかったが、正規軍――それも、資金が潤沢な帝国軍レベルの――設えである。およそ一介のバルバロイが持っているべきものではない。
「はい、私たちはアロシュナバラの砦を迂回して、逃げてきたのです」
アロシュナバラの砦、および麓の村は総勢50人を超えるバルバロイに襲われ、陥落したのだと商人は告げた。その警戒網を交わしきることが出来ず、追手を掛けられたらしい。リオの話とも一致する。
「ヘンリク・ニエメネンと名乗る仮面の戦士が、バルバロイを統率しています」
その他にも亜人を従える術式をも使いこなすという、その男が蜂起の首謀者だと言う。捕縛したバルバロイからも情報の裏付けを取り、授恵者らはここまでの遭遇を報告書として認めた。
蜂起の仔細を知るためには、更に敵地深くへ進む必要があるだろう。蜂起の目的や、首魁の能力は未知数。その上、想像以上に多勢の蜂起であると……そう授恵者らへの心には警戒感が新たになった。
――了――
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 4〜8人
2020年10月25日 11時33分19秒 公開
相談掲示板
よし、一番乗り…かな? あたしはサキ・シンクライト。所謂シーフだね。 剣を振る以外は速く遠くまで駆けたり、壁や木を使って小技を聞かせて走れるくらいかな。 よろしくよろしく。 …急な遭遇戦に加え、護衛や救助も考えるとなるとどうしたものかな。
キャスターのイオ・ラヴバロックと申します、お見知りおきを。 私は魔法で遠距離攻撃が出来ますので、そちらで敵を攻撃できますが……ふうむ、今回はシューターはいらっしゃいませんでしたか。 もし当てるなら少しばかり近づかなければなりませんね……商隊の方がどうなるか保証はできませんが、不意討ちを狙うならこちらに気づかないうちに距離を詰めなくては。 あるいはこちらに気づいて止まってもらうという手も、有るかもしれませんが。 戦闘ではスタティックフィールドで蛮剣、少し近づければ蛮弓のどちらでもやれます。 もし近接職の方が援護が必要なら、やれる範囲で支援しますのでお好きに申してください。 時に、バルバロイの生死は問わなくてよろしいですか? 彼らはクリーパーではありませんが、気にする方は気にするでしょうから。
リリアーヌ・ウォルトグレイヴ、リーンエス貴族出身のウォリアーにございます。 私自身は当てる事に主眼を置いた剣の使い手でございまして、守りは不得意と己を見ております。 状況が状況ですので、初手を『気づかれず奇襲』と『あえて気づかれて敵の注意を惹く』のどちらにするかは決める必要があるのかも知れませんね。 >敵の生死 私はどちらでも構いません。
禊萩。シーフですわ、よろしくお願いしますね? これと挙げるものはありませんが、そうですねえ……強いてならば陽動に向くかしら。 すでに襲撃の只中のご様子。人命を優先するのであれば、そちらの対応は急務でしょうか。 商人が散り気味なところは気になりますが。 150メートル先とは、すこし離れていますのね。近付くにも時間がかかりますわ。 相手の思考が判りませんもの、幾らか奇襲は組み込んでも良さそうですけれど、この辺り、遮蔽物は如何程なのかしら?隠密でというのならば難しいかも。
ウォーリアのフリーダです。皆さんよろしくお願いします。 既に襲撃を受けている以上、なるべく早めに接敵したいところですね。 初期位置からバルバロイまで150m程なのでおおよそ30へクス、 移動値4と仮定すると1ターン当たり移動できる距離はメイン・サブ合わせて12へクス、 単純計算では2~3ターン程かかる形になるでしょうか? 街道周辺は荒野という事ですので、あまり遮蔽物には期待できそうにないですね。 今回のメンバーの中では私が一番打たれ強い形になるでしょうか? そうなると必然的に『頭領』や『蛮剣』等の前衛を抑える役ですね。 ですので注意を引く役割として行動したいと考えます。 具体的な行動についてはもう少し煮詰めてみます。 敵の生死については状況的に手加減は難しいと思います。 『頭領』あたりならともかく、それ以外の蛮族を生かしたとしても情報が得られるかどうかという問題もありますし……
ウォーリアのイヴェール・イリュジオンです。 どうぞよろしくお願いいたします(ぺこり) やるべき事は敵の殲滅と救助とその護衛、と言ったところでしょうか。 避難させる事は難しそうですから、戦闘中は隊商の方達には積荷を盾に身を隠して貰うしかなさそうですね。 可能な限り最速で隊商の元へ向かうのは私も同意です。 チャージングも使えば3ターン目には隊商に取り付いたのと接敵すると思います。 奇襲を仕掛けるのであれば思いつくところで言えば迂回ですが、障害物が無いのであればもう一工夫必要そうですね… >敵の生死 殺せばいいでしょう。悪人に情けをかける必要はありませんし。 私も状況的に手加減が出来るとは思えませんし、生かしたまま捕まえる余裕もないかと。
接敵のプランなどは今のところありませんが、メンバーの能力などを見たところ私は蛮剣一体を確実に仕留める役回りになりそうですね。 チャージングはありますので、最短で行けば早めに乱戦には持ち込めますかと。
初めてお目にかかります。レティシア・レインフィールと申します。 皆様、よろしくお願い致します。 実戦は初めてなのですけれど……ヒーラーとして、お役に立てる事が出来ましたら幸いでございます。 私も、迅速に隊商の方々の元へ向かう事に異論はございません。 隊商の方々と、バルバロイの方々を完全に分断する事が出来れば良いのですけれど……。 それと、負傷された護衛の方々は如何致しましょうか? 生きているのであれば治療を行いたいと考えておりますが、状況的に難しいでしょうか……。 >敵の生死 あまり、命は奪いたくはないと思いますけれど……。 隊商の方々を救う事を優先したいと思いますし 万が一、彼らを逃しては砦に情報を持ち帰られてしまう危険性がございましょう。 ですから、捕らえて情報を得るのは優先度が低くなるのではないかと考えております。
ボクはヒーラーのエルゼリオ・レイノーラ。 今回はヨロシクね! >『気づかれず奇襲』or『あえて気づかれて敵の注意を惹く』 少しでも速く敵の意識を隊商からボク達に逸らさないと、 アッと言う間に被害甚大になっちゃうと思うから、 『あえて気づかれて敵の注意を惹く』方が良いんじゃないかな? >敵の生死 基本的に殲滅する方向で良いんじゃない? 生かしたまま捕えるって難しいし…。 行動不能になったり、降伏して来た敵がいた場合のみ捕縛するカンジで。 >負傷された護衛 ボク達が隊商の元まで辿り着いた時に息がある場合、ヒールはかけてあげたいな。 >その他 まだ資金とかには余裕があるから、状況に合わせてスキルを取得する事は可能だよ。 何か持って行った方が良さそうなスキルがあったら言ってね!
では……現場の環境状態が分からないということも踏まえて、こちらに注意を惹き付けて交戦に入る。 ……がよろしいでしょうか? そして敵の命を気遣う余裕はない、と考える方が多そうですね。 ならばここは生死は問わず、しかし奪いたくなければ奪わない……ということで。 ……しかし、ふふ、遠慮しなくていいのは有り難いことだ。 それでは提案なのですが、まず私が爆炎で前方を燃やし、敵の惹き付けと同時に目眩ましの役割をします。 その後、チャージングを扱える方が炎で我々の姿が隠れるうちに敵に接近し、交戦に入る。というのはいかがでしょう? 敵を隊商の方とどう引き剥がすかはお任せすることになってしまいますが。 代案もあればご自由に仰ってください。 ヒーラーの方はそうですね、隊商のほうを回復させていただいて構わないかと。
イオさんの接敵プランに賛成致します。 私は素早く蛮剣へと斬り込みましょう。
私も、イオ様の案に異論はございません。 そして隊商の護衛の方々への回復への同意、ありがとう存じます。 二人いらっしゃるようですので、私とエルゼリオ様で丁度分担が出来ますわ。 私は護衛の方の回復後、皆様が回復の範囲内から外れないよう立ち位置に注意をしつつ 隊商の方々が攻撃されないよう守りながら、援護をさせて頂こうと考えております。 あとは……倒す順番も、決めておいた方がよろしいかもしれません。 頭領の方は力量的な面から最後として、蛮弓と蛮剣の方々の内、どちらを優先致しましょうか? 私は一番弱った方>蛮剣>蛮弓>頭領がよろしいのではないかと考えておりますけれど……。
>作戦 範囲攻撃魔法で先制⇒チャージング使用者が突撃…の流れに異論はないよ! ボクは範囲攻撃魔法の後、倒れてる隊商の護衛の元まで急行して【ヒール】で回復。 その後は隊商の人達を護りながら戦うカンジを考えてる。 >倒す順番 ボクも蛮剣>蛮弓>頭領の優先度で良いと思う。 ただ、頭領は近接職っぽいし、蛮弓よりも前に出て来るかもだから、 蛮弓を掃討するまでの間、小人数で頭領を抑える必要があるかも。
間が開いてしまいましたね…申し訳ありません。 >作戦 範囲攻撃魔法で先制を仕掛けるのであれば、目晦ましなどで終わらせずに頭領あるいはこちらの接近にまず気付きそうな蛮弓を狙ってみてはいかがでしょう? 蛮剣はこちらが到達した時点で商隊のすぐ傍でしょうから、爆炎に巻き込む恐れがあり狙うのは難しそうです。 ですが頭領の指示で動いているのでしたら、そちらを狙った爆発があればどうしても状況を把握しようと手を止めるのではと。結果として蛮剣の注意も惹けるかも知れません。 射程が届かないのであれば仕方ありませんが…流れとして範囲攻撃後にチャージング使用者が突撃、というのは私も良いと思います。 >倒す順番 まずは商人を直接狙う蛮剣でいいと思います。 そのうえで商人たちを孤立させないように守る必要もあると思います。 蛮弓の役割が足止めと孤立者への攻撃なのでしたら、逃げ出した商人も孤立すれば集中攻撃を受ける恐れがあるのではと? 頭領の足止めは間違いなく必要ですね…前に出て戦える方を2人以上を含めた3人くらい、でしょうか…
ごめんなさいね、間が空きましたかしら。 作戦了承しました。 炎による先制…ラヴバロック様ですわね、よろしくお願いいたします。 それでは、行動順はラヴバロック様の後にまわしておきますね。 シーフも【チャージング】を使える方と共に、先制のち突入してもよろしいかしら? おそらく、10秒内には彼方に到達するのではと。 人数は多い方がよいと思うのですけれど、如何でしょう? 討伐順は異論ありませんわ。 商人の対応と頭領の足止めも必要に思えます。 商人を再度集めるのが、すこし難儀しそうかしら。 ……ううん……頭領を、足止めするのみならば、私そちらに入りましょうか? 火力はありませんけれど、回避は少しは出来ますの。
今のところ各自の対応する動きはこんなところでしょうか? フリーダさんは頭領と蛮剣、どちらか分からないので、一先ず入れないでおきました。 禊萩さんは打たれ弱いので頭領の相手は万が一が怖い気がしますね… 命中力が高いですし、同じ機動力のある蛮剣の相手の方がまだ戦い易いかも知れません。 別の打たれ強い人に矢面に立って貰って、隙を突くような戦い方であれば戦いようはあるでしょうか? 頭領の足止めは最低限、ウォーリアが1人は必要なので私が確定でいきますね。 ・頭領 禊萩? イヴェール ・蛮剣 リリアーヌ 。隊商護衛 レティシア エルゼリオ 突入は合わせてが望ましいと思います。 蛮弓の事もありますから、バラバラに突入して誰か孤立するのは避けたいですね。
そうなのですよねえ…… 私としましては、討伐順の都合、手下に火力を集めなくては頭領戦までが長引くのではと思ってしまうのですけれど、確かに打たれ易いのですわ 頭領は火力有り命中率に言及無しの印象でしたが、中るやもしれませんものね(頬に手を当て考えている) 解りました(両手を叩いて) では一度私の分担は取り下げまして、最終的に空いたところに入りますわ。 蛮剣でもよろしいのですけれども、頭領の足止めからシーフ自体を外しますと、必然的にウォーリアとキャスターで構成しなくてはなりません。 希望云々の前に担当が決まってしまいますので…私で調節しますから、お好きなところに入られましね。 (「私本当にどこでも構いませんのよ」とひらひら手を振る)
「打たれ弱い」、ですわね、ごめんなさい。 誤字・連投申し訳なく。
少し間が空いてしまいました。 ここまでの流れは大丈夫です。 >担当 それでは私は頭領を対応する事にします。 少なくとも蛮剣・蛮弓の撃破までは抑える事を優先して交戦、 なるべく多くの時間を稼ぐ事を優先しようと思います。 相手の旗色が悪くなれば撤退も視野に入れるでしょうから、 その時点までには包囲できるとより確実でしょうか。
>戦闘(個人) 蛮弓への攻撃が手薄になる可能性が高いかもだから、 ボクもサブ前衛として隊商を狙って来る敵を優先的に攻撃(蛮弓含む)する事にするよ。 皆の被弾状況にも注意しつつ必要なら回復も行なえる様、 ある程度は臨機応変に動ける様にしたいと思う!