【泥乱】ギシュム族の若者ヴァーロゥム、がんばる
岩岡志摩
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シナリオID:2987
オープニング
その日、集落外縁を警備していたギシュム族の若者ヴァーロゥムは星を見つけた。
――と言うのは、戦士であるヴァーロゥムには似合わぬ詩的表現であったが、彼女を見たときに雷霆に打たれたような衝撃が走ったのは事実のようだ。
ヴァーロゥムは道に迷っていた彼女と供の者を助け、集落へと案内する。
そこで疲れが出たのか彼女は床につく。
供をしていた老人の話では心配ないということだが、ヴァーロゥムは様子を見に行く自分を止められなかった。
そんな日々が数日続き、ヴァ―ロゥムと彼女は互いに気心も知れたのか、親しく話をするようになる。
「イネス・コンテスティ……。素敵な名前だな。彼女は、征竜様の巫女様なのか」
その中でヴァーロゥムはイネスという女性の素性を知る。
身分と言う概念は、リザードマン種族の中ではあまり重きをなさないが、それでも偉大なる征竜の巫女という立場は大きい。
あの日に見つけた星は天高く輝く偉大な星で、ヴァーロゥムは地から見上げるのみ。
それでも彼は満足だった。
ヴァーロゥムが精力的にイネスの世話をしようと動き回る姿を見て、集落の人々はこう思った。
――あいつ種族違うのに惚れているぞ。
本人に自覚があるのか不明だが、周りから見ればヴァーロゥムは巫女に夢中だった。
巫女はヴァーロゥムをどう思っているのかは不明だが、集落ではヴァーロゥムの恋(?)を変わっていると思う一方、密かに応援していた。
●巫女のために
巫女イネスはギシュム族に保護された際、弱っているように見えた。
イネスの世話を焼いていたヴァ―ロゥムは、イネスに体力がつきそうな料理を用意できないかと考え、同じギシュム族の人達と話し合う。
滋養のある食材としては、まず肉が思いつく。
ディズル大湿地帯には雲霞鳥(うんかちょう)という魔獣が生息しているが、その肉は筋張っていてあまり美味ではない。
ヴァ―ロゥムが集落の人々と相談する中、イネスの付き人から気になる情報を得た。
――道に迷っている最中、ひときわ大きな鳥が巣を作っているのを見た。
その鳥は頭部を殻のようなもので覆い、飛ぶのが苦手なのか地上を走っていたので、付き人もよく覚えていたらしい。
付き人の話からヴァーロゥムはその鳥型魔獣が。明らかに雲霞鳥とは異なる種類だと気づく。
――もしかしたら、その卵は料理の食材に使えるかもしれない。
そう思ったヴァーロゥムは付き人から魔獣の特徴やおよその位置を聞き出し、食材を求めて狩りに出ようとする。
「大丈夫だ。危なくなったらすぐ逃げる」
自身を慕い、心配そうに見つめてくる子供達を前にヴァーロゥムはそう約束し、集落を出発した。
子供達から話を聞いた親たちは、ギシュム族の酋長アシムベート・グリオウに相談した。
「心配しすぎだとは思いますが……」
「もともとディズル大湿地帯は凶悪な原生生物やクリーパー達がひしめく危険地帯だ。その心配は理解できる」
アシムベートは子供やその親達の心情を汲み取り、自身の名で冒険者ギルドへと依頼を出せるよう動きたまたまこの集落まで立ち寄っていた冒険者ギルド職員アルヒ・ラスカスを呼び出す。
「単身狩りに出かけたヴァーロゥムを迎えに行き、集落まで護送する依頼を出してもらいたい」
アシムベートの説明によると、ヴァーロゥムとはギシュム族の優秀な若手戦士であり、将来の族長候補として期待されているようだ。
「何事もなくヴァーロゥムが単身集落へ戻ってきても、報酬は支払うつもりだ」
人柄は良く義理堅いことで知られるアシムベートは、ヴァーロゥムも守るべき対象に含めている。
「承知しました。急いで冒険者達を集めます」
アルヒは依頼人となったアシムベートより必要な話を聞くと、近隣にいるはずの冒険者達を集め始める。
その間にも、ヴァーロゥムは探索の末に巫女の付き人が目撃したという魔獣の巣にたどり着くことができた。
幸運にも巣にあるのは卵が複数あるだけで、親と思われる魔獣は傍にいないようだ。
「これならきっと彼女も元気になる」
ヴァーロゥムは親が帰ってくる前に卵を全て採取し、急いでその場を後にする。
そして異変はこの後に起こった。
●その結果がこれだよ
「うおおおおおおおおおっ!」
ヴァーロゥムは走った。
突風のように走った。
その途中にあった、熊や大蛇と思しき魔獣達の真っただ中を駆け抜け、蛇の子供らしきものを蹴とばし、子熊と思しき魔獣を踏み越え、とにかく走った。
すぐ背後から聞こえてきた咆哮に、ヴァーロゥムは一瞬視線を後方に向けると、卵の親らしき鳥型魔獣が、更に距離を詰めてきた。
先程からヴァーロゥムは全力で逃げているが、鳥型魔獣は湿地に点在する地面の凹凸を押しのけ、跳ね飛ばし、地面を踏み鳴らし猛追してくる。
ヴァーロゥムは集落の中でも将来有望な戦士だが、今は卵を抱えた状態なので逃げに徹している。
ヴァーロゥムは知らなかったが、この鳥型魔獣は骨鳥と呼ばれる種類で、その中でも特異個体に分類される。
特異個体も卵を1個盗まれる程度なら、ヴァーロゥムの採取を黙認した。
そしてイネス1人分の料理に使う量として、卵も1個あれば十分だった。
しかしイネスを元気にしたいという思いが強すぎたのか、ヴァーロゥムは巣にある卵全てを採取してしまい、特異個体はヴァーロゥムを追ってきた。
そしてヴァーロゥムが逃げる間に、採取した卵の半分以上は硬い地面へと落下した。
割れた卵より中身が地面にぶちまけられたことで特異個体は怒り、今も執拗にヴァーロゥムを追い続けている。
「生きて集落へたどり着く! そして彼女を元気に――」
自らを鼓舞するようにヴァーロゥムは叫んで必死に走り、その後を特異個体が追いすがる。
集落までの距離が、今のヴァーロゥムには遥か彼方にも見えてきた。
●やること
皆様は何らかの事情でディズル大湿原に立ち寄り、酋長アシムベート・グリオウより出された依頼の1つに応じました。
今回の依頼内容は、単身狩りに出かけたヴァーロゥムを迎えに行き、集落まで護送することです。
ヴァーロゥムがどの方角に向かったのかは、直前まで彼と話をしていた集落の子供達が覚えていたので、皆様もヴァーロゥムがいる方角や現在に位置を大まかに把握しています。
そして皆様が迎えに行くと、骨鳥の特異個体に追われているヴァーロゥムを発見したため救助に向かうあたりからスタートになります。
●今回ヴァーロゥムが採取した卵
骨鳥という鳥型魔獣の中でも特異個体が産んだ卵。
卵自体濃厚な味わいで、調理すれば滋養のある料理(例:オムレツ、卵入りスープなど)にすることができる。
また特異個体自体も胸やモモの部分にスジもなく、栄養価の高い肉を有する。
●ロコ
この時ヴァーロゥムが荒らした場所では、メドゥの指先幹部『黄の小指ロコが後片付けに追われていた。
「……キヒ。きひひひひ」
ヴァーロゥムに踏みつぶされた蛇の子供や、中身が飛び散った骨鳥の卵を回収しながら、ロコは静かに嗤っていた。
ラスリャマスの乱においてロコは熊型や大蛇型、そして骨鳥といった魔獣達を率いてターミル族の集落を襲撃した一方、ギシュム族との交戦を避けていた。
そのためヴァーロゥムも、卵の親がロコ配下の魔獣と知らないまま、今回の採取を実行してしまった。
新たな因縁が、始まろうとしている。
解説
マスターより
リプレイ
ギシュム族の酋長アシムベート・グリオウからの依頼に応じた冒険者達は、ギシュム族の若手戦士ヴァーロゥムとの合流を急ぐ。
冒険者達が現在いる場所は、ディズル大湿原帯の中でもひらけたところで、周囲をよく見通すことができた。
「おいおい、あの卵抱えて逃げてんのがヴァーロゥムとか言うヤツだよな?」
天眼を駆使して周囲を見通していたハヤト=ガラン=ヴォルファングは、ある方向を指さす。
「いました! 鳥の魔獣に追われています!」
トーラもハヤトが指さした方角に目を向けると、ヴァーロゥムらしき人物と、その後方より猛追する鳥型魔獣を視認できた。
「俺が先行して魔獣の注意を引き付ける。その間に救助を頼むぞ」
そう言い残すと、ハヤトは瞬間的な加速を披露し、途中でヴァーロゥムとすれ違うと、そのまま鳥型魔獣との距離を急速に縮めていく。
「うるぁ! こんがり焼き鳥にしてやんぜ!」
そのまま跳躍したハヤトの体が風を裂き、叩きつけられた焔雷獣の拳爪蹴牙の一撃が、鳥型魔獣を撃ち抜く。
拳爪が肉を穿つ音と共に、ハヤトに殴り飛ばされた鳥型魔獣は体勢を崩したものの、倒れる様子はない。
「あれは骨鳥だな」
ルチル・プルメリア・グレイハーツは、今しがたハヤトが蹴り飛ばした鳥型魔獣に関する情報を仕入れていた。
ルチルが入手した情報によると、骨鳥は【蟲毒】事件の際、この地で暴れたメドゥの指先幹部『黄の小指』ロコ配下の魔獣だった。
(そうなるとロコが近くにいるのでは?)
ルチルはエーテルリンク2を結んだ相棒のルトに影分身を作成させると、これから退却する道と骨鳥が来た方向に何かいないか確認させるため、それぞれの方角へと向かわせる。
「アルヒさんには回復とヴァーロゥムさんの保護をお願いしますね」
その間に骨鳥が射程内へ近づくまで待機していたトーラも、アルヒ・ラスカスにヴァーロゥムの保護を頼むと、
瞬間的な加速をみせて骨鳥との距離を詰めていく。
一気に肉薄したトーラより、低い位置から赤光のエーテルをまとわせた細身の短剣が跳ね上がり、骨鳥に命中する。
その瞬間、短剣に纏い刃を成していた縛糸刃が光の糸へと変じ、骨鳥の身に纏わりついて、その動きを妨害する。
「その卵が大事なら、あの魔獣が倒れるまで卵を守り抜くことに全力を果たすんだ」
その間にも、ルチルはヴァーロゥムの傍まで近づき指示を出す。
教導スキルも絡めながら、ルチルはヴァ―ロゥムに対して最適な立ち位置を教え込むと、アーバレストの狙いを骨鳥に向ける。
そのままルチルはエーテルを矢に纏わせて撃ち放ち、骨鳥を射抜くと共に、矢に込められたエーテルが骨鳥を侵し、その命中精度を下げていく。
それまで天眼を駆使し、周囲の探索に当たっていたロドリック・アルカインも、ヴァーロゥムのもとへ到着する。
「無理そうであれば卵を抱えてそのまま逃げて貰おう」
ロドリックはヴァーロゥム本人に、戦闘に参加するつもりがあるのか確認するつもりでいた。
(参加するなら、狙われている以上タンク役を頼むことになるだろうが――)
ロドリックは卵を抱えたヴァーロゥムの姿を改めて確認する。
(装備は軽装。タンク役は無理だな)
短い時間でそう判断したロドリックは、骨鳥の周囲に稲妻のような光が荒れ狂う空間を顕現させると、稲光は骨鳥に絡みついてその移動を阻害する。
「とりあえず速度を落とす。所詮は鳥だ。物忘れもするだろうさ」
ロドリックは骨鳥の敵意をヴァ―ロゥムから自分達へ向けさせることも兼ねて、竜石の長杖を突き出す。
そのまま杖の先より射出された氷の矢は骨鳥に命中すると、冷気と共にその身へと纏わりつき、その移動力を低下させていった。
●骨鳥討伐
骨鳥の周囲ではトーラとハヤトが一撃離脱を繰り返し、ルチルの射撃とロドリックの魔法攻撃も的確に骨鳥へと撃ち込まれることで、骨鳥の生命は急速に削られていく。
攻防の中、青い光を纏った骨鳥がトーラへと突っ込む。
「防御するよりも回避した方がよさそうですね」
そう判断したトーラは攻撃の軌道を瞬間的に見定めて真横へと飛び退き、骨鳥の突進を回避する。
「ここは他の方の攻撃をサポートすることにします」
トーラはヴァーロゥムの位置を素早く確認すると低い姿勢のまま、突進を終えた骨鳥の懐に飛び込んでいく。
そのまま地を低く詰め寄ったトーラより、肉体を蝕むエーテルを纏わせた短剣が斬り上がり、骨鳥の身を斜めに斬り裂くと共に、刃に纏うエーテルが骨鳥の守りを脆くした。
フェザーステップを披露したトーラが骨鳥との距離を置き、入れ違いに別の方角よりハヤトが襲いかかる。
軍神の祝福によって、ハヤトは今が攻撃の好機と見定めていた。
「おら! テメェの相手はこの俺だ!」
叫びと共にハヤトの魂に宿る獣性が解放され、紅を纏う竜巻と化したかのような連撃を繰り出した。
「これで終わりだぁ!」
ハヤトの籠手と具足、藍玄の忍刀が交互に骨鳥の身を穿ち、斬り裂き、さらに撃ち抜く。
骨鳥の損傷をさらに蓄積させたハヤトはフェザーステップを駆使して飛び退き、味方の射線を開ける。
「今のところ、退路と骨鳥が来た方角には何もないようだ」
ラトや影分身との視聴覚を共有していたルチルは、骨鳥以外で警戒すべき要素がないことを知ると、視界内にいるヴァーロゥムに向け、緩やかな後退を指示する。
「少しずつ。骨鳥の注意をひかないようにだ」
「わ、わかった」
ルチルの指示に従い、卵を抱えたままヴァーロゥムはゆっくりと後退を始める。
ヴァーロゥムの後退を援護するため、ルチルは閃光塗弾のピンに手をかける。
「全員、骨鳥のいる方角から視線を逸らすんだ」
トーラやハヤト、近くにいるロドリック、そしてヴァ―ロゥムに警告を出すと、ピンを抜いた閃光塗弾を骨鳥へと投擲する。
放物線を描き、骨鳥の近くに転がった閃光塗弾が強烈な閃光を伴って破裂し、まともに光を見た骨鳥は眩惑されたのか、その身をよろめかせる。
その隙をルチルは見逃すことなく、アーバレストを骨鳥に向けると、番えた矢にエーテルを纏わせ、強烈な一射として放つ。
ルチルの放った一射は狙い通り骨鳥の身へと突き刺さり、射抜かれた骨鳥は血を撒いて身悶えし、さらにその生命も削られていく。
「既に鳥の注意はこちらに向いているが、ヒールを使う必要はなさそうだな」
ロドリックは閃光が消えた後、再び天眼によって戦場全体を見渡していた。
前に出て戦うトーラやハヤトに、骨鳥は攻撃を当てることができず、その生命もかなり削られている。
「あとは火力役として私も加われば、そのまま倒せそうだ」
そう判断したロドリックは長杖を骨鳥に向けると、その先端より強烈な光の矢を形成して撃ち放つ。
ロドリックの魔矢2は宙を飛び渡り、骨鳥の頭部に突き刺さると、そのまま破砕した。
頭部を失った骨鳥は血飛沫をあげて地面に倒れ、動かなくなった。
●後処理と指導
骨鳥を倒したことで、当面の危機は去った。
「ヴァーロゥムさん、事情を聴かせてください」
トーラはヴァーロゥムの護衛を兼ねて事情を聞き始める。
(えぇ……)
その中でトーラはヴァーロゥムの熱意を知るが、巣にあった卵をすべて持ち去ったことを知り、内心そんな呟きを漏らす。
(ロコには会ったことも聞いたこともないので、骨鳥についてわかることもない)
一方ロドリックは天眼を駆使して周囲の警戒を続け、何かあれば仲間に報せるつもりでいる。
その間にハヤトとルチルは倒した骨鳥の処理を進めていた。
「せっかくだ。こいつも食べられるようにして持ち帰るか」
「そうだな。骨鳥自体も食料として有効に使えそうだ」
ハヤトは予め冒険者ギルド支部職員アルヒ・ラスカスより借用した道具で解体を進める中、肉の部位を眺めたルチルは、卵以外にも骨鳥自体も回収することを決めた。
ルチルも遅れて現場に到着したアルヒに対し、馬車の手配とヴァーロゥムの確保した卵も含め、集落へ運ぶよう要請を出す。
そして冒険者達はアルヒが調達した馬車へと骨鳥と卵を詰め込み、集落に向かう。
その頃にはトーラを介し、ハヤトやルチルもヴァーロゥムの事情を知ることができた。
そのため集落への道のりは、冒険者達によるヴァーロゥムへの指導も加わることになる。
「勇気と無謀は違う。今回の一件は、安易に飛びつかず過去の記録を調べ、欲張らないか入念な調査を行っていれば避けられたことだ」
ルチルは自身が属するフィラムが知識を重んじていることもあり、事前の情報収集を怠らなければリスクは回避できたと、演説スキルや教導スキルも駆使しながらヴァーロゥムに忠告する。
「テメェの力量も測れねぇ奴に、一族を率いることなんざ出来るわけがねぇぞ?」
ハヤトはこの依頼を受ける際、眼前にいるヴァーロゥムが、ギシュム族の中でも有望な若手であることを聞いていた。
「ましてや龍になんか届くわけがねぇ!」
ハヤトの厳しい言葉に、ヴァーロゥムは悔し気な表情を見せるが、言い返す様子はない。
足りない部分は多いものの、ヴァーロゥムは冒険者達からの諫言を素直に受け止めていた。
「ヴァーロゥムさんがイネスさんの事を想う気持ちは分かります」
トーラはまずヴァーロゥムの心情に理解を示す。
「ですが、この魔獣も子供の為に諦めず戦ったんです。その気持ちも、分かるようになってあげて下さいね?」
トーラは相手も慮る事も大事だとヴァーロゥムに言い含める。
「自分のために誰かが怪我をして、その人は喜ぶような奴なのかい?」
ルチルはヴァーロゥムの慕うイネス・コンテスティが、そのような性根なのかと諭すと、ヴァーロゥムは反論できず押し黙る。
ルチルはそう言いながらも、内心では3人目の征竜の巫女を疑っていた。
ただイネスを信じる者も一定数いるため、ルチルはその感情を表に出すことはなく、いい所を見せようと早まる若者をしっかり指導するつもりだ。
「過ちは誰にでもあるからこそ、これに懲りたらよく反省し弛まぬ努力をしろ」
ルチルの教導スキルを駆使しての諭しに、ヴァーロゥムはうつむいたまま「はい」と応じる。
なおロドリックもヴァーロゥムの話を聞いていたが、卵をすべて採ったことについて思うところはない。
(今回は運が悪かったが、巣に残せば絶対に襲われないと決まったものではないだろうし)
ロドリックはそう思う一方、説教したい人の考えも分かるので、口を挟むことはしない。
(狩ることや戦うことに関してものを言えるほどの経験や意識はないゆえな)
なおロドリックもヴァーロゥムの話から、イネスに惚れていると見抜いていたが、何かフォローできるような言葉も思いつかないため、そちらも口出しを控えることにした。
なおトーラは今回倒した骨鳥がロコ配下の魔獣であることをルチルより教わり、もしロコ本人がこの場に現れた時には卵を返却するつもりでいたが、ロコが現れることはなかった。
●依頼完了
やがて冒険者達はヴァーロゥムを伴い、ギシュム族の集落に到着する。
「皆さん、助けてくださりありがとうございました」
そう言ってヴァーロゥムは冒険者達に頭を下げる。
道中冒険者達から指導を受けた結果、ヴァーロゥムも先走りがちな部分を反省したようだ。
そのヴァーロゥムを案じていた子供達は、その無事を喜びヴァーロゥムのもとへ駆け寄ってくる。
「冒険者の皆さん、ありがとうございます」
子供達は口々に冒険者達に感謝し、頭を下げていく。
「ああ、もしも卵が旨いのなら専門外だが、商材になるかもしれんな」
ロドリックは今回ヴァ―ロゥムが採取できた卵も、味が良く継続的に入手できるものなら、ギシュム族にとっても利となる可能性を指摘する。
その後、冒険者達の手で回収できた骨鳥は、ヴァーロゥムの採取した骨鳥の卵と共に滋養のある食材として活用された。
ギシュム族の若者、ヴァーロゥム救助に向かってくれた冒険者の皆様に、精一杯の感謝を。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準4 / 4〜6人
2023年05月28日 20時21分44秒 公開
相談掲示板
前日に失礼する。キャスターのロドリック・アルカインだ。 骨鳥の速度を落とすためにアーケインとフリーズボルトを所持し、あとは火力とエーテルバリア、ヒールで押さえていくつもりだ。 相談する余裕は無いかもしれないので、ひとまずプレイングも出しておこう。
情報屋のルチルだ。 クラスはシューター、よろしく。 これで依頼は成立だね。残り一日であまり詰める時間はないが、特異個体とはいえ敵は単独とあまり複雑ではない状況なのが幸いか。 考えるべきはヴァーロゥムのフォローと何処かにいるらしいロコの存在か。 ロコについては依頼の本題とは無関係かつ、戦闘中は探す暇もなさそうだから一旦置いといて。 キャスターのロドリックが足止め手段を用意してくれるし、寧ろ逃がすとヴァーロゥムを追いかけて思ったように食い止められなくなりそうだから 彼には相手の射程に入らない程度に距離を取ってもらうのが吉かね。 足止めとヘイトコントロールに長けたウォーリアがいればさっさと逃がしていいかもしれないが、今はいないので一先ずこのくらいだね。 卵も割れないようにどうにかしておきたいが、一応ヴァーロゥムの方に注意が向いているとはいえどちらに注意が向くかわからない状況にするのは拙いか。 ヴァーロゥムの無謀を止めるために「卵を守れ」と言って見てもらうのが適当かね…と考えているよ。 >個人 直接的な足止め手段はないが攪乱射撃や閃光塗弾で狙いを狂わせようかと。 ロコの事も気になるが、ヴァーロゥムに言葉をかけておきたいもので本腰入れて調べる事はできなさそうだな。
冒険者ギルド支部職員アルヒ・ラスカスだ。 今回は依頼に応じてくれたこと、感謝する。 現地ではよろしく頼む。
シーフのトーラです。 よろしくお願いします! ロドリックさんが足止めに回るなら、わたしも縛糸刃で移動等を下げますね。 まずはヴァーロムさんの安全を優先しましょう。
依頼は無事成立か。腕で言えば私が一番劣るな。足を引かないように頑張るとしよう。 メタなことを言うが、ロコという相手とは面識がないので、骨鳥のことは私は気づけない。 そちらの配慮が必要であれば、お任せしたい。声をかけて貰えれば協力はしよう。 あとはヴァーロゥムと言う若者……、動きを見るに少年か? 彼に助言を出来る程の経験もないので生暖かく見守るか……。 明日も一応確認はするつもりだが、現時点でプレイングは送っておく。よろしく頼む。
おーっす! ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! っつーか、ヴァーロゥムとかいうヤツは何やってんだよ… 発見早々襲われてんじゃねーか… んじゃ、ロドリックとトーラが足止めに回ってくれんなら俺は骨鳥に初っ端から直接攻撃して返り討ちにしようと思ってんぜ! 無視出来ねぇくれぇ攻撃仕掛けりゃこっちを相手取らざるを得ねぇだろーしな。 んで、終わったらヴァーロゥムには説教だな!