コトヌシ・エルタニンの旅立ち
菊華 伴
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シナリオID:2864
オープニング
●小さな里に芽生えた『エーテル浄化者』
――大森林・エルタニン里。
「「……」」
冒険者たちは、コトヌシ・エルタニンの言葉に目を丸くした。
エーテル浄化者は、現在の帝国からしたら欲しい逸材なのではないだろうか。そして、コトヌシ曰く、最近来た帝国出身の冒険者から話を聞き、行ってみたくなったらしい。
「というのも、『エーテル浄化者』の能力について使ってみて研究し、大森林の土の復活にいかせるのではないか、と考えたのです」
なんでも、青の示指が起こした騒動の所為で変質した土はまだ多いらしい。だが、この力が使えれば、土壌を健康な状態にできるのではないか、と考えたのだという。
「どうか、帝国へ連れて行って頂けませんでしょうか? 帝国でこの力を使いながら、研究を進めたいのです」
コトヌシは、深々と頭を下げた。
●コトヌシの決断
一旦孤児院へ戻っていたユアン・イェーガーもエルタニンの様子が気になり戻っていた。そこでコトヌシから依頼を貰い、少し面食らっていた。
「コトヌシの事ですから、状況が落ち着くまで新しい里長の補佐につく、と思って、いました……」
ユアンが僅かに目を見開き、驚いた様子で言う。コトヌシはつとめて真面目な顔で言葉を紡ぐ。
「やっぱり、あの森は大事な場所ですから、早く土を元気にしたくて……。それに、エルタニン里は彼女の件もありますから……」
コトヌシの言葉にユアンは僅かに表情を曇らせた。
エルタニン里は、吸血鬼アルダナブによって密かに洗脳を受けていた。その影響で他の里にも迷惑をかけていた事が他にもあったらしい。現在、エルタニンの人々は償いとして積極的に他の里のサポートなどを行っているようだ。まぁ、事情が事情故にそこまで厳しい状況ではないようだが。
止めても聞かないだろう、と考えたユアンは最近できたばかりの冒険者ギルドの出張所へと共に依頼を書きに行った。
●コトヌシくんと行く、帝国ツアー
数日後、冒険者とユアンはコトヌシと共に帝国南部へ出立することになった。
「では、よろしく、おねがいします」
ユアンは集まった冒険者たちに向き直る。そして、やや緊張気味なコトヌシが「今回はご協力ありがとうございます」と頭を下げる。
「道中、帝国の事とか、レイウェスト様の事とか話してくれるとうれしい、です。あと、帝国がどんなところか、状況なども知りたいと思います」
青い目を少しキラキラさせる姿はちょっと子どものようで少し心配だが……、前もって旅の知識なども与えておくといいだろう。
――こうして、一行の旅は始まった。
――大森林・エルタニン里。
「「……」」
冒険者たちは、コトヌシ・エルタニンの言葉に目を丸くした。
エーテル浄化者は、現在の帝国からしたら欲しい逸材なのではないだろうか。そして、コトヌシ曰く、最近来た帝国出身の冒険者から話を聞き、行ってみたくなったらしい。
「というのも、『エーテル浄化者』の能力について使ってみて研究し、大森林の土の復活にいかせるのではないか、と考えたのです」
なんでも、青の示指が起こした騒動の所為で変質した土はまだ多いらしい。だが、この力が使えれば、土壌を健康な状態にできるのではないか、と考えたのだという。
「どうか、帝国へ連れて行って頂けませんでしょうか? 帝国でこの力を使いながら、研究を進めたいのです」
コトヌシは、深々と頭を下げた。
●コトヌシの決断
一旦孤児院へ戻っていたユアン・イェーガーもエルタニンの様子が気になり戻っていた。そこでコトヌシから依頼を貰い、少し面食らっていた。
「コトヌシの事ですから、状況が落ち着くまで新しい里長の補佐につく、と思って、いました……」
ユアンが僅かに目を見開き、驚いた様子で言う。コトヌシはつとめて真面目な顔で言葉を紡ぐ。
「やっぱり、あの森は大事な場所ですから、早く土を元気にしたくて……。それに、エルタニン里は彼女の件もありますから……」
コトヌシの言葉にユアンは僅かに表情を曇らせた。
エルタニン里は、吸血鬼アルダナブによって密かに洗脳を受けていた。その影響で他の里にも迷惑をかけていた事が他にもあったらしい。現在、エルタニンの人々は償いとして積極的に他の里のサポートなどを行っているようだ。まぁ、事情が事情故にそこまで厳しい状況ではないようだが。
止めても聞かないだろう、と考えたユアンは最近できたばかりの冒険者ギルドの出張所へと共に依頼を書きに行った。
●コトヌシくんと行く、帝国ツアー
数日後、冒険者とユアンはコトヌシと共に帝国南部へ出立することになった。
「では、よろしく、おねがいします」
ユアンは集まった冒険者たちに向き直る。そして、やや緊張気味なコトヌシが「今回はご協力ありがとうございます」と頭を下げる。
「道中、帝国の事とか、レイウェスト様の事とか話してくれるとうれしい、です。あと、帝国がどんなところか、状況なども知りたいと思います」
青い目を少しキラキラさせる姿はちょっと子どものようで少し心配だが……、前もって旅の知識なども与えておくといいだろう。
――こうして、一行の旅は始まった。
解説
どうも、こんにちは。
お待たせしました、【闇症】アフター!(タグはありませんが)
エーテル浄化能力を持つコトヌシさんを今回はヴァイセントラフへ連れていく事が依頼となります。既にコトヌシさんについてはヴァイセントラフ砦側も知っていますので、そのあたりは考えなくても大丈夫です。
>コトヌシ・エルタニンについて
エルフの青年で、前の里長の息子に当たります。
彼は前々から村に感じており、【呪輪】の異変が落ち着いた後、ユアン・イェーガーを通じて冒険者にエルタニン里の調査を願いました。その後、脅威たる吸血鬼に命を狙われましたが、冒険者たちによって救われました。
その後『エーテル浄化者』である事が判明。それにより、一度帝国へ行き力の使い方を研究しようと考えて旅立ちを決意しました。
>このシナリオでできる事
コトヌシに旅の知識を教えたり、帝国の現状について教えたりするだけではなくエルタニンの現在について知ることもできます。また、彼やユアンと交流もできます。
リプレイは何も指定がなければ、出立後の馬車の中でのシーンからはじまります。
描写してほしいシーンを指定しても構いません。
それではよろしくお願いします。
マスターより
久々登場のコトヌシくん。元気そうでしたね!
今回はそんな彼の小さな一歩となるシナリオです。
ユアン「わ、私からも、おねがい、します……。幼馴染、ですから……」
リプレイ
●出立の準備
「『野営セット』に、夜の見張り番用に『暗視』、『ブランケット』……。うん、準備万端!」
アルマ・ヴァレンタインは荷物の最終点検を終え、みんなに向き直る。傍らではエヴァン・ピオネロが、荷物を積み込んでいた。
「今回は、よろしくお願いします」
コトヌシ・エルタニンがユアン・イェーガーと共に深々と頭を下げれば、エルとトーラも笑顔で頷いた。
エルはまだ傷が癒えていない状態での参加だが、ユアンは「何かあればフォローします」と告げておく。
「コトヌシさんにユアンさんも前の慰霊祭ぶりになるねー」
「お久しぶりです」
アルマとエヴァンが声をかけると、二人とも優しい笑顔で「その節はどうも」と目を細める。
この2人は慰霊祭の時も手伝いに来ている。その時アルマは埋葬、エヴァンは蝶を作る手伝いをしていた。
(それから手を繋いで一緒にお祈りして……)
当時の事を思い出し、頬を朱に染めたアルマ。不思議に思ったコトヌシが声をかけようとしたが、何か悟ったユアンが引き留める。
話題を変えようと出たのは、最近の『エルタニン』についてだった。
「あの後、村人同士の蟠りや他村とのお付き合いがどうなったか、ぼくも気になってました」
「問題なく復興している感じかな?」
「確かに……気になる、かも」
エヴァン、アルマ、エルの言葉に、トーラも同じ気持ちのようでこくん、と頷く。コトヌシは「それについては、馬車でお話ししましょう」と穏やかに答えた。
「それにしても凄いですね! エーテル浄化者に目覚めるなんて!」
「自分でも、びっくりしています。正直、まだ実感がわかなくて……」
トーラの言葉に、コトヌシはちょっと自信なさげに笑い、ユアンは苦笑する。
コトヌシの意外と元気そうな様子を見、エルは少し心配になる。彼は先日の騒動が原因で父親を亡くしてしまったのだ。その上……。
エルは首を振る。今はコトヌシを帝国にあるヴァイセントラフ砦へ連れていく事が依頼なのだから。
「……帝国の人たちは、助かる、と思います、けど。……大森林の土、まだ、変質した所が、多いのですか?」
「えぇ、そうなんですよ。だから、この力が使えないかと思って……。使い方の研究をするためにも、よろしくお願いします」
コトヌシは笑顔でエルに頭を下げ、エルも「元に戻す、方法、見つかるといい、ね」と応援するのだった。
「こっちの準備は終わりました。さっそく出発しましょう」
「その前にちょっと提案が……」
エヴァンの言葉に、トーラが挙手をする。不思議に思っていたが、彼女は「大事な事なので」と表情を引き締める。
「今回は、人が少ないですし可能な限り魔獣などはやり過ごしましょう」
「そうですね。万が一の場合は〈クレネルウォール〉や〈アーケイン〉を使って足止めしましょう」
彼女の提案にエヴァンは『万が一の対応策』を出す。と、エルやアルマもある程度の防衛策を出していた。回復の術の準備もあり、一先ずは安心できるだろう。だが、慎重に……と一同は頷き合った。
●旅立ち
見送りには、多くの人が訪れていた。
コトヌシが『エーテル浄化者』である事は多くの人が知っているらしく「がんばって」と応援する者も少なくなかった。
新たな里長となっただろう、若草色の髪の男性が「身体に気を付けて」と言い、静かに頷いた。過去に彼に会った者がみれば、それが長老の一人、メルクルスであるとわかっただろう。
コトヌシと冒険者たちは、里の人々の温かい声に見送られ出発した。
揺れる馬車の中、冒険者たちは遠くなる里をしばし見つめていた。
「里の人達の顔色がよくて、安心しました」
「近隣の里の人たちは、こちらの事情を理解してくださいました。それもあるかと」
里の事を気にかけていたエルの言葉に、ユアンが答えた。
吸血鬼アルダナブがエルタニンの人々を洗脳し遊び場にしていたのだが、他の里への被害は冒険者やエルタニンの人々が思っていたより深刻ではなかったようだ。付き合いが悪くなったり、多少態度が悪く見えたりした程度がほとんどだったそうだ。
だが、彼女が他の里の者に手をかけた可能性は否定できず、疑わしい事件もあった為調査を進めているらしい。
また、大体の人々はエルタニンの事件を知らず、吸血鬼の被害にあった里の人々を心配してくれたそうだ。
他の里のサポートとか無理していたり、周りに気を使いすぎていないか気になっていたエルは、その話を聞き安堵する。
(だから、みんな、笑顔でコトヌシさんを見送っていたのですね)
里の人々は、コトヌシの研究を応援しているように見えた。彼の研究が実れば、大森林の土壌もよくなるだろう。人々はそれに期待しているのかもしれない。
なにはともあれ、里の人々も少しずつ落ち着きを取り戻し、洗脳の影響もだいぶ薄れてきたそうだ。そのおかげか、復興の方も少しずつ行う事ができているらしい。
(よかった……)
アルマがほっと胸をなでおろすと、窓側にいたエヴァンも穏やかな顔で頷いた。
●帝国への旅
冒険者たちは準備万端であった。
少し先行したトーラが〈看破〉で敵の有無を確認し、怪しいような気がしたら〈宗波〉の捜波を使って念入りに確認する。彼女に同行したエルの相棒たる狼、ウィルも一役買っただろう。
エヴァンとアルマ、エルは交代で御者の隣で座り、警戒にあたる。アルマは〈看破〉、エルとエヴァンは〈超視覚〉(エヴァンは〈超聴覚〉も)使って警戒し敵を探った。
幸い、2日目の際トーラの〈看破〉により魔獣を見つけた為迂回した事を除けばトラブルらしいトラブルはなかった。
また、休憩の合間に帝国の話をすると、コトヌシは興味深そうに聞いていた。
「少しでも……、帝国の事を、知っておいた方がいいかも、しれません」
エルはそう言って、コトヌシに帝国の様子等を語る。エヴァンはそれに加え、里とヴァイセントラフ周辺の気温の違いや、どんな食べ物が美味しいか、衣食住に関する事を話していく。
「もう春になってはいるけれども、まだちょっと寒いかもしれませんね。少し厚めの上着があるとよいかと」
「どういった物がいいでしょうか? 可能なら途中の街とかで買いたいですね……」
エヴァンのアドバイスに、コトヌシは少し考えながら問いかける。エヴァンは「勿論いいですよ!」と軽く胸を叩いた。
また、一行は旅の途中、複数の里や村へと寄り道しては荷物にならない程度に特産物を買ったりしていた。
「ほら、調理法とか違えば味わい方も変わりますね」
そう言いながら、エヴァンは里で購入した珍しい料理をおいしそうに口にする。普段から知っている食材でこのような料理もできるのか、とコトヌシは目を見開いた。傍らのユアンも「孤児院の子ども達に作ってあげたいですね」と何やらメモを取っていた。
(この調子ならば、早くヴァイセントラフへ到着しそうですね)
トーラは御者の隣から和やかにエヴァン達と話すコトヌシを見、静かに笑顔で頷いた。
●大切な話を
旅は順調に続いた。
魔物と出くわしても回避が可能だったこと、万が一の対策も万全であったことから精神的にも余裕のある旅路となった。旅に慣れていないコトヌシがいる為遅めのペースで進んでいたが、体調不良などもなく実に平和だった。
「この調子なら、明後日にはヴァイセントラフ砦に着くよ」
地図を見ながらアルマが言えば、コトヌシは少し緊張した様子で小さく頷く。ユアン曰く、彼は幼少期から時期里長としての教育や仕事の手伝いやらであまり里の周辺から出たことが無いらしい。
その為、旅の合間に冒険者たちから他の地域の事や生活の事について学んでいた。
「もうすぐ……、日が落ちるね。早めに休む?」
エルが相棒の狼を撫でながら提案すれば、「それがいいかもしれませんね」とユアンが頷く。一同は協力して野営の準備と食事の準備をはじめた。
ここ数日間で、コトヌシも少し手際よく作業を行えるようになっていた。どこか嬉しそうな彼の顔を見、冒険者達も嬉しくなった。
そして、夕食の時。
「そうですね。レイウェスト殿下についてやヴァイセントラフ周辺については話しましたし、ちょっと踏み込んだ話をしましょうか」
と、トーラが切り出す。エヴァンとアルマ、エルもまた少しだけ表情を引き締め、ユアンは静かに様子を見守る。
「踏み込んだ話、ですか?」
「えぇ。コトヌシさん達、『エーテル浄化者』について、きちんと話しておこうと思います」
コトヌシに、トーラは静かに頷いた。
――『天霧りに消ゆる幽界樹』
それは分樹をあちこちに生やし、その土地のエーテルを奪っている事。そして、その影響があちこちに出ており、帝国以外でもエーテル浄化者の必要性は高まっていく可能性がある事をトーラは話す。
「その事を踏まえると、必要以上にエーテル浄化者であることを知られない方がいいと思います。実際、他のエーテル浄化者の移動中に誘拐犯に襲われた事もあるので……」
トーラは過去に参加した任務の事を思い出し、付け加えて説明する。と、コトヌシは「そうだったのですか……」と少々不安げな顔になった。
トーラはそんな彼に少し苦笑する。
「まぁ、帝国でも護衛はしっかりしていますから、そちらに行けば安心かと思います。何かあれば冒険者にも声がかかる筈ですから」
彼女の言葉にエル達も頷けば、ユアンも静かにコトヌシの肩を叩いた。安心してほしい、とでも言うように。
トーラは少し考え、再び口を開く。帝国の代表であるレイウェスト・バルタスは自分の身を犠牲にしてまで土地のエーテル浄化を行っている、と。
「皇子自ら……? 相当のお覚悟があっての事なのですね……」
「その事もあるとは思います。けれど、イダ妃がしたこととは言え帝国が周囲に迷惑をかけていることに責任を感じている方ですから……」
そこまで言ったトーラは、思わず口を噤んだ。コトヌシは、胸を押さえて何度も頷いている。その青い目にうっすらと涙を浮かべて。
(そういえば……)
様子を見ていたアルマは、コトヌシの父親がアルダナブに与していた事を思い出す。もしかしたら、心のどこかで、責任を感じていたのかもしれない、と。
(やっぱり……、贖いの気持ちもあるのかもしれません)
エヴァンが見つめる中、コトヌシは静かに「ならば、手伝わないことはできませんね」と呟いた。
トーラとしてはコトヌシを帝国のために利用しようとはしない筈だ、と言いたかった。だが、思いのほか、レイウェストが行っている事が、コトヌシにも刺さったらしい。
「この力を得たのも、何かの縁でしょう。研究も捗りますし、帝国でも浄化、がんばりますよ」
コトヌシの笑顔に、トーラはただただ、「はい」という事しかできなかった。「帝国の浄化を手伝って欲しい」と頼みたいが、願ってよいのか悩んでいた彼女は、僅かな罪悪感を覚えながらも、コトヌシの笑顔に頷いた。
「そういえば、前に立ち会ったときは【豊穣の雫】っていう便利アイテムを使って浄化者さんを中心に補助で授恵者数人もお祈りして……」
アルマがスープをとりわけながら、当時の事を思い出す。
「1時間くらいで『その時、不思議なことが起こった!!』って感じに土が元気になってたよ~」
「……え?」
コトヌシの脳裏に星空をバックに呆然とする猫の光景が浮かぶ。どうやら、彼の想像していた何かと違っていたらしい。
「その【豊穣の雫】は強力な『土壌のパワーアップアイテム』だと考えればいいと思います」
「この間の秋に、それを使って……不作を解消しましたね」
エヴァンとエルの説明に、コトヌシはとりあえず頷く。しかし、【豊穣の雫】についてはインパクトがあったのか、かなり驚いているようだった。
「私も仲間を通じて聞いて、いました。けど、改めて話を聞くと……凄い物だと、感じますね」
ユアンも彼の傍らで何度も頷きながらそう言えば、確かに、と皆思う。
「エーテル浄化者というのは、色々やりがいがありそうですね」
コトヌシは、やる気に満ちた笑顔でそう言った。
その夜。トーラはふと、もう一度コトヌシに声をかける。と、彼はにっこりと、
「貴方は、レイウェスト殿下をとても慕ってらっしゃるのですね」
と言った。思わぬ言葉に、トーラの目が見開かれる。
「そ、それは……」
「そんな風に慕われる方ならば、きっととても良い方なのでしょう。安心して、帝国に向かえます」
確かに、帝国も一枚岩ではない。それは旅の途中でも聞いた話だ。だが、それでも、とコトヌシは微笑む。
「えぇ。レイウェスト様は、とても素敵な方ですよ」
トーラは、満面の笑みでそう言った。
●到着
冒険者たちのお陰で、馬車は一度もトラブルに合うことなく国境を越え、帝国領へと入る。
荒れていた当初の姿を知っている者は、大分復興が進んできたことを感じるだろう。
コトヌシは、初めて見る帝国の街に興味があるようで、時折わからないものがあると冒険者たちに質問することもあった。
やがて、一同はヴァイセントラフ砦へと到着した。
話が通っていたのか、兵士に話をすると「お待ちしておりました」と笑顔で出迎えてくれた。馬車から降りたコトヌシは、改めて一同へと「ありがとうございました」と頭を下げる。
「これから、がんばってね」
アルマに応援されると、コトヌシは笑顔で頷いた。そして、兵士に案内され砦の方へと歩いていく。その背中を見送りながら、彼の研究が実るよう一同は祈るのだった。
これで、今回の依頼は終了した。
でも、もしかしたら今後……、コトヌシの護衛依頼等があるかもしれないし、彼の研究の成果を大森林のエルタニンへ持ち帰る依頼があるかもしれない。そう考えると、少し楽しみなような気がするのだった。
(終)
マスターコメント
どうもこんにちは。
お待たせしました。皆さんのプレイングにより、このように。
今後は、帝国にて『エーテル浄化者』の力を使いながら研究していく事でしょう。
また、旅の途中、ちゃんと警戒してくれたおかげで無事に行く事が出来ました。コトヌシも無事に出立できましたので里の人々も安堵しております。
それではこのあたりで。
また縁がありましたら宜しくお願いします。
菊華 伴
ショートシナリオ普通 報酬:標準4 / 4〜6人
2023年04月15日 08時01分30秒 公開
成功
相談掲示板
シーフのトーラです。 よろしくお願いします! コトヌシさんが帝国へ向かう道案内ですね。 とりあえず道中の警戒と、エーテル浄化者や帝国についての話をしようかと思います。 エーテル浄化者の誘拐事件なともありましたし、そういった事への警戒もしておいた方が良いでしょうから。
アルマだよ、どーぞよろしくねー エルタニンのことなんかを聞きながら馬車でゴトゴト揺られていこうかなと
エル、です。…シューター、です。 どうぞ、よろしく。 エルタニンの様子、聞く、とか。 豊穣の雫、とかも、使って、不作を改善、した、時の話とか、かな、と思い、ます。
エヴァン・ピオネロです。 ぼくも道中の護衛を務めつつ、長旅で飽きないよう楽しい雑談が出来たらとと思ってます。 よろしくお願いします。
今回は、お集まり、ありがとうございます。コトヌシ共々、宜しくお願いします、ね? レポート(プレイング等)は本日23:00まで。白紙に気をつけ、て、下さい。