落日のセラフィアス
空色みなも
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シナリオID:2611
オープニング
コツ、コツ……。
石造りの廊下に、固い靴音が反響する。
松明の炎が闇より浮かび上がらせるのは、冷え冷えとした鉄格子の群れ。
そこはリーンエス王国内のさる領で、重い罪を犯した者を捕らえておく牢獄の一つであった。
最初に起こった異変は、耳をつんざくような叫び声。
そして、咽返るような血の匂い。
急ぎ、看守がそれらの源を辿ってみれば。
閉ざされた牢の中で、息絶えた囚人が一人。
胸を一突き、鋭利な刃物で刺し貫かれたような傷を持つ遺体は。
かつて、違法な人身売買を行ったことにより摘発された――セラフィアス商会なる組織の代表であった。
●
「セラフィアス商会の関係者が獄中で殺害される事件が続いています」
掲示板の前で人だかりを作る冒険者たちに向け、金髪を二本のおさげにした女性が告げる。
どうやら彼女は冒険者ギルドの職員であり、先ほど舞い込んだ依頼について説明しているところらしい。
「不可解なのは、犯行を成した者が不明であることです」
職員によると、看守が犠牲者のもとに辿り着く頃には、犯人は煙のように姿を消しているという。
そもそも、看守に気づかれず犯行を遂げた方法が分かっていない。
傷口の状態から、殺害は物理的な武器によるものと予想されていた。
しかし鉄格子の外から刃物を投げつけたにしては、牢屋内に凶器が残されている様子もない。
「が、なんにせよ犯人の動機はセラフィアス商会への強い恨みにあると考えられます」
このままでは囚人となっている商会関係者はおろか、罪のない血縁者にも被害が及ぶ可能性があると、職員は案じているようだ。
「そこで冒険者ギルドと、依頼主である領の関係者が相談して行うことになった作戦が――囮です」
捕らわれているセラフィアス商会関係者を囮として冒険者たちが待ち伏せを行い、まず犯人の正体を詳らかにする――それが職員の説明する依頼の目標であった。
「罪を犯した者に罰が下るのは当然ではあります――ですが、それは正しい裁きによるものでなくてはならないとするのが依頼主の考えです。皆さま、どうぞよろしくお願いいたします」
職員はおさげ髪を垂らしながら、冒険者たちへ深々と頭を下げた。
●
「あらあら、本日はお出迎えがありますのね」
果たして冒険者の布陣する牢獄に現れたのは、背に桃色の長髪を揺らす女であった。
「アナタは……もしやマルグリットでございますか?」
それを見て目を見開いたのは、囮としてこの場にいた初老の男。
その名はエスカラビスタ――元はセラフィアス家の家令であり、独立して立ち上げた違法取引商会の摘発時、冒険者たちと大立ち回りを繰り広げた末、捕縛された過去を持つ。
「ええ、よくお分かりね。ワタクシ、アナタの商品でしたものね。でも今のワタクシには、ライヒシュタインという立派な姓もありましてよ」
一方、事件の犯人たる女のほうはマルグリット・ライヒシュタインというらしい。
二人の会話からすると、マルグリットはセラフィアス商会によって売り買いされた経験を持つ奴隷であったようだ。
「なるほど、吸血鬼としての生を受けましたか……」
エスカラビスタの目に映るマルグリットは、蒼白い肌に、輝く赤い瞳、そして鋭い牙を有していた。
そうなれば、マルグリットは人間離れした能力を持っていても不思議はない。
より警戒を深める必要があるだろう。
「アナタの手を介して売られた後、ワタクシは売り買いを繰り返されておりましたの」
マルグリットは死出の旅路に土産を寄こそうとでも言わんばかりに、エスカラビスタに自らの過去を語りかけていく。
曰く、売買を経て持ち主が変わるたび乱暴を受けていた彼女を最後に買ったのは、貴族らしき男性。
「それこそがライヒシュタイン家の『お父様』ですわ。ワタクシ、お父様に吸血鬼にしていただいたこと、感謝しておりますの――子供を授かれないワタクシを『親』になれるようにしてくださったもの」
マルグリットは恍惚の表情を浮かべて、頬に手を当てた。
親への心酔は吸血鬼には珍しくないが、マルグリットは人の頃から進んで吸血鬼になることを望んでいたのかもしれない。
「ですが、ワタクシには子孫を残す前に成すべきことがありますわ。それがアナタたち、セラフィアス商会への復讐。エスカラビスタ様はなかなかお噂を聞かないと思っていましたら、同盟で捕らわれておりましたのね。こうして王国の牢へ移送されたのも、ワタクシをおびき出すためであった、と」
マルグリットは惚れ惚れとした表情のまま、ゆったりと歩を進める。
「冒険者風情がワタクシをどうにかできると思われたのなら心外ですわ。ワタクシの糧になってくださったお父様の『遺品』の一つに、その血を吸わせて差し上げましょう」
マルグリットの手で、銀色のナイフが鈍く光を反射した。
解説
マスターより
リプレイ
靴底が石を叩く音を響かせながら。
吸血鬼マルグリット・ライヒシュタインが冒険者たちに近づいてくる。
「フン、また吸血鬼かよ。なんでこう吸血鬼って奴は口ばかり達者かね」
口上を耳にしたアーテミシアは呆れ顔を浮かべながらも、油断なく籠手を構えて前に出た。
「要するに復讐でしょ。それだけなら好きにしてって感じなんだけど……なーんで吸血鬼かなー」
「被害者当人が罪人に直に罰を下す。それはある意味、正しいのかもしれない……しかし、ここで復讐を遂げさせればいずれ吸血鬼が増える。それは看過できない」
ディレイン・オールドケイジとレピド・クロサイトの二人は、エスカラビスタを収容した牢の目前にいた。
万が一にもエスカラビスタが狙われた際、彼の自由が奪われたままでは危ないと拘束を解いていたのだ。
いざという時には冒険者たちが牢に飛び込むこともできるよう、牢の鍵はディレインにより開けたままの状態としてある。
「牢の中であっても動けるなら幾分マシな筈だ。下手に逃げようとは思うなよ」
「逃げませんよ。なにせ、外のほうがよっぽど命の危険があるようでございますからね」
レピドに念を押され、エスカラビスタは大仰に肩を竦めてみせた。
「あの男、エスカラビスタは重罪人ではありますが、裁きは法の下で行われるべきです」
ルアンナ・ミュラーが配置についたのはマルグリットの現れた入り口と牢の間、中ほどの地点。
何を隠そう、彼女は事件の渦中にあるセラフィアス家の一人娘である。
しかしそれを自らマルグリットに名乗ることはなく。
複雑に絡み合った思いを胸奥に抱えたまま、鋭い眼光でマルグリットを見据えていた。
「さあ、それがアナタ方の遺言でよろしいかしら?」
と、マルグリットの動きが変わった――静から、動へ。
気付けば彼女の手にしたナイフの刃先は、アーテミシアの眼前にあり――。
「させねえって」
瞬時にアーテミシアの差し込んだ籠手が刃とぶつかり、薄闇に火花を散らす。
この時、彼女は一切の傷を負わなかった。
なにやらナイフに瘴気のようなエーテルが纏われている気配もあったが、アーテミシアの堅牢な守りはそれすらも無意味なものにする。
「どうしたよ、デカいクチ叩いておいてその程度か。笑わせやがる。所詮ガキはガキだな」
「ふふ、今のはほんの挨拶のようなものですわ?」
アーテミシアが腕をぐっと押し、マルグリットの体を弾き返した。
「これまでの暗殺からして奴には何かそれを成しうる手段がある、はずだが――」
その様子を注視するセリオス・オーガストの目は、薄暗い廊下を鮮明に映し出していた。
「何はともあれ、まずは追い込んでみること、か」
セリオスは手にした複合弓に矢を番え、マルグリットへ射る。
矢はマルグリットの右腕に命中、それを彼女は空いた左手で引き抜いて、捨てた。
目を曇らせるエーテルを鏃に仕込んでおいたが、それはマルグリットに抗われたようだった。
「中々にすばしっこいようですね――!」
ルアンナが絡めようとした魔法の糸を、マルグリットは飛びのいてかわしてしまう。
「難敵のようだねぇ……死にたくないならエッさんも頑張って。死にさえしなければなんとかするから」
「ええ、他ならぬワタクシ事ですから、善処いたしましょう」
ディレインは己とエスカラビスタのいる空間を覆うように、光り輝くエーテルを解き放った。
その範囲には、エスカラビスタの拘束を解くため牢の近くにいたレピドも含まれる。
光は三人を包み込み、彼らの体内に秘められた身体能力を引き出していく。
「遺品、ねえ。あんたの御父様って死んでるん?」
「ええ。ライヒシュタイン家の伝統に則って、ワタクシがこの手で送って差し上げたのですわ」
ここでサイラスが刀を手にマルグリットへ挑みかかった。
「って御父様、自分で殺したんかい。ま、おれには関係ないけどな」
その軽い口調とは裏腹に、サイラスの振るった刀は――鋭い。
「……っ! 少しはやるようですわね」
凶暴な刃に脇腹を抉られ、マルグリットの顔が歪められる。
「おい、パイ食わねえか……ってな」
その顔へアーテミシアが叩きつけたのが、発光塗料のたっぷり詰まった袋だった。
「くっ……そうですわね。遊んでばかりいるのも、そろそろ終わりにしませんとね」
べったりと顔を汚した塗料を、袖で拭ったマルグリットは。
鬼気迫る表情で冒険者たちを睨んでいた――。
●
「得物こそ短剣だが、相手は吸血鬼。魔法を使ってこんとも限らんな」
冒険者たちの頭の上、天井を駆けるレピドが宙に印を刻み込むように暗器の針を振るった。
遠く前線にいるマルグリットに光の印が現れ、彼女の魔力を大きく乱す。
「ワタクシに傷をつけた報いは受けて頂きますわ」
「その報いってやつはこの程度でいいわけ?」
マルグリットのナイフが、サイラスの鱗を抉る。
傷自体は深くない――だが、刃の纏ったエーテルはサイラスに浸透し、その体力をじわじわと削っていた。
「はン、オレをヤるのはもう諦めたのかよ?」
アーテミシアとしては盾役の自身に攻撃を集めたいところ。
しかしマルグリットも知性の存在する相手だけあって、己の有利に働く行動を判断することはできるらしい。
激情家のようにも見えて、案外、冷静な一面もあるようだ。
「復讐に目が曇ったお前にはこれが似合いだろう」
セリオスがエーテルを纏わせて放った矢が、今度こそマルグリットの視界を霞ませる。
「サイラス君、頼んだよ」
「さんきゅ」
前方にも後方にもサポートが及ぶ位置につけたディレインが、サイラスの知覚に覚醒を促した。
それによりサイラスはさらに精度の上がった一撃をマルグリットへと見舞う。
「アナタ方、まとめて毒に沈めて差し上げますわ」
マルグリットの魔力の発露を妨げていた光印が、瘴気に蝕まれるようにして消えていく。
さらにマルグリットは自身の視界を歪ませていたエーテルにも抗って、身の危険を顧みない攻勢に出始めた。
薄明りに照らされて、マルグリットが牢獄を舞う。
手にしたナイフから噴き出した瘴気が軌跡を描き、彼女の周囲を満たしていく。
「ち、やってくれンじゃねーか」
「これは受け続けると流石にマズいかね」
アーテミシアは籠手により瘴気の奔流を受けるも、今度ばかりは無傷とはいかず微かに顔をしかめる。
瘴気の渦はサイラスにも襲い掛かり、全身の鱗を焼くような刺激を彼にもたらした。
「これだけの魔力を操るためには、彼女も無理をしているはずです。今なら――!」
ルアンナはマルグリットを魔法の糸で絡めとろうとし続けていた。
その試みは三度目にしてついに功を奏し、マルグリットの回避行動は大きく鈍る。
「奴が攻めに転じた今こそ、こちらも攻め時というわけだ」
そこへすかさずセリオスの弓から放たれた矢が、鋭くマルグリットの肩を穿った。
「う~ん、とにかくこの毒みたいなのが長引いたらよくない。治しておかないとね」
「お、なんか楽になったわ。こういうのも便利やね」
ディレインにより抵抗力を活性化され、サイラスはその身を蝕み続けていた瘴気に打ち勝つことに成功する。
自らに傷が重なりつつあると見たサイラスは、ここで治療を選択。
サイラスの手に水晶から成る桃の花のようなエーテルが浮かんだかと思うと。
それは彼の身に吸い込まれ、身体中に刻まれた傷を癒した。
●
「アンタのような吸血鬼をこれ以上、増やすわけにもいかないんでな」
レピドがマルグリットの頭上から降ってくるようにして暗器の一撃を加え、即座に間合いを離した。
マルグリットはルアンナの絡めた魔法の糸を瘴気で焼き切っていたが、レピドの針は確かにマルグリットを捉えることができた。
レピドの針からマルグリットの体内にエーテルが侵入し、その身を脆くする。
「これ俺、過労死しちゃわない? 大丈夫?」
ディレインから光り輝く波動が広がり、前線を支えるアーテミシアとサイラスの傷を塞いでいく。
先ほどからマルグリットは広く瘴気を放ち続けており、傷の癒えきらないサイラスも自己回復に追われて反撃の糸口を掴めずにいる。
このまま膠着が続くのは、よくない。
なにかしら状況が動いて欲しいところではあるが――。
レピドがマルグリットを再び急襲し、突き刺した針から赤光のエーテルを糸のようにして纏わりつかせる。
そこにルアンナの放ったエーテルが重なり、マルグリットの魔法的な力を衰えさせた。
マルグリットはこうして受けた変調を都度、瘴気で焼いてくる。
そのため変調本来の効果は長く続かないものの、こうした取り組みは確実に彼女の体力を奪っているはずだ。
「アナタ方の相手も飽きてきた頃ですわね」
マルグリットにしても拮抗した状態が続くのはじれったく感じたのか、新たな動きを見せた。
彼女が左手を前方にかざすと、指先から赤い糸のようなエーテルが伸びた。
まるで血で染めたかのような赤い糸は、少し離れた位置にいたレピドに襲い掛かるが――。
「甘く見るな」
レピドはこれを回避し、赤い糸は彼の脇をむなしく通り過ぎていく。
この結果は、レピドの身体能力がディレインにより大きく引き上げられていた寄与に因るところも大きい。
その間に、ルアンナはマルグリットと徐々に距離を詰めていた。
ルアンナは魔術師であるにも関わらず、だ。
「ルアンナ君、あんたはあまり前に出ちゃあ……」
ディレインが思わず口にした言葉を。
マルグリットが耳にした。
「そう……アナタが。アナタがルアンナでしたのね! セラフィアス家の娘――ルアンナ!」
マルグリットの左手が、ルアンナに向け伸びる。
その指から放たれた赤い糸を、ルアンナはかわさない。
二人の間が、繋がれる。
そう、血塗られた運命で――。
マルグリットの体が、ルアンナに引き寄せられるように飛んだ。
アーテミシアとサイラスの間を抜けて。
勢いのまま、マルグリットはルアンナの腹にナイフを突き立てる。
血が口元までこみ上げてくる――だが、ルアンナは倒れない。
「そうですね……申し遅れましたが、私はルアンナです。貴女とは人間の姿で出会いたかったですね……!」
密着状態のまま、ルアンナが杖を振るう。
牢獄に、爆音が轟いた。
眩い閃光が辺りを白く染めたかと思うと。
魔法の衝撃により吹き飛ばされたマルグリットが、朦朧として立ちすくんでいた。
またとない――好機。
「今を逃す手はないな」
セリオスの弓に強い光が宿る。
光は弓を引き絞るごとに輝きを増していき。
限界まで弓がしなったところで、矢を爆発的に射出した。
強烈な一射に太腿を貫かれ、よろめくマルグリット。
「高火力やら硬さやらだけが芸じゃないやい」
サイラスが炎の翼のごときエーテルを背負って、牢獄の奥へ引き返してきた。
彼は鎖を投げてマルグリットを絡めとり、ぐいと引く。
それにより、マルグリットがルアンナのもとから剥がされる――。
満足に行動することもままならないマルグリットへ、冒険者たちの攻撃が殺到した。
「くっ、こうなれば――」
「折角の遊びだぜ。途中でやめるとか興ざめもいいとこじゃねえか、ええ?」
ようやく立ち直ったマルグリットが冒険者たちを振り切ろうとするのを。
その手首を掴んで、アーテミシアが止める。
と――マルグリットの姿が、消えた。
「――あれか」
その行方に逸早く気付いたのは、セリオスだった。
セリオスが弓を向けた先にいたのは――小さな蜘蛛。
それも翅の生えた、宙に浮く蜘蛛である。
セリオスが矢を射かけるより先に、蜘蛛の姿となったマルグリットが動いた。
蜘蛛から放たれた赤い糸が、線を描き。
エスカラビスタを呪われた縁で繋ごうとする――。
「ぬ、うっ!」
だが、エスカラビスタは身をよじってそれをかわすことができた。
身動きの自由を与えられ、さらにディレインにより力を引き出されていたおかげと言えるだろう。
「さあ、まだやるつもりか?」
セリオスの放った矢がすぐそばを掠め、蜘蛛の飛行がふらついた。
いよいよエスカラビスタの殺害を諦めたのか、蜘蛛は出口に向かって飛び始める。
それにしても蜘蛛が小さく狙いにくいため、攻撃を直撃させるのが難しい。
「ちょこまかと面倒なやっちゃな」
サイラスも蜘蛛を追って刀に纏わせた光塊を浴びせようとするも、それは回避された。
「エスカラビスタ様――そして、ルアンナ。アナタ方は取っておいてあげますわ――ええ、後のお楽しみに」
蜘蛛が消えて行った牢獄の出口から、マルグリットの声が響き。
それきり、蜘蛛が再び姿を見せることはなかった。
●
「ンだよ、負け惜しみ残して退散かよ。つまんねえな」
激しい戦いを終えた後も、アーテミシアには軽口を言うだけの余裕があった。
ディレインが回復を担ってくれたため、自身の治療手段がまだ残されているのも大きい。
「素材回収したかったが、尻尾巻いて逃げられたんじゃあな。そういや餌のほうはどうする?」
サイラスに餌と呼ばれたエスカラビスタは、大げさな身振りを交えて、逃げませんよ、と改めてアピールする。
「そのほうが賢明だろう。外をうろついていたら、またいつマルグリットに狙われんとも限らんからな」
セリオスもエスカラビスタの動向には注意を払っていたが、この分であれば逃走の心配はなさそうだ。
「罪人のもとに復讐者が断罪に訪れる、か――」
レピドはエスカラビスタに再度の拘束を施しながらも、思いを巡らせる。
(俺のもとにも、いつか誰かが断罪に来るのだろうか……?)
レピドの抱える、ホムンクルスとしての苦悩。
それは暗殺者としての生前に背負った、業とでも呼ぶべきものだった。
「ルアンナ君が無茶するもんだから、俺、肝が冷えたよもう」
「すいません。ただ、勝算があったもので……」
ディレインは深い傷を受けたルアンナの治療に勤しんでいた。
エスカラビスタが余計な手間をかけてさせてくれることもなかったため、ディレインも帰宅が遅れて寝不足になることはなさそうだ。
「今回のことは大きな御恩となってしまいましたね、お嬢様」
「貴方のためではありませんから」
エスカラビスタに言葉をかけられたルアンナは、マルグリットの消えた先を見つめたまま答えを返した。
「教えて貰えますか、マルグリットのこと。かつて彼女がどのような少女であったのか――」
「御意に」
ルアンナの求めに応え、エスカラビスタはマルグリットの過去を語って聞かせた。
そう、マルグリットがまだ人間だった頃。
救いの手が差し伸べられることがあったなら――。
ルアンナには、そのことだけが悔しくてならなかった。
マスターコメント
ショートシナリオR非常に難しい 報酬:標準6 / 4〜8人
2022年11月30日 09時44分12秒 公開
相談掲示板
キャスターのルアンナです、皆様よろしくお願いします。 マルグリットの目的は収監されているエスカラビスタの殺害という事ですが、血染めの赤い糸が非常に厄介ですね。当たればお互いの攻撃にノーガード状態になってしまいます。 拘束された状態ではそのスキルを避けようがない訳ですし、1度自由にした方が良いのでしょうか…?
ウォリアーのアーテミシアだ ンー…回避できないだけならオレが受ければ問題ねえな。 よっぽどあっちの物理攻撃が高くなけりゃオレには大して怖くねえし 寧ろその方がラクだ。スリップがちょい面倒なくらいか
おいおい、数だけ揃って何も決まらねえがいいのかコレ
すみません、間が空いてしまいました…。 確かにカバーリングで攻撃を受け止め続ければ、拘束解除の必要は無さそうですね。 私はBSを付けるスキルを多めに持っていこうと思います。ダメージと引き換えにBS解除をするスキルを相手は持っているみたいですし、相手の邪魔をしつつ少しずつでもダメージを稼ぎたいですね。
オレはチャージングで突出してわざと赤い糸にかかった後亀になる感じかね チャージングとヒールと装甲防御を持ち込みだな。 その間に後ろから打ちまくって削って行きゃいいだろ。 エスなんとかの生存はまあ・・・・どうすっかなあ
レピド・クロサイト、シーフだ。よろしく頼む。 BSを入れまくる方針なら協力出来そうだ。 できる限りそれ系のスキルを持っていくとしよう。 相手のスキル「???」が気になるが、これは霧化とか動物変身とかの侵入スキルだろうか……? 仮にそうだとしたら相手が撤退する時に使ってくるかもだな。
>???スキル 牢獄の中に誰にも気付かれず侵入し、対象を殺害し脱出するという完全ステルスキルを成し遂げてますから、姿や気配を消すような効果のものでしょうね。 それを使ってエスカラビスタに接近されたらかなり怖いですが…。
姿を消すだけなら閃光塗弾を使えばいいンだけどな… ま、吸血鬼に霧やらコウモリ化やらは付き物か とりあえず待ち構えることは出来るぽいし、エスなんとかは牢屋の中だからすぐザックリとは行かねえだろうが… とりあえずは拘束から外しておいたほうが良さそうだな。
・・・ん、顔だし遅くなってすまん、シューターのセリオスだ、よろしく頼む とりあえず俺も後衛で後ろからBSを付与して削っていくようにするか。 エスカラビスタも殺されるわけにはいかんからそちらにも気を配らんといかんか すでに言われてるが姿を消したり霧や蝙蝠に分かれてとかになってこちらをすり抜けて殺害されてが一番怖いな。影が伸びて凶器になるとかもあるかもだから撤退ついでにやられたら目も開けられん。すり抜けとかできないような障害物を出すとかできればいいんだがな
ディレイン・オールドケイジ、ヒーラーだよ。よろしくね。 バフまきとデバフ解除に力入れようと思ってる。 赤い糸って、鉄格子を越えるのかなあ… 少なくとも俺は後衛に位置してるつもりなんで、射線は遮るように気を配るかね。 光縛封でエスカラビスタを囲う、っていう手段もあるけど…蠱毒がちょっとなあ。
オレは防御ガン振りで火力はサッパリだからその辺は任せてえな エカなんとかに対する射線は切っておいた方がいいだろうなあ。 とりあえずオレの初期位置は出来るだけ敵に近いとこにするわ。赤い糸をかけてくれねえと意味ねえからな。
No.12
サイラスだ、遅くなったがよろしくなー とりあえずBS役何人もあるし火力役かな? 一応耐久はそれなりに上げるつもりだけど、回避高めなステらしいし、色々入って以前より敵能力上がってそうだから糸も状況次第では使えそうやな
そういえば、拘束を外すという話は出ていたが、誰が拘束を外すのかは出ていなかったよな。 必要なら俺がそれをやっても構わないだろうか? 攻撃参加は遅れてしまうが、その後も壁歩きで頭上の空間を使えば前線にも戻れそうだし。
とりあえずスキルの準備はしたよ。 レゾナンスオブヴァローは後衛+エスカラビスタ用、輝腕は前衛用。 エスカラビスタの拘束とくのはレピドくんによろしくするとして、鉄格子の内側にはいてもらうってことでいいのかな。 少なくとも彼にヒールがとばせる位置にいるつもりだけど、その辺は本人にも言いふくめておこうかね。 糸対策はまずアーテミシアちゃんに頑張ってもらうとして、 もし後衛やエスカラビスタにやられたら、前衛の誰かに体当たりとかでひっぺがしてもらうしかなさそう?