月見はロックだ
革酎
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シナリオID:2542
オープニング
リーンエス王国のカペル侯爵家は始まりの百家に数えられる、由緒正しい家柄である。
その傘下には正規武力の『蒼玉騎士団』と諜報組織『青薔薇』のふたつが存在していることは、カペル侯爵家についての知見があれば大抵の者が知っている。
この両組織はしばしば交流を重ねているのだが、秋の月覧会もそのうちのひとつだ。
月覧会とはひとことでいえば、お月見のことである。
多くの観覧客が花の領地の侯爵邸と呼ばれるカペル侯爵邸に足を運び、広大な敷地の庭園に咲き誇る季節の花々を愛でながら、秋の夜長に大地を照らす美しい月光を観覧し、美味い酒と美味い料理に舌鼓を打つ。
一般領民も気楽に参加出来るとあって、毎年この時期の恒例行事として多くのひとびとに認知される様になっていた。
そして今回は、ほぼ十年ぶりに帰還した青薔薇の先代マイスター、ディヴァンス・ファルヴェントが参加する運びとなっていた。
月覧会では青薔薇やその関係者による演奏会も催される為、様々な楽器に精通するディヴァンスの演奏を楽しみにしている者も多かった。
ところが、ここでひとつ思わぬ問題が持ち上がった。
現マイスターのアーカネラ・ユルヴェウスはワイン派、騎士団長のジェレムス・ローギリアンは白米酒派なのだが、ディヴァンス本人に確認してみると、何と彼はミード、即ち蜂蜜酒派だった。
可能であればミードに合う料理をつまみとして供したいところだったが、カペル領はワインの名産地ではあるものの、ミードに馴染みのある土地は極めて少ない。
だが折角ディヴァンスを客として迎えるのだから、是非とも彼の嗜好に応えたいと願うのが青薔薇各員の総意でもあった。
頭を悩ませたアーカネラはジェレムスに加え、カペル侯爵家に於ける当代事実上の最高権力者イザベラ・カペルにも相談を持ち掛けた。
イザベラは、
「冒険者に知恵を借りてみては?」
と呑気に答えた。
様々な出自から成る冒険者達であれば、きっとミードに合う料理を考案してくれる筈だというのがイザベラの弁であった。
するとジェレムスが、
「なら俺は、ジェイソンに話を聞いてくる」
といい出した。
かつて青薔薇に所属していたジェイソン・ジュピターは、実は様々な種類の酒に明るく、白米酒やワインのみならず、エールやウィスキー、そしてミードなど幅広く嗜んでいるのだという。
アーカネラはジェイソンの名を聞いて一瞬眉間に皺を寄せたものの、余り多くを語ろうとはしなかった。
●三人の微妙な空気感
月覧会前日、カペル侯爵邸内の薔薇園の一角。
滞り無く準備が進む会場をぐるりと見渡しながら、ロモズ歩兵団重兵20番隊長ジェイソン・ジュピターは相変わらずの白いタンクトップ姿でのっそりと姿を現した。
出迎えたのはジェレムス。その手にはミード入りの白磁の壺が握られていた。
「このミードってぇのは、また何ともいえない独特の香りがするもんだなぁ」
「でもな、ワインよりも歴史が古いといわれている酒なんだ。それだけ多くのひとびとに接してきたから、つまみとして供されてきた料理の種類も意外と豊富なんだぜ」
ジェレムスと並んで庭園内のベンチに腰掛けながら、ジェイソンは幾つかの食材の名を口にした。
曰く、ジャーキー。曰く、生ハム。
ナッツ類やドライフルーツとも相性が良いらしい。
「けど一番は何といってもチーズ、それもブルーチーズが最高だ」
ジェイソンの解説に、ジェレムスは成程と頷く。明らかに白米酒とは異なる指向が垣間見える。
ところがジェイソンは、種類が多いだけに意外と厄介だともいった。
「ディヴァンスの好みが十年前と同じかどうかも、大いに関わってくるぜ。十年もありゃあ、味付けの好みが変わることだって珍しい話じゃない」
だからイザベラがいう様に、冒険者達の知恵も借りた方が良いというのがジェイソンの結論だった。
その時、ふたりの前にすらりとした細身のエルフが姿を現した。
ディヴァンスだった。
「やぁジェレムス、それに……ジュピターか。久しぶりだな」
「あんたも元気そうだな。それじゃあ俺はこれで。楽しい月覧会になると良いな」
ジェイソンは十年ぶりに顔を合わせたかつての上司に対し、何故か素っ気無い態度でそそくさとその場を去って行った。
ディヴァンスは一体どうしたんだとジェレムスに訊いた。するとジェレムスも若干バツの悪そうな調子で頭を掻く。
「いや実は、あいつはもう青薔薇を辞めちまっててな。今じゃ帝国中心に活動してて、その……音楽の方向性もだいぶん青薔薇とは違うところに行っちまってるんだよ」
「そうなのか。それは興味深い」
しかしジェレムスはそれ以上は敢えて取り合おうとはしなかった。
まさかジェイソンも自分も、青薔薇の伝統的な音楽性とはまるでかけ離れたロックが趣味だ、とはとてもいえなかった。
下手なことをいえば絶対、後でアーカネラに怒られる――だからジェイソンもなるべくディヴァンスとは距離を置こうとしたのだろう。
ジェレムスも、イザベラと相談することがあるからと適当な理由を付けて、ディヴァンスの前から辞していった。
ディヴァンスはただただ不思議そうな面持ちで、かつての部下と騎士団長のふたりを見送るばかりだった。
解説
マスターより
リプレイ
澄み切った藍色の夜空に、白い輝きを放つ真円の月光。
その月明かりに照らし出されているのは色とりどりのコスモス、ダリア、コキア、サフラン、リンドウといった可憐な秋の花々。
ここカペル侯爵邸はまたの名を、花の領地の侯爵邸。その通り名に違わぬ煌びやかな花の園は、静かに降り注ぐ月光の美しさとの相乗効果を生み出し、ひとびとの心を穏やかに魅了していた。
庭園内の広場に設置された特設厨房からは、来園客の食欲を大いにそそる数々の絶品料理が、美味そうな香りを漂わせている。
「取り敢えず、こんなモンか」
自身が用意したつまみを出すだけ出してしまえば、さっさと月見に興じようと考えていたサイラス。
調理台に並べられているのはお手軽なチーズ乗せクラッカーや、アーモンドとカシューナッツを混ぜた先出し小鉢。味付け用にレモンと生姜の小皿も添えた。
「蜂蜜酒は名の通り蜂蜜を感じるものなので、酒というより蜂蜜と合わせるものを考えると良いかもなのだ」
傍らでゴールディ特有のスーツの上に白いコックコートを羽織ったストレガ・L・リベルガストラが、サラダや肉料理を合わせたオードブルを綺麗にまとめている。メインディッシュのステーキや、デザートとなるドライフルーツタルトは別皿に用意していた。
しかし同じく特設厨房に居合わせたジェイソン・ジュピターが興味を惹かれていたのは、海神 江流が用意しているシャルガネ風アレンジ料理の数々だった。
「蜂蜜酒には詳しくないのだけれど、チーズや生ハムが良いらしいから……」
そんなことを呟きながら江流が仕上げていたのは焼きおにぎり。
刷毛で塗った醤油にスライスチーズを合わせ、とろりと溶けたところで生ハムをトッピングすると、驚く程の味の連鎖が生まれた。
「こいつは中々、ロックな味わいだ。シャルガネ料理にはいつも驚かされる」
ジェイソンの絶賛を受けて、江流はまんざらでも無さそうな様子。
すると隣から、茄子が焼ける香ばしい匂いが漂ってきた。
エル=バ=ノイアンが手掛けているのは、出汁を染み込ませた茄子をとろとろになるまで焼き、おろし生姜を添えた一品だ。ところがノイアン自身は何か引っかかるのか、小首を捻っている。
「いや、これはどちらかというと白米酒向けのつまみだな」
今回考案を依頼されているのは蜂蜜酒に合うつまみや料理だ。白米酒が大好きな蒼玉騎士団長ジェレムス・ローギリアンの好みに合わせても仕方が無い。
ならばと思い直し、モッツァレラチーズとトマトのサンドを皿に盛ってみたが――。
「それはワイン向けなのだ」
「……俺もそう思う」
ストレガのツッコミに、ノイアンは確かにそうだと頷いた。そこで更に一考し、今度は海老とアスパラガスと葉物野菜に生姜を添えたサラダを手早く仕上げてみる。
カクテルソースで味を調えれば、蜂蜜酒の爽やかな風味に合うのではないか。
「あぁ、これ良いな。俺は好きかも」
蜂蜜酒を口に含んでから味見につまんでみたサイラスが、サムズアップで絶賛。ノイアンはやっと納得がいった様子だった。
「ひと言で蜂蜜酒っつっても、ビールに近いのとか、白ワインに近いのとか色々あるらしいからな」
サイラスがいう様に、蜂蜜酒の風味は様々な種類に分かれる。
今宵の主賓ディヴァンス・ファルヴェントがどのタイプの蜂蜜酒を好むのかが今ひとつ分からない為、どの様な味わいにも対応出来る様に幾つかの種類を用意しておくのがベストだろう。
ところが、
「ディヴァンスは特定の蜂蜜酒を好む訳じゃない。敢えていうなら、全種類だ」
などとジェイソンがいい切ったものだから、尚更どんな味にも対処する必要が生じてしまった。
「成程。月見しながらとなると、本格的なものばかりじゃなくて、お手軽に食せる物も必要なのだ」
いいながら、ストレガがパンとビスキュイを専用のプレートに並べ始めた。好みで塩分を調整して貰う為に、岩塩粉を別の小皿に用意しておくのも忘れない。
「お、これは白玉団子か」
ジェイソンが調理卓上に見つけた白くて丸い甘味の山からひとつ、味見に摘まんだ。
「シャルガネで月見といえば、団子は欠かせないからね」
江流が白塗りの三方に盛り上げた団子は、大人にも子供にも喜ばれることだろう。一般参加客が居るということだから当然、小さな子供も来園している筈だ。
こういう細やかな心遣いが出来るかどうかが、イベントの成否にはとても重要だった。
●賑やかな酒宴
特設厨房に近い団体用テーブル席では、主賓ディヴァンスを囲む形でエフィルミア、ロイ・アウレアとテス・アウレア夫妻、現青薔薇マイスターのアーカネラ・ユルヴェウス、カペル家事実上の最高権力者イザベラ・カペル、既に出来上がっているジェレムスといった面々がそれぞれ好みの料理やつまみに舌鼓を打ちながら歓談に興じていた。
ロイとテスはディヴァンスとは久々の再開ということもあり、特に上機嫌で盛り上がってる。そんな三人の賑やかなやり取りを、アーカネラが卓の対面側から微笑ましげに眺めていた。
特設厨房からは次々と料理が運ばれてくるが、テスとエフィルミアがひと足先に卓上に並べた料理が既に、半分以上ひとびとの胃の腑に収まっている。
テスは串焼き、海老のチーズ乗せ、ホタテのバター焼き、パイナップルなどのつまみ系を用意。
エフィルミアはソーセージ一択だ。実は開宴前、薬草汁も是非と迫ったエフィルミアだったが、流石にその場の全員から却下を喰らったというのは御愛嬌だ。
と、そこへ大き目のトレイを掲げたシルヴィア・A・カペルが特別厨房から引き返してきた。ノイアンも一緒だった。
「ブルーチーズを乗せて焼いたタルティーヌを用意したよ。お口に合うと良いけど」
トッピングの胡桃とイチジクの風味はワインや蜂蜜酒にもよくマッチングするだろう。オリーブオイルとニンニク、唐辛子で炒めたキノコ料理と一緒に味わえば、白米酒のつまみにもなる。
ノイアンが運んできたのは自身で調理したものの他に、サイラスやストレガ、江流が考案したものも含まれていた。いずれもオリジナリティに溢れ、ひとびとの目には真新しさすら感じさせた。
「さぁ食え、飲め、友よ。ディヴィはまだ78だろう? まだまだ若い。もっとたくさん食べて成長しないと」
「ははは、それはちょっと子供扱いし過ぎだよテス」
珍しく絡み酒のテスに、ロイが苦笑を向けた。
絡まれている当のディヴァンスは別段嫌がる風でも無く、これがいつものロイとテスだと分かった上で、テスがグラスに注ぐ蜂蜜酒の蒸留酒割りを有り難く受け入れていた。
この少し前、ロイとテスは正式に婚姻したことを報告した。ディヴァンスはいつもの生真面目な表情の中に幾分の驚きを滲ませたが、しかしすぐに、
「やっと、だな。お似合いだとも、ふたりは。おめでとう」
と、これまた生真面目過ぎる程の調子で祝福してくれた。尤も、ふたりの新たな門出を祝ったのはディヴァンスだけではなく、この場に居る全ての者が心から、ふたりの幸福を願ってくれた。
ロイにとっては、テスと一緒になれるまでの時間が随分と長く感じられたらしい。そのことをテスが詫びながらロイの頭を撫でてやると、ロイは若干拗ねた様に頬を膨らませていたが、内心では嬉しさが幾重にもなってこみ上げていた。
逆にディヴァンスは、アーカネラと恋仲になれたことを何の恥じらいも、照れた様子も無く率直に述べた。その余りに朴訥で堂々とした告白に、アーカネラの方が顔を真っ赤にして俯いてしまう有様だったが、矢張りディヴァンスのこの誠実で隠し事をしない正直さは、誰の目にも好ましく映った。
そんな彼ら・彼女らの賑やかな様子を、シルヴィアは嬉しそうに眺めた。傍らのノイアンも、この時ばかりは穏やかな表情を静かに湛えている。
しかし中でもひと際騒いでいるのは、矢張りエフィルミアだった。彼女はシルヴィアが手ずから蜂蜜酒を注いでやろうとすると、嬉しさの余り舞い上がってしまった。
「え、シルヴィ姉様のお酌? 良いんですか! きゃああああああああ! お姫様になった気分!」
今だけはシルヴィアを自分の騎士にしても良いかとノイアンにお伺いを立てつつ、尚もきゃあきゃあと黄色い歓声を張り上げるエフィルミア。ジェレムスも大概出来上がっているが、エフィルミアは更にその上を突っ走っていた。
●新しい風
その時、どこかから聞き慣れない音色が響いてきた。
特設厨房隣のポーチで江流が、竹笛でお囃子を吹き鳴らし始めたのだが、その傍らでジェイソンが、ふたつの全く種類の異なる楽器を同時に奏でるという離れ業を披露していた。
殷々と響く独特の吹奏楽器と、高低自在の鼓。ジェイソンが操っているのは笙と三の鼓と呼ばれるシャルガネ独特の雅楽楽器だった。
闇の天空から降り注ぐ月明かりに、実に良く合う音色だ。リーンエス王国の伝統音楽に慣れ親しんでいるカペル家の面々や青薔薇の新旧マイスター達は、この奇跡の様な合奏にしばし心を奪われた。
「驚いたな……ジェイソンは、ロックだけを嗜んでいるんじゃなかったんだ」
この少し前、シルヴィアはジェイソンがら様々な酒の種類や、それらに合う料理について色々聞き出していたのだが、その際ジェイソンは、新しい音楽を披露してやると小声で囁いていた。
それがこの雅楽である。
複雑に絡み合いながら、穏やかで、ゆったりと流れる味わい深い音色。先程まで上機嫌に騒いでいたテス、ロイ、エフィルミアの三人も思わず聞き入ってしまった。
主旋律は江流の竹笛。必要以上に自己主張せず、川面を流れる落ち葉の如き静けさ。驚く程に月光の美しさとマッチしていた。
江流とジェイソンによる雅楽は十数分程度で切り上げとなったが、多くの来園客の心に糸を引く様な余韻がいつまでも残り続けた。
ここでノイアンが、ジェイソンと江流のところへ行こうとシルヴィアを誘った。
勿論と頷き返したシルヴィアは、同席の面々に中座する非礼を詫びて再び特設厨房へと足を運んだ。
特設厨房では、ちょうど江流が三方を抱えてディヴァンス達が陣取っている卓へ向かおうとしているところだった。
「凄かったよ、江流。シャルガネの料理に音楽まで……本当に色々、ありがとう」
「いつもは王国式の文化を毎度勉強させて貰ってるから、そのお返しに、ね」
気に入って貰えたら嬉しいと述べつつ、江流の方からも感謝の言葉が漏れ出た。
ところでジェイソンはどこに居るのかとノイアンが訊くと、江流は後方を振り返り、
「ここの裏手の食材置き場じゃないかな」
どうやらストレガ、サイラスと三人でつるんで、デザートをどうするかと相談しているらしい。江流に教えて貰った通りに食材置き場へと足を向けると、その言葉通り、三人がデザートを出すタイミングについて意見を交わし合っていた。
「紋具でキンキンに凍らせた冷やし菓子があるから、それに蜂蜜を落としたら美味いよ」
「砕いたカシューナッツやアーモンドを練り込んだチョコレートも出してみたいのだ」
サイラスとストレガの提案に頷き返しているジェイソン。そこへシルヴィアとノイアンが割り込んだ。
「ジェイソンも、皆のところに顔を出して欲しいな。お兄様達もジェイソンのロックに合わせて演奏を披露したいみたいだし」
しかしジェイソンの返事は素っ気なかった。
「そいつぁ駄目だ。今日は皆がディヴァンスとの再会を喜ぶ日だろう。それに俺がディヴァンスの楽曲趣味に茶々を入れるのはアーカネラにも申し訳が立たねぇ」
今夜はディヴァンスにとっては旧友との再会と、アーカネラとの心の触れ合いの再確認の日だといい切り、飽くまでも固辞するジェイソン。
「アーカネラは素晴らしいマイスターだ。新しい文化は大切なものだということは、本当は分かっていると思う」
シルヴィアは尚も説得を試みた。何といっても今宵ジェイソンはシャルガネの雅楽を新たに披露した。その技量は既に国際レベルといって良い。アーカネラもその重要性は分かっている筈だ。
が、ここでノイアンがそっとシルヴィアの肩に触れた。
「ジェイソンにはジェイソンの考えがある様だ。彼らに旧交を温めて貰うのは、また後日にしよう」
ノイアンも正直なところをいえばシルヴィアと同じ気持ちだったが、かといって無理強いは更に拙い。
シルヴィアもノイアンのいわんとしていることを理解し、今回は引き下がることにした。
●終わらなき時間
シルヴィアとノイアンが宴席に戻ると、ディヴァンス、ロイ、テスの三人が蜂蜜酒の種類について談義を交わしていた。
「私もいつか、ロイさんみたいなお酒マスターになりたーい!」
若干呂律が廻っていないエフィルミアがテス以上の絡み酒に変貌していた。と思ったら、そろそろ酔い潰れそうになっている。イザベラが近くの酔客用ポーチへエフィルミアをエスコートしていってやったのは、中々斬新な光景だった。
「エフィは結局、全部平らげられなかったな」
「じゃ、残りは皆で」
苦笑するロイに、テスが悪戯っぽく笑いかける。
ここでシルヴィアとノイアンが、今宵のジェイソンとのセッションは無理だという旨を伝えると、ロイとテスは残念そうに頷き返した。この時一瞬だけ、アーカネラが申し訳無さそうな視線をふたりに送っていたが、両人は気付いていなかった。
「ロモズ歩兵団でも割りと裏方仕事が多いという重兵20番隊長だから、今日も厨房仕事に徹しようという訳なんだろうな」
ロイはその様に受け取った。カルケルーア・ロモズを拠点としているジェイソンだから、セッションだけならいつでも機会が持てるだろう。
するとその時、ディヴァンスが中々衝撃的なひと言を放った。
「ジュピターはロックだけじゃない。バラードもクラシックも出来るし、確かムード歌謡とかいうものにも精通していた筈だ。そして今日演奏した雅楽。シラーの砂漠民文化の音楽やディズルのリザードマン文化特有の楽器についても演奏技術を身に着けている」
「……何でそんなこと、知ってるの?」
驚いたのはアーカネラだ。しかしディヴァンスは、こともなげにしれっと応じる。
「ロモズ歩兵団20番隊長、そして元青薔薇。調べる価値は十分にある」
どうやらディヴァンスは早い段階からジェイソンが帝国に拠点を移していた事実を把握していたらしい。そして同時に、その多彩な音楽性をも認識していた模様。
だがそれ以上に今宵のディヴァンスは少々、饒舌気味だ。蜂蜜酒の勢いもあるのだろうが。
「先生、お祖父様がどんなひとだったのか……改めて、聞きたいな」
シルヴィアの求めに応じ、ディヴァンスは静かに語り始めた。
マスターコメント
ショートシナリオR易しい 報酬:無し8 / 4〜8人
2022年10月24日 18時13分59秒 公開
相談掲示板
シルヴィアだ。お誘いにOKしてくれた皆はありがとう。素敵なお月見依頼にして下さった革酎MSにも心からの感謝を。 ディヴァンス先生やカペルの人々、そしてジェイソンにも会えて嬉しいよ。今宵は楽しもうね。 >個人行動 ミードに合う料理を考えたいのは勿論だけど、アーカネラと他の面々の仲も取り持ちたいな。アーカネラ自身、新しい文化(ロック)は大切だと分かっていると思うんだ。宴会の時に少し触れられたらと思う。あ、先生とアーカネラは恋仲になったばかりだからお祝いも伝えたい。 甘いお酒に合うおつまみ……色々と考えられそうだね。私は料理は不慣れだけど調べてみるよ。 (ご参加どなたでもご自由に。良い一日になりますよう願いを込めて)
っとと、会場で出来ることの選択肢が多いなと思って、それぞれ自由に楽しんで欲しいとお誘いを取り下げたよ。気楽にお月見の夜を過ごして貰えると有り難い。楽しい夜にしよう。
ロイ・アウレアです。よろしくお願いします。 ミードに限らず、酒の肴として好みの品を色々提案(?)しようと思う。 と、言いつつ当然にメインは酒盛りで、皆とも酌み交わせたら良いな。 どうか皆さま、楽しい月夜を。
ノイアンだ、よろしく頼む。 賑やかな一日になりそうで今から楽しみだな。 料理の考案と一緒に試作品も作りたいが…その場合は厨房を借りられるということでいいんだろうか?
お誘いどうも。海神 江流だよ。 料理ねぇ。 いつもの流れだと米料理ってとこだけど、酒のあてにはどうだろうか。 お月見だし、月見団子があってもいいのかな?などとやんわり考え中。
エフィルミアです!よろしくお願いしますっ。 シルヴィ姉様お誘いありがとうございます! いっぱい食べていっぱい飲みます! 皆さんの力作は美味しく味わいますので任せてくださいっ。
蜂蜜酒、濃厚な甘さのものもあれば、甘さ控えめの爽やかな風味のものもあるらしい。おつまみの幅も広そうだね。炭酸水や紅茶、ミルクで割るのも良さそうだ。 月覧会の会場にはワイン派・白米酒派・蜂蜜酒派の面々が揃っているから、蜂蜜酒以外のお酒に合うおつまみも喜ばれると思う。解説を読む限り料理の考案だけでも大丈夫そうだけど、希望すれば侯爵邸の厨房も使わせて貰えるんじゃないかな。 お月見団子……実は食べた事が無い。もし江流が作るなら楽しみにしているね。 私も皆と酌み交わせたら嬉しいな。アドリブ絡み歓迎とプレに書いておくよ。 >考案する料理 ブルーチーズが合うとジェイソンが言っていたね。バケットにブルーチーズを乗せて焼いてみようと思う。一緒にのせるのはクルミとイチジク。炒めたキノコも良いかもしれない。まだ悩んでいるから変更するかも。
いろいろ考えてみたけど、チーズや生ハムが定番らしいんで、お米持ち込んで焼きおにぎりにチーズと生ハムを乗せたアレンジレシピにしてみようかなとか。 ついでに米粉でお団子作るのは宣言通り。当日はよろしくお願いします、と。
おはようございます テス・アウレアだよ、ギリギリになったけどプレ出せたよ! よろしくね! 旧友が来てる&お酒が飲めると聞いて、参加させて貰ったよ 板を読むだけで美味しそう…! 全力でつまみ(シュラスコ)用意して、ディヴァンスに絡みに行くよ よろしくね!