【夏果】トロピカルモンスター浜辺に現る

一乃口

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シナリオID:2376

オープニング

 この日、アルタラはオフだったんだ。
「くそ暑い」
 歯に衣着せぬ言葉遣いは完全に仕事モードオフのアルタラの言。
 汗が、額を、頬を、顎を伝う汗の存在感が鬱陶しい、普段からあまり第一印象がよく無い顔が更によろしく無い。
 伝って落ちた汗は、その存在感が嘘のように砂浜に沁みて消える。
「先輩――海は涼しいんじゃないんですかー」
 その後ろで項垂れる後輩受付嬢、と言ってもオフなのでこちらも普段の制服ではなく水着姿である。
 水着姿の女の子、後輩。
 これって――。
「知りませんよ」
 アルタラはオフと言えば引き籠りたかった。
 後輩があまりにもしつこく、しつこく、しつこく誘うので仕方なく海まで遠出して来たのだった。
 水着は何故か後輩が見繕って来たので、それを着用している。
 やはりこれは――。
 と、そんな時、浜辺の方から悲鳴が上がる。
「ば、化け物だ――っ!」
 その声に平素の気怠さを感じさせない機敏な動きで浜辺へ向かうアルタラ。
 ギルドの受付職員であるが、冒険者としての経験と彼の根幹にある「授恵者としての責任感」が、その足を動かした。
 砂地を踏みしめて、状況を見る。
「これは……?」
 アルタラは、判断に迷う。
「せんぱーい、はやーい」
 遠くから呑気な後輩の声がする、非授恵者である後輩に「来るな」と制して状況を再度確認する。

 どう、見ても。

 果物である――。

 否、果物ならば手や足を以って自走する事は無いので、やはり魔獣か。
 アルタラはその脅威であるハズの存在に対して「子供の落書きのようだな」と思わずを得ない。
 実際そんなビジュアルだし。

 冒険者に依頼として提出する、オフなのに既に仕事モードへのスイッチが入り切ったアルタラは護身用に持って来ていた棍を片手に近付く。
 アルタラは驚異の難易度を、自身の身をもって推し量るタイプのギルド職員だった。
 走ってくるリンゴ。
 リンゴと言っても普通のサイズ感では無く、ハーフリングのアルタラ(成人男性138cm)よりもすこし、デカイ。
「っ――」
 それをアルタラは正面から受け止めた。
 予想される質量と、アルタラが身に付けた装備(後輩チョイスの水着のみ)を考慮して想定していたダメージが――。
「……?」
 無いな。
 受けに構えていた棍を片手で回し、自走して来たリンゴを殴打する。
 響く打音。
 確かに打った手応えは感じる――が、千里の道をほんの数歩、歩いたような感覚がアルタラの手に余韻として残る。
「コレは……」
 自走するリンゴがガンゴンとアルタラにぶつかってくるが、敢てそのまま思考するアルタラ。
 ヒールを自身に施す程でも無いが、思考を遮る断続的なリンゴタックルがちょっとウザくなった。
 渋々、移動をしようとしたアルタラの背後から別の存在がドンとぶつかってくる。
 その衝撃に「しまった」とアルタラは一瞬、油断が過ぎた自身を叱責するが。

 ごろん。

 と、そこには同じように自走して来たと思われる巨大葡萄……が転がっている。
「……?」
 疑問が根深さを増した。

●
「さて、どうしたものか」
 アルタラは冒険者ギルドへ出す依頼の内容を羊皮紙にまとめている作業中だった。
 一応、回収して来た巨大葡萄がソ(、)コ(、)に転がっている。
 不可解さはあるが、現役の冒険者達なら難なく撃退はできるだろう。
「せんぱいー、コレ美味しいですね!」
 気付いたら巨大葡萄を食っている後輩がソコに居た。
「……腹を壊しても知りませんよ」
 冒険者が辿り着く頃に、こいつが腹を壊して居たら食べるのは止めようとアルタラは思った。
「でも先輩、やっぱりその水着似合いますねー!」
 「冷やした方がきっと美味しいですねー!」と威勢のいい後輩に、飽きれた溜息が出るアルタラ。
 なお、後輩が選んで買ってきたアルタラの水着は、紫色のハーフパンツだったそうだ。

解説

●解説  戦場はエラトゥーン都市同盟ではありふれたビーチ。  戦場はビーチ一面、砂地4:海辺6。海辺は段階的に深くなり一番遠いエリアでは身長150cm程度であれば胸に届く程の深さです。  砂地>海辺で足場のペナルティが考慮されるが、敵の影響が無い限り問題は無い。  下記、配置のイメージになります。  可食部を吹っ飛ばし切らない限り食べられます、冷やしてから食べる場合は工夫が必要でしょう。  ABCDEFGHIJ  砂砂砂砂浅い海海海海 1リ    イ   マ 2       パ   3  バ     ス    ●敵、トロピカルフルーツ魔獣各種。  ・巨リンゴ(A1):砂浜をひたすらダッシュしている。マッシブルな両手両足が特徴的。周回軌道(A1~B3)を譲る素振りが無かった。  ・スイカバール(I3):名状しがたい棍棒のような武器を持ったスイカ。デカイ。  ・マンゴーレム(J1):体の表面に正方形の突起が多い。アルタラの2倍程度の巨躯。腕も太い。  ・バナナイフ(C3):尖った印象のあるバナナ、サイドステップのキレが良い。  ・パインナックル(H2):拳がトケトゲしい。独特な拳の素振りをひたすら続けている。  ・イチゴートン(I3):四足歩行。ヘタの部分に別のイチゴが備わっている。直線的なダッシュをすることが確認されている。  ※命名は後輩ギルド職員。

マスターより

5度目まして! 一乃口です。 【夏果】の戦闘シナリオ! と言っても登場している魔獣のネーミングからお察し頂けると思いますが コメディよりの戦闘シナリオです。 プレイングに温度感を合わせる形になると思いますので、カッコイイ人は終始カッコよくなります。 コメディに振り切って頂いても、一向に構いません。 アニエピカ初参戦! と言った冒険者デビュー様も是非、ご参加くださいー!! お待ちしておりますっ!! また、NPCアルタラも配備しております。影の医療スタッフです。

リプレイ

 見渡す水平線、容赦なく照り付ける陽射し、そして広い砂浜。
 ココまでで切り上げられればとても素敵なリゾート地だったんじゃないかと、アラン・スミシーは景観を前に強く思った。
「えぇ……なにこれ……」
 走る果物、走る? 走ると言う事は脚があると言う事。
 なんなら手も付いている――アランは目を疑った、落ち着いて手で目を拭う。
 何かの見間違いかも知れない、異なる色を持つ双眸(オッドアイの瞳)で改めて見る。
「えぇ……なにこれ……」
 思わず、2度言ってしまう、変わらない光景。
 齢202歳のエルフである彼は、あるきっかけを経て外界へとその身を投じるようになった訳だが……早速、珍妙な光景に出くわしたと言う事だ。
 果物が走り回ってるとか、そう言うのはやっぱりどう見てもおかしいと思うんだが。
「なんかすっごい光景だな!?」
 砂地を走ったりステップしたりする果物達を目にしたアステルが驚愕の声を上げる。
 白狼のハーフビーストである彼の白い耳がピンと張っている、きっと感情に素直なんだろう。
「めちゃくちゃフルーツだけど気持ち悪いぞ!?」
 とっても素直な感想でした。
 アランはそのアステルのリアクションに、とてもシンパシーを抱く。
 だが、アステルは近くにあった提供、海の家から拝借した氷を麻袋に詰め込み、その周りをマントでぐるりぐるりと。
 外気に触れる面積を封殺し、その氷を保つ工夫を行う。
 よし! と言う感じに白い尻尾が揺れる。
 オジサン(アラン)は少し表情が迷子になった。
「よーし、頑張るぞー!」
 えいえいおーっと拳を上げる小柄な少女、チルが元気よく弾む。
 ふんわりとした金髪に、緑の元気な瞳が砂浜の上で蠢くフルーツ達に向けられている。
 わくわくと輝いて見えるその瞳。
 その瞳はこれから相対するフルーツを上手に解体するぞ! と気合に満ちて。
「食べるところ減らさないようにしよう!」
 ぐっと拳を握るチル。
「え? 食べるの?」
 アランは思わず口にした。
「果物ですよね……食べられますよね?」
 砂上のフルーツへ視線を送るセロリ・サーティーン。
 チルと並ぶと身長差がとてもある。
 後ろ纏めにされた橙色の髪に、対照的な夏の空のような瞳がその先の光景を映す。
 頬にある、朝焼けを閉じ込めたような石が陽光に照らされる――視線の先は巨リンゴだった。
「いや、食べないでしょ、怪しいし、手足あるしリンゴじゃないよ」
 アランは思った事をセロリへと伝える。
「どう見てもリンゴじゃないですか。リンゴ以外の何だって言うんですか」
 セロリ、リンゴとの力説である、オジサン(アラン)気圧される。
「うん、あれはリンゴだね!」
 チルも片手で陽光を遮りながら、走る巨リンゴを見てセロリに同調。オジサン(アラン)、少し寂しくなる。
「フルーツ……あれか」
 セロリの隣に立てば、よりその長身がわかるルイド。グレーと紫晶の瞳で砂浜の先へ視線を送る。
 思案気な視線を送る黒い髪は、夏の日差しをしっかり吸収していそうだが、ルイドは平然と佇む。
 その脳裏には果樹園での、採れたてを食べた桃の味。
「そんじゃ、今回の敵も美味いってことか」
 採(、)れ(、)た(、)て(、)は美味いって、農夫が言ってた気がする。
「俺は食べるならリンゴとパインがいいな、と」
 セロリが言う。
「俺はバナナってのが気になるな」
 ルイドが、セロリの言葉に続く――ホムンクルス同士、フラスコ(同 郷)で面識もあったかも知れない。
 そんな2人の食べる気高いトークに、アランは動揺を隠せない。
 準備体操をしている金髪美人へと、少数派と言う同調派閥の希望を抱いて視線を送った。
 視線の先で身体を解しているシルク・メイプルリーフの長く綺麗な金髪が夏の日差しでより輝いて見える。
 やる気の伺えるその様子、誰から見ても解る豊満なスタイルは一部ギャラリーの視線をフルーツ以上に実った部分へ集めてしまう。
 そんな美女が艶やかな水着姿なのだから、そんな彼女を男達は放っておかないだろう。
 やる気に満ちた青い瞳が、奇怪なフルーツ達へと向けられて開口――。
「フルーツ食べ放題と聞いて!」
 アランは自身の圧倒的少数派を知る。ちょっと頭痛がして来た、熱中症ではないハズだ。
 意気揚々とフルーツ達の処理へ思いを馳せる面々、そして様々な状況を想定して挑むのは冒険者の経験からだろう。
 シルクが気付いて、存在感を限りなくゼロにしようと思って居た冒険者職員兼雑用担当のアルタラに向けられる。
「そうだアルタラさんでっかい桶です!」
 でっかい桶が必要です! とシルクの指先がアルタラを捉える。
 アルタラ視点だと、シルクの表情はいまいち見えないのだが――声色だけでも解る真剣そうな様子にアルタラも承諾。
「『お風呂に入れそうなぐらいでっかい桶』……ですか、まぁ聞いて見ます」
 アルタラは眉間に皴を寄せると海の家へと向かった。

 食べる所を減らさないようにしないと、と意気込むチル。

 スピーディに撃破して、早く冷やそう、と狩りの体勢になるアステル。

 とりあえず、食べやすくなるように砕きましょうな方針のセロリ。

 せっかくなんで良い状態で確保しねぇと、準備も怠らないルイド。

 見てください、あのマンゴーレムとやらをと、ウキウキなシルク。

「えぇ、本気で食べるの……?」
 オジサン、引いちゃう。と、アランが周りのテンションに置いて行かれる前にでっかい桶(アルタラ)が来る。
 準備が整った。
 冒険者達は砂浜に、海に向かって各々駆け出して行く。
 天眼(セロリ)視点でご覧いただくと、頭が7つ、でかい桶が1つと果物が蠢く砂浜――いや、頭だと思ったらたわわでした……おわかりいただけただろうか。

 速攻――その言葉を体現するかの如く手にした輝煌晶の鋭針と星降の蒼刃が陽光に輝く。
 アステルは急速にイチゴートンに近付くとその刃を閃かせた。
 一閃――二閃――そして三閃( ト リ プ ル フ ァ ン グ )。
 鮮やかな連撃での手応え、果汁撒き散らす魔獣――切った場所が身体のどの部分なのか、アステルは一瞬悩んだ。
 が、可食部を適度に残せば構わないだろうと、その短剣捌きで迷いごと更に断ち切る。
 嘶く――声帯は持たないイチゴートンがアステルへ反撃の突進。
「可食部除いて解体だ!」
 しかしアステルは姿勢を低くし、相手の突進を捌けば脚部と思しき部分を(カウンターランジで)叩く。
 その動きに合わせ金の瞳が、星と並ぶ月のように鋭く光る。

 そんなアステルの刃が閃くよりわずかに速く、巨リンゴへとセロリが肉薄する。
 走り込んできた巨リンゴを盾で受けるセロリ、その巨リンゴの与える衝撃――は想像よりも軽い。
 握る竜牙の槍にエーテルを集約(攻撃集中)して放たれる強打の一撃が穿つ。
 その一撃に仰け反る巨リンゴ。
「さぁ、砕かれてください!」
 振るう槍が、巨リンゴの疾走を阻む。
 その攻撃は重なり、巨リンゴの原型が次第に損なわれる。
 周りの戦況も見て余裕があると判断したセロリは、必殺の一撃の使用を決断。
 破鎧砕、よろめく相手に勢いは見えない。
 長身から振り下ろされる戦士の一断が、強打を伴って叩き込まれる。

 冒険者の中では(アルタラを除き)控(、)え(、)め(、)な(、)頭(、)身(、)が、更に低い姿勢を保って疾駆する――。
 その駆ける姿に、金色の羊を連想させるチルが、走る。
 砂地を駆けて行き、次第にその脚が海水を蹴って飛沫を上げて行く。
 そして、瞬く間に標的との距離を詰めきった。
 先刻の朗らかな表情は、手にした双剣の内に潜み。
 その緑眼が、こちらに気付かない変わった棒を構えた標的へと――視線と刃が刺さる間に、間髪は無かった。
「ていやっ! 大人しくして!」
 ダブルエッジ。
 短剣が切り裂いた表皮の上、振り抜いた動作のまま流れるように叩き込まれる硬木の剣。
 その速さに反応できないスイカバールの、黒い粒の混じった果汁が破片を混ぜて弾けその棒がお返しとばかりに振られる。
「わー!? 思ってたよりも大っきい!」
 チルは驚きながらもその攻撃を楽に躱す。

 周りの状況など何処吹く風か、と体現してステップを刻むバナナイフ。
 そこへと辿り着いたアラン、接近に至るまでの考察でも、その動きは単調――念のため自身に堅甲と輝刃を施す。
「よいせ! そんじゃまぁ斬るぞー!」
 癖のある黒髪を揺らし、手にした鉄の祭刀を振る。
 バナナイフはその機敏さから――いや、タイミングでそのひと振りをマトモに受ける。
 アランに取っては案の定、思ったとおり切(、)り(、)や(、)す(、)い(、)。
 切られたバナナイフがステップして、アランへと体当たりする。
「おわっ!?」
 そのタックルを真正面で受けたアラン――堅甲もあり、怪我をする程ではなかったが。
 森から外界へでて、初めての人混みでぶつかられた嫌な思い出が脳裏を過ぎったとか、なかったとか。

 バナナが気になるルイドだが、アランの背がそちらへ向かうのを見て標的をパインナックルへと。
 不意に水深がある足場が現れても、ルイドの体勢を狂わせるには能わず。
 ファイティングポーズを取る、パインの元へと辿り着く。
(この距離なら)
 ルイドは明鞘彼誰(鞘)から暗剣黄昏(剣)を抜くと構え、振った剣の衝撃が標的へと飛翔する。
 不可視の刃が水面を分かちながらパインナックルへ裂傷を与える。
 手応えに申し分は無い、ルイドがそう思案するうちに相手がこちらへと距離を詰め始めた。
 その動作への謎の拘り、シャドウボクシングをやめない姿勢は隙だらけに見えるがルイドは油断せずに構える。
(飛び道具でも来るか?)
 拳のリーチ以上を警戒するが――。
(ねぇな)
 拳の棘はルイドが「チクっとした」くらいで受け切ったとか。

 ザパッと跳ねる波を掻き分けて進む、シルクの足取りは軽い。
 その後方ではどでかい桶が波に揺れ――てなかった、支えている職員(アルタラ)が続く。
 マンゴーレムが2人の接近に気付く。
 その様子に最低限の警戒心を抱く職員(アルタラ)とは間逆に嬉しそうなシルクの様子。
 見て下さいと、見て欲しいが、出会う。
 マンゴーレムはサイドチェストをキメた――!
「キレてます、いいですね肩にでっかいジューシーのってますね!」
 とても楽しそうに青い瞳が輝く。
 そして試練の時は訪れる。
 シルクとマンゴーレムの肉弾戦が始まって数分、戦場は海上から桶上に至る――。
 今シルクは水着姿で桶の(リング)上、マンゴーレムを相手に戦っている。
「フルーツの踊り食いとか初めての経験ですがこれだけ大きいと大変ですね」
 と桶に上がるシルクが口にしていた事を、もっと深く考えれば良かったと、桶の下で職員(アルタラ)は思う。
 頭上で響く衝撃。
 重心がメンタルと体力をゴリゴリする。
「人にかける事を禁じられた、シスターオクトパスホールドを今解き放つとき!」
 シルクの宣言と共に、歓声が沸き上がる――いつの間に観戦者(ギャラリー)が?
 状況が視えない。
「これもきっと神からの大地の恵み、残らず絞り尽くして糧としましょう」
 ブシャァと言う音がして、次第に液体の上に液体が落ちる音が響く。
 マンゴーレム、昇天す。

 桶の下が(アルタラ)殉教者のような状態になっている間に、その他フルーツ達もすでに良い感じに仕上がっていた。

●実食
 冒険者達が準備していた冷やし方は、最終的に融合を果たす。
 シルクの一声で大きい桶があった、チルがピュアウォーターを扱えるのでフルーツに多少付いた砂も洗い流して鍋にも水を。
「えいえーい! 冷え冷えになれー!」
 流したあと、鍋に氷とカットしたフルーツを入れる。
 一鍋には全部入らない量だが、鍋を多めに準備したので相応に収まっていく。
 ルイドとアステルはそれぞれに氷やマジカルポケットで可食部を持ち帰るにあたり、合流して効率よく収納して冷やす事ができた。
 セロリはリンゴを砕いた後、ほかのフルーツを運ぶのを手伝っている。
 最終的に綺麗に洗った鍋に。砕いたりカットされたフルーツ達と氷が入ってマンゴージュースの上で冷やされる。

 見た目だけなら鍋のフルーツ盛り合わせ。

「えっ!? 本気で食べるの!? マジで!?」
 アランはその準備万端と言った表情で、冷え時を迎えた他の冒険者達を見て驚く。
「バナナってのも割と美味いな」
 フルーツはどれも制覇してみようと思いながらも、やはり気になったバナナから咀嚼するルイド。
 桃とはまた違った味わい――普通基準では体験できない食べ応え。
 それぞれにジューシーで味わいも異なり、一口一口に楽しみが生まれる。
「んーすごい大きかったから甘くなかったりするんじゃないかな、って思ったけど、これはこれでアリだな!」
 アステルももぐもぐとフルーツを味わう。
 美味しかったので、連れのさばみそ(くろねこ)にも「食うか?」とアステルはフルーツを見せる。
 が、貫禄ある黒猫はプイっとしてしまう。
「……え、いらない? なら全部オレが貰っとく!」
 鍋ひとつ、くらいが今、それぞれの目の前にある分量の目安である、アステルの尻尾は揺れる。
「ん、みんなで頑張った分美味しいね!」
 冷えて美味しいスイカを頬張り、チルはぽかぽか陽気のような笑顔。
 そのふんわりとした雰囲気に、アステルのように尻尾がゆれているような気さえしてくる。
 鍋への収まりも、数でカバーできたし、スイカのカットも良い感じ。
 他のフルーツも勿論食べる。どれも美味しそうに食べる様子はとても嬉しそうであった。
 そんなほわほわな空気の隣で、食べるならリンゴとパイン。
 と好みのはっきりしていたセロリも、それぞれを口に運んでもぐもぐと。
「……美味しいかと言われると、美味しいです。意外ですね」
 隣でチルが「美味しいよ!」と言うのに「そうですね」と相槌、食べている手が次第に間をおいてくる。
 その視線は先刻よりもげっそりした雰囲気を漂わせるアルタラへ向く。
「アルタラさん、一緒に食べませんか? 俺胃袋小さいので……」
「いいんですか!?」
 セロリのお誘いに、反応が早かったのは後輩ギルド職員、直ぐにアルタラに嗜められるが、それは僅かな間。
「そうですね、折角ですから頂きましょう」
 先に仕留められて冷やされていた葡萄もまた、冒険者達の前に並ぶ。
 後輩も腹を壊さなかったし。と一粒が片手に掴めるような葡萄の粒。
「それも美味そうだな、くれ」
 ルイドが葡萄を掴んで食べ、他と違い皮のに歯を立てると果汁が跳ねる。
 気にせず食べるルイドを見て、チルやアステルも葡萄へ手を伸ばした。
「マンゴーも良かったですが、他のフルーツも美味しいですね」
 神の恵みに感謝するシルクもまた、フルーツの盛り合わせ鍋とマンゴージュースの出来に満足そうである。
 マンゴーの踊り食いをした後でも、他のフルーツもたっぷり食べ。シルクは食べ放題を満喫、良い笑顔だ。
 セロリは適量を味わいながら、シルクを見ていっぱい食べる人だなぁと思ったそうな。
(ホントに大丈夫なの?)
 アランは職員が「お疲れ様です」と準備してくれた普通のフルーツとジュースを貰えたので、それを食べながら魔獣フルーツを食べる面々を眺めて過ごした。

マスターコメント

【夏果】フルーツエンジョイ!! ありがとうございました!! 皆様の準備してくださった「冷やして食べる」方法や準備、とても良かったです。 良い感じにフルーツパーティできましたので大成功とさせて頂きました! ご参加、ありがとうございました! 全員MVPです! と送りたい所ですが……今回、砂が! と備えてたコメディオチを回避できた方へ贈らせて頂きます。 ジャリ! 回避です。 ありがとうございました。
ショートシナリオ

ショートシナリオ普通 報酬:標準6 / 4〜8人

2022年08月21日 10時35分21秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. アラン・スミシー

    人手は集まったみたいかな?ヒーラーのアラン・スミシーだ! 是非ともよろしく!できるのはバフとデバフ解除と回復と…だけど、 なんかお野菜……というか果実切りみたいになりそうだね…… 真剣に相手するも良し、戦闘訓練として頑張るも良し、 みんながんばっていこ~!

  2. No.2

    シスターシルクです そうですね戦闘訓練としてもよし 食材として味わってもよし 素晴らしい 個人的にはマンゴーレムさんが気になっています

  3. アステル

    途中参加になるけど、シーフのアステルだ。よろしくー! 冷やして食べられる、ってなんかすごいな! オレはパインナックル気になるなー。拳?

  4. チル

    初めまして、シーフのチルって言います! 戦うのは……まだ下手っぴですけど、頑張ります! スイカバールにマンゴーレム……どれも食べ応えありそう……。

  5. セロリ・サーティーン

    ウォーリアのセロリです。よろしくお願いします。 全部倒したら最終的に巨リンゴを食べてみようかと思ってます。 かなり元気なリンゴなようなのでこれは頑張って追いついて倒さないと……。

  6. ルイド

    ウォーリア、ルイド。よろしく頼むわ。 派手な魔法なりで吹っ飛ばさなけりゃ食うとこは結構残りそうなんで、 せっかくだからどれも味わっておきてぇな。 冷やすのはどうすっかな。どっか氷なりあるならマジポケに突っ込んでいくんだが。

  7. アステル

    見る限り、こちらにダメージはあんまりないのかな? パインナックルなんて殴られたら痛いやつだぞ絶対! 果物のトゲトゲを甘く見たらやばいからな……! とりあえず、冷やす方法考えた方が良いかな?

  8. チル

    トゲトゲは確かに痛そう……気を付けよ。 それとなるべく食べれる部分は残しておかないとだね! あとは冷やす方法……ピュアウォーターとかで出したお水も使えたりするかなぁ? お鍋とかにお水と氷入れて果物とか冷やすの、見たことあったから!

  9. ルイド

    リンゴはあんま痛くなさそうな様子だが…… トゲやら棍棒やらキレが良いバナナやら、他の見た目は割と凶悪っぽいよな。 一応程度の備えだが、ヒールは持っておくか。 海水直に使うと塩味キツそうなんで、ピュアウォーターは確かにありがてぇかも。 と、そろそろ出発か。んじゃ現地でもよろしく頼むわ。

  10. アステル

    ん、りょーかい! 現地でもよろしくなー!

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0