【西局】太信党と吸血鬼~その裏をつなぐモノ
岩岡志摩
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シナリオID:2310
オープニング
リーンエス王国西方に、シラーという名の砂漠が存在する。
この砂漠では、アクファリテ西方辺境伯や当地の冒険者ギルド等が戦力を集めていた。
既に各所でバルバロイ組織『太信党』との小規模な局地戦は始まっている。
戦力が増えるほどそれを維持するための物資の量も増えていくのが戦いの常で、アクファリテ西方辺境伯が指定した場所には各地より物資が集められている。
しかし最近、その1つが吸血鬼率いるアンデッド達に襲われた。
救援要請を受けた冒険者達によって、アンデッドは撃破されたものの襲撃の痕跡は深く、砦を兼ねた集積場所は半壊状態に陥った。
砦を任されていた責任者は、復旧作業を進めながらも1つの疑念が頭から離れなかった。
――なぜここがわかった?
この砦は正規の補給線が寸断されても兵站を維持できるようにするため、秘密裏に設けられた輸送路の中継場所を兼ねている。
だが実際に、秘密裏なはずのこの砦は襲われた。
「情報が漏れているな」
その間にも責任者のもとには、先の襲撃で受けた被害状況をまとめた報告書が届く。
その内容に目を通した責任者は、被害の大きさにため息をつく。
被害は砦だけでなく、運ばれていた物資にも及んでいる。
それも特に重要だと思われるものが集中して狙われたが、それらが運ばれてきたのは最近のことだ。
それにも関わらず、吸血鬼は狙いすましたかのように手際のいい襲撃を見せた。
そうなると、導き出される答えは――。
「戦略を決める者達の中に、吸血鬼と通じている者がいる」
責任者は血の気が引くような思いを味わいながらも、その範囲を頭の中で絞り込む。
秘匿された補給線と重要な物資を運ぶ情報を、両方とも知りえる立場にいる人間は限られている。
責任者自身も重要な物資を輸送する情報は、最近になって知らされた身だ。
西方辺境迫の軍略が、根本から崩れている。
そう思った責任者は直ちに複数のルートを使い、上層部との連絡を取り始めた。
●対処開始
いかに戦上手な指揮官が揃っていたにせよ、大勢の兵力を動かすには相応の準備が必要になる。
戦略でそう決まったからと言って、すぐさま兵士達を動かせるものではない。
にもかかわらず、太信党の動きは既に知っていたかのようにこちらの裏をかき、急所を突いてくる。
そのことから西方辺境伯アクファリテも、情報漏洩の可能性を視野に入れていた。
既に漏洩もとの調査に乗り出しているが、アクファリテにはもう一つ気がかりな点がある。
それは太信党に協力するかのような、吸血鬼の動きだ。
太信党が信奉するシラーの神と吸血鬼には何の関連性も見いだされていないが、今回砦を襲撃した吸血鬼の動きは、明らかに異質に思える。
襲撃を受けた砦の責任者からも、吸血鬼が情報漏洩元と繋がっている可能性を指摘する報告書を届けてきた。
事態を重く見たアクファリテは、砦を襲った吸血鬼に対する追跡調査を命じ、冒険者ギルドにも依頼を出すことにした。
●調査開始
その詳細を明かすことが出来ないが、西方辺境伯からの指示に従い吸血鬼を追う者達は優秀だった。
彼ら調査員達の尽力により、依頼を受けた冒険者達は現在立っている場所へと導かれている。
そこはシラー砂漠の中に点在する遺構群の1つだった。
かつてはここで人々が暮らしていたと思しき建造物の群れは風化が進んで半ば朽ちており、その壁を走る彫刻めいたものが辛うじて過去の威光を忍ばせている。
「あの遺構群内で情報を流している人間が、例の吸血鬼に情報を渡しているようだ」
同行していたギルド職員アルヒ・ラスカスは、冒険者達と共に遺構近くにある岩陰へと身を隠しながら、改めて依頼内容を説明する。
「みんなには、あの遺構群の中で手掛かりとなるものを出来る限り入手してもらいたい」
冒険者達に入手してもらいたい情報や手掛かりは、大きく分けて3つ。
1つ目は、情報の流出元につながるもの。
2つ目は、吸血鬼の素性を明らかにできるもの。
3つ目は、吸血鬼と太信党とのつながりを示すもの。
追跡調査を行っていた調査員達によると、吸血鬼の手勢と思しき一団はこの遺構群がある場所をたびたび訪れているようだ。
「この場所が怪しいとにらんだのは、流浪の民と思しき人間もたびたび出入りしているからだ」
その流浪の民だが、調査員達は情報を流す者からの伝令が偽装した姿だと分析している。
「そして私達冒険者にこの場所での調査依頼がきたのは、この遺構群の中にアンデッドが徘徊しているためだ」
伝令役と思しき者は、アンデッド達をやり過ごすなんらかの手段があるのだろう。
ここにいるアンデッド達を全て倒し、敵がいなくなった後に時間をかけて調査を行うという手段もあるが、依頼人からはそのやり方を止められている。
「情報を流している奴と、吸血鬼の接点はもう少し維持しておきたいそうだ」
今のところ吸血鬼に情報を流していると目されるのは、この場所以外見つかっていない。
――情報の流出元と吸血鬼の動向が明らかになるまではこの場所を監視下に置き、さらに情報を入手したい。
西方辺境伯からの使者兼依頼人は冒険者ギルドに向け、その狙いを語っていた。
危険が伴うことを依頼するため、自衛と露見防止という範囲内ならある程度敵を倒してもいいとの許可も出ていると、アルヒは説明する。
「倒してもいいのは最大でも半分までだ。それ以上はさすがに露見する」
なおも説明や注意点を伝え終えると、アルヒは冒険者達に頭を下げる。
「難しいだろうが、どうか手がかりを見つけ出して欲しい。可能な限り私も支援に回る」
今回は敵の懐に飛び込んで手がかりを入手するという危険な任務の為、皆様冒険者には報酬の増額が依頼人より提示されている。
そして冒険者達は手掛かりを得るため、遺構群へと侵入を始めた。
解説
マスターより
リプレイ
夕暮れに差し掛かる頃、依頼を受けた冒険者達が砂漠内に点在する遺構の1つへ到達する。
「あ、お互いのリス分身を交換して状況を把握し合おうか?」
エルシー・サリバンはエーテルリンクを結んだ栗鼠に影分身を作らせると、ロイ・アウレアが栗鼠のポーラとエーテルリンクを結び、作成した影分身との交換をロイに持ち掛ける。
「了解だ。急ぎの連絡が必要ならテレパス、又はリスにレターセットで作成したメモを結び走らせる」
ロイはエルシーの提案を承諾し、影分身を交換する。
「分身とは言え私のティム(リス)には変わらないから、大切にしてね」
そう言うとエルシーは、ロイとは遺構へ侵入する別のルートへと向かう。
「情報戦か……どうせなら間違った情報を流し混乱させたいが……」
この場所でやりとりされる情報を敵が信用しているなら、ロイがやろうとした策も有効になるだろう。
(アルヒさん。連絡役をお願いします)
その間にもロイは、テレパスを駆使してアルヒ・ラスカスに対し、他の仲間達との意思疎通を中継してくれるよう要請を出すことも忘れない。
(承知した。他のテレパス持ちと連絡はとれるようにしておく)
やがてアルヒより、ロイの要請に応じる旨の思念が返ってくる。
近くにある建造物内に忍び込み、赤い光線を回避したロイは、透視スキルで建造物の壁越しにレイス達の動きを確認する。
「その為にもスパイの絞込みだな」
レイスと赤い光線をやり過ごしたロイは、建物より外に出ると屋根へと登り、レイスが警戒している方角を避ける形で屋根伝いに進んでいく。
「今回の調査で明らかになるといいけれど」
南西側より遺構入りしたベルク・オスマットは、遺構内を素早く見渡す。
今回ベルクを含む冒険者達の任務は、この遺構内に隠されたとされる『手がかり』を入手することだ。
ベルクの見据える先では、半透明の人影めいたアンデッドが赤い光線を発し、動き回っていた。
「あれに悟られないよう、秘密裏に行動しないと」
ベルクは可能な限りレイスとの交戦を避けるため、遺構内にある建造物へとよじ登り、屋根伝いに進む。
「馬鹿となんとかは高いところが好きと言うからな、何かあるとすれば2階建ての建物にありそうだ」
ベルクの言う通りこれまでの調査によると、この遺構内に存在する2階建ての建造物に証拠が隠されている可能性が高いようだ。
このため冒険者達は各方面より2階建ての建造物を目指していた。
遺構北東より進出したトーラはテレパスを介し、アルヒと思念で情報をやりとりする。
(アルヒさんはそのまま後方で待機を。いざという時に救援に回れるようにお願いします)
トーラがテレパスで思念を送ると、アルヒより承諾の思念が返ってくる。
「内通者ですか……。それがなければこの前の襲撃もあれほどの被害は出なかったでしょうし」
時折疾風足も織り交ぜて移動力を変化させながら、トーラは自身のなすべきことに邁進する。
「何としても手がかりを掴んで、償って貰いましょう!」
時折そばを赤い光線が通過するが、トーラは物陰に隠れることでレイスをやり過ごし、2階建ての建造物へ向かう。
「学園に通い始めてからお仕事控え気味だったから張り切っちゃうよ」
エルシーは影分身の視聴覚を介してロイの状況を把握しながら、トーラと同じく遺構北東側より進出する。
エルシーもまた、遺構内を徘徊するレイスや周囲に飛び交う赤い光線を視認していた。
「でも、レイスは倒さない。周囲を破壊しない。吸血鬼に気取られる真似は避けるね」
いざというときは濃煙炸弾を使い、追跡を撒くことや、レイスを1体倒すこともエルシーは視野に入れている。
エルシーはテレパスを使う仲間達へ思念を飛ばし、自身の考えも伝えていく。
この遺構で調査に費やすことが出来るのは、日没までの1時間だった。
●確保
遺構内に残る建造物の2階部分はいずれも一方向しか壁が存在せず、沈もうとする日の光で十分視界は確保されている。
「まずは家人の思いが詰まった場を探すね」
エルシーは北東側にある建物2階で、家具の残骸や壁の飾りを調べ始める。
なおエルシーの言う家人とは、この遺構に立ち寄る吸血鬼を指している。
今のところ残留思念感応スキルで拾い上げられそうな思念は残っていないが、エルシーは入念に部屋の中を探し続ける。
「家人の出身国に関連するような独特の装備品や、国柄を表すような嗜好品といったものは――」
エルシーが調べた2階には、そうした手掛かりはないものの、暗号で構成された手紙らしきものは見つかった。
発見できたものは、エルシーが証拠として回収していく。
「調査リミットが1時間なら丁度だよ」
エルシーが調査を行う場所近くでは、トーラが別の建物への調査を進めている。
「西か東からなら、周回するレイスの視線が切れる隙が出来ないでしょうか?」
既にトーラはエーテルの波動を周囲に走らせ、レイス達にマークを施してその動きを捉えていた。
感知できたレイスの動きから、同じルートをぐるぐる回っているだけと気づいたトーラは、赤い光線の向きにも注意を払いつつ建造物の壁に跳躍する。
体を横に傾けたトーラは、エーテルの操作で壁に垂直な状態を保ち、そのまま目標とした建造物の2階へと駆け抜ける。
「ふっふっふ。わたしの目は誤魔化せませんよ!」
トーラが再び双波によるエーテルの波を走らせ、建造物の構造を把握すると、看破スキルやスカウトの心得により床に隠された空間を暴く。
シーフズツールを使い、こじ開けた先からトーラは手紙の束を取り出し、一通り中身を確認する。
記載されていた日付は過去のもので、いずれの文面も暗号らしき表現で固められていた。
(捜索したことを気付かれないよう元に戻して撤収しましょう)
手紙を回収したトーラは調査を行った痕跡を消す作業を行い、他の仲間達にも手紙以外は元に戻すことをテレパスを介して頼み込む。
南西方面では、ベルクが双波を駆使して2階建ての建造物内部に探りを入れていた。
その結果発見した窪みからベルクは手紙の類を引っ張り出し、資料検索スキルも駆使して重要と思われる内容の紙を選び出していく。
その中でベルクは、単語の意味をその横に書き記した手紙に目を留める。
「これは暗号とその意味だよな」
この場所にある手掛かりが全て暗号で書かれている可能性を考慮し、ベルクは事前に渡された筆記用具と紙を使い、内容を写し取ると手にした紙を元の場所へ戻す。
「夜は吸血鬼どもの時間だ。いくら夜目が効こうとも危険が大きすぎる」
ベルクは夜の吸血鬼を脅威だと認識している。
よって日没までが勝負だとベルクは気を引き締める。
ロイはポーラの生み出した影分身と視聴覚を共有することで、エルシーの動向を確認しながら、南東方向に存在する建物2階へと滑り込む。
「引き出し、棚といったものはない、か。そうなると壁の飾りあたりに指示書や家紋が入った品が隠されている可能性も――」
ロイは透視スキルを駆使して壁の裏や天井裏、引き出しの隠しや床板の下に空間がないか調べていく。
やがてロイは壁の中に空間がある場所を発見した。
試行錯誤の結果、ロイは中から手紙めいた紙を引っ張り出すことに成功する。
「あるいは、ここに在る筈の無いモノを発見できればいいと思ったが、これも持っていくとしよう」
開けた場所を元に戻したロイは、エルシーより預かった影分身にレターセットを使い作成したメモを結びつける。
そしてロイは影分身の向こうにいるエルシーに向け、近くにいる仲間にメモを届けてほしいと頼み込み、影分身を床に置く。
影分身がロイのもとを離れるのと前後して、エルシーに預けていたポーラの影分身もメモのような紙を体に括り付け、走り出している。
ロイやエルシーが影分身にメモを括り付けて仲間達に届けることで、テレパスの及ばない範囲をカバーし、判明した情報を共有していった。
●判明
4か所の調査を終えた冒険者達は、テレパスや栗鼠の影分身を介し、ベルクよりもたらされた暗号解読表の内容を共有すると、残る2か所にも調査の手を伸ばす。
ただしその周囲には依然としてレイス達が赤い光線を振りかざし、巡回するように動いていた。
(レイスが周りを回っている中央の建物に一番大事なものがありそうですね……)
トーラは遺構中央にそびえる2階建ての建造物が特に怪しいと目算と立てる。
(倒さないと調査ができない、というわけでもないか?)
その間にもロイは物陰より透視を駆使して、レイス達の動きを観察している。
ロイが見たところ、レイスが警戒している方角も動き回る速度、ルートも同じようだ。
テレパスを介し、情報を共有したロイ達は赤い光線の隙間を突く形でレイス達をやり過ごし、屋根を伝い残る2階建ての建造物へと向かう。
「出来るだけ屋根上を伝ってレイスを出し抜くぞ」
ベルクは空を駆け上がるがごとき移動術をもってレイス達をやり過ごすと、中央に残る2階建ての建造物へと急ぎ、トーラも真・壁歩きを駆使してレイス達の警戒を潜り抜け、ベルクと合流を果たす。
東側に残る2階建ての建造物にも、ロイとエルシーがそれぞれ忍び込むことに成功し、調査を開始する。
その2か所が当たりだったのか、冒険者達は手掛かりになりそうな情報をいくつか発見できた。
「いつ吸血鬼が現れるか分かりません。制限時間があることを意識して、迅速に調べて帰りましょう!」
トーラは吸血鬼の襲来を警戒しながらエーテルの波を周囲に走らせ、建物の構造を把握する。
ベルクも双波による探索でトーラと同じ建物を調べ、共同で隠された空間を暴いていく。
東側ではロイやエルシーが手分けして秘匿された空間を見つけ出し、隠された手紙を回収していた。
「こちらの手紙にはシャマリという宛名で中継地点の場所が記載されていた。そっちはどうだ?」
ロイがエルシーに問いかけると、床下から取り出した手紙と暗号解読表を突き合わせていたエルシーも応じる。
「こっちの手紙はルブドゥルという宛名だけど、内容は襲撃してほしい物資の外見や量が書かれていたよ」
エルシーの残留思念感応スキルで、残されたヒトの思念が感知できなかったことから、手紙が置かれてそれなりの日数が経過していると推測できる。
ある程度やり取りしたロイとエルシーは、それぞれのテレパスや栗鼠の影分身を駆使し、他の仲間達との情報共有を進めていく。
(私が入手した手紙にはデハという宛名で物資の運ばれる日時が記載されていました)
同じような手紙は、トーラがベルクと共に調査を進めている建造物2階でも発見され、トーラはテレパスを介しロイやエルシーにも情報を伝達する。
3人が手にした手紙は、本来ならば秘匿すべき情報の漏洩を示す証拠となりうるものだった。
――では、情報を流出させたのは何者なのか?
その答えに繋がるものを、ベルクは見つけ出すことに成功している。
「これは……紋章か?」
ベルクが今手に取っているのは書類の1枚だが、その隅に家紋らしき模様が描かれている。
そしてベルクの有する紋承知識は、紙に描かれた紋章が示す家を導き出していた。
「――ファブランド侯爵家だよな」
ベルクが口にしたファブランド侯爵家は、今回発生した太信党との戦いに深く関わっている貴族で、西方辺境伯の戦略を知る立場にいる。
確かにファブランド侯爵家が情報漏洩を行っているとすれば、秘匿された物資輸送ルートへの襲撃にも説明がつく。
だがベルクには、なぜ侯爵家は吸血鬼に情報を流したのかが分からない。
「そのあたりは依頼人側で明らかにするだろうな。我の役割はこの場にあった証拠を回収することだ」
ファブランド侯爵家に疑いの目を向けさせるための偽装という可能性も残るが、ベルクはそれ以上の考察を止め、証拠の回収に勤しむ。
ベルクからの情報を受け取ったエルシーは、少し思案するとテレパスで相談を持ち掛ける。
(これで全部の箇所を廻ったけど、手掛かりとしてはこれで十分だよね?)
さらに物証を得るために、自身が調査を行っていない建物をもう一度調べるか否かを、エルシーは問いかける。
(担当を変えて別棟を回ってみようか? 見方が変わると見つかる品もあるものね)
エルシーからのテレパスを受け取ったロイは、アルヒにテレパスで見張り役を頼む。
(吸血鬼への見張りと、可能であれば2階部分の調査をお願いします)
ロイが後方に控えるアルヒにテレパスで協力を求めると、少しの間をおいて承諾の思念が返ってくる。
夜になるまでの時間は差し迫る中、冒険者達はレイス達との交戦を避けながら調査を進めていった。
●吸血鬼の名
なおも4人の冒険者達は2階部分を調べ廻ったが、それ以上の書類は見つからなかった。
(東から何かの群れが近づいてきているみたいだよ。気づかれる前にこの場から退避だよね?)
栗鼠の影分身で東側を警戒していたエルシーより、テレパスを介し撤退を促す思念が飛び込んでくる。
入れ違いに、アルヒからも同様の報告がテレパスを介して皆様に届く。
(吸血鬼側に察知されると不味いだろう? 痕跡が残らない方法で退避するのが良策だよな?)
それが吸血鬼とその手勢だと判断したロイは、極力交戦を避ける形での退却をテレパスで提示する。
(そうですね。予め合流地点を決めておいてから、別々の方角へ退避しましょう)
トーラもロイの案に賛意を示すテレパスを返し、アルヒがいる場所を合流地点に定めた冒険者達はそれぞれ退却に移る。
「もう日が沈み始めている。さっさと撤退するとしよう」
トーラより話を聞かされたベルクも天駆を駆使し、レイス達の警戒が途切れている隙間をすり抜ける。
そのままベルクは遺構より離脱していった。
トーラも真・壁歩きを活用して建造物の間を走り抜け、ロイとエルシーはいつでも濃煙炸弾を発射できる状態を保ちながら、遺構より退いていく。
吸血鬼とその配下が遺構に到着したのは、冒険者達が退避を完了した後だった。
今回冒険者達が回収できた証拠と情報は直ちに依頼人へと届けられ、裏付け調査が始まる。
ファブランド侯爵家が吸血鬼との繋がっている理由はこれから明らかとなるだろう。
なお今回入手した手紙から砦を襲った吸血鬼の名は判明しており、皆様にも共有される。
ルブドゥル・デハ・シャマリ。
それが吸血鬼の名だった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:多い4 / 4〜6人
2022年07月21日 16時38分05秒 公開
相談掲示板
シューターのロイです。ヨロシク。 まだまだ新婚ボケで…どうしても家から出たくな…(ry …と、馬鹿な発言は置いて、出発まで9時間で あと3名集まってくれる事を願いつつ、自分の動きを話すね。 今回は【回】と書かれた2階の調査を主に、レイスは基本放置しようと思ってます。 (避け移動、発見されたら建物や皆から引き離すように連れ回し、どこかで撒く等して、倒すのは危険な時のみ) と言っても潜入が1時間だけなので 先に1-2体倒し調査を急ぐのも手なので、ここは皆さんに合わせますね。 調査優先なのでスタートは【9G】、8列【回】を調査 続いて6列レイスが←へと離れたら6列【回】、4列【回】 或いは、7列【回】と調べ……と、この辺りは 逆側(1列)スタートするだろう方と手分け、優先順を決めて後は状況次第としたいです。 >手に入る情報は太信党と吸血鬼の繋がりを示すものの他、吸血鬼の名前など。 名入りの指示書や家紋が入った品とかかな? 2階まで突入出来たら、見て判ると良いが…机の上や引き出しとかを探ってみる(考え中) 他の事はプレを進めつつ考えますね。
シーフのトーラです。 よろしくお願いします! ロイさんが9Gから行くなら、わたしは1Jから、上の回を探すようにしましょうか。 レイスは倒すのに時間もかかりそうですし、やり過ごすのでいいと思います。
シーフのベルクだ。よろしく頼む。 我はA8から探してこようかと思う。 レイスは出きる限りやり過ごしで良いだろう。
書き込みありがとう!レイスは遣り過すで進めるよ。 ベルクさんがA8なら7列【回】をお願いして 自分は8列【回】からで、後は流れ(レイス)次第。 あと一人参加してくれる事を願い、プレは提出しておきます。
今からの宣言で間に合うか判らないが 無言で連絡できるように、テレパスを持つよ。 間に合わずの時で、連絡を取る必要が出来たならリスにメモを持たせるね。 (プレには両方記します)
確定ですね! 改めてよろしくお願いします! テレパスも了解です!