【再起】めざせスヴァーノ! ビヒモー説得大作戦
馬車猪
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シナリオID:2292
オープニング
荒野生活で汚れていても目は活き活きとして、リットに甘えるように体を寄せてくる。
筋肉質な牛っぽい体は長い体毛に包まれていて、汚れている状態でも愛嬌がある。
「くさっ、あつっ」
リットの言葉は酷いが笑顔は朗らかだ。
苛酷な要求をしてくる代官や貧乏人と蔑んでくる商人に比べれば、下心がないだけずっとマシと思えた。
勘違いである。
ビヒモーの目当てはリットが運んで来た荷物であり、草よりずっと栄養豊富なソレを狙って演技しているのだ。
どん、と地面が揺れた気がした。
食欲を隠してリットに媚びていたビヒモー達が愛想をなくして離れて行く。
「えっ」
リットは何が起こったか全く理解していない。
そうしている間も、どん、どんと大きな足音が近づいて来る。
「えっ?」
太陽が隠れる。
見上げると首が痛くなるほど大柄なビヒモーが、強い苛立ちの瞳でリットを見下ろしていた。
「おめー、なんでここにいるんだよ」
リットも冷静になる。
小突こうとしたリットと頭突きをしようとしたビヒモーの動作は息が合いすぎていて、双方同時に直撃してどちらもその場にうずくまった。
●数時間前。代官からの報酬
支払いは金貨であった。
見た目よりずっと重く、その価値が直感的に理解できてしまう。
「数えなさい」
「うん」
1枚、2枚と数えていくとすぐ終わる。
「領収書。署名はここよ」
「うっす」
書類の字は流麗であるのに読み易く、リット自身ときどき読めなくなる署名と比べると同じ種類の文字とは思えないほどだ。
報酬は数十人分なので1人当たりの報酬は決して多くはない。
しかし値切られることもなく、支払いが遅れることもなく、騙されて損害賠償請求されることもない。
リットのような弱い立場の人間には割の良い仕事だ。
「来月には次の仕事を依頼するわ。その気があるなら人数を集めておきなさい」
「わかったぜ!」
紫と金の瞳が無感情に見ていることを気にもせず、リットは上機嫌で仲間の元へ向かう。
荒野にテントを張って暮らしている状況でも懐が暖かければ機嫌も良くなる。
「戻ったぜー! 美味い飯でも食おうぜ、全員で!」
「借金の返済が先っす」
「ガキがうまれた奴に手当出さなきゃ」
「次の仕事までの生活費も忘れちゃ駄目だよリットちゃん」
仲間達のリットへの信頼は厚いが教養や経営能力への信用は皆無だ。
リットは目に見えて落ち込み、金貨を手で掴んで渡そうとして袋に入れていないのを怒られた。
「なぁ、あいつどこ行ったんだ?」
あいつとはビヒモーのことだ。
難民キャンプで暮らしていた頃、縁があって知り合い成り行きでリットと暮らしている。
「数日留守にする感じで出て行ったっす」
「あの子リットより頭良い気がしない?」
「リットちゃんひょっとして怒らせた?」
反応が酷いが日々の積み重ねの結果なので仕方がない。
「そんなことは……ないぜ?」
リットは冷や汗を浮かべているのにごまかせていると思っている。
「あいつにも分け前やらねーといけねーのにどこにいるんだよ」
飼い主とペットの関係ではなく、利害が一致しているから行動しているだけの間柄だ。
お互い全く気があわなくても能力の相性は抜群。
護衛兼通行証のリットと馬数頭に匹敵する力と頑丈さで大型馬車を牽く1人と1頭は、危険な場所への輸送を何度も成功させていた。
「しかたがねーな」
リットは仲間達と仕事の完遂を祝うのを諦めた。
「あいつと俺の分の食いもん包んでくれ。あいつにも世話になったから食わしてやらねーとな」
相棒の足取りを追ってビヒモーの群れに会うなんて、このときは想像もしていなかった。
●
「依頼の紹介です」
冒険者ギルド職員の前を、包帯が半端に巻かれたビヒモーが通り過ぎていく。
ビヒモーとしては平均な体格でもその大きさは凄まじい。
体高は3メートル前後もあり重さもそれを支える体格も雄大なのだ。
「ご覧の通り、極めて友好的なビヒモーの群れが発見されました」
群れの長とリットがにらみ合っていたり、怪我をしたビヒモーがリットの仲間の手当を嫌がったりで揉めてはいるが野生動物とは思えないほど友好的だ。
あの日飼い主とはぐれて今までなんとか生きてきた元飼いビヒモーだろう。
「皆さんなら力を示して飼いビヒモーにできるかもしれませんが」
「こいつらペットにすんの? いてっ」
非授恵者なら気絶しそうな威力で頭突きされるリットだが、お互い頑丈なのでこの程度はじゃれあいだ。
「無理に飼おうとしてトラブルになるよりも、信頼関係を築いて協力関係を構築して欲しい……という依頼です」
リットの副官を務める少女がぺこりと頭を下げる。
肝心のリットは群れの長のビヒモーと仲良く喧嘩をしている。
「野生の生活は大変です。頑丈さだけなら小型クリーパーに匹敵するかもしれませんが、外敵を撃退するのも群れを維持する食料の確保も大変だと思われます」
怪我をして治りきっていない個体もいるし、子供に餌を与えて自らは痩せ衰えてしまった個体もいる。
「幸いなことに近くに土地はあります。皆さんのお力で、このビヒモー達をよりよい未来に導いてあげてください」
職員も、依頼人も、相棒も、気付くのに遅れてリットも、神妙な態度で頭を下げるのだった。
解説
マスターより
リプレイ
家畜所有証明とは、帝国で放牧をする許可証でありスヴァーノの証明でもある。
例外も特例もありはするが基本はこれだ。
「人間の欲は怖いね」
スヴァーノなサイラスは1頭1頭野良(?)ビヒモーの顔と体を確認中だ。
自称元飼い主からの返還要求は大量で、全てが正しいならこの場にいるビヒモーでは足りないほどだ。
「実際に飼い主だったのは何割いるのやら」
乱暴な焼き印の跡と適切な治療を受けられなかった骨折跡を発見する。
「どうしたもんだか」
害獣も亜人も淡々と処理できるサイラスにも、多少の情はあるのだ。
だがそれはそれ。
成獣で体高3メートルもある獣を支えるための草は多い。
羊を飼っている村に向かう途中の草が食い尽くされる勢いだ。久々に会った人間がリットなため、明らかに調子に乗っていた。
「交渉して駄目なら最悪食肉側かな?」
積極的にする気はないが必要ならやるつもりだ。
そんなサイラスから離れようと、リット以外に愛想を振りまいてビヒモーが全力疾走でサイラスから離れて行く。
「元気だなー。魔獣的な研……戦闘用は向かないか」
雑食か純粋な草食かは分からないが、ビヒモーの強さは草食獣の強さだろうと実際の反応を見て判断した。
「目的地はこっちでーす!」
レイヤ・ダライ=カホールが元気に手を振っている。
濡羽色の鱗を持つ尻尾は手以上に元気で、レイヤの身体能力の高さと気合いの入り方がよく分かる。
子供でもレイヤの身長ほどの体高を持つビヒモー達が、リットより強そうでリットよりずっと頭の良さそうなレイヤに素直に従い南へ向かう。
「お疲れ様ですエクレアさん!」
一度群れからはぐれたビヒモーも、野良とは比べものにならないほど毛並みが良いミニビヒモーに誘導されて合流する。
(エクレアさんはやる気みたいです)
動物交感持ちの冒険者並にビヒモーの扱いがうまい。連れて来たのは大正解だ。
「リットさん! なんだか久しぶりですね!」
砂浜で泳いだ(?)ときと比べてあまり強くなっていないなと思うが口にはしない。
「おうひさしぶり!」
小さいとはいえ集団のトップなのに言動が雑なままなのは、さすがに注意した方がいいかもとも思った。
エクレアが促すと、ビヒモーの中でも大きな個体がリットを放り出す。
その個体は受け身をとって抗議してくる相棒から目を逸らし、レイヤをじっと見つめて改めてリットを見て深く肩を落とした。
「どうしたんですか、エクレアさん。リットの相棒さんと見つめ合って?」
ミニビヒモーも大柄ビヒモーの距離は近く、見つめ合う姿もお似合いだ。
「ま、まさか、ロマンスですか!?」
今度はエクレアが肩を落とし大柄ビヒモーが慰める。
かいぬしってだいたいばかよね、これ以上の相棒を望むのはむちゃ、などと会話していたのかもしれない。
エクレアが抗議のためにレイヤを小突くとき、大柄ビヒモーの頭突きとは違って軽く撫でる程度の力しか籠もっていなかった。
「取り替えてくれねぇ?」
「だめでーす」
レイヤが冗談として流した直後、大型の本気の頭突きがリットに炸裂した。
●
痩せた大人も、食事はできていた子供も、羊飼いの村に到着すると安堵と疲れで動こうとしなくなる。
「あの日から、大変だったのは、人だけじゃ、ない」
かつては櫛で手入れされていた毛もごわごわで、近寄れば目に痛いほど臭う個体もいる。
「ビヒモーさん達、無事、とはいえない、けど。生きてて、良かった。
そんなビヒモー達の間をエルが高速で動いている。
細身の体からは想像できないほどの速度で、さらさらの黒髪が前を向いたり後ろを向いたりと方向変更も頻繁だ。
ビヒモーが困ったように顔を上げるが仕方がない。
大重量物を素早く運ぶなら、エルのようにマジカルポケットを使うのが一番早いのだ。
「たくさんあって、よかった」
経費として認められないのを覚悟で買い込むつもりだったが、質の良い品を予想外に安価に買えた。
「代官、頑張ってる?」
物資豊富な最大の理由は代官の資金力だ。
イグノ砂漠での事件で得た財宝のおかげで、一連の依頼で冒険者が資金繰りに苦労することが減っている。
「けど、長期だと、足りない」
「同意するのだ」
ビヒモーを不安がらせないよう顔には出していないが、ストレガ・L・リベルガストラも現状を深刻に受け止めている。
この地の代官は無能ではないが甘くもない。
物資を食い潰すことしかできないのなら、ビヒモー食肉にすることもありえる。
「ビヒモーの助力を得られることは村の繁栄にも有用なのだ。多少の魔獣であれば蹴散らすだろう」
柵越しに見ている村人に聞こえるよう、意図して大声で説明する。
「しかも力を考えれば信じられないほど穏やかなのだ」
多くの農耕馬や牛よりも力強いのに危険度は同程度。
苛酷な北の大地の数少ない長所ともいえる。
「この村、羊を飼うという事は行商を出す事も考えているのだろう。輸送の足としてあてになる存在なのだ」
頑丈さだけなら小型のクリーパーに匹敵する個体がいるほど強い。
大事に扱えるなら、これほど人間に都合の良い獣は滅多にいなかった。
(数が増えているのだ)
安全な場所だけでなく豊富で栄養抜群の食事は魅力的すぎる。
どうやって情報伝達したのかは分からないが数頭ずつ近づいて来て、フォルゴーレ達に護衛兼案内されて村の近くに集まってくる。
「フォルゴーレには同族に寄り添ってもらいたいのだ」
大きさは劣っている。しかし輝くような毛並みと数多の突撃を経ても健在な角はリットの相棒にも劣らない。
「む?」
そのフォルゴーレに腕輪をつつかれる。
視線を動かすと、治療を始める前の準備としてエルが大きな櫛を動かしているのが見えた。
「あ、ウィルもお手入れ、する?」
狼は強く惹かれはしたが最初に与えられた役目を優先し、ビヒモーの群れの外側で警戒を続けている。
「リットさん、相棒さんの名前、は? ……つけてない、の?」
普段は感情の起伏が緩やかなエルも、不当に扱われている存在がいれば気分を害しもする。
慌てて名前の候補を考えるリットだが、真面目に考えてもヒレ、バラ、モモという相手の神経を逆撫でする案しか出てこない。
「リット、お前な……」
義兄弟であるアルベルト・V・シュタールシュヴェーアトもフォロー不能である。
「すまないな」
リットと共に大型ビヒモーへ頭を下げる。
怒りの気配はそのままだが、「あんたが言うなら」という態度でリットから離れていった。
「口に出す前に一度考えろ。戦闘中じゃないんだから」
アルベルトは根気強く義弟に教えながら着替えを命じる。
彼自身も鎧を外して近くに置く。今からする作業には邪魔なのだ。
「一緒にやろうぜ。汗と抜け毛でべとべとになるけどな」
混乱するリットを引っ張り、痩せたビヒモーの毛の下を丁寧に確かめていく。
「こいつもだ」
非武装でも武威を感じさせる手のひらで優しく撫でて誘導する。
血と膿が滲む無惨な傷跡が脳裏に焼き付き忘れられそうになかった。
「リットくん達この前ぶりーって、ずいぶんたくさんビヒモーさん連れてきたね……」
子ビヒモーの手当を優先せざるを得なかったアルマ・ヴァレンタインが、連れて来られた老ビヒモー達の数を数えて息を吐いた。
子供達を優先しないとここに来ることも拒み兼ねなかった面倒な連中だ。
「こんな感じでいいか?」
アルベルトは治療の準備だけでなく、子ビヒモーの治療を見せて老ビヒモーが安心できるよう気も使っていたので結構疲れている。
リットに至っては知恵熱っぽいものでダウン寸前だ。
「ばっちり」
アルマはぐっと親指を立てる。
治療を受ける側が抵抗しないなら問題などあり得ない。
「いくよ」
空に太陽があるのに至近距離に陽光が生じた。
アルマの小柄な体から眩くも温かい光が周囲を照らす。
夏の灼熱の陽光ではなく、雪降る真冬の空に数週間ぶりに現れた光を思わせる熱だ。
深く刻まれた傷跡が本体の体力を消費することなく消えていく。
骨のひびが癒え、大きな傷跡に以前はあった筋と脂肪と皮膚が復活する。
年老いたビヒモーがぶるりと震え、アルマに向かって深く頭を下げた。
(治りきってないー!?)
四方八方から頭を下げられて宗教画風の光景の一部となったアルマは混乱中だ。
(リットくんなら死にかけでも治せる自信あるのにー……!)
頑丈さだけは小型クリーパー並だ。
しかも、痩せてはいても元の体格が体格だし整列する頭もないのでハイパーヒーリングオーラ効果範囲でも結構ぎりぎりだ。
慎重に再度の行使。
再びの横向きの陽光。
今度こそ完全に癒やされた老ビヒモー達が、興奮を抑えきれずに腹の底から感謝の叫びをあげた。
「すっげー!」
「そうだな」
義理の兄弟が静かに見守っている。
「リット、元気だったか? ビヒモーのための食糧は用意したぜ」
「にーちゃんはどんどん凄くなるよなぁ。俺なんてほとんど変わってねーのに」
最近の成果である金貨1枚を無意識に握りしめる。
「リット、貨幣を壊すな。セニャからの報酬か」
部下を率いた中堅授恵者としては適正で、次期侯爵の義弟に対する報酬としては酷く少ない。
(1度リットについて聞いてみるべきかもな)
婚約者の癖の強さを良く知る彼は、表現し辛い表情になっていた。
●
翌日。
夜明け前で安眠中のビヒモーの前に、リットとその一党が整列していた。
「というわけでリット君と副官ちゃん達にはビヒモーさん達が過ごしやすいお庭を作って管理してもらいたいと思います」
シルク・メイプルリーフの朝早くても元気だ。
子供を導く教師あるいは農業指導者としての風格がある。
「ビヒモーさんにとって過ごしやすい環境をリット君たちがここに作ってあげればビヒモーさんたちの協力を得ることができます。というよりそれで無理なら諦めましょう!」
シルクは特に造園に詳しく、教導にも特別長けている。
ビヒモーのための環境を作る方法を、客観的に見て非常に上手に教えているのだが吸収される速度が何故か遅い。
(贅沢な授業も受け取る側が未熟すぎてはな)
ベルク・オスマットが補佐につく。
「我らは早めに離れるのだから、彼らと今後付き合っていくのはそなたらなのだからな? まず馴染め、仲良くなれ、話はそれからだ。何かを考えるのは後回しでいい。授業は理解できなくても絶対に聞き逃すな」
リット一党の能力を正しく理解した上でのフォローである。複数のことを同時に覚えるのは難しいので、本当に最低限のことをさせるしかない。
「彼らの好きな草や果物彼らが好む寝床、そしてブラッシングや好きな撫で方。1つでいいから覚えてくださいね」
シルクの教えが、少しずつ馬鹿の頭に染みこんでいった。
「労働力の需給がちぐはくだねー」
羊の村の面倒を見ていたアルマがビヒモーのもとへ顔を出す。
「うむ」
リット一党のゴブリンの所へ顔を出していたストレガも同意する。
「村から人手が割けないなら、リット一党の一部が仕事が欲しいという要求が来ている為、此方を当てる事が出来る。羊の仕事にも使ってやってくれるとよいのだ」
「話はするけどここ田舎だから」
「10人頼んで1人採用されるだけでも0よりはいいのだ」
世知辛い現実を再確認してしまい、お互いため息が漏れた。
「ビヒモーの要求としては食糧と、せめて子供が守られる場所が欲しいとみた。群れの生存率を上げる策なのだ」
野生動物としては当然の欲望である。その欲望を把握できているかどうかで打つ手の有効性が激変する。
「ビヒモーが差し出すのは労働力しかないのだ。外に働きに出るとしても子等はここを寝床にする。つまり」
村を見る。
めーめー羊が鳴いている。
「子ビヒモーが遊んでいてぶつかっても壊れない壁なり小山なり作ってしまうのだ。ビヒモーは独力で鍛えるのだ」
人間用の建築物でもか弱い家畜のための建物でもないので精度は必要ない。
精度が必要でないなら、難民キャンプ以降サバイバルから野戦築城まで実践してきた集団がここにいる。
羊と村の防衛に役立つものを、建てることはできるだろう。
「後は食べ物かー。一応種は持って来たけど……」
寒冷地適応の多年草タイプで年に何回も育ってくれる成長力の強いの、があればいいのだがそんなものはあったとしても代官が支払いに頭を抱えそうな水準で高価な可能性もある。
「リットくん達や村の人達で無理なところを仕上げておくしかないか」
持ち込んだ道具と黒パカさんを伴い、アルマは地形が少し変わる規模で土地を放牧向けに改造していく。
「ビヒモーさん達がずっとこの村の近くにいる事になったら、リットさん達も近くに住んだらどうか、と思います。今は外敵もいないみたいだけど、ずっとそうとは限らないし」
エルが手伝いながら意見を述べる。
「住むのはいーけど俺が稼がねーと金足りねーんだよ。何人か住ませて欲しいとは思ってるけどよ」
リット一党の中には結婚して荒事から離れたい新婚夫婦も、農民として生きるため遠くから来た出稼ぎゴブリンもそれぞれ複数いた。
●
ベルクは物知りのおねーさんではなく帝国の臣としての立場から大型生物を観察している。
「ビヒモーが31。また数頭増えたか」
協力関係を確立できれば、この辺りを定期巡回できる巡回商隊を形成できるかもしれない。
(自前で護衛も用意できて頭が謀略に向いてなく最低限信用できる集団など代官殿も喉から手が出るほど欲しがるだろう)
「それに」
リットには冒険者への感謝の気持ちと仲間への情はあっても帝国への帰属意識は皆無で、あまり知られていないが皇子の友人だ。
つまり、本人は全く意識していないが純粋なレイウェスト派なのだ。
復興が進めば政治的な暗闘も始まる。その状況こそ代官ともそれ以外とも政治的暗闘が発生しない集団が有用になる。
「現状でもヴィント、セニャ殿、リット達全ての役に立つ」
ビヒモーやリットを見る目は貴重で有用な資源に向けるそれだ。
「シルク殿の教えをもう忘れたか? ビヒモーの頑丈さもお前達の頑丈さも過信するな!」
ベルクは嬉々として全力でビヒモーやリット達の面倒を見るのだった。
「こんなにビヒモーさんがいれば、りっとさんたちで大きい輸送隊とかできちゃいそうですね」
リットの副官に考えを吹き込みつつレイヤがビヒモーを洗っている。
「嫌われたなー」
ぷい、とそっぽを向いたままのビヒモーの前でサイラスが肩をすくめた。
正当な飼い主が判明した、片手の指で足りる数のビヒモーをヴィントまで運ばねばならない。
(連絡取れた元飼い主に連れて行った後なら引き取れるのかね?)
先のことは分からない。
気を取り直して返還予定のビヒモーに別れを告げさせる。
サイラスは、人間とビヒモーで騒がしい村に背を向けてのんびり南に向かって行った。
マスターコメント
ショートシナリオ易しい 報酬:標準8 / 4〜8人
2022年07月07日 13時34分07秒 公開
参加者
相談掲示板
No.1
シスターシルクです。 ビヒモーさん達に仲間になってもらうんですね もふもふで可愛いですし労働力にもなります。 そしてリットくんと幼馴染さんを見守らねば
ウォーリアのアルベルト・V・シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 今回は、『牧畜知識』と『医療・薬学』で体が弱ったり怪我がひどくなっているビヒモーの対応に回ろうと思っているぜ。
レイヤ・ダライ=カホールです、よろしくお願いしますね。 今回はビヒモーさんたちと仲良くなること、ですね! わたしもエクレアさん…仲のいいミニビヒモーがいるので、彼女を連れて行こうと思います! きっと橋渡しの役を果たしてくれるはずです、頼めばきっと。…たぶん。 こんなにビヒモーが居ると、仲良くなれればリットさんたちで輸送隊とかできちゃいそうですね。 副官さんにお話ししてみましょうか
No.4
サイラスだ、よろしくなー とりあえず動物交感とか使えるかねーと、後は牧畜知識かね
エル、です。…シューター、です。 どうぞ、よろしく。 ビヒモーさん達、は、羊村(仮称)近くに来てもらう、んです、よね。 食料、どう、しましょう、か。
No.6
一応家畜許可証がビヒモー特化なのでMSの判断次第では引き取り可能かな?と 後はその辺りから元飼い主捜索いらいしてみようかなと
ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー うーん…食料を与えるだけじゃ先細りだし住み着いてもやっていけるように 牧畜知識と造園で村の周囲を牧草地として整備してみようかなーって(草食だよね…?) 定着してセルフ遊牧してもらえば村や羊さんを狙う外敵への牽制にもなるだろうしー…? あとは当面のご飯代とかもあるし動物交感もちさんかリットくんの相棒さんを通して 農繁期の畑仕事のお手伝いとか輸送のお仕事の出稼ぎ?マッチングを持ちかけて 食い扶持稼ぎとかリットくん一党の定職につながっていけばいいなーと
ストレガなのだ。よろしくなのだ。 将来的な食料が必要になるから羊の繁殖も兼ねて牧草地を拡げるしかないかと。 子供と数頭を預かれば群れとしても安心だろうか。
話がむずかしくてさっぱり分からないけどよろしく!
シーフのベルクだ、よろしく頼む。 まぁ最終的にリット一行が彼ら(?)との絆を紡げるかが重要になるかね? リット一行と彼らが手を組めれば有力な輸送商隊を形成できそうだが。
皆さん、答えてくださって、ありがとう、ございます。 わたしは、ええと、とりあえずビヒモーさん達に食べてもらう食料(麦とか?)、が手に入らないか、挑戦する、のと。 あと、お手入れの手伝い、とかしようと、思い、ます。