荒野や山を駆け抜けろ!
狐野径
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シナリオID:2006
オープニング
●帝国にある街
シルトラース帝国南部にある街の一つ。
街の周りには荒野と草原、峻厳な山がある。
リーンエス王国に比較的近い。
むしろ帝都の方が遠いかもしれない。
この街に拠点を置くトラレス商会の会長シルクは考えた。
自分たちが物をもって移動するだけでなく、街にだって人が来てほしい。
人が来てくれることで街も潤うし、定住者だって増えればもっと言うことない。
トラレス商会は食料中心に日用雑貨や布類も扱う。つまり、衣食住にかかわる物を一手に抑えているという自負があるのだ。
どうすれば、まず、街のアピールにつながるか。そして、自分たちを知ってもらえるか。
「冒険者に来てもらう。地域の魅力を知ってもらう……知って……もらう!」
シルクは魅力を思いつけなかった。
でもなんで住んでいるか、拠点にしているかと考えれば、住むにはいいところなのだ。
人が温かい、気候も比較的安定して住みやすい。
荒野があるとか、峻厳な山とかはマイナスポイントに感じられた。
農作物が育てづらいし、酪農も限られる。何より、他の大きな街に遠い。
見方を変えれば真っ直ぐな道を馬を走らせるのが好きな人もいるだろうし、高いところだって登るのが趣味とか修行とかいう人もいるに違いない。
だから、いいところはあるのだ。
一度でも来てもらうにようどうするか、各地を旅する冒険者に。それに、周辺の地域の人も来てくれると嬉しい。
シルクは必死に考えた。
「馬? そうだ、レースだ。ビヒモーでもありかも? あの、もふもふに抗える人はいまい」
シルク、ちょっと悪人のような顔になり「もふもふ」を語る。なお、シルクは40代のヒューマン、精悍な顔つき、平均身長、筋肉質な男性。
「……冒険者に依頼を出そう。そうだ、そうしよう。冒険者にレースしてもらう! 見物人が来る! 素晴らしいっ!」
レースを主催し、出店を作る。主催で名を広げ、出店で稼ぐ。稼ぐと同時に、こういうものを扱っていると示せる。
シルクは思い立ったら吉日と、商会の内部の人たち、取引相手、街の上役そして冒険者ギルドに走り回る。イベント開催は快く受け入れられ、さっそく準備に入る。
コースは地域の良さを知ってもらえるところを選ぶ。
街の東側から出て西側から戻ってくる。
真っ直ぐな荒野、山道に、谷を越え戻ってくる。
日の出と日の入りで終わるようなコースだが、どうにかなるだろう。
馬やビビモーはレンタルにする。
そこは公平さが必要だ。
何か所かで馬やビヒモーは変更できるようにする。そうしないと、馬やビヒモーが疲れてしまう。
開催日を楽しみに、商会および街の人たちは動いた。
●出場する人
リーンエス王国でもシルトラース帝国の国境に近い地域にある街チュート。
その冒険者ギルドにハルシ・エルはいた。
元々旅をしていたけれども、ここに少し長くいるし、何か面白そうな情報ないかなと見にやってきた。
「トラレス商会? レース? ……これはちょっと……」
相棒のナツキ・エルが飛びつきそうな内容で、見なかったことにしたかった。
もふもふ、すなわち、毛がたくさんある動物が大好きなのだ。
去年、ビヒモーを見に行こうとして、蛇行に蛇行を重ね行けなかったという経緯がある。
だからこそ、このレースの依頼は飛びつくのは目に見える。
自分が行きたいかどうか考えると、知らない街として行ってみることはいいけど、ナツキを連れて行くのは面倒くさいと考えた。
ナツキがビヒモーに抱き着き、なでたりほおずりしまくり、何するかわからないから。
そんなことを考えていたハルシの背後から、
「わー、ビヒモーもふもふー」
という、楽し気な声が降ってきた。
「わーい! これ、これよ! 私が求めているのは」
依頼書を見て「行く、もちろん、参加する」と、手続きを始めている。
その様子を見て、ハルシはあきらめた。
シルトラース帝国南部にある街の一つ。
街の周りには荒野と草原、峻厳な山がある。
リーンエス王国に比較的近い。
むしろ帝都の方が遠いかもしれない。
この街に拠点を置くトラレス商会の会長シルクは考えた。
自分たちが物をもって移動するだけでなく、街にだって人が来てほしい。
人が来てくれることで街も潤うし、定住者だって増えればもっと言うことない。
トラレス商会は食料中心に日用雑貨や布類も扱う。つまり、衣食住にかかわる物を一手に抑えているという自負があるのだ。
どうすれば、まず、街のアピールにつながるか。そして、自分たちを知ってもらえるか。
「冒険者に来てもらう。地域の魅力を知ってもらう……知って……もらう!」
シルクは魅力を思いつけなかった。
でもなんで住んでいるか、拠点にしているかと考えれば、住むにはいいところなのだ。
人が温かい、気候も比較的安定して住みやすい。
荒野があるとか、峻厳な山とかはマイナスポイントに感じられた。
農作物が育てづらいし、酪農も限られる。何より、他の大きな街に遠い。
見方を変えれば真っ直ぐな道を馬を走らせるのが好きな人もいるだろうし、高いところだって登るのが趣味とか修行とかいう人もいるに違いない。
だから、いいところはあるのだ。
一度でも来てもらうにようどうするか、各地を旅する冒険者に。それに、周辺の地域の人も来てくれると嬉しい。
シルクは必死に考えた。
「馬? そうだ、レースだ。ビヒモーでもありかも? あの、もふもふに抗える人はいまい」
シルク、ちょっと悪人のような顔になり「もふもふ」を語る。なお、シルクは40代のヒューマン、精悍な顔つき、平均身長、筋肉質な男性。
「……冒険者に依頼を出そう。そうだ、そうしよう。冒険者にレースしてもらう! 見物人が来る! 素晴らしいっ!」
レースを主催し、出店を作る。主催で名を広げ、出店で稼ぐ。稼ぐと同時に、こういうものを扱っていると示せる。
シルクは思い立ったら吉日と、商会の内部の人たち、取引相手、街の上役そして冒険者ギルドに走り回る。イベント開催は快く受け入れられ、さっそく準備に入る。
コースは地域の良さを知ってもらえるところを選ぶ。
街の東側から出て西側から戻ってくる。
真っ直ぐな荒野、山道に、谷を越え戻ってくる。
日の出と日の入りで終わるようなコースだが、どうにかなるだろう。
馬やビビモーはレンタルにする。
そこは公平さが必要だ。
何か所かで馬やビヒモーは変更できるようにする。そうしないと、馬やビヒモーが疲れてしまう。
開催日を楽しみに、商会および街の人たちは動いた。
●出場する人
リーンエス王国でもシルトラース帝国の国境に近い地域にある街チュート。
その冒険者ギルドにハルシ・エルはいた。
元々旅をしていたけれども、ここに少し長くいるし、何か面白そうな情報ないかなと見にやってきた。
「トラレス商会? レース? ……これはちょっと……」
相棒のナツキ・エルが飛びつきそうな内容で、見なかったことにしたかった。
もふもふ、すなわち、毛がたくさんある動物が大好きなのだ。
去年、ビヒモーを見に行こうとして、蛇行に蛇行を重ね行けなかったという経緯がある。
だからこそ、このレースの依頼は飛びつくのは目に見える。
自分が行きたいかどうか考えると、知らない街として行ってみることはいいけど、ナツキを連れて行くのは面倒くさいと考えた。
ナツキがビヒモーに抱き着き、なでたりほおずりしまくり、何するかわからないから。
そんなことを考えていたハルシの背後から、
「わー、ビヒモーもふもふー」
という、楽し気な声が降ってきた。
「わーい! これ、これよ! 私が求めているのは」
依頼書を見て「行く、もちろん、参加する」と、手続きを始めている。
その様子を見て、ハルシはあきらめた。
解説
●目的・目標
レンタル馬またはビヒモーでレースに参加する。
●馬やビヒモーについて
名前は自由につけることが可能。
レンタル馬やビヒモーはレース中、便宜上3回交換することになる。
性格やタイプの設定もできます。ただし、同じタイプでも何でも構わない。
参考の設定が以下。「馬【1】」と「ビヒモー【4】】とかプレイングに記載いただければ幸い。自分で性格作るなら「その他」で。
【1】堅実に走る。時々、横やりが入ると正面から取り組もうとする
【2】華麗に走る。周りに参加者(馬またはビヒモー)がいなくなると待とうとする
【3】他の参加者を追うように走る。卑怯な手を使い妨害するらしい
【4】走るかどうかわからない。わがまま一杯、言うこと聞くかはあなた次第
【5】その他
●コースについて
【平地】真っ直ぐ。草が生えていたり、砂だらけだったり地面は色々。飽きることもあるかもしれない。
【山道】道幅は広いけれども徐々に狭くなる。谷の底部分や片方が崖で落ちそうなところもある。
【川】川の中も河原も、石や岩がごろごろしている川。ルートから外れなければ、水部分は幅6メートルかつ水深は50センチ前後。河原は10メートルずつ。ルートから外れると、結構ハードなので注意。
そして、ゴールまでは道幅そこそこだけど、アップダウンがあるし、意外と距離がある。
※ 馬やビヒモー待機所は平地終わったところ、山道の中途(標高高いところ)、川渡り終えて。
●NPC
・シルク トラレス商会の会長。ヒューマン、40代男
トラレス商会は食料中心に日用品など色々扱う。
今回のレースの主催者。
・ナツキ・エル エルフのキャスター。
ビヒモーに張り付いてもふって、蹴られるのが出発までのルーティン。
レースには参加するけど、にぎわしであるはず。
レンタルするのは「ビヒモー【3】」一択。
ハルシが言うには「放っておいても誰かについて帰ってきそうだから」とのこと。
・ハルシ・エル エルフのシューター。
ついてきているけど、ご飯食べたり、見学者モード。
●参考
冒険者同士の駆け引き、レンタルの馬やビヒモーの信頼大切。
馬やビヒモーは生き物だから疲れるよ。常に全力疾走は無理。
●退場行為
動物、いじめ。
武器やスキルで攻撃。
マスターより
こんにちは、狐野径です。
鎧ががちがちに着こむと重いですね……そこも駆け引きです。
もちろん、公序良俗を乱す恰好はNGです。
馬やビヒモーをなだめすかし、蛇行するのをどうするかなど、動物とのあれこれ、勝つにはどうするかとなりますね。真っ直ぐ走ればいいでしょうけど……山道は狭いですし……。
なお、シナリオに直接関係ないですが、ハルシとナツキがビヒモー見られなかった理由は、MSの都合というのが身もふたもない話です。
よろしくお願いします。
リプレイ
●会場入り
晴れ渡る空。
馬やビヒモーで駆け抜けるレースがあるということで、街は活気づいていた。
屋台が出てたり、観客が来たり。
シルク・メイプルリーフはビヒモーを借りるとそのもふもふを堪能する。
「主催者の方はシルクさんで私と同じ名前な上、もふもふ好き……これは、親愛なる同志に違いありません」
シルクはハグをしておかねば、ならないと考える。同志には愛をこめてハグをしないのは失礼だから。
主催者のトラレス商会会長のシルクは40代男、それなりの体格。
シルクがシルクに声を掛け、
「このような依頼をしてくださってありがとうございます」
「いえ、こちらこそ、受けていただいて嬉しいです」
「いえいえ。ビヒモーは大変もふもふですですし、こう、触れ合えるのは大切な時間です」
シルクの熱弁にシルクが「なるほど」とうなずいた。
シルクは「ありがとうございます」と改めて言い、ハグをした。
ハグをされた方は大変遠いような、柔らかいものに埋まるような感覚に、混乱をきたした。
「今日は楽しんでいってください」
シルクは混乱のまま立ち去った。
フリーダ=ブロムヴィストは「これは面白そうですね」と思ったので来たのだ。
啓示に「タ=スさんなら、馬やビヒモーでなく【無】に騎乗して挑戦できます」という謎の言葉があった。
「どういう意味でしょうか?」
よくわからないことはわきに置き、レースの完走を目指す決意をする。
選んだビヒモーは係りの人に「結構癖ありますがいいですか?」と尋ねられる。
「どういう癖なんです?」
「気が向かないと走りません」
言われてからフリーダはビヒモーを見た。
「なるほど、いかにも『自分の気分でなければヤダヤダ!』と言った感じですね」
納得した。
「で、『色気で惑わせばヘーキヘーキ。まぁ代償はあるかもしれませんが』という啓示のことですが……ビヒモーに色気とか感じられるのですかね?」
フリーダはじっとビヒモーを見つめるのだった。
ベルク・オスマットは連れの馬ベルク=タークに詰め寄られた。参加者は騎乗する動物をレンタルしないといけないため、ベルク=タークにとってみれば不満である。
「遠乗りのように駆けるのも好きなのだが、他の馬やビヒモーと楽しむとベルク=タークが拗ねかねんからなぁ」
悩ましい中、一頭のビヒモーに決めた。
駆けたいとアピールするビヒモーの中で、のんびりしている雰囲気だった。
「よろしく頼むぞ」
声を掛けるとビヒモーはうなずいたようだった。
「さてと、出発前に何か買っておくかな」
ベルクは屋台に向かった。
アムールは自分を見ている馬に気付く。
「この仮面が気になるのでしょうか?」
馬はできる限り首を伸ばし、かじろうとして来る。
「好奇心旺盛ですね。さて、どの馬にしましょうか?」
係りの人は「その子は扱いやすいですよ」と仮面をかじろうとしている馬を勧めてきた。
アムールは馬に興味を持たれたし、縁を感じてその助言に従うことにした。
アリッグ・レイダーはキリッとした雰囲気のビヒモーに「アマノジャック」という名前を付けた。途中で換えるビヒモーも含め、名前を一貫する。それによりつながりを感じられる。
なお、出発前に、参加者に対して、
「正々堂々と戦い、楽しいレースにしましょうね!」
と、満面の笑みで宣言する。
その胸中は「なーんて、レース終盤で嫌がらせでもしてやりかね、くしし」と悪い顔して笑っている。レースをどうするかシミュレーションしていた。
「ナツ、この子にしたら」
ハルシ・エルは今回レースに参加するナツキ・エルにどっしりとした雰囲気のビヒモーを勧めた。
「うん、この子でいいよ!」
ナツキはビヒモーに抱き着き、激しくほおずりして、蹴られている。
ハルシの想像していた現実があったので、静かに【ヒール】するのだった。
なお、ハルシは参加せず、屋台を回って待つ。
そんなこんなで出発の合図があった。
●暴走?
フリーダのビヒモーはおとなしくスタートラインには立った。
しかし、スタートの合図とともに「えー、何?」というように動かない。
フリーダは騎乗したまま、ビヒモーの首に手を当て「気が乗らないのですか? それとも、体調でも悪いのですか?」と尋ねてみる。ビヒモーは振り返るが「えー、別に」という雰囲気。
「せっかくなので歩いてみましょう? 走りたくなったら走ればいいですし」
ビヒモーをなでながら言う。
フリーダ以外にはナツキとビヒモーがいた。突然、ナツキのビヒモーがフリーダのビヒモーに向かって、砂を蹴り上げ、出発した。
「……え、ええ……」
フリーダは何とも言えない顔でそれを見送り、自分のところのビヒモーをなだめようとしたが、突然ビヒモーから怒りの声が聞こえる。
「砂掛けられたことに腹が立ったんですね」
ビヒモーが走り出したため、フリーダはしがみついた。景色は、すごい勢いで流れていった。
ベルクの選んだビヒモーはのんびり走る。
街を出て走る場所は、真っ直ぐな道。周りにあるのは荒地、時々、草地。時折吹く風が心地よい。
「ふむ、のどかというか何もないというべきか」
なお、季節によっては暑さ寒さは感じるかもしれない。
「まぁ、急ぐこともないし、のんびり行くか。自分のペースでいいぞ」
ベルクはビヒモーに声を掛ける。自分はうとうとしたり、茶を飲んだり、軽食を食べるなど、移動を満喫する。
ビヒモーは静かに走っている。
そのような時、ドドドドという音が背後から迫る。
ベルクが見ると、フリーダのビヒモーが走り抜けていった。一瞬だった。
「元気じゃ」
ベルクのビヒモーがおろおろ始めた。
「そなたは慌てなくても……あれはっ」
ナツキのビヒモーがこちらに一直線に来る上、ナツキはしがみついているだけ。
ベルクは何かしないといけないと考えた。ビヒモーにゆっくりと道を降り、止まってもらった。
ナツキのビビモーは途中まではベルクの方に来ていたが、動きを止めたところで、道を走るビヒモーを追い始めた。
「危なかったの」
ビヒモーの首をポンポンとたたき、出発した。
アムールは馬の様子に注意を払い、手綱を握る。
平地だからと言っても走りやすいところとそうでないところはある。だからこそ、馬の負担が少ないところを走るのが大切だと考える。
疲れていそうならばスピードは抑え、やる気に満ちたらそのようにさせる。真面目に走っているからこそ、気を付けないとならない。
快調に走っていたけれども、背後からものすごい音がしてきた。
「あ、あれは!?」
フリーダのビヒモーはアムールを見向きもせず、走っていく。
一方でそれを追う、ナツキのビヒモーはこちらを見ている。
「これはまずいのであります!」
手綱を握り、回避行動をとろうとする。馬自体は「なんか来る! やってやるぜ」という何か意気込みを発し出した。
「落ち着くであります! あれにぶつかられたら、けがをするのであります」
アムールは徐々に道から外れるルートを選ぶが、ビヒモーがまとわりつきだした。ビヒモーに絡まれたことで、馬も応対しようとし始めたからだ。とはいえ、何とか、進路を定め走る。
シルクもアリッグも、特に問題なく進んでいた。
だけれども、背後からものすごい音がする。
「あれは」
「フリーダさんですね」
「……その後ろ……」
ビヒモーに絡まれる馬がいた。
「やり過ごすより――」
「――もう少しで休憩場所ですから」
アリッグもシルクも、ビヒモーに走ってもらうことにした。
●因果
休憩所兼、騎乗動物変更所。
ナツキに巻き込まれないように、来たものはそうそうに出発する。
アリッグとシルクは速かった。アリッグは何か考えていそうなタイプを選ぶ。
巻き込まれていたアムールもすぐに馬を決め、出発する。
なお、ナツキは再びビヒモーに挨拶のほおずりをして蹴られていた。なんとか出発にこぎつける。
フリーダは休憩所に到着した。
個性が強そうなビヒモーを選んだが、どうわがままかわからない。
ビヒモーをなで「よろしくお願いしますね」という。
ビヒモーは「ツーン」とそっぽを向いた。
「だめ、なのでしょうか?」
少し上目遣いでいう。同じ種族なら、ドキンとなる色気があったかもしれない。
しかし、相手はビヒモーな上、フリーダを下に見ている雰囲気も漂う。
「……うーん? 仕方がありませんね! こうなったら、あなたを私が運びましょう!」
フリーダはいい笑顔で宣言した。
近くにいた係りの人は「え?」と聞き返す。
聞き間違いではなく、事実だったことを知る。
フリーダがビヒモーの下に入ると、その背に担いだからだ。
沈黙とざわめき。
「このために、筋力アップはしてきました。何とかなります」
一歩、一歩進む。
「……しかし、なぜか、皆様の視線を感じますね? 何かありましたか?」
ベルクが休憩所にやってきた。
「おや、また、斬新な進み方をしているんだな」
ビヒモーの準備をしながらベルクが指摘した。
「え、ええ? そうですか? 進む気がないというので、運んであげようと考えました」
フリーダは一旦ビヒモーを置く。
ビヒモーはフリーダをじっと見ている。
「どうかしましたか?」
「では、先に出発するぞ」
「はい、気を付けて」
ベルクがのんびり出発していくのを見送る。
フリーダはビヒモーとの対話を再開したところ、ビヒモーはフリーダを乗せず出発しようとした。フリーダは慌てて飛び乗った。
先頭集団は滑落危険個所に到達していた。
シルク、アリッグそして、アムールという順番。さすがに滑落危険個所は慎重に進む。
渡り終わりしばらく進むと、橋のない川に出た。
アリッグはビヒモー「アマノジャック」を走らせた。
バシャーンと水しぶきが上がる。
「あらあら」
「わわわ」
シルクとアムールは多少でもかかる。
「モフモフさん、大丈夫ですよ。しっかり堅実に歩んでいきましょう」
シルクはビヒモーをなだめた。
ビヒモーは「なんか、やられたからやり返さないといけないかも」と言っているような雰囲気。
一方で、アムールの馬も「戦いの時」というやる気を見せ始める。
アリッグはしれっと、
「いやー、意外と深いところがあったみたいで」
という。そこに、ビヒモーと馬が向かってくる。
アリッグのビヒモー「アマノジャック」は水を飛ばし、反撃する。その影響で、騎乗しているアリッグはしがみつくことになる。
アリッグは暴れるのを制御したところで、シルクとアムールに噛みつく。
「何しやがるてめぇ! どういう教育受けているんだ、オイ!」
「あらあら、私たちは教育していませんよ?」
「妨害はなしにしてほしいであります! 仮面が取れたらどうするのでありますか!」
シルクは現実を言い、アムールは訴える。
アリッグは「知らねぇよ」とさらりと言い、そのままビヒモーを走らせた。
ベルクは光景を興味深そうに眺める。
「谷底は平穏だなぁ、のんびり行くぞ」
という気持ちになる。道に迷うことも減るし、このくらいの道幅さえあれば圧迫感は感じない。
その先は注意して通る必要があるところだった。ナツキのビヒモーが見当たらないことは安堵すべきことだった。
「ふむ、今のところ大丈夫そうだな。急いでいくと危なっかしいな。安全第一、のんびり行くぞ」
幸い、何もなかった。そのあとも、景色を堪能できるのだった。
さて、川を渡りしばらく行くと街までの山道を走っていくことになる。
先頭集団はそのままの状態を維持していた。
アリッグは前を走るシルクを見て「いつも俺を手玉に取りやがって、ちょっといたずらしてやるか、くしし」と悪そうな笑みで独り言。
アリッグは手綱を引く。その瞬間、アマノジャックはシルクのビヒモーに体当たりをする。その反動で、アムールの馬にもぶつかりそうになる。
「あら」
「わわ」
ビヒモー同士がぶつかった拍子に、シルクは耐えたがアリッグが飛ばされた。
「なっ!?」
飛ばされたアリッグは、シルクの前に落ちた。
「まぁ?」
アリッグが落ちないようにシルクはむぎゅと抱きしめる。
「お、おい、やめろ!」
「はいはい。モフモフさんたちも落ち着きましょう」
アリッグをあしらいつつ、ビヒモー達に声をかけ落ち着かせる。
念のため【ヒール】をビヒモー達にかける。
「さて、このまま一緒に行きましょうね」
「な、なんでこうなるの……?」
豊かな胸にうずもれる状態。
「アリッグさんも一緒に乗りたかったらそう言ってくれればそうしましたのに」
「ち、違う……」
「はいはい逃がしませんからねー、暴れない暴れない」
アリッグは頭を撫でられ、
「あああああああああ」
というのが精いっぱいであった。そのまま、シルクによるお仕置きハグされたまま、運ばれていくのだった。シルクはもふもふとアリッグで幸せそうだった。
その間に、アムールは真っ直ぐ進む。
なお、フリーダは、自分が乗せる方かもしれないと考えたビヒモーに揺られて、のんびりと景色を楽しむのだった。
●結末は
アムールは一番でゴールできた。
「ほ、本当でありますか」
驚く。
シルクはアリッグを抱きかかえたままゴールした。
「おめでとうございます」
「いい加減、離せー」
アリッグが騒ぐけれども、シルクは「はいはい」と言い、降りるまで離さなかった。
アムールはわくわくした様子で尋ねる。
「一位でゴールした場合は何かもらえるのでしょうか? 仮面でしょうか? 何か良い、仮面がもらえれば嬉しいのであります。その可能性は限りなく低いと思われますが!」
主催者は仮面ではないので申し訳なさそうにするが、授賞式の時にと言われる。
ベルクは完走後、主催者のシルクに感想を述べる。
「がけや川はともかく、ルートを選べばビヒモーや馬車に乗っていく遊覧コースとしてよいかもしれんな。実際、のんびり散策するのに向いていそうだ」
「ありがとうございます。今後の検討課題とさせていただきます」
シルクはうなずいた。
フリーダは無事ゴールできた。
「ありがとうございました」
ビヒモーをねぎらった。
ここで気づいた、最下位でないことに。
「あれ?」
背後からビヒモーが走ってくる音がした。
「ただいまー」
いい笑顔だけどぼろぼろのナツキとビヒモーがやってくる。
「どこで追い抜いたんでしょうか? そもそも、何があったんでしょうか」
ハルシがナツキに近寄り無言で【ヒール】していた。
全員ゴールしたところで授賞式だ。
賞金はこの街で使える商品券だった。
「ぜひともゆっくりしていってください」
晴れ渡る空。
馬やビヒモーで駆け抜けるレースがあるということで、街は活気づいていた。
屋台が出てたり、観客が来たり。
シルク・メイプルリーフはビヒモーを借りるとそのもふもふを堪能する。
「主催者の方はシルクさんで私と同じ名前な上、もふもふ好き……これは、親愛なる同志に違いありません」
シルクはハグをしておかねば、ならないと考える。同志には愛をこめてハグをしないのは失礼だから。
主催者のトラレス商会会長のシルクは40代男、それなりの体格。
シルクがシルクに声を掛け、
「このような依頼をしてくださってありがとうございます」
「いえ、こちらこそ、受けていただいて嬉しいです」
「いえいえ。ビヒモーは大変もふもふですですし、こう、触れ合えるのは大切な時間です」
シルクの熱弁にシルクが「なるほど」とうなずいた。
シルクは「ありがとうございます」と改めて言い、ハグをした。
ハグをされた方は大変遠いような、柔らかいものに埋まるような感覚に、混乱をきたした。
「今日は楽しんでいってください」
シルクは混乱のまま立ち去った。
フリーダ=ブロムヴィストは「これは面白そうですね」と思ったので来たのだ。
啓示に「タ=スさんなら、馬やビヒモーでなく【無】に騎乗して挑戦できます」という謎の言葉があった。
「どういう意味でしょうか?」
よくわからないことはわきに置き、レースの完走を目指す決意をする。
選んだビヒモーは係りの人に「結構癖ありますがいいですか?」と尋ねられる。
「どういう癖なんです?」
「気が向かないと走りません」
言われてからフリーダはビヒモーを見た。
「なるほど、いかにも『自分の気分でなければヤダヤダ!』と言った感じですね」
納得した。
「で、『色気で惑わせばヘーキヘーキ。まぁ代償はあるかもしれませんが』という啓示のことですが……ビヒモーに色気とか感じられるのですかね?」
フリーダはじっとビヒモーを見つめるのだった。
ベルク・オスマットは連れの馬ベルク=タークに詰め寄られた。参加者は騎乗する動物をレンタルしないといけないため、ベルク=タークにとってみれば不満である。
「遠乗りのように駆けるのも好きなのだが、他の馬やビヒモーと楽しむとベルク=タークが拗ねかねんからなぁ」
悩ましい中、一頭のビヒモーに決めた。
駆けたいとアピールするビヒモーの中で、のんびりしている雰囲気だった。
「よろしく頼むぞ」
声を掛けるとビヒモーはうなずいたようだった。
「さてと、出発前に何か買っておくかな」
ベルクは屋台に向かった。
アムールは自分を見ている馬に気付く。
「この仮面が気になるのでしょうか?」
馬はできる限り首を伸ばし、かじろうとして来る。
「好奇心旺盛ですね。さて、どの馬にしましょうか?」
係りの人は「その子は扱いやすいですよ」と仮面をかじろうとしている馬を勧めてきた。
アムールは馬に興味を持たれたし、縁を感じてその助言に従うことにした。
アリッグ・レイダーはキリッとした雰囲気のビヒモーに「アマノジャック」という名前を付けた。途中で換えるビヒモーも含め、名前を一貫する。それによりつながりを感じられる。
なお、出発前に、参加者に対して、
「正々堂々と戦い、楽しいレースにしましょうね!」
と、満面の笑みで宣言する。
その胸中は「なーんて、レース終盤で嫌がらせでもしてやりかね、くしし」と悪い顔して笑っている。レースをどうするかシミュレーションしていた。
「ナツ、この子にしたら」
ハルシ・エルは今回レースに参加するナツキ・エルにどっしりとした雰囲気のビヒモーを勧めた。
「うん、この子でいいよ!」
ナツキはビヒモーに抱き着き、激しくほおずりして、蹴られている。
ハルシの想像していた現実があったので、静かに【ヒール】するのだった。
なお、ハルシは参加せず、屋台を回って待つ。
そんなこんなで出発の合図があった。
●暴走?
フリーダのビヒモーはおとなしくスタートラインには立った。
しかし、スタートの合図とともに「えー、何?」というように動かない。
フリーダは騎乗したまま、ビヒモーの首に手を当て「気が乗らないのですか? それとも、体調でも悪いのですか?」と尋ねてみる。ビヒモーは振り返るが「えー、別に」という雰囲気。
「せっかくなので歩いてみましょう? 走りたくなったら走ればいいですし」
ビヒモーをなでながら言う。
フリーダ以外にはナツキとビヒモーがいた。突然、ナツキのビヒモーがフリーダのビヒモーに向かって、砂を蹴り上げ、出発した。
「……え、ええ……」
フリーダは何とも言えない顔でそれを見送り、自分のところのビヒモーをなだめようとしたが、突然ビヒモーから怒りの声が聞こえる。
「砂掛けられたことに腹が立ったんですね」
ビヒモーが走り出したため、フリーダはしがみついた。景色は、すごい勢いで流れていった。
ベルクの選んだビヒモーはのんびり走る。
街を出て走る場所は、真っ直ぐな道。周りにあるのは荒地、時々、草地。時折吹く風が心地よい。
「ふむ、のどかというか何もないというべきか」
なお、季節によっては暑さ寒さは感じるかもしれない。
「まぁ、急ぐこともないし、のんびり行くか。自分のペースでいいぞ」
ベルクはビヒモーに声を掛ける。自分はうとうとしたり、茶を飲んだり、軽食を食べるなど、移動を満喫する。
ビヒモーは静かに走っている。
そのような時、ドドドドという音が背後から迫る。
ベルクが見ると、フリーダのビヒモーが走り抜けていった。一瞬だった。
「元気じゃ」
ベルクのビヒモーがおろおろ始めた。
「そなたは慌てなくても……あれはっ」
ナツキのビヒモーがこちらに一直線に来る上、ナツキはしがみついているだけ。
ベルクは何かしないといけないと考えた。ビヒモーにゆっくりと道を降り、止まってもらった。
ナツキのビビモーは途中まではベルクの方に来ていたが、動きを止めたところで、道を走るビヒモーを追い始めた。
「危なかったの」
ビヒモーの首をポンポンとたたき、出発した。
アムールは馬の様子に注意を払い、手綱を握る。
平地だからと言っても走りやすいところとそうでないところはある。だからこそ、馬の負担が少ないところを走るのが大切だと考える。
疲れていそうならばスピードは抑え、やる気に満ちたらそのようにさせる。真面目に走っているからこそ、気を付けないとならない。
快調に走っていたけれども、背後からものすごい音がしてきた。
「あ、あれは!?」
フリーダのビヒモーはアムールを見向きもせず、走っていく。
一方でそれを追う、ナツキのビヒモーはこちらを見ている。
「これはまずいのであります!」
手綱を握り、回避行動をとろうとする。馬自体は「なんか来る! やってやるぜ」という何か意気込みを発し出した。
「落ち着くであります! あれにぶつかられたら、けがをするのであります」
アムールは徐々に道から外れるルートを選ぶが、ビヒモーがまとわりつきだした。ビヒモーに絡まれたことで、馬も応対しようとし始めたからだ。とはいえ、何とか、進路を定め走る。
シルクもアリッグも、特に問題なく進んでいた。
だけれども、背後からものすごい音がする。
「あれは」
「フリーダさんですね」
「……その後ろ……」
ビヒモーに絡まれる馬がいた。
「やり過ごすより――」
「――もう少しで休憩場所ですから」
アリッグもシルクも、ビヒモーに走ってもらうことにした。
●因果
休憩所兼、騎乗動物変更所。
ナツキに巻き込まれないように、来たものはそうそうに出発する。
アリッグとシルクは速かった。アリッグは何か考えていそうなタイプを選ぶ。
巻き込まれていたアムールもすぐに馬を決め、出発する。
なお、ナツキは再びビヒモーに挨拶のほおずりをして蹴られていた。なんとか出発にこぎつける。
フリーダは休憩所に到着した。
個性が強そうなビヒモーを選んだが、どうわがままかわからない。
ビヒモーをなで「よろしくお願いしますね」という。
ビヒモーは「ツーン」とそっぽを向いた。
「だめ、なのでしょうか?」
少し上目遣いでいう。同じ種族なら、ドキンとなる色気があったかもしれない。
しかし、相手はビヒモーな上、フリーダを下に見ている雰囲気も漂う。
「……うーん? 仕方がありませんね! こうなったら、あなたを私が運びましょう!」
フリーダはいい笑顔で宣言した。
近くにいた係りの人は「え?」と聞き返す。
聞き間違いではなく、事実だったことを知る。
フリーダがビヒモーの下に入ると、その背に担いだからだ。
沈黙とざわめき。
「このために、筋力アップはしてきました。何とかなります」
一歩、一歩進む。
「……しかし、なぜか、皆様の視線を感じますね? 何かありましたか?」
ベルクが休憩所にやってきた。
「おや、また、斬新な進み方をしているんだな」
ビヒモーの準備をしながらベルクが指摘した。
「え、ええ? そうですか? 進む気がないというので、運んであげようと考えました」
フリーダは一旦ビヒモーを置く。
ビヒモーはフリーダをじっと見ている。
「どうかしましたか?」
「では、先に出発するぞ」
「はい、気を付けて」
ベルクがのんびり出発していくのを見送る。
フリーダはビヒモーとの対話を再開したところ、ビヒモーはフリーダを乗せず出発しようとした。フリーダは慌てて飛び乗った。
先頭集団は滑落危険個所に到達していた。
シルク、アリッグそして、アムールという順番。さすがに滑落危険個所は慎重に進む。
渡り終わりしばらく進むと、橋のない川に出た。
アリッグはビヒモー「アマノジャック」を走らせた。
バシャーンと水しぶきが上がる。
「あらあら」
「わわわ」
シルクとアムールは多少でもかかる。
「モフモフさん、大丈夫ですよ。しっかり堅実に歩んでいきましょう」
シルクはビヒモーをなだめた。
ビヒモーは「なんか、やられたからやり返さないといけないかも」と言っているような雰囲気。
一方で、アムールの馬も「戦いの時」というやる気を見せ始める。
アリッグはしれっと、
「いやー、意外と深いところがあったみたいで」
という。そこに、ビヒモーと馬が向かってくる。
アリッグのビヒモー「アマノジャック」は水を飛ばし、反撃する。その影響で、騎乗しているアリッグはしがみつくことになる。
アリッグは暴れるのを制御したところで、シルクとアムールに噛みつく。
「何しやがるてめぇ! どういう教育受けているんだ、オイ!」
「あらあら、私たちは教育していませんよ?」
「妨害はなしにしてほしいであります! 仮面が取れたらどうするのでありますか!」
シルクは現実を言い、アムールは訴える。
アリッグは「知らねぇよ」とさらりと言い、そのままビヒモーを走らせた。
ベルクは光景を興味深そうに眺める。
「谷底は平穏だなぁ、のんびり行くぞ」
という気持ちになる。道に迷うことも減るし、このくらいの道幅さえあれば圧迫感は感じない。
その先は注意して通る必要があるところだった。ナツキのビヒモーが見当たらないことは安堵すべきことだった。
「ふむ、今のところ大丈夫そうだな。急いでいくと危なっかしいな。安全第一、のんびり行くぞ」
幸い、何もなかった。そのあとも、景色を堪能できるのだった。
さて、川を渡りしばらく行くと街までの山道を走っていくことになる。
先頭集団はそのままの状態を維持していた。
アリッグは前を走るシルクを見て「いつも俺を手玉に取りやがって、ちょっといたずらしてやるか、くしし」と悪そうな笑みで独り言。
アリッグは手綱を引く。その瞬間、アマノジャックはシルクのビヒモーに体当たりをする。その反動で、アムールの馬にもぶつかりそうになる。
「あら」
「わわ」
ビヒモー同士がぶつかった拍子に、シルクは耐えたがアリッグが飛ばされた。
「なっ!?」
飛ばされたアリッグは、シルクの前に落ちた。
「まぁ?」
アリッグが落ちないようにシルクはむぎゅと抱きしめる。
「お、おい、やめろ!」
「はいはい。モフモフさんたちも落ち着きましょう」
アリッグをあしらいつつ、ビヒモー達に声をかけ落ち着かせる。
念のため【ヒール】をビヒモー達にかける。
「さて、このまま一緒に行きましょうね」
「な、なんでこうなるの……?」
豊かな胸にうずもれる状態。
「アリッグさんも一緒に乗りたかったらそう言ってくれればそうしましたのに」
「ち、違う……」
「はいはい逃がしませんからねー、暴れない暴れない」
アリッグは頭を撫でられ、
「あああああああああ」
というのが精いっぱいであった。そのまま、シルクによるお仕置きハグされたまま、運ばれていくのだった。シルクはもふもふとアリッグで幸せそうだった。
その間に、アムールは真っ直ぐ進む。
なお、フリーダは、自分が乗せる方かもしれないと考えたビヒモーに揺られて、のんびりと景色を楽しむのだった。
●結末は
アムールは一番でゴールできた。
「ほ、本当でありますか」
驚く。
シルクはアリッグを抱きかかえたままゴールした。
「おめでとうございます」
「いい加減、離せー」
アリッグが騒ぐけれども、シルクは「はいはい」と言い、降りるまで離さなかった。
アムールはわくわくした様子で尋ねる。
「一位でゴールした場合は何かもらえるのでしょうか? 仮面でしょうか? 何か良い、仮面がもらえれば嬉しいのであります。その可能性は限りなく低いと思われますが!」
主催者は仮面ではないので申し訳なさそうにするが、授賞式の時にと言われる。
ベルクは完走後、主催者のシルクに感想を述べる。
「がけや川はともかく、ルートを選べばビヒモーや馬車に乗っていく遊覧コースとしてよいかもしれんな。実際、のんびり散策するのに向いていそうだ」
「ありがとうございます。今後の検討課題とさせていただきます」
シルクはうなずいた。
フリーダは無事ゴールできた。
「ありがとうございました」
ビヒモーをねぎらった。
ここで気づいた、最下位でないことに。
「あれ?」
背後からビヒモーが走ってくる音がした。
「ただいまー」
いい笑顔だけどぼろぼろのナツキとビヒモーがやってくる。
「どこで追い抜いたんでしょうか? そもそも、何があったんでしょうか」
ハルシがナツキに近寄り無言で【ヒール】していた。
全員ゴールしたところで授賞式だ。
賞金はこの街で使える商品券だった。
「ぜひともゆっくりしていってください」
マスターコメント
ご参加ありがとうございます。
動物に対する愛、観光を意識した行動、ビヒモーや馬との交流……。
そして、MVPどうしようと悩みました。ええ、MVPの上限はありますし。
盛り上がりか、優勝か……後者取りました。
ナツキとビヒモーは前半部分のかき混ぜに向かいました。
ご縁があればお会いしましょう。
ショートシナリオR普通 報酬:標準5 / 4〜8人
2022年04月02日 06時40分38秒 公開
大成功
参加者
- メイプルリーフ シルク
フリーダ=ブロムヴィスト
ベルク・オスマット
アリッグ・レイダー
アムール
相談掲示板
アリッグ・レイダーと申します。 皆様よろしくお願いします。 とりあえず、成立する事を願って……。 さて、どういうレースをするのか悩みますねぇ。 ……とりあえず、レースに混乱はつきものですよね(
No.2
シスターシルクです 景色のいいところをもふもふのビヒモーに乗って通れるうえ報酬まで出ると聞いて(
無事成立したようですね! 皆様、 正 々 堂 々 とレースをしましょう! まさか【3】で妨害をしようなどという不届きものはいませんよね!(
ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 あえて【3】を選んで某黒魔王みたいな「ズルをして自分にしっぺ返しが来る」 という黄金パターンも面白そうな気もしますが、 とりあえず【4】を選んでみるつもりです。
あ、自前の黒汗馬は参加不可なのか(よく見てなかった(汗) シーフのベルクだ、よろしく頼む。 【5】で走りはするがマイペースにのほほんと走るにしておくかね(たまにはのどかな行動もいいかなっと)
シーフのアムールと申します! まだ若輩者の私にちょうど良い依頼がありましたので、馳せ参じさせていただきました! 皆様どうかよろしくお願いします! 私は【1】の馬で参加させていただきます! もちろん、正々堂々と皆様の妨害をせずにレースを楽しみます! 乗馬の訓練にもなりますね!