急募、素材大量入手可能な冒険者
椿油
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シナリオID:1972
オープニング
同盟都市の一つ、フロルゾンの一角に構えるはローズベルト商会。当主ジェラルダは悩んでいた。
「困ったわね」
先日、冒険者を募って商品アイデアとネーミングを得て、試作を作った所まではいい。だが、実用化にいまいち欠けている段階の物があるのだ。
「耐久性のある寝袋は、ワニ革の大量入手とクッション性のある綿を入手しなきゃならないし。木製ペーパーナイフは良く切れる木材を探さなきゃいけないのよね……」
手元のメモ帳を見つつ右往左往するジェラルダ。そこに平均寿命を若干超えているであろう「婆や」が紅茶を持ってきた。
「ジェラルダ様、右往左往するだけで解決する問題ではないですよ。また冒険者の方々に頼めばいいじゃありませんか」
「そうなんだけれども。 ――材料のアテが無いのよ」
座って紅茶を飲むジェラルダ。
「そういえば婆や、この前の試作用のワニ革はどこから調達してきたの?」
「近くの革細工屋からでございます」
「その革細工屋はどこからワニ革を持ってきたの?」
「フロルゾンより内陸、フェアドゥキア平野に流れる川からでございますね」
ふむ、とジェラルダは手元のメモの『ワニ革』の所に『フェアドゥキア平野』と書き足した。
「綿はどうしようかしら。魔獣由来の綿っていう手もあるわね」
「あぁ、それならワニの発生地に『もこもこの獣』が居たとお聞きしましたよ、革細工屋のご主人から」
婆やはテキパキと助言していく。再びメモするジェラルダ。
「よし、綿が見つからなかったらその獣から刈りましょう。じゃあ木材だけど」
「ワニともこもこの獣の発生地のすぐ近くに森林がございますよ、ジェラルダ様」
「――婆や、最高!!」
婆やとハイタッチしたジェラルダだった。
その後、冒険者ギルドに依頼がすぐに出されたのは言うまでもない。
解説
マスターより
リプレイ
だわは、切れ味の良い木の特徴をジェラルダに聞いていた。
「そうね、他の木と違って凹凸の無い真っすぐな表面だと婆やから聞いたわ。ツルツルしているそうよ」
「分かった、ありがとう。それと鋸は借りられるだろうか」
「ええ、これを持って行って」
ジェラルダが用意した鋸を《マジカルポケット》へとしまっただわ。
「あ、この馬車借りてくわ店主のおっちゃん」
「おう、構わんよ!」
サイラスは近隣の店から荷馬車を借り。
フロルゾンからフェアドゥキア平野へ向けて、それぞれ荷馬車や袋などを用意して出発した冒険者達。
「まず、ワタウサギの捕獲からですね……!」
トーラはこの後の事を考えると、少し切なくなった。何故かというと……。
●フェアドゥキア平野
ぴょんぴょこ跳ねる、もふもふふわふわのワタウサギ。
「……ううっ、ごめんなさいっ!!」
トーラは心がぐらつきつつも、ワタウサギを仕留めた。
「……よく跳ねる毛玉だな。こういうの、あいつは好むんだろうか」
だわの脳裏にはとある少女の顔が浮かびつつも、ワニの囮の餌の為にワタウサギの首を刎ねた。
「毛皮も剥ぎ取っておくわね」
エデル=マグノリアがもこもこの毛皮を処理していく。若干血に汚れても、洗浄すれば何とかなるだろう。それに表面からは見えない部分へ使われるのである。
「そっちそっち。よし、かかったっぽい」
サイラスは射って仕留めつつ、逃げたワタウサギを母蜘蛛糸のロープで作っておいたくくり罠へと誘導し、手元の糸から先へとエーテルを流す。数匹がぶら下がるようにロープにへばり付いた。
ワニが寄ってこないよう、川からおびき出してハントしていた、だわ。ある程度狩り終えて集合する。その身体には綿のような毛が多少付いていた。
「餌の分はこんな感じでいいだろう、毛皮は?」
だわがエデルに問う。
「順調よ、かなり採れたわね」
「あぁ、もこもこ可愛かったなぁ……」
トーラはエデルと仕分け作業をしつつ、毛皮と肉に分解された元ワタウサギを見ながら呟いていた。
「これだけ取れりゃ充分やろ。じゃ、次。ワニ行くか」
サイラスが捌き終えたワタウサギの毛皮と内臓を見て、だわはふと気づく。
(餌は野草で充分みたいだな……狩りの最中も飛ぶように毛が抜けていたし、案外家畜化も可能か)
胃には、さっきまではみはみしていた野草が残っていた。その情報を革張りの手帳にメモしていくだわだった。
●ワニワニ大行進
「それじゃあ餌も作った所ですし!」
トーラは《双波》を駆使してワニの位置を探る。川の中に点々と存在を感じた。そっと川際に兎肉を置いて、川から誘い出す事にした。
そして兎肉を置いてから少し経つと、ワニが数匹川から上がってくる。
(今だっ!!)
隠れていたトーラは《タナトスバイト》で急襲し、ワニの目を勢いよく潰した。悶えてじたばたと狼狽え、絶命したワニ。
「この調子で狩るぞ」
だわもワニの目を剣で突き、動けなくしていく。
「上手く傷つけないで狩れているわね、それでは!」
エデルの《レゾナンス・オブ・ヴァロー》が場に響き渡る。その後祭刀から短杖に持ち替え、《魔弾》を放つ。ワニが丁度口を開けた所に命中し、ワニはひっくり返った。
「やっぱ目か口やな」
サイラスの《鋭射2》はワニの目へと当たる。目潰しが有効なのかワニ達は、何も出来ずにされるがまま、ひっくり返っていった。
「えーいっ!!」
仲間の危機に気付き上陸してきたワニ達へ《闘気槌3》を放つトーラ。
「ふんっ!!」
だわは口を開けたワニの口内へ盾を突っ込み、口を閉じられなくした所で上顎を剣で突いた。
「まだまだ出て来るわ……!」
《魔弾》を放ち、川から次々と湧いてくるワニの先頭個体の目へと攻撃をしていくエデル。
「あとどの位居るか分かる?」
サイラスが《鋭射2》をワニの口に放ちながらトーラに尋ねる。トーラは、手を開いて5を示しつつ。
「ワニの団体があと……15匹ぐらいです!」
(3倍かよ)
――先は長かった。
そして十数分後、約20匹のワニがその場に倒れていった。
「もう動かない、ですね」
トーラがつんつん突いて生死を確認している。全部絶命しているようだ。目や口の中に攻撃を叩き込んだお陰で、革になる部位は傷が少なく済んだ。
「さて……剥ぎましょう」
エデルは額の汗を拭いながら、革を剥ぎ始めた。
「肉は食料に出来そうですね。骨や牙なんかも別の素材にならないでしょうか?」
「まぁ、出来るやろ」
トーラがワニ肉と革に分離させつつ、共に分離作業をしていくサイラスが答える。
「牙は装飾品とかになるだろうし? 骨も多分、丈夫な骨なら防具の基盤に組み込んだりとか。あと舌も案外食べられる」
「ワニのタン……!」
トーラの脳内にはジュワーという音と香ばしい匂いと焼きタンが広がっていた。
●きろうよスパゴリの森
「さて、あらかた剥いだな……最後に木材か」
だわは森の方を向く。ツルツルした木を探すだけなら、割と簡単だろう。問題は伐ったり運んだりする工程である。
「スパスパの木、素人が見ても判別がつくみたいだけれど。折角なら質の良い物が欲しいわよね。その辺りの選別は任せてちょうだい」
エデルは森に入り、明らかにツルツルしていたスパスパの木を見つけ、触って《植物共感》を試してみた。
「……あら、最初からここに生えていた木じゃないみたいね」
「と言うと?」
森に入って来た、だわが尋ねる。
「鳥か何かが種を運んできた、ってところかしら。原産地はここより北の方みたいだけど……」
「もう一度ここに伐採しに来るより、原産地を見つけて最初からそこに向かった方が早い気もするな……。さて」
だわは斧代わりに《強打3》を木に打ち込んで伐り倒した。
「道具が無かったら鋸を使ってくれ」
「あ、俺は斧持ってきたから平気よ」
サイラスは斧を持参していた。
●ワタウサギの小さなお家
「あ、いました」
《双波》でトーラが探していたのはワタウサギが棲んでいる巣穴だ。奥の方にもこもこしたお尻が見える。
「おいでー、剥いだりしないですよー」
すると、案外人懐っこい個体が数匹出て来た。
「この子達を飼育出来れば……!」
だっこして荷馬車を停泊した場所まで戻るトーラ。流石に天敵ワニ革の隣は可哀想なので、伐り終わった木材の隣に乗せてあげた。飛び出さないか心配だったが、そこら辺の草をやったら案外大人しくはみはみしていたのだった。
●北の原産地から
「詳細、分かりそうか?」
だわが伐採前に《植物共感》を試しているエデルに問う。
「恐らくだけど、ドワーフ王国よりもっと北……辺境都市群辺りじゃないかしら。この辺りの湿気にはあまり適してないみたいよ」
「あそこの山脈に生えてるとは思えないしな。北で湿気の少ない地域となるとその辺か」
「お待たせしましたっ」
トーラが荷馬車から戻って来て、伐採を手伝い始める。
「大人しく乗ってるか?」
「草をあげたら大人しく乗っててくれましたよ」
トーラの答えに、やはりと感じた、だわ。草さえあれば大人しいという事は、家畜化も容易だろう。
(サンプルに草も少し摘んで帰るか……)
「あ、こっちゴリゴリの方やん」
サイラスはうっかり伐りまくっている間に伐ったゴリゴリの木も密かに回収していた。
「そういや、ゴリゴリは原産地どことか分かる?」
「えーっと……ゴリゴリの木は元からこの森にあった種類みたいね。冬の湿気に適してるみたい」
エデルは《植物共感》の結果、スパスパの木については原産地をジェラルダに伝えるべきだろうなと思いながらレターセットにメモしていた。
●ワタウサギ家畜化計画に向けて
「マジカルポケットに入りきらないなぁ、想定済みだけど」
サイラスは入りきらなかった分をエデルとトーラの荷馬車に詰める。綿は潰さないよう、革と木材は湿気に気を付けて日陰にならないようテキパキと詰めていった。
「ムームー、よろしくね?」
「ムー!」
ミニビヒモーのムームーと共に、生きたワタウサギと木材を乗せた荷馬車を動かし始めるトーラ。
「一応、足は縛っておくぞ」
ワタウサギが餌の草が無くなって脱走するとも限らないので、ロープでワタウサギの足を縛るだわ。
「さぁ、出発しましょう」
エデルの声で出発した一行。
そしてローズベルト商会まで戻って来ると、ジェラルダが店先で待っていた。
「良かった、無事に採取して来れたみたいね。……生きてる仔、持ち帰ってない?」
「ああ、それについてだが、羊のように家畜化を検討してみてはどうだ」
だわが手帳のページを1枚切り取り、ジェラルダへと差し出す。
「生息環境のメモだ、参考までに」
「ふむふむ……? 草を食べさせればいいのね、お手軽じゃない」
「それと、スパスパの木についてだけど……恐らく原産地が辺境都市群の方だと思われるわ」
エデルの考察を聞くと、頷くジェラルダ。
「そういえば50年以上前はあんなに木が無かったのよね、あの辺り。合点がいくわ、婆やに詳細を調べてもらいましょう」
「あぁ、それについては今現在シャルガネの知り合いに宛てて手紙を執筆中ですよジェラルダ様」
婆やの行動が早すぎる事は慣れっこと言いたげのように、ジェラルダは会話を続ける。
「ワニ革も傷はほとんどなし。綿も上質ね。ありがとう、何かあったらまた頼むわね! ……婆やの手紙の返事次第じゃシャルガネに行くかもしれないわよ」
こうして、商品開発は一歩、また一歩と進むのであった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:多い4 / 4〜6人
2022年03月09日 12時29分38秒 公開
相談掲示板
ウォーリアだ。だわと呼んでもらえれば。 依頼の採取対象はこの3種類か。 ・ワニ革 ・ウサギの毛 ・切れ味の良い木材 大量討伐用に、薙ぎ払いや殺界など範囲攻撃を持ち込む予定だ。 攻撃方法によっては皮革がズタズタになったりウサギの毛が燃えてしまったりするかもしれない。そこは要検討だな。 ウサギが狩れたら皮を剥いで肉をワニ用囮に使うとかも考えている。 ああ……ウサギの素材で求められているのは「毛皮」ではなく「毛」だから、羊のように殺さず毛刈りをするというのも一つの手か。 ……商品素材として家畜化の提案もありか? ウサギの方は魔獣とは書かれていないからただの獣のようだしな。
ヒーラーのエデルよ、よろしくね。 荷馬車と黒汗馬を所持しているから、何らかの形で使ってみようかなと思うわ。まあ、道中の荷運びの一助くらいが妥当かしら。 ワタウサギ、確かに家畜化できれば商会側は今後の手間が少し省けるのよね。現場で生息環境を鑑みてから提案してみても良いんじゃないかしら?荷馬車に何匹か積んで、あっちで判断して貰うのも有りね。 ワタウサギの毛は少々汚れても大丈夫だとは思うけれど(商品に加工する際洗浄するでしょうし)、ワニ魔獣に関しては確かに気を遣った方が良いかもしれないわ。 木材はワニ魔獣とワタウサギの確保が終わったら、といった感じかしら?
シーフのとーらです。 よろしくお願いします! なるほど。ワタウサギを捕まえて飼育するのは良さそうですね。 荷物運びはわたしもミニビヒモーと馬車があるので、捕獲したワタウサギの運搬にも使えますよ。 マジカルポケットもありますけど、馬車が二台あるなら十分でしょうし、動物交感や園芸などのスキルを優先した方が良さそうですね。 後はあと一人来て貰えれば成立なんですけど…。
No.4
サイラスだ、とりあえず来たけども。 とりあえず仕留めたら肉餌に使うの賛成かなと。後は点の攻撃にしたほうがいいのかな?突きとか 汎用は一通りあるし他の人見て考えるかなと。
無事成立人数になったわね。よかった。 ふむ…………こういうのはどうかしら? ・ワタウサギを適度に狩り、剥ぎ次第肉餌に(効率が良さそうだから) ・ワニ魔獣はその次 ・ワタウサギ家畜化提案はするにしても、今回はワタウサギのお持ち帰りはしない(よく考えたら、いきなり持ち帰っても相手は困るだろうし)
ん。エデルの提案してくれた流れに賛成だ。 家畜化の提案を視野に入れて生息環境のメモはしていこうと思うが、牧畜などの見識の助力があれば助かる。素材入手用の園芸などを優先した上で枠が余ったら程度で良いかと。 汎用は、解体・剥ぎ取り用のサバイバル知識と……もう1枠は考え中だ。ワタウサギやワニを探す用の超聴覚か、消去法でダメ押しの狩猟か。
明日はメンテナンスがあるらしいから、今のうちにざっとした流れの案の詳しい方と。あと私の戦闘時などの動きを書いておくわね。 変えたい、もしくはおかしな場所があれば言って欲しいわ。直すから……。 >基本行動 ①現地でまずワタウサギを狩り、毛皮を剥ぐ。肉部分も捌いておく。可能なら狩りながらワタウサギの生育環境などを覚えておく。 ②ワニ魔獣を狩る。その際は①で作ったワタウサギ肉を餌におびき寄せる。適度に倒したら革を剥ぐ。 ③スパスパの木を伐採。その時、良質な木の生育環境なども覚えておく。 ⑤全てをこちらで用意した荷馬車二台に乗せ、商会へ戻る。 >戦闘 初手でヴァロー。その次に輝刃2。 その後は適時武器を持ち替えて魔弾とヒールを飛ばすわ。 輝刃2、付与して欲しい方はいるかしら?居なければ外すわ。 >スパスパの木 私の方で〈伐採〉と〈植物共感〉をセットして、良質なスパスパの木を採れるように意識してみるわ。ついでに、木の育成環境も見ておこうかしら。〈レターセット〉を使ってメモをしておくつもりよ。
エデルさんまとめありがとうございます。 ワタウサギですけど、やっぱり飼育用に何羽か捕まえていきませんか? 必要ないなら毛を取って肉にすればあまり迷惑にもならないかと思うんですけどどうでしょう?
他の方の同意が得られれば、私は問題ないわ。 ただ、その場合は荷馬車に積む戦利品を分けておいた方が良いわね。流石に、仲間の毛皮や天敵の匂いのする革と同乗したらストレス酷そうだもの。だから、数羽持ち帰る場合はスパスパの木を乗せる方に乗せてあげましょう。
No.10
まとめありがとうなー。 捕獲に関してはどちらでも?要らないと言われた場合解体場所考える必要はあると思うが。 とりあえずマジカルポケット持ち込むわ。袋とかに入れてまとめればしまえるしダウンしなければ持ち帰りに何かあっても損耗減るやろ。後捕獲したい人居るみたいだし、そうなれば檻とか必要になりそうだしね。 あとは牧畜知識にしとくかなと誰ももたんなら
まとめ助かる。 輝刃はあればありがたいものだが、1人ずつ順に掛けるしかないのがネックか。外して代わりに攻撃スキルなどを持ち込んでもらってもいいと思う。 ワタウサギの捕獲も構わない。 母蜘蛛糸のロープあたり持ち込んでおくか。ワタウサギを捕まえるなり、運搬のために原木を縛るなり使えるだろう。
>輝刃について 外して、魔弾を2つセットしておくわ。 >提案 じゃあ、飼育用ワタウサギの捕獲はスパスパの木伐採の後はどうかしら? あまり長い間拘束すると、弱ってしまいそうだし。
ありがとうございます。 では飼育用は最後に捕まえて、わたしの馬車で運びますね。 ワニとの戦闘に関しては、餌につられた所をタナトスバイトで攻撃してみましょうか。うまく行けば皮の傷を最小限に倒せるかもしれません。 汎用スキルは隠蔽とサバイバル知識を持っていきますね。