【想石】迷宮鼠は宝石が欲しい

おおくまねこ

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シナリオID:1949

オープニング

●
「ありがとう、迷宮鼠さん」
「礼はいい。ここから地上に出られる。もう落ちて来るなよ」
 その日、レベッカは偶発的な事故で地下へと落下してきた人間を地上に送り届けていた。同様の事件は今週に入って3件目。どうやら、『宝石化の魔物』とかいう新種の魔物が出現した影響らしい。なんでも、それらの魔物は人間の『想い』を宝石に変える力を持っており、地上ではそれにちなみ、恋人同士で想いの籠った宝石を贈り合うことが流行っているようだ。

「想いの宝石か……」
 いつもの狩場に出た魔獣を打倒したレベッカは、戦利品の宝石をいじりながら、ぽつりと呟いた。レベッカは迷宮鼠だ。それも迷宮鼠の両親から生まれた筋金入りの。地上の文明は地下で生きるレベッカにとってはあまりに眩しく、自分にはあまり関わりのないものだと思っていた。つい最近までは。

「シモンもやりたいのかな、宝石の交換……」
 だが、今のレベッカにはシモンという名の交際相手がいる。地上の人間、しかも貴族である。地上の文明に疎いレベッカでも、シモンが相当な社会的地位を持つ一族の生まれであることぐらいは分かる。前に一度だけシモンに連れられ、家の前まで行ったことがあるが、そこは探索者ギルドより大きな建物だった。そんなシモンと人生を共に歩むのなら、いつまでも地上の文明に疎い迷宮鼠ではきっといけないのだろう。

「よし、私もちょっとシモンに渡してみるか、宝石」
 どうせならデカい奴がいいな。レベッカは適当な枝葉ダンジョンがないか、探求者ギルドに聞いてみることにした……。

 そして数日後、エドゥノーグの冒険者ギルドにレベッカからの(下手くそな文字で書かれた)依頼が貼り出された。

「腕試しの為、上層ボス『宝石大樹(ジュエル・ユグドラシル)』と戦いたい。同行者求む」

解説

●登場NPC 上層ボス『ジュエル・ユグドラシル』 チョコレートで出来た樹木型の魔獣です。 触れた人間の記憶を奪い、果実のような形の宝石へと変えてストックする能力を持ちます。授恵者の場合はエーテルと同じ色の宝石になるようです。また、宝石のサイズは年齢に比例します。 授恵者は宝石化に耐性がある為、記憶は奪われませんが宝石は実ります。自分の宝石は撃破後に持ち帰ることが可能です。また倒されると死体が残り、丸ごとチョコレートとして食べられます。100kgは優にあるでしょう。 木なので移動はできませんが、フロア全体を覆う超広範囲の『捜波』を飛ばして侵入者を探知し、壁を貫通するエーテルの触手で攻撃を行います。 1ターンの攻撃回数:5回(1回で狙えるのは1人、射程はフロア全域) レベッカ(15) シーフ エドゥノーグ地下迷宮在住の迷宮鼠です。シモンという名の恋人がいます。自分の(なるべくでかい)『想いの宝石』を作る為にボスに挑むのですが、依頼ではそれを隠し、『腕試しの為に宝石化の魔物に挑む』ということにしています。 探索者鉄級の資格を持っている為、推薦が可能です。 MAP 天井の高さは2メートルで、壁があるへクスは天井まで壁で区切られています。 ★ボス 1マス1へクス S……入口 壁の耐久(1枚ごと):HP500、物理・魔法防御150  壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁 壁               壁 壁  壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁  壁 壁★ 壁          壁 壁 壁壁壁壁壁 壁壁壁壁壁壁壁 壁 壁 壁壁壁壁壁     壁壁壁 壁 壁 壁壁壁壁壁壁壁壁壁 壁壁壁 壁 壁 壁       壁 壁壁壁 壁 壁 壁 壁壁壁壁壁 壁 壁壁壁 壁 壁 壁 壁壁壁壁壁 壁 壁壁壁 壁 壁 壁 壁壁壁壁壁 壁 壁壁壁 壁 壁 壁 壁壁壁壁壁   壁壁壁   壁 壁S壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁 ●称号について シナリオ参加者が鉄級探索者記章を欲しい場合、プレイング冒頭に【鉄希望】と記載してください。推薦者について希望がある場合は次の行に推薦者名を記載してください。また、推薦者はプレイング冒頭に【(PC名)推薦同意】と記載してください。レベッカを希望しても構いません。推薦者名(長い場合は略称)が称号付与理由に記載されます。推薦者と希望者両方の同意が確認できない場合やシナリオが失敗した場合、上層ボスに対して力不足な場合は付与されません。

マスターより

こんにちは。おおくまねこです。連動特設ページにレベッカを出してもらったので、久々に彼女の登場シナリオをば。上層ボス攻略戦でもありますので、鉄級探索者記章の称号を得るチャンスがあります。十分な実力があればレベッカ(または推薦に同意するPC)が推薦できますので、ご希望の場合はその旨をプレイングにご記載下さい。 なお、探索者記章の配布レギュレーションはかなり厳格で、MSの裁量で気を利かせられるものでもないので、ご希望の場合はレギュレーションの熟読をお願いいたします! 果たしてレベッカの想いは地上に届くのか。ご興味がありましたらよろしくお願いいたします。 宝石の色について補足 ・想いの宝石の色=エーテルの色なので、リプレイに反映させたい場合はご自身のエーテルの色をプレイングに記載するか、エーテルの色が確認できるオリジナルアイテムやスキルを装備して下さい。

リプレイ

●再会
「一年ぶりですね、レベッカさん。お元気そうで何よりです」
「うん、久しぶりだ。今回もよろしく」
 ユークリア・フィナンシェが挨拶すると、レベッカはこくりと頷いた。
「特にシモンさんと今も仲が良いみたいで本当に良かったです」
「な、なんでそれが分かるんだ? 依頼には上層ボスの討伐としか書いてないはず……」
 ユークリアが微笑むと、レベッカは赤くなって狼狽した。

(そりゃ、分かりますよ。シモンさんにあげる宝石を取るために依頼を出したんでしょう? バレバレです)
 エルナ・クルプファルツはあえて口を挟まず、微笑みながら二人を見守っていた。彼女もレベッカがラブレターを受け取った際に居合わせた冒険者なのだ。エルナはこっそりレベッカが大きい宝石を手に入れられるように支援する所存である。

「あれからエルナさんも成長し、立派な魔法少女(?)に……」
「そうなのか。魔法少女というのはよく分からないが、魔法攻撃には期待している」
「ええ、ご期待下さい。……あれからもう一年も経つんですね。可愛いユックリームの事も思い出しますね……」
「……ああ、あの生首の魔獣か……たまに見かけるぞ、迷宮で」
「本当ですか!? 捕まえたら教えてください!」
「わ、わかった。難しいとは思うけど」
 レベッカがユークリアの圧にたじろいでいると、話題の魔獣に興味を持ったのかレタラ・スマリが口を挟んだ。
「なんだ? ユックリームとは」
「人の顔の、お饅頭のような姿の魔獣です。私やレベッカさんそっくりの個体もいて、たくさん並んで出てきたんですよ」
「かわ……いいのか?」
 処刑場のような光景を想像し、レタラは訝しんだ。

●触手の洗礼
「ここが上層ボスのフロアのはずだ。ここからは慎重に頼む」
 先頭にいたレベッカに言われるまでもなく、冒険者達は自然とソレを感じていた。
 いきなり、迷宮の雰囲気が変わった。そこいら中に隠れている怪物達に睨み付けられているような――そんな気さえする。このフロアは通路が狭く、いかにも迷宮といった佇まいだ。

「レベッカさん、後ろに――」
 エルナ・クルプファルツが警告を発しようとしたその時だった。

 ビュビュビュビュッ! いきなり前方の壁を貫通して枝や根のようなこげ茶色の触手が出現し、冒険者へと襲い掛かった! 狙われたのは江流、レベッカ、エルナ、フリーダ、レタラの五人だ。

「あいたっ!」
「ぐっ!」
「がっ!」
 フリーダ=ブロムヴィスト、レタラ、レベッカの三人は触手に打ち据えられた。レベッカとレタラは少なくないダメージを受けたが、フリーダはまだ余力がありそうだ。とはいえ、五人分の触手をまとめて喰らえば数秒で撃沈しかねないので、決して舐めてかかれる相手ではないが。

「これ、物理じゃなくて魔法攻撃ですね! クソ=モンス度が倍プッシュです! 皆さん、気を付けて下さい!」
 フリーダは松明を放り出し、大剣を構えながら叫ぶ。なお、フリーダがたまに受け取る啓示では『何処にいるかわからない上に全フロア攻撃範囲というクソ=モンスです。今回はRTA(あーるてぃーえー)しましょう』」というかなり具体的なアドバイスが出ていた。RTAとは一体いかなる意味なのか、フリーダには理解できなかったが……。たぶん、神代の言語か何かだろう。

「手数が多い! さっさと本体を見つけないと危ないな、こりゃ」
 海神・江流はエンライトで辺りを照らしながら、ダンジョンを駆けて行く。そして突き当りにぶつかった時、エーテルを壁に照射し、壁の厚さを測定した。

「ここは壁が厚い! 突破できなくはないが、時間がかかりそうだ!」

「クソ=モンス死すべし、ですね! 壁を破壊します!」
「作戦了解です!」
 フリーダは一瞬地面にめり込むほど深く沈んだ後、急激に加速し、江流に追いついた。ガルシアも全力疾走し、フリーダと併走して江流を追った。

「あの触手、チョコレートの匂いがしました! 甘い匂いがしたら気を付けて下さい! あと、ボスはおそらくこの壁の向こうにいます!」
 研ぎ澄まされた嗅覚とエーテルを逆探知するスキルでボスの気配を捉えたエルナは前方の壁を指差した。

「思った以上に厄介だな! 部屋の全てが射程内というのは!」
 レベッカも回避に意識を集中しつつ、江流とフリーダを全力で追った。だわ、サイラス、レタラも走る。敵の姿がまだ見えない以上、今は距離を詰めるしかない。

「レベッカさん、気を付けて!」
 ユークリアがレベッカにヒールをかけると、彼女の傷は完治した。

 ビュビュビュビュッ!
 再び壁を突き抜け、ボスの触手が唸る。今度は江流、フリーダ、ガルシア、レベッカ、だわが狙われた。江流とガルシア、そして回避に意識を集中していたレベッカは今度は触手の一撃を躱した。だわとフリーダは触手の一撃をまともに浴び、軽傷を負った。

●上層ボス、宝石大樹(ジュエル・ユグドラシル)
 それからさらに数十秒後。

「とりゃああああ!」
「えーい!」
 フリーダの大剣とユークリアの超説法(物理)が二枚目の壁をついに破壊した!

「「見えた!」」

 その瞬間、壁の向こうにいたボスの正体を冒険者達は視認する。ボスの正体は、チョコレートで出来た巨大な樹木!
 キィィィィン。
 ボスは発光し、フロア全体に眩い光が満ちた。するとボスの枝葉にごろごろと色とりどりの宝石が実り、果実のように実を付けた。授恵者達からエーテルか何かを吸収したのだろう。耐性を持つ授恵者達には特に影響は出なかったが。

「なるほど、樹木型なら座標が動かない訳だ。索敵の面ではツイてたかもな。目標が動かなかった訳だし」
 江流は感心しながら、ボスの幹へと刃を走らせた。チョコの皮を切り裂いて江流のエーテルが浸透し、ボスの触手の動きが幾分スローになった。

「クソモンス、死すべしです!」
 みょんみょんみょんみょん。
 フリーダは大剣を振り上げ、極太のビームを放った。本人は闘気を放出したつもりなのだが、フリーダのエーテルは気まぐれ(?)なのでたまに変な色や形状で出る時があるのだ。

「レベッカさん、私達の後ろに!」
 エルナはレベッカを庇いながら魔弾を放った。

「あのエーテルの触手は……俺の剣と似たような構造か。かかってこい」
 だわは興味深そうにチョコレートの木を見据えると、ボスを闘気を浴びせ、挑発してみた。

「樹木にせよチョコにせよ……燃やせるか試してみる価値はありますね」
 ガルシアは事前に食用オイルをしみ込ませたロープを木の根元に巻きつけ、松明を投げつけた!
 ボゥッ! 熱が苦手だったのか、木の根元は少しずつ溶け始めた。やはり見た目通り熱には弱いらしい。

「宝石も実ってますね! さっさと倒しちゃいましょう! どっせーい!」
 威勢のいい掛け声と共にユークリアは全力で大戦槌を木へと叩きつけた。神のご加護(物理)が炸裂し、メキメキと鈍い音がダンジョンに響いた。

「敵が避けへんのは楽やな。でも慎重に行こう」
 サイラスは混沌魔術を発動し、多頭竜をボスへと消しかけた。竜の顎がチョコレートの樹木に突き立てられ、皮(?)がごっそりと剥げ落ちた。

「チョコレートで出来た魔物……こういうのもいるんだな」
 レタラは魔弓を引き絞り、エーテルの矢を放った。矢はチョコレートの皮を貫通し、幹に突き刺さった。

 ビュビュビュビュ!
 宝石大樹は激しくは体を揺さぶると、触手を乱れ撃った。狙われたのはだわ一人だった。先ほど浴びせたシーザーロアが効いていたのだ。

(速いが、軌道は単純だ――)
 だわは防御に全神経を集中し、エーテル剣で触手の勢いを殺した。だが、五発全てを反らすことは叶わず、まともに受けた4発分のダメージと合わせて甚大なダメージを負ってしまった。もっとも、それでもまだ戦闘続行できる彼のタフネスは驚異的なのだが。

●
 だわが一身に上層ボスの攻撃を受け止めている間、冒険者達は上層ボスに集中砲火を浴びせた。だわは合計10発受けた後に撃沈してしまったので、ヒーラーのユークリアがだわを戦闘不能状態から回復させる一幕もあったが。

「たあああっ!」
 そして、さらに数十秒の戦闘の後、エルナの零距離の魔弾が上層ボスを撃ち抜いた。その一撃が致命傷だったのか。宝石大樹は根本からバキリとへし折れ、ついに活動を停止した。

●宝石会議
「一応死んだふりしてないか試してみましょう」
 ユークリアは戦槌で木をぶったたいてみた。しかし、何の反応もなく、チョコレートが砕けた。
「討伐完了だね。あの宝石が例の『想いの宝石』かな?」
 サイラスは木の頭(?)の方を指差した。そこには、色とりどりで大きさもバラバラな宝石がなっている。
「全部色と大きさが違うな。どれが欲しいんだ、レベッカ」
「そいつのエーテルと同じ色の宝石が出来ると聞いた。とりあえず全部回収しよう」
 レベッカはレタラに返答すると、上層ボスに駆け寄り、慣れた手つきで宝石をもいでいった。
 かくして、レベッカと冒険者達による想いの宝石の配分協議が始まった。

「私のが一番小さいんだが……」
 レベッカはエメラルドグリーンの宝石を手に取り、しょんぼりしていた。実は、この宝石は『犠牲者の記憶』を元に作られており、大きさは年齢に比例する。この中で最年少(14才)であるレベッカのものが一番小さいのは必然だったのである。
「それでも十分大きいと思いますよ。14カラットはありますし。ちなみに1カラットは0.2グラムだそうです」
 レベッカと同じく十代であるフリーダはレベッカの肩をポンと叩いた。フリーダの宝石はレベッカとそう変わらない大きさだった。
「そうですよ! それに、大きさが全てじゃありません。レベッカさんの想いの結晶を渡せばきっとシモンさんも喜びます! レベッカさんの瞳と同じで綺麗じゃないですか!」
「そ、そうかな……」
 エルナもフォローに入ると、レベッカは自分の宝石が気になったのか、色んな角度から凝視し始めた。

「この葡萄(ぶどう)型のはたぶんおれやな。21カラットぐらい?」
 サイラスは葡萄に似た宝石を手に取った。

「蒼いのは幾つかあるな。これが俺のかな? この……一番でかいやつ。前に別の魔物に当たった時はアイオライトが出たが、いつも同じ宝石が出るって訳でもないんだな」
「この青瑪瑙は俺のだと思う」
「この薄いのは俺だろうな。右目と同じ色だし」
 ブルー系統の宝石がドロップした江流、だわ、レタラは三人で協議し、自分の宝石を特定した。なお、だわとレタラが20才であるのに対し、何気に30代だった江流の宝石は露骨に大きかったので、ちょっぴり傷付いたようだ。宝石ではなく、彼のハートが。
 江流と同じぐらいの大きさの宝石がドロップしたエルナはニコニコと微笑んでいた。なお、宝石と年齢の因果関係について彼女が気づいているかどうかは、余人には不明である。

「私のは金色ですね! 幸せと笑顔の活気の色です」
 ユークリアは自分の宝石が気に入ったのか、ずいぶん長時間眺めていた。

●チョコ回収タイム
「……まさか丸々チョコとして食べられる敵とは、よくわからない生き物ですね」
 ガルシアは上層ボスの胴体(?)部分を見下ろし、コンコンと指で叩いていた。どうやらこのボスは木の皮の部分がスイートチョコで、内側はビターチョコになっている全身チョコの塊らしい。サイズから判断して、合計100キログラム以上は確実にあるだろう。売って良し、食べても良しのお宝上層ボスである。生態について考えると頭が痛くなるばかりだが。

「おっと、宝石だけじゃなくチョコレートもあったな。せっかくやし、山分けしようか」
「マジカルポケットに収納するなら、立方体ですかね」
 サイラスとガルシアは如何にしてマジカルポケットにギリギリ収納できるサイズに切り分けようかと、木の周囲をうろうろしていた。最終的に二人は1立方センチメートルのチョコキューブを持ち帰ることになる。何しろ、宝石大樹は1へクスを丸々埋め尽くすほどの太さを誇る大樹なのだ。

「甘いものが特段好きというわけでもないが、貰えるなら多少は貰っていきたい」
(料理研究したい。高級食材だしな)
 だわはオイルや酒、煤で汚れた部分は剣で削り落とし、自分の分を確保した。マジカルポケット無しでサイラスやガルシアのような巨大チョコを持ち運ぶのは難しかったので、常識的な分量になったが。

(あの娘に対しての実績報告に……なったりはしないかもだけど、自分の自信にしたいから鉄級、皆で取れますように)
 その頃、江流はぼんやりと今回の戦績で鉄級の資格が獲得できるかどうかについて想いを馳せていた。すると、鋼級恋バナ探索者と化したユークリアが近づいてきた。

「江流さんは恋愛の悩みとかレベッカさんと共感できるんじゃないですか? レベッカさんの恋人、貴族ですよ」
「え、マジ? いや、俺はまだ恋人がいるわけじゃないので……」
 江流がユークリアに詰め寄られ、たじろいでいると。

「贈れ贈れ、贈ってしまえ。はい、チョコレート」
 今回の件でチョコレートにまつわる風習を知ったサイラスも口を挟み、江流に余ったチョコレートを押し付けた。妙に押しが強いのは、以前飲み回で酒が入ったグラスに白濁液(インク)をぶちこまれた意趣返しなのかもしれない。

「そういえばレベッカ嬢は腕試しなんだったな。こう言うのは野暮かもしれないが、もしチョコレートを渡す相手がいるなら、材料として持ち帰るのも一興かと思うが、どうか」
 レタラは自分の原稿の供として1キロほどチョコをバックパックに仕舞いながら、レベッカに提案してみた。
「そうですね! 宝石と一緒に手作りチョコレートも一緒に渡しちゃいましょう!」
 すると、エルナとユークリアがレベッカに詰め寄ってきた。
「いや、私は! 私は直火焼きしか料理はできないから!」
「この際覚えましょうよ! 私とエルナさんも手伝いますから!」

(迷宮鼠の恋人か……あとで詳しく話を聞かねばなるまい。あと、人間の青年に強引にチョコを渡す竜人というのも使えるか……?)
 その時、レタラの目が妖しく輝いたことに気付いた者はいなかった。

 一方その頃。
「……これは、どう調理すれば……あの人好みなお菓子になるのでしょうか……こんな気持ちは戦いみたいに簡単ではなさそうですから……苦手ですね……」
 恋する乙女、ガルシアは大量のチョコレートとにらめっこしつつ、一緒に戦った青年を遠目に眺めながらチョコ料理について思案していた……。

 なお、後日レベッカの恋人シモン氏は、エメラルドグリーンの宝石と共にいびつなネズミ型チョコをレベッカに渡され、大層喜んだという。

マスターコメント

レベッカは無事に宝石を入手でき、ついでにチョコレートを作りました。結果は大成功です。おめでとうございます。最短ルート踏破の方法もうまく作戦に落とし込めていたかと思います。 鉄級の称号についても、希望者で特に力量不足の方はいなかったので、希望者全員に配布させていただきます。 またご縁がありましたらよろしくお願いいたします。
ショートシナリオ

ショートシナリオ難しい 報酬:多い8 / 4〜8人

2022年02月27日 23時13分45秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. だわ

    ウォーリアだ、だわと呼んでもらえれば。よろしく頼む。 地図を見ると迷路のように入り組んだフロアで、敵は壁を無視して攻撃してくる、と……。成程。 相談に使いそうな箇所に予めアルファベットを振っておく。A〜L、振ったところは全て壁だ。 壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁 壁               壁 壁  壁AB壁壁壁壁壁壁壁C  壁 壁★ D          E 壁 壁FG壁壁 壁壁壁壁壁壁壁 壁 壁 壁HI壁壁     壁壁壁 壁 壁 壁JK壁壁L壁壁壁 壁壁壁 壁 壁 壁       壁 壁壁壁 壁 壁 壁 壁壁壁壁壁 壁 壁壁壁 壁 壁 壁 壁壁壁壁壁 壁 壁壁壁 壁 壁 壁 壁壁壁壁壁 壁 壁壁壁 壁 壁 壁 壁壁壁壁壁   壁壁壁   壁 壁S壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁 こちらのスキルに使用回数があることを考えても、壁を壊して行くならばなるべく少ない枚数に火力を集中させるのが良さそうに思う。 LとDを壊していくなどどうだろうか。 敵の捜波対策としては隠蔽を高めるか、あとは……ジャマーが効くかどうか。

  2. 海神 江流

    シーフの海神江流だよ。今回は宜しくね。 道なりに壁を抜かないで走っていくと、数え間違えてなければ72hexの移動が必要みたいだね。 ただ、エドゥノーグのダンジョンって常に構造が変化してるって設定だったと思うから、地図に関してはPCが事前に知り得ない、PL情報だと思うんだよね。 だわさんの言うようにLとDだけ壊して迫れれば最短っぽいけど、それはPCが地図情報を正確に把握できた上での事だと思うんで、落とし込みの作業を間に入れる必要があると思う。 例えば「道なりに進んで、曲がり角あたった際に探波を使って壁の暑さが1hex以下(5m)以下の時に壁貫きを視野に入れる。」 くらいの行動指針がないと、PCが判断できる材料がなくてプレイングが空振るように思うんだ。 あと、プレイングにLとかDとか書いても伝わらないと思うんで、結果的に”LとDの壁を抜いて敵の前に出れる”ようにPCがを誘導できる思考を逆説的に作るのがいいように思うな。 取り敢えず、地形情報探るなら探波を使うのが手っ取り早いと思うんで、これは用意しておくね。 直径3hexの地形情報が探れるんで、先に触れた壁の厚さの測定はこれで出来るはずだ。 エドゥノーグに通用するかは怪しいところだけど、迷路には左手の法則ってのがあるから、左壁に沿って進んで、右折しなければ進めない所で探波を使って、左手の壁が薄ければ壁を抜く。ってするのはどうかな。 これなら探波3回、壁貫き2回で敵までたどり着けると思うんだけど。 捜波は精神感応系スキルではなかったと思うので、ジャマーは効かなそうに思うかな。

  3. ユークリア・フィナンシェ

    こんばんは、とりあえずご挨拶までに…… ヒーラーのユークリアです、よろしくお願いします。 とりあえず攻撃集中から壁をスキル(二回使用可能)で一撃で壊せる様にしたのですが、副武器の盾を装備すると何故か防御が上がらない謎に悩んでます。 シナリオについての内容についてはまたご連絡致します。

  4. エルナ・クルプファルツ

    エルヴンシューターのエルナです! 皆さまよろしくおねがいしますね! 地図情報がPL情報であるとなると、敵さんのいる位置も分かっていない可能性がある感じになるでしょうか! もしそうでしたら、私は感波を持っていきましょう! 感波があれば敵さんが捜波を使った段階で、どの方角にいるのかが分かります! 敵さんが移動しないのは既知の情報でしょうから、二箇所で捜波を受けることで三角関数を使って距離も求められそうです! あとは「確定した敵位置へ向かう最短ルートになる様に、探波で見分けた薄い壁を破壊して移動する」 とすることで、だわさん提案のL、Dを破壊していくルートになるかなと思います! >ユークリアさん 盾はステシに数字が反映されない仕様のはずです! 実際の判定の時は、盾の数字を加えたもので判定されるそうなので大丈夫ですよ!

  5. レタラ・スマリ

    シューターのレタラだ。宜しく頼む。 冒険者になったばかりで正直ひよっこもいいところだが……今出来る範囲で可能な限り力を尽くす所存だ。 スキルを把握しきれておらず、何か間違ったことを言うかもしれない。その時はどうか指摘して貰えると助かる。 エルナ嬢が感波で対処するなら、オレは探知した方へ捜波を使えばより盤石だろうか? 薄い壁を破壊していくのは承知した。マッピングは必要だろうか。

  6. だわ

    地図の事前入手は現実的でないのだったな。 壁破壊はユークリアに任せて、こちらは敵本体を削る方に注力しようと思う。 破鎧砕も持ち込んで本体に入れるつもりだ。 俺は超聴覚あたり持ち込んで、敵の攻撃の予兆を音から予測できるかやってみる。併せて、物音が聞こえてくる方向から敵の位置特定の補助も狙えれば。 もう1枠の汎用は考え中だが、罠対策の看破か、色々と有用な戦術眼あたりかな……。 > レタラ 問題ないと思う。よろしく頼む。 俺の近く(隣接ヘクスまで)にいてもらえればできる範囲でカバーする。 > 皆 ボスの攻撃射程はフロア全域とのことだが、離れれば敵からの命中精度が下がる可能性はあると思う。 ただ支援スキルの範囲を考えると直径3hex程に集まっておいた方がいいだろうか? 意見あれば聞かせてほしい。

  7. ユークリア・フィナンシェ

    >エルナさん そうだったのですか! 謎は解けていきました、有難うございます。 えぇ、壁破壊とヴァローでの補助はお任せ下さいー。 エルナさんの言う、探知スキルを使いながらの 「確定した敵位置へ向かう最短ルートになる様に、探波で見分けた薄い壁を破壊して移動する」 で皆さんの示した理想コースをいけそうなので賛成です。 さんかくかんすう……あたまがいい! やはり初手は範囲補助からの行動で、その後も固まって移動するのが安定でしょうか 攻撃を受けた人にヒール集中していきながら進むのが安心かもしれません

  8. 海神 江流

    壁の破壊はユークリアさんがメインになってくれる。 エルナさんが感波で標的の大まかな方角を教えてくれるなら、壁貫きしていく判断の指標にできるから、理想のラインに近い形で進んでいけそうだね。 汎用スキルなんだけれど、今回って視界対策はなくて大丈夫なのかな。 光が入らないのだとしたら光源になるエンライトや暗視、松明の用意があった方がいいのかも知れない? と、少し気になったので、俺の方でなにか持っていこうと思う。 INIの値や移動を見ると皆より先行する形になりそうに思うんで、エンライトにしておけば、皆からの目印に出来るかな? この辺は意見貰えると助かるかな。 レタラさんの捜波なんだけど、確か探波と同じで効果範囲が直径3hexだったと思うんで、地図情報からの逆読みをすると、壁越しに使った場合は1hex足りず捜波の範囲にかからないように見えるのがちょっと心配してるとこ。 壁を抜いて進路が開けたところで左右の死角を確認するように使う感じにしたら、結果的に足りない1hexを補えるように思うんで、壁貫きした後に使ってもらえたら手厚いように思う。

  9. だわ

    ボスの元へ辿り着く方法はだいぶ形になったな。ありがたい。 江流の先行エンライトはあればかなり助かると思う。 天井の低さからもフロアはだいぶ暗そうに思えるし、俺はランタンを持っていこうと思っていた。持ち物に余裕があれば複数持ち込んで、持っていない者に渡すなども考えているが、ユークリアが言ってくれたように固まって行動するとした場合はむしろ持て余すか。

  10. 海神 江流

    っと、ごめんね。 捜波は範囲が直径3hexだけど射程が20あったんだった。 探波は自分を中心に3hexにしか出来ないんで混同してしまってたみたいだ。 って訳で先の捜波の話はお詫びして訂正するね。お騒がせしました。

  11. レタラ・スマリ

    ヒーラーであるユークリア嬢から支援を受ける意味でも、道中は固まって動く方が安全なように思う。 >だわ氏 申し出有り難い。シューターである以上はボスとは距離を取って戦うことになると思うが、いざと言うときは頼りにさせて貰う。 >江流氏 構わない。なるほど、探波と捜波では射程が異なるのだな。勉強になる。 射程面で問題無いことは分かったが、壁抜き後にも使用出来るようにとは思う。その方が正確な位置がより分かり易い気もするからな。 先行エンライトは有り難い。

  12. エルナ・クルプファルツ

    >ユークリアさん ヴァロー!ありがとうございます!頼りにさせて頂きますね! そしてユークリアさんパワー!壁破壊はお任せですね! 敵さんは常にこちらの位置を把握しているような状態になるでしょうから、先行される方以外は固まって動くほうが良さそうですね! 協力して集中ヒールも大事ですね!私もヒールを持っていきますね! >えるさん 先行エンライトはありありだと思います! 感波、探波、捜波の三連波でぐんぐん進んでいきましょう! >だわさん 光源ありがとうございます! 私も夜煌石は持っていこうかなと! 敵さんの攻撃の命中精度は距離があるほど下がりそうですね! 逆説的に精度が高くなるほど、敵さんに近づいていると推測できそうです! 汎用は超嗅覚を持っていこうかなと思っています! 敵さんはチョコレートで出来ているとのことなので、匂いで攻撃を見分けられそうかなと!

  13. ガルシア

    遅くなってしまい申し訳ありません ガルシアと申します。以後お見知りおきを 私はウォーリアではありますが火力型なので捜波も防衛も不得手ですので壁破壊のお手伝いに回りますね

  14. フリーダ=ブロムヴィスト

    ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 それでは私も壁破壊のお手伝いに回ろうかと思います。 ユークリア様で1枚、ガルシア様と私で1枚という形にできれば、 1ターンで2枚は壊せるかと思います。 念の為、こちらも1回限りですが特性スキルで1ターン撃破できる様に準備しておきます。

  15. No.15

    サイラスだ,空いてたので遅参 杖使って遠距離術兼カバーに回るつもり。剣使って攻撃集中して鋭撃かけて一手一枚壁抜くつもりだったけど後ろ方面のカバーがないみたいだし、カバリングとヒールでフォローをと 後は無難に殴る奴とか汎用に一応ポケット、ランタンとか一応迷った時用に閃光塗料やら持ち込むかと

  16. レベッカ

    今日の12時出発だな。みんなよろしく頼む。

  17. ガルシア

    作戦というわけではないのですが 有効かどうかもわかりませんが樹木にせよチョコにせよ、熱してみるのが良さそうなのかもしれないので オイルを染み込ませたロープを出来るだけボスの根本に巻き付け、タイマツで炙り発火させ弱体化…と言うか嫌がらせ程度にでも効果あればと思ったのでやってみます

  18. だわ

    チョコレート(高級食材)ということで火での攻撃をすべきか見送るか迷っていたが…… > ガルシア そういうことなら、俺も油代わりに蒸留酒を投げてみよう。 酒の味は分からんが、とにかく度数の高いやつならよく燃えるだろう。 着火は任せる。 > 皆 そろそろ出発だな。現地ではよろしく頼む。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0