【学転】祝勝会は鶏肉で

馬車猪

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シナリオID:1927

オープニング

●
「すみません、うちでは無理です」
 4軒目のお断りであった。
 食堂責任者が心から頭を下げているので食い下がる気にもなれない。
「参ったな……」
 冒険者にして正規の学園生であるナキルは店を出て肩を落とした。
 昨年の12月、ナキルを含む8人がパンクリアース学園編入試験に挑んだ。
 未だ貴族や豪商の「推薦状」が必要な時期の試験であり、ナキルは「推薦状」を手に入れはしたもののただでさえ難しい編入試験を必要な点数が上がった状態で受ける羽目になった。
 そこまではまだよかった。
 8人がかりの猛勉強とそれまでの積み重ねで誰一人欠けることなく難関を突破した。
 その後は冒険者として活動しながら学園生としての生活も送り、相変わらず忙しくはあるがようやく慣れて来た。
 皆も同じなのだろう。
 そろそろ8人全員で集まって、合格祝いと近況報告を兼ねた雑談会でもしようという話になった。
 問題はそこからだ。
「参ったぜ」
 幹事のナキルは途方にくれている。
 学園には校舎のある大食堂だけでなく、訓練場の近くにも小食堂が複数ある。
 食べ物を持ち込める場所もあるので、会場確保は簡単だと思っていたのに現状はこう(苦戦中)だ。
「非ヒューマンってだけでこうなるのかよ」
 怒りとも失望ともつかないものが、徐々に腹にたまっていく気がする。
「いらっしゃーい! うちのニワトリフライはうまいよー!」
 脳天気な呼び込みの声と、揚げたての鶏肉の香りがどこかから漂ってきていた。

●
「失礼しました。依頼の説明を……っと、あれ?」
 冒険者ギルドで見たことのある顔が慌てて(勘違いして)立ち上がり、ナキルの服装(主に眼鏡)を見て納得顔になる。
「合格おめでとうございます」
「アンタには去年も言われた気がするぜ」
「合格しても全てうまくいく保証はないですから」
 ギルド職員は席に座り直し、バイト中の学園生を呼び止める。
「運動部ランチ肉マシマシ1つお願いします。……私からのお祝いです。賄賂をもらったとギルドへ報告しないでくださいね」
「しねーよ!」
 ナキルは苦笑して席についた。
 ヒューマン基準では小柄なナキルなのに丁度よい具合の椅子がある。
 店を見回すとそこそこ盛況で、内装も豪華ではないが清潔だ。
 デートに使うには苦しく、仲間で飲んだり食べたりするのに丁度よい店かもしれない。
「どうぞ! 今朝リーラントから届いた鶏肉を使ってるのですごく美味しいですよ!」
 パン。肉肉肉野菜。パン。
 重ねれば非常に分厚いサンドイッチになる。
「ありがとよ!」
 ナキルは早速重ねてかぶりついた。
 パンは普通。
 鶏肉フライも料理が得意な冒険者の料理と比べると作りが甘く、しかしメニューに載っている料金を考えれば量も味も素晴らしい。
「学園生活はどうですか」
「予想通りでもあり予想外でもありだな」
 外様(聴講生)として学園に通っていたときにはそれほど感じなかったが、身内(学園生)として通うと身分や種族による区別(ほぼ差別)を強く感じるようになった。
 席の予約を断られたのもその一部でしかない。
「ここはセニャ先輩の店(食堂)なんだろ? リザードマン用のでっかい椅子もハーフリング用の椅子もあるし、他の貴族連中も見習って欲しいぜ」
 ナキルのぼやきに、ギルド職員は曖昧な表情になる。
 学園生になってから日の浅いナキルが気付かないのも無理はない。
 セニャ(セニアーラ)は貴族とヒューマンが偉いと確信している。
 だからそれ以外を侮辱しないし期待もしない。
 例外は、冒険者のようにめざましい実績や能力を示した者だけだ。
「なあ、ここで席の予約できるか?」
「午後……夕飯の前の時間なら空いてます。何名様です?」
 ナキルとバイトの会話を眺めながら、職員は気付かれないようため息をついていた。

解説

 合格おめでとうございます  8名様のための依頼です ●目的  たのしむこと ●場所  パンクリアース学園にある小食堂の1つ  リーラント領から安価かつ高速で鶏肉が供給されるので、鶏肉を使った料理や軽食が比較的安くておいしいです  しかし鶏肉以外の料理は苦手で、甘いものや良いお茶を飲みたい場合は持ち込み必須です  要望すれば食堂の厨房を借りることもできます ●時間と状況  午後2時から午後4時です  貸し切りではないので、お金に余裕のない学園生が講義の合間に食堂を訪れ普通に注文して食べていることもあります ●セニャ  砂漠と学園の往復で疲れています  参加者が呼べば食堂の視察のついでに顔を出します。基本的に短時間で立ち去ります

マスターより

 リクエストありがとうございます!

リプレイ

●
「お腹が空いて堪らないよ~」
 エルシー・サリバンは昼食抜きで来た。
 店内は新鮮な脂のにおいが漂っていて、若く健康な胃腸を強烈に刺激する。
 エルシーは素早く品書き(メニュー)を見て大量に(絶対に食べきれる量を)注文した。
(ただの客として扱われているだけなんだけど、それが優しい対応に感じられるんだよね)
 学園生とは違い、店員達にはエルシー(ハーフビースト)に対する悪感情もない。
「厨房を予約したエルシーです」
 髪を清潔な布でまとめ、同じく清潔なエプロンを服の上から来た上で話しかける。
 店員はエルシーの獣耳ではなく汚れがないかどうかを念入りに確認してから、こちらへどうぞと厨房へ誘った。
「色々あったみたいですが、席が確保できてよかったです。ナキルさん、ありがとうございます」
 ミア=リゼルが丁寧に礼を言う。
「礼は受け取っとおくぜ。でもどっちかって言うと……」
「なるほど、ここはセニャさんのお店なんですね。あっ、先輩ってお呼びしても良いのでしょうか……?」
 ナキルとミアの視線が、入り口で立ち止まり気配を消そうとしているセニャ(ヒューマン)に向いた。
「内輪の集まりを邪魔するつもりは……」
 ナキルが適度な強引さでセニャを連れ込み隣の席に座らせる。
 ミアがじっとセニャを見つめると、構わないわという少し疲れた言葉が返ってきた。
「卒業までお世話に成ります」
 この食堂を徹底して使い倒す気なエルシーが厨房から戻ってくる。
 盆の上には香り高い百合茶が9人分(セニャの分も)載っている。
「セニャさんもどうぞ」
「……ありがとう」
 抵抗するのを諦めて素直に受け取る。
 貴族子女の茶会とは勝手が違うので、表情は堂々としていても所作に戸惑いがあった。
「ごめんなさい遅れました(んんんふぁひゃいほんえふぁひた)」
 何故かパンを咥えたシャロン・ラ・モリエールが店(食堂)に飛び込んでくる。
「毎日のことだからみんな略式にしているのでしょうね。でも私は最初の一月くらいは正式な作法を貫いてみようかと思います」
 綺麗にパンを平らげそんなことを言うシャロンの前で、セニャが激しく瞬きして混乱中だ。
「今流行ののお話ですか。私も読んでいますよ」
 若い店員が配膳中に話しかけて先輩ににらまれる。
 パンを咥えて時間ギリギリに駆け込み登校する小説が一部ではやり、シャロンや一部の人間がそれが伝統文化だと思い込んでしまっていた。

●
「頂きますー!」
 エルシーの合図で宴(お茶会)が始まった。
 種族もうまれも異なる冒険者(新入学園生)が、香り高いお茶やたっぷりの肉料理で舌を満足させる。
 講義や冒険や日常で顔をあわせている者の間ですら、少しの時間では話しきれない話題がある。
 セニャは、顔には出さずに所在なさそうにしていた。
「旨い!」
 ヴェイグ=ベーリングが特大匙で掬った料理を嚥下し歓声をあげた。
 日常では使わない大きさの器に、表面はもちろん断面まで彩り豊かな鶏肉料理がある。
「これが王国貴族の料理……もっとよくわからんものだと思っておったわ!」
(貴族の宴で出たときはゆっくり食べるなんて不可能だけどね)
 セニャにも、空気を壊さないよう気を付ける程度の良識はあった。
「ナキル殿、改めて場所の準備に感謝だ! なかなか大変だったようだな」
「まあな。予約も苦労したけど」
 ナキルは自身の顔の傷を指差す。
 ヴェイグも納得して、自分自身の向こう傷をするりと撫でた。
「冒険者界隈では平気でも顔の傷はな」
 一般的な学園生にとっては戦傷など縁遠い存在だ。
 友好的に接しても威圧感を与えてしまうのだろうと、ナキルは分析している。
「ナキル様、まずは私達の祝勝会の場所確保、ならびに幹事の任、お疲れ様でした」
 ヴァレリア・ブランシェ・ウィザースプーンは丁寧に礼を言う。
 食べながらにしよう、とナキルに勧められて食べ始める。
「此度の試験で合格した面子を見るに、ヒューマンは私を含めても2名程度で、後は軒並み異種族……。この辺りでヒューマンと異種族の共存のモデルケースを示す事も、学園長や学園派に恩を売る事になりそうですね」
 セニャは気付いていないふりをしている。
 ヴァレリアは楽しい席でテーブルマナーの講義をする気はないが、フォークやナイフやスプーンの扱い方を分かり易く示すことで知識習得の助力はする。
「慣れれば面倒もありませんよ?」
 実家が属する派閥は違ってもセニャと同じく伯爵家子女なので、非常に良い見本であった。

●
「生でもいけるかもな肉を使わせてもらったよ」
 ルベア・ベルニが大皿を2つ運んで来る。
 醤油で揉んで味付けした肉を使ったチキンソテーに、食用オイルを使ったサラダも添えている。
 それとは別に、切断したレモンが山盛りの皿も運んでいる。
「これはシャルガネの?」
「そう」
 セニャに問われたルベアの態度は一見そっけなく、しかし良く見れば得意気だ。
 良くも悪くも保守的なセニャが一口食べて目を見張ったのを見て、フードの下の狐耳が元気に動いた。
(そろそろね)
 セニャがフォークを置い(立ち去るつもりになっ)たのをミアは見逃さない。
「ふふ、先日作ったレモンクリームチーズテリーヌを持ってきたんです! これで皆さんにレモンを好きになってもらえたら!」
 とても甘く、かなり重い。
 しかし甘いものは別腹(とても美味)なのだ。
 セニャは、自身につく脂肪(激しい戦闘で消費可)ではなく、胃腸の疲労を考えて手を伸ばすかどうか迷う。
「鶏肉が多い……つまり唐揚げも……!」
 物憂げで華奢なお洒落さんであるミアが、姿も表情も変えないまま迫力のある眼光になる。
(これは……レモンそのものを布教することにします。揚げたての唐揚げを小さなお皿に取り分けてレモンを絞って皆さんにお薦めするのです……!)
 最初の標的は、今まさに唐揚げを食べようとするヴェイグだ。
「あっヴェイグさん!」
「唐揚げにはレモンが良いのか。ふむ、では試してみよう」
 自分の分のソテーは既に堪能したヴェイグが、大きいのに中まで熱の通った唐揚げの上にレモンをのせる。
 そしてそのまま齧り付く。
 皮ごとのレモンの酸味と甘くすらある鶏の脂が口内で混じり合い、舌と鼻を強烈な味が襲う。
 食べ方は豪快でも口の中は決して見せず、よく噛んで嚥下して満面の笑みを浮かべる。
「刺激的! これは癖になりそうだな!」
 ヴェイグは新鮮な肉とレモンを心まで楽しんでいた。
「シャロンさんもぜひ、レモンがけ唐揚げをどうぞ!」
 ミアに勧められたシャロンは目の前の唐揚げと隣のレモンを見比べ、好奇心と警戒心たっぷりの子猫のように警戒中だ。
「ぁ……私のお肉には掛けないで」
 エルシーが慌てる。
 自分の肉にかかってはいなくても、セニャが使ったレモンの汁が鋭敏な知覚を刺激している。
「私は別に唐揚げにレモンをかけようが酢豚にパイナップルをかけようが拘りはありません。そうすればお肉も柔らかくなろうというのも理解は出来るつもりです」
 学友であるミアの意見と熱意を否定するつもりはないが、ヴァレリアの立場では言わざるを得ない。
「素の鶏肉と、それらをかけた後の味の違いを楽しむ事もまた興味深い事です。ですが私、ひいては他人の意志を確認せずに独断で行おうとする行為は許せないものです!」
 店の反対側のテーブルで、学園生が慌ててレモンを大皿から引っ込めて仲間に呆れられていた。

●
「全員で集まるのは試験の時以来でしょうか」
 ネーヴェ・グラヌローザは楽しげだ。
 新しい生活で様々なストレスを受けてはいても、難関試験を共に戦った同志との時間は実に良い。
「今日を楽しみにして参りましたの」
 遅めの昼食の時間であり、つまりおやつの時間でもある。
「私はチョコレートタルトを焼いて参りました。宜しければお召し上がり下さいましね」
 レモンクリームチーズテリーヌとは別方向の香りと見た目が目を楽しませる。
 セニャは、食欲を顔に出さないよう頑張る必要があった。
「その節は大変お世話になりまして、本当にありがとうございました」
 セニャが用意した紹介状は合格基準が通常より厳しくなる内容だったが、ネーヴェは感謝はしている。あの頃の編入試験は貴族の紹介状が必要だったからだ。
「あまりゆっくりする時間が無いようでしたら、持ち運び用の袋をご用意しておりますから、スイーツだけでも是非お持ち帰り下さいね」
「ええ」
 セニャは今が立ち去る好機と判断した。
「レモンケーキ、美味しゅう御座いますね。宜しければ後ほどレシピを教えて頂いても?」
 同志と話すネーヴェに軽くうなずき立ち去ろうとして、非常に盛り上がっている男女に気付いて足が止まる。
「制服はないけど学生服は大事だよな」
「うまくいってるんだ!」
 ナキルが少し照れながらそれでも本音を口にし、エルシーは同志の恋バナに盛り上がってる。
「あ、これは寝坊したんだ」
 セニャの視線を誤解し髪(モサッ)を気にする。
「時間ある朝は寮で同室のネネ(ネーヴェ)とお互いの髪を結い合ってるんだけど」
 エルシーは今を楽しく思ってはいる。
「お揃いで制服を注文、今はお届け待ちで普段着で授業を受けてるの」
 だが疲れもある。化粧で疲労を隠しているセニャよりも、ひょっとしたら深刻なほど。
「差別は時々感じるよ。溜息めいた空気もね。授恵者だから相手も強く出られないのかな?」
「私の立場では何も言えないわ」
 貴族派貴族の派閥(ヒューマン以外を蔑視)に属するセニャは、この件で頭を下げることができない。
「妨げに成らないうちは勉強に集中するつもり」
 学園内の階層から距離をとっているシャロンも、同じつもりのようだった。
「エル(エルシー)と寮生活を送っております。元々共同生活を送っていて勝手知ったる仲ですから、概ね以前と同じような感覚で過ごせておりますけれど……寮に戻って、エルの顔を見るとホッと致しますね」
 示し合わせた訳でもないのにネーヴェとエルシーの視線が交わり、エルシーの気分も少し上向く。
「朝は強いのですが、先日二人して寝坊して遅刻しそうになった時などは可笑しかったですね。勿論全力で走りましたけれど、なぜか走る所作が優雅に見えるかどうかなど気にしてしまいまして」
 ここは学園なので貴族並みの礼を要求されることなどなく、貴族子女がそこら中にいるので所作の見本にも困らない。
「最近のエルフ礼讃の流れは正直なところ居心地が悪く……。ですが、周囲の目に囚われていては何も出来ませんから、私自身は真面目に勉学へ向き合うまでですわ」
「私はハーフビーストだから逆だよ。上の学年に成ると選択授業があるなら経済学系や礼儀作法を専攻したいけど、今よりもっときつくなるのかな……」
 エルシーが少し憂鬱そうで、貴族(ヒューマン)子女の行動を思い出したセニャは顔を引き攣らせていた。

●
「レモンはレモンだけだとすっぱいです」
 レモン推しのミアも、生のレモンの丸かじりはしないし勧めない。
「はちみつと砂糖と合わせてレモネードにしたり、こうしてケーキにしたりするとほどよい酸味が味わえますよ」
 ミアは推すものを間違えない。ヴェイグに実際に勧めたテリーヌはまさに食べ頃だ。
 ドワーフ男性らしく肉、塩、脂を好むヴェイグも旨そうと感じる。
 もっとも、肉の方が好みなので少量頂き味わうだけであった。
「お久しぶりです、セニャさん。えっと……先輩、とお呼びすべきでしょうか?」
 真っ直ぐに礼を言う。
「そもそも尊称をつけてお呼びすべきか……ええと、試験の際はありがとうございました。これからよろしくお願いします!」
「ええ。冒険者では解決し辛い面倒ごとなら私に言って頂戴」
 セニャが素直に受け取ったのは、ミアの種族ではなくミアの心根が理由だろう。
「ありがとうございます! あのっ」
 消費期限も重視したケーキを勧めると、セニャは「弟へのお土産にするわ」と言って受け取った。
「色々と知識を得たくて学園に来たけど……。正直学べば学ぶほど、次に学びたいことっていうのが増えていくのよね」
 ルベアが自然に会話に混ざる。
「分かりますルベアさん」
「政治の話とか、自分には縁が薄くてもちゃんと学ぶつもりで聞いてみるとまた違う風に聞こえたりするから不思議よね」
「そんなものよ」
 ルベアを中心に話の輪ができている。
 少し心配して見守っていたナキルが、小さく安堵の息を吐いて少しだけ冷めた揚げ物をほおばった。
「そのうち何かを本腰入れて学びたいなっていう風には思ってるけど、まだそれは絞れてない……かな」
 ルベアはちらりとセニャを見る。
 貴族やヒューマンの学園生によくある悪意や敵意はなく、しかし好意もあまり感じられない。冒険者(高位授恵者)に対する尊重のようなものがあるだけだ。
「元々ずっとフードを被っていたのはそういう視線に晒されるのが嫌だったからなんだけど。なんていうのかしらね……今更その視線の数が増えたところでっていう感じ? え、フードなし……それは、まだ、無理」
 クールに見えるルベアが落ち込むのに気付き、セニャは意外そうに何度か瞬いた。
「ミアさんとは寮の同室だから、こう……朝は起こしたり起こされたり、ね? そう言うと仲良しだなとか言われそうだけど。仲良しといえば……そっちは、どうなの?」
「そういう流れでオレに聞くのかよ!」
「私も聞きたいわ」
「容赦がなくなりやがったなセニャ先輩!」
 ナキルは女性陣から激しい尋問を受けている。
(成程、これが王国、貴族、そして学園というものか。かつての『竜喰らい』の面々に連なる系譜。民の心に残り続ける偉大な伝統か、或いは惰性と既得権益の連綿か)
 セニャを通じて王国と学園を認識し、ヴェイグは僅かの間だけ思索に耽る。
「おぉ、皆も料理が達者だな! 冒険者というのはこうも多芸なものか。俺は一芸で頑張るしかあるまいなぁ」
 地に足ついたヴェイグはは、成長はしても惑いはしない。
 楽しげに1皿1皿味わい丁寧に感想を述べていた。
(こんな穏やかな時間が、ずっと続いていくといいですね。
 ミアの願いが叶うかどうかは、誰にも分からない。

●
 皿がほとんど空になり、少し早い夕食を求めて人が集まり始める。そろそろおひらきの時間だ。
「なあ先輩、ヒューマン以外に対してどう思ってるんだ?」
「宴の席で聞くこと?」
 紫と金の瞳に責めるような光が浮かぶ。
「感情的には格下。理性では競争相手。立場(ヒューマンの貴族子女)としては優遇できない相手」
「はっきり言うんだな」
「空気を壊さないよう小声で言ったつもりよ。予想はしてたでしょう?」
「なるほどな……。オレ達への態度は冒険者だからこその、か」
 愉快な情報ではないが理解はできるし納得も一応はできる。
「でも、こう言う営業方針の店を構えてくれてたのすっげぇ助かったから、ありがとうな。セニャ先輩」
 ナキルは本心から礼を言う。そして、卒業しても営業存続希望と率直に要望する。
 セニャは呆れたような、眩しいものを見たような目をして改めて立ち上がる。
「私がいなくなっても営業は続くようにしておくわ」
 そんな声が、確かに聞こえた気がした。

マスターコメント

 学園生活、がんばってください。
ショートシナリオR

ショートシナリオR易しい 報酬:無し8 / 4〜8人

2022年03月03日 22時48分39秒 公開

成功

相談掲示板

  1. ナキル

    「何とか確保したな!! いやー、地味に苦労したモンだって、愚痴はさておき! 飲んで食うぞー! セニャは短時間らしいけど、そこは仕方ねーか。」

  2. ネーヴェ・グラヌローザ

    改めまして皆様、合格おめでとうございます。こうしてまた一堂に会することが出来、嬉しゅうございます。 幹事のナキル様は予約お疲れ様にございました。大変だったようですわね。 時間帯は午後……ですから、昼は軽めにしてお腹を空かせて参りたく存じます。鶏肉料理、楽しみにございますね。 厨房を借りることも出来るそうですが、折角ですし他にも何か作りますか?

  3. エルシー・サリバン

    わーーーいっ!お祝い!ナキルさん、ありがとうっ。 お茶は私が淹れようか? 料理・甘味系はお任せするね。(あれば嬉しいし食べるよー) 私はお昼は抜きで参加して食堂の売上(席代)に協力、皆とお茶しつつお話しの予定だよ。 制服を注文した件はお話するとして、後は何を話そうかな。

  4. ミア=リゼル

    ついにきましたね!ナキルさん、MSさん、ありがとうございます! 改めまして、ミア=リゼルです。皆さんもよろしくお願いします〜 はっ甘味…もし空いているなら私、こちらのレモンチーズクリームテリーヌを……… ……鶏肉!? これは……レモンを持ち込むしかありません!レモンそのものをです!唐揚げにレモンをかけましょう!さあ!(レモニストによる布教

  5. ヴァレリア・ブランシェ・ウィザースプーン

    キャスター、ヴァレリア・ブランシェ・ウィザースプーンと申します。 ……といいましても、皆様は既にご存知ですよね。 リクエスト依頼の参加方式も、このようになっていると。 そしてミア様、何やらハッスルしていますね……レモン、お好きなのですか? とりあえずは、鶏肉の他には何をいただきましょうか。

  6. ナキル

    「昼抜き、わかるぜ。(頷き) >ネーヴェ おう!ネーヴェも合格おめでとうな! ははは、話には聞いてたけど。『目の当たりになる』のは、また違うな。 ま、むしろ気合い入れ直すには丁度いいってくらいだな! 鶏肉料理も楽しみだし、ネーヴェの料理も楽し……(一瞬脳裏を過ぎる某ピンクエルフの手料理の記憶)…楽しみだぜ。 >エルシー エルシーも入学おめでとうな!制服はオレも準備完了したぜ! お茶助かるぜ。そう言えばオレは飲めないんだった…(年齢制限) 店の売上にも貢献したよな!今後のことも考えると! ……持ち帰りありなら多く頼んで布教もアリか。(マテ) …話……そう言えば、オレの話を聞くとか言う話題もしてた、ような…?(記憶力) >リゼ 遂に来たな!場所も確保出来てなにより!(MSありがとうございますー!) お、なんかまた腕を上げてるように見えるな? 疲れてそうなセニャが喜びそうだな。すごくいいと思う。 唐揚げにレモン……オレは全然大丈夫だぜ。 希に好みよっては火種になると聞くやつだな(笑) >ヴァーレ なるほど、コレが礼儀作法…(ふむ) 今回もよろしくな!問題集作るのも手伝ってくれて助かったぜ! ……レモンの話をリゼにしてもらうとカナリ長くなりそうな…予感。 鶏肉でも部位で味や料理も変えられるけどな 確かに他の種類もあっていいか…(ふむ) オレもなんか作るかな……(一考)こう、店のメニュー見たくなるな。」

  7. シャロン・ラ・モリエール

    ……はっ!? リリースされても通知はないのですね! 遅くなりました!! 皆様、よろしくお願いします! ナキル様は取りまとめありがとうございます。 とりあえずはちゃんと気づきましたよのご連絡をば。 なかなかお見えにならない方がおいでならお手紙したほうがいいかもしれませんね。 えーとざっくり……と、ニクニクパンパン、ヤサイマシマシ……? そこはかとなくサンドイッチ推しなんですかね。 唐揚げにレモンはPLはかける派ですが、あえてPCに唐揚げレモンアンチという設定を生やすことでネタが美味しくなるような気もしました。 まずは学園でどうすごしているかをプレイングに起こしてみて、字数見てから行動考えます!

  8. ナキル

    「>シャロン まさかの派閥争い勃発……そう言うノリも好きだぜ。(頷き) たしかにー!手紙超速で送っておいたぜ! ヴェイグとルベアに!!」

  9. ルベア・ベルニ

    手紙で気付いたわ……。ナキルさんはありがとう。 というわけでルベアよ、改めて宜しく。 ……というかコレ、結構みんな何かしら作る流れよね?( 鶏肉……ちょっと考えてみるわ。 ミアさんのレモニストぶりが、こう、久々に前に出てる気がする……。

  10. ミア=リゼル

    >ヴァレリアさん ふふ!そう…レモニストとは私のことなのです! 個人的には甘みもある品種が好きです。 それに世の中にはレモンの花からとったはちみつなんていうのもあるらしくて…(以下省略) >ナキルさん …はっ! さすがに無許可で唐揚げにかけたりはしませんよ!? レモンをかける唐揚げだけ別のお皿に取り分けてかけます! どれがセニャさんのお好みに合うかはわからないので、ためにためたレモンオリジナルグッズ満載でいきますね(フンスフンス >シャロンさん まさかの戦争に…ッッ 唐揚げレモン大戦もなかよくレモン同盟も歓迎ですっ 最近はレモンレモンと言う暇がなかったのです…シリアスタグのついた依頼にばかり入っているせいで( お料理を皆さんでするなら、私は食べる係をry\( ॑꒳ ॑ \三/ ॑꒳ ॑)/

  11. シャロン・ラ・モリエール

    あっ、ナキルサーモンランご連絡ありがとうございました。 おまかせしてしまって……! >ミア様 RP的にはそういう方向性なのですね。 突っ込まれたいというか交流のネタふりなのか、別にリアクションを求めているわけでなく好きなように動きたいのか、どっち派なのかなと思っていました。 猫としてレモン唐揚げをすんすん匂い嗅いでみようかと思います。

  12. ヴェイグ=ベーリング

    すまぬ、顔出しが遅れてしまった! ナキル殿は手紙での連絡感謝だ。 貴族の学園ともなれば、よくわからん料理を食うのではと思っておったが…肉を食えるとは嬉しい限りだ!ありがたく頂くとしよう。 皆は何か料理をもする予定か?俺は塩を掛けて焼くか煮るかぐらいのことしかできん故な、俺もミア殿と同じく食べる専門に徹するぞ。 …ふむ?肉とレモンを喰らえば良いのか?どちらもかぶりつきか?面白そうだな!

  13. ナキル

    「>ヴェイグ お、コレで全員揃ったな!一安心だな。 (よくわからん料理)…一体何を想像してたのか、逆に気になるぜ…!!(笑) まーでも、確かにテーブルマナー(仕来り大前提)が主役で食事がオマケって雰囲気のトコもありそうだもんな。ありそう。(偏見か) まさかレモン直食いか…豪快だな?? >シャロン おう。手紙の方が連絡効果は強かったみたいだな。今後の参考になったぜ。(頷き) …猫、レモン……誰かさんの料理より危険度は無いから大丈夫だな。 >リゼ きっと集まってもテーブルはそこそこ広いだろうからな!皿も複数になるだろ!うん。 お、それは楽しみだな。蜂蜜に着けたレモンも疲労回復にイイとか聞くし、疲れてそうなセニャには丁度イイかもな。 レモニストの本気が来そうだな… >ルベア 手紙して正解だったな!よろしくなっ しかし、まぁ…実際、異種族区別を体感すると。ルベア達も寮の部屋以外じゃ苦労させられてそうだなって思ったりもしたぜ。 作るのは自由…だな?…オレとしては身の危険がない料理の話なら平和なモンだし…。」

  14. ミア=リゼル

    皆さんお揃いでよかった。明日出発ですから、白紙には注意したいですね。 ヴェイグさんと一緒にもぐもぐするのです! >ナキルさん セニャさんも色々と大変なご様子…できることは多くないかもしれませんが、少しでも力になれたら幸いです。 >シャロンさん その時々といった感じですが、揚げ物にレモンが広まるなら全力で作戦を…!(๑╹ω╹๑ )ふふ、当日、楽しみにしていますね。

  15. エルシー・サリバン

    おはよー明日が出発だね。ナキルさんお手紙をありがとうね! もう少し早く書き込めば良かったのだけど 仮プレに『食堂へに予め皆で摘まめる何品かを注文』としたの。 私がお腹を空かせて1秒でも早く食べたいのでテーブル何品か並んだスタートを想定したよ。 多分、鶏フライやサンドイッチ…なのかな?(お店メニュー) 特定の品名は書かない予定だけど もし、話のネタに組み込みたい(組み込んでる)ので、困るとかなら教えて欲しいな。 濁して書くとか、工夫するね。 レモンへは私も感想を入れるよ。(肉には掛けない派、レモンケーキは大好き) >オレの話を聞くとか言う話題もしてた、ような…? えへん、して無かったとしても入れとくー! 例の方(ここに入りたい一番の理由)との進展は?合格報告にどんな顔を?かな 今更…で、字数が厳しいだろうから反応が無くても大丈夫なよう私の反応を入れるね。 きちんとした質疑応答に成らなくても、皆でワイワイしてる感は出ると思うの。 (訳:何となく、空気を盛り上げる様にプレを書くね) じゃ、皆さま改めて宜しくねー。

  16. ナキル

    「>エルシー お、大丈夫だと思うぜ!その辺もフワッとやっても大丈夫だとは思ってたけど。 既に品が揃ってる方が時間が無いセニャには嬉しいだろうしな! っと、そこも了解だ!広く薄くって感じのプレイングになる予感はしてる! >リゼ 大丈夫だと思う! 仮に大丈夫じゃ無かったら、それこそ今後の【学転】のネタにもなりそうなモンだし!」

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0