【学転】●●しないと出られない部屋
おおくまねこ
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シナリオID:1904
オープニング
「ねえねえ、聞いた? ウィリアム王子、レイウェスト皇子とラブラブなんだって! 年明けにこっそり結婚式したそうよ!」
「え、マジ? レイウェスト皇子って女の子だったの?」
「それが違うの! 男だけど、ウィリアム王子が熱烈にアプローチしたそうよ! ママが王宮務めの方から聞いた話だから間違いないわ!」
「それって禁断の愛じゃん! きゃー!」
「ウィル×レイか……アリ寄りのアリね!」
「いえ、私はレイ×ウィルを推すわ! 今の大陸のパワーバランスは王国が帝国より上位なのは明らか。だからこそ、下位のレイウェスト皇子がウィリアム王子に下剋上するのが燃えるのよ!」
ここはリーンエス王国、パンクリアース学園の文芸部の部室。女学生達は今年の一月にウィリアムとレイウェストと行った偽結婚式の話で盛り上がっていた。実際には余興の類ではなくメドゥの指先幹部を誘い出す為の命がけの作戦だったのだが、その辺りは脚色されて面白おかしく吹聴されている。今や部員達の間ではウィリアムとレイウェストの熱愛疑惑に尾ひれがつきまくり、「レイウェストがウィリアムの子を妊娠した」という、王党派や帝国の偉い人が聞いたら憤死しそうな噂までもが立っている有様であった。
「はあ。皆さん、ミーハーですね……」
文芸部員アルベルティーヌはそんな風に盛り上がる下級生たちを冷めた目線で見ていた。ウィリアム王子の古参ファンである彼女にとっては、ウィリアム王子のお相手に最もふさわしい者が誰かなど、何年も前から分かり切っていることなのだ。
「ウィル×レイに、レイ×ウィルですって? 馬鹿馬鹿しい。ウィリアム王子の想い人なんて、あの方以外ありえないでしょう?」
「あら、聞き捨てならないわね、アルベルティーヌ。そこまで言うのなら、ぜひその方のお名前を聞かせてもらおうじゃありませんか」
女学生が挑むような視線を送ると、アルベルティーヌは足を組んで座り直し、こう答えた。
「もちろん、我が学園が誇るイケメン教師、ラミアス・クルスロード先生に決まっています。知ってます? ラミアス先生はウィリアム王子のご学友。在学時はいつも王子と一緒にいたそうですよ。そして、ラミアス先生はウィリアム王子の偽結婚式の話を聞くと機嫌が悪くなるんです。これはもう、お二人は愛し合っていると考えるしかありません」
アルベルティーヌがドヤ顔で珍説を披露すると、教室内は騒然となった。
「それはできていますわね……! あのクールなラミアス先生がウィリアム王子にそんな熱い想いを秘めていたなんて!」
「ラミアス×ウィル……! その手が合ったか……!」
女学生たちは不敬な妄想話に花を咲かせ、放課後まで楽しくおしゃべりした。この国の未来を担う若者達の学び舎、パンクリアース学園は今日も平和なのであった。
●
「っくしゅん! 誰か私の噂でもしているのでしょうか?」
その頃、噂のイケメン教師ラミアスは学園に届いた荷物を開封していた。封の中から出てきたのは半球の形をした人間の頭ほどの大きさの石を4つ。見た目は変な形の石に過ぎないが、石からは多量のエーテルが放出されている。この石は実は強力な『神具』なのだ。
「これが『規則の石』ですか。これ、実際に使用されたことはあるんですかね?」
「それが、まだ無いそうです。詳細な説明書が同時に発掘されているので、使用方法を調べる必要はないかと思いますが」
「……なるほど、分かりました。では、一度安全性を確認しておいた方が良さそうですね。御苦労様でした。商会長さんにもよろしく言っておいて下さい」
ラミアスは配送係のおじさんを見送ると、一枚の紙片を手に取り、石と見比べた。説明書を熟読した後、ラミアスはしばし沈思黙考していた。
「さて、この結界神具のテスト、どうしたものでしょうか。まさか学園生で試すわけにもいきませんし……そうだ」
いるではないか。我々のような一般人に代わり、体を張ることを生業としている者達が。ラミアス自身はまだ関わりを持ったことはないが、昨年の生徒会選挙や、ヴァルザード紛争でも活躍した彼らなら、実験にはうってつけだ。
「ここは、冒険者にモニターを頼んでみましょうか。腕のいい冒険者なら万が一のことがあっても脱出できるでしょう。さて、結界のルールはどうしましょうかね……多様なルールがあった方が面白そうなので、学生達の意見を聞いてみましょうか」
ラミアスはすっと椅子から立ち上がると、早速王都内の冒険者ギルドへと向かったのだった。
●
「パンクリアース学園の先生から依頼が来ているわ。『●●しないと出られない教室』のモニター募集だって」
王都の冒険者ギルドの受付嬢は、一枚の依頼書を掲示した。
●●しないと出られない教室? なんだそれ。冒険者たちは不思議な依頼の内容に首を捻った。
「正確には、教室に張った結界のテストね。何でも、脱出に特定の行動を要求する結界を作れる神具が教材として学園に搬入されたそうなの。それを授業で使う前に、安全性を確かめたいらしいわ」
なるほど、神具。授業に貴重なマジックアイテムを使うとは、いかにもパンクリアース学園らしい豪華な話だ。
「●●の部分については、結界を張る時に色々融通が利くらしいわ。ちゃんとルールが機能しているか調べる為のテストってわけ。ちなみにルールについては、学園生達から公募で集めるそうよ」
急にきな臭い話になってきた。結界うんぬんはともかく、学園生からルールを募集するのはまずいのでは? どんなトンチキなルールが飛び出すか分かったものではない。冒険者はリアクション芸人ではないのだが?
「……ま、まあテストは学園の教室でやるみたいだし、学園にふさわしくなかったり、生徒に危害が及びそうな変なルールは排除されているはずよ。報酬も相場よりかなりお高くなってるし、おススメの案件なの♪ さあ、行きたい人はこの書類にサインよろしく!」
解説
マスターより
リプレイ
「ラミアス×ウィル……新しい扉が開く気配です! アルベルティーヌ様には是非今度詳しいお話を伺わなくては! より良い創作活動の為にはラミアス先生についても知らないといけませんねっ。ドゥジン信徒の名にかけて!」
シェルリア・リトヴァールは期待に胸(と妄想)を膨らませていた。わくわくしながらラミアスの顔をガン見していると、やる気があると思われたのか自分が一番手に指名された。
「ではシェルリアさん。くじにはなんと?」
「『内緒にしてる事を一つ言わないと出られない部屋』と書かれています」
「ふむ。比較的穏当な内容ですね。ではお願いします」
「な、ナイショの話ですか」
ラミアスからウィリアムへの熱い想い(注:真偽不明)を聞くチャンスかと思ったが、シェルリアは普通に自分一人で放り込まれてしまった。
「えーと、じゃあ……お菓子の食べ過ぎで最近ちょっと太り気味です……」
ぼそぼそと、うつむきながらシェルリアが答えると、扉が勝手に開いた。
「はい、OKです。お疲れ様でした」
(あああ貴族令嬢としてあるまじき失態なのですー!)
シェルリアは悶絶した。
●
「次はオレか」
二番手に指名されたレタラ・スマリはくじを引いた。レタラが今回の依頼に参加した目的は実験の経過を観察すると共に、噂の闇の文芸部員達との情報交換を経てドゥジンシを描くことなのだが、完全な傍観者というわけにはいかない。自分のノルマはしっかりこなすつもりだ。そして、彼が引いたルールとは……。
『誰かとボクシングをする』
殴り合いだった。
「ふむ。相手が指定されていませんね。では誰か――」
ラミアスが言いかけた時、シェルリアが口を挟んだ。
「興味深い神具ですけど、効果についての実験なのでしょう? 生徒である私達の安全の為にも、ラミアス先生も実験に参加なさるべきですよね? 観測もその方がし易いと思いますし!」
さっきは失敗したが、今度はラミアスを巻き込むチャンス! シェルリアは力説した。
「ふむ。いいでしょう。一度ぐらいは私も内側から観測してみますか」
●
カーン! 試合終了のゴングが鳴った。
「つ、疲れた……」
「まさか45分間も試合をさせられるとは……計算外でしたね……」
練習用の馬鹿でかいグローブを付け、1時間近く殴り合った二人は汗だくになっていた。ちなみに二人の服装はボクシング部から借りてきた正式なボクサーパンツ姿である。
「汗だくで殴り合うイケメン達……いいものが見られましたわ。ラミアス先生……クールな外見に反して野獣のように荒々しいファイトスタイルでしたわね。これはやはり王子にも……」
「今回の件でフラグが立ったかも。二人のさらなる発展にも期待大ね」
「アルベルティーヌ様やレヴェリア様が新刊を出された際には是非読ませて頂きたいです。是非!」
ドゥジン教徒達は目を細めていた。
(くっ……オレはウィル×ラミアス派なんだが……)
レタラもこの話題に参加したかったが、今は呼吸を整えるのが精一杯だった。
●
「黒髪細身クール真面目眼鏡、これだけの属性が揃っている以上ラミアス氏は受けだろう」
「何をおっしゃります! ラミアス先生は明らかにドS! ならば鬼畜攻めですわ!」
「その話、もう少し詳しくお願いします!」
「次の新刊はウィル×バルディオンを……」
休憩中。ドゥジン教徒達が不敬な雑談に花を咲かせていると、件のラミアスが微笑みながら言った。
「貴方達。後で職員室に来なさい」(ニコッ)
●
授業が終わり、後から合流してきたジュスト・ヴェルジーとローザリカ・L・ディオールは教室の入口で睨み合っていた。
「……そもそも、何でいるのかな」
ジュストは眩暈を覚えたかのようなジェスチャーをした。魔法生物学担当のラミアス先生が冒険者向けの依頼を出していると聞いて馳せ参じたジュストだったが、何故かその場に腐れ縁の従姉がいたのだ。
「それは此方の台詞だよ」
端正な唇をへの字に曲げ、ローザリカは盛大に溜息を吐いた。珍しいものを味わえるだけでも破格の条件、それに加えた高報酬。損はないと踏んだが……従弟殿と出くわすとはツイていない。
「君、この手の分野には興味なかったはずだよね?」
「僕の興味を君に把握されていないといけない道理もないだろう、従弟殿」
ジュストが問いかけると、ローザリカは憮然と返した。
(見守る学生達は女生徒ばかりだな。まさかとは思うが従弟殿は彼女たちが目当てか?)
棘を含んだ言葉を返しつつ、ローザリカは内心では抱く必要がないはずの苛立ちを感じていた。
(もしかしてロゼはラミアス先生狙いか? いや、まさかな)
一方、ジュストの方も微妙にモヤモヤしたものを感じていた。
●
くじを開いたジュストは、くじに書かれた実験内容を凝視した。何度目をこすっても、目にエーテルを集中させても、そこに書かれている内容は変化しなかった。
『幼馴染が壁ドン状態で1分間見つめ合わないと出られない部屋』
(誰だ、こんなくじを混ぜたやつは!)
ラミアス先生の仕切りだと聞いて油断していた。まさか、結界のルールは学生が決めていたとは!
「……幼馴染って俺たちしかいないよね??」
心細そうに周囲に尋ねてみると、学園生達は嬉しそうに頷いた。
「ジュスト君、君とローザリカさんは確か従弟同士でしたね。まあ、幼馴染と呼んでよい間柄でしょう」
ラミアスにそう言われ、ジュストは項垂れた。どうやら今日はロゼと『壁ドン』なる行いをしなければならないらしい。
「すまない、壁ドン状態という言葉の意味がよく解らないんだけれど」
「なら、私がご説明いたしますわ」
マリリンがいい笑顔で応え、ジュストに丁寧に壁ドンについて説明した。すると、ジュストの顔から笑顔が消え、石のように表情が硬くなっていく。
「……人目のない所だったらともかく、ここで???」
「僕なら構わないが? 君が逃げを打ちたいのであれば好きにすればいい」
意外なことに、ローザリカは拒否しなかった。
(貴族が周囲に説明を求めた挙句に遂行しないなどと言う情けない真似を晒すわけにはいかないだろう)
ローザリカは元より伝える気もない親切心から彼を挑発したのだ。
「後悔するなよ?」
ジュストは腹を括り、ローザリカと共に教室の壁の方へと移動した。野次馬には背中を向ける形で壁際に立つ、澄まし顔のロゼの傍にドン、と音を立てて片手をつく。そして、僅かに身を屈めて視線を合わせた。
「……!」
何故か、ローザリカは視線をぷいと逸らしてしまった。
「あれだけ威勢の良い啖呵を切っておいて、目を逸らすのは無いんじゃないか?」
小声で囁いた後、「ロゼ」と名を呼んだ。ジュストは反射的にローザリカがこちらを向いた瞬間、顎を掴んで強引に視線を合わせた。
(しかしこうしてロゼを間近で眺めるのなんて子どもの時以来だな。ほんと見た目は最高なのに)
●
幼馴染とはいえ再会はごく最近。いつの間にか越された背も、自身を覆い隠すほどの体格も、大人びた顔つきも。改めて意識させられる何もかもに思わず視線を逸らしてしまった。
「……っ、」
こんなのは反則だ。逸らせない瞳。自身とは正反対に垂れた甘い緑色。せめて意識を逸らそうと噛みしめた唇さえも咎められ、それどころか指摘されたことで彼の唇にまで意識がいってしまうという悪循環。
……外野の声など最早聞こえない。
身を離した後でさえ彼の香水が、頬に集った熱が。燻って消えやしない。
――ピシリ。その時神具の石に微かな亀裂が入ったことに気付いた者はいなかった。
●
「では次の方、お願いします」
次のグループに選ばれたのはシルク・メイプルリーフとアリッグ・レイダーだった。
「僕達の脱出条件はなんですか?」
「『お互いの耳をきれいにした後、一定時間添い寝すること』と書かれていますね」
「わかりました! 耳掃除と添い寝ですね!……ってオイ! 誰だこのルール書いたやつ! 一歩前にでろ!」
アリッグは思わずノリツッコミと共に叫んだが、返答はなかった。
「なるほどなるほど確かにドアが開きませんね」
ガチャガチャとドアノブを回したシルクは、微笑みながらアリッグへと手招きし、ソファに腰かけた。
「ではアリッグさん。さぁさぁ早速ここに頭を置いてくださいな。私がばっちりきれいにして差し上げましょう」
「順応早いですねシルクさん!? ……うー、まあ耳かきぐらいならいいか」
余裕あるふりをしていたが、頭を乗せた時点でアリッグの顔は真っ赤だった。肉付きのいいシルクの太ももに頭を乗せると、意識がぼんやりしていく。
かきかきぽりぽり。なんだか特殊なお店でサービスをうけているような光景が展開され、学園生達は息を呑んだ。
「ふーっとして完了です」
一通り耳掃除が完了したのか、数分後に攻守(?)交代となった。
「今度は私をお願いしますね。重たくないですかー」
「重いなんてそんなことは! 任せてください! こういう事は得意なんですよ!」
かきかきぽりぽり。
ぴくぴく動くシルクの長い耳に思わず興味が注がれたアリッグは、優しく耳にふーっと息を吹きかけてみた。
「なんだかくすぐったいですねー」
●
「んっ。まだ開きませんね」
耳掃除プレイ完了後、シルクが扉を引こうとしたが、扉は固く閉ざされていた。まだノルマが半分しか達成されていないからだろう。
「もういいだろ出せ! 即刻出せ! 添い寝はまずい! 色々とまずい! クソ教師なんとかしろ!」
バンバンとドアを叩きながら、アリッグはつい暴言を吐いた。するとラミアスは笑顔で言い返した。
「そうしたいのは山々なのですがね。冒険者が破壊できない結界を私ごときが破壊できる道理はないですね」
笑顔なのが腹立たしいが、言っていることは道理だ。アリッグは項垂れた。
「あらあら。やはりあそこにしっかりと準備されてるソファーと毛布で寝ないと駄目なわけですね」
「そうみたいですね……」
シルクは観念したアリッグと共にソファーの方へと近づいて行った。
「先に失礼しますね・・・・・・さぁどうぞ」
シルクは毛布を広げてアリッグに中に入るよう促した。
「どうぞって、シルクさんは何でそんなに余裕なんですか!?」
顔を真っ赤にしながらシルクの隣に入ると、シルクがぎゅっと抱き締めてきた。
「当たってるんですけど!」
じたばた暴れるアリッグ。
「あんまり動くと落ちちゃいますし寝れないですよ」
シルクはにこにこ顔だが、アリッグは冷静でなどいられない。
「オイ何見てんだ! みせもんじゃねーぞ!」
「実験なので見世物ですよ。ここで学生達に席を外させるとかえっていかがわしいので、このままお願いしますね」
やはりラミアスは笑顔であった。
(このクソ眼鏡がぁあああああああ!!)
そして魅惑の添い寝タイムが終わった後。アリッグは羞恥に震え、ハグ欲が満たされたシルクは満ち足りた顔をしていた。
●
最後のグループはナキルとエフィルミアだった。二人が引いたくじには、『素直にならないと出られない部屋』と書かれている。
「素直にならないとって……私がいつも素直じゃないとでも!? そんな事は……ないし……ごにょごにょ」
「いや、素直って……とオレは割と何時も素直にしてる。と思うんだけどな?」
結界に放り込まれたエフィルミアとナキルは口を揃えて無罪を主張した。しかし、結界が開く気配はない。
「取り合えずナキルくんが隠し事ありそうな顔してるので聞こうか! さぁどーんと言っちゃって!」
エフィルミアは内心の動揺を悟られまいと強気に振舞い、伊達眼鏡姿のナキルに指を突きつけた。 すると、ナキルは観念した様子で頭を掻き、彼女の方を見た。
「分かったよ、ちゃんと話すから、ちょっと時間くれ……ミアに隠し事なんて、出来そうもねぇからな……」
ナキルは頭の中を整理するよう、しばらく無言で突っ立っていたが、やがて意を決したように口を開いた。
「学園生になって、勉強して。ハーフリングってのもちゃんと分かったから……オレ、ミアの理想には全然届かねーって……いや、異例も知ってるからよ? 努力はしたいんだけど」
「?」
「そう、ミアより背が高くてカッコイイ……そんな姿はオレには生涯ムリかも知れない」
「――あ」
そこで、ようやくエフィルミアはナキルが身長の話をしているのだと気付いた。そう、ナキルはハーフリング。ハーフリングは通常子供の姿のまま、生涯を終えるとされているのだ。
(私の理想って、前に好きって言われた時に言った「私の理想は私より背が高くて、世界一かっこいい人だからね!」ってやつ?)
以前照れ隠しで言った言葉を思ったより気にされていたことに気付いたエフィルミアは、罪悪感を覚えた。
「けど、オレはミアの一番で居たいって、その気持ちの方が強いって、分かったから。ホントは、もっと理想に近付くまで言えないと思ってたんだけど」
言葉にしながら、ナキルは自分の内でこんがらがっていたものがほどけていくのを感じていた。そして、ナキルはすう、と息を吸い込み、にエフィルミアから目を逸らさず、偽らざる想いを告げる。
「ミアには、オレの恋人になって欲しい」
「うー……あー……」
エフィルミアは真っ赤な顔で唸りながら、結界の外をちらりと見た。ギャラリーが外で大騒ぎしているが、今はそこはどうでもいい。いや、どうでもよくはないけど。
(これ私も素直にならないと出れないんだよね………誰ですか! こんな設定考えた人! きっとナキルくんと私がくっつかない事にヤキモキしたorじれったくなった学園生だよ!)
エフィルミアが一瞬教室の外に目をやると、最有力容疑者は慈母のような微笑みを浮かべていた。
(『好き!』はいっぱい言われてたけど、改めて恋人になってほしいって言われたのは初めてかも。これがナキルくんの覚悟なら、私もちゃんと覚悟を決めて答えなきゃ)
「あのねぇ……! ナキルくんはもうとっくに私の一番に決まってるじゃん! そうじゃなきゃ貰ったチョーカーをいっつも身に着けてたりしないってば! もう理想なんてどうだって良かったの。だってナキルくんが……好きになっちゃったんだもん」
「……」
「小さくたって私を守ろうとしてくれる背中は頼もしいしいつも私を想って一生懸命になってくれる、そんなナキルくんが世界一かっこいいに決まってるでしょ!」
そしてエフィルミアはすうと息を吸い込み、秘めていた想いを口にする。
「大好きなナキルくん、私も……ナキルくんの恋人になりたい!」
●
ぱきぃいいん。
エフィルミアが告白した瞬間、結界は神具ごと砕け散った。その瞬間、ギャラリー達が教室になだれ込み、二人を祝福する。
「「おめでとう!」」
「神具、壊れちゃいましたね……でもまあ、今は若者二人の新たな門出を祝福しましょうか」
何故か胴上げされている二人へと、ラミアスは拍手を送った。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:多い8 / 4〜8人
2022年02月21日 09時21分15秒 公開
相談掲示板
ヒーラーのアリッグ・レイダーと申します! 皆様、よろしくお願いします! せっかくだから何か面白い事ができれば……。 ごほん、いえ、どなたかのお役に立てればと思ったので、 もしどなたかお暇な方がいれば、何か面白い事……もとい、 お手伝いさせていただこうと思います!
No.2
シスターシルクです お知り合いを呼ぶ前に埋まってしまったようですね ともすればボッチ参加ということに・・・・・・誰かおつきあいしてくださる方おりますでしょうか
No.3
そこのアリッグさん?お暇ですか?
え。あ、はい! (声が掛かると思っておらず、若干驚き) 僕でよければ何かお手伝いさせていただきます! 何でも遠慮なくいってくださいね! (にっこりと営業スマイル)
No.5
では後ほど打ち合わせをさせていただきますね
「ナキルだ、よろし――くな……(マリリンのアイコンの眼鏡…最初の印象と違う気がする……) そう言えば、前もミアとは似た様なコトしたな……今思えば、あの時から「ミア」って呼んでるな。懐かしいな。」
ジュストだ、よろしくね。 ルールはくじで決まるようだけれど、中身に関しては俺達も幾らか干渉できるようだね? 先生や見物している学生も内容によっては巻き込めるみたいだ。 くじの中に入れたいルール案ある人はいるのかな。 俺は一応、極力無難なものを追加しておこうかなと思ってるんだけれど。
シェルリア・リトヴァールといいます、よろしくお願いします! 夢がある……あ、いえ、変わった神具があるんですねっ。 ルール案については思いついてないですけど、 ラミアス先生は何とか巻き込みたいですね。
「>ジュスト 「ルールがくじで決まる」って言う体にして「コッチで指定したルール」で遊べる(マスタリング可)ってシナリオだと思ってるぜ。 それとも、アレか…「追加したルールをくらえ!」ってノリか……ノリか?(そわ) てっきり、ローザリカとふたりで入るもんだと思ってたんだけど。 >シェルリア なるほど、それは楽しみにしてるぜ。<ラミアス先生巻込んで! >ミア …あー。「生徒会長の仕事が終わるまで出られない部屋」…だと、何時ものコトだな。(意地悪そうな顔) 他のルールを考えるか。」
レタラ・スマリだ。宜しく頼む。 なかなかネタにな……いや、面白……じゃない、不思議な神具があるものなのだな。 早くに出られれば文芸部員と一緒に、今回の実験について花を咲かせたい。 ルールに関してはオレもナキルと同じ解釈だが、オレ自身はマスター一任で行くつもりだから、もしかしたら案を拾って貰えるかもしれない。 字数に余裕があるなら、入れてみるのも一興だと思うが、どうか。
うん、ナキル君の認識で合ってると思うよ。 俺も同じ認識。 ただ、ルール指定をしなかった場合はマスター考案したものの他に他の人が提案したルールが適用されることもあるかもしれないからその確認がしたかったんだよね。 前の発言の表現が解りにくかったようで申し訳ない。 でもロゼと2人で入る発想はなかったな。本当に。欠片も。
ローザリカだ。 ナキル君と言ったかな。面白い冗談を聞かせて貰ったのに申し訳ないが、 そんなつもりは毛頭なかったと僕からも返答させていただくよ。
「>ジュスト あー。なるほど、そう言うコトか……(ぽんと手を打ち) 確かに、ソレは有り得るかも知れねぇけど 流石に”何も指定なければ”混ざったりはしねーんじゃ、ねェかなと思いたいトコロだな? ……ん?てっきりローザリカを心配して一緒に来たのかと…? >ローザリカ おう、ナキルだ!何度か軽く顔は合わせてると思ったけど。 まぁ、いいや。よろしくな! ……お?そうか…ちょっと意外だったな。 ……そう言えば、二人とも学園生としては先輩になるのか…。(ふと) ミアは同学だけど。」
>ナキル君 そうだね、授恵者になってからは三か月位しか経っていないけれど学園は四年目になるよ。 それ位いても知らない生徒や組織、場所もそれなりにあるけどね。 特に部活に関してはジャンルは同じでも第一、第二とか非公式も含めて所属している生徒層とか活動内容が微妙に異なるし。 今回はラミアス先生の実験というか神具に興味があったから参加したら偶然一緒になっただけだよ。 まぁ、従姉が何か突拍子もないことをしないかという心配はしているかな、一応。
はは、神具を見る前から随分と浮かれている男もいるようだ。 始まる前からおかしなことを口走る始末、先が思いやられて仕方がないな? >ナキル君 ああ、いや。気を悪くしないでくれ。 話したことはあれど、しっかりと顔を合わせての自己紹介はしていなかったと思ってね。 こうしてじっくりと話せたのも何かの縁だ、今後ともよろしく頼もう。 ふむ、冒険者としては此方が後追いだし立場について気にしたことはなかったが…… 先輩という呼称も聞いてみればなかなか悪くはなさそうだ。
「>ジュスト え、四年か…めっちゃ先輩じゃん、ジュスト先輩だな(ふむふむ) 授恵者はオレの方が長いけど…こう言うのがあるのも”ココ”の特殊なカンジか。 部活も色々ある見たいだよな!とりあえず一つ入部したけど。他にも気になるのは幾つか見掛けたけど…そうか、非公式とかもあるんだな…人数も広さもあるし……コレは色々楽しそう…って、この場では直接関係ねー話だったな。(ははは) そうか、偶然一緒だったのかー…ん? (…こんな広い学園内で偶然…?) >ローザリカ ……(なんか、この感じ…デジャヴ…?) …浮かれてるのか……? あぁ、あるある。全体的(多数)な作戦会議とかだと、個人的な会話ってした感じしねぇモンな。 全然気にしてねーぜ、むしろ、改めてよろしくな!ローザリカ先輩 あー、学園内ってそう言うモンだって聞いてたんだけどな、ヘンか? オレも冒険者界隈だと、「個人への信頼」在り来ってモンだと思ってやってたからなぁ……。」
挨拶が遅れてすいません! エフィルミアです!よろしくおねがいしますっ。 ナキルくんが一緒に入ってほしいと言うので!(どやぁ) 一緒に入ろうと思います! >「生徒会長の仕事が終わるまで出られない部屋」 その場合ナキルくんも道連れで3日は缶詰だからね!?
「>ミア あ、やっと来たか………ん?オレそんなコト言ったっけ…? あぁ…ホントにそれするなら、ちゃんと「生徒会室」でやらねェとな? ま、オレも手伝えばもうちっと早く終わるだろ…多分。 で、何時やるんだ? って、冗談はさておき、今回はそんなコトねーだろ。」
さて、明日には出発ですね。 改めて、メイプルリーフさん、そして他の皆様もよろしくお願いします! 皆様が楽しめるような実験になるといいですねー。 ……。 ったく、だーれがこんなくだらねえ実験を考えたんだか。 (誰にも聞こえないようにぼそりと)
No.20
すでに準備はバッチシです アリッグさん何かおっしゃいました?