ぜひ聞かせて、ペットについて!
狐野径
コメント 8
シナリオID:1828
オープニング
●悩める青年
辺境都市群にある学術都市ヴェルクリエ。
様々な職人や芸術家が集まる街でもある。それが特色であり、街に暮らす人たちの生活に影響をもたらすことであった。
商人たちも日用品を取り扱うし、職人や芸術家などに頼まれたものを売ったり、技術や製品を買い取。
様々な商人の店や商会がある中にブラン商会はある。
ブラン商会は中堅どころとして名は知られている。
その跡取りとされる青年――ジュスト・ブランは仕事部屋にいる。
この部屋にいたはずの姉はいない。跡取りのはずだった姉は、押しかけ女房のごとく嫁いでいってしまった。
結果、姉の補佐として帳簿管理などをするつもりだったジュストが、跡取りとなり、今、ここで書類の山と格闘している。
姉が幸せならばそれはそれでいいかもしれない。どこか、釈然としない気持ちもなくはない。
ジュストは書類の確認がひと段落ついたところで、部屋の片隅にあるペット用のベッドで眠る愛猫を眺めた。ベッドと言っても、クッションであり、猫など動物が寝やすい形になっているものだ。
その姿を見ると、自然と表情が緩む。
椅子から立ち上がると、ベッドのそばに行きしゃがんだ。
無邪気に眠る姿を見る。あまりにも動かないから心配になるけれども、呼吸をしているのがわかりホッとする。
猫は街で拾った時に比べればだいぶしっかりした体格になった。
拾った時もかわいかったけれども、日に日に可愛くなっていく。
きっと、大人の猫になってもかわいいに違いない。
しばらく、ただ、猫を眺める。
猫を拾ってよかったと考える。
猫がいることで生活に喜びが生じ、穏やかな気持ちになれていると感じている。
ジュストはその時気づいたのだ。
おかれている立場が変わった影響で、心がささくれだっていたかもしれないと。
家族が支えてくれていないわけではない。
それとは違う存在がいる、ということが大切だったのだ。
猫はジュストの癒しとなっていた。
ジュストが猫の頭を優しく人差し指でなでても眠りが深い年頃か、起きなかった。
指先に伝わるぬくもりは、ジュストの気持ちを穏やかにし、この小さな生き物を守りたい、幸せにしたいという気持ちもわかせた。
猫にとっての幸せとは何だろうか?
ジュストは考える。
飼うとなって調べているけれども、あくまでそれは猫を飼うために必要な事項である。
そうすれば、猫は困らないで生活できるだろうということだ。
猫でも他の動物でも、飼っている人の生の声も聴いてみたいと考える。
それにより、必要なことが増えるかもしれないし、もっと、猫によくしてあげられるかもしれないのだ。
それと、可愛い猫に装飾品を付けてあげたいとも思った。
かわいらしい首輪だったり、帽子や服など色々なものがペット用にあるからだ。
きっとかわいい猫はもっと可愛くなるだろう。
ジュストの不安は、加減がわからないことだ。
つまり、どの程度飾っていいのか、どういうものが好ましいのかなど今一つわからない。
言葉が通じれば、嫌だと言ってくれるかもしれないけれども、猫である。
誰かに聞いたほうが早いが、周りにペットの話を気楽にできそうな人がいなかった。
道を行くペットを連れた人に唐突に話しかけるわけにもいかない。
だからと言って、このままだと、猫が気づけば大きくなってしまっているかもしれない。
必要なときに、必要なことをしてあげたい。
そう、動物の成長する時間は待ってくれないのだ。
人に話を聞く環境を整えるにはどうするのがいいか?
ジュストは考えを詰めていく。
そうすると、今後、商会として、ペット用の衣類や装飾品などペット用品の開発をしたい、という欲求も生じた。
これにより、人とペットの話をするにはどうすればいいか思いついた。
ペットのあれこれを、人々からリサーチすればいいのだ、お茶会形式で。
ペット用の服飾やアイテムの開発に向け、その現状やこういうのがあるといいなということ、ペットを飼ったまたは飼っている経験であった話など。
ただ、気軽に話せるとなると同性が良いのだろうかと考えた。
男性がペットへのグッズを買う際どうするかということを中心にしてもいいのだろうか?
しかし、幅広く話を聞くとなると、女性からも聞かねばならない。
難しい選択である。
基本は「男子会」にしておく。
ただし、男性以外でもぜひともペットについて語りたいという心意気は買いたい。
互いに緊張しないことが重要だ。
冒険者をやっている妹からの情報で、冒険者は猫に限らず様々な動物を飼っているという。
リスなどの小動物から、ゴリラまで。
そうなると冒険者に話を聞くのも一つの手だと考えた。
ペットを連れてきてもらっても構わないだろう。そうすることで、話をしやすくなることもあるだろう。
だから、ジュストは冒険者ギルドに依頼を出した。
商会で扱うペット用のグッズ開発のため、意見を聞きたい、と。
もちろん、ペットの愛らしさを話したいし、今後必要なことも聞きたい。
愛猫のため、できることはしておきたかった。
商品開発のためのリサーチと言いながらも、人とペットの話をできることは、楽しみであった。
辺境都市群にある学術都市ヴェルクリエ。
様々な職人や芸術家が集まる街でもある。それが特色であり、街に暮らす人たちの生活に影響をもたらすことであった。
商人たちも日用品を取り扱うし、職人や芸術家などに頼まれたものを売ったり、技術や製品を買い取。
様々な商人の店や商会がある中にブラン商会はある。
ブラン商会は中堅どころとして名は知られている。
その跡取りとされる青年――ジュスト・ブランは仕事部屋にいる。
この部屋にいたはずの姉はいない。跡取りのはずだった姉は、押しかけ女房のごとく嫁いでいってしまった。
結果、姉の補佐として帳簿管理などをするつもりだったジュストが、跡取りとなり、今、ここで書類の山と格闘している。
姉が幸せならばそれはそれでいいかもしれない。どこか、釈然としない気持ちもなくはない。
ジュストは書類の確認がひと段落ついたところで、部屋の片隅にあるペット用のベッドで眠る愛猫を眺めた。ベッドと言っても、クッションであり、猫など動物が寝やすい形になっているものだ。
その姿を見ると、自然と表情が緩む。
椅子から立ち上がると、ベッドのそばに行きしゃがんだ。
無邪気に眠る姿を見る。あまりにも動かないから心配になるけれども、呼吸をしているのがわかりホッとする。
猫は街で拾った時に比べればだいぶしっかりした体格になった。
拾った時もかわいかったけれども、日に日に可愛くなっていく。
きっと、大人の猫になってもかわいいに違いない。
しばらく、ただ、猫を眺める。
猫を拾ってよかったと考える。
猫がいることで生活に喜びが生じ、穏やかな気持ちになれていると感じている。
ジュストはその時気づいたのだ。
おかれている立場が変わった影響で、心がささくれだっていたかもしれないと。
家族が支えてくれていないわけではない。
それとは違う存在がいる、ということが大切だったのだ。
猫はジュストの癒しとなっていた。
ジュストが猫の頭を優しく人差し指でなでても眠りが深い年頃か、起きなかった。
指先に伝わるぬくもりは、ジュストの気持ちを穏やかにし、この小さな生き物を守りたい、幸せにしたいという気持ちもわかせた。
猫にとっての幸せとは何だろうか?
ジュストは考える。
飼うとなって調べているけれども、あくまでそれは猫を飼うために必要な事項である。
そうすれば、猫は困らないで生活できるだろうということだ。
猫でも他の動物でも、飼っている人の生の声も聴いてみたいと考える。
それにより、必要なことが増えるかもしれないし、もっと、猫によくしてあげられるかもしれないのだ。
それと、可愛い猫に装飾品を付けてあげたいとも思った。
かわいらしい首輪だったり、帽子や服など色々なものがペット用にあるからだ。
きっとかわいい猫はもっと可愛くなるだろう。
ジュストの不安は、加減がわからないことだ。
つまり、どの程度飾っていいのか、どういうものが好ましいのかなど今一つわからない。
言葉が通じれば、嫌だと言ってくれるかもしれないけれども、猫である。
誰かに聞いたほうが早いが、周りにペットの話を気楽にできそうな人がいなかった。
道を行くペットを連れた人に唐突に話しかけるわけにもいかない。
だからと言って、このままだと、猫が気づけば大きくなってしまっているかもしれない。
必要なときに、必要なことをしてあげたい。
そう、動物の成長する時間は待ってくれないのだ。
人に話を聞く環境を整えるにはどうするのがいいか?
ジュストは考えを詰めていく。
そうすると、今後、商会として、ペット用の衣類や装飾品などペット用品の開発をしたい、という欲求も生じた。
これにより、人とペットの話をするにはどうすればいいか思いついた。
ペットのあれこれを、人々からリサーチすればいいのだ、お茶会形式で。
ペット用の服飾やアイテムの開発に向け、その現状やこういうのがあるといいなということ、ペットを飼ったまたは飼っている経験であった話など。
ただ、気軽に話せるとなると同性が良いのだろうかと考えた。
男性がペットへのグッズを買う際どうするかということを中心にしてもいいのだろうか?
しかし、幅広く話を聞くとなると、女性からも聞かねばならない。
難しい選択である。
基本は「男子会」にしておく。
ただし、男性以外でもぜひともペットについて語りたいという心意気は買いたい。
互いに緊張しないことが重要だ。
冒険者をやっている妹からの情報で、冒険者は猫に限らず様々な動物を飼っているという。
リスなどの小動物から、ゴリラまで。
そうなると冒険者に話を聞くのも一つの手だと考えた。
ペットを連れてきてもらっても構わないだろう。そうすることで、話をしやすくなることもあるだろう。
だから、ジュストは冒険者ギルドに依頼を出した。
商会で扱うペット用のグッズ開発のため、意見を聞きたい、と。
もちろん、ペットの愛らしさを話したいし、今後必要なことも聞きたい。
愛猫のため、できることはしておきたかった。
商品開発のためのリサーチと言いながらも、人とペットの話をできることは、楽しみであった。
解説
●目的・目標
ブラン商会のペット用品商品開発のための意見集め。
飾りや衣類が中心だけれども、ペット用のグッズについて話を聞きたい。
動物と過ごした経験のあれやこれやを聞けたらいい。
男子会という形式ではあるけれども、ぜひともペットについて語らねばならぬという男性以外も可。
――とはいえ、ペットについて語りたい!
●ペット談義
ペット用のグッズや経験の話はもちろんしたい。
だけれども、あなたしか知らない、ペットの話だってあるはず。
ペットのあれやこれ。可愛い話、かっこいい話、ちょっとした事件……いや、本筋から逸れているかもしれないけれども……横道それるのもお仕事のうち。そこから商品へのヒントがあるかもしれないから。
――建て前と本音が入り混じる。
●会場
辺境都市群・学術都市ヴェルクリエ、ブラン商会の一室。
とっておきの茶が出る。
●ジュスト・ブラン
ヴェルクリエの中堅商家ブラン商会の跡継ぎと目される寡黙な青年。
頭は良いし、仕事はできる。少々不器用なところがある。
●注意事項
ペットは連れてきても、連れてこなくても問題ありません。記載がない場合、1個体「連れてきている」と判断します。
いずれにせよ、ペットのグッズやペットについて語るため、ペットの種類等をお知らせいただく必要はあります。そのため、アイテム装備またはプレイングに語るペットについて「種類」や「どういうものか」など記載してください。
アイテム装備もしくはプレイングにペットの種類の記載がない場合、猫ととらえて書き進めることになります。そうなると、本当はゴリラのことだったのに猫として語られると、大きな齟齬となります。
マスターより
こんにちは、狐野径です。
商品開発のリサーチが建て前です。そりゃまじめな話をすれば疲れますし、つい、うちのペットの話をし始めたりするかもしれませんし。そこから役立つ知識が出るかもしれません。
どっちが本筋か、否か……わからない……気楽に話せることが重要です。基本的には男子会となっています。
なお、ペット話、私はフェレットと文鳥ならいけますし、金魚とアカヒレは事件を語れます。え、どうでもいい? ごもっともです。
よろしくお願いします。
リプレイ
●男子かい
リゼット・ブランは兄ジュスト・ブランが出した依頼に驚いた。
「お兄ちゃん、いつの間に」
「何が?」
「最近お姉ちゃんの部屋にちょいちょいいたのって、猫の部屋作るためだったの?」
「……」
「この子には何かすごく優しいというか甘いというか、過保護……まぁ、いいけど。商品に毛が付いたら大変だもの」
姉が出ていき空いている部屋だ、どう使っても文句は言われまい。
参加者を見て言う。
「皆さん、応じてくださってありがとうございます! お茶菓子はとっておきのものを張り切って、ご用意しますので、リラックスしてお話してくださいね!」
セヴラン・クアルトはリゼットに応じてから、アーシェル・G・クラインに声をかける。
「女子会のような華やかな笑い声は上がらないだろうけど、和やかな会になるとよいね。アーシェルにロロ、久しぶりだね、元気にしてたかい」
「ああ。そちらも、だな?」
アーシェルは答える。栗鼠のロロはセヴランの栗鼠の元に駆け寄っていた。
アーシェルはジュストに向く。
「リゼットにはいつも世話になっている。友人のアーシェルだ。今日はよろしく頼む」
「迷惑をかけていませんか」
アーシェルは「そんなことはない」と否定する。
カイン・ステラはジュストに挨拶と、ペットの紹介をする。
「今日連れて来たのは、栗鼠のランだ。留守番には大鼬のファと、猫のシアもいる。全員、女だ」
リゼットに「これは差し入れ」とクッキーを渡す。自作でプレーンと紅茶の他に、醬油とチーズ味。
必要に応じて、リゼットの手伝いをするつもりだ。
なお、ランは見覚えのある者を見て、挨拶に向かう。
大福は「ジュストさん、初めましてなのだ」と丁寧に頭を下げる。
「シャルガネの倭桜ノ街から来た大福なのだ。こっちは狼の粽。よろしくお願いします、なのだ!」
ジュストも頭を下げる。
「大福のお家もお店をしているのだ。ペット用品の棚も増やしたいし、一杯勉強して帰るのだ!」
「互いに勉強ということですね」
ジュストは大福と粽を見比べる。
サイラスは「男子会? だよね?」と首をかしげる。
テーブルの上を見ると、何もない。
女子会のイメージから性別を変えた状況だったので、食べ物色々出ることにつながっていた。
リゼットがお茶を淹れているし、茶菓子が出るし、仕事だと切り替える。
挨拶と同時に、ペットの狼の紹介をする。
「……大福……なんだ」
サイラスは大福を見た。
大福は狼を見た。
ゲルトは挨拶をし、相棒のメスの白狼ノーラを紹介した。
ノーラは冬毛でもふもふ増量中。
「よろしくな」
皆の視線がノーラのもふもふに集まる。
Alexandra・Hexe・Claudiaは相方の狼の毛並みはきちんと整えていた。
灰褐色の毛並みは季節柄、もふもふ増量。
ほのかに石鹸の香りがする。
語るべきエピソードとぜひとも作ってほしいアイテムの絡みもあり、参戦だった。
「よろしくお願いします」
●狼編
「そういえば、狼さんは依頼で栗鼠さんとか近くにいたりしても、食べたりちょっかい出したりしないのかな?」
お茶を出すリゼットは疑問をつぶやく。
飼い主たちに緊張が走るが、動物たちは互いに挨拶をしている。
「お兄ちゃんの猫もいたずらしないように、しっかり抱っこしててね」
リゼットはさらりと兄に釘をさす。
「皆さんのペットさんは、お利口にしているし、よく手入れされてて素敵です」
リゼットは話を振り、隅で待機した。
ゲルトは考える。
「依頼に連れていかないけど、確かに、色々な動物がいるな」
そこから、ノーラに関して話し始める。
「森を歩くときにノーラを連れていく。嗅覚が鋭いから薬草とか探すものを見つけやすい。それに、違和感にも気づいてくれる」
ノーラはゲルトのそばで、粽と挨拶をしていた。
サイラスは「それはいいなぁ。番犬として役に立たないし」と相槌を打つ。
顔見知りが餌付けしたことが原因だ。
「二年くらい前、番犬に犬が欲しいと言ったら狼だったし、メスだと聞いていたのに、オスだったときた」
ジュストが何とも言えない表情を浮かべていた。
「そこまではいいんだ。家中マーキングするし、壁や籠に体当たりするのはやめてほしい。鍛冶屋やってんだけど、武器が落ちて直撃しかかって」
大福が「怖いのだ」と上から降ってくるものを想像した。
粽は気になっているノーラに敵意がないことを示したり、尻尾を小さく振ったりしていたが、大福の様子に気付いて見上げる。
サイラスは話を続ける。
「で、馬鹿な子ほどかわいいとはいうよね。動物交感で意思疎通すると、大抵『腹減った』だったりする。作業は邪魔しないし、冒険者業の都合で移動するけど、動物可の宿に泊まっても強盗以外では騒がないし、食べちゃまずいもんは食わんし。あとモフい。強盗出たら吠えて伝えて、抵抗するし」
サイラスの言葉からはかわいがっているし、いい相棒そうだ。
大福はノーラを見つつ、ゲルトにいう。
「触ってもよいのだ?」
「構わない」
大福は嬉しそうにもふもふのノーラを触る。
手触りが最高だ。
おとなしいから大福はかわいがる。
スッとノーラが大福の腕から抜け、大福の顔を前足でムギュと押した。
「嫌、なのだ!?」
「ある程度来ると、拒否する。痛くはないけど」
「でも、なぜか、うれしい気もするのだ」
肉球スタンプがつくからかもしれない。
大福は「粽の話をするのだ」と話を進める。
粽は大福と同じ毛の色とまだら模様のオス。軽く出会いを語り、最近の出来事になる。
「換毛期でもう一体の粽を作れるのだ。大福も実は作れるのだ!」
ゲルトが「換毛期あるんだ」と反芻した。
「朝晩の大福の毛繕いが日課だし、衣服も用意してくれるのだ」
サイラスは比較対象となる狼を見た。
「大福を強くしようとしてくれるのだ! 狩りの練習で凶暴な大型動物を連れてくるのだ」
Alexandraが「小型ではだめなのです?」と問う。
「……兎とかは攻撃できないのだ……」
Alexandraは「それは致し方がありませんね」という。
Alexandraは狼の話を始めた。
「名前はあるようですが、私は知りません。寡黙で人とのなれ合いも好みません」
狼は挨拶をしていたが、現在はじっとしている。
「彼は、世話好き、もしくは、子ども好きなのだと思います」
「わかるもんなんだ?」
サイラスが尋ねると「ええ、突き止めたんです」とAlexandraは答える。
「彼のことはよく洗うんです。依頼の目録とか運んでもらったあと、時間があると、どこかで遊んでくるのか汚れを『背負って』帰ってくるのです。それ自体は、大変ですが、おとなしく洗われてくれますので助かります」
聴衆はうなずく。
「王国の、ある子爵領……依頼で保護した野生兎たちを野に還してからしばらくしてから……彼がひとりで遊びに行くから見に行ったんです。兎の巣のそばで、ゴロンとなり、子ウサギの遊び場になっていました。光景は、もふもふがもふもふともふもふもふでした」
ジュストがよくわからないという顔をしている。
「何を言っているかわかりませんね。すみません。で、子兎と遊んだりするため、粗相をされたりするようです」
どういう汚れか、石鹸が隠すものが伝わった。
Alexandraは「アイテムですが」と切り出す。
「彼が持てる防水カバンがあるとよいですね。あとは、洗った後の温風を当てられるような紋具があれば……暖炉や生活魔法を組み合わせるなどは時間かかりますし」
サイラスは「携帯トイレ的なものかな」という。
「服系は着せると破るから、参考にはならんな」
ジュストが驚いたため、サイラスは「動物にもよるし、個体にもよる」と周りを見た。
ゲルトが「首輪は毛足が長いと見えない」と問題点を言う。
「強く噛みついたり、たたきつけたりしても簡単に壊れない玩具が良いかな」
大福は実家の店にあるものを思い出す。
「やおよろず亭には犬猫の首輪や簡単なお手入れセットしかないのだ。家畜だと実用的でかわいくないのだ。シャルガネ風の衣装とか玩具とか置きたいのだ」
ジェストは「なるほど」とうなずく。
「大福が個人的に作りたいのは、犬ぞりなのだ! お馬さん用のを、粽が引こうとするのは困るのだ。車輪の取り外しができるようにして、草・土・雪、どこでも行けるようにしたいのだ! どこまでも一緒に行くのだ!」
大福は粽の首根っこに抱き着いた。
その愛情の深さを見て、ジュストがうなずく。
猫ではできなくても、気持ちは分かった。
●栗鼠編
兄の様子を見てリゼットはホッとする。
ジュストは猫の話をしていいか躊躇していたが、徐々に色々話に加わっていた。
リゼットはペットを飼っていないが、何か案はないかと考える。
ランがしているマントが目に入る。
「布……やはりいいですよね」
セヴランの肩の上にいるララにロロは木の実を持っていく。
ランはララとロロに挨拶したり、粽の頭の後ろを毛繕して、初見のジュストを遠巻きに見ていた。猫が来ないことを確認後、ジュストの肩に乗る。瞳をキラキラさせて、ジュストの顔を見る。
カインは狼をなでて話を聞いていたが、ポットのお湯がなくなったことに気付く。ポットを替えるとともに、人間用および動物用のおやつを持ってくる。
ジュストに「肩に載っているけれど、いいかい?」と尋ねた。
緊張気味にうなずかれる。
「ランはおやつ待ちだ。あげてみる?」
カインはナッツの入った器をジュストに渡した。
ジュストは恐る恐るランに渡す。
ランはそれをその場で食べ始める。
しばらく、ジュストはランにおやつをやっていた。
それを見つつ、カインは話を始めた。
「ジュストに飛び乗ったみたいに、ランのちょっとした事件ならある。買い物中、売られている布に飛び移り、買い取らないといけない……それがそのケープ」
カインはランを抱き、ジュストに見せる。緑のギンガムチェックのケープだ。
「今もケープは補充してる。ランが気に入った布で。また布の上に乗られたらたまんねぇし」
セヴランが「お手製って聞いたけど」と確認し、質問をする。
「小さいものを作るときに気を付けていることあるかな? 色んな種類の子を連れているし、みんなに愛情を注げるのはすごいと思うよ」
「うーん? 小さいかより、針は残せないし、爪がかからないようにするのは重要だな」
ジュストが「爪?」と問う。
「布や縫い目に引っ掛けることもある。そうなると危ないからな」
「なるほど」
「ファはスカーフ、シアはリボンだけど、あいつらには服に関してはない。ファはブラッシングとか手入れをこまめにしないと怒るし、シアは日当たりのいい場所に寝るところに作らないと機嫌が悪くなる」
セヴランは「やっぱり、マメだよ」と褒めた後、ララのことを話す。
「僕のララは子栗鼠のころから手元にいて慣れているせいか、おとなしく着けさせてくれるからありがたいよ。エゴだってわかっているけど、大事な相棒だし、個体識別の目的もある」
アーシェルが「わからないものか?」と問う。
「依頼中とか、パッと見てわかるかどうか……とはいえ、装飾付けると可愛いというのもあるけどね」
セヴランは微笑む。
「リボンが多いかな。見た目と依頼の時は目立ちすぎないバランスを見て。リボンがね、ララと一緒に踊っているみたいにひらひらするのはかわいいよ、とっても」
ジュストの視線がララとリボンに注がれる。
「実際ララに贈るから、女性ものや手芸店で選ぶことに戸惑いはないけど、ペット用と銘打たれていると、買いやすいかもしれないね」
ジュストは「なるほど」とうなずく。
「極細のリボンと結ばなくていい極小さな留め金があると便利。それぞれの色や柄などの組み合わせを楽しめると思うのだけどどうだろう? 解ける心配もなくなるし」
提案して、ララをなでた。
「首飾りのようにかけてあるタイプがあってもよいね」
アーシェルはロロを見るが、ララへのアピールで忙しい。
「セヴランに付き合ってもらって、相棒探しで出会ったんだ。ララに一目ぼれして、俺についてきた……しぶしぶ」
ロロの外見はキリッとしている顔、かつ、勝気さがある。
「栗鼠グッズ、飼い主と揃いで付けられる装飾品もいいな。例えば、首や尻尾に結ぶ飾り紐と、人間側の武器に付ける根付のセットとか……なんだよ、ロロ、露骨に嫌な顔しやがって」
「ロロは……ワイルドだからそのままで十分。かっこいいけど毛並みの手入れ用品があるといいかも?」
セヴランがロロを褒める。
アーシェルは装飾品ではないアイテムも提案する。
「依頼に連れていくときに入ってもらう柔らか素材のポーチみたいなものがあるといいな。冬はもこもこ素材で温かく、夏は通気性のある素材で作るのはどうだ? 色や柄でバリエーションを出せると思う」
ジュストはうなずく。
アーシェルはロロにおやつをあげようと「こっちに来い」と言っても行かない。しかし、セヴランになだめられてロロはしぶしぶ戻る。
「俺の言うことは聞いてくれないのか……自分の方が偉いし、強いと思っているんだろうか」
ロロはアーシェルの首と髪の間あたりに爪を入れた。
「……いてっ! ひっかいたな、この野郎! 本当にかわいげないな」
ロロはナッツを口の含むとぴょーいと逃げる。
「てか、待て」
ロロはお構いなしに逃げる。
アーシェルが追うため、狼の横を通り、ノーラの陰に入る。粽が前足で停止するように言われるが、そこを上り、狼に飛ぶ。
ジュストの手元の猫がそわそわし始める。
追いかけっこが楽しそうに見えるのかもしれない。
リゼットが「お兄ちゃん!」と慌てて注意を促すが、猫はジュストの腕をシュッと抜けた。楽しそうなものは見逃せなかったようだ。
しかし、カインが手慣れた手つきで、猫を止めた。
しばらくロロは走り回った後、アーシェルの首元に入り込み丸くなった。
アーシェルはほっとして、その背をなでる。寝息が聞こえる。
●名残惜しい楽しい時間
リゼットが提案を一つする。
「布を身に着けてもらうのがいいかなって思いました」
ジュストは話を促した。
「ペットに巻くのもいいけど、敷物とか。ペットが載るのとか、エサ入れの下に敷くものとか。機能的かつオシャレにしたらよいんじゃないかって」
一応、兄は依頼主ということで丁寧に言う。
「可愛いのはわかります。ものすごく、ものすごく」
皆の話を聞けばそれはなおさら。
「装着しやすい形を考えて、モデルになってもらうとよいかも……」
リゼット、商人の視線で、ジュストの猫を見ていた。
ジュストは特にそれには何も言わないが、終わりの時間は意識した。
「名残惜しいですが、貴重な話をしてくれて、ありがとうございます」
それに対して、冒険者は「いえいえ!」と異口同音に返事があった。
リゼット・ブランは兄ジュスト・ブランが出した依頼に驚いた。
「お兄ちゃん、いつの間に」
「何が?」
「最近お姉ちゃんの部屋にちょいちょいいたのって、猫の部屋作るためだったの?」
「……」
「この子には何かすごく優しいというか甘いというか、過保護……まぁ、いいけど。商品に毛が付いたら大変だもの」
姉が出ていき空いている部屋だ、どう使っても文句は言われまい。
参加者を見て言う。
「皆さん、応じてくださってありがとうございます! お茶菓子はとっておきのものを張り切って、ご用意しますので、リラックスしてお話してくださいね!」
セヴラン・クアルトはリゼットに応じてから、アーシェル・G・クラインに声をかける。
「女子会のような華やかな笑い声は上がらないだろうけど、和やかな会になるとよいね。アーシェルにロロ、久しぶりだね、元気にしてたかい」
「ああ。そちらも、だな?」
アーシェルは答える。栗鼠のロロはセヴランの栗鼠の元に駆け寄っていた。
アーシェルはジュストに向く。
「リゼットにはいつも世話になっている。友人のアーシェルだ。今日はよろしく頼む」
「迷惑をかけていませんか」
アーシェルは「そんなことはない」と否定する。
カイン・ステラはジュストに挨拶と、ペットの紹介をする。
「今日連れて来たのは、栗鼠のランだ。留守番には大鼬のファと、猫のシアもいる。全員、女だ」
リゼットに「これは差し入れ」とクッキーを渡す。自作でプレーンと紅茶の他に、醬油とチーズ味。
必要に応じて、リゼットの手伝いをするつもりだ。
なお、ランは見覚えのある者を見て、挨拶に向かう。
大福は「ジュストさん、初めましてなのだ」と丁寧に頭を下げる。
「シャルガネの倭桜ノ街から来た大福なのだ。こっちは狼の粽。よろしくお願いします、なのだ!」
ジュストも頭を下げる。
「大福のお家もお店をしているのだ。ペット用品の棚も増やしたいし、一杯勉強して帰るのだ!」
「互いに勉強ということですね」
ジュストは大福と粽を見比べる。
サイラスは「男子会? だよね?」と首をかしげる。
テーブルの上を見ると、何もない。
女子会のイメージから性別を変えた状況だったので、食べ物色々出ることにつながっていた。
リゼットがお茶を淹れているし、茶菓子が出るし、仕事だと切り替える。
挨拶と同時に、ペットの狼の紹介をする。
「……大福……なんだ」
サイラスは大福を見た。
大福は狼を見た。
ゲルトは挨拶をし、相棒のメスの白狼ノーラを紹介した。
ノーラは冬毛でもふもふ増量中。
「よろしくな」
皆の視線がノーラのもふもふに集まる。
Alexandra・Hexe・Claudiaは相方の狼の毛並みはきちんと整えていた。
灰褐色の毛並みは季節柄、もふもふ増量。
ほのかに石鹸の香りがする。
語るべきエピソードとぜひとも作ってほしいアイテムの絡みもあり、参戦だった。
「よろしくお願いします」
●狼編
「そういえば、狼さんは依頼で栗鼠さんとか近くにいたりしても、食べたりちょっかい出したりしないのかな?」
お茶を出すリゼットは疑問をつぶやく。
飼い主たちに緊張が走るが、動物たちは互いに挨拶をしている。
「お兄ちゃんの猫もいたずらしないように、しっかり抱っこしててね」
リゼットはさらりと兄に釘をさす。
「皆さんのペットさんは、お利口にしているし、よく手入れされてて素敵です」
リゼットは話を振り、隅で待機した。
ゲルトは考える。
「依頼に連れていかないけど、確かに、色々な動物がいるな」
そこから、ノーラに関して話し始める。
「森を歩くときにノーラを連れていく。嗅覚が鋭いから薬草とか探すものを見つけやすい。それに、違和感にも気づいてくれる」
ノーラはゲルトのそばで、粽と挨拶をしていた。
サイラスは「それはいいなぁ。番犬として役に立たないし」と相槌を打つ。
顔見知りが餌付けしたことが原因だ。
「二年くらい前、番犬に犬が欲しいと言ったら狼だったし、メスだと聞いていたのに、オスだったときた」
ジュストが何とも言えない表情を浮かべていた。
「そこまではいいんだ。家中マーキングするし、壁や籠に体当たりするのはやめてほしい。鍛冶屋やってんだけど、武器が落ちて直撃しかかって」
大福が「怖いのだ」と上から降ってくるものを想像した。
粽は気になっているノーラに敵意がないことを示したり、尻尾を小さく振ったりしていたが、大福の様子に気付いて見上げる。
サイラスは話を続ける。
「で、馬鹿な子ほどかわいいとはいうよね。動物交感で意思疎通すると、大抵『腹減った』だったりする。作業は邪魔しないし、冒険者業の都合で移動するけど、動物可の宿に泊まっても強盗以外では騒がないし、食べちゃまずいもんは食わんし。あとモフい。強盗出たら吠えて伝えて、抵抗するし」
サイラスの言葉からはかわいがっているし、いい相棒そうだ。
大福はノーラを見つつ、ゲルトにいう。
「触ってもよいのだ?」
「構わない」
大福は嬉しそうにもふもふのノーラを触る。
手触りが最高だ。
おとなしいから大福はかわいがる。
スッとノーラが大福の腕から抜け、大福の顔を前足でムギュと押した。
「嫌、なのだ!?」
「ある程度来ると、拒否する。痛くはないけど」
「でも、なぜか、うれしい気もするのだ」
肉球スタンプがつくからかもしれない。
大福は「粽の話をするのだ」と話を進める。
粽は大福と同じ毛の色とまだら模様のオス。軽く出会いを語り、最近の出来事になる。
「換毛期でもう一体の粽を作れるのだ。大福も実は作れるのだ!」
ゲルトが「換毛期あるんだ」と反芻した。
「朝晩の大福の毛繕いが日課だし、衣服も用意してくれるのだ」
サイラスは比較対象となる狼を見た。
「大福を強くしようとしてくれるのだ! 狩りの練習で凶暴な大型動物を連れてくるのだ」
Alexandraが「小型ではだめなのです?」と問う。
「……兎とかは攻撃できないのだ……」
Alexandraは「それは致し方がありませんね」という。
Alexandraは狼の話を始めた。
「名前はあるようですが、私は知りません。寡黙で人とのなれ合いも好みません」
狼は挨拶をしていたが、現在はじっとしている。
「彼は、世話好き、もしくは、子ども好きなのだと思います」
「わかるもんなんだ?」
サイラスが尋ねると「ええ、突き止めたんです」とAlexandraは答える。
「彼のことはよく洗うんです。依頼の目録とか運んでもらったあと、時間があると、どこかで遊んでくるのか汚れを『背負って』帰ってくるのです。それ自体は、大変ですが、おとなしく洗われてくれますので助かります」
聴衆はうなずく。
「王国の、ある子爵領……依頼で保護した野生兎たちを野に還してからしばらくしてから……彼がひとりで遊びに行くから見に行ったんです。兎の巣のそばで、ゴロンとなり、子ウサギの遊び場になっていました。光景は、もふもふがもふもふともふもふもふでした」
ジュストがよくわからないという顔をしている。
「何を言っているかわかりませんね。すみません。で、子兎と遊んだりするため、粗相をされたりするようです」
どういう汚れか、石鹸が隠すものが伝わった。
Alexandraは「アイテムですが」と切り出す。
「彼が持てる防水カバンがあるとよいですね。あとは、洗った後の温風を当てられるような紋具があれば……暖炉や生活魔法を組み合わせるなどは時間かかりますし」
サイラスは「携帯トイレ的なものかな」という。
「服系は着せると破るから、参考にはならんな」
ジュストが驚いたため、サイラスは「動物にもよるし、個体にもよる」と周りを見た。
ゲルトが「首輪は毛足が長いと見えない」と問題点を言う。
「強く噛みついたり、たたきつけたりしても簡単に壊れない玩具が良いかな」
大福は実家の店にあるものを思い出す。
「やおよろず亭には犬猫の首輪や簡単なお手入れセットしかないのだ。家畜だと実用的でかわいくないのだ。シャルガネ風の衣装とか玩具とか置きたいのだ」
ジェストは「なるほど」とうなずく。
「大福が個人的に作りたいのは、犬ぞりなのだ! お馬さん用のを、粽が引こうとするのは困るのだ。車輪の取り外しができるようにして、草・土・雪、どこでも行けるようにしたいのだ! どこまでも一緒に行くのだ!」
大福は粽の首根っこに抱き着いた。
その愛情の深さを見て、ジュストがうなずく。
猫ではできなくても、気持ちは分かった。
●栗鼠編
兄の様子を見てリゼットはホッとする。
ジュストは猫の話をしていいか躊躇していたが、徐々に色々話に加わっていた。
リゼットはペットを飼っていないが、何か案はないかと考える。
ランがしているマントが目に入る。
「布……やはりいいですよね」
セヴランの肩の上にいるララにロロは木の実を持っていく。
ランはララとロロに挨拶したり、粽の頭の後ろを毛繕して、初見のジュストを遠巻きに見ていた。猫が来ないことを確認後、ジュストの肩に乗る。瞳をキラキラさせて、ジュストの顔を見る。
カインは狼をなでて話を聞いていたが、ポットのお湯がなくなったことに気付く。ポットを替えるとともに、人間用および動物用のおやつを持ってくる。
ジュストに「肩に載っているけれど、いいかい?」と尋ねた。
緊張気味にうなずかれる。
「ランはおやつ待ちだ。あげてみる?」
カインはナッツの入った器をジュストに渡した。
ジュストは恐る恐るランに渡す。
ランはそれをその場で食べ始める。
しばらく、ジュストはランにおやつをやっていた。
それを見つつ、カインは話を始めた。
「ジュストに飛び乗ったみたいに、ランのちょっとした事件ならある。買い物中、売られている布に飛び移り、買い取らないといけない……それがそのケープ」
カインはランを抱き、ジュストに見せる。緑のギンガムチェックのケープだ。
「今もケープは補充してる。ランが気に入った布で。また布の上に乗られたらたまんねぇし」
セヴランが「お手製って聞いたけど」と確認し、質問をする。
「小さいものを作るときに気を付けていることあるかな? 色んな種類の子を連れているし、みんなに愛情を注げるのはすごいと思うよ」
「うーん? 小さいかより、針は残せないし、爪がかからないようにするのは重要だな」
ジュストが「爪?」と問う。
「布や縫い目に引っ掛けることもある。そうなると危ないからな」
「なるほど」
「ファはスカーフ、シアはリボンだけど、あいつらには服に関してはない。ファはブラッシングとか手入れをこまめにしないと怒るし、シアは日当たりのいい場所に寝るところに作らないと機嫌が悪くなる」
セヴランは「やっぱり、マメだよ」と褒めた後、ララのことを話す。
「僕のララは子栗鼠のころから手元にいて慣れているせいか、おとなしく着けさせてくれるからありがたいよ。エゴだってわかっているけど、大事な相棒だし、個体識別の目的もある」
アーシェルが「わからないものか?」と問う。
「依頼中とか、パッと見てわかるかどうか……とはいえ、装飾付けると可愛いというのもあるけどね」
セヴランは微笑む。
「リボンが多いかな。見た目と依頼の時は目立ちすぎないバランスを見て。リボンがね、ララと一緒に踊っているみたいにひらひらするのはかわいいよ、とっても」
ジュストの視線がララとリボンに注がれる。
「実際ララに贈るから、女性ものや手芸店で選ぶことに戸惑いはないけど、ペット用と銘打たれていると、買いやすいかもしれないね」
ジュストは「なるほど」とうなずく。
「極細のリボンと結ばなくていい極小さな留め金があると便利。それぞれの色や柄などの組み合わせを楽しめると思うのだけどどうだろう? 解ける心配もなくなるし」
提案して、ララをなでた。
「首飾りのようにかけてあるタイプがあってもよいね」
アーシェルはロロを見るが、ララへのアピールで忙しい。
「セヴランに付き合ってもらって、相棒探しで出会ったんだ。ララに一目ぼれして、俺についてきた……しぶしぶ」
ロロの外見はキリッとしている顔、かつ、勝気さがある。
「栗鼠グッズ、飼い主と揃いで付けられる装飾品もいいな。例えば、首や尻尾に結ぶ飾り紐と、人間側の武器に付ける根付のセットとか……なんだよ、ロロ、露骨に嫌な顔しやがって」
「ロロは……ワイルドだからそのままで十分。かっこいいけど毛並みの手入れ用品があるといいかも?」
セヴランがロロを褒める。
アーシェルは装飾品ではないアイテムも提案する。
「依頼に連れていくときに入ってもらう柔らか素材のポーチみたいなものがあるといいな。冬はもこもこ素材で温かく、夏は通気性のある素材で作るのはどうだ? 色や柄でバリエーションを出せると思う」
ジュストはうなずく。
アーシェルはロロにおやつをあげようと「こっちに来い」と言っても行かない。しかし、セヴランになだめられてロロはしぶしぶ戻る。
「俺の言うことは聞いてくれないのか……自分の方が偉いし、強いと思っているんだろうか」
ロロはアーシェルの首と髪の間あたりに爪を入れた。
「……いてっ! ひっかいたな、この野郎! 本当にかわいげないな」
ロロはナッツを口の含むとぴょーいと逃げる。
「てか、待て」
ロロはお構いなしに逃げる。
アーシェルが追うため、狼の横を通り、ノーラの陰に入る。粽が前足で停止するように言われるが、そこを上り、狼に飛ぶ。
ジュストの手元の猫がそわそわし始める。
追いかけっこが楽しそうに見えるのかもしれない。
リゼットが「お兄ちゃん!」と慌てて注意を促すが、猫はジュストの腕をシュッと抜けた。楽しそうなものは見逃せなかったようだ。
しかし、カインが手慣れた手つきで、猫を止めた。
しばらくロロは走り回った後、アーシェルの首元に入り込み丸くなった。
アーシェルはほっとして、その背をなでる。寝息が聞こえる。
●名残惜しい楽しい時間
リゼットが提案を一つする。
「布を身に着けてもらうのがいいかなって思いました」
ジュストは話を促した。
「ペットに巻くのもいいけど、敷物とか。ペットが載るのとか、エサ入れの下に敷くものとか。機能的かつオシャレにしたらよいんじゃないかって」
一応、兄は依頼主ということで丁寧に言う。
「可愛いのはわかります。ものすごく、ものすごく」
皆の話を聞けばそれはなおさら。
「装着しやすい形を考えて、モデルになってもらうとよいかも……」
リゼット、商人の視線で、ジュストの猫を見ていた。
ジュストは特にそれには何も言わないが、終わりの時間は意識した。
「名残惜しいですが、貴重な話をしてくれて、ありがとうございます」
それに対して、冒険者は「いえいえ!」と異口同音に返事があった。
マスターコメント
ご参加ありがとうございます。
栗鼠と狼で二分されており、助かりました。ありがとうございます。
章構成はエピソードとグッズ案で分けるも考えましたが、会話減りそうだったので、動物で分けました。
フリガナ多いのは、色々考えた結果です。
私はもふもふかけて満足しています。
では、また、ご縁があればお会いしましょう。
ショートシナリオR易しい 報酬:少ない8 / 4〜8人
2022年02月12日 07時48分17秒 公開
大成功
相談掲示板
No.1
サイラスだ、よろしくなー とりま狼の予定
カイン・ステラ、よろしく。 栗鼠のラン連れてくー
大福なのだ~ もちろん粽と参加するのだ~
セヴラン・クアルトだよ 栗鼠のララを連れて行くから宜しくね
クラウディアです。よしなに。 ―思い入れを考えると、私も狼を連れてくることになりましょうか…
アーシェルだ。よろしく頼む。 俺は栗鼠のロロを連れてく。 良かったら仲良くしてやってくれ。
ゲルトだ、今回はよろしくな。 白狼のノーラを連れていくぞ! (真っ白モフモフなメスの狼さんです。ただいま冬毛期間なのでモフモフ増量中、もふりたい吸いたいという方はご自由にどうぞ♪)
リゼット・ブランです 今回はうちの兄がお世話になります! お兄ちゃんいつの間に…… 私はペットを連れていないので お茶を淹れたり いない人目線で お話を聞いて見ようと思います 宜しくお願いします(ぺこり)