【魂禍】怯える瞳
革酎
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シナリオID:1823
オープニング
シグモル火山帯では、神徒と呼ばれる武力集団が各地の村や集落を守っている。
構成員自身も神徒と呼ばれ、決して少なくない数の授恵者が所属していた。双子の美女姉妹サジェルとルデラも神徒に所属する授恵者であり、過去に何度か冒険者と共に魔獣やクリーパーを撃退したこともあった。
その双子のうちのひとりサジェルがある日、シグモル火山帯沿海地に幾つも点在する町のうちのひとつブルアスの冒険者ギルド支部に、必死の形相で駆け込んできた。
曰く、辺獄内でクリーパーと少年兵らしき集団が熾烈な戦闘を繰り広げているのだという。
双子の美女姉妹は先般から辺獄周辺で妙な集団が出没していることに疑問を覚え、独力で潜入調査を続けていたのだが、この日、調査対象である広大な横穴洞窟群内で少年兵の様な集団とクリーパーの群れが、壮絶な死闘を繰り広げている場面に遭遇したというのである。
少年兵達は必死に抵抗しているが、次第に劣勢へと向かいつつあるらしい。このままではその少年兵達は全員が喰い殺されてしまうだろう。そうなる前に冒険者の一団を支援戦力として投入し、彼らを助け出したい。
「あの少年兵達の容姿や能力から鑑みて、先日保護されたジャンヌ・アンと同属と思われる。彼らが敵なのか味方なのかはさておき、魂を喰らうクリーパーが更に増長する様な事態だけは避けたい」
サジェルとしては、明らかに人類の敵であるクリーパーを利することが、最終的にはシグモル火山帯の危機をより増大させる結果となると判断した。
辺獄内の謎の少年兵達は必ずしも人類の味方であるとは限らないが、ここで彼らを見捨ててしまえば、それは必ずや人類にとって仇となって跳ね返ってくるだろう。
「今この町に居る冒険者を、出来る限り集めて欲しい。私が案内役になる」
「承知しました、少しお時間を下さい!」
サジェルの申し入れを受けて、年若い受付嬢プリエッタ・カリーは慌ててギルド内の休憩所や記録室等を駆け回り始めた。今この場に居るであろう戦力を、可能な限り手早く掻き集める為であった。
●捨てる者、拾う者
辺獄内の広大な横穴洞窟群内。
そこかしこに設置された篝火で辛うじて視界は確保されているものの、曲がりくねった横穴は決して見通しが良くはない。
そんな中で、かつてメルトウォールの暗殺師として闇から闇へと渡り歩いていたチェイ・ツァンウは、十数名の少年兵達と共に迫り来るクリーパーの群れと一進一退の攻防を続けていた。
「やれやれ、冒険者だけでも厄介だというのに、クリーパーまで相手にしないといけないとはネェ」
全身至る所に軽い切り傷を負ったチェイは、やや広めの洞窟内空間で低い声音を漏らしてぼやいた。
何とかクリーパー共の追撃を振り切り、こちらの気配を上手く隠すことが出来る広間へと辿り着いたのだが、クリーパーの数は多く、その探知能力の鋭さを考えれば、ここが発見されるのも時間の問題だろう。
流石のチェイも、これ以上の抵抗は無理だと匙を投げていた。相手が人間ならば点穴打術で幾らでも翻弄出来ただろうが、クリーパーとなるとまるで勝手が異なるのである。
かといって、共に肩を並べて戦っている少年兵達にも点穴打術で肉体強化を施すことは出来ない。彼らは既に別の技術でその肉体に手が加えられており、今更チェイの技術ではどうにもならない状態にあったからだ。
辛うじてチェイ自身が己の肉体を強化していたものの、それだけでこの難局をどうにか出来る状況ではなかった。
支援戦力になり得る帝国過激派の兵士達は間の悪いことに、冒険者対策に追われて不在だった。その隙を衝く様にしてクリーパー共の襲来である。
今回ばかりは運が悪いという他は無い。
「さて、オノショタ様。ワタクシはそろそろ脱出しますが、オノショタ様は如何なさいますか? まぁ後でアルルカン様からぐちぐち怒られるかも知れませんが、命あっての何とやらですからネェ」
チェイは酷薄な笑みを浮かべて、オノショタと呼ばれた少年兵をちらりと眺めた。巨大な戦斧を得物として操ることから、チェイが面白半分にあだ名をつけたらしいのだが、そのオノショタ本人はただ怯えた表情を浮かべるばかりで何もいおうとはしない。
訊くだけ無駄だったかとチェイは小さく肩を竦め、硬い岩肌の地面にそっと耳を押し当てた。
「……もうすぐそこまで、何体か迫ってきていますネェ。ではオノショタ様、ここでお別れです。せいぜい頑張って下さいませ」
それだけいい残すと、チェイはさっさと別方向の横穴へと駆け出していった。
一方、残されたオノショタと少年兵達は、その場で戦闘態勢を取る。少年兵の中には足や背中、腰に重傷を負い、動けない者が居た。
オノショタは彼らを守る為に、この場で戦うことを決意したらしい。それがオノショタ本人の意思かどうかは分からない。だが彼の中に残された微かな意識の破片が、オノショタを突き動かしているのかも知れない。
やがて、巨大な爬虫類型のクリーパーが横穴の曲がり角の向こう側に姿を見せた。
と、そこへ想定外の人影が飛び込んできた。
神徒ルデラである。
「君達を味方だとは思わない。けど、クリーパーをこれ以上のさばらせる訳にもいかないからね。ここは一時休戦といこうじゃないの」
ルデラはいう。
きっともうすぐここに、助けが来る。信じて待て、と。
解説
マスターより
リプレイ
魂を喰らうクリーパーと異形の魔獣がそこかしこに蠢く広大な地下空間、辺獄。
シルトラース帝国過激派の拠点のひとつである横穴式研究施設フラスコがこの辺獄内に存在することは、既に周知の事実として冒険者達の間にも知れ渡る様になっていた。
そしてホムンクルスと呼ばれる人造授恵者が、残酷極まりない手法で次々と生み出されている事実も、多くの冒険者が知るところなっている。
今、神徒サジェルの案内を受けてこのフラスコ内を押し進む冒険者達は、そのホムンクルス達を救う為に敢えて危険を冒そうとしていた。
「ルデラとホムンクルス達の位置は、分かっているのか?」
発光苔が照らし出す薄闇の向こうをじっと凝視しながら、ロイ・アウレアは傍らでしゃがみ込んでいるサジェルに訊いた。前後に延びる空洞は複雑に曲がりくねり、時折現れる小部屋の如き空間には、どこも激しい戦闘の痕が生々しく残っていた。
ロイが先行して走らせていた相棒の栗鼠が引き返してきた時、サジェルもゆっくり立ち上がった。その掌の上には幾つかの果物の種が散らばっている。
「それ、もしかしてルデラさんが置いてった手がかり?」
横合いからアルマ・ヴァレンタインがひょいと覗き込んできた。早く少年兵、即ちホムンクルス達を助け出してやりたいと内心では気が逸るものの、慣れない土地とこの薄闇では焦りは窮地を招く結果にしかならないことをアルマはよく理解していた。
「私とルデラの間で使う追跡用の種だ。これで行き先が大体分かる」
「ここまでのところ、魔法制御の罠は無さそうだった。移動経路にも戦術的な視野を適用している辺りは、流石よく鍛えられた神徒だ」
応じたのはライナ・フレイヴァルツだ。ライナは薄闇の中で敵の奇襲と罠の双方に目を光らせていたのだが、今のところ差し迫った危険には遭遇していない。神徒はただ戦闘能力に秀でているだけではなく、あらゆる局面にも対応出来る様に訓練を施されていることが、ルデラとホムンクルス達の移動経路を追う間に随所で垣間見ることが出来た。
「この近辺を拠点としているクリーパーも魔獣も、陰に潜んで奇襲を仕掛けてくるという習性は、どうやら無さそうです」
とは、フロマーシュ・ダイヤドロップの弁。彼女もライナと同じく罠や奇襲の可能性に細心の注意を払っていたのだが、ここに至るまでの間に丁度良い潜伏空間が幾つもあったにも関わらず、敵の姿はまるで見られなかった。
恐らくはクリーパーも魔獣も、待ち構えるよりは積極的に動き回って獲物を探す方が得意なのだろう。
「しかしここから先は分からないな。移動経路をじっくり見させて貰ったが、次第に拙い方向に進みつつある様だ」
感心するフロマーシュやライナとは異なり、セリオス・オーガストは少しずつではあるが、ルデラ達の移動経路上の見通しが悪くなりつつある事実に気付いていた。クリーパーや魔獣との遭遇を避ける為に、敵の気配を察知しながら移動しているのであろうが、回避を優先すると矢張りどうしても追いやられる方向に移動先を絞られてしまうものである。
余り時間的な猶予は無さそうだった。
●ホムンクルス達
最初の戦闘が発生したのは、その直後だった。
ルデラの種を栗鼠に探させていたロイが、その経路上の広い空間に蜥蜴姿の中型クリーパーを発見したのである。件のクリーパーはその場から動く気配が無く、正面突破するしかない。
「さっさと始末してしまいましょう。ここで彼らを助けないとロ=スに繋がるという啓示も出ていますし、モタモタしてはいられません」
得物を構えながらフリーダ=ブロムヴィストが前に出た。
避けられぬ戦闘ならば短時間で済ませ、早々に少年兵達の捜索に戻りたい。そして何より、ここへ来て血臭が強くなり始めているのもフリーダには気がかりだった。彼らの中に重傷者が居るのなら、こんなところでクリーパーなどに手間取っている暇は無い。
「フロマーシュは後ろの守りをお願いします……どうやら、一体だけの様ですね」
フリーダの隣りに、巨大なハルバードを構えたハルハン・ツァガーンナルが立った。狭い洞窟空間内でこの長大な武器を自在に操ることが出来るのは、一種の才能といって良い。
フリーダとツァガーンナルの傍らをすり抜ける様にして、サイラスが壁沿いに音も無く走り出してゆく。クリーパーの背後へと廻る腹積もりの様だ。そのまま通り過ぎようとしてもいずれ発見はされるだろうが、それよりも先にフリーダとツァガーンナルの獰猛な勢いでの突撃が敵の注意を引いた。
まずはリーチの長いツァガーンナルのハルバードがクリーパーの喉元をかすめた。次いで大剣を振るうフリーダが敵の間合い内へと一気に飛び込む。薄闇の空間内には乱闘の轟音が渦巻き始めた。
クリーパーは接近戦を仕掛けるフリーダとツァガーンナルに意識を囚われている。ここがチャンスだ。背後に廻ったサイラスが更に巨大な爆音を響かせて岩砲を叩きつけた。
「おぉ、流石にこりゃ音デケぇわ」
自分で自分に呆れながらも、己の放った強烈な一撃でクリーパーに極大の打撃を叩き込んだ。
次いでロイとセリオスの鏃がクリーパーの脚部や胴部に深々と突き刺さる。この時点で敵はほぼ死に体だったが、とどめを刺したのはライナの魔矢であった。
接近戦のフリーダとツァガーンナルで敵の出足を止め、強大な火力を誇る他の面々が一斉に攻撃を加えるという効率的な作戦で、凶暴なクリーパーをほとんど数秒で仕留めた。サジェルやルデラ、或いはホムンクルス達だけでは到底不可能な戦術であろう。
これが冒険者の実力か、とサジェルは驚いているが、その彼女の前でサイラスが仕留めたばかりのクリーパーの死骸を手際良く解体し始めた。後で使うから素材として持っていきたいのだという。
「これは、結構な荷物になるのではないでしょうか?」
「まぁそうなんだけどよ、あったらあったで色々使えんだよ」
時間節約の為にと手伝ってくれるフロマーシュに、サイラスは苦笑を返した。
その時、更に奥へと向かう横穴の入り口付近で何かの影が動いた。ツァガーンナルは見覚えのある怯えた顔に穏やかな笑顔を向けた。
「助けにきましたよ……オノショタ」
巨大な戦斧を背負い、ひたすら恐怖に満ちた瞳をきょろきょろと左右に走らせているホムンクルスの少年、オノショタがそこに居た。
するとその背後から幾つもの人影が這い出してきた。全員、傷だらけの少年少女ばかりである。そして最後にサジェルとそっくりの女性神徒――ルデラの姿が冒険者達の前に現れた。
●心が壊れる前に
サジェルとルデラは一瞬だけ再会を喜び合ったものの、すぐさま脱出の算段をつけるべく、傷ついたホムンクルス達への救護を冒険者達に依頼した。
「お待たせー、助けに来たよー」
テラリウムのランタンで周囲を照らしながら、出血が激しいホムンクルス達の治療に取り掛かるアルマ。治癒師としての技量を存分に発揮しつつ、傷ついたホムンクルス達の精神状態をさりげなく読んでみた。
(……警戒はしていないみたいだね)
どうやら、こちらが差し伸べた手を素直に受け入れてくれそうな反応が感じられた。彼は最早、敵ではないといって良いだろう。
傍らではサイラスも数名のホムンクルスの手当てに当たっている。一見すると強面だが、その手つきは随分と優しく、ホムンクルス達の警戒心を解くにはこのギャップが案外有効なのかも知れない。
(何だ……チェイってのが居るのか?)
少女姿のホムンクルスに治癒を施術する際、サイラスは密かに相手の衣服から残留思念を読み取ってみた。微妙な殺意と嘲り、そして蔑みの感情が伝わってくる。唾棄したくなる様な不快さをも感じた。
サイラスが傍らで同じく救護活動に取り掛かっているロイに訊くと、ロイは渋い表情を返した。
「チェイ・ツァンウが近くに居るのか。少し面倒なことになるかも知れない」
点穴打術は今でこそ様々な対処法が確立しているが、敵として厄介な存在であることには間違いない。ところが同じくチェイ・ツァンウと浅からぬ因縁を持つアルマは小さく肩を竦めてかぶりを振った。
「今回はちょび髭おじさんはパス、かな。構ってあげてる暇なんて無いし」
だがセリオスは、少し様子が異なる。アルマとは違い、チェイが現れれば叩きのめしてやるという強い意志の力が瞳の奥でめらめらと燃え上がっている様に見えた。
「お姉さん……この子達、皆、受け入れて、貰える?」
ライナやフロマーシュの治癒術がホムンクルス達の弱った肉体を回復させてゆく様を見つめながら、オノショタが不意に問いかけた。相手は、ツァガーンナルだった。
ツァガーンナルは驚きを禁じ得なかった。オノショタがひとの言葉を理解していること、そして仲間達を思いやる心を抱いていることに。
同時に危うさをも感じた。オノショタは仲間達を救って欲しいと願っている様だが、自分自身は救われなくとも構わないという後ろめたさを抱いているのではないか、と。そして、それは事実だった。
「オノショタ、貴方も助かるんですよ」
「……僕はたくさん、悪いことをしてきたから」
その瞬間、ツァガーンナルはオノショタの小さな体躯を後ろからそっと抱きしめた。
「これはボクの我儘です。貴方達は確かにいっぱい、誰かを傷つけたかも知れません。でも、それはボクも同じで、助けたくない理由にはなりません」
手が届くならば諦めたくない。それがツァガーンナルの偽らざる想いだった。
オノショタだけではない。今、仲間達が治癒術を施しているホムンクルス達は皆、犠牲者なのだ。己の意思でひとびとを傷つけてきた訳ではない。自らの意に反して、破壊行為に手を付けざるを得なかったに過ぎない。
被害に遭った者や犠牲となった者の感情を軽視する訳ではないが、かといって彼らを責めるのは、それはそれで間違いだ――少なくともツァガーンナル自身は、彼らの盾になることも吝かではなかった。
●決着
フラスコ入り口周辺までの脱出はスムーズに進んだ。
移動中に岩盤の構造をつぶさに観察してきたロイが追いすがる魔獣に対し、落盤を誘発して追跡を阻止するといった頭脳戦を展開した他、サイラスがクリーパーの死骸を利用して魔獣に目くらましを仕掛け、攻撃の矛先をその都度変えさせるといった戦術が功を奏したのである。
正面から現れた敵に対してはフロマーシュとフリーダで対処した。激しい雄叫びで注意を引きつけてから閃光塗弾や範囲攻撃で翻弄するという戦術は、魔獣やクリーパーでは不可能な芸当だ。それら知力を尽くした作戦に下等生物程度が上手く対処出来る筈も無かった。
「少しばかり、火力全開でゆく。私の魔術が途絶えたら、後は任せるぞ」
ライナはその宣言通りに、立ち塞がる敵を片っ端からその圧倒的な火力で薙ぎ倒し続けた。フロマーシュも献身的と呼べる程の必死さでライナと共に敵を蹴散らす。ふたりの姿にホムンクルス達が驚きと同時に、感謝に近しい色を片方の瞳の奥に滲ませる様になっていたのは、悦ぶべき兆候であった。
しかしフラスコ入り口前の岩盤平原へと抜けたところで、最後の障害が待っていた。数体のクリーパーと魔獣に加え、特徴のある辮髪姿が攻撃を仕掛けてきたのである。
「チェイ・ツァンウ、矢張り出たか」
「彼らがここで全滅するのはまだ許容範囲ですが、冒険者に連れて帰られるのは見過ごせませんネェ」
闘志を剥き出しにするセリオスに対し、ちょび髭の下に不敵な笑みを浮かべたチェイ・ツァンウが嫌味ったらしい声音を返してきた。
ここで冒険者達は二手に分かれた。
「チェイ・ツァンウはお任せします。少年兵の皆さんは無事に送り届けますので」
フリーダは最初からチェイを相手に廻すつもりはなかった。時間の無駄だと判断したのである。
ホムンクルス達を辺獄出口まで送り届ける為にとフリーダの他、フロマーシュ、サイラス、アルマの合計四人が防御陣形を組んだまま先を急ぐ。オノショタを含むホムンクルス達はサジェルとルデラの支援を受けつつ、出口方面へと駆け続けた。
そして冒険者はアルマ以外の三人が鉄壁の防御で魔獣やクリーパーを寄せ付けず、アルマが治癒術で全員をサポート。この陣形を維持すれば、ホムンクルス達全員の脱出は十分に可能だ。
一方でロイ、セリオス、ライナ、ツァガーンナルは足を止めた。
まずロイがチェイの他に魔獣やクリーパーを引き付ける形で横穴へと飛び込む。敵がぞろぞろと横穴へ誘い込まれたところで、ライナがチェイの足元を稲光で包み込んだ。
チェイは一瞬身動きが封じられた。その周囲にクリーパーが群がり始める。これに対しチェイは全身の毛穴を解放し、酸霧をばら撒こうとした。
だがそれよりも早く、ツァガーンナルとセリオスが仕掛けた。長躯を弾丸と化したツァガーンナルの一撃で態勢が崩れたところに、同時にセリオスが閃光塗弾と炸光矢を駆使し、光と音で敵味方の判別がつかぬ一種の混乱状態を生じさせた。
「な……何ッ!?」
チェイにとってはクリーパーも魔獣も味方ではない。ツァガーンナルとセリオスの策で瞬く間にこれらの敵のど真ん中に放置され、攻撃照準を一身に浴びる格好となった。
クリーパーはセリオスとロイの放った鏃に加え、ライナの魔法攻撃を受けて手傷を負っている。その回復本能からくる獰猛さは、推して知るべし。
チェイの怒号が、悲鳴に変わった。手足が食われ、骨が砕かれ、肉体が破壊される不気味な音が薄闇の地獄の中で殷々と響き渡る。
「おのれ……おのれぇ……おのれぇぇぇぇッ!」
そこでチェイの声は途切れた。
「……楽に死ねると思うなよ」
低く呟いたセリオスだが、この時既にチェイの痩せ細った長身は四散し、魔獣やクリーパーの胃袋に収まっていた。
そして四人は、クリーパーと魔獣共がチェイの肉体を食い荒らし、次いでお互いに争い始める隙を衝いて一気に離脱を図った。最早これ以上、長居は無用であった。
数時間後――。
沿海の町ブルアスの冒険者ギルドで、フリーダとフロマーシュは受付嬢プリエッタ・カリーからの説明を受けて、救助したホムンクルス達の一時管理許諾の為の書類を作成していた。
ひとり一枚ずつ必要となる為、ふたりは手分けして次々と書き込んでゆく。
ライナは魔力を使い果たした為に相当疲れた様子で、休憩エリアのソファーに寝そべっていた。
「この子達は、どうなるのかな」
ロイに問われたプリエッタだが、はっきりとした答えを口にすることは出来ない。冒険者ギルドの対応は、まだ明確にはなっていないのだ。
でも、きっと大丈夫――オノショタの横顔を見つめるツァガーンナルは、冒険者ギルドが真っ当な判断を下すことを信じて疑わなかった。
マスターコメント
ショートシナリオ難しい 報酬:標準8 / 4〜8人
2022年01月30日 02時18分28秒 公開
相談掲示板
キャスター、ライナ・フレイヴァルツだ。皆よろしく頼む。 クリーパー達は魔獣や人々の魂を喰らい、それを自身の力の糧とするようだ。 なので、これ以上クリーパーを放置するわけにはいかないな。 なんとしても私たちで少年兵たちを助けたいところだ。 チェイ・ツァンウは敵か味方か判別がつかないが…。 アルルカンという名前が出た以上は警戒も必要だ。 彼(彼女?)が実験の何までしたかは分からないが、人を"弄繰り回した"のは間違いないだろう。 その辺りの真相はアルルカンの依頼に参加しているマーシュが情報をつかんでくれるはずだ。 ひと先ず私たちは、クリーパーを倒すことに注力しよう。 少年兵を助け出せば情報を得られるかもしれないしな。
ウォーリア、ツァガーンナルです! よろしくおねがいします! 手が届くなら、助け出しましょう! クリーパーを倒しつつ回避しつつ、上手く救出に。ですね 索敵と、地形の把握が大事でしょうか?
ウォーリアのフロマーシュ・ダイヤドロップと申します。 皆様よろしくお願いいたしますっ! 少年兵を助けるためにも、できるだけ早く見つけてあげたいですが、敵も徘徊している以上、不意打ちされないようにも気を付けて捜索する必要がありそうです… そんな時も含めて、無事みんなで救出し、脱出できるよう、頑張ってお守りして参りますのでっ!
ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー サジェルさんが案内役になるっていってくれてるし 場所の検討はついてるってことでいいのかなあ 少年兵さん達の手当に回復魔法と医療・薬学とー… 搬送に担架とか持ち込んでみようかなあと
ロイ・アウレアです。よろしくお願いします。 >場合によってはチェイ・ツァンウと戦うことになるかも その場合は、まだ残ってるだろうクリーパーをけし掛けて共倒れさせたいな。 うん、先ずは合流を目指して索敵で…超聴力や超嗅覚? ……後は地形の把握なら、サジェルさんが横穴洞窟の事を判らないかな? 少なくともルデラさんは、オノショタ達と合流できる程度には知ってるようなので サジェルさんに同行をお願いしたいと思ってます。 中が縦横無尽に繋がってるなら、側面に出て攻撃を掛けて追跡してる敵を分断とか 或いは、オノショタ達の目指してる出口が判ればお迎えに行けるね。 後ろから追うなら、周囲の敵を無視か振り切って全力移動で向うか… まだ細かい点が浮かばないが、動けない兵をどう運ぶかも含め、考えたいですね。 (アルマさんと被ったが、そのまま投稿しますー。)
・・・ん、シューターのセリオスだ、よろしく頼む とりあえずすでに言われてるが救出優先で問題ないな ロイやアルマの言う通りサジェルの案内の元、救助者まで直行して救出。あとは露払いをしつつ即帰還というところか。 まあ可能なら余計な戦闘は避けたいから俺は超聴力と孤高者の双波で索敵しながら進むつもりだ チェイ・ツァンウとやりあうならできるならクリーパーけしかけてついでに仕留めたいところだが(ごごごご
ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 基本方針は救出優先で問題ないと思います。 最短経路で救助者まで直行できれば良さそうな感じですね。 敵と接触時は手早く仕留める為に範囲攻撃を多用する形が良いと思いますが、 チェイ・ツァンウについては交戦自体が時間的ロスもありますし、 できればスルーしたい所ですが…… 索敵については超嗅覚や透視で索敵できればなと思います。 後は洞窟内部には篝火があるとはいえ、 なるべく照明器具は持ち込んだ方が良さそうです。
皆さま、改めて宜しくお願いします。 改めて読み直して、思い違いしてた点を… サジェルさんは戦闘が起きてる(起きてた)位置が判ってるのだね。 なので、そこへの案内と戦闘協力をお願いするのと セリオスとフリーダさんが話してくれたように、救助優先、最短経路で接触。 途中の敵は索敵や超聴力で避けるか、致し方ない時は撃破で行こうか。 視界は辛うじて確保って事なので自分も《暗視》、もう一つは皆に合せ別のを支度します。 チェイは、救助の流れで必要あれば容赦せずって位の認識でいて セリオスが闘志をぶつけるなら、救助を最優先にしつつだがフォローも入れるよ。 後は、オノショタ達と上手く共闘と退避へ持ち込めるようにプレにしないとだね。
No.9
サイラスだ、よろしくなー とりあえず交戦避けるなら重装鎧より隠蔽値下げ+機動力考えて軽装、攻撃範囲の都合で術武器にするかなと。ドラチャリ使用に問題はないから嗾けたり落とすのに使えるし。 後は暗視と医療or残留思念感応かねぇ。誰だか知らんがネームドいた事とか伝えれるし、怪我の処置or状況によっては出た方向分かるから避けれるしで。
私も暗視は用意しておこう。 灯りの手段は用意しておくことに越したことはないが、 手が空いておいたほうが何かと動きやすいからな。 もう一つの枠には何を持っていくかは悩みどころだな。 皆が持っていっていない物にはしようと思う。 攻撃手段としては範囲攻撃が主になりそうだな、 高火力でなるべく多くの数を減らせるように努力しよう。 ヒールは一応念のため持っていく。 後はそうだな、すべてのクリーパーを倒す必要がない(少年兵の救助が完了する) のであれば撤退用の役割で移動阻害の【アーケイン】を持っていこうかなと思っている。 チェイとの戦闘をもし避けるのであればこの辺りは役立ちそうだ。
通路上で邪魔になる敵は、誘導自体は無理そうでしょうか? 閃光弾などを投げて、気を引いたら抜けたりできないかな。と考えましたが スキルについては、シーザーロアと、殺界かカバリングで検討中です できるだけ、少年たちも助けたいですし
救助優先でいくことは了解いたしましたっ! 私も灯りに加え、暗視も用意いたしますっ。 もう一つは、今のところ透視か超聴覚か看破のいずれかにしていく予定ですっ。 スキルの方は、皆様や少年兵をお守りできるよう、シーザーロアとカバリングに加え、チャージングやヒールも用意していこうと考えております。 攻撃の際は、闘気槌で範囲攻撃をしていくつもりですっ。
魔獣の生態が判ってないので、気を引いたり足止めの手段は各自色々と準備して良いと思う。 皆さま、思いつく手でよろしくお願いします。 自分は横穴に引き込んで振り切る形でプレにしました。 少年兵は別の報告書から、人としての自我は残ってると判ったので 心へと声掛けをしてスムーズに味方と認識して貰いたいのと 必要なら共闘も……と、思うが…さてどうなるか(ここは字数と戦い中) 汎用は【暗視】と、走り回る間に迷子に成らない様に【位置感覚】にしたので 接敵や進路の安全確認の際は、超○○系や透視・双波の方々を頼りにさせて下さい。
もうすぐ出発になったねー みんなと同じく照明の持ち込みに敵を警戒しつつ急行と医療・薬学に加えて回復てんこ盛り あと言葉は通じないけど反応をみるのにエンパシーお試しする感じでプレ出してるよー