マーガレットと共に冬を踊ろう

狐野径

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シナリオID:1813

オープニング

●マーガレット祭り
 リーンエス王国カペル侯爵領にあるこの街では、季節の変化を称え「マーガレット祭り」が催される。
 春は芽生え、夏は成長し、秋は実り……冬は力を蓄えている季節であるといえる。
 農閑期ではある冬。寒いだけで何もないというのもおかしいのだ。
 どの季節も重要だ。
 変化があるから自然の恵み、人々の営みはある。
 ならば、冬の寒さの良さを感じつつも、温かく過ごし、楽しむことこそが季節の変化をたたえることにつながろうか?

 マーガレットは冬から春に向けて咲く。
 一つの株にたくさんの白い花。
 一つ一つは大きくなくとも、葉の緑と相まって、可憐かつ力強く見える。
 白が中心だけれども、黄もある。
 そのため、黄色の花は趣が異なるし、違う花のように見えるかもしれない。

 マーガレット祭りの行われる街では、マーガレットだけでなく冬ならではの花々が飾られる。
 それにより、冬の力強さと春に対する恋しさを感じることになる。
 街が花で彩られると、人々は自然とほほ笑む。

 花々は見た目だけでなく、香りでも人々の気持ち湧きあがらせる。
 枝に連なる黄色い花は静かな香りをまとい、小さな淡い赤い花は甘く訴えかける。

 花を愛でるだけでも寒さを忘れ、心和むことは間違いない。

 さらに、人間の心を浮き立たせるものがある。
 食事や土産物の屋台だ。
 シチューやスープ、ホットワイン。
 ぬくもりのあるパンに、ゆでたての肉の腸詰。
 スコーンも焼きたて。こちらは、そのままでも十分おいしいけれども、たっぷりのクリームと食べるのもおいしい。
 腸詰やホットワインなどには、スパイスとして領内でとれたハーブ類が入っている。そのさわやかな香りが、食欲を促進する。いくらでも料理を食べられそうだ。

 さて、マーガレット祭りの一番の見どころは、広場で行われるダンスだ。
 マーガレットで飾られたポールが立つ中、男女が組みふわりと周り、踊る。
 女性はマーガレットで作った冠をかぶり、エスコートする男性の胸にはマーガレットの花が一輪。
 春と秋が手をつなぎ、踊り、たたえる。
 冬はつなぐもの――それゆえに、このダンスは男女を結びつけるものとも言われている。
 街に住む年頃の男女は一喜一憂する。
 気になる相手は誰を誘うか、誰と誰が一緒に踊るのだろうか、と。

 このダンスは飛び入りも大歓迎。
 ダンス用の衣装がなくても、あってもいい。
 もし、街の人々がまとう服を着たいならば、貸衣装もある。その貸衣装の美しさも評判だ。
 女性はハイウエストのワンピース。ふんわりしたスカートは色とりどりの花のよう。
 冬ということで、ボレロを合わせるのもよいだろう。
 男性の衣装は、ズボンとジャケットは揃いのもの。色とりどりの刺繍が施されている。

 楽器を弾くのは街で用意した楽団だ。
 それでも、楽器好きの街の人が飛び入りする。
 楽器を持ってくればこちらも参加可能だ。

 マーガレット祭りの情報は、口コミで、または、冒険者ギルドで聞くことができる。
 冬のある日、のんびりできることは請け合いだった。
 気になるあの人と? 単身で? 仲間と?

解説

●目的・目標  マーガレット祭りを楽しむ。 ●その日の気候  晴天。  風はなく穏やか。  空気は冷たく、日差しは暖かい。  太陽が出ている時間帯を想定。 ●街の様子やできること  街全体が花で飾られている。花はマーガレットを中心とした季節の花。  祭りの会場自体は広場を中心とした場所ではある。  踊る場所を囲うように、街の外から誘導するように、屋台が並んでいる。  温かい飲み物や料理が供される。  街の散策をすることも可能であるし、花のにおいを楽しむならば、中心部から離れる必要ある。 ●貸衣装  女性は白いシャツにハイウエストのワンピース。ワンピースの色は様々ある。  ふんわりと膨らませたスカートは、動きやすく、踊りやすい。  ワンピースに合わせたボレロ(丈の短い前空きの上着)もある。  男性は白いシャツに、ズボンとジャケット。ジャケットは丈が短めタイプ。  刺繍が施されており、華やか。派手というより上品さがある。  ズボンとジャケットの色合いは紺や緑だったり様々だ。好みの一品はあるかもしれない。 ●お連れ様  男女のペアで踊るということもありますため、お相手が決まっている場合、記載をお願いします。迷子や間違いを避けることができます。

マスターより

 こんにちは、狐野径です。  このOP書いている最中に気づいたことがありました。  よく通る道にある建物の前の植物、黄色いマーガレットだということに。  これまで気づかなかったのはなぜか……花が咲く季節ではなかったのと最近だと違うルートを通ったからですね。  樹木化していると幹は「木」なので……キク科植物感がなかったのも影響していますね。  さて、シナリオについては、踊って食べて散策してなどなど、楽しんでください!  よろしくお願いします。

リプレイ

●ようこそ
 エル=バ=ノイアンはシルヴィア・A・カペルからカペル領について話を聞く。
「マーガレット祭りか。カペル領は花の祭りに事欠かないな」
 街を見れば、季節の花で飾られている。
 シルヴィアはノイアンを連れて貸衣装の場所に向かおうとしたが、見知った顔を見つけた。

 サイラスは恋愛に絡む部分は興味ない。
「店内仕込みの酒も飯も同業に酒盛りで強奪されたからこっちで楽しむわ」
 先日に遭ったことを考えると、ここで様々な料理を楽しむつもりだった。
 飲食屋台を覗くか考えていたところ、シルヴィアたちと目が合った。

 海神・江流は屋台を覗いていた。
 温かい飲み物に食べ物、人々の熱気。
 踊りの音楽も届いてくる。
 腸詰やホットワインを購入したところで、シルヴィアたちと会う。
「江流も来てたんだね」
「まぁ。寒さも吹き飛びそうな祭りだね」
 続いて、見知った他の人へも挨拶する。
「いいのか? 踊りに来たんじゃないのか?」
 江流は放っておけとばかりにシルヴィアに首を振る。
 シルヴィアはホットワインを手に、皆に声をかける――。

 リゼット・ブランは冬を考える。
「冬は暖炉の前で身を寄せ合って静かに過ごすもよし。元気に動いて身体を温めて寒さを追い払うもよし」
 寒い風は頬を撫でる。
 集まってきている人々を見ると、心が浮き立ってくる。
「今回のお祭りは張り切って楽しんで踊って温まります!」
 屋台に目が向く。
「その前においしいもの補給です」
 ホットワインを購入したところで、シルヴィアたち冒険者一行を発見し、合流する。
 ――そして、シルヴィアは言う。
「まず、乾杯はしておこうか?」
 今日の予定を考えるとまた会うかわからない。挨拶や感謝を込め、杯を掲げ、打ち鳴らす。
 リゼットはカペル領のおいしいもの、祭りに参加できることの幸せへの気持ち。
 さらに、(個人的にシルヴィアさんの身辺の変化にも、です)と心で言う。
「そうでした。あけましておめでとうございます。今年も素敵な一年になりますように!」
「リゼットも素敵な一年になるように!」
 シルヴィアが応えた。

 エフィルミアはナキルと共にやってきており、シルヴィアたちとの乾杯に合流していた。
「ふわーっ、ホットワインと最高に合いますね! ハーブがきいて、油っぽくないのでいくらでもいけちゃいそう」
 腸詰を食べ、エフィルミアは感想を言う。
 おいしそうに食べる様子を見てシルヴィアは「それはよかった」という。
 ナキルは乾杯の際、酒を飲もうとしたけれども、ダメと言われることを考え、諦めてジュースにした。ジュースはおいしいけれども、甘めだ。それでも、腸詰とは意外と合うので驚く。
 エフィルミアの飲食の勢いを見てナキルは少し心配になる。
 踊りに参加することを考えているのに、このまま酔いつぶれるのでは、と。
「ミア、オレより酒に弱いんだから飲みすぎるなよな」
「そんなことしないよ! これ食べてから、貸衣装のところに行こう」
 エフィルミアが答えた。

●花びら、ひとひら
 サイラスは衣装を借りに行く。サイズが合わなければ諦め、代案は考えていた。
 幸い合うのがあり、赤い上下を着る。
 そして、マーガレットの花を籠に入れ、食べ歩きをしばらくする。
 花はマーガレットの花言葉(恋占い)にちなみ、恋煩いしていそうな人に配るつもりだった。
 ふと、マーガレットの花に閃光塗料を少し塗れば、キラキラして特別感がでてよさげではないかと思った。
 会場の片隅で試していると、小さな子が「何しているの?」と声をかけてきた。
「マーガレットがキラキラして良さげかなって」
「かっこいいよ!」
 子どもは見守った後、手をぶんぶん振って立ち去る。
 その花も籠に入れ、配りに行った。
 シルヴィアが手招きをするためそちらに向かう。彼女は籠から一輪手に取り「ありがと」と言う。
 サイラスは「恋ねぇ……」とつぶやき立ち去る。
 踊る一行を見て、自分が踊らない理由を考える。
 踊りに集中すると尻尾が危険だという一点。
 とはいえ、輪に加わるのも楽しそうだ。
「ダンスはしないけど、ここにハープになる弓があるじゃろ? 演奏参加自由じゃろ?」
 演奏を始めた。

 シルヴィアは貸衣装を来て出てくる面々を見て「皆、よく似あっているよ」と声をかける。
 ノイアンが出てくると、シルヴィアの笑みは自然と深くなる。
 故郷の衣装をまとう彼を見るのは、どこかくすぐったい。
 ノイアンは衣装を借りるのは二度目。着こなしがどうかはシルヴィアの様子を見れば、問題はないと分かる。
 ノイアンは手を差し出し、シルヴィアは手を添える。
 踊りの輪に一歩踏み出す。
 ノイアンのエスコートに身を任せ、シルヴィアはスカートを翻す。
「君とこうして踊るのは春の予祝祭り以来だね」
「あっという間に時間は過ぎる、なんだか感慨深いな」
 シルヴィアの言葉にノイアンはうなずく。
 出会って間もないころ、初めて踊った日。
 時間とともに思いは重なる。
 踊るときは目の前の人ともに。
 曲が終わり、名残惜しい。
 シルヴィアはこちらを見る江流に気づいた。からかうように声なく言葉を発する。
 それを理解したのか江流は本に目を落としたり、視線をそらした。彼がどう行動するか気にはなる。
 そのような中、サイラスがマーガレットをもって歩いているため、呼び寄せる。
「サイラス、一輪もらっていいかな?」
 籠から一輪手に取ると、ノイアンに贈る。
「マーガレットはバラと同じく、本数で意味が違うんだ。今度調べてみるといいよ」
「ああ……」
 ノイアンはそういわれると、不安も覚える。しかし、悪い意味ではないと考えつつ、受け取ったマーガレットを見つめる。
 シルヴィアはマーガレットの冠をかぶりなおす。
 少し赤くなっている頬を隠すように。
 再び踊るとき、エフィルミアとナキルの様子も目に入った。
 色々と忙しい、自分も皆も。
 想いを乗せるように、シルヴィアはフィドルを鳴らした。

 リゼットは黄色のワンピースに白いボレロを選ぶ。
 マーガレットの花の色。
 緑のリボンを襟元に結び、マーガレットの花冠を頭に乗せ、ピンでとめた。
 鏡の前で、一周り。
 スカートはしっかりした生地だけど、動きに合わせて翻る。
「ふんわり具合がかわいい。きれいに広がるように踊れたらいいな」
 踊ってくれる人がいるか会場を見ると、ひとりでいる江流を見つけた。
「大人で武術に長けた江流さんなら、ダンスも軽くこなせそうですよね」
 リゼットは江流の方に向かった。

 江流はホットワインと共に、温かい腸詰をかじり、踊る人たちを見ていた。
 一曲終わったシルヴィアと目が合う。
『春は踊ったのに、冬は踊らないつもりかい?』
 シルヴィアの挑発的な微笑みと言葉。
『女性のリードは覚えておいた方がいいよ? あの子のために』
 江流はため息を漏らす。
 シルヴィアの目線が煩わしい。
「お前は恋人と踊ってりゃいいだろうに……なんであおるかなぁ」
 視線を逸らすように、シルヴィアに一輪花を渡したサイラスを追った。
 サイラスがハープを奏でるのを見て意外さを覚えた。
 落ち着きなく、花言葉辞典をめくる。
「マーガレットの花言葉は、恋占い、真実の愛、信頼、あと……秘密の恋ってのはあいつら向きじゃないな」
 脳裏に浮かぶ人物たち。
 踊りを眺めていると、シルヴィアの言葉に感化されたのか踊るかどうか考え始めていた。
「これは庶民の祭り、だろうから、あの子が踊るようなものとはまた違うんだろうな」
 そこに、リゼットが声をかけてきた。
「江流さん、一緒に踊りませんか?」
「……そんなつもりはなかったからな。いつもの服だが」
「別に構いませんよ。あ、私も地元の収穫祭とかで踊りますから、大丈夫、足は踏みませんよ……たぶん。お兄ちゃんの足はたまに踏むけど」
 最後の方は小声になるリゼットに江流は苦笑する。
 江流は立ち上がる。
「せめてマーガレットを挿そう」
 一輪もらうと、いつものシャルガネの装束の胸元にマーガレットを挿す。
 二人は街の人に踊りのステップを教えてもらう。
「えーと、こんな感じですか?」
 リゼットは少し練習したところで「勢いとノリは大事ですよね」と踊りの輪に向かう。
 江流は「では、一曲お願いします」と手を差し出した。
 リゼットはそこに手を載せ、輪に加わった。
 たどたどしいステップも、回数重ねると軽やかになる。
 リゼットがクルリと回ると、スカートもふわり。
 何度もすると慣れてくる。
 ふわりと舞うスカートに目が行く。気を付けないと足を踏む。
 江流は精一杯リードする。
「こんなおじさんと踊ってくれてありがとね。若返った気分だ」
「ええっ! そんなことないですよ。私こそ踏みましたね、ごめんなさい」
 もう一曲、せっかくなので踊った。

 エフィルミアはナキルと貸衣装のクローゼットを見ると、二人分服を選んだ。
「ナキルくんは緑色のズボンとジャケットにしようか」
 エフィルミアは青色のワンピースとボレロを選ぶ。
 試着をし、これでいいか確認を取ることになる。
 ナキルを見るなり「さすが私のコーディネート! ナキルくんでもかっこよく見えるかも?」とからかう。
「ミアのセンス良いもんな……その衣装もチョーカーも似合ってる……うん、可愛いぜ」
 ナキルは正直に言いながら途中から、何となく気恥ずかしくなる。
 エフィルミアは顔を赤くし「私がかわいいのは当然だし!」と言った後、言葉を大量に紡ぐ、心の中で。
(チョーカーが似合うのは私を一番よく見てくれている人からのプレゼントだからね! それに、その服の色は私の目の色だし、私が着ているのはナキルくんの目の色だからね)
 ようやく、エフィルミアは肩の力が抜けた。
 ナキルは「行こうか」と手を差し出し、エフィルミアはそこに手を載せる。
「ナキルくんが私を主役にしてくれるんでしょ? ちゃんとエスコートしてよね!」
 照れ隠しか怒るように言う。
「今回もばっちりエスコートするからな!」
 パンクリアース学園であった仮装舞踏会を思い出し、強気な笑みを浮かべるナキル。
 しっかりと手を握り、輪に入っていく。
 ナキルは堂々とエフィルミアと踊る。
「こうして踊るのはあの時以来だな」
 ナキルの言葉に、エフィルミアはうなずく。
 エフィルミアはナキルがたくましく感じられ、安心して踊る。
 二人は視線を交わし、ステップを踏む。
 一曲終わり、次になる。自然とそのまま、踊る。
 ナキルは休憩をとるのもエスコートと気づく。
 タイミングを考え始めたとき、周囲の状況が見えた、天眼を通じて。
 言葉は聞こえないが、ナキルを指さし嗤うような人たち。
 ナキルは現実を突きつけられ、余裕をなくす。
(オレが、こんなんじゃなければ)
 震える。
「ワリ、ちょっと野暮用。すぐ戻るからさ」
「ちょ、ナキルくん!?」
 エフィルミアは突然のことで困惑するが、ナキルの様子が明らかにおかしいため追う。
 小柄なナキルは人込みに消えそうになるが、エフィルミアにはっきりと見えていた。
 なお、追い付いたけれども、少し見守ることにする。
 ナキルが落ち込む理由はいくつか考えられたからだった。

 ナキルは泣き出しそうになる。
「違う姿なら、ミアは見栄えはよく見えたはずだ」
 どうしようもないことを痛感し、悔しくなる。
「う……いや、でも」
 超えられないものはたくさんある。
 譲れない想いと、どうにかしたいという決意もある。
 悔しいのは何に対してだろうか?
「……ダメだ、これじゃ! むしろ、やっちゃダメなことしているじゃねぇか」
 踊りの相手を放って逃げている。
 行動しようとナキルは前を向いた。
 触れられそうな位置に、エフィルミアがいた。
「……わっ!?」
「そんなに驚くことないでしょ! 泣いているの? らしくないなぁ」
 エフィルミアはナキルの頭をなで始める。
「泣いてねーし!」
「そうかなぁ? 私とナキルくんがデコボココンビに見えたかもしれないけど! ノイアンさんとシルヴィアさんみたいなカップルに比べたら見劣りしちゃうかもしれないけど!」
「そこまで言うか」
「私が誰と踊っていたの? 誰を選んだの?」
「ああ、そうだな」
「主役にしてとか言ったから? 大体、ナキルくんの目線を独り占めしたのは私だから! ナキルくんにとっての主役は私でしょ? 観客の目線なんてどうだっていいの!」
 ナキルの胸の厚い雲は一気に晴れた。
「……ずっと独り占めしたい、ミアは俺の宝物だな」
 エフィルミアは手を差し出す。
「続きを」
「ああ」
 ナキルは手をその下から掬い取るように重ねた。

●休憩か、晩餐か
 サイラスは腸詰、シチューにパンを買う。酒は持参の「聖霊節の星」。
「みんな集まってるし。おれも一緒するわ」
 リゼットはスコーンにクリームを添えたものをお供に、ミルクティーを飲む。
 シルヴィアはテーブルに各種料理を載せた。
「この腸詰やパンもどうかな?」
 ノイアンは温かいスープ類とパンを手に、ホッと息を吐く。シルヴィアが勧める料理にも手にとった。
 ノイアンはリゼットとあまり話したことがないと気づき、声をかける。
「楽しめているか?」
「はい、ノイアンさんはいかがですか?」
「もちろんだ」
「そのパンはどうでした?」
「うまい」
「次食べてみます。でも、どれもこれもおいしいですよね」
「ああ」
 話しは進む。
 ノイアンは交友が狭いと感じているため、気持ちを告げた。
「よければ、これからも仲良くしてもらいたくはある」
「はい、喜んで。ところで、そのマーガレットは?」
 リゼットに言われノイアンはちらりとシルヴィアを見た。
「花言葉について詳しいか?」
「そうですね……」
 いっていいのかどうか悩ましい状況になる。
 江流が辞典を差し出したので、ノイアンが受け取る。
 ノイアンは本を開く。彼女がくれた意味と自分が送った意味。
 全身が温かくなるような、不思議な感覚になった。
 そこから、空を見上げ、自分の恋、それから皆への想いが広がる。
(……季節が巡るごと、皆と穏やかに過ごせたら……)
 そう思った。
 一方でリゼットは「マーガレットは恋占いの花。花開いた想いどうかお幸せに」と胸の内で言うと、見守るのだった。

 シルヴィアは江流とホットワインの飲み比べを始めていた。
 種類もさることながら、ハーブ類による味付けでもそれらは違う。
「ナキルとエフィは仲睦まじい。お互いを思っているのがよくわかるし、そんな二人が好きだよ」
 エフィルミアは酒を楽しそうに飲んでいる。
 ナキルはあきれつつも、料理を出したり付き合っている。状況によっては介抱する側に回るだろう。
 江流は飄々としているシルヴィアを見つつ「全く、まんまと乗せられた」と、軽くため息をつく。今後どうなるなんてわからない。

 青い空もマーガレットも、人々を優しく見守っていた。

マスターコメント

 ご参加ありがとうございます。  ……。  ……恋愛ですね。  大変、温かかったです。  では、また、ご縁があればお会いしましょう。
ショートシナリオR

ショートシナリオR易しい 報酬:無し7 / 4〜8人

2022年02月07日 01時15分08秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. ナキル

    「ナキルだ、よろしくな…って、言うのとちっと違うか…? って、言うよりは祭りを楽しむってコトでいいんだよな。 …マーガレットか…。」

  2. シルヴィア・A・カペル

    シルヴィアだ。皆、お祭りのお誘いに快諾してくれてありがとう。 魅力的な依頼にして下さった狐野径さんにも心からの感謝を。今回はよろしくね。 折角だから皆で屋台も楽しみたいと思っている。という訳でタグを作ってみたよ。 ―――― 【屋台】 タグ参加者と乾杯 花と音楽を楽しみ屋台の食事を味わう ―――― 多少言葉を弄るかもしれないけど内容は変えないつもりだ。やりたいこともあるかもしれないし、参加するかどうかは勿論お任せするよ。 残り2枠、もし来てくれる人がいるなら歓迎だ。皆でお祭りを楽しもう。 >ナキル ああ、マーガレット祭りを自由に楽しんでほしい。素敵な一日になるよう願っているよ。 (誤字で書き直したよ。ごめんね)

  3. エル=バ=ノイアン

    ノイアンだ。よろしく頼む。 カペルは季節ごとに多くの花が咲くんだな。良いところだ。 乾杯にも参加させてもらおう。

  4. 海神 江流

    冬のこのクソ寒い時期にも花は咲く、か。 シーフの海神江流だよ。今回は宜しくね。 踊る相手がいる訳でもないんで、そういった姿を眺めながら温いものでも食わせてもらおうかなとか。 しかし、カペルはいっつも何かしら祭やってるな。 こういうトコを財源にしてるのかねぇ。

  5. ナキル

    「っと、取り急ぎ…【屋台】の件は了解だぜ! 折角だし、みんなでワイワイ飲み食いすんのは楽しいしな。 貸衣装…か。」

  6. リゼット・ブラン

    ご挨拶が遅れました リゼット・ブランです 今回も素敵なお祭りにお声かけて頂いてありがとうございます! 【屋台】タグの乾杯は参加させて下さいね まだまだ空気は冷たいですけど 踊ればきっと温まりますよね 飛び入りで踊りに参加したいなって思います。

  7. シルヴィア・A・カペル

    皆、改めてお誘いに快諾してくれてありがとう。 【屋台】タグにも参加してもらえて嬉しいよ。 踊るのも、踊る人々を眺めながら屋台で食事をするのも楽しもう。 皆が貸衣装を身に纏った姿は是非見てみたい。お勧めさせて貰うね。

  8. エフィルミア

    エフィルミアです!よろしくお願いしますっ。 今回もお誘いありがとうございます! 【屋台】タグは私もお邪魔しますね!皆で乾杯楽しみですっ。 踊りも飛び入り参加してみようかなって思ってます。 ナキルくんはちゃーんと私をエスコートするように!(ふんすっ)

  9. ナキル

    「>ミア …ミアはまた飲み過ぎないようにしろよな? あぁ、バッチリエスコートしてやるぜ!(ふふん)」

  10. 海神 江流

    すまね、【屋台】タグのところ見落としてた。 今更だが、良ければ参加させてもらうよ。

  11. No.12

    サイラスだ、よろしくなー まあ好きにやらせてもらうわ。

  12. エル=バ=ノイアン

    お、サイラスか、いらっしゃい。 明日の12時出発だから、提出忘れには気をつけたいところだな(これから書く人

  13. シルヴィア・A・カペル

    エフィとサイラスも来てくれてありがとう。 【屋台】参加も歓迎だよ。当日は楽しもうね。

  14. 海神 江流

    シルヴィに煽られたので俺も飛び入りダンスに入っておきます。 同じ飛び入りならリゼットさんどうかな? と、直前で申し訳ない振り方をしてしまう。

  15. リゼット・ブラン

    わ、江流さんいいんですか? 宜しくお願いします(ぺこ) 足を踏まないように頑張りますね!

  16. 海神 江流

    おや、リゼットさんは快諾ありがとう。 へましないように頑張らないとな。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0