【燭陰】仙郷の赤石
九蓮宝燈
コメント 17
シナリオID:1691
オープニング
寿司屋での一件から一月。
授恵者の武器や防具の製作・調整に人生を捧げた結果、鍛冶のみならず、木工、裁縫、彫金など様々な分野に精通し、『神匠』と呼ばれるようになった凄腕の鍛冶師ヴィンダールヴルは、指向性と手軽なオンオフ機能をもつ新型照明器具の開発に着手していた。
具体的な構造が冒険者たちの中から出ていたので、迷わず決められた部分もある。
光る部分は、鍍金で光沢をつけた深皿の中心に光源となるものを設置する形で。
ハンズフリーにしたいという意見もあったので、外装は取手があるものだけでなく、留め具があってベルトに吊るしたり、鞄のように肩にかけられたりするなど、バリエーションをもたせてもいいかもしれない。
「まだ追加機能の要望が出るかもしれんが、絶対に必要な部分は進めていこう」
光の色替え機能と防水機能。それらは開発が長引いてもいいからつけてほしいという意見がヴィンダールヴルに届けばつける、として。
どうなるにしても確保しなければいけないものは三つ。
鍍金用の水銀。
光量の多い新しい光源。
蓋の開閉機構開発のための参考資料となる、魔獣の目。
「危険な場所にしかねぇもんもあるが、あいつらもどんどん強くなっているから大丈夫だろう」
ヴィンダールヴルは冒険者たちを強く信頼していた。
それは彼の期待通りか、過大評価か。はたして――。
●富、智慧、そして不老不死の素
迷宮都市エドゥノーグ。
ヴィンダールヴルの依頼により、水銀の材料となる辰砂の採取のため、いくつかの探索者パーティーが動員されていた。
量産のためには、材料もかなりの量が必要であるため、複数のパーティーがかわるがわる同じ枝場に潜っているのだ。
その枝場は『玉と丹の枝場』と呼ばれている。
「知」の主幹路中層の比較的浅いところにある、異国情緒漂う不思議な場所だ。
濃緑と白い岩肌のコントラストが美しいが足場の悪い山中。
清らかだが流れの速い川と白い小石の河原。
轟音を立てる白い滝。
棲息する魔獣は種類豊富で、そのうちの幾種類かは倒すと辰砂をドロップする。
辰砂の他にも、金銀や角や毛皮を落とすこともある。魔獣のドロップ以外にも、採取で得られる素材として、白玉や水玉といった石、珍しい植物が。
また、ドロップで得られる肉の中には食すと薬効のあるものもあるという。
「……よしっ! お疲れさんだ」
橙色の髪で長身の青年ブレイブ・レオンハートがパーティーメンバーをねぎらう。
彼は通称勇者パーティーと呼ばれる探索者パーティーのリーダーだ。
戦っていた他のメンバーは、黒髪短身で、シャルガネ系の血を思わせる綺麗な顔をした青年レイン・カミナギ。
真朱色のボブヘアに黄色いリボンのカチューシャをつけた、気の強そうな少女ノーレッジ・レオンハート。
白い花の飾りをつけた榛色の垂れ耳をもつ、おとなしい雰囲気のうさぎ獣人のヒルダ。
彼らは玉と丹の枝場に潜る者を消耗させずに現地入りさせるため、道中の露払いを担当していた。
「お待たせ。じゃ、行こうか」
息を整えたブレイブが、今日枝場に潜る冒険者たちに声をかけた。
列の前をブレイブとレイン、後ろをノーレッジとヒルダが警戒して先を急ぐ。
勇者パーティーは昨日までは枝場のほうを担当していたので、枝場のことをよく知っていた。
道中、今日枝場に潜る者に敵情報や注意事項を説明する。
「長丁場になる。目当ての魔獣以外も出てくるが、スルーするのをおすすめするぜ。全部が全部、積極的に襲ってくるわけでもねぇしな」
辰砂をドロップするのは、獏・犀・熊の三種の獣と、何種類かの臆病な鳥類。
能力に差異があるので、相性のいいものを狙っていけば自信のない者でも結構戦える。
しかし中層だけあって全体的に敵は強いので単独行動はおすすめしないとのことだ。
一説によれば、中層は平均レベル二十のパーティーが挑戦に来る程度の難易度だという。
「それと、注意しなければならないのは転落だ。崖から川に落ちれば、落下でのダメージはもちろんでかい。その上、滝に飲まれたらとても無事じゃいられねぇから気をつけろよ」
中層の枝場には殺意の高い罠があることも珍しくないという。ブレイブはきっと落ちたのだろう。彼の言葉には実感がこもっていた。
転落した場合、戦闘不能を避けられないほどの大ダメージを食らってしまう。
ブレイブは各自未然に防ぐ対策を講じるか、お互い落ちてしまった場合の救助について相談しておくようにアドバイスした。
「あ、あの、地図……不完全、ですけど、よかったら……!」
後列からヒルダが紙片を差し出した。
彼女が探索しながら描いていたらしい。
しかし、一階層だけでも山まるごと一つをすっぽり収めたような広い枝場なので、とてもすみずみまでは探索できなかったのか、簡単かつ抜けだらけ。
しかしおおまかな川の位置と、彼女が見つけた危険な箇所程度ならわかりそうだ。
枝場に入ってすぐ。十メートル四方程度の開けた草地。中央に苔むした亀の石碑がある場所。
今までの探索者たちもずっとここを拠点にしていたらしい。変動しにくいのか、キャンプの痕跡が残っている。
今日のメンバーも先人に倣ってここに荷物をおろした。
「じゃ、俺らはここで荷物番してるから。気をつけてな」
勇者パーティーは帰りも上層ボスを倒すため、辰砂の採取には加わらずスキルを温存するという。
-------------------------------
シナリオ参加者が青銅級探索者記章を欲しい場合、プレイング冒頭に【青銅希望】と記載してください。推薦者について希望がある場合は次の行に推薦者名を記載してください(自薦可)。
また、推薦者はプレイング冒頭に【(PC名)推薦同意】と記載してください。(MSNPC名)を希望しても構いません。
推薦者名(長い場合は略称)が称号付与理由に記載されます。推薦者と希望者両方の同意が確認できない場合は推薦者無しで授与されます。
シナリオが失敗した場合は付与されません。
解説
マスターより
リプレイ
シルク・メイプルリーフは到着してまずゲルを拠点に張った。山から吹き下ろす風は冷たくずっとあたっていると体が冷えそう。
「誰でも入居可です! ところで、美味しい魔獣いませんかね」
「ここ、お肉あるみたいだねー」
そう答えたアルマ・ヴァレンタインは荷馬車を駐めて、黒汗馬に水を飲ませていた。
素材を多く持ち帰るために連れてきたのだが、馬車にはここから先は難しい。皆が山に入っている間は勇者パーティーが責任をもって預かっておくということに。
滝に落ちたら戦闘不能になる。勇者パーティーのブレイブ・レオンハートからそう聞いた悠人・ラドルファスは、それは体験談だと直感した。
「……あ、ふーん」
悠人の含みのある視線にブレイブは苦笑い。
「異国っぽくて綺麗な景色ね。それに神聖な感じがするわ」
ルフィナ・ヴィオレットは地上ではあまり見かけない不思議な風景を見渡して言った。
「辰砂といいますと、あれですね、錬金術の材料にもなるという……」
ミア=リゼルは以前薬学書で辰砂が薬として利用されるという記述を見たことがあった。
今回の用途は寿司屋の席でシルクが提案したように、開発中のアイテムに必要な鍍金のためである。辰砂を加熱すると得られる水銀に用があるのだ。
しかも、商品として流通させるのが目標であるため、かなりの量が求められている。
「とりあえずたくさん殺して素材を回収してきたらいいんでしょ?」
悠人は枝葉の部分は切り捨てて要点のみを確認すると同時に、こう考えた。
(……金とか出たら報酬上乗せとかあるのかな)
この枝場の特徴は多種多様な珍しい素材が採れることで、中には金・銀のような貴金属も含まれる。貴重なものや、多めの量を納品して上乗せを狙う者もいれば、別の思惑のある者もいた。
サイラスの動機は自家消費用素材の採取。
装備品の更新や、趣味に使うものがほしくての参加だ。
それでも辰砂は指定された量より多めを確保しようと考えているところが誠実である。
入山準備として冒険者たちはロープやアイゼン、杖、靴のような必要物品を行き渡らせた。
ちなみにアイゼンはサイラスとアルマが作ったもの。
だわ――ユニークな呼称であるが、本人が提案したものである――がヒルダ提供の地図を読み込んでいる。しかしこの地図は不完全なものだということだから過信は禁物。
サマエラ=フォリウムはロープの結び方を確認中。その上でさらに念を入れ、咄嗟の場合に備えて粘着力のある母蜘蛛糸のロープも準備していた。
●
万全の準備を整え、山に入った冒険者たち。
出てくる獣は羚羊や麝香鹿のような常識の範囲に収まるものから、人の顔を持つ獣、羽の生えた魚のような突飛なものまで。
鳥は双頭のものや鸚鵡、人の足が生えたものなど、こちらもさまざま。
冒険者たちは単独行動はおすすめしないと言われたので、全員でまとまって行動している。
「ここの罠? っていうのはどういうのがあるの?」
サイラスが言った。迷宮中層からは『殺意の高い罠』が珍しくなくなるというセオリーを受けてのことだ。
「この枝場の場合、仕掛けのようなものはないが、急流と足場の悪い高所が何者かの悪意であるかのように探索者に牙を剥くらしい」
だわがヒルダの地図に書かれている注意書きを読み上げた。
崩落、滑落といった事故に加え、何名かは犀の突進による転落の可能性に気づいていた。
「極端に足場の悪い場所や敵の群れがいる場所は避けるほうがいいわね」
ルフィナが提案すると、ミアがこそっと呟いた。
「……間違っても滝壺に叩き落とされたくはないです。私……泳ぎは得意ではないので……!」
その呟きは悠人の耳に入っていた。
「ゼロ災でいこう」
労働者のスローガンめいた言葉で慰めた。
「目当て以外の魔物は、襲ってこなければ無視! 襲ってくるようなら駆除でいいですかね?」
素材の美味しい枝場であるため、シルクが皆に確認した。
「余計な戦闘まではしないけど、なるべくドロップじゃない素材も回収していきたいな」
アルマはそのつもりで道具箱を用意していたし、消耗しない範囲ならとくに反対する者はいなかった。
やがて一同は危険とされたスポットの近くへ。
まず耳に届いたのは水の落ちる轟音。地面の切れ目、飛沫の上がるところを見れば、ゴツゴツした岩が飛び出た崖と、目もくらむ高さの滝。
「ここから転落すれば、いくつもの岩にぶつかりながら落ちるのだろうな」
だわは実際の現場を見て「転落した場合、戦闘不能を避けられないほどの大ダメージを食らう」という警告の意味を十二分に理解した。
滝の下、川のカーブするところの内側は、水に運ばれてきた石が堆積して河原を生成していた。美しい白い石が積もっているのが見える。そこは落ちさえしなければ絶景であり、自然の恵みをもたらす穴場だ。
「あそこなら水玉とかがあるかもしれないねー」
アルマは下に回り込むルートがあるなら採取に行きたいと思った。
「静かに……。何かが、来た」
サマエラが警告を発した。緑と白の景色の中に動くものを発見したのだ。
「えっ? そっちに?」
別の方向を警戒していたルフィナがサマエラに反論した。
彼女たちはどちらも正しかった。冒険者たちの索敵に落ち度があったわけではないが、運悪く熊と犀に同時に遭遇してしまった。
敵はこちらを捕捉している。崖を背にして逃げ場は限られ、しかも悪路であるため、逃げることは難しい。
先に犀が動いた。細かい枝を吹き飛ばしながら冒険者たちに接近する。
「大丈夫よ。手はあるわ」
背後の崖を気にしつつ、ルフィナが光縛封で犀を隔離。
「熊さんのお肉は美味しそうですね!」
シルクが踏み込みとともに旋棍を半回転させ、石突きを熊に向ける。スイカのようなお胸がぶるんっと揺れた。
大胆なスリットをはためかせてエーテルが石突きに収束。凝固し破壊力を持ったエーテルの矢が熊に向かって発射された。
熊は少なくないダメージを受けながらも止まらない。
今は戒められているとは言えど十全を期し、犀に突進されても崖に突き落とされない位置へと回りこんだだわが、熊に側面から挑む。
熊は新手の接近に反応し、後ろ足で立ち上がってだわへと爪を振り下ろした。
皮膚を裂かれつつもだわはひるまずに懐へと潜り込む。一見手には何も持っていないように見えるが、手のひらには柄が握り込まれていた。
熊の腹へだわが腕を突き出した瞬間、その柄の先にシアンブルーの刃が出現。生き物とは思えないほど堅い肉へと食い込んだ。
「大変! 血が……!」
ミアが細剣の柄を両手で握りしめて祈りを籠めると、周囲に小さな花びらがくるくると舞った。
ミアから発せられた聖別によって、だわの足下へ血液が滴るのが止まる。
「出血は大丈夫ですね。損耗はどうですか?」
「そちらは問題ない」
症状は派手であったが、だわの守りと体力であればさほど負傷はなく、回復の必要はなさそうだった。
ミアがきちんと対応してくれたのを見てアルマは攻撃に加わる。
かわいいリボンのついたほうきから薄緑色の光弾が飛翔する。愛らしい見た目に反して十分な威力を持ったそれを食らった熊は塵となって消えていく。
敵が倒れ、消滅した地点にドロップが出現したのを悠人は見逃さなかった。
「あとは犀ね」
「戦い易い地形に、移動を――」
「その必要はない」
場所を変えようとするルフィナとサマエラを悠人が止める。
「はっ、なるほど!」
ミアは悠人の考えを察した。悠人は崖を利用する気だと。
ルフィナは悠人の合図にあわせ、犀を戒めから解放する。
外界と遮断されていた犀が最初に浴びたのは悠人の殺気。
興奮した犀は悠人の槍に誘われるように直進。
悠人はその勢いをいなして、体を斜めに返してわずかに横へステップ。
犀はそのまま崖から転落し、巨岩に幾度も衝突しながら河原へと転落していった。
すさまじい音と鳴き声が収まったのを見計らい、冒険者たちは崖下を覗く。
冒険者たちの位置からは、何が落ちたかはわからないものの、ドロップが河原に出現して回収可能そうであることが見て取れた。
「あとで回収しなきゃだけど、引きつけるか突き落とすかの手があるうちは楽に狩れる」
呼吸を整え、悠人はこの手がまだ使えることを周知する。
「この肉は誘き出すのに使えるかね」
サイラスが先ほどのドロップを片手で弄びながら言った。熊は雑食であり肉もよく食うからだ。
●
およそ二時間程度の狩りをし、日が中天へさしかかるころ。冒険者たちは一旦拠点へ戻って休憩を取ることにした。
辰砂の他、天然の砥石、鉄や銅、雄黄のような鉱物素材を確保。それ以外にも白や青碧の玉など、収穫の種類と量は上々だ。
少量ながらドロップに因らない黄金と銀も採れて、ドロップの犀角や毛皮はそこそこの量があった。
サイラスは入手した肉の調理法が迷宮飯レシピ集完全版に載っていないか調べていた。
美味い飯があれば士気の支えになると考えてのこと。
この本がカバーしている範囲は上層までで、この枝場は中層なので、珍しすぎる種については書いていなかったものの、鳥や熊の肉なら参考にできそうだった。
「とりあえず揚げてみる? 唐揚げ?」
その言葉を聞いてミアはポケットの中でレモンを握りしめた。
アルマは山梨や棗のような可食の果物も採取していた。
しかしメインは醤油仕立ての鍋。変わった肉は苦手な人もいるので鍋は四つ。
「熊の味はわかるけど、獏や犀ってどんな味だろうー?」
熊肉は旨味が強く脂の融点が低くてとろけ、野菜にもよくあうため、熊鍋は人気のある料理である。熊と鳥は地上でもよく食されるのでとくに調理には困らない。
だが獏と犀はアルマにとって未知の肉である。切れ端を焼いて味見したところどちらも悪くなく、とくに獏は牛肉のようでなかなか美味であった。
●
美味しい食事でお腹を満たし、午後は別のポイントでの狩り。
標的ではないものの、発見した三つ尾の狸が気になって目で追っていたミアが、拓けた地点を発見した。
「わっ、綺麗なところですね!」
背の高い草むらと、水鳥の群れが遊ぶ大きな泉。この水が流れる先は荒ぶる瀑布であるのだが、ここは穏やかなもの。
「少し採取していい?」
アルマが問う。
この枝場では箭竹、黄疸や皮膚病、できものに効く薬草、殺鼠に使える毒草などが得られるらしい。この周辺を探索すればそういったものがあるかもしれない。
「あの鳥は狙いやすそうだから、挑戦してみるのもいいと思うわ」
ルフィナは水面にいる鳥が標的に含まれる種であるのに気づき、しばしの滞在に賛成。
サマエラにも策があるようで、鞄から閃光塗弾を取り出して皆に試してみたいことがあると告げる。
「では、俺は周囲の警戒をしておこう」
だわが言う。冒険者たちは泉で作業する者と、周囲を索敵し標的が出たら狩る者との二手に分かれることにした。
ルフィナとサマエラは鳥に気取られないように茂みに潜み、手筈を打ちあわせた。
ルフィナの目までやられてしまわないように保護してもらったあと、サマエラは鳥の群れへ閃光塗弾を投擲。
弱い魔獣である鳥たちは非殺傷の閃光だけでも目を回し、腹を上にして水面に浮かんだ。
「やったわね」
ルフィナとサマエラは手分けして魔矢にて鳥にとどめを刺していく。
辰砂と羽毛、そして美味しそうな肉が相当量手に入った。
ドロップを回収したあと、サマエラは泉の反対側にも別の鳥の群れがいることに気づいた。
「もう一つ、手段がある」
それは、普通にやれば攻撃を当てにくい鳥を、祈雷で一網打尽にするというもの。
二人はそれも試すために泉を一周して元の場所へ戻っていった。
大量の成果を手にルフィナとサマエラが戻るころ、だわたちもいくらかのドロップを回収して戻ってきていた。
夕刻になる前に冒険者たちは拠点へと帰還した。
仕分けした素材は必達目標どころか、努力目標をも超える量であった。
各自の戦法・分担が完璧であった上に、悠人とサマエラの知恵によってさらに収穫量を上乗せできたのが大きい。
「こんなにたくさんあったらお腹いっぱい食べられそうですね」
食べることが大好きなシルクはずらりと並んだ肉に目を輝かせた。
「唐揚げにしたら何人分になるでしょうね」
地上に戻る前に全員の怪我を癒やして回っていたミアがシルクに相づちを打った。
そして、素材の分配。
今回の仕事はノルマ以上のものは、極端な量でない限り、納品するか持ち帰るかは冒険者の意志に委ねられていた。
「自分で採った分で余計なのはいいよね? 他の人の分は交渉できる?」
「持ち帰って旅用の干し肉にしたいのだが」
サイラスは主に鉱物資源を、だわは肉の持ち帰りを希望し、とくに反対意見もなかったので希望通りのものを得た。
●
地上、夢の塔。
ヴィンダールヴル本人はいないものの、開発アイテムについて意見があれば書簡を送ってほしいとのことで、帰還した冒険者たちはそれぞれ伝えたいことをしたためた。
最も人気のあった機能追加は、高性能照明の【防水】。
(火を使うランタンと同じ弱点があっては困る。……色を替える機能は悩むところだな。商業的効果を考えればあるといいのだろうが)
だわはそのように考えていたが、ルフィナとシルクは【色替】希望。彼女たちの意図は手紙には書かれていなかったが、おそらく作戦中の合図にしたいなど、何か考えがあってのことだろう。
時限式起爆装置の起動時間については、サイラスと悠人が十秒を希望した。
さらに悠人は、起爆には導火線を用いて、その長さによって時間の調整を可能とする形でよいとしたためた。
これは、ゼンマイや紋具を用いて時間調整などを行う機構は、技術的には可能だがコストがかかりすぎて現実的ではないというヴィンダールヴルの見解への返答だった。
ルフィナは先日の依頼のことをブレイブに伝えた。
とある村にクリーパーが現れて討伐依頼が出された。依頼者はブレイブの弟ペイシェンス・レオンハート。ルフィナはその依頼を受けたうちの一人だ。
「弟さんは貴方に会いたがっていたわ。貴方の村への『献身』が心配だって……」
ペイシェンスはブレイブの歪みを憂いていた。不特定な誰かのために命を懸けるよりも、家族の幸せを優先したい。この点において兄弟の価値観は対立していた。
「でも……この身一つで守れるのなら、幸せに生きてくれるのなら。喜んで捧げてしまうわよね」
ルフィナの価値観はブレイブ寄りであった。
しかしそれは自己犠牲――他者の幸せに依存する生き方。
「そうか……伝言ありがとうな」
ブレイブは頭を掻く。そして、ルフィナの態度の違和感に気づいた。
「もしかして、あんたも誰かのために?」
ルフィナは答えなかったが、寂しく陰った微笑みは雄弁に共感を物語っていた。
マスターコメント
ショートシナリオ難しい 報酬:標準8 / 4〜8人
2022年01月04日 10時49分07秒 公開
参加者
- メイプルリーフ シルク
- サイラス
アルマ・ヴァレンタイン
サマエラ=フォリウム
悠人・ラドルファス
ルフィナ・ヴィオレット
ミア=リゼル
だわ
相談掲示板
ウォーリアだ。だわと呼んでもらえれば。よろしく頼む。 要考慮事項がいくつかあるな。 ■ 転落対策 足場が悪く罠もあるようだから、バランス感覚の準備だけでは不充分だろうか。ロープで命綱でも作って木に掛けておくとか。 罠対策に看破などほしいところだが、生憎持ち合わせていなくてな……。 ■ 狙う敵 今のところはヒーラー3人にウォーリア1人という構成か。この辺りはもう少し人手が増えてくれればと思うが、現段階の構成で考えるなら……。 ・サイは突進による吹飛を何とかできるならまだ狙いやすい部類になるか。転落しない地形に誘い込むとか、移動できなくして突進自体を封じるとか。 ・熊は1体なら何とかなりそうだが、複数相手となると厳しそうだな。 俺はひとまずシーザーロアと……地形が複雑だから位置感覚、それと戦術眼の用意はしていこうと思う。 ……ところで、その。時限起爆機能がつくのか? 照明に。
ヒーラー、サマエラだ。 よろしく頼む。 こちらは……看破と、レベルは控え目だが保険に罠解除あたりも、所持はできそうだ。 足場については、登山靴のような安定しやすいものを、用意したいな…… ロープも良いと思う、私も持っていこう。 敵もそうだな、熊の強度10スリップは、素のダメージも合わせてなかなか痛そうだ。 獏は、命中低下なら、スリップよりは戦いやすいだろうか……複数相手の場合、これも厄介だが。 何れにしても、どちらか狙うなら、解呪の準備はしておきたいな。 犀も、場所次第ということで同意を。 追加機能の方は……【防水】タグは、個人的には入れておきたいな。 時限装置は、そういう機構が作れたなら、今後他の物に応用もできる……と、思う。 確か元々は、閃光塗弾を起爆できるように、という意見だったか。
同じくヒーラー、ミア=リゼルです!よろしくお願いします。 人も増えてきましたね、えーと…… ヒーラーさんが5人…ウォーリアさんがひとりの… ヒ ヒ ウォ ヒ ヒ ヒ 伝説のインペリアルクロス+α…!? …こほん。失礼しました ロープですが、お持ちの方は母蜘蛛のロープでも良いかもしれませんね。普通のロープより靭性も強度もあるかとおもいます。 もし用意ができるなら、落とし穴など作れたら…突進してくる犀さんには有効かもしれません。 熊さんは光縛封などで隔離して、確実に仕留める感じでしょうか…? 獏さんの遠隔攻撃が(光縛封の維持的にも射程的にも)厄介なので、出くわしたら最優先で排除したいところですね。
ご挨拶が遅くなってごめんなさいね。 ルフィナと言うわ。 クラスはヒーラーよ。よろしくね。 >転落対策 だわとサマエラが挙げてくれてる、看破や罠解除やバランス感覚スキル、ロープ、歩きやすい登山靴の用意に賛成よ。 ミアは母蜘蛛のロープの事を教えてくれてありがとう。 普通のロープよりも頼もしいわね。 >敵 熊の爪斬撃受けたらスリップを付与される心構えでいた方が良さそうね。 バステ回復スキルを持っていくし、光縛封での隔離も了解よ。 犀の突撃をくらって崖の下へ転落させられるのは防ぎたいわね。 転落の危険のない所に誘導して戦うのに賛成よ。 獏は射程が長いわね……。 バステの強度と厄介さは熊よりも低いと感じるけれど、遠距離からじわじわとダメージを受けるのは戦いにくそうだわ。 ふと思ったのだけれども、超視覚とかで索敵しながら進めば敵の群れに遭遇する確率を減らせるかしらね。 例えば熊の群れがいたらその道は避けるとか、逆に敵の少ない道を進むとか……。 (OPに相性のいいものとだけ戦っていけば……とあるので)3種類全部と必ずしも戦わなくてもいいと感じたのだけれども、皆はどうかしら?
ふふっ、ミアの陣形は前衛さんのLPが心配ね。 追加機能についてはもう少し考えてからお話をさせてもらうわね、ごめんなさい。 皆の意見を聞けるのはとても楽しいし興味深いわ。
ウォーリアがひとり増えてくれたな。あのまま本当に長い十字陣形になったらどうしようかと。……冗談だ。 > 罠対策 看破や罠解除はありがたい。 先立って罠を発見できれば、獣に踏み抜かせるよう誘導することも可能かもな。……その罠が敵を呼び寄せる物とかでなければだが。 > 敵 落とし穴の用意か、面白いな。起伏が多い地形かつ植物材料には事欠かないようだから、穴を掘らなくとも簡易的なものを用意できる可能性もあるか。 こちらとしても魔法攻撃を受けるのは得意じゃないこともあって、獏を最優先で叩くことに賛成だ。 索敵しながら進む案、賛成だ。 そうだな、仮に 獏・犀・熊 のうちどれか1種とだけ戦うとすれば……。どうだろうな。俺なら熊だろうか。
No.7
サイラスだ、よろしくなー とりあえず登山靴、ロープ使用するわ そして申し訳ないが趣味に走りたいなと、汎用はマジカルポケットと採取持込のつもり。行きは履き替えるなら他の人とか用の登山靴とかロープみたいなのを入れて到着時にパス、以降は素材収納にしようかなと。ぶっちゃけそのまま持って歩き回るとかしんどく無い?と思ったのでポケット。後採取は素材求めて。 で、戦闘は弓、熊とか犀の突撃は撹乱射撃による命中低下支援、犀の物魔通常攻撃、獏の攻撃にカバリングしつつ狙えれば鳥とか含めて炸光矢とか鋭射ぶち込んでくかなと。鎧で安全靴は無理では?と思ったので服着てるから対魔法、異常寄りなので。 とりあえず相性良いのだけ狙える気がしなかったのと、明後日朝出るけどどれ狙いかを全員一致で決めれる気がしないので全方面ある程度対応可能にしとく。 オプションの【防水】【調整】辺りはいいなと思う
No.8
あ、あと忘れてたので追加。 肉ドロップしたらどこかに置いたら敵がやって来ないかな?と。火とか用意できたら焼くとかしたら寄ってくるだろうし、来なくても栄養のある肉食べれるし。
ヒーラーのアルマだよ、出遅れちゃってごめんねとよろしくねー 8人枠で二職しかいないってものすごいレアかも… 罠って自然の脅威てきなのも含まれるのかどうかー… 対応も兼ねて汎用はサバイバル知識と もう1枠は趣味に走って問題なければ調理にしようかなと 不安定足場の対策にこの前の依頼で使った 靴に着脱するアイゼンみたいなの人数分用意できたらなーと 保険に母蜘蛛糸のロープも持っていくようにするね
確かに、珍しい構成だな…… それぞれのスタイルにもよるが、職的には物理にかなり強そうだ。 索敵もしていけば、敵は私もある程度選んで戦えそうには思う。 誘引や罠も、試せることは試してみるのに賛成を。上手くいけば、依頼を進めやすくなるな。 解呪が潤沢ならば、熊はダメージを抑えていけそうなので、 狙うことも考えるなら、私は物防・魔攻寄りで、準備してみようか。 とはいえサイラスに同じく、どれ相手でも動けるようにはしておこう。 ひとまずサイドヒール、解呪、魔矢あたりは持とうと思う。 光縛封は、追加で必要なら所持を。不要なら火力スキルにして、早めに片付けていけたらと。 あわよくば、その他鳥類も狙えたら良いのだが、私は魔矢で撃ってみるくらいだろうか…… それか、祈雷を持って巻き込めないか試すか。
明日出発か。 大きな方針を確認しておきたいんだが「複数班に分かれはせず、全員で行動する」で合っているだろうか。 俺は対物理とシーザーロアの準備をしていく。遠距離攻撃手段は無いから、鳥を狙う時は任せた方が良さそうだな。 汎用は予定通り位置感覚と戦術眼。簡易的な地図があるとはいえ迷いたくはないし、戦いづらい地形だろうから念の為。罠を見つけたら地図に書き込んでいけたら尚良い。 ……ああ、足場対策としてアイゼン等ひとつ借りられると非常に助かる。こちらも母蜘蛛糸のロープは持ち込もうと思う。 機能追加の【防水】は俺も欲しいな。 【色替】はどうだろうか……。焚き火の傍のように光色が特定色に寄る環境でも、素材なんかの本来の色を確認したりする用途に使えるだろうか。うん……中々限定的な状況だから無くても良いように思う。
すみません、ちょっと間が空いてしまいました…! これで真ん中の人が一番危険じゃなくなりますね( >落とし穴 ちょっとした窪みに誘い込んで…というのも良さそうですね。自分のプレイングに盛り込んでおきます。 >スリップBS 私も、解呪や聖別を持っていきますね。 敵も、一応すべて対応できるように書いていきます。 私も基本的には全員で動くものと思っていましたね。 昨日追加は……私もやはり【防水】は欲しいな、と。天候が常に晴れているとは限りませんしね。
>汎用スキル 索敵用に超視覚と転落対策にバランス感覚を持っていくわね。 私はアルマもサイラスも趣味に走ってもらって構わないって思うわ。 どちらもお役立ちスキルって感じるもの。 >敵の対応 警戒しながら進んでいても遭遇しちゃう事もあるわよね。 群れや極端に足場の悪い場所にいる敵は避けた方がいいと思うけれども、私もどの敵にも対応出来るようにしておくわ。 >スキル 回復とBS治療を持っていってくれる人が多い感じかしらね? 私は回復と遠距離攻撃魔法と後はバフ系も持っていこうかしら。 お恥ずかしい話だけれども、魔防が高くないからバフをかけないとすぐに戦闘不能になってしまうかもって怖いのよ。 サマエラが光縛封を持っていってくれると敵の封じ込めが出来てとても心強いわ。 >追加機能 【防水】と【調整】は確定かしらね。 【色替え】は実用性は高くなさそうだけど、趣向性は高そうだわ。 色を変えられる照明器具ってとてもお洒落だもの。 良かったらこちらは私のプレで書いておきましょうか? 時限装置は『起爆まで何秒ほしいか』と『導火線で起爆する仕組みでよいか』の返答を誰かのプレに書く必要があるみたいだけれども、どうしましょうか?
No.14
ゆーてそんなに高くないからね?結局基本通りライフで無理矢理受けて回復で済ます、他の人に命中低下行かない様にするのがメインだろうし。 【調整】かいとこか?起爆10秒で(次ラウンドくらいに爆破でないとセット後投擲しても巻き込まれそうで)【縄罠】だと導火線切られたら使えないし ぶっちゃけタグの存在忘れてた
No.15
シスターシルクです 熊さん狙いでシスタービームをお見舞いしようとしてた のですが見事にヒーラー&ウォーリアですね 出た敵によって囲んでたたくスタイルで大体解決するかと 生命力が比較的高い組み合わせかつ魔法攻撃はヒーラーが行えますので
No.16
全員ある程度まとまって行動するなら搦め手よりも早期掃討が有効と思われますが 目当ての3種類以外の魔物も存在するみたいですけど誘引する罠はそれらの魔獣も集まってくるのではないでしょうか。
日付も変わってもうすぐ出発だねー お言葉に甘えさせてもらって調理でお鍋するのと 目当ての辰砂いがいにも色々いっぱい持ち帰れるように お馬さんや荷馬車を持ち込む感じでプレイング出してきてるよー