【栄耀】ラグラスの聖なる夜
おおくまねこ
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シナリオID:1676
オープニング
イルミーナ。それは、リーンエス王国西部の都市ラグラスにて、十二月二十五日から二十七日までの三日三晩に渡って行われる収穫祭の名だ。その三日間の間は、ラグラスのシンボルたる大聖堂が取り付けられた大量の紋具によって虹色に輝く。ラグラスの住民にとっては欠かせない『聖なる夜』である。
ポテトの甘煮や豆ときのこのグラタン、コーンブレッド、アップルパイにパンプキンパイ……秋の実りを天に感謝し、様々な料理が振舞われるこの日だけは、身分の貴賎や貧富に関わらず、みなが祭を楽しむことができる。
だが、音楽が合わせて楽しむ人々の様子とは裏腹に、街の警備は殊の外厳重だ。それもそのはず。なぜなら、この街は二十七年前の祭りの日、領主への叛乱を企てた一族が粛清された日であったからだ。もっとも、ラグラス領主は外交上の都合で今夜はこの街を離れているのだが。
「エニード卿。特に異常ありませんでした。今年も何事もなく終わりそうですな」
ラグラスの宿屋の屋上にて。街の巡回から戻った近衛騎士の隊長は、近衛騎士団長エレク・エニードに小声で話しかけた。通常、ラグラスの街のパトロールは巡視兵団の仕事だが、イルミーナの期間の間だけは領主の近衛騎士団も警備に加わり、普段よりも遥かに厳重な警備が敷かれるのだ。
「うむ。だが警備は怠るなよ。最近、南西部は物騒だからな。この地まで飛び火して来ないとも限らん。最後まで気を抜くな」
エニード卿は隊長の言葉に頷きつつも、鋭い視線を投げた。隊長は「はっ」と短く返答し、敬礼した。
「ところで、ご子息はどちらに? お姿が見えませんが……」
「ふむ。言われてみればどこにもおらんな……一体どこへ行ったのだ、あの出来損ないは」
エニード卿は息子イスタルの姿がいつの間にか消えていることに気付き、きょろきょろと周囲を見回した。すると、娘のリーシャが訥々と言葉を紡いだ。
「兄様でしたら、先程退席されました。ご気分が優れないそうです」
「そうか。ならばよい」
エニード卿は息子に大して興味はなかったのか、冷たく言い捨て、他のテーブルへと移っていった。
●
ラグラスの一画に、小さな慰霊碑がある。それは、領主によって虐殺された叛逆者、エル=バ一族の魂を慰める為の慰霊碑だ。今宵、12月27日は事件があった日。その記憶をとどめる者たちが、密かに慰霊の火を灯す日でもあるのだ。
「……」
イスタルは持って来た蝋燭に生活魔法で火を灯すと、慰霊碑に手を合わせた。この慰霊碑こそ、エニード家の罪の証。ここに眠る者達は、父の醜い裏切りと、非情なる領主クレシー・ドロアにより、無念のままに滅ぼされた者達だ。
(この街はその繁栄の裏で、多くの血を流してきた。そして、街の貧富の差は今も広がり続けている……)
イスタルは貴族の生まれであったが、その出自を誇ったことはなく、むしろ父を憎んでさえいる。正妻である母を冷遇し、幼い妹を政治の駒として扱う父の姿には、『貴人』としての品格はまるで感じられないからだ。さらに、イスタルがある日父の日記を盗み読み、その過去を知ったことで、父と息子の断絶は決定的なものとなった。
(今日はもう少し、ここにいよう)
青年はこほこほと咳き込みながら、ぼんやりと|蝋燭の灯りを眺めていた。
●
「ラグラス大聖堂……ここからだと以前見た時と変わらないな……」
エル=バ=ノイアンは馬車の窓からラグラスの大聖堂を眺め、無感動に呟いた。彼は以前にも何度か仕事でラグラスを訪れたことがあるが、今回は仕事ではなく私用である。厳密には、ラグラスの近くで冒険者として仕事をした帰りに、ちょっと寄り道して帰ろうという気になったのだ。
「ラグラスの大聖堂は十二月の三日間だけ虹色に光り輝く、か」
彼がラグラスに寄り道しようと思い立ったのは、ラグラス大聖堂にまつわるそんな噂を小耳に挟んだからだ。ノイアンとラグラスの大聖堂には奇妙な縁がある。ノイアンは大聖堂の名に惹かれ、再びこの地にやってきたのだ。それに、虹色に光り輝く大聖堂というのは単純に見応えがありそうだ。例え、大聖堂の歴史が血塗られたものだとしても。
「光と闇の都、か。あの街の闇を支配していたあの悪徳司教はもういないはずだが……あの街は少しは変わっただろうか」
日が沈み、夜の帳が降りようとしている栄耀の街に向け、冒険者達を乗せた馬車は進んでいく。
解説
マスターより
リプレイ
「街並みが見えて来ましたね、良い感じに暗くなって小さな灯りが星みたいです!」
エヴァン・ピオネロはガタゴトと揺れる馬車の窓から身を乗り出していた。
「ほら、アルマも見て下さい。ここからでもキラキラした大きな建物が見えますよ!」
「エヴァくん、そんなに体を出したら落ちちゃうよ!」
「お客さん! 危ないですよ!」
「ほら、怒られちゃった」
アルマ・ヴァレンタインは御者に注意されたエヴァンを「めっ」としかりつけた。エヴァンは我に返ったのか、アルマの隣で髪を撫でられながらしゅんとしている。そんな二人の様子をむっつりと見つめながら、エル=バ=ノイアンが口を開いた。
「今夜ラグラスで行われているのはイルミーナという祭らしい。秋の収穫を祝うものだそうだ」
「へえ、『イルミーナ』って言うんだ。この時期に収穫祭って珍しいかも」
「確かに珍しいです。何か、収穫祭以外にも意味があるのかもしれませんね」
●
「なに、冒険者だと? それも六人も……怪しい奴らだな……」
街の入口にて。冒険者達は衛兵に呼び止められた。冒険者達は露骨に警戒され、衛兵達がぞろぞろと集まってきた。
(やけに厳重な警備だな。何か後ろ暗いことでもあるのか?)
海神・江流は訝しんだ。祭や式典中にテロリストが凶行に及ぶケースは、確かになくはない。だが、肝心の領主は今夜はこの街を離れていると聞いている。ここまで厳重な警備をする必要はないだろう。
(まるで、何かに怯えてるみたいにも見えますねえ。この街の領主の采配でしょうか。まあ、ラグラスの領主なら裏で何をやっていても不思議じゃありませんがねぇ!)
ギーゼラはくすりと笑った。
「ええー! 入れて貰えないの!? せっかく来たのに!」
「そんな、なんとかなりませんか! 大聖堂が見たいんです!」
アルマとエヴァンが抗議の声を上げると。
「ふむ……ではボディチェックをさせて貰おうか。怪しい連中を素通りさせるわけにはいかんからな」
衛兵はそう言うと、ノイアンの隣にいたシルヴィア・A・カペルに舐めるような視線を送った。
「――君は――」
「おい」
衛兵を睨んだシルヴィアとノイアンが何か言いかけた時。
「どうした。何を揉めている?」
その時、真紅のド派手な鎧を着た女騎士がひょっこり顔を出した。
「アリエス隊長! 実は怪しい冒険者の集団がですね……」
「冒険者だと?」
アリエスはひょい、と冒険者達の顔を覗き込む。
「おや、ノイアンさん、シルヴィアさん、ギーゼラさんじゃないですか!」
●
結局、冒険者達は巡視隊長の顔見知りとその一行ということで、あっさり街の中に入れて貰えた。
「周りはみんなカップルや家族連れかあ……聖霊節だもんなあ」
雑踏に紛れていく冒険者仲間達の背を見送り、江流(33才)は遠い目をした。残念ながら今年の聖霊節も伴侶には恵まれなかった江流だが、同行者のアテぐらいはあった。性別不詳の若き冒険者仲間、ギーゼラである。
「他にアテがないなら俺と一緒にどうだ、ギーゼラちゃん。一人を気にするタイプじゃないだろうが、まぁ、寂しいおじさんに付き合ってくれや」
「ふむ、僕を誘うと。僕を誘うならヒールが必要な大怪我をしてからでしょう? ……と言いたいところですが今回はアップルパイとパンプキンパイで手を打ちましょう」
「アップルパイとパンプキンパイ? 相変わらずの甘党だな。わかったわかった。誘った手前こっちで持ちましょ」
江流は苦笑し、指で輪っかを作った。かくして二人は、お祭りムードのラグラスの喧噪へと飛び込んでいく。
「うん、おいひい! 煮詰めて甘さを引き立てた果物や野菜を、サクサクのパイ生地で包む。パイを考えた人は天才ですねぇ!」
ギーゼラはむしゃむしゃと屋台のパイを貪っていた。
「店ごとに味が違うので食べ比べもしましょう。ここからここまで全部下さい!」
「凄い食欲だなあ。ギーゼラちゃん。俺はもうちょっと腹に溜まりそうなミートパイとか、あ、アップルパイはシナモン多めで2人分よろしくね」
江流は苦笑し、唯々諾々と屋台の店主に金を払う。スポンサーの懐のダメージなど気にすることなく、我欲のままにスイーツを貪るヒーラーの姿がそこにあった。幸い江流は潤沢に軍資金を用意していたので、飢えた獣の如く甘味を貪るギーゼラを、ホットワインを飲みながら暖かく見守っている。
「うん、うまいな」
自分もミートパイを一口齧り、江流は頷いた。
●
「収穫祭&慰霊祭だもんね、先に寄っていこっか」
「はい、お祭りを楽しむ時は祖先に感謝と鎮魂を祈ってからと教わりましたし」
エヴァンとアルマが慰霊祭の会場についた時、他の冒険者達はまだ来ていなかった。
「じゃあ、私達もお祈りさせてもらおう」
アルマは蝋燭に火を灯し、聖印を持って祈りを捧げた。
(アルマ……小さくて可愛いです)
エヴァンはアルマに見惚れていた。
「エヴァくん、どうしたの?」
「いえ、なんでも」
アルマと眼が合ったエヴァンは少し照れ笑いし、今一度祈りに戻った。
●
「キラキラしてキレイな街だねー、賑やかで楽しそうだし目いっぱい楽しもうね!」
慰霊を終えたアルマとエヴァンは、仲良く手を繋いで屋台が集中している東地区へと向かった。
「美味しそうなお店がたくさんありますね! 見てたらお腹が空いてきました!」
「うん、何から食べるか迷う! でもジド・ルウのコスプレしてる人もいるし聖霊節も兼ねてたりするー……?」
アルマは首をかしげた。
(警備が妙に厳重なのも気になるけどね)
アルマは空いている方の手を握り締め、改めて手許にある武器の存在を思い返した。実は入口に武器を預けた時、アルマはこっそりと異空間に自分の武器を隠していたのだ。二人はどんな出物があるかワクワクしながら、お手々をつないで街中へと繰り出していく。
「甘ポテトにグラタンにコーンブレッドにアップルパイにパンプキンパイにー……どれもみんな美味しくてしあわせー!」
「甘煮も美味しいですー! 成長期の胃袋に遠慮はありません」
二人は片っ端から屋台に突撃し、空腹を満たしていく。
「……このお味、アルマなら作れませんか?」
もぐもぐと栗鼠のように頬を膨らませながら、エヴァンはアルマに問いかけた。
「エヴァくん、そのパイ気に入った? じゃあちょっと持って帰ろうか」
お土産と研究用に、アルマは日持ちしそうなものをバックパックに詰めていく。
「あ、路地裏の方にも屋台が出ていますね。どんな店なんでしょう」
「気になるね! それじゃ路地裏で掘り出し物さがしにれっつごー、だね」
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「おっきな街だし大通りを一本外れればまあそういう格差はあるよねー……」
「みんな、やせ細ってますね……」
裏路地に入り込んだアルマとエヴァンはアンニュイになっていた。華やかな表通りとは対照的に、そこには見るからに貧しい者達が暗い顔で座り込んでいたのだ。
「これ、ご家族と食べて下さい」
「あ、ボクのもよかったらー…」
「おお、お優しい方々、ありがとうございます……!」
ラグラスの闇を垣間見た二人は手持ちの食料を全て貧民達に与えると、足早に路地裏を去った。
●
「すまないね、道案内までさせてしまって」
「いえ、こちらこそ、さっきは部下が大変なご無礼を。お詫びに中央区まで私がお送りいたします」
ノイアン達と一旦別れ、シルヴィアはアリエスの案内でこの街の有力者の元に向かっていた。シルヴィアの実家と政治的に対立している派閥だということを差し引いても、この街の領主は信用ならない。参加者としてパーティに混ざり、街の有力者の顔を覚えるのが目的だった。とはいえ、こちらの身分を明かしたくはない。その事情を説明したところ、アリエスが同行を申し出てくれたのだ。街の入口と同じく、中央区入口の検問はアリエスの口利きであっさり突破できた。
「ありがとう、アリエス。何か困ったことがあったらいつでも頼ってくれ」
「ありがとうございます。シルヴィアさんもまたいつでも遊びに来てくださいね」
アリエスと別れた後、シルヴィアは貴族達が住まう街の中枢部へと向かっていった。
(あれが領主の懐刀、エレク・エニード……隣にいるのは娘のリーシャだろうな。エニード卿は談笑中……まずは娘の方に声をかけてみよう)
「君にユールの祝福を。お名前を聞いても良いかな?」
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「ここに来る前……シャルガネで、死した縁者が映るという泉を覗いた。映ったのは黒髪青目の少女だった。そして俺のものではない、俺の名を知る者……答え合わせに来たんだ。あんたが何か知っているなら教えてくれ」
「分かりました。貴方にはそれを知る権利があります。全てをお話しましょう」
他の冒険者達より少し早く、慰霊祭会場を訪れたノイアンは、身なりのいい服を着た青年と向かい合っていた。彼の名はイスタル・エニード。ラグラス領主の近衛騎士の一族、エニード家の長男である。ノイアンが名を名乗った瞬間、稲妻に打たれたように硬直した彼に、ノイアンは自分について知っているかどうか尋ねてみたのだ。
「遅くなってすまないね。おや、まだ揃っていないか。みんな集まったらお菓子を食べよう。そちらの彼は?」
「……シルヴィアか。彼はイスタル。少し……話を聞いていたんだ。彼は俺のことを知っているようだから」
「そうか。私は席を外した方がいいかい?」
「いや、いてくれ」
「分かった」
「よ、ノイアン。その話、俺達も聞いてていいのか?」
「江流、ギーゼラ。もちろんだ」
ギーゼラと共に江流もやってきた。ノイアンは二人の同席も拒否することなく、イスタルが口を開くのを待った。
「仲間がたくさんいるのですね、貴方が良いというのなら、私は構いません」
そして、長い物語が始まった。
――。
「つまり、ここに眠られているのは非業の死を遂げた貴方の実の母上であり、私は血縁上、貴方の異母兄に当たります」
イスタルの長い話が終わった後。ノイアンも、シルヴィアも、江流も、空気を読んだギーゼラも……冒険者達はみな、石のように口を閉ざした。一分ほど、そうしていただろうか。ノイアンはようやく口を開いた。
「俺が弟……か。なんだか不思議な気分だ。だが……そうか。俺の母は……そんな風に、死んだのか」
(圧制者にとって叛逆者でも民衆にとっては英雄。本来ノイアンも貴族の一人だったかもしれない。そうであれば私は彼と心置きなく……いや、公私を混ぜてはいけない)
「ノイアン、私は冒険者だ。何かあれば君の力になろう」
シルヴィアは心の中の葛藤を振り払い、ノイアンに微笑む。
「ありがとう、シルヴィア」
「話の全容が俺には飲み込めてないんだが、ノイアンもちゃんとした血筋の生まれって事なのか。自分のことがわかった日って意味じゃ、これも誕生日なのかもな」
「ああ、そうだな」
江流がそう声をかけると、ノイアンは頷いた。
「さて、ノイアンのお母さんに花を供えないとな。花ならほれ、これでよかろう。ここに居る全員分って事で、さ」
江流は市場で購入していた白い水仙の花をノイアンに渡し、献花を促した。
「……ああ、うっかりしてた。慰霊祭だというのに手ぶらで来てしまったな。なんだ江流。準備がいいな。いや、ありがとう」
ノイアンはそっと石碑に花を供え、蝋燭に火を灯して自身の一族に祈りを捧げた。
(辛い過去なら見ないふりをして、知らずにいた方がきっと楽なのに。何でわざわざ辛い道を歩もうとするのか。自分の欲望の為に生きると決めている僕には理解出来ません)
ギーゼラは場の空気を読んで神妙な表情をしていたが、内心ではノイアンの行動を不思議がっていた。快楽主義者であり、死後の世界も信じていないギーゼラには慰霊祭の意味はよく分からなかった。
(ギーゼラちゃんはなんだか不満そうな顔してるが……ま、それでも付き合ってくれるんだから文句は言うまい)
ここに来てから妙に口数の少ないギーゼラの態度から何かを察したのか、江流は苦笑した。祈りを捧げ終えた後、ノイアンはイスタルに礼を言う。
「イスタルも……話してくれて感謝する。何かあれば、頼ってほしい」
●
「これが大聖堂か。ライトアップされてキレイなもんだな」
江流は虹色に輝く大聖堂の威容を見て、しきりに頷いていた。
「派手ですねぇ」
ギーゼラも他人事の様に賛辞を口にした。ギーゼラは実は単なる観光客ではなく、この大聖堂の地下で行われていた教会の非道な行いについて、多くを知っている。何しろ、ノイアン、シルヴィアらと共に、この大聖堂の地下で孤児達を使い、非道な人体実験を行っていた司教を成敗したのは、ほかならぬギーゼラ自身なのだから。
「光が濃いほど闇は深くなるものなんて話がありますけど、この街はまさにそれですねぇ。光を強くして闇を消そうとするけれど、より闇が深まるだけなんて。フフフフフ、無様でとっても素敵な街ですこと!」
「ギーゼラちゃんも、ノイシルと一緒にこの街で戦ったんだっけ?」
「フフフフフ、江流さんも知りたいのですね。この街の闇を! いいでしょう! 僕が知る限りのことをお話しましょう!」
ギーゼラは目を爛々と輝かせ、ノリノリで背徳の司教との戦いについて語り始めた。
(政治的なお話は兎も角として、コレ自体は見事な物だ。ちゃんと目に焼き付けて、いつか彼女に土産話のついでに念写で見せる事が出来るなら、少しでも鮮明な方がいいもんな)
江流の脳裏にふと、一人の少女の姿が浮かぶ。それは、大陸の名所を自分の足で見に行きたいと語り、それを実現することなく澱の果てへと旅立った彼の妹だ。
「――ちなみに件の司教は逮捕後、獄中で『自殺』されたそうです! 果たして本当に自殺なんでしょうか? なんともミステリアスですねえ! 江流さん、ちょっと聞いてます!?」
「――ギーゼラちゃん、ちょっと場所変えようか。衛兵さんが凄い睨んでるから」
いつの間にか、二人の周りには物凄い数の衛兵が集まってきていた……。
「あの……一応聖なるお祭りなんで、そういう話は今夜は御遠慮願います」
『教会の醜聞を大声で宣伝している異教徒がいる』と通報を聞き、駆け付けてきたお巡りさんは盛大な溜息を吐いた。
●
エヴァンとアルマは大聖堂を真下から見上げ、目を輝かせていた。
「虹色にキラキラしてて間近でみるとすっごい迫力あるねー……!」
「わぁぁ……ぼく達もキラキラに包まれて……アルマは妖精みたいに輝いてます」
「妖精さんみたいだなんて、またそんなうまいことを……もー……」
大聖堂から降り注ぐ虹色の光を浴びながらはにかむ少女の姿は、まるで一枚の絵画のように幻想的だった。エヴァンは心の底から誰よりも美しいと思う少女へと、心からの賛辞を贈る。
「本気ですからね……とても綺麗ですよ」
かくして、栄耀都市の夜は更けていく。冒険者達はそれぞれの想いを胸に秘め、祭りの夜を楽しむのだった。
マスターコメント
ショートシナリオR易しい 報酬:無し6 / 4〜8人
2022年01月01日 06時08分05秒 公開
相談掲示板
ノイアンだ。今回は俺のリクエストなんだが……引き続き担当してくれたおおくまねこMS、ありがとう。恋眼で忙しいだろうに…! いろいろと俺の生まれにまつわる設定はあるが、気にせずイルミーナを楽しんで欲しい。 俺は慰霊祭のほうに向かう予定だ。
エヴァン・ピオネロです。 お祭りがあると聞いて彼女と来ました。 どう楽しむかはこれから相談します。どうぞよろしくお願いします。
>エヴァン ああ、来てくれて嬉しい。 楽しい1日になるといいな。よろしく頼む。 ほか、ラグラスと関わりがなくても歓迎だ。皆、楽しんでほしい。
楽しそうなお祭りと聞いて彼氏さんと来たアルマだよ。 どうまわるかはこれから相談だけど、どーぞよろしくねー。
シーフの海神江流だよ。今回は宜しくな。 ライトアップされた大聖堂は拝んでおこうかなと。 うん、いつか土産話のついでに念写出来るように、ちゃんと見ておこう。 慰霊祭ね…多少気になるところなんだけど。少し気になってるかな。 それはそれとして、ギーゼラちゃんは予定なければ一緒に回らんか? ちょっと訂正させて貰いました。 ゴメンね。
シルヴィアだ。今回はよろしくね。 ノイアンはお誘いありがとう。イルミーナを楽しもう。 ラグラス大聖堂、一般公開が再開されたんだね。 一目見ておきたい気持ちがある。その後慰霊祭に行きたい。 >ノイアン もし良かったら慰霊祭に同行しても良いかな? 過去に何があったのか話を聞いてみたいんだ。
>シルヴィア ああ、もちろんだ。俺も過去の事件には……この名前が示すものには興味がある。ショートだから2行動くらい……アリエスにも近況を聞きたいところではあるな。
>ノイアン お誘いの快諾ありがとう。当日はよろしくね。 今のところ大聖堂を見て、可能であればエニード親子と話してから慰霊祭に同行させて貰う予定だ。順番にこだわりは無いから、慰霊祭が先でもOK。ノイアンに合わせるよ。
ギーゼラです。よろしくお願いします。 あらあら江流さん!僕を誘うならヒールが必要な大怪我をしてからでしょう? と言いたいところですが、今回はアップルパイとパンプキンパイで手を打ちましょう。:,('ω' ))ムシャムシャ
>シルヴィア ふむ……では、アリエスに挨拶してから慰霊祭へ向かうとしよう。よろしく頼む。
>ギーゼラちゃん アップルパイとパンプキンパイ…パイばっかりだな。 よしわかった、それで手を打とう。 (既に食ってるのは気のせいだろうか(