【呪輪】ターミル族からの救援、大森林へ
岩岡志摩
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シナリオID:1479
オープニング
先生の教えは正しかった。
この世界において、正義の名のもとに行う暴力は我々の絆を深めるものだ。
人の形をして、悲鳴や泣き声をあげる犯罪者を踏み躙ることは、どうしてこんなにも心地よいのか。
暴力で悪を屈服させることはこの上なく楽しい。
それが正しいことであるならば、なおさらだ。
それは我々エルフやリザードマンと言った種族に囚われない、人の本能と呼べるだろう。
まるで大いなる森に育まれた獣のように、悪は赦せないという本性が我々にも存在するのだ。
それはどれだけ社会が成熟したとしても無くなりはしない。
我々や先生が導かなければ、人は常に隙さえあれば相手を陥れ、踏みにじり、屈服させたいと考えてしまう。
その欲望は先生の教えに導かれることで、はじめて正しいものへ昇華するのだ。
我々は正しいことをした。この記念碑がその証だ。
●再生に向け
――メドゥの指先幹部『青の示指』フェンヌ、討伐成る。
この情報は、フィルエス大森林に暮らすエルフ達に、安堵とそれ以外の感情をもたらした。
当初は大陸西部に広がるフィルエス大森林において、木や草が枯れていく現象が発生したことから、この森の受難が始まった。
この現象にはメドゥの指先幹部『青の示指』フェンヌやその配下となる植物型魔獣達が大きく関わっていた。
元凶だったフェンヌの討伐をもって、この現象もようやく下火になりつつあるも、森への被害は無視できないものとなっている。
その被害は大森林の南東部で特にひどく、この地に長らく居住しているエルフ達の心身や暮らしにも大きな爪痕を残している。
この大森林は本来であれば常春の森というにふさわしい環境であり、ここで暮らす氏族の大半は農耕や牧畜を行うことなく、自然の恵みを糧として生活できていた。
しかし木や草が枯れる現象の拡大で、現地のエルフ達はその生活を脅かされ、これまで暮らしてきた里を捨てる選択を迫られているところも少なくない。
フェンヌの討伐が成った後も、『灰火の守部』グレイオンスは、森の再生や動揺するエルフ達をケアするため、様々な依頼を冒険者ギルドに持ち込んだ。
そしてアルヒ・ラスカスもまた、森の再生に向けた依頼の一つを扱っている。
冒険者達が過去行った現地調査によって、木や草が枯れた場所では、土壌の栄養が根こそぎ奪われていることが判明している。
根本原因だった植物型魔獣達が倒されても、枯れた場所やその周辺が植物の生育に適していない環境であることに変わりはない。
現状では腐り果てた土地が森として再生するには時間がかかり、エルフ達の一部からは森の再生を待つことなく、今の里から移転する話も出ている。
「栄養が豊富な土壌か、栄養を土壌にもたらす肥料を運んでくるしかないだろうな」
アルヒがそう考え、自身の伝手を駆使して解決できそうな手段を模索した結果、ディズル大湿地帯で暮らすリザードマンのターミル族へと行き当たる。
このターミル族はリザードマンの中でも特に農耕を重視し、浮遊農場の制作や普及に加え、湿地帯での兵站を担う重要な立ち位置にいる。
アルヒは農耕が盛んなターミル族が有する、農作物を育てるために必要な栄養を土壌にもたらす技術や、優良な肥料を生産する能力に着目した。
アルヒは『灰火の守部』やフィルエス大森林で暮らすエルフ達と、ディズル大湿地帯にあるターミル族の集落を駆け回り、ターミル族から大森林へ森林再生のための支援を得る話を取りつけるべく、奮闘する。
その結果、ターミル族は大森林への支援を承諾し、『灰火の守部』もターミル族からの支援を受け入れることをアルヒに表明した。
その後もアルヒや『灰火の守部』、ターミル族の間で協議を重ね、大森林ではターミル族からの肥料受け入れの準備が進められる。
ターミル族も大森林にある植物たちが生育できるよう、調整を加えた肥料を試験的ながら作成することに成功した。
肥料を大森林に運び込む方策については、アルヒが話を進めており、ターミル族からは護送役兼窓口役として、これまで冒険者達との関係が深く、冒険者達を恩人だと尊敬するディノという少年を寄こしている。
「また、お世話になります。よろしくお願いします」
以前よりも穏やかになった表情で、ディノはアルヒに頭を下げる。
「こちらこそ、今回は無理を言って済まない。そして要望に応えてくれたことに感謝する」
アルヒも森の再生に協力してくれたターミル族への深い感謝を示した。
ただ大森林内では植物型魔獣が完全に倒されたわけではなく、生き残った植物型魔獣が肥料を運ぶ隊に襲いかかる危険も少なからずある。
アルヒは肥料を輸送する隊を守る冒険者達を募るべく、依頼斡旋に動き出した。
●やること
フィルエス大森林南東部に発生していた現象は、フェンヌや配下の植物型魔獣達の討伐により、ひとまず沈静化しました。
しかし土壌から栄養分が奪われ、樹木や草木が枯れて腐った場所や、今までいなかった茸に覆われた箇所は残り、森の再生には至っていません。
そこでアルヒは土壌に栄養を与える技術という切り口から、ディズル大湿地帯で農耕を営むターミル族に協力を求めました。
この要請をターミル族は承諾し、大森林で生息していた植物や樹木用に成分を調整した試作肥料を急ぎ用意してくれました。
肥料を大森林へ運ぶ商隊は冒険者ギルドが手配を終えており、肥料を運ぶ商隊は既に大森林の近くまで到達しています。
ただ大森林には討伐を逃れた植物型魔獣達が残存しており、植物型魔獣達にとっても今回の肥料は栄養となるため、襲撃される確率は低くありません。
輸送ルートをアルヒや職員達が事前に偵察した結果、道幅が極端に狭くなる2か所に植物型魔獣達が出没する可能性が高いことが判明しています。
本来であればその場所は避けるべきですが、その2か所を避けてのルートは非常に遠回りかつ整備されているとは言い難いため、2か所を強行突破することになりました。
肥料を大森林へと運ぶ商隊は、守り手となる皆様冒険者を求めています。
肥料を現場まで運びこむことが最優先のため、植物型魔獣達の殲滅は達成項目には含まれておりません。
なお冒険者の皆様への増援として、ターミル族からはディノという少年が、冒険者ギルドからはアルヒが派遣されます。
●追跡調査
その一方でアルヒは、先日ムーセルの里近くで遭遇した道化師ロコに関する調査も継続して行っていた。
現在までの調査で、ロコが退く間際に冒険者へと投じた布は、フィルエス大森林のとある里で暮らすエルフが人間の旗を真似て、自分達の暮らす里のシンボルとして試作したものの1つだと判明している。
ただその『旗』を作ったエルフは、『旗』は同じ里で暮らす知り合いの同族に頼まれて作っただけで、今は作っていないとアルヒに答えている。
その知り合いのエルフというのは、ヒューマンとの交流で様々な知識を有するようになり、そのヒューマンに協力して犯罪者集団が隠れ住んでいた集落を滅ぼしたこともあるらしい。
その犯罪者集団が隠れ住んでいたという集落の場所こそ、ロコが冒険者達に告げた場所だった。
解説
マスターより
リプレイ
この日、ディズル大湿原帯で農耕を営むターミル族からフィルエス大森林へと派遣された一団に、護送依頼を受けた冒険者達が合流する。
「土壌の栄養が根こそぎもってかれた土地にきく肥料を作るなんて、ターミル族の人たちってすごいねー」
アルマ・ヴァレンタインは試作とはいえ、ターミル族が肥料を用意できたことに驚きを見せる。
「はじめましてー。今回は来てくれてありがとー、一緒にがんばろうね!」
アルマは今回の輸送に同行するターミル族の少年ディノにも挨拶する。
ディノは緊張しつつも「よろしくお願いします」とアルマに頭を下げた。
「エルフは古来より我々の盟友。このような事態を放置はできません」
ハリス・アル・ターミルは、『同胞』であるターミル族がフィルエス大森林に救いの手を差し伸べたことに賛意を示す。
「必ずや無事に届けましょう。我らターミルの誇りに懸けて!」
必ず任務は完遂させると意気込んだ結果、ハリスは自前の荷馬車と荷馬車を曳く黒汗馬を用意していた。
これで大森林へと運ぶ肥料を、さらに増やすことができる。
「久しいな、壮健なようで何よりだ。……少し背が伸びたかね? 冒険者としての装いも似合っているな」
フェイサル・セイフはディノに軽く挨拶し、その装いや近況を尋ねるなどして、緊張がほぐれるよう努める。
「農業や林業に関しては私の専門外だが、病や傷を癒すには薬と滋養が肝要だ」
フェイサルは自身の医学・薬学スキルで培った知識をもとに、森に対してもそんな見解を示す。
「……となれば、これは何としても果たさねばならない役目であろう」
フェイサルは友人であるハリスが、自ら荷馬車まで用意したことに内心驚いたが、今回の輸送への熱意のあらわれと納得し、感心している。
「これってハリスさんがいろいろ調べていたやつ?」
トゥーリはハリスが極北や各地の土壌や植生を調べていた件に触れる。
もしハリスが行った調査結果が大森林の再生に役立つなら、それは良いことだとトゥーリは思う。
「これは水濡れしないように厳重に袋詰めにして……と。こっちは小袋に入れて携帯するのがいいかな」
トゥーリは荷馬車に積まれた肥料が不測の事態で駄目にならないよう、梱包や運び方に工夫をこらしていく。
「今回は肥料を届けることが最優先だ。魔獣との戦闘は必要最低限に努めよう」
セリオス・オーガストは敵が襲来しても、撃破に拘らず輸送を優先すると決めている。
この先の道では、2か所ほど植物型魔獣の襲来が予想されているとのことなので、迎撃が必要になるのはそのあたりだろう。
「魔獣がついてくるようだったら、それだけを倒しておくつもりだ」
そのためセリオスは、荷馬車が進む後方で警戒を務める方針でいる。
「大森林を愛するエルフとし礼を伝えさせて頂きたい。ありがとうございます」
ロイ・アウレアはフィルエス大森林出身者として、今回救援の手を差し伸べたターミル族や、依頼に応じてくれた冒険者達に向け、頭を下げる。
「何時もお世話になります。皆への支援と御者と馬への配慮をお願いします」
その一方でロイは、同行するアルヒ・ラスカスに向け、荷馬車の一団へのフォローも行ってくれるよう頼むことも忘れない。
既にロイは荷馬車や馬が轍や陥没に足をとられることを防ぐため、渡し板となる木材の用意をアルヒに依頼しており、準備に余念はない。
「生態系を崩すは一瞬。戻すは年単位……失われたモノも多いだろう」
ロイから見ても、『青の示指』フェンヌが大森林に残した爪痕は、決して浅くはない。
今は結ばれた友好を維持できるよう、道中では大森林の先人として相応しい態度で過ごすことを、ロイは決意する。
そして冒険者達が護衛の配置につき、予定よりも多めの肥料を積んだ荷馬車の一行は肥料を待つ大森林の現場へと出発した。
●関門1
ハリスが持ち込んだ荷馬車を先頭に、2台の荷馬車がその両脇を固め、周囲を冒険者達が警護する形で、一行は順調に進んでいる。
「うーん、こっちの方って来たこと無いんだよね……ワタシ」
トゥーリは予め冒険者ギルドの方で用意してくれた地図を目に留めながら、周囲の光景と見比べる。
周囲の木々は鬱蒼と茂っており、遠くは見渡せないものの頭上からの陽光は、十分地上まで届いている。
やがて冒険者一行は、朽ちた木が横倒しになって道を塞いだ場所に差し掛かる。
そこは問題の植物型魔獣が出ると思しき区域でもあった。
「左右から物音が近づいてくる。恐らく環境音じゃなくて例の植物型魔獣だよ」
トゥーリは超聴覚や天眼を駆使して得られた情報を手早く周囲の仲間達に伝え、
「隘路の奥にもう一本木が横倒しになって道を塞いでいます。そして道が狭くなっているあたりで植物型魔獣――恐らくメリデと呼ばれる種類が2、いや3体います」
トゥーリと索敵を分担していたハリスも、暗視や戦術眼を駆使しての探索結果を報せると、トゥーリと共に迎撃に回る。
「まず目の前にある障害から排除するね」
トゥーリはダマスカス鋼の魔弓Reの弦を引き絞り、炸光矢3を行使。
弓弦を鳴らし、エーテルを籠めた光の矢が撃ち放たれ、朽木のあるあたりで炸裂すると、光の破片が撒かれ朽木を破砕した。
砕けた木の破片が地面に降り注ぎ、その周囲から毒花めいた姿の植物型魔獣『メリデ(以下「花」と略)』が次々と姿を見せてくる。
「恐らくあのメリデ達の狙いは肥料です。荷馬車に接近させないよう誘引します」
ハリスはバックパックに肥料の一部を仕込むと、陽動役を引き受ける。
フェイサルはハリスへの援護に向かう前に、ディノにも指示を出す。
「君には御者や馬を守ってもらいたい。それと馬が混乱した時のなだめ役も頼む」
地味な役回りだが、フェイサルはディノならそういった役割をこなすことができると信じている。
「わかっていると思うが、君は最後の備えだ。我々が失敗した時、それを挽回する為に君の働きが鍵になる――頼むぞ」
ディノに役割分担の重要性と、彼自身が要点である事をはっきり伝えると、フェイサルはハリスに向け輝刃2を行使。
「フェイサル殿、援護感謝します」
ハリスの握る開墾の竜爪やその身を淡い透明な光で包み込み、攻撃力を向上させたところで、ハリスは誘引できた花達に向け闘気槌3を行使。
槍の穂先へと形状を変え、巨大な光塊を纏う開墾の竜爪が振り下ろされ、範囲内にいた花達のみを打ち据える。
まともに威力を浴びた花達は押し潰されて倒れ、体液を散らして絶命していく。
「ボクは通行の邪魔になる朽木を吹き飛ばして道を作るよ」
それまで超視覚を駆使して警戒に当たっていたアルマも、馬がいる場所から大きく距離を開け、進路上に残る朽木へと狙いを定めるとタイダルストリーム2を行使。
突き出されたミスティックブルームより僅かな溜めの後、轟音と衝撃波を伴うエーテル光の波が一直線に撃ち放たれ、直線上にあった朽木だけでなく、密かに接近していた花も呑み込んでいく。
エーテル光の波に押し包まれた朽木や花は微塵に砕け、光が消えた頃には破片混じりの通路が強引にこじ開けられていた。
「もう一回撃てば、通るのに必要な道幅も十分確保できそうかな?」
直線上にあった朽木だけでなく、奥からやってきた花ごと片付けたアルマは、超視覚も駆使して算段を立て始める。
花達は前方ででなく後方にも忍び寄っていたが、後方にはセリオスやロイ達が守りにつき、花達を待ち構えていた。
ロイは『ポーラ』と名付け、エーテルリンクを結んだ栗鼠が出現させた分身と視聴覚を共有すると共に、捜波を行使して周囲に探索用のエーテル波を走らせることで、警戒網を構築していた。
「セリオスさん。こちらで探索した限りですが、今見えているのが残りの敵になります」
「今のところ、こちら側に来たのは2体程度か。時間をかけていればさらに増えそうだな」
セリオスもまた、天眼や超視覚を駆使して警戒にあたっており、ロイからの情報もあわせて排除すべき敵の数を割り出すと、ダマスカス鋼の短弓の弦を引き絞る。
「後ろの守りは引き受けた。今のうちに荷馬車を前に進ませてくれないか?」
セリオスは前方や側面を守る仲間達にそう要請すると、炸光矢3を行使。
矢を放つ響きと共に、エーテルを籠めた矢が花の近くでその威力を炸裂させ、花は光の破片にその身を裂かれて倒れ、動かなくなる。
「戦闘音をなるべく馬に聞かせないよう、荷馬車から距離をとって戦いましょう。馬が驚き暴れないよう注意して下さい」
ロイは戦いの中で忘れがちになりそうなことを、改めて仲間達に周知する。
冒険者達は花達を前にしても臆することはないが、馬は音や衝撃にも敏感な一面がある。
それを踏まえ、ロイも荷馬車から距離を置いて守りにつき、殺到する花達に向け炸光矢3を行使。
ダマスカス鋼の強弓Reの弦が鳴り、エーテルを籠めた光の矢が花達のただ中に吸い込まれて炸裂すると、周囲にいる花達を光の破片で引き裂いた。
まともに威力を浴びた花達は体液を撒いて倒れ、沈黙する。
その間に進路を確保した冒険者達は、花達に手痛い一撃を加えながら隘路を一気に突破し、花達を振り切ることに成功した。
●関門2
似たような森の景色が続く中、再び冒険者達の前に倒れた朽木と隘路が立ち塞がる。
そして毒花(メリデ)達も周囲から集まり、種めいた攻撃を放ってきた。
「どうやって探知してきたのか知りたいところだよね。地面の振動や匂いを辿って来たのかな?」
トゥーリはその超聴覚で花達と思しき音がハリスのいる方向へ進むのを捉え、天眼も駆使して得られた情報を周囲の仲間に報せていく。
「早めに先制攻撃を行おう。荷馬車には近づけさせないよう支援するよ」
トゥーリは自分の周囲に仲間を集めると、ハウリング・オブ・ブルーフレアを行使。
トゥーリよりエーテルの波動が開放され、周囲にいた仲間達のエーテルを増幅させた結果、仲間達の身より鬼火めいた蒼白の光が立ちのぼる。
さらにトゥーリは堅甲をハリスに行使して、ハリスの装備したターミル糧守の鎧改式を淡い透明な光で包み、防御を底上げした。
「ありがとうございます。トゥーリ殿の言うように、敵は近づけさせません」
ハリスはトゥーリに感謝すると、自身の持ち込んだ荷馬車より前に出る。
「この肥料は正しき森の姿を取り戻す為のもの。徒花の糧にはさせません!」
ハリスは叫びと共に、朽木を乗り越えてきた花に向けドラゴンチャリオッツを行使。
エーテル光を全身に纏ったハリスは征竜奉楯を構えて突撃し、盾から花の身に激突した。
その身が陥没するほどの衝撃が花を襲い、後方へと吹き飛ばされた花は途中にあった朽木へとぶつかり、砕けた朽木が破片混じりの土煙を巻き上げ、倒れた花を包み込む。
それまでディノに手伝ってもらいながら、動物のおやつや動物のお世話セットを使い、馬を落ち着かせていたアルマも、花達の撃退に回る。
「大丈夫だって伝えても、大きな音は怖いみたいだね。そうなるとあまり音の出ない攻撃の方が望ましいのかな?」
馬達を怯えさせないよう注意して動きながら、アルマは花が比較的密集した箇所を見つけ出す。
「まとめて狙えそうだよね。それじゃメテオライトも使わせてもらうよ」
宣言と共にアルマはメテオライト3を行使。
アルマより小さな光弾の群れが顕現すると、花達の頭上へと駆け上がった後に花達へと降り注ぎ、その身を打ち据える。
全身を穿たれた花達は、貫かれた箇所から体液を噴いて倒れ、動かなくなる。
「一人の授恵者として自分達と同じ場所に立ち、誰かにその力を頼られている。喜ばしいことだ」
フェイサルは鉄の盾を構え、花からの攻撃を防ぎながらもディノに視線を向ける。
その先には、任されたことをこなすべく奮闘するディノの姿があった。
「今回の一件を達成し、彼には己が誰かの役に立ったという実感を持って欲しいものだ」
そんな願いを口にしながらも、フェイサルは隘路の突破を優先すべく前に出る。
後方ではセリオスが敵に向け、濃煙炸弾2を行使していた。
短弓よりエーテルで形成された光弾が発射され、花達の近くで炸裂すると、周囲に濃い煙幕を発生させる。
「そのまま先に行ってくれないか? 後方からの敵は、俺達がここで食い止める」
煙幕の向こうから花の種めいた攻撃が飛来するが、セリオスや同じく後方を守るロイには当たらない。
「そういう事だ。本当に必要な者の所へと急ぐとしよう……!」
セリオスからの進言を受けたフェイサルは、ヒーリングオーラを行使。
フェイサルは光輝くエーテルの波動を周囲に放ち、主に前方で戦う仲間達の傷を癒し、活力を与えることで、仲間や荷馬車の動きを支援する。
「アウレア。このまま振り切ることができると思うか?」
「一定の距離になるまで離れないと、振り切るのは難しいと思われます」
栗鼠の『ポーラ』を通じて情報収集も努めていたロイが、セリオスからの問いにそう答える。
「魔獣がついてくるようだったら、それだけは倒しておく必要がありそうだな」
敵の追撃を鈍らせて振り切る遅延戦術を行うつもりだったセリオスは、ロイからの情報を受けると弓弦を引き、煙幕を突破して追いすがる花――正確にはその近くに立つ大木へと短弓を向ける。
「この位置なら馬達を驚かせないだろうな。今は必要以上に追わず、任務遂行後に戻って討伐することも視野に入れて動くとしよう」
ロイはそんな算段をつけながらも、セリオスと同じ方角へと強弓を向け、貫通衝撃射3を行使。
エーテルを籠めた矢が鋭く射出され、花達のただ中で破裂すると、前方へと奔った衝撃波が花達を薙ぎ倒す。
衝撃波で身を裂かれた花達は体液を撒いて倒れ、絶命していく。
花達の撃破を確認したセリオスは、バスターアロー2を行使。
短弓に光が収束し、破壊力と速度が増大した一射が解き放たれ、その先にある大木の幹を破砕し、上下に両断した。
大木の幹が地響きを上げ、大地に横転して障害物と化した頃には、荷馬車の一行は隘路を通り抜けており、冒険者達もその後を追っていた。
●到着
そして冒険者達と肥料を積んだ荷馬車が、現場の人々から歓呼を受けて到着した。
「今回の試作品(?)がうまくいったら、他の地域でも引っ張りだこになるかもだね」
アルマの言う通り、今回運んだ肥料が森の再生に効果を発揮したら、その需要ははかりしれない。
「皆様、今回はご協力くださりありがとうございます」
「自分からもお礼を言わせてください。今回はご助力ありがとうございました」
ハリスやロイは、冒険者やターミル族の御者一人一人に謝意を述べていく。
(命も心も有無相通じる中で育つからこそ、理を知ることができる)
ロイは内心そう思いつつ、今回の肥料が一日も早く大森林全域に行き渡るよう願った。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準6 / 4〜6人
2021年10月16日 15時46分24秒 公開
相談掲示板
シューターのロイ・アウレアです。 出発人数になったね。宜しくお願いします。 今回は単純に 腐った木々を範囲技で片付け、轍が取られないように足元に用心して進む その流れで出で来るメリデを倒す事、と思ってます。 ただ、他の地域(依頼)では、ピンジたちの掃討が行われてるので 索敵に力を入れ周囲のは全て倒したいのと 時間に余裕があれば朽ちた辺りの状態を調べ今後、手を入れる前提で記録しておくとか 可能なら土の天地返しをするとか、何かしら出来たらと思ってます。 (ガチ理由:字数が空きそうなので) 尚、後半はあくまでも自分のプレ内で 時間があれば程度でアルヒさんに相談のつもりです。 アルヒさんへは何時ものように支援を頼みたいと思ってるのと ディノさんは…関わらず過ごしてた為、護衛を頼む・雑談するしか思い浮かばない… 何かしら思い入れがある方にお願いしたいですがどうでしょう?
・・・ん、シューターのセリオスだ、よろしく頼む とりあえずロイの言う流れで問題ないと思う。 個人的には一部が先行してルートの確認と確保とかしてもいいと思う。それでメリデたちが寄ってくるなら先に排除できるし、まだ来ないなら来るまでに強行突破して追いすがってくるのを迎撃という形で対応すればいいだろうしな
ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー ちょこちょこ見通しがよくないところに メリデの出現(予測)ポイントがある配置だけど 屋外でシューターさんが二人もいるから安心だね 個人の動きだとタイダルで朽をまとめてドーン!くらいしか考えてないや… 字数余りそうだからなにか考えておくねー あとディノさんはボクも接点なくて初対面になるから 絡みは面識のあるひとにおまかせー…になるかなと
ターミル族のハリスと申します。皆様、この度は宜しくお願いいたします。 エルフは古来より我々リザードマンの盟友と言うべき方々です。 その故郷とも言える大森林の復興に我々ターミルの技術が役立つならば喜ばしい限り! 肥料の一片も魔獣に渡さぬよう、全力で以て護衛致しましょう! >ディノ 私とは同郷ですし、ラスリャマス絡みの一件でも縁があります。 彼との折衝については私や同じく縁のあるフェイサル殿が受け持ちましょう。 ただ、ディノも特に人見知りするようなタイプではありませんから、宜しければ是非声を かけてあげて頂きたく。今の彼には多くの人々との交流と経験が必要なはずですから。 >戦闘 では私が先行して障害の除去や敵の引きつけを行いましょう。 いっそ肥料を一部バックパックにでも入れて囮になっても良いかもしれませんね。 シューターの方が馬車の護衛を担ってくれるなら程度突出しても保険は効くでしょう。 敵は複数体で出現するようですから、範囲攻撃を使用するのが良さそうですね。
と、連投失礼致します。少し質問をば。 ・Q1 私も馬車を持っておりますが、ターミルの人々に御者を願う形で同行は可能でしょうか? その場合、追加で肥料を積載したりすることもできますか?
トゥーリだよ、よろしくね! 肥料をねらってくる……どうして分かるんだろう? しっかり袋は閉まってるよね?匂いが漏れちゃってるのかな? ワタシは先行でも馬車の護衛でもどっちでも大丈夫かな? どちらかと言えば前線に出る人が少なさそうだから、ハリスさんと一緒に先行かなって思ってるけど、全然自由に動けるよ。
満員だ、改めて宜しくお願いします。 ディノ君を知る方も居てくれてありがたい。 掛ける言葉は…挨拶の他にも何かしら考えてみますね。 一部が先行してルートの確認と確保で良いと思います。 ハリスさんとトゥーリさんが先行してくれるなら 弓2名で後方の左右(4寄りと6寄り)に着くのはどうかな? 商隊・馬達なら、複数の荷馬車を護衛って事だろうし 先頭から最後尾迄を射程の長さでカバーしたいな。
アルヒ・ラスカスだ。今回はよろしく頼む。 ・Q1 私も馬車を持っておりますが、ターミルの人々に御者を願う形で同行は可能でしょうか? その場合、追加で肥料を積載したりすることもできますか? A1: 御者役として同行してもらうことが可能かどうかだが、一応可能だ。 ただ同行が可能なのは授恵者ではなく一般人なので、彼らを守る手段が必要になる。 また、追加で肥料を積載することについても可能だが、運ぶ量が増える分だけ襲撃を受けた時に守る範囲が広くなることは留意しておいてほしい。
<後方警戒 俺は問題ないのでロイとは反対側を受け持つようにする 肥料を無事届けることが優先だし、無理に敵を倒す必要ないから足止めを主目的にすればいいか
挨拶が遅れてすまない。 フェイサル・セイフだ、癒しの術と剣を少々扱う。 友人の縁での参加となったが……そうか、ディノは……励んでいるのだな、着実に。 >動き では、私は前衛に立つハリス・トゥーリ両名のやや後方に追随してこれを支え、 必要に応じて前に出る位置取りをしよう。 後方や側面の備えは厚くなりそうに思える、とにかく前進する為の勢いを保たねばな。 ……この場合、ディノに求める役割は我々の「目」だろうか?
アルヒさん、時間切れになる前に急ぎ質問させて下さい。 Q2、護衛する荷馬車は何台でしょうか? 可能でしたら、先頭車両から最後尾までの長さ(距離)を教えて頂けると助かります。
そういえば馬達ってあるしどのくらいの規模か知っておきたいねー 3人先行してもらえるみたいなので真ん中くらいの位置取りにして 敵がでるまでの道中はお馬さんのお世話をしたり 車列の長さしだいで中継用にテレパスを持ってったりしようかなと
Q2、護衛する荷馬車は何台でしょうか? 可能でしたら、先頭車両から最後尾までの長さ(距離)を教えて頂けると助かります。 A2: 護衛する荷馬車だが当初の予定では2台になる。馬車の寸法は長さ5.4m、幅1.8mくらいだ。 馬については体高1.7m、体長2.4m、体重800kgくらいの規模と言ったところだ。 先頭車両から最後尾までの距離だが、間に馬を入れて車間距離を十分とった場合は21m~24mくらいになる。 ただしこれは馬車を2台縦に並べて走らせた時の距離なので、馬車を増やしたり並べ方を変えた場合はこの限りではない。
回答ありがとうございました。 21m~24mでしたら護衛の配置を考え直さず済みますね。 ハリスさんの持ち込みを入れると30~35m位かな? 2台なら縦に並べる方が護衛はし易そうだが、縦並びでも守る事は出来るでしょうから ここはハリスさんの希望と皆さんの意見をお待ちするとして。 フェイサルさんはディノさんとご縁があるのですね。 是非に近況を聞いたり応援してあげてください。 >役割は我々の「目」 そうですね…馬の近くで戦闘に成ると馬が怯えて暴れたりもするでしょうから アルマさんと一緒になだめる役とかも含めて動いて頂けると助かります。 そう言ったディノさんへの声掛けも含めて フェイサルさんにお願いしたいですが、構わないでしょうか? >無理に敵を倒す必要ないから足止めを主目的 了解、深追いし過ぎないように気を付けるね。
>馬車配置 では私の持込馬車を最前列に、後方の2両を並列化して25mに収めますか。 これであれば大きな変更もなく対応可能かと思われます。 図示すると以下のようになるでしょうか 馬車1 ハリス馬車 → 馬車2
了解しました。 【ハリス氏の馬車を先頭に、護衛対象を並列に並べる形で森林を通過】 ハリスさんもご自身で書かれるとは思いますが、オレの方にも記載させて頂きますね。 手直し、加筆は可能ですので何かあればお知らせください。
よし、では私はハリスとその馬車の間に、だな。 前方突破時は前衛、敵が抜けてきた場合は馬車の守りだ。 >ディノへの要請 心得た。 まだ子供だが、きちんと説明をするのが我々としても誠意ある対応であるな。 彼も、そういう思いに応えてくれる筈だ。
えっと、車列はそこまで長くなさそうなのでテレパスはなしで、 (見通しあまりよくないけど)超視覚で警戒と動物交感とかでお馬さんのお世話 護送役のディノさんも近くにいたら合間に雑談なんかもさせてもらう感じでプレだすねー