【竜盤】山の魔獣が逃げてくる
馬車猪
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シナリオID:1428
オープニング
シュメルツァ奪還部隊が目にしたのは、崩れる斜面と転がり落ちる木々と岩だった。
「うろたえるな!」
歴戦の老ドワーフが一喝する。
「山崩れはここまで届かん! 行軍止めっ、敵の奇襲を警戒しろ!!」
体は衰えたが将としては磨きがかかっている。
半ば恐慌状態だった兵士達が興奮状態程度に落ち着いて、大規模な山崩れという災害に対応し始めた。
(タイミングが良すぎる。メルトウォールの策か? だが邪竜でもなければこれほどの破壊は……)
老ドワーフは動揺を押さえ込んで考える。
だが考えがまとまるより早く、志願するまでは猟師だったという兵士が飛び込んできた。
「将軍! 斜面から魔獣が!」
肝が据わった男のはずなのに、邪竜でも直視してしまったかのように動揺している。
「魔獣が転がり落ちてきますっ」
「なにぃっ」
我慢も限界だった。
「どこだっ」
「あそこです!」
「目が霞むっ。 歳はとりたくないもんだなっ」
老ドワーフは歯をむき出して獰猛に笑い、兵士に報告させながら次々指示を飛ばす。
「最低限の水食料の他は捨て置けっ、魔獣には槍衾だっ。とにかく並んで槍を伸ばせっ」
興奮しきった猪魔獣が雑に伸ばされた槍の群れと正面衝突。
いくつかの刺し傷を刻まれ驚き狼狽える。
「ようしいいぞっ」
「将軍! 冒険者には」
「待機だっ。敵の精鋭が奇襲をかけてくる可能性がある。儂の予想が外れるのが一番……」
老ドワーフの言葉が不自然に止まる。
「将軍?」
「馬鹿な……お前が何故生きているっ」
ずっと昔に戦ったことのあるゴブリンが、山崩れの起点にいるのが見えた気がした。
●
「老いたな」
緑髪のゴブリンに悪意はなく、ただ残念に思っていた。
数十年前と変わらない強さでしかないドワーフを見下ろし、本当に残念そうな顔で大重量ハンマーを背に担いだ。
自らが引き起こした破壊跡を平然とした顔で横断する。
山の表面はもちろん木の根まで流れた斜面は無残なありさまだが、ゴブーナは強者と強者候補以外のことを気にしない。
「冒険者か……」
口元が緩む。
噂には聞いていたが予想以上だった。
厳重に警戒された都市にたった8人で侵入して多くの弱者を救出するだけでなく、ゴブーナを含むシュメルツァ占領軍中核を打ち倒していったのだ。
「私も錆もとらなくてはな」
冒険者相手に1敗してしまった。
ここ数十年負けっ放しなので1つ負けが増えても気にしないが、目的を果たす前に死ぬのはあまりにもったいない。
体力だけでなく気力も充実した状態で2度3度とハンマーを振ると、歯車がかちりと嵌まった感触があった。
「この調子で強くなってくれよ」
シュメルツァ奪還部隊を守って奮闘する冒険者を見下ろし、ゴブーナは斜面に埋まった岩にメイスを振り下ろした。
●
それは音というより揺れだった。
斜面の上の方に埋まった岩が爆発し、大量の粉塵が煙のように空へと登っていく。
再度発生した山崩れが、最初の山崩れから逃れていた魔獣と害獣を巻きこみ斜面を流れてくる。
「聞こえるか冒険者っ」
冒険者を護衛として雇った将が大声を張り上げる。
「部隊の方は儂がなんとかするっ。お前達は奴をっ」
山崩れの中から、何かがぴょんと飛び出した。
可愛らしい羊の形をした、近くに流れていた木のと比較してみると巨大であることが分かる強力な魔獣だ。
急斜面どころか山崩れすら乗りこなす俊敏性と、馬鹿馬鹿しいほど分厚い装甲の老ドワーフを蹴り飛ばす脚力を兼ね備えた怪物だ。
「おのれ外道っ。今度は何を始めおったぁっ」
半回転して飛び起き巨大羊に突撃する老ドワーフ。
分厚い戦斧を高速で旋回させても、強靱な毛と皮膚と柔軟な筋肉を兼ね備えた巨大羊には有効打にならない。
「奴を殺せぇっ!!」
数十年間人類のために戦って来た彼にとり、彼女は仕留めるのに失敗した最悪の敵であった。
解説
マスターより
リプレイ
「無理はするな! おっさん!」
アルベルト=V=シュタールシュヴェーアトが魔獣とドワーフの間に横から飛び込んだ。
衝撃で老将が吹き飛ばされるが、放置すれば鎧ごと踏み潰されていたのは確実なので被害は誤差だ。
「羊魔獣め! 貴様を、倒す!!」
ただの言葉も使い方次第。
実際に倒せる可能性のある彼が宣言すると、司令部を直撃され士気崩壊寸前だった兵士達も冷静さを取り戻すだけでなく闘志も回復する。
「魔法か?」
もこもこの毛並みから漂う気配に気付くが気付いた上で行動を変えない。
強靱な筋肉と立派な体格から振り下ろす一撃にエーテルを加え、落雷を思わせる斬撃へ昇華し毛と皮膚と肉を切り裂く。
長く深い傷から放電じみた魔力が噴き出した。
キャッスルガードを使うアルベルトに打撃を浴びせる。しかし彼は見事に耐えて反撃を行った。
とっておきは既にないのに羊魔獣の2つめの傷跡は1つめとあまり変わらない。
アルベルトは防御力はもちろん攻撃力まで一流かそれ以上なのだ。
「逃げるか!」
軽快な足音を立てて羊魔獣が逃走する。
大勢の兵士をはねとばすわけにもいかずアルベルトは速度を出せない。
「メイスを振り下ろしただけでここまでの山崩れを起こすとは……本当にただのゴブリンなのでしょうか?」
神々しさすら感じられる白金の剣盾鎧を装備しているのに、フリーダ=ブロムヴィストの語り口は軽快で親しみ易い。
だが兵士には何を言っているのかさっぱり理解できない。
「ゴブーナ……プーナ? 啓示によれば『タイム的に無理に倒す必要は無いです』と出ていますが……ともかく、まずは為すべき事をしましょう」
脅威を感じた羊魔獣が魔力を纏って滅茶苦茶に暴れる。
ドワーフ王国部隊に直撃すれば十数人の死傷者が出てもおかしくない大暴れだが、1人離れていたフリーダに何故か引き寄せられていた。
(相変わらずぎりぎりの戦場に縁がありますね。まあ依頼に応じたのは私の意思ですが)
フリーダの防御力は特出している。
常人なら骨まで焼かれる魔力も彼女の髪に少々まとわりつく程度で、あまりの手応えのなさに羊の瞳に焦りが浮かぶ。
「アルベルト様ほどの威力はありませんが」
白金のパラッシュが白金とは別の色を纏う。
大型魔獣は咄嗟に飛び退こうとするが、フリーダの高速で正確な一撃に毛を切り飛ばされ皮膚に薄くはあるが傷をつけられる。
そこから入り込んだエーテルが、毒として働き内側から巨大羊を痛めつけ続けた。
メェッ! と悲鳴をあげる。
死角から迫り自らの喉に触れたおぼろな『腕』が、気を抜けば呼吸を封じる一撃であると気付いたのだ。
「やっぱり脅しにしかなりませんね」
達人の域を超えた付与術使いなら使いこなせるのかもしれないがシルク・メイプルリーフには少し早かったようだ。
だが少し時間を稼げたので十分だ。
回り込んで兵士を回避したアルベルトがチャージングして羊魔獣の退路を断つ位置に到達。
「いきますよ!]
シルクは害獣に対する視線を向けて羊に警戒させる。
そして白銀の旋棍の動きだけで老将とその部下達に合図を送って用意をさせる。
「これで!」
シルクを中心に発生したエーテル波動は攻撃ではない。
敵には何も与えず奪わず、大量の負傷者を抱えたドワーフ王国部隊を強烈に癒やした。
「うろたえるなっ」
命じる老将自身が動揺してしまうほど、見事な回復力であった。
「おいおい……もしかして山崩れを起こせる敵ってまじか」
ケン・Z・ブラッドリーはエーテル光で刀身を伸ばした刃で以て猪魔獣を蹂躙する。
対羊戦闘に気をとられた部隊を背後から蹂躙するはずだった猪の群れが、殺界改の呪縛から逃れられないまま頭蓋や毛皮ごと重要器官を粉砕され地面に転がる。
「ぜひともやりあいたいものだが……」
だが遠い。
物理的にも時間的にもだ。
ケンは直前の攻防でのダメージを顔には出さず不敵に笑う。
生き残りの一部がケンを遠巻きにして機会をうかがい、その結果ケンへの絶好の攻撃チャンスを失う。
長大な刃から巨大な鉄槌に変わった得物が、今度は一方的なダメージを魔獣達に押しつけた。
「じいさん、知り合いか?」
「あぁ」
老将は、ケンと背中合わせになり安全を確保し指揮もとれるようになる。
矢継ぎ早に指示を出して混乱から完全に回復させ、疲れ果てた息を吐く。
「よくいる、増長した授恵者だ」
「最後まで止まらず止められなかった乱暴者か」
ケンは長大な刃に戻して横に薙ぎ払う。
足先から剣先まで見事に制御された一撃が、兵士には被害を与えず猪達に致命傷を与えその一部の首を綺麗に斬り飛ばす。
「そりゃぁ厄介だ」
山を見上げる瞳に、怯えは一切存在しなかった。
●
何が起こっているか分からない。
心理的にも物理的にも完全に奇襲された兵士達が、いつの間にか攻撃が止んでいることに気付いて呆然とした。
「うわっ」
足下に猪が倒れていることに気付く。
体格が非常に良いので魔獣かもしれない個体に、1本の矢が突き刺さるのではなく半ば以上貫通して矢尻が地面に刺さっている。
しかも2頭。
どちらも同じ種類の矢が刺さっている
どれほど研鑽を積めばこんな絶技が可能になるのか、想像もできなかった。
(早く避難しないと次の崩落に巻きこまれかねないのだが)
セリオス・オーガストは射撃に専念するしかない。
一流どころの前衛並の物理攻撃力を射撃で実現できるセリオスは、1人で半径100メートルの範囲を強力に支援できるのだ。
(始まったか)
山の上から、人間対人間の戦いとは思えない大きな音が響いてくる。
山崩れに巻きこまれこの戦場に放り出された猪魔獣はどれも傷を負っていて、半数以上はセリオスの一撃で仕留めることが可能だ。
矢をつがえて放って1頭仕留めるのに5秒。
滅茶苦茶になった斜面を登るか迂回して山頂を目指すなら何分かかるか分からないので、ここで戦うのが最も勝利に貢献できた。
「部隊戦闘とは難しいものだ」
見事な指揮に見える老将でも、まだ部隊全体を掌握しきれていない。
猪に追い詰められた兵士がいなくなったタイミングで、セリオスは狙い澄ませた一矢を死角から巨大羊に撃ち込んだ。
「走れ走れ! 猪どもの足止めは俺達冒険者に任せな!」
バーネット・フォーサイスは意識して頼り甲斐がある声を作っている。
ハーフリングでしかも若く見える彼は、実力を見抜く力を持たない雑兵に舐められる可能性があるからだ。
(冒険者なら放っておいても問題ないがな)
敵味方の数の濃淡を見極めて、無数の小さな光を地上に出現させる。
直径15メートルの稲妻の池が2つ。
兵士には無害で、敵の移動速度を激減させる罠だ。
「冒険者でなければお前に儂の地位と財産を押しつけ楽隠居をといきたいがなっ」
ドワーフの老将はバーネットに熱い視線を向けたまま、練度の低い兵士を苦労して誘導していた。
「こいつはひでぇ……好き勝手し放題だな」
ドワーフ王国社会の上層に属するカズマ クレセントブラッドは、斜面の破壊がもたらす負の経済効果を理解できてしまい怒りに震える。
「だが何としてでも人的被害は出させねーよ」
エーテルを探知用の波動に整えて、転倒した荷馬車や貨物の陰を走査する。
そしてハンドサイン。
バーネットから蒼白い光の槍が次々飛んで、猪魔獣の中で最も強い個体が重傷を負うと同時に全く移動できなくなる。
移動速度を減らすアーケインテンペストを上回る絶大な効果であった。
「そんなに肉が好きか? よかったな、これから大好きなハムになれるぜ」
バーネットは手柄首の獲得にはこだわらない。
「任せた」
「任せろっ」
バランス感覚に優れ災害発生直後の場所を危なげなく走ることのできるカズマに止めを任せる。
カズマは利き腕のダマスカス鋼の剣で猪の足を斬りつけ、微かに青く染まった黒の刃で喉を狙って不自然な体勢での躱し方を強いる。
そこに再度剣を繰り出して喉を破壊。
放置すれば死ぬと剣越しに感じて次の獲物へ向かう。
(奴を追う余裕はあるか? 兵士の質が予想以上に引くいからな……)
捜波・改による捜索は土で汚れ隠れた魔獣を見つけ出し、有り得たはずの兵士の被害を0にすることに成功した。
「だからオレはゴールディのゴブリンだって!」
服装も肌も爪も清潔だが、見た目が典型的ゴブリンのギャメルが混乱する兵士に巻き込まれている。
「だったら証拠を見せてやる。亜人なら特異個体でもこんなのできねーだろ!」
ギャメルは白い歯を見せて宣言する。
質も量も素晴らしいエーテルがギャメルの声に乗って戦場に広がり、冒険者とは比べものにならないほど低い兵士の能力を2割ほど引き上げる。
「ゴブリンに笑われたくなきゃしっかりしな!」
まあこんな奴等もいるよなと残念に思いつつ、ギャメルは戦場でも通用する支援と治療を行っていた。
「冒険者のっ!」
礼を言おうと駆けてくる老将に、ギャメルは深刻な表情で応えて山崩れの跡を見る。
「コレ、マジでひとりでヤッたんだな?」
「うむっ」
即座にうなずく老将に、ギャメルはぞくりと体を震えるのを感じ慌てて恐怖心を抑え込む。
「オレにはゴブーナの思考はわかんねぇが、占領軍に属してんなら奪還部隊の進路を阻んでくるかもしれねぇ」
「その面で臆病者とは笑わせる。む、マジカルポケット? ならあれを……」
老将は大量の矢尻が封入された箱を示し露骨に安堵した。
「この揺れは」
カズマは奥歯を噛みしめた。
「逃げろー! 山が崩れるぞーっ!」
ギャメルが大声を張り上げる。
小さな体からは想像もできないほど力強い声が、ギャメルを亜人と勘違いしていた兵士も素直に従わせ安全な方向へ逃げさせる。
「ホントにナニ考え……て」
崩れる山の中で、ロード種のゴブリンがギャメルを凝視している。
完全に、狙いをつけられてしまった気がした。
●
数分前。
「ダメだよ! 山崩れなんか起こしちゃ! 好き勝手に暴れられるとシュメルツァがめちゃくちゃになっちゃう!」
「これも仕事でね」
抜け殻のようだった女が笑み崩れている。
無意識に鉄塊を旋回させる。
並の授恵者相手なら不意を打つには十分なタイミングと速度であったのに、回避優先の構えとはいえ特別な工夫もしていないトゥーリにあっさり躱され……歯を見せて笑った。
「いや、すまない。名前を教えてくれないか。ああ違う、私はゴブーナと言って……」
気持ち悪いなぁ、というのがトゥーリの正直な感想である。
非授恵者なら一撃で挽肉不可避の一撃を殺意なしで振り回すのが特に。
「アナタもうちょっと、どうにかした方がいいんじゃないかな!」
トゥーリだって当たれば重体だ。
だがゴブーナを重体に追い込んだ冒険者から話は聞いている。
攻撃の癖を見抜いた上でレゾナンス・オブ・ヴァローと輝足で回避能力を底上げ。
その上で精神を研ぎ澄ませて異様な威力の攻撃を回避する。
そして、威力は特級でも扱いにくさも最悪な鉄塊の弱点である、守りにくい逆手を容赦なくエーテル付きの一撃で攻める。
(あまり効いてない! 技じゃなくて素で防がれてるっ)
「その歳と戦闘経験でよくぞここまで」
一方的に攻撃を浴びて流血しているのに、女は心底楽しんでいた。
「大物ぶるわりに逃げながら戦うか、えぇ?」
「小物だから今まで生きているのさ」
戦いの余波を乗り越え追い付いたハヤト=ガラン=ヴォルファングとゴブーナが言葉を交わす。
「この前は中途半端になっちまったからな……俺はブレイブファング傭兵団の団長、ハヤト=ガラン=ヴォルファングだ」
「ただのゴブーナだ、若き強者よ」
「偉大なる祖のガランの名にかけて、あんたはここで止める!」
移動と攻撃と回避と次の行動への予備動作が一体になっている。
空中移動でトゥーリの反対側に移動することで防御側の難易度は明らかに上昇。
ゴブーナは非常に優れた体力と体術を活かしきれず、打撃と斬撃を次々に浴びて大きなダメージを受ける。
トリプルファングのないトゥーリも、逆側から攻めているのでゴブーナに与えた傷は多い。
反撃の鉄塊は1度もハヤトに届かず、ゴブーナの血だけが流れた。
(こんなものなのか?)
この女を知る老人のゴブリンから話を聞いたときの反応を思い出す。
肥溜めを間違って直視してしまったかのような、しかし明らかな脅威を認識している態度だった。
なのに実際のこの女にはそれほどの脅威を感じない。
「それはね」
青い鬼火を纏うトゥーリとハヤトが声に近い速度で反応する。
一瞬にも満たない時間遅れて寸前まで2人がいた場所を鉄塊が通過ししかも止まらない。
地面からほんの少しだけ顔をだした岩に当たって衝撃で全てを粉砕。
押し止められていた土砂がゴブーナを巻きこんで主戦場とは別方向へ流れていく。
「君達は確実に届く人間だからだよ。私とは違ってね」
口の中に土砂に塗れているのに笑みが消えない。
「テメェもメルトウォールの理想とやらに共感してんのか? そうは思えねぇけどよ!」
ハヤトは舌打ちを堪えて言葉を投げつける。
トゥーリはゴブーナが仕込んでいた罠を躱して山の下の部隊と冒険者に状況を伝える。
生命が有り余っているゴブーナでも危ない崩落に、飛び込む訳にも近づかせる訳にもいかない。
土砂と岩と木に揉まれて酷い傷を負いながら、『利用しているに決まっているだろう』という顔で笑う。
「また会おう」
トゥーリの瞳をゴブーナの瞳が凝視する。
完全に土砂に飲まれてしまいまで、瞬きひとつしなかった。
●
セリオスの矢が刺さった巨大羊が暴れるが、フリーダの鉄壁の守りを突破することができず山にも兵士にも近付けない。
体の芯まで攻勢のエーテルで蝕まれ、逃げる力まで失い倒れ伏した。
「今なら殺せるっ。急げっ」
「落ち着け」
バーネットは今にも土砂に向かい飛び出そうとする老将を押し止める。
「奴はあんたやあんたの部下と引き換えに殺す価値のある獲物か?」
ぐ、と息を呑み込み老将が止まる。
「クレセントブラッド」
「死んでいたら見つからないぞ」
「それなら楽ができていいな」
「違いない!」
カズマは笑っていても目だけは真剣に集中。
泥を被った人影が起き上がった瞬間、その姿を指し示した。
「近づくな矢で仕留めろ!」
バーネットは最後のスネアージャベリンを使う。
光槍が肉を貫き骨を傷つけた手応えはあったが、息の根を止めた感触も移動阻害が効いた感覚もない。
「抵抗と魔法防御を集中して鍛えてるのか。面倒な」
兵士の矢が飛び、ほんの少しずつではあるがゴブーナに命を削っていく。
「深追いはするな。メルトウォールも拠点近くに兵を伏せているはずだ!」
ゴブーナが逃げ、身軽なの冒険者が追う。
「今のうちに仕留めてしまいたいがな」
授恵者のしぶとさを知るバーネットは、無意識に渋い表情になっていた。
マスターコメント
ショートシナリオ難しい 報酬:多い10 / 4〜10人
2021年09月29日 15時54分40秒 公開
参加者
相談掲示板
ヒーラーのギャメルだぜ! よろしくな。 依頼の目的は老ドワーフの生存だな。 大型羊魔獣や負傷した猪魔獣の群れに対処しつつ、負傷者の回復って流れになるのかな。 ゴブーナを倒そうって気はさらさらねぇんだが、完全放置もちょっと怖いかも……って思ってるぜ。 老ドワーフもゴブーナに対処するよう冒険者に声をかけてる。 クールダウンしてそのまま立ち去ってくれんならいいけど、休憩後に山頂付近でもうひと暴れってなったらヤベーかも。
おーっす! ゴブリンのシーフ、ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな! まず優先すべきは老ドワーフ達の護衛ってことで羊魔獣を斃すって感じでだよな? んでゴブーナに対処すんのか輸送部隊を助けんのに猪魔獣を殲滅に回るのかってとこか… とはいえ、ゴブーナは何にもしなきゃすぐに立ち去っちまいそうな気がしなくもねぇが、羊魔獣との戦いぶりで俺達の強さをアピール出来りゃ興味を持って見学し続けそうな気もしなくはねぇな。 今んとこ羊魔獣を優先すっかゴブーナに仕掛けに行くかを考え中だぜ!
ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 最低限やらなければいけない事は、老ドワーフを狙っている羊魔獣と新人部隊を狙ってる猪魔獣の撃破でしょうか。 基本的には前者に人数を多めに割り振り、少数を後者に振る形で良いかと思います。 謎のゴブーナについても何かしら手出しをしておきたい所ですが、 必然的に機動力に優れた味方が行く形になるでしょう。 今の所羊魔獣を優先したいと考えています。
トゥーリだよ! 気が付いたらたくさん揃って、出発が確定してたね。よろしく! >初動 まずは、ゴブーナさんに手を出すかどうか。これを決めた方が良くないかな? 放置するなら全員で羊と猪の相手をすればいいし、そうじゃないなら二人ぐらいは移動力の高い人が足止めに行かないとダメそう。 猪は最低20体はいるってことだし、そこまでこっちの人数に余裕がある訳では無さそうだよね。 >ゴブーナさん うーん、この間も遭ってるから気にはなる所だけど…… 中途半端に手出ししても危なそう ハヤトさんが行くなら、ワタシも行く、ぐらいかな? 立ち回り的にはワタシたちなら相性そこまで悪くないとは思うんだよね
・・・ん、シューターのセリオスだ、よろしく頼む。 個人的にはフルメンツでも手が足りなそうだからゴブーナは無視でもいいと思う。羊と猪対処を優先だろうな。 どうしてもやるというなら移動力5以上を確保できてかつ、二人、ぎりぎりで3人ぐらいまでだろう。 とりあえず猪のほうは新米兵士を襲ってるのを優先して狩ったほうがいいだろうな。保存食食ってるのは後回しで。
ウォーリアのアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 今回俺は、羊に向かってドワーフのおっさんを助けに行く予定だ。 ゴブーナについては余裕が有れば行くって感じかな
キャスターのバーネット・フォーサイスだ。 まぁ、よろしく頼むわ。 >ゴブーナ 既に出ている通り、俺も面子を割いて2,3人くらいが精々だと思う。 戦力的にもだが、そもそも常の能力を維持して移動力5を確保できる面子自体少ないし。 個人的には人数も揃っている事だし、色々確認のために今回人手を割くのは有りだと思ってる。 輸送部隊と老ドワーフの方が落ち着いたら、合流して戦うって手も有るしな。 >個人行動 とりあえず、俺は輸送部隊を襲っている猪への対応を優先しておく。 猪対応に目途が立ったら、ゴブーナの方へ向かうつもりだ。
No.8
シスターシルクです 枠が空いていたので参戦いたします。 老ドワーフの方が何やら情報を握っておられるようなので先ずはそちらを優先ですね。 もし対処が終わった時点でゴブーナさんの足止めが成っているのであればそちらへも駆け付けたいと思います
お、シルクが来てくれて参加者が満員になったな。 よろしく! 山崩れを起こせるヤツが山頂付近にいるってのはヒヤヒヤする状況ではあるが、トゥーリの言うように中途半端な手出しはまずいってのも頷ける。 行くにしても、皆の意見が出てるように移動力5で動ける少人数でって感じだよな。 オレは猪魔獣の群れの対応にいこうと思う。 新兵の守りや回復重視の動きを想定してる。
>担当(宣言ベース、敬称略) ・羊 フリーダ、アルベルト、シルク ・猪 バーネット、ギャメル、セリオス ・ゴブーナ (ハヤト、トゥーリ) >で、ゴブーナさんどうしよう? ゴブーナさんのとっておき以外は、ハヤトさんほとんど当たらない感じだったよね? とっておきに掠ったらミンチって言われてたけど、どうしよっか…… リヴァーオブヴァイタル持たないで補助魔法だけ特化すれば、20ラウンドぐらいはワタシも移動力5と回避320ぐらいにはなるはずなんだよね。この間のシュメルツァ解放戦の時って、ハヤトさんどれぐらい回避出てた……?
遅くなったぜ カズマだよろしくな 羊より20体もいる猪をどうにかするのが先か?羊側にウォーリアが行ってくれるしな なるべく前衛するような動きに行くぜ! ・羊 フリーダ、アルベルト、シルク、カズマ ・猪 バーネット、ギャメル、セリオス ・ゴブーナ (ハヤト、トゥーリ)
>トゥーリ 回答が遅くなっちまってすまねぇ! あん時はベースの回避値が199だから神眼法使って298ってとこじゃねーかな。 んじゃ、せっかくだし俺とトゥーリの2人でゴブーナの相手しに行くか! 追加で土砂崩れ起こされても厄介だしな!
>ハヤトさん ゴブーナさんを抑える感じでプレイング出してきたよ! 移動力も6に揃えたから、全力で走ってもらって大丈夫だからね トリプルファングは武器2本持ってないと使えないから、他のスキルに変えておいた方が良いかも?
猪魔獣を追っ払って早めに部隊が移動できるようにするって感じの動きだ。 回復や支援スキルの他に、メテオライトとストーンブラストも使えるようにしてあるぜ。 戦闘終了後にドワーフ達のケガを確認してから山頂側に加勢しにいくが、老ドワーフのそばにつく冒険者が0人の時だけその場に残る。
>トゥーリ おう、うんじゃよろしく頼むな!! あ、装備はちと色々と試して換えてただけなんで出立にはちゃんと換えてくぜ!