魔女の予言と滅びの村
望月誠司
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シナリオID:1365
オープニング
預言の魔女は夢を見ていた。
彼女の予知夢は絶対の真実。
必ずそれは未来に現実として姿を現す。
「いやぁあああああああああああッ!!」
悲鳴が赤黒い炎と黒煙に包まれた村内に響いている。
道を駆けていた村人達の一人、エプロンドレス姿の幼い少女が石に蹴躓いて転倒した。
胸に抱いていた古ぼけたぬいぐるみが道に放り出されてゆく。
「お、お母さん――!」
少女は駆け去ってゆく背に向かい手を伸ばした。弟の手を引いてる母は彼女を振り返りもせずに駆け遠ざかってゆく。
連続して響く重い音が後ろの方から迫ってきて、少女は恐怖と母に見捨てられた絶望に歪み切った表情で背後を振り向いた。
夜空を透かしたような黒く透明な塊が降ってきた。
それは少女の顔面にあたり、首の関節の可動域を歪めて地面へと押し付け、一息に爆砕した。
傍らに転がっていたぬいぐるみに血飛沫がかかって赤く染まり、幼い少女の頭部をトマトのように押し潰した重く大きな足裏が盛大な地響きを立てる。
巨足の主は一歩を後退すると、頭部を失った少女の胴体を、やはり闇色に透けた腕で掴みあげ、真上の宙へと向かい放り投げた。
鮮血を散らしながら肉体が落ちてゆく先には、ワニの如く大きく広げられた巨大な顎があった。
鋭い牙の並ぶ口が閉じられる。
口は数度開閉され、バリボリと骨肉が磨り潰される音を周囲へと響かせた。
「貴様ァアアアアーーーッ!!」
蹄鉄がリズミカルに地を叩く音と共に怒声が響き渡る。
痩せた老馬に跨り仕立ての良い服に身を包んだ老人が、槍を手に道の彼方から迫り来ていた。
彼はこのリーンエス王国の片隅にある小村レイクウッドを治める騎士にして授恵者サー・タイラー・レイクウッドである。
鰐の頭部を持つ夜空を透かした色の巨人は、レイクウッド卿の方を無造作に見やると顎を大きく開いた。
闇色の奥に仄かな赤光が灯り、僅かな間の後にそれは急速に膨れ上がって、巨大な円柱状の閃光と化し飛び出した。
「ぬぉおおっ?!」
咄嗟に手綱を捌いた老騎士だったが、老いた愛馬は反応が僅かに遅れ、旋回したもののかわしきれず、直線的に迫り来た閃光波に身の半ばを消し飛ばされ赤色を盛大にぶちまける。
死した馬が転倒し、鞍上から放り出された老騎士は槍を手放すと、地をゴロゴロと転がりつつもその勢いで立ち上がり、腰から長剣を抜刀した。
その時には既にレイクウッド卿の眼前に、疾風の如く風を巻いて突撃した鰐頭巨人が迫り来ていた。
右腕の肘から先を巨大な大剣の刃のように鋭い形に変化させ、猛然と振り上げている。
次の刹那、黒い落雷の如くに剣腕が振り下ろされ、防御の為に咄嗟に頭上に翳された長剣ごと老騎士の身を両断して、大地に激突し、爆砕して土砂を吹き上げた。
――かくて、レイクウッド村は、長閑な広場に突如として出現した一体の中型クリーパーにより壊滅し、地図上からその名を消した。
●かくて依頼
「っていうのが預言の魔女さんが見た予知夢なんだってさ~」
リブラネスタの冒険者ギルドの受付にて、黒いゴシックドレスに矮躯ながらも豊満な身を包んでいる金銀妖瞳なエルフ娘が、絹糸のようなプラチナブロンドの前髪を指先でクリンクリンと回しながら、夢の内容を解説した。
まるで彼女本人が予知夢を見てきたのではないかというくらいに、随分と臨場感あふれる語り口であった。
随分とパンクな恰好をしている受付職員だったが、周囲は特に気にしていない様子である。ロスガリアではよくある事。
「曲がりなりにも中型だし、けっこー強いクリーパーみたいだけれど、手の内わかってるならキミ達ならどうとでも料理できるでしょう? 出来るよね? 出来るんじゃないかなっ? アタシはそー信じてるッ!!!!」
冒険者への信頼を胸を張って述べたギルド受付嬢は、手元の書面へと再び視線を落とすと、
「え~と、で、報酬の方だけど、レイクウッド卿は本当にクリーパーが出るのなら一大事だから、これを退治してくれるなら報酬は奮発してくれるってさー」
予知夢ではあっさり殺されてしまったご領主は、割と領民を大切にしているようだった。
「善良な村人さん達が唐突に湧いて出たクリーパーに殺されるのは可哀想だし、この額でレイクウッド村を助けてあげてくれないかな? リリエルちゃんからのお願いっ!!」
エルフ娘はウルウルとした瞳で指を組み、上目遣いに貴方を見つめたのだった。
解説
マスターより
リプレイ
冒険者達は付近の家屋の陰に老騎士と共に身を潜めていた。
うち一人、ハーフリングのエクレアは120cmの小柄な身をカタカタと小刻みに震わせている。
中性的な美貌を持つエルフ――ザザ=ステルヴィナが美しく笑みを浮かべた。
「あらエクレア……寒いの?」
季節はまだ九月に入ったばかりだった。
「さ、寒い訳ないだろ……怖いんだよ……!」
声を潜めつつもじゃもじゃの爆発髪の14歳の少年は叫んだ。
「無理をする事はないよ。ここに居るのは皆、戦いに慣れているからね。頼ってくれて良い」
赤毛の吟遊詩人が言った。キオルティスである。
確かにエクレアの目から見て仲間達は皆、とても強そうだった。
(…………俺がいなくても、解決するんだろうな)
そう思った。
だが、仕事である。
初の。
彼はこれが初陣だった。
覚えられる物だけでも、覚えてきた。
(……俺が新米だからって、何もしなくていい理由にはならねんだ……!)
襤褸の長衣を纏う少年は顔を上げると、長い前髪の陰より鋭い眼光を覗かせ言った。
「い、いや、俺も、仕事は、こなす……!」
救助者家族を助ける。
クリーパーも退治する。
エクレアはそう決めていた。
「そうか……預言、絶対に覆さなきゃね」
「頑張りましょうエクレア。私達で結末を変えるわよ」
キオルティスとザザが微笑して頷き、少年もまた頷いた。
「……その意気や良し!」
嗄れた声が響いた。
依頼者である老騎士、サー・タイラー・レイクウッドである。
しーっと慌てて冒険者達は指を口元に立てる。む、スマン、と老人が謝った。
「あっあの、俺頑張るんで、急いでも焦らないで、気をつけてくださいね」
ペコペコと頭を下げつつエクレアが言うと老騎士は声を潜め頷き。
「応、了解しておる。万事ぬかりないわい」
自称都会派エルフのエルナ・クルプファルツがそんな老騎士へと言う。
「万一の際は村人さんへのカバー、お願いしますね」
「うむ、民を守るは騎士の務めよ。クリーパーの方は頼むぞい」
「ええ、レイクウッド卿、そっちは私達が何とかするわ」
とザザが請け負う。
「しかし……今すぐに避難させてやる訳にはいかないのか?」
そう言ったのは銀髪蒼碧眼の大柄なエルフ戦士、シグルド・オルセンである。
「俺としては村人をあまり怖がらせたくはないんだが……」
「うむ……一度かわしてもクリーパーは消滅する訳ではないからのぅ」
曰く、こちらが防衛体制を解いた後にまたふらっと村に戻って来られる可能性がある。そうなったら大惨事だとのこと。
「クリーパーが他の村に流れた場合もそこの村が心配じゃしな。予知夢で捕捉できたここで確実に仕留めておいた方が安心なんじゃ」
「なるほどな……まぁ仕方ないか」
仲間達の会話を聞きつつアクティオンは思う。
被害を防ぐ観点からいえば予知夢は有り難いと。
(しかし、『見る』当人の気持ちはいかほどか……)
白鱗のリザードマンは予言の魔女の心労を慮った。
まさに悪夢のような光景を見せられるのは、決して彼女の心にとって良いものではあるまい。
(せめて『見たから防げた』と言える成果は持ち帰りましょう)
フードを被った蜥蜴人の男はそう決意を固めるのだった。
●
待つ事しばし、やがて湖面に黒い色が浮かび上がって来た。
「予知夢なんて胡散臭いと思いましたが……馬鹿に出来るものでもありませんね……きましたか」
長い銀髪の少女、イヴェール・イリュジオンが物陰よりその金色の瞳で見つめる中、湖面が槍のように盛り上がった。
爆音と共に水飛沫を散らしながら、夜空を透かした色の巨大な闇が起き上がる。
「で、でででででけぇ……」
エクレアが思わず圧倒される中、
「閃光波!」
ザザが鋭く注意喚起の声をあげ、キオルティスが前方へと飛び出し、アクティオンが即座に弓に矢を番え引き絞る。鰐頭の巨人が大きく口を開いていた。暗黒に赤光が灯る。
(――村人達との距離も考えると、初動が肝!)
アクティオン、クリーパーに対応すべきは『無力な村人』より『厄介な敵』であると認識させ注意を己側へと惹きつけたい。故に出現を視認と同時、最速で矢を撃ち放った。
狙いは鰐頭のその瞳。
風纏う矢が旋転しながら唸りをあげ加速する。
同時、鰐頭巨人の顎の奥、赤光が僅かな時の間に急速に膨れ上がり、巨大な円柱状の閃光と化し飛び出した。
キオルティスが迫る閃光と村人少女との間に立ちはだかる。
さらにイヴェールとレイクウッド卿が爆発的に猛加速する。光が到達する寸前に少年と母親の前に割って入る。
巨大な赤色光波が赤髪の吟遊詩人、盾を翳した銀髪少女、老騎士を呑み込み、その奥の空間までを突き抜けてゆく。
轟音と共に大地が爆砕されて土砂が噴き上がり、唸りをあげ飛翔した矢が鰐頭巨人の瞳に突き刺さる。
矢は錐のように回転しながら骨肉を貫き深々と喰い込んだ。
巨人の頭部が動く。白鱗の蜥蜴人を睨む。顎の奥から赤光が急速に膨れ上がり撃ち放たれる。
アクティオン、咄嗟に身を倒す。横方向に転がる。光が白鱗を掠め抜け大地を爆砕してゆく。
「おおおわぁぁぁぁぁ……」
エクレアが口を開いて震え、同様にキオルティス、イヴェール、老騎士の陰に在って光波動の照射を避けられた村人達が腰を抜かしている。
そんな中、
「おお、まさに災害といった大きさ、威容、破壊力だな! 雇われた甲斐があるというものだ!」
右に一本の角と左に根元から欠けた角、銀黒の左右で色違いの髪を持つ、長身の青年が感嘆の声をあげた。
ゴブリンロードとリザードマンのハーフ、月の光である。
(こんなのが急に出てきた日には絶望だな。それが今日だったんだが)
村人達は老騎士に「逃げるんじゃ!」と退避を促されているが、足腰に力が入らずなかなか動き出せていない。そんな様子もガッコウ的には納得というものだった。
盾を構え身より煙を吹き上げている銀髪の少女イヴェールが、夜空を透かした色の巨人を金色の瞳で睨み、右手に持つ大剣を身をひねりざま一閃した。
衝撃波が唸りをあげて飛び出し巨人に盛大に炸裂する。
「惨劇はなんとしても止めます!」
さらに衝撃波を追いかけるように閃光が飛び、巨人の身に突き刺さって爆裂を巻き起こした。エルナの射撃だ。
回避集中している都会派エルフ娘は、続いて左手に持った手鏡で、チカチカと巨人の瞳へと向かい光を照射した。注意を村人達から逸らしたい。
すると光に反応し巨人の鰐顔がエルナの方を向いた。
再び夜空色の顎の奥に赤光が灯り、急速に膨れ上がってゆく。
「――おっと、お前さんの相手は俺だよ」
蒼碧眼のエルフ戦士シグルドが駆けエーテルを噴出、巨人へと叩きつける。シーザーロアだ。
鰐頭がぐるりと再び動く。
――シグルドは騎士ではなく傭兵である。故に人の守り方は異なる。
だが、それでも誰かが傷付くくらいなら、自分を傷付けてなお立ち向かうのだ。
赤い閃光波がシグルドめがけ轟音と共に撃ち放たれた。
エルフ戦士が咄嗟に盾を翳す。日に焼けた青年の身が赤い光に呑み込まれてゆく。
「……さすがに効くなぁ」
全身から煙を吹き上げつつ、しかしエルフの戦士は飄々とした笑みと共に立っていた。
「これがクリーパーというやつの一撃か。速いし、重い」
しかして自分もまた生き残るのが傭兵流である。
他方、
(やはり連続攻撃は厄介ね。予知夢が本当なら、後は疾風足も使う筈)
ザザは天眼を駆使して敵味方の位置を把握しつつ戦術眼で戦場を観察していた。
後退する村人達を追撃されると厄介そうである。
(何とか移動を阻害しないと)
美貌のエルフが宿り木の杖を翳すと巨人の付近に光球が出現する。それは次の刹那、周囲へと向かい轟音と共に稲妻のような光を無数に発生させ荒れ狂わせた。
激しく明滅して伸びる雷光が、透明な夜空の色の巨人に絡みつき、その動きを鈍らせてゆく。
(あの語り部の君は素晴らしかった)
ガッコウは名を聞きそびれてしまった冒険者ギルド受付嬢の語りを思い出しつつ、荒れ狂う稲妻の中に聳える巨人を睨んだ。
ガッコウはああいう終わり方も嫌いではない。
しかしやはり、皆が幸せになる王道に勝るものはない。
「後の世に語り継がれるような魔物退治をしようか」
半妖鬼の男は呟きつつ腕を巨人へと向かい掲げ、高らかに叫んだ。
「――御竜よ、拙僧に力を授け給え!!」
すると次の刹那、荒れ狂う稲妻領域の中に薄ぼんやりとした光が出現した。腕の形状を象ってゆく。
それは浮遊し、滑らかに巨人の首元へと纏わりつくと、物理的、霊的、双方の力を用いて強烈に締め上げた。神霊の腕だ。
「ひぇ……」
エクレアは眼前で展開しているド派手な光景に息を呑みつつも、震える手で長杖を翳す。
「い、いけ……っ!」
呪いの神髄を引き出して力を強化し、歯を喰いしばって杖先より氷の矢を噴出する。
蒼い煌きが勢い良く飛んだ。唸りをあげ迫るフリーズボルトが巨人の右脚へと命中、炸裂して冷気と共にまとわりついてゆく。巨人の足が急速に変色してゆく。
――ぼんやりとした白い巨大な光が巨人の首を締めあげている。巨人が首元に両手をやり藻掻いている。
「キミの弱い部分、見せてご覧よ」
キオルティスは稲妻を割り湖水を叩いて前進しつつ巨人を観察し肉薄する。
やはり構造上、肉が薄い部分が弱かろうか。
滑るように背後へと回り込む。
水面ぎりぎり、冷気によって白く変色している右足首のアキレス腱めがけ、赤髪の詩人は細剣を鋭く突き込んだ。不可視のエーテルが流し込まれ巨人の足首を急速に蝕んでゆく。
アクティオン、弓に矢を番えエーテル力場を収束させつつ目一杯に引き絞る。足先――はちょっと湖水に浸っていて狙いにくいので膝を狙う。弓弦の音を響かせながらはっしと放つ。矢は唸りをあげて飛び、白く変色している膝頭に骨肉を抉りながら突き立った。重力波が急速に展開されてゆく。
「今のうちじゃ!」
老騎士が村人の母子らを促し駆け出させてゆく。
長い銀髪を靡かせつつイヴェールが水飛沫をあげて駆け、金色のツインテールを靡かせつつエルナもまた水面を割りつつ駆ける。
二人は巨人の後背へと回り込み、それぞれ盾と杖を構えた。
「『爆裂エルナ砲』いきますよー!!」
杖を大きく振りかぶった都会派エルフ娘は、巨人の膝裏めがけたフルスイングと共に閃光を撃ち放った。同時、反転突撃してきたエーテル光を纏った銀髪少女が重ねるように巨人の膝裏へと盾撃を叩き込む。
光が爆裂し轟音荒れ狂い巻き起こる衝撃。巨人の膝が折れた。巨体が傾いでゆく。湖水を盛大に撥ね上げながら巨人が片膝をつく。
ガッコウは薄ぼんやりとした光腕をさらに召喚して巨人に纏わりつかせ、シグルドは槍にエーテルを纏わせながら踏み込み一閃、唸りをあげて走った穂先が巨人の左膝に炸裂する。
ザザとエクレアは杖を翳し装甲を脆くするエーテルを浴びせかけてゆく。
巨人は荒れ狂う雷光の中、喉元を締め付けるぼんやりとした光を掴んだままもがいている。
「これは勝負あったかな? 油断はしないけどね」
キオルティスは行動不能状態の巨人に対し、跳躍して軽やかにその身体を駆け登り、頂きに達すると細剣を手の中で回転させた。切っ先を下方へと向け、鰐顎目がけ思い様に振り下ろす。細剣は夜空を透かした色の骨肉を貫通し上下を縫い留めた。吟遊詩人はさらに左手に握る暗針を頭頂へと突き立ててゆく。
エルナはフルスイングゼロ距離魔弾アタック『爆裂エルナ砲』を継続してフルスイング、閃光を爆裂させている。これこそが孤高の零距離殺撃者――何かが普通の零距離シューターと違う気がするが強い。また金髪碧眼のエルフ娘は超聴覚で村人達の足音がかなり遠ざかったのを聞いていた。この態勢ならばもう安全だろう。
イヴェールは剣を振るって巨人の片膝を切断にかかり、
「これがさっき授かった力よ!」
ガッコウは鋼の斧を振り上げると説法力を増した万能言語をイヴェールの剣と挟み込むように膝頭へと叩き込んだ。
轟音が響き渡り、二つの刃が深々と喰い込み、巨人の膝が砕かれ切断されてゆく。
アクティオンが真ハーツベインショットを撃ち込み、シグルドが槍を叩き込み、ザザが攻撃に集中すると共に閃く爆光を発動させタイダルストリーム――はちょっと味方を巻き込みそうなので魔弾を飛ばす。巨人の胸に光球が吸い込まれ凶悪な爆裂が巻き起こってゆく。
エクレアもまた長杖を翳して光の矢を鋭く放ち、巨人の腹のど真ん中を射抜いている。
巨人が喉元の光を引き千切った。
閃光を放つべく顎を開けようとするが、キオルティスの細剣に貫かれていて開けられない。
巨人は両腕を刃状に変化させると周囲の冒険者達を薙ぎ払うように滅茶苦茶に振り回した。
巨人を囲んでいる冒険者達は飛び退いてかわし、巨人は頭上のキオルティス目がけて腕を振るう。
「おっと!」
赤髪の詩人はステップして飛び退き、空中で一回転しながら着水する。
巨人が振るった刃が自身の頭に激突、片足を無くしている巨人は自らが巻き起こした衝撃に耐えきれず、横倒しに倒れた。
「蓋を開けてみればなかなか一方的だったなぁ」
「仲間達と御竜の力は偉大なものよ」
シグルドが感慨と共に槍を構え、ガッコウが祈りと共に戦斧を振り上げる。キオルティスが針を、イヴェールが剣を、エルナが杖を、アクティオンが矢をザザとエクレアが光を、一斉に撃ち込んだ。
既に満身創痍であった鰐頭巨人はこの一斉攻撃に耐えきれず、ついに絶命して消滅した。
「お、終わった……?」
エクレアはへなへなと座り込み、
「ええ、私達の完全勝利よ」
ザザが笑って言ったのだった。
●
戦後、一行は老騎士と村人親子から感謝の言葉を述べられ、屋敷で歓待を受けた。
その最中、ザザは湖水を調べてみたが、特に異常は発見できなかった。
翌日、襤褸を纏った少年は、村人達がまた村へと戻ってきて平穏な暮らしを再開したのを見て、
「……す、少しでも……役にたてたか……な……」
ほんの少し満足そうに笑うと踵を返し、その村を後にしたのだった。
村を後にした後、旅をしてリブラネスタへと戻って来たイヴェールは、冒険者ギルドへと顔を出した。
「あっ、イヴェールさんお帰り~! 無事村を救ってくれたって報せが来てたよ! 流石だね! 有難う~!」
笑顔のリリエルからそんな言葉を受けた。
銀髪娘は、
「予言の魔女……彼女の予知夢って望んだものが見れるのですか? それとも無作為に?」
望んだものが見れるなら大事だと思いつつ尋ねると、
「んーと、自分の意志で見るんじゃなくって啓示のように与えられるって言ってたよ。だから――」
望んだものは見られないんじゃないかな? とエルフ娘は答えたのだった。
マスターコメント
ショートシナリオ易しい 報酬:多い8 / 4〜8人
2021年09月05日 09時36分57秒 公開
相談掲示板
シューターのアクティオンです、よろしく。 予知夢との状況の差異を大きくしない為とはいえ、ある程度近くに村人がいる状況での戦闘開始、ですか。 とりあえず、初動はクリーパーの気を引くか動きを止めるかに集中したいところではありますね……
ウォーリア、シグルド・オルセンだ。よろしく頼む。 俺はクリーパーをシザーロアで引き付けようかね。
No.3
え、エクレア。あっ キャスターのエクレア、だ! せ、せせせ戦闘は初めてだから迷惑かけちまうかもしれねぇけど、目一杯頑張って足引っ張らねぇようにする!!! 3人も近くに人が残ってんのか・・・! 避難誘導自体はレイクウッド卿に任せる感じで大丈夫か? ビームもあるから、撃たれちまわないように気をつけねえと・・・。 予知夢みたいに転んじまうかもしれないから、焦らず急いでもらえるようにクリーパーは足止めしておきたいよな、(頷きながら)
ウォーリアのイヴェール・イリュジオンです。 どうぞよろしくお願い致します(ぺこり) レイクウッド卿に3人の避難誘導を任せられるならお願いしても良いと思います。 万が一もあり得ますし、そのまま離脱して貰うのが安全でしょうか? 先に挙げられています通り、初動は最低でも気を引いて閃光波の標的にならないようにしたいですね。 シーザーロア使われる方がいるなら私は攻撃に集中しましょうか…
エルヴンシューターのエルナです!皆様よろしくお願いしますね! 避難誘導はレイクウッド卿にお願いする形で私もいいかなと思います! シーザーロアありがとうございます!敵は三回行動かつ疾風足とかなり移動が速そうなので、引き付け大事ですね! 私も杖と殺撃者で接近戦を挑もうかなと思います!
>避難誘導はレイクウッド卿に 村人視点でも、突然現れた冒険者よりはそちらの方が信頼してついていける相手でしょうし、異論はありません。 >戦闘 注意を引き付けてもらえるのは助かります。 ふむ、ならばこちらは足を潰しにかかりますか。
避難誘導はレイクウッド卿に任せるで問題ないよ。 ではきちんと釣らねばな。 あとはちと防御性能は落ちるがカバリングも持っていこうかね。
お、今日は重力が安定しているようだな。ガッコウだ、ヒーラーをしている。 複数回行動に疾風脚持ちとなるとかなり素早い印象があるな。 光縛封で動きを止めると閃光波を誘発して逆に被害を広げてしまうだろうか。 剣腕は長剣をかち割るほどなのであまり受け止めたくないな。
相談への参加が遅くなってしまってゴメンなさい。 キャスターのザザ=ステルヴィナよ。今回は宜しくね。 避難誘導はレイクウッド卿にお願いする方向で異論はないわ。 >対鰐頭巨人 1R目にアーケインテンペスト改を召喚して移動力を削ぐつもりよ。 攻撃自体は閃く爆光を併用した単体魔法とBS付与を予定しているわ。
遅くなって申し訳ない! シーフのキオルティス。キオでもルティスでもお気軽に。今回は宜しくね。 避難誘導はレイクウッド卿に任せる…OK、分かったよ。 因みにコレはタイミング的にシグルドさんがシーザーロアした後、だよね? 避難をより確実にするなら村人たちと卿の間に入る人物が居ても良いかもしれない。 敵に対しては、同じく疾風足持ちの身として何とか食らい付く位はしたいけど 複数回行動かー…厄介だね。誰でも回復は出来るようにしといても良いかもね。 あとは個人的に部位狙いは賛成。特に足は潰しておいた方が疾風足封じにも 効果覿面だろうし。その代わり閃光波の確率が上がるかも、だけど。
No.11
避難誘導は任せる!了解した! 足止めに回復・・・お、覚えてるスキルがそんなにないからすぐ落ちるかもしれないけど、移動阻害をかけられるものは一応取得してきたから、頑張って攻撃し続ける!
足止めするなら殺界を使う手もありますが、強行突破されそうなのですよね… 足を潰すのは私もありだと思います。 閃光波連射の可能性はありますが、遠距離で撃ち合う訳ではないですし、予言の内容のような初手に閃光波からの疾風足で間合いを詰め、剣腕で追撃の連撃を貰う事が無くなるのは助かるのではと。 あれがそのまま決まると確定で一人落とされかねませんし。
俺が引き付けはするが、一つ懸念点がある。 皆が言うように敵は動きが速いのだろう。もしかしたら行動順もかなり速いかもしれない。俺に順が回って来るまでに敵が攻撃可能だった場合、村人に攻撃されると目も当てられん。 なので俺より先に動けるやつは、俺がシザーロアをするまでに行動できるなら攻撃して注意をこちらに向けた方が良いかもしれない。俺の近くであれば、攻撃者に攻撃をされてもカバリングでこちらがダメージを引き受けることも可能だ。
>注意を引く とりあえず射程もあるので、まずは「無抵抗の相手」より「放っておけない相手」を狙うように攻撃してみるつもりではいます。 強敵に狙われ続けて耐えられるかはかなり怪しいので、注意を引くのは初手ぐらいになるでしょうが。 >足を潰す では、物理的に足を狙うのと、後はグラヴィティボルトですかね。 撹乱射撃なども混ぜて、相手が気持ちよく攻撃し続ける状況は作らない、という感じで。
>注意を引く 初手、射程内なら攻撃して注意を引く、射程外なら攻撃はせずに村人さんとクリーパーさんの間に位置取って射線・視線を切る ような感じでプレイングを書いてみました! >足を潰す 良いかなと思います! 私自身は避難完了まではそちらのカバーをメインに動く関係で狙ったりは難しそうなので、他の人にお任せする形になりそうです! >レイクウッド卿 一応、私の方で避難誘導お願いするように書いてみました! 問題なければこのままプレイングに載せますので、直した方が良いところ等ありましたら教えて頂けると嬉しいです! ↓ここから ○NPC 村人さん達の避難はレイクウッド卿にお願いしましょう!万一のために村人さんへのカバーリングの使用もお願いしますね!