【呪輪】ヒトの顔を持った木の魔獣
ゆうきつかさ
コメント 12
シナリオID:1325
オープニング
周囲の木が枯れ始めたのは、見たこともない樹の魔獣が確認された頃からだった。
樹の魔獣は幹に人の顔のようなモノが浮かんでおり、まわりに生えている木々の栄養を吸って成長し、数を増やしているようだ。
しかも樹の魔獣は、根っこのような足をウネウネさせ、高速で移動をする事も可能なため、辺りの木々が枯れて土に栄養が無くなると、大移動を開始するらしい。
その事に危機感を覚えたエルフ達が、一斉に樹の魔獣達に攻撃を仕掛けたものの、返り討ちに遭ってしまい、大怪我をしてしまったようである。
「現在、樹の魔獣は繁殖期にあるからなのか何なのか、その場から動く事はありません。また集団で行動しているらしく、幼体を守るようにして、樹の魔獣がまわりを囲んでいるようです」
依頼主であるエルフの青年が、樹の魔獣について語り始めた。
樹の魔獣が現れた事によって、まわりの木々は枯れ果て、酷い有り様になっており、その場で命を落としたエルフ達も、養分になっているようだ。
「このまま放っておくと、取り返しのつかない事態を招く事になるでしょう。そうなる前に、貴方達の手で、どうか森を救ってください」
そう言ってエルフの青年が、深々と頭を下げるのだった。
解説
マスターより
リプレイ
「まさか、こんなところまで、樹の魔獣が来ていたとはな」
アルベルト=V=シュタールシュヴェーアトは仲間達と共に、フィルエス大森林の奥地までやってきた。
その場所は、ヒトの顔を持った樹の魔獣達によって、周囲の木々の栄養が吸い取られ、木々の墓場のようになっていた。
「でも、ここで終わり。これ以上、好きにはさせない」
すぐさま、コハクが捜波・改で探知用のエーテルの波動を走らせ、樹の魔獣の配置を確認した。
樹の魔獣は、成体が幼体を守るようにして陣取っており、根っこから木々の栄養を吸い取っている最中のようだ。
そのため、コハクは戦術眼を駆使して、隊列を組んだ後、物陰に隠れながら、仲間達と共に樹の魔獣に近づいていった。
「これが大森林の彼方此方で起きてる現象……かも知れないんだね」
その後を追いながら、エルシー・サリバンが捜波とホークアイを駆使しながら、ペットの栗鼠を偵察させた。
そうしている間も、樹の魔獣が地面に張り巡らせた根っこを通じて、木々の栄養を吸い取っているらしく、ドクドクと脈打つように蠢いていた。
その速度は、ゆっくりではあるものの、このまま放っておけば、まわりの木々が枯れ果てるのも、時間の問題であった。
「ただ木々の養分を吸っているくらいで数が脅威というくらいなら、我々で十分対処出来よう。如何な事情であれ、その場から動かないなら好都合。それに、やる事はいたってシンプル。これ以上、被害を拡大させないためにも、ここで倒すとしよう」
その間、ナタリア・フィッツジェラルドはコハクをサポートするようにしながら、戦術眼と天眼を駆使して、攻撃を仕掛けるタイミングを窺った。
いまのところ、樹の魔獣は木々から栄養を吸い取るのに夢中で、周囲を警戒していないようだった。
「ただ、ひとつ気になるのは、元は人間でしたってオチはないよな? すべてが終わった後に種明かしをされても困るんだが……。まあ、こればかりは、どうにもならんか」
ブレイドが複雑な気持ちになりつつ、天眼を使って周囲の様子を確認した。
幸い、樹の魔獣に動きはない。
樹の魔獣が一体、ナニモノなのか、よく分かっていないものの、人間が変化したモノではないはずだ。
それを証明する手段がないため、ハッキリと断言する事は出来ないものの、現時点でそう言った情報は届いていなかった。
「そもそも、樹の魔獣が何のために、こんな事をしているのかも分からないしね」
コハクが仲間達の情報を纏めつつ、作戦を練り始めた。
どうやら、樹の魔獣は幼体を守っているようなので、それを逆手に取れば、戦闘を有利に進める事が出来そうだ。
「と、とりあえず、わらわは援護にまわるのじゃ。決してわらわが痛い思いをしたくないからではないぞ? わらわよりも手練れが多いからの。これは立派な戦術、というものである!」
そんな中、夕霧が『いのち、大事に』を選択した。
別に、樹の魔獣が怖いという訳では無いのだが、朝から死亡フラグが見えているような気がするため、少し警戒しているようである。
もちろん、それは単なる気のせいではあるのだが、黒猫が横切ったり、紐が切れたりしているため、だんだん不安になって来たようだ。
「それにしても成体は、なかなかいい面構えをしている。……自分も負けてはおれんな。それじゃ、挨拶代わりに行っておくか」
次の瞬間、ブレイドが表情を引き締め、自分自身に気合を入れ、疾風足で瞬間的に加速した。
「ピキィィィィ」
それを迎え撃つようにして、樹の魔獣達が一斉に奇妙な鳴き声を響かせた。
「樹の魔獣め! 貴様らを殲滅して森を護るぜ!!」
それに合わせて、アルベルトが紫電一閃を仕掛け、研ぎ澄まされた鋭い一撃で、樹の魔獣を斬りつけた。
「ピギィィィィィィィィィィィィィ!」
その事に腹を立てた樹の魔獣が地面から根っこを引き剥がし、ワラワラとアルベルト達に襲いかかってきた。
「随分と自信があるようだな。だったら、歓迎してやらないとな」
即座に、ブレイドが闘気槌2で巨大な光塊をダマスカス鋼の剣Reに纏わせ、力任せに振り下ろした。
「ピギャアアアアアアアアアアアアア!」
その一撃を食らった樹の魔獣達が次々と鳴き声を上げ、狂ったようにカッター状の葉っぱを飛ばしてきた。
「……多少はやるようだな」
すぐさま、ナタリアがヒールを発動させ、負傷を癒す強い光で、自らの傷を治療した。
「……と言うか、こっちまで葉っぱが飛んできているようなんだが……」
そんな中、夕霧がヒヤッとしつつ、後方から様子を窺った。
樹の魔獣は動くモノに対して敏感らしく、より近くのモノを優先して、攻撃しているようだ。
逆に、近くにあっても、あまり動かなかった場合は、より動くモノを優先しているようだった。
だが、樹の魔獣の死角に回り込むようにして移動したコハクの存在には、まったく気づいていなかった。
「だが……。それでは、自分に届かない!」
その間も、ブレイドがアクセラレイターで残像を作り出し、樹の魔獣が放った葉っぱを避けて注意を引いた。
それに合わせて、アルベルトがダマスカス鋼の大太刀Reを振り下ろし、樹の魔獣の枝を斬り落とした。
(何だか可哀想な気もするけど、命を落としたエルフが居る時点で容赦は出来ないんだ。だから……ごめんね)
そんな中、エルシーが鋭射2でエーテルをダマスカス鋼の矢に収束させ、樹の魔獣達の隙間を狙うようにして、幼体を射抜いた。
「ピギャ!」
それは一瞬の出来事であったが、樹の魔獣達に絶望を与えるのに、十分な一撃であった。
「ピ、ピ、ピィィィィィィィィ!」
即座に、樹の魔獣達が幼体に集まってきたものの、既に力尽きて動かない。
「ピギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
その怒りと絶望が鳴き声となって、辺りに響き渡った。
「鳴いている暇なんてないよ」
それと同時に、コハクが疾風足で加速し、衝撃刃3で不可視の衝撃を飛ばし、別の幼体の息の根を止めた。
それに合わせて、ナタリアがメテオライト2を発動させ、大量の小さな光弾を樹の魔獣めがけて降り注がせた。
「ピィィィィィィィィィィィィィィィ!」
それでも、樹の魔獣は怯む事なく、樹の魔獣が鬼のような形相を浮かべて、ナタリア達に襲い掛かってきた。
「……行かせないよ」
即座にコハクが両手に持った黒刀で、樹の魔獣を斬りつけた。
「悪いが、ここから先は、通行止めだ!」
続いて、アルベルトが鋭撃2を繰り出し、樹の魔獣の息の根を止めた。
(いまなら、幼体を狙う事が出来るな……)
その間に、ナタリアが一気に間合いを詰め、ダマスカス鋼の祭刀Reで幼体に斬りかかった。
「ピキュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
その途端、幼体がパニックに陥った様子で鳴き声を響かせ、まわりにいた樹の魔獣に助けを求めた。
その鳴き声に驚いた樹の魔獣達が、一斉に後ろを向き、幼体を助けに行こうとした。
「この状況で、私に背中を向けるなんて、随分と余裕だね」
すぐさま、エルシーが重撃射でダマスカス鋼の矢の先端にエーテルを収束させ、樹の魔獣めがけて解き放った。
それと同時に、炸裂したエーテルが樹の魔獣に纏わりつき、少しずつ動きを鈍らせた。
「……そこじゃ!」
それに合わせて、夕霧が樹の魔獣の懐に潜り込み、死齎刃でダマスカス鋼の細剣に不可視のエーテルを纏わせ、容赦なく斬りつけた。
「ピキャア!」
その途端、樹の魔獣が悲鳴にも似た鳴き声を響かせ、身体が蝕まれていく痛みに耐え切れず、狂ったように枝を振り回した。
「そんな事をしても無駄だ!」
その前に陣取りながら、アルベルトが闘気槌3を仕掛け、樹の魔獣達を叩き潰した。
それに合わせて、ナタリアがメテオライト3を発動させ、小さな光弾を降らせて、樹の魔獣達の身体に風穴を開けた。
「射るから避けてー!」
そんな中、エルシーが仲間達に対して警告しつつ、貫通衝撃射3でダマスカス鋼の矢に籠め、鋭く射撃して幼体を射抜いた。
「ピ、ピ、ピィィィィィィィィィィィィ!」
そのため、樹の魔獣達が悲鳴にも似た鳴き声を響かせ、オロオロあたふたし始めた。
この様子では、守るべきモノを失ってしまったせいで、どうしていいのか分からなくなっているのだろう。
「このまま一気に攻め込むぞ!」
その隙をつくようにして、ナタリアがダマスカス鋼の祭刀Reを構えて、レゾナンス・オブ・ヴァローを発動させ、樹の魔獣達に斬りかかった。
「ピギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
それと同時に、鬼のような形相を浮かべた樹の魔獣が飛び出し、捨て身の覚悟で突っ込んできた。
「随分と、しぶとい奴がいるようじゃな。だが、この一撃は耐えられぬじゃろう」
夕霧が素早い身のこなしで間合いを詰め、破鎧砕2で肉体を蝕むエーテルをダマスカス鋼の細剣に纏わせ、樹の魔獣を斬りつけた。
「ピキィィィィィィ!」
その途端、夕霧によって斬りつけられた部分が、みるみるうちに蝕まれ、樹の魔獣の悲鳴にも似た鳴き声が辺りに響かせた。
「ちょっと、うるさいよ」
次の瞬間、コハクが衝撃刃3で不可視の衝撃を飛ばし、樹の魔獣の身体を貫いた。
「ピ、ピ、キ、キャ……グゲゲ……!」
その一撃を食らった樹の魔獣は、自分の身に何が起こったのか分からぬまま、崩れ落ちるようにして息絶えた。
「……終わったな」
アルベルトがホッとした様子で、深い溜息を漏らした。
その間に、エルシーが樹の魔獣だったモノを切り分け、ロープで種別に分け、バックパックに詰め込んだ。
「オーダーはシンプルだし、このくらいだろうか。だが、命を落としたエルフ達を野ざらしにするのも気の毒だ。遺体を回収しておくか」
そう言ってブレイドがエルフ達の遺体を探して、森の奥に入っていった。
「それじゃ、私は樹の魔獣と周囲の枯れた木々を全部燃やしておくね。後で何かあったら困るから……」
そして、エルシーは二度とこんな事が起こらないように願いを籠めつつ、樹の魔獣だったモノに火をつけるのであった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:多い6 / 4〜8人
2021年09月02日 00時49分50秒 公開
相談掲示板
シューターのエルシーだよ、ヨロシクね! 魔獣が動かない前提だけど、もしもは用心して根元の攻撃から開始 最終的に遺体はまとめて焼いてしまおうと思ってるの。 そして…内容としては、とてもサッパリしていて…する事が無いんだよ…(350文字位で済みそう) なので、遺体の一部や土を回収してサンプルに持ち帰るとか この群体の周囲も調査したり、何かしら+αをしようと思うのだけど、どうかな? 成立を祈りつつ、ご意見お待ちするよ!
ウォーリアのアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 今回の依頼は、とにかく樹の魔獣を斬りまくることだ。 ひたすらに攻撃しまくるぜ!
>樹の魔獣を斬りまくることだ うん、そうなんだよ……。 私の戦いのバリエーションが少ないのがダメなのだと思うのと 動きに発展性を持たせられないのが問題なんだよね…(600字埋めたいと思わなければ) 調査と燃やすのは加えるけど、倒しまくる方で頑張るね。
シーフコハクよ、皆よろしく。 エルシーも言っているけれど…まぁ今回の依頼自体が結構さっぱりしてるものね。 敵自体もシンプルだし+aで何かやるのは問題ないと思うわ。 私も何か考えておく。 取り敢えず現状だと前衛3人の中衛1人だから…大分攻撃的PTにはなりそうね。 現状だと幼体を成体が守っているという情報が貰えているから…そうね。 先に幼体を遠距離攻撃出来る面子で潰して、ヘイトを買ったその人物を願わくばアルベルトが間に入って防御、そこから範囲攻撃で袋叩きなんてのが思いついたけれど。
シーフのブレイドだ、よろしく頼む。 いや本当にこれは…やることがシンプルだな。 先に幼体を遠距離、残りを範囲攻撃という流れでひとまず了解した。 個人でなにかする部分は思いつかんなあ…出発前に閃いたらプレイングに追加するくらいか。
優しいね、ありがとう。 流れがどうなるかは別に、私も幼体から先に攻撃するよ。 後は感情を載せて……うん、何となく埋まりそうだよ。
2人共ありがとう。 一応は作戦として私が纏めておくから皆は【作戦】をタグを作ってくれれば共有できるようにしておくわ。 一応簡易にはなるけれど指示役も私が。 折角の戦術眼Lv4だもの、活かさない手はないから。 それとやれる事を最初に決めておくのであれば私が仮に指示役として行動して良いのならだけれど中距離としてエルシーの初撃(幼体狙い)を衝撃刃で援護するわ、確実に仕留めたいし。 その後はフェザーステップで一時離脱。 指示を飛ばしつつ隠蔽を使った奇襲を仕掛けようかしらね
ヒーラーのナタリア・フィッツジェラルドだ。宜しく。 締め切りまで時間がないようだが、数の暴力の前にはヒーラーが入用かもしれんと思って参加してみた。 範囲攻撃に関しては、本職ほどでは無いが魔法攻撃主体のドクトリンだから何とかなるかもしれん。 それに私も戦術眼はLv4……あわよくばコハクのサポート役にでもなれるものさ。
私は大丈夫、タグを作ってくれるなら是非にお願いするね。 大いに動かさせて貰うよ。 発言前にリロードしたらお1人増えてるね!ヨロシクだよ!
来てくれてありがとう、ナタリア。 よろしく頼むわ。 同Lv帯の戦術眼であればそうね…いえ、でもここまで話はしているんだし変わらず私が指揮役は行いましょう。 サポートという形をどう活かせるか少し考えてみるわ。 エルシーもありがとう。 全体的な行動は私が埋めておくから好きに暴れてちょうだい。
相談進行ありがとう、ナタリアさんもよろしく頼む。 指揮をとってもらえるのはありがたい、合わせて動く形にさせていただこう。
シーフの夕霧、直前となるが参加させてもらうのである。 既に指揮を執ってくれる者がいるという話であるから、それに合わせてBSをばら撒くとするのじゃ。