ハッシリ村の婚礼の儀!
椿油
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シナリオID:1215
オープニング
ソフィネは、彼氏であるミルキーに問う。
「ねぇミル君、いずれ私たち結婚する……よね?」
突然言われたのでミルキーは、熱い頭がさらに沸騰した。
「え!? ああうん、勿論結婚するよ!!」
ソフィネは少しため息をついた。
「……あ、別に結婚したくないって意味じゃないの。ないんだけれど……」
「どうしたソフィネ? 何か問題があるのか?」
「この村……っていうか、お父さんの家に代々伝わる、婚礼の儀っていう儀式があって」
「婚礼の儀?」
「ミル君がお父さんの息子になる以上、婚礼の儀が必要なのかってこの前お父さんに聞いたのだけれど……必要みたいで」
ミルキーはドンと胸を叩いた。
「それくらいで心配してたのか? 大丈夫、楽勝だよそんなの!」
ソフィネはより大きなため息をついた。
「婚礼の儀ってね、夫になる人がシラー砂漠で『ハートの結晶』っていう鉱石を採って来るんだけど……」
「出来るってそれくらい」
「今そこにサボテン型魔獣が棲みついちゃってるの」
「え」
ソフィネがミルキーの手を握って涙の粒を流した。
「婚礼の儀の為にミル君を死なせたくないのっ!!」
「そういう事か……じゃあ、護衛頼めばいいじゃん」
「わざわざ私達の婚礼の為に護衛してくれる人っているかなぁ……」
「考えすぎだってソフィネ、大丈夫。絶対生きて帰るから、そしたら結婚しような。そんでもって二代目村長に俺、なるから!」
「ミル君……!」
というやり取りがあったのち、ソフィネが代表して冒険者ギルドに行く事になったのだった。
「どうか、私たちの婚礼の儀を完了させられるように……ミル君の護衛を、お願いします!」
深々と頭を下げる、ソフィネであった。
解説
マスターより
リプレイ
「ソフィネさんもう結婚するのー? 早いね〜」
月はソフィネが結婚の準備を進めているという事を知り、嬉しそうだった。
「結晶はどういう場所にあるのかな?」
「シラー砂漠にある小高い砂丘の岩場にあるそうなんだ」
月の質問には、軽く武装をしたミルキーが答える。
「お二人と村の未来の為にも、頑張っていきましょうっ!」
フロマーシュ・ダイヤドロップは気合を入れて今回の儀式の護衛に取り組むようだ。
「婚礼の儀か……私の一族ではそういう催し物は無かったから、なんだか新鮮な響きだ」
ライナ・フレイヴァルツは、想いを形にしたような物であるハート型の鉱石を手に入れるとは素敵な儀式だ、と思いつつしっかりと護衛の為に準備をしてきた。
「ミルキーの兄さん、よろしくッス」
鎧に身を包んだスフェーンは、護衛に全力を注ぐらしく採取道具の類は用意してこなかった。
「サボテン型をやっつければいいですね! ミルキーさんには近づかせないです!」
クラリス=ミシェは、幸せの道を進む二人の邪魔をする、サボテン魔獣を退治する事に燃えていた。
「それじゃあよろしく頼むよ、護衛の皆さん」
一行は、シラー砂漠の方へと進み始めたのだった。
●道中
「ほれ、ミルキーの兄さん。水はあるっぽいから干し肉でも噛んでよッス」
スフェーンがミルキーに干し肉を差し出す。いくら軽装備の方が楽とは言え、水だけでは心もとない。
「ハハ、そうだな食料も必要だったよ。ありがとう」
干し肉に齧りつき、水を飲むミルキー。口の中でクチャクチャと噛みながら、村長に描いてもらった地図を取り出して行き先を確認している。
「これが無事終われば次期村長だなんて凄いッス」
「とは言っても、今の村長から俺に交代するまでだいぶあるけど……未来は安泰だよ!」
「それは何よりッスね!」
地図の目印まではまだもう少しかかりそうだ。
「皆、水分補給は平気か?」
《温度耐性》を持っているライナは、必要な者に《生活魔法》で水を作ろうとしている。
「少し喉が渇いて来たのです」
ミシェはライナが作り出した水で、喉を潤した。
「小高い砂丘と言っても、高低差が分かりにくいですね」
砂漠の視界は熱気で揺れているし、丘はいくつも連なっている。フロマーシュは手で日陰を作りながら先を見渡した。
「そうだね~、せめてサボテンが見えれば……あれ、何かあのサボテン動いてない?」
月はもう一度目を凝らす。熱気じゃない。確かにその四つのサボテンは動いていた。
「アレが件のサボテンッスね?」
「う、採取前に来たか……お願いします!」
ミルキーはツルハシで顔を防護しながら、スフェーンの後ろに下がった。そしてじわじわと丘を登っていくと、サボテン魔獣はくるりとこっちを向いた。棘が多くてどこが顔だかは分かりにくいが、恐らく今こっちを向いている方が顔だろう。
●今日の砂漠はサボテンときどき採掘
「兄さん、オイラ越しにサボテンが居る、ような位置にいてほしいッス。しっかり見えても慌てねえで、オイラに伝えてほしいッス。3回までなら防ぐッスよ!」
スフェーンがそう言うのと同時にミルキーは岩場を見つけたようで、肩を叩いて岩場の位置をスフェーンに伝えた。
「あの岩場だ、間違いない!」
スフェーンはミルキーの小声を聞き取ると、上手い事岩場とミルキーの前に陣取ってサボテン魔獣の視野にミルキーが入らないようにした。
「この位置ッスね!」
「よし、倒すよー!」
月は四体のサボテン魔獣を相手に皆を鼓舞した。
「それじゃあ行かせてもらいます!」
フロマーシュは《シーザーロア》でスフェーンの前に居るサボテン魔獣の敵意をこちらへと向けつつ、《衝撃刃2》で他一体にダメージを与える。
「助かるッス!」
なお、内心スフェーンはサボテン魔獣の棘に少し怖気ていた。
(なんで棘あんなデカいんスか!! あんなの刺さったら腹にケツが出来るんスけど!!)
スフェーンがミルキーへの射線を完全ガードしている間、ミルキーはサボテン魔獣をチラ見しながら急いで採掘作業を開始していた。
「待ってろ……ソフィネ!」
サボテン魔獣達はフロマーシュに棘を飛ばし、スフェーンに抱き着いて棘をくっつけてくる。フロマーシュは《重点硬化》で棘をある程度弾きつつ、スフェーンに来る三体の攻撃を《カバリング》である程度カバーしていく。
「させません!」
「ひぃ、全身棘人間になる所だったッスよ!! 既に棘だらけッス!」
「む……数を減らすのが先決だな」
ライナは《魔導の潮流》の力でエーテルを増幅したのち、《フレイムゲイズ》を唱えた。
「《フレイムゲイズ》ッ!!」
サボテン魔獣に火球が当たり、ジュウジュウと音がする。
「焼きサボテンだね~、さてミルキーさんには近づけさせないよ!」
月は《スタティックフィールド》を飛ばし、サボテン魔獣は光に囚われた。
「スフェーンさんがもたなくなる前に回復するです!」
ミシェの《ヒール2》によって、スフェーンの傷は癒されていく。
「ありがたいッス、いやーこれはミルキーの兄さんに来てたらヤバかったッスね……」
(後ろで壮烈な戦いが……急げ! 急ぐんだ俺!)
ミルキーはその頃、ハートの結晶を探り当て、ツルハシを振るっていた。
「短期決戦で倒しますよ!」
フロマーシュは自分に敵意の向いていて、かつフレイムゲイズで燃えていた一体に《衝撃刃2》を飛ばす。焼きサボテン魔獣は腕にあたる部位がスパッと切れ、きょろきょろと慌てていた。
「ミルキーの兄さん! 棘飛んで来たら伝えて欲しいッスよ!」
「分かった!」
サボテン魔獣のうち三体はフロマーシュの妨害に気付き、棘を飛ばしてくる。再び《重点硬化》で防ぐも、ちくちくとした痛みが腕を襲う。
「流石にこれだけの棘を浴びると痛いですね……」
そして残り一体はミルキーに気付いて棘を飛ばしてきた。
「うわ来る来る来る来る!!」
焦るミルキーだが、《天眼》でも確認していたスフェーンは、すぐさま《カバリング》でミルキーへの棘を防ぐ。
「ふ、この盾は簡単に砕けねえッスよ!」
(急いで掘った方がいいな……!)
ミルキーはどんどん掘り進めていく。
(アーッ!!! 怖い――ッ! 盾直すのに金掛かるんじゃないッスかぁーーっ!!!?)
「向こうも数減らしを狙っているようだな……《ヒール》! これで耐えてくれ」
ライナは《ヒール》でフロマーシュを回復し、継戦出来るよう場を整える。
「よーし、せめて一体ぐらいサボテンステーキにしちゃおうか。《メテオライト》!」
月は《メテオライト》を放ち、フロマーシュが攻撃していたサボテン魔獣を一体打ち倒した。
「やったね! あと三体!」
「一体と言わず全部サボテンステーキにするですよ! えいっ!」
ミシェは《メテオライト2》を残ったサボテン魔獣達に放ち、大きくダメージを与える。
「そろそろサボテン達も疲労が溜まってるはずです!」
フロマーシュは《衝撃刃2》を残った三体のうちの一体に放ち、サボテン魔獣は倒れていく。残り二体だ。
「ミルキーの兄さん! 順調ッスか? もうちょっとでサボテン倒し終わるから焦らなくても大丈夫ッスよ!」
心配させないようミルキーに声をかけるスフェーン。その頃、採掘していたミルキーはというと、ハートの結晶の一部が露出し始めていた。
(これを出来るだけ形を崩さないように掘る……!)
ミルキーは優勢している戦況を見ながら、落ち着いて、ツルハシを短く持って細かく削り始めたのだった。
そして残ったサボテン魔獣二体は、最期のあがきと言わんばかりに後ろの標的を庇うスフェーンに抱き着いてくる。が、フロマーシュの《カバリング》で攻撃は分散された。
「これで決まれ!」
ライナの放った《メテオライト2》によって、サボテン魔獣は共々息絶えた。
●ハート・マイニング
「ふう、終わったー! 二人ともお疲れ~」
月が喜びの声をあげながら、頑張って棘に耐えた前衛の二人に労わりの《ヒール》をかけていく。
「周りにはもう何もいませんね、安心して採掘できます!」
フロマーシュは《看破》を使い、周囲の安全を確認した上でミルキーの所へ向かった。
「……もう少しで全体が出て来るんだ!」
ミルキーは、棘を気にしながらも頑張って採掘を続けていたおかげか、ハートの結晶の五分の一程度が見える所まで採掘が進んでいた。
「おお、この段階でも既に綺麗です! お手伝いするです」
ミシェが《一点集中》して採掘を手伝った結果、ハートの結晶の半分以上が地面に露出した。
「そこの岩の隙間に虫が潜んでいるので、驚いて壊さないように注意して下さい!」
フロマーシュによる《透視》も駆使しつつ、徐々に掘り当てていく。そして……。
「これがハートの結晶か……?」
思っていたよりかなり小さく、ライナも少し驚いてはいたが、発掘されたハートの結晶は太陽光に照らされて、とても綺麗に輝いていた。
「良かったッスねミルキーの兄さん! さぁ、後は帰るだけッスよ!」
「頑張ったねミルキーさん! おめでと~」
スフェーンと月に拍手され、照れながらもハートの結晶を大切にしまうミルキー。
「帰るまでが婚礼の儀ですから!」
そして特筆するような事は何もなく、無事に村まで帰れた一行。
「ミル君……!」
ソフィネは暑い中、心配そうにずっと村の境界で立っていたらしい。
「ソフィネ! ただいま、採ってきたよ」
「良かった……!」
アツく抱き合う二人を見て、場は祝いのムードに包まれた。
「おめでとう、本当におめでとう……!」
月はソフィネと仲が良かったからか、少し涙をこぼしていた。
「いやぁ、体を張って棘から守った甲斐があったッスよ……!」
「そうだな、これで二人が報われると思うと……良い依頼に参加できたな」
「末永くお幸せにです!」
「ええ、これからも幸せな二人でありますように!」
●婚礼の儀
村長でありソフィネの父であるキーオス・スカイシップスが、台座の上にハートの結晶を置いた。
「それでは、婚礼の儀を執り行う」
村の正装に着替えたミルキーとソフィネは、とても緊張していた。
「ミルキー・ショコラテ、ソフィネ・スカイシップスの両名は、いかなる時もお互いを愛しあうと誓うか?」
「誓います」
「誓います」
「宜しい。それでは……誓いの指輪を。二人に幸あれ!」
ハートの結晶は、実は村に着いてすぐに鍛冶職人の手によってハートの結晶が付いた指輪へと加工されていた。お互いの指に、ハートの結晶の指輪をはめ込んだ時、式場からは沢山の拍手が起こったのだった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準5 / 4〜6人
2021年08月07日 20時43分17秒 公開
相談掲示板
ルナだよーぉ。よろしくね。 ソフィネさん、結婚か〜。 これはお祝いしないとね〜。 残念だけどルナの強さはとてもレベマほどじゃない〜。ちょっと不安。そのぶん工夫はするけどね! とりま成立待ち〜。
ライナ・フレイヴァルツ、キャスターだ。宜しく頼む。 ハッシリ村に関連する依頼は以前一度だけ受けたことがあったのでな、 縁もあるだろうと今回の依頼を受けようと思った次第だ。 婚礼は村の繁栄にも繋がる良い事だ。是非とも成功させよう。
お邪魔しますです! ハッシリ村、聞き覚えが、、、と思ったらライナさんがいらっしゃいました! 4人目で成立ですよね!これで安心してご結婚できますね、できるように頑張りましょうね・・!
ウォーリアのフロマーシュ・ダイヤドロップと申します。 皆様よろしくお願いいたします。 ハッシリ村の依頼、私もライナ様やクラリス様と一緒に参加していましたし、またこうしてお力になれるのは とっても嬉しいですっ! 村の明るい未来の為に、みんなで一緒に頑張って参りましょうー!
わわ、成立だね! みんなぁーよろしくねぇー!! とりあえずー、敵倒してから結晶取るのとー。 ミル君の持ち物が最低限だからなんかお世話あったほうがいいかな~ってのとー。 ハートの結晶がみつけにくいみたいだから、サポート。それぐらい~?
No.6
ウォーリアのスフェーンッス。よろしくお願いするッス! オイラだけ何の関係もないんスけど、やるこたやるッス! とりあえず方針としては月の姉さんがおっしゃる通り 敵を倒してからの採取 にオイラも賛成ッスね。 大体の位置がわかっているとは言え、戦いながらだと必要以上に時間が掛かっちまうッスから。 となると一人くらいミルキーの兄さんの護衛に回したいところッスけど……
成立したようだな、顔見知りも多く頼もしい方も多い。 是非よろしく頼む。 敵を倒す者と、護衛対象のミルキーさんを護衛する者。 戦闘状況としてはこの二つに分かれるのだな。 そしてその後は採取の手伝いと。私もその意見に賛成だ。 一応、アイアンウォールであれば障壁がわりに張ることもできる。 が、今回の場合は…ウォーリアの二人のどちらかに就いてもらう方が 安全面的にも良さそうだろうか?
よろしくお願いします!がんばります! 私は遠くに思い切り攻撃する方が得意ですので、その方がお役に立てると思うです。 ちょっと遠くからサボテンたちに攻撃するです、抱き着かせません! ・・・という感じで、見つけた時点でまずドーンとやってミルキーさんから引き離すというのはどうでしょう? そのうえで護衛さんもいればすり抜けられても安心という感じがするのですがー・・ 採取は採掘は得意ではありませんが集中力はあるのでちょっとはお手伝いできたらいいです!
こちらこそよろしくお願いいたしますっ! 確かにミルキーさんを守る方は必要ですよね。 それに、今回は私とスフェーン様以外はみんなキャスターで、防御面が心配ですから、それぞれに私達が就いた方が良さそうです。 大丈夫でしたら、私がキャスターの皆様をお守りする側に就きたいと思いますが、よろしいでしょうか? 採取のお手伝いは、私もできる限りしていけましたらっ!
No.11
大丈夫ッスよ! オイラがミルキーの兄さんの方、で後は現地で動き次第ッスね。