【雪華】 やがて芽吹くために
夜帷かもめ
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シナリオID:1183
オープニング
「なるほど。ヴィントは奪還され、帝都への道筋が確保されましたか」
「はい。今回の作戦においても、ギルド所属の冒険者……つまりは、授恵者ですが。彼らが果たした功績が大きいようです」
「授恵者、ですか――」
エラトゥーン都市同盟に連なる都市のひとつ、ベールコート。百合茶の栽培と販売でその名を知られるこの都市において、名家として知られるミルドレッド家が私設した『雪百合騎士団』の、その詰め所の一角にて。騎士団長『メイア』は副官からの報告を受けてため息をついた。
雪百合騎士団はヒューマンとエルフを中心に構成されており、その構成員の中には無論のこと授恵者も含まれる。だが、メイア自身は授恵者ではない。創立以来、雪百合騎士団の団長は意図的に非授恵者から選ばれているのだ。
「私たちも考えを改めるべきでしょうか?」
「難しいところね」
授恵者を敢えて重用しない。その方針を、見直すべきか?
副官の問いを受けて、「歴史と政治を忘れてはならない」と彼女は強調する。
大陸を三分する勢力――王国、帝国そして都市同盟。その中でも、都市同盟の在り方は少し特殊である。
その名が示す通り、都市同盟の政治基盤は一つの権力に根差したものではない。複数の都市国家による合議制。それが今の都市同盟を動かしている。また、その成り立ちにおいては授恵者の囲い込みが戦争の引き金となったことを忘れてはならない。血で血を洗う戦乱の後に、都市同盟は現在の形にまとまったのだ。
その愚を繰り返してはならない。
一方で。
「単純な戦力で言えば、授恵者ではない者――私たちは、授恵者に敵わないわ」
それは言うまでもない、とメイアは繰り返す。だからこそ、授恵者の存在は慎重に取り扱う必要があるのだ――特に、この土地では。ベールコートはリブラネスタではない。エスト・ボーラでもない。温暖な気候に恵まれ、安定した農業生産に基づく資金資源と物流網があるとは言うものの、それは他の都市を以って代替不可能なものではない。
「都市同盟全体としての存続を考えると同時に、同盟の中で私たちがどう生きていくか。その事を考えなければ」
「頭が痛いですね」
「同じことを、当主様も言っていたわ」
単純な授恵者の囲い込みでは意味がない。雪百合騎士団は、あくまでミルドレッド家の私兵団に過ぎない。つまり、その軍事力が増大することを素直に歓迎する者は都市同盟の内部でも多くはない。また、よしんば他の有力家、周辺の都市からの支持を得られたとしても――国体として王国に勝てるわけではないのだ。
正面からの戦争を受けるような想定で戦力を整える必要は無いし、そうするべきでもない。
「では、具体的にどうしましょうか」
「そうね――」
今の状況で出来ること、するべきことは何か。いくつかの素案がメイアの頭に浮かぶ。
「やはり最新の情報を手に入れること。それと、資金力と都市同盟内での発言力はもう少し整えておきたいかしら」
そういった意味で、今ある騎士団の構成には手を入れない。新規の団員や、隊長を外から入れることは避ける。一方で、周囲からの不審を買わない範囲で授恵者との繋がりは拡大していくべきだ――少なくとも、有事の際に助力を請える間柄程度には。
「外部からのアドバイザーといった形が穏当かしらね」
メイアは副官へと腹案を披露する。ギルドへの依頼として、領地運営に関する助言を請う内容を出すのはどうだろうか。
「そう言った意味では、ある程度はこちらでも洗うべきでしょうか」
「話が早くて助かるわ」
商人の力が強い土地に生きる者である。メイアらも、武門の出でありながらも利害の相反には神経を配っていた。
「それではその内容でまとめておきます。実際の意見交換は……半月ほど後にしましょうか」
「それで構わないわ。進めてちょうだい」
●そして、今
「私たちからの依頼を受けていただき、そしてここまでご足労いただき感謝します」
まずは掛けて、楽にして欲しい。そう言ってメリアは今年採れたばかりの百合茶を授恵者らへと勧めた。夏も近づく時期に関わらず、マグには氷が浮かんでいる。授恵者ら一人一人に氷で冷やした飲み物を提供するあたりに、この依頼における授恵者への期待と、ミルドレッド家の裕福さが見て取れる。一同が腰を下ろしたのを確認してから、メリアは言葉を続けた。
「今回あなた達にご意見いただきたいのは、雪百合騎士団とミルドレッド家が今後どうあるべきか。何をすべきか――という点です」
昨今の情勢の変化もあり、クリーパーや蛮族、メドゥの指先の活動が活発になっている。その対策として、都市を守る騎士団としては軍備を進める必要がある。一方で、王国や帝国からの引き合いが増えた関係で、全般的に武器防具や資材、人件費に掛かる費用は増加傾向だ。
「私たちの住まう都市、ベールコートは百合茶の交易益によって比較的潤沢な資産を有してはいますが――」
ミルドレッド家が持つ資産をそのまま軍事力増強に向けることが正解とも思えない。長い目で見た場合に、これからどうするのが都市の、あるいは民衆の為になるのか。広い視野を持つ授恵者の意見を募りたいのだ。授恵者らを前に、メリアは依頼の意図をそう説明した。
「ご意見を伺いたいとは言っても、今すぐこの場で結論を出してほしいという性質のものでもございません」
参加者の間で、議論を戦わせても良い。もちろん持論があるのであれば、個別にメリアら騎士団員に伝えても良い。各地を知る授恵者が、どのように今の情勢を捉え、何をすべきと考えるか――その過程を知ることができれば今回のところは十分らしい。
「そして、出来れば」
今後とも、継続的に都市の発展に向けて意見を聞くことが出来る関係を築くことができるのならば――それが一番、望ましい。
「ともあれ、堅苦しくなる必要はございません。お茶のお代わりはいかがですか?」
そう言って、雪百合騎士団 団長の肩書を持つ女性――メリアは笑った。その微笑みは、武人とは思えぬほどに美しかった。
解説
マスターより
リプレイ
整然と並んで馬車の到着を歓迎するその姿は、規律と統制を良く表していた。王国・帝国と並んで三大国として評される都市同盟の、その軍備の一端として名を知られる雪百合騎士団がただの飾り物ではないことを授恵者たちは理解することになる。
とはいえ、人の受ける印象はやはり千差万別。
「うっひょー! 噂には聞いていたが、美人どころ揃いじゃねえか。これがミルドレッドが誇る雪百合騎士団か!」
ハヤト=ガラン=ヴォルファングは到着早々に歓声を上げた。無骨な武具を身に纏っているとはいえ、容姿端麗、しかも巨乳の女性ばかりで構成された騎士団はハヤトの好みにドハマりしていた。
「親身になって相談に乗ってあげたら、依頼を超えたお近づきになれたりするかもな?」
「ヴォルファング氏、先ほどからミルドレッド氏がすごい顔で貴方を睨んでいますよ」
知己であるキーゼの言葉を右から左へと聞き流し、彼は騎士団の面々へと近づいていく。先頭に立って授恵者を迎えているのが、団長のメイアだろう。
そんなハヤトの様子にため息を吐きつつ、アルト=ミルドレッド=バ・ロッサは手近な団員を捕まえてこの後の段取りを確認していた。
彼女はこの地を治めるミルドレッド家当主の娘であり、次期当主でもある。今日は立場を離れて一授恵者として議論の行く末を見守るつもりではあるが、母の友人として見知った顔であるメイアとは少しばかり話もしたい。
「わざわざありがと。あたしのことは気にしないでいいからね。授恵者のみんなに、百合茶の農園や騎士団のこと、案内してあげてちょうだい」
最後にメイアに向けてそう言葉を掛け、勝手知ったる騎士団の詰め所の中へと入っていく。
「今日はよろしくお願いします。わたしも授恵者であると同時に、エスト・ポーラに店を構える商人でもありますので――同じ都市同盟の一員として少しでもお役にたてればと思いお邪魔しました」
「なるほど、ベイカー家の。今日はご足労頂きありがとうございます」
リサ・ベイカーは店を構える都市こそ違えど同じ都市同盟にルーツを持つ者であり、商人である。百合茶の栽培という商いの、今後を憂う雪百合騎士団の悩みは人一倍によくわかる。その意味では一番今回の問題に対する背景的な理解が深いと言ってもいいだろう。
「申し上げるまでもない事とは思いますが、私の住む王国にとって都市同盟は仮想敵国です。敵は基本的に弱体であった方が都合が良い、という事はお忘れなきよう」
所属、という話に合わせてゼラルム・エルホワイトが言葉を続けた。
「もちろん、ギルドを介した仕事である以上は客観的な立場から可能な限りのコメントはしますが」
そう告げると、メイアも頷く。
「そこまで理解していただけるのであれば、話は早い。失礼を承知で申し上げるが、事前に皆さま方の素性や所属は確認させていただきました」
依頼を受け、実際に意見交換の場を設けるまでの約半月。その間に雪百合騎士団の騎士たちは授恵者の背景を調べていたのだ。
意見を交換する、領地の機密を開示する。それに当たって、相談する相手となる人物は果たして信用が置けるのか?
ギルドの仲介を経ているとはいえ、無条件に信じる訳にはいかない。だが、こうしてゼラルムから先んじて釘を刺したことで、少なくとも彼については信用に足る人物だとメイアは評価した。
――例え、その言葉の一方で帝国における地位を築きつつあるとしても、だ。
「難しい依頼だけど、俺の知っている限りなら助言はするよ」
「コハクも出来ることをするよ。ここに来るまでに、百合茶のことは勉強してきた」
アスティン・ヴェルラインとコハクも依頼の成功に向けて全力を尽くすと請け負った。
特に、コハクはこの場に於いてほぼ唯一と言ってよい、『政治背景的に』無色な存在である。その視点から見て、雪百合騎士団やミルドレッド領、百合茶という産物がどう映るか。彼女は密かにメイアを始めとする雪百合騎士団から注目を受けていたのだ。
●
「改めて、これが百合茶よ。議論の横にでも置きながら飲んでみて」
一通り百合茶の農園を視察した後に、小さな事務所に用意された席にて。少しばかりの菓子と共に、煎れたての百合茶が人数分用意されていた。それを煎れたのはアルトである。ミルドレッド家の人間として、主産物である百合茶の扱いは身に付いているのだ。
「百合茶――美味しいですよね」
リサは香りを楽しむように、口の中で茶を転がしている。彼女の言う通り、名物としての百合茶の地位は確立されている。
「だけど、あくまで嗜好品だよね」
「そうですね。生活必需品じゃないし、代替品が出ないとも限りません」
アスティンやゼラルムが指摘するのは、常に売れ続ける理由がある商品ではないという百合茶の特徴だ。
「天気や災害に影響されやすいのも百合茶には不安な材料だよね?」
「ええ、コハク氏の言う通りです。それに、農園の後継者問題もある」
今でこそ安定した供給が確保できている百合茶ではあるが、それも盤石ではないというのがキーゼやコハクの見立てだ。メイアに連れられて案内された農園では、中高年に差し掛かった農民たちが百合茶の手入れを行っていた。
「子供の頃に見た記憶とそう変わらない気がしたけど、確かに全体的に高齢化は避けられないわね。騎士団の人間が茶摘みの時期なんかは作業を手伝ったりもするけど――メイア、そうよね?」
「その通りです。手伝いはしますが、教練などもありますから。私たちは農作業ばかりに時間を割くことも出来ません」
幼い記憶を手繰りながらアルトが過去を振り返れば、メイアがそれを補足する。
「ふーん……味は間違いないんだから、ブランドとして知名度を上げるっていうのはどうだ?」
議論から少し離れて傍付きの騎士団員へと話しかけていたハヤトが呟く。
「――どういうこと? 例えばお祭り的なアピールをして、百合茶を知ってもらうとか?」
同じような着想を持っていたアルトがその言葉へと食いついた。初見の印象は好くは無かったが、授恵者としての経験が深いだけあって着想は確かなのか?
「いや、それこそ騎士団の美人どころをモデルにして、各国へ販売にいってもらうとかどうよ」
お姉さんもキレイッスね、などと軽口を叩きながらハヤトは答えた。
「キーゼもそう思うだろ?」
「僕は――いえ、確かに面白いですね」
素人には興味がない、と言いかけてキーゼは言葉を選び直した。軍備に拠らない形で雪百合騎士団の存在価値を第三者に認めさせるというのは悪くないのではないか。国外の活動であれば、必然的に外貨や外の情報も手に入る。
『需要の変動を見越して、対外的な百合茶のアピールをする。騎士団を活用する』
要点をまとめていたコハクがこれまでの各人の意見を紙へと整理して記していた。
「見世物的な扱いはあたしとしてはあまり好きじゃないけど」
とはいえ無碍にするのは惜しい着眼点ではある。眉を顰めながらも、一旦はアルトもハヤトの意見を認めた。
「あとはお茶以外の差別化要素が欲しいですね」
ゼラルムが話題の方向性を少し変える。百合茶としての需要以外に、何か収入を得るための方策が複数あれば領地としては安定性が増す。
「お茶がダメになることもあるし……工芸とか別種の産業を育成するのがいいかな?」
「どうなんでしょう。とりあえずはお茶として出荷出来ないお茶っ葉なんかがあるなら、石鹸とか化粧品に利用できませんか?」
アスティンの意見に後乗りし、議論を広める形でリサが提案した。完全に今の主要産業である農業から離れる形の産業育成は、投資や時間も掛かる。それが必要なことだとはメイアやミルドレッド家も理解はしているが、気軽に取り組む訳にもいかない。
そういった意味では、リサの案は先ず試す案としては有用に思えた。
「品種改良とかも出来たらいいかも?」
「栽培がここ以外でも出来るようになれば、他の国に販売権を売ってもいいかもな!」
長期的な視点に基づいて、コハクやハヤトも意見を付け足す。百合茶ひとつ取っても議論は尽きないが、一旦はある程度視点が広がったところで話題を次の課題へと授恵者らは移した。
●
「外政については、積極的な中立を保つべきでしょうか」
口火を切ったのは、ゼラルムだった。
「消極的な我関せず、というのも平時ならば悪くはないのですが、昨今の情勢ですからね」
何かあった時に協力しなかった、兵を出さなかったということすらも諍いの元になりかねないとの危険性を彼は訴える。
「例えば、帝国奪還なんかもアレ、王国の息の掛かった国家事業ですからね」
キーゼが言葉を添えた。何かをする、という決定と同様に、何かをしないという決定も意味を持つのが外交だ。都市同盟の代表である『女狐』ヴィルジニアが積極的な介入の姿勢を見せないということであれば、そこにも何らかの意思がある可能性が高い。
「そうすると、あまり軍事力を強めるのはやっぱり良くないイメージを持たれそうですか?」
リサの懸念は尤もだ。中立を保つのに、どこまで戦力の保持が認められるか。侵略の意図があると、そういった懸念を持たれない為にはどうするのが良いだろうか。騎士団員からも同様の疑問が重ねられた。
「中立と敵対を比べた時に、敵対するデメリットが大きくなるように各国に認識させればいいと思いますよ」
それ故に、ある程度の自衛力としての戦力保持はするべきだというのがゼラルムの意見だ。そうあることで、善意の隣人として在り続けることが出来る――と。
「あっちこっちでいろいろ起きてるし。それがいつどこに飛び火してもおかしくないよね」
情勢の不穏さはアスティンも肌身を以って感じているところだ。軍事力の保持についても、なんらかの対応が必要だという見解は一同の間で一致していた。
「雪百合騎士団の戦力って言うと、団員を増やすってことだよね?」
コハクが問う。今の限られた人口で、産業を拡大しつつ戦力を増やすような事は出来るのだろうか。都市同盟全体と他国という視点でのバランス、都市同盟に所属する都市の中でのバランス。天秤を手放さないと噂される都市同盟にある騎士団を以ても、その課題を解決するのは容易では無さそうだ。
「なんなら、うちのブレイブファング傭兵団が優先的に駆けつけるってのも考えてもいいぜ?」
自身も一つの集団における長であるハヤトが案を出す。必ずしも自前主義にこだわる必要性は無さそうだ。傭兵団の、あるいは授恵者としての実力の確かさはハヤトが身に付けている数々の勲章が雄弁に物語っている。
授恵者になってからそう時間は経っていないとはいえ、ルーキー達が戦力という観点で無視できない存在であることは皆が認めるところだ。自前ではないその戦力の供給先を、ギルド所属の授恵者を筆頭にした第三者に求めるのはそう無理のない考えである。
「場合によっては貴殿の傭兵団がミルドレッド領の為に動いて頂いても良いというお話でしたが――」
そこまで意見を聞いていたメイアが、慎重に言葉を選びながら口を挟む。
「例えば、それは王国の――ウォレス伯爵やアーチボルト辺境伯と都市同盟が対立した場合でも、ですか? 貴殿は彼らともかなり親交が深く、兵を動かせる身分もお持ちだったと記憶していますが」
仮定の話だ。だが、あり得ない話ではない。正式な軍属ではないにせよ王侯貴族の私兵団に隊長なりの身分を以て所属する、ということはそういう意味をも含む。その問いかけに対する答えは、今のハヤトは持ち合わせていなかった。
(いろいろと面倒くせぇなぁ。依頼でもないのに王国の事なんか考えっかよ)
内心で毒づきながらゼラルムはそんなやり取りを横目に見ていた。自分に対して利害関係としてどうあるか。それが彼にとっては重要である。逆に言えば、それ以外の他人の事情はどうでもよい――敢えて口には出さないが、それは彼の偽らざる本心であった。
「内政と外政は線引きをしつつ、ギルドを介した冒険者の利用を外政に対しては取り入れていくのがいいでしょうね。そう言った意味でも、短期的にはやはり収入増を狙う必要があるかと」
キーゼの発言は利点と欠点が対比よく整理されている。それ故に、議論に参加している一同にとっても誤解なく伝わりやすい。改めて課題の難しさを理解して、授恵者一同は唸り声を上げた。
「専属契約ってなると動きにくいしね。いつでもギルドに依頼を出せるような、そんな縁やツテを持っておくことが大事な気がするよね……」
アスティンの呟きには実感が籠っている。まだ年若い彼ではあるが、苦労した経験もあるのだろう。
「専属にはならないにしても、懇意な関係を作っておくのは大事よね。その意味では都市同盟の中でも合同訓練とかをやっておくのは大切な気がするわ」
「あとは、対授恵者を想定した訓練ですね。同じことは他の国も考えますから」
難しい状況でも、なんらかの動きを始めなければいけない。何もしないで座しているのみでは、いずれ遠くない将来に苦境に陥るだろう。そんな危機感が、リサやキーゼにはある。
「資金については、当面は心配ないとおもうわ」
今はまだ、百合茶の商いが上手く回っている。ミルドレッド領単独としてみれば資金は潤沢にあると言っていいだろう。アルトが持つ認識は正しい。
「でも、それだけでやっていくと足りなくなるのも確かね」
だから今、次の手を打つ必要がある。いくつかのアイデアは今日の議論の中で形になりつつある。だが、まだ具体的にどう進めるのか。今の産業や人員とのバランスはどこに落ち着けるのかといった『実際に作業に取り掛かれるレベル』の結論は出ていない。
「今日の所は意見出しって事だったし、こういうの一朝一夕で出来ることもなさそうだよね」
コハクもさすがに疲れてきた。色々な視点からの意見を、整理してまとめるのはなかなかに骨が折れる。ここから最終的な結論を出すのは、今の時点では難しいだろう。
「その通りです。今日こうして頂いた議論の内容だけでも、十二分に私たちにとっては有用です。これを当主様にも諮ってみたいと思います」
メイアがそう締めくくると、アルトも軽く頷いた。
マスターコメント
ショートシナリオR普通 報酬:多い7 / 6〜10人
2021年08月07日 09時40分26秒 公開
相談掲示板
…えっと、私はアルト アルト=ミルドレッド=バ・ロッサ 家名の通りミルドレッドだけど、私は当主じゃないし、この雪百合騎士団に対して指示権はないわ。 だから私も一応一人の授恵者として依頼に参加したわ ………まぁどちらかというと視察に近い感じでの参加だけどね とりあえずそういう事で それと、今回参加してくれてありがとうね
【質問】 ●少し前の、話 では『メイア』なのに ●そして、今 では全部『メリア』になってるわよ …別人、なのかしら?それとも…
リサ・ベイカーです。 同じ都市同盟出身として、何か力になれたら良いなと思っています。 よろしくお願いしますね。
さて、「容姿端麗巨乳の若い女性のエルフとヒューマン合わせて25名を中心」と書かれたら来ないわけにはいかないですね… というのは冗談ですが、今回は宜しくお願いします。 さて、家と都市の今後、ですか…要は都市同盟内での安定した地位、でしょうね。 内政と外政 収入と支出 経済と軍備 ひとまず、僕達冒険者を利用する、という手を打ったのはいい傾向でしょうね。 とはいえ、今のこの都市の繁栄は非常に脆いわけですから、その辺りも含めて、でしょうかね。 治安に関しては、ある程度安値で使える我々冒険者をギルド仲介で利用すればいいとして、まずは内政、でしょうかねぇ。
あ、ごめんなさい! こっちで書き写した時に写し間違いがあったみたいです…… メイアさんが正しいですね。アルトさん、教えてくれてありがとうございました。
内政、ですか… 経済にも絡みますけど、百合茶にさらに付加価値を付ける。既に考えているかも知れませんが、百合茶を使ったお茶以外の商品考案とか。 あとは、百合茶以外の産業とかもあるといいのかも知れませんね。 一つのものに頼ると、そこが崩れると弱いですから。 外政というか軍備かな? という意味では、周辺領の軍との合同訓練とか?
そうですね、今の産業基盤と豊かさを支えているのは百合茶です。言い換えれば、それしかない。百合茶がなくなってしまえば、取るに足らない一領地に成り下がる。 物流を抑えられてしまえば、万が一不作になれば、実力者の不興を買えば… 後は、長期的な視野では後継者問題もそのうち出るでしょうね。 軍備については、一勢力への過度な肩入れ、を避けておくべきですかね。 王国も一枚岩ではなく、例の病み上がりな亡国の皇子の周りもきな臭い……この商機に『女狐』が見逃すはずもないでしょうし、都市同盟内での立ち回りも、味方を増やすのか、極力僕ら冒険者を利用して不干渉を貫くのか、ですか
エルホワイトと申します。どうぞよろしくお願いいたしますね >百合茶 これに関して何が問題かと申し上げると、百合茶自体は生活に必須なものはない上に今後代替品が出ないとも限らない所なんですよね 1つの産業に特化するのは1つの手段ではある訳ですが、依存しすぎるとそれの価値が落ちた際に立ち直るのに時間がかかりますし 先に挙げた問題点に関しては、前者は既存の客層に対する集客力の強化と新規層の開拓 後者は単純な代替品が出た際に差別化できる要素を模索する、などでしょうか どちらも、一朝一夜で為し得るものではないとは思われますが とはいえ、です。1つの産業に依存するべきではないというのは私としましても同意いたします せめて何か1つは他の特色を持っておきたい所ではありますね。可能であれば農業以外で >外政 これに関しましては、積極的な中立を保つべきというのが私の考えであります 周囲に対して不干渉を貫く通常の中立ですと、万が一近辺で何らかの争いや大きな問題が発生した際に、前者においては勝者と敗者のどちらからも”味方をしなかった”と恨まれ、後者においては”この大事に支援をしなかった”と恨まれかねません ですので不干渉的中立よりも、交渉のテーブル或いは善意の友人としての積極的中立を保つべきというのが私の考えであります 無論、これらに関しましてはベールコートの都市機能として出来得る限り、という範囲でのお話となりますが
アスティン。今回はあまり関係ないけど、シューター。よろしく。 <産業 百合茶って基本は農作物だよね…。となると、天候、クリーパーなどの災害でダメになった場合 リカバーに時間がかかるものっていうのがネックだね。 すでに話に上がってるけど、特化するには何か起きた時の復帰が厳しいね。 できれば、工芸とかそっちの農作物がアウトになるような状況でも 動かせる産業、が欲しいね。 既存産業と関連する方向でなら、茶器とかの食器系の工芸…とか? 資金力があるうちじゃないと職人の育成は難しそうだし。 まぁ…食器作成に使えそうな材料を領地で確保できるのかどうか、の調査からになりそうだけど <外政 んー・・・・・・・・・・・。 これ正直、正解はないと思いつつ、一つ思うことは。 中立って行き過ぎるとコウモリ。とどのつまり都合のいい方に動く、 って見られると結果的に他領と疎遠になりそうなんだよね。 何をもって中立として、その判断としての軸は何なのか。 法なのか、利害なのか、平穏のための調和なのか。 ええと、言葉があってるかわからないけど。 何の信念をもって中立なのか。 の表明はしておかないと都合よく転がされそう…。 <内政 冒険者、っていうか授恵者って数が極端に多いわけでもないし。 囲い込むよりもよく仕事を回してくれるお得意さん、ってレベルの方が 広く浅く冒険者と繋がれるよね。 懇意な冒険者とある程度つながっておいたうえでギルドと関係も良好にしておいて、 有事の際は近隣に冒険者に行ってもらって多少恩を売る体制を作る って感じになるのかな…
うーん、今回は提案だから、それぞれ思ったところを述べる感じで、 特に統一させる必要は無いって事で良さそうでしょうか?
<統一させる必要性 どうなんだろう?あまりに違う意見が出すぎるよりも ある程度筋道が立った結論にたどり着けた方いい気もするけど…
出発出来る人数になったわね 改めて参加ありがとう、よろしくね 明日出発だから気をつけてね とりあえず一つだけ ミルドレッドは十数家の百合茶農家だけど、これはおそらくリアルにすると中規模クラスの法人レベルね 百合茶だけしかないというより、百合茶にブランドがつく程度には強い認識の方がよくないかしら? まぁけど、お茶としてだけでないというのもありだから とりあえずそれだけ
…時間的に今からまとまるのは厳しいかしら? 私が見てた限りでは極端にぶつかり合う意見とかもなさそう?だし みんな各々で大丈夫じゃないかしら それに今回は少しざっくりとしてるから、これが正解とかないかな だからみんなの書いた内容が今後の筋道になるんじゃないかしら だから各々で良かれと思う内容でいいと思うわ というわけで一応ぎりぎりにはまた見に来るけど、とりあえず出発したらよろしくね