吸血コウモリの洞穴を調査せよ
そうすけ
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シナリオID:1158
オープニング
数あるブラックデスのアジトの一つ。
物書きをしながらツリーハウス完成の報告を受けたブラックデス幹部のタ・ロウは、問題点としてあげられた『吸血コウモリの襲撃』に対して、「おかしいな」と言った。
しぶしぶといった感じで紙から目をあげて、情報屋のラズリーへ向ける。
「あの巨木の近くにはたしかに洞窟があって、周りの木にコウモリたちが生息していたが……それは『吸血』じゃなかった。ごく普通の、サウゼルの昆虫や果物を食べるやつだったぜ」
サウゼルの観光拠点を増やすため、大樹海から頭が二つ、三つ、抜き出ている巨木にツリーハウスを作ることになったとき、ブラックデスは建築予定地の周辺を徹底的に調べた。危険な野生生物やクリーパーのテリトリーの範囲、あるいは狩りの通り道になっていれば、観光客誘致など考えられないからだ。
「一体、二体、うちの連中で倒せるやつは倒した。巣があれば壊した。完全に安全になった、とはとても言えねぇが、それでも前線キャンプ付近と同じぐらいのレベルにはなっているはずだ」
「しらんがな。うち、嘘ついてへん。この目で見たし、追い払ったし。も―、めっちゃ大変やってんで」
実際に吸血コウモリの群れを追い払ったのはツリーハウスの建築を請け負った冒険者たちなのだが、ラズリーはさも自分が苦労したようにいった。
手振り身振りを交えて、たった一人で大格闘劇を演じた。ときには喉から搾り出した、鼓膜にキーンと突き刺さるような悲鳴まであげて。
「わかった、わかった。もういい」
「あ~しんど。わかった? とにかく、吸血コウモリをなんとかせんと、お客さん呼ばれへんで。あそこに詰めるスタッフかて危ないんちゃうか」
「しようがねぇな」
タ・ロウは引き出しから革袋を取りだした。
だん、と無造作に机の上に投げ落とす。
革袋のなかで硬貨がぶつかり、こすれる音がした。
「とりあえず、洞窟を調査しろ。あそこに吸血コウモリはいなかった。だからまず洞窟でなにが起こっているか、冒険者を集めて調べてこい」
「……相手はクリーパーちゃうんやけど。まあ、ええわ」
ラズリーはお金が詰まった革袋を取るついでに、さっきまでタ・ロウが書いていたものを見た。
癖はあるがキレイな字で何か書かれている。
神殿がどうのこうの、ブースの数がどうのこうの……。
「なんや、仕事してたんか。てっきり、また絵描いて遊んでるんかなって思うてたわ」
「バカヤロウ、早くいけ!!」
●冒険者のあずかり知らぬ場所で。
サウゼル大樹海、深夜。
風の音、草木がすれる音、鳥やサルの鳴き声、木が倒れる音など、小さい音から大きい音、ありとあらゆる音が木々の間に満ちている。
大樹海の音を吸い込む暗く湿ったその洞窟は、ツリーハウスから南東へ1キロの位置にあった。
洞窟を進むとやがて地下川に行き当たる。身を切るような冷たい川の流れは、果てで滝になっており、するどい岩がいくつもつきだした崖の途中で三つに分かれて、天然の大空洞を落ちていく。
大空洞の底には小さな池が、おそらくは底なしの池がある。滝の反対側にある棚には一本の老木と草花が生えており、岩と鍾乳石の天蓋に開いた穴から差し込むわずかな月光に照らされて眠っていた。
簡単には人が近づけない場所だ。
滝の裏側には、日光の届かない小さくて深い洞があり、傷を負った親と子はそこを仮の寝床とした。
「ととさま。ねえ、ととさま」
「なんだね、我が子よ」
「一緒に遊んでくれるお友だちが欲しいの」
「コウモリやネズミたちではだめなのかい?」
「女の子がいいの」
「……もうすぐ傷が癒える。治ったらここを出て友だちを探しに行こう。それまで我慢しなさい」
解説
マスターより
リプレイ
木々の間を抜けた夕陽がまぶしく目を射る。
「暑いなぁ、ほんま暑い」
これで何度だろうか。
ラズリーが愚痴をこぼすのは。
「暑いのはみんな同じだ。口を閉じて歩かないと虫が入るぞ」
そういうナハティガル=ラーの首すじも汗で濡れ光っている。
それがちっとも見苦しくないし、汗臭くない。小一時間も熱帯のジャングルを歩き回っているというのに、体からほのかに柑橘系の匂いを発しているのだからずるい。
「ナハティ、なんか香水つけてるん?」
「つけてない」
調査隊の殿を守るバーネット・フォーサイスが、二人のやりとり聞いて面白がった。
「そういやラー、オレンジしか食べてなかったな」
ああ、と声をあげたのは真ん中を歩くハル・チフだ。
「なるほど、それで柑橘系の匂いが。食事の後に汗をかくと、体から食べたものの匂いがすることがありますね」
もしかして、とエルシー・サリバンが会話に加わる。
「私が嗅覚を鋭くして洞窟内部の『臭い』を調べるっていったから?」
「……まあな」
「そういうことなら言ってくれよ。俺だってオレンジだけにしたのに。なあ、ハル。お前だってそうしただろ?」
「うーん。でも僕はきっと、エルの手料理の魅力に抗えなかったです」
まだ営業前とあって、ツリーハウスの食料は日持ちのする干し肉と石のように固いパン、それと岩塩だけだった。
エルシーが干し肉を湯で戻し、そこへ先日の依頼でハルが採取したハーブとキノコ(少し残っていた)を入れて昼食のスープを作ったのだ。
オレンジは、前線キャンプのスタッフが持たせてくれていた。
「俺もいいにおいに負けていたかもな。実際、すごく美味しかったし」
なぜかハルが、エヘヘ、と照れる。
「エルシーの手料理はどれも最高ですから」
「もう、ハルったら」
「新婚かよ。あー、キンキンに冷えた麦酒が飲みたいぜ」
「洞窟で好きなだけ冷たいやつが飲めるぞ」
「ナハティ、それただの『川水』や。いくら飲んでも酔わん。それに、実際に川があるかはまだわからんで」
ブラックデスが調査したのは洞窟のほんの入り口だ。その時、水が流れる音を聞いたらしいが、それだけだ。
「俺、一応、川が流れているものとして、準備してきているけどな」とバーネット。
エルシーが、私も水着を持って来ればよかったと零す。
「……俺が用意したのは『ウォーターウォーク』な」
「でも洞窟の中は暗いから、ハルの水着姿は見えないか」
聞いちゃいない。
「え、僕の? ぼ、僕だって、エルの水着姿みたかったな」
カップルの後で、バーネットは、けっ、と毒づいた。
「うちもナハティの赤ブーメラン海パンを見たかったわ~。脇が細くて、こう、くいっと腰の上まであがった凶器みたいなやつ。水に濡れたら溶けると最高やね」
「誰が履くか」
ナハティガルの剣幕に、バーネットがぷっと吹き出す。
それから呆れたように、「ラズリーお前、可愛い顔して変態だな」といった。
「てへ。それほどでも」
「褒めてねーよ!!」
ハルとエルシーがそろって笑い声をあげた。
そんなこんなで、和気藹々と夕暮れの獣道を五人で行く。
吸血という言葉の響きは不吉だが、調査相手はしょせん野生生物だ。ツリーハウスの天文台に飛来した吸血コウモリが、マントやカーテンを振り回すだけで追い払えたことからして危険度は低い。いまのところは。
キイキイという甲高い鳴き声が聞こえてきた。
夕焼け空へ目を向けると、あるいは高くあるいは低く、不規則に舞うような飛びかたをする無数の影が西へ飛んでいくの見えた。
「ついたようだな」
ジャングルに穿たれた暗い穴を最初に見つけたのは、ナハティガルだった。
●
冒険者たちは、洞窟から漂ってくる異臭に気づいた。
ラズリーが鼻をつまみ、ハルとエルシーは鼻と口を手で覆う。
「なんでしょう、この臭い?」
「ものすごくクサイね。風が冷たいのはありがたいけど」
バーネットが洞窟の周りに立つ木々をみまわす。
枝にたくさんのコウモリがぶら下がっているが、どれもじっとして動かない。
「コウモリたちの糞の匂いじゃねえか、これ? ツリーハウスを襲った吸血コウモリか、もともとこの辺りにいるフルーツコウモリか。もしかしたらその両方か」
ナハティガルの背をぽんっと叩いて、「せっかくの気遣いが無駄になっちまったな」、といった。
「ああ、意味がなかったな。ところで、誰かフルーツコウモリを一匹でも見たか?」
ハルはエルシーと、ラズリーはバーネットと顔を見合わせた。
ラズリーが鼻にかかった声でいう。
「誰も見てへんな。てか、吸血コウモリとフルーツコウモリ、なにが違うの?」
「それだ。俺たちは両者の違いを知らない。知っているのはツリーハウスを襲ったコウモリだけだ」
ツリーハウスの天文台を襲ったコウモリの体毛は黒茶で、翼を広げ切ったときの大きさが大体五十センチ。中には一メートル近い個体もいた。顔は小さなキツネ。集団で襲い掛かってこなければ、可愛らしいと感じたかもしれない。
ナハティガルはコウモリたちを指さした。
「俺が追い払った吸血コウモリととてもよく似ている。いや、同じだ。だが、餌がこんなに近くにいるというのに、彼らは襲ってこない。なぜだ?」
「腹がいっぱいなんだろう」
軽口をたたいたバーネットだが、肩が緊張でこわばっている。
「エーテルの波を広げて周囲を調べてみました。この近くには、僕たち以外に動物はいません」
エルシーが涙目でハルの調査結果を補強する。
「頑張って嗅覚を高めて調べたよ。血の匂いも腐敗臭しないから、この辺りで襲われて死んだ動物もいないのは確かだね」
「……ははん、そうか。そういうことか」
「どういうこと? もったいぶらんと教えてや、バーネット」
「私、解かったかも」
「僕も。つまり――」
「ブラックデスの調査は正しく、ここにはフルーツコウモリしかいなかったってことだ。そうだろ、ラー? つまり、変異させている何らかの原因があるはずだが……さて、洞窟の中から何が出てくることやら」
ナハティガルが頷く。
「この辺りにコウモリ以外いないのは、とっくに逃げたか、もしくは血を吸い尽くされて死んだかしたのだろう」
肉から血が完全に抜けていれば、高温多湿のジャングルでも腐敗の速度はかなり抑えられる。
でも、とエルシーとラズリーが異口同音にいった。
「エルシーどうぞ」
「ありがとうラズリー。で、それならどうして、ここにいるフルーツコウモリは吸血コウモリたちに襲われていないの?」
ハルがエルシーの疑問に一つの推測を返す。
「コウモリって社会性のある動物で、困った時は仲間同士で助け合うっていうから……もともと同じ仲間だったんだし、吸血化しても襲ったりしないのかもしれない。吸血化の原因にもよると思うけど」
すごーい、とエルシーがハルの博識ぶりに感心する。
バーネットがこほんと咳払いした。
「探検ごっこはここまで。こっからは気を引き締めていくぜ」
●
入口の天井のあたりを、コウモリたちが奇怪な鳴き声を出しながら飛びかってる。洞窟の床には大量の糞が積もっていて、すごい臭いを発していた。
「しかし、吸血化の原因が自然現象や事故でないとすれば……吸血鬼が己の眷属を増やしているとでもいうのか……?」
「可能性は高いな 。おっと、気をつけろラー。さっそく来たぜ」
バーネットは宿り木の杖を構えた。
冒険者たちの体温を感知した吸血コウモリたちが、一斉に襲い掛かってきた。
ナハティガルは吸血コウモリのアタックを巧みな足さばきでかわしながら、手にもつ剣と短剣で切り落としていく。
「吸血コウモリたちともそうですが、僕は吸血鬼さんともできるだけ争いたくありません。何かいい方法はないでしょうか?」
ハルは体内のエーテルを爆発させながら一気に跳びあがった。コウモリたちの間を縫って空中から天井を見上げる。
もしかしたら、天井に吸血鬼本人がぶら下がっているかもしれない。
「――って、やっぱりいませんね。コウモリたちとの精神接続を切ったあとに話しあえれば、と思ったのですが」
「ハル、降りてきて!」
エルシーが放った矢が、ハルの首筋を狙ったコウモリに命中した。
翼の動きが鈍り、ふらふらと跳ぶコウモリを、ハルが下降しながら空中でキャッチする。
「ハル、コウモリをここに……って、大きすぎて手袋に入らないか」
「そんなん捕まえてどないするんや?」
光の矢を撃ちながら、コウモリの羽音に負けまいとラズリーが声を張る。
「ゴールディに持ち帰って、調べてもらうつもりだよ」
バーネットが高く掲げた杖の頭から、音もなく稲妻が飛び散った。
洞窟内に白と黒の動くまだら模様を生み出したそれが、吸血コウモリたちの翼に静電気を起こし、飛行を阻害する。
「ハル、エルシー、コウモリの口に手袋をかましてロープで縛れ。噛まれるなよ。ラー、バックパックにそいつを入れられるか?」
「一匹なら」
ナハティガルがバックパックを肩から降ろすと、捕獲した吸血コウモリを押し込んだ。
「よし、先を急ぐぞ」
数を頼んで自分よりも大きな敵を倒す。――コウモリたちの理屈はそうなるが、自分がやつらの食事になるのは御免だ。
洞窟の外へ飛び出していった連中が戻ってくる前に、調査を終えてしまいたい。
冒険者たちが、ラズリーが手にするランタンの灯りと暗視を頼りに進んでいくと、手を触れる岩が湿っぽく冷々としてきた。
「川や。冷たっ」
「泳ぐのは無理そうだな」
ナハティガルがハルとエルシーを見ながら言う。
バーネットがニヤリとした。
「そこで俺の出番」
バーネットは一人ずつ、足を不可視のエーテルで包み込んだ。これで水のうえを歩くことができる。
「……天井が低くなってんな。よし、こっからは俺が先頭だ。ラーは俺と交代で、後ろを守ってくれ」
概ね勾配の一定したゆるい下り道だった。洞窟が伸びるにまかせて大樹海を下っていくにつれて、足と背中が悲鳴を上げ始める。
背の高いナハティガルにとって、中腰が続くのはつらい。バーネットが先頭を代わると言い出したのは、彼のやさしさだったのかもしれない。
ごぅと水が落ちる音が次第に大きくなってくる。
「なんだ、こいつは!?」
バーネットが大声をあげた。
天井が急に高くなったところで、すぐ大きな洞窟に続いていた。バーネットの声の反響具合から考えても、かなり巨大な洞窟のようだ。
バーネットに追いついたエルシーが前方の光景に目を見張る。
「すごい」
そびえ立つ石筍があり、巨大な洞窟の底には柔らかな燐光を発する澄み切った池があった。
池に向かって流れ落ちる滝が、崖の縁を白銀の霧で包み、時には冷たい水しぶきをあげる。池を囲む岩肌には、レースのような結晶で飾られた小さな洞穴まであった。
滝の反対側にある棚には一本の老木と草花が生えており、岩と鍾乳石の天蓋に開いた穴から差し込むわずかな月光に照らされている。
まさに自然美の極致だ。
ハルはエルシーの隣に並んだ。
「……素敵な場所ですね」
ナハティガルが、人ひとりが横になって通れる細い道を見つけた。ゆるく渦巻きながら下り、池の対岸の棚に続いている。
「かなり危なそうだな。どうする?」
「この付近に何者かの気配を感じます。それも二つ」とハル。
「うん、それに……あれ、罠っぽいね」
エルシーが指さした岩壁に、ラズリーがランタンを近づけた。
壁には彫刻された人柱が、道しるべのように立っていた。禍々しい雰囲気を発する番人は乳白色の目で瞬きもせず、下り道の際に立つ冒険者たちを監視しているかのようだ。
協議の末、壁歩きができるハルがペグを壁に打ち込んでロープを固定することになった。最初にナハティガルが、次いでバーネットが、ロープで降りながら滝の裏を調べる。
一方、エルシーとラズリーは壁の道を行く。リスの『ティム』が先行だ。道や壁が崩れ出したらハルがすぐに走って駆けつける……はずだった。
「んん? 何だろう、滝の裏にある反応が……急にこちらに近づいて――!!?」
白い布のような水の流れが一気に突き破られ、何十もの炎の玉が飛び出した。
冒険者たちが驚くと同時に、今度は大きくて黒いコウモリ、いや吸血鬼が燃えるように赤くなった滝を割って飛び出してきた。
吸血鬼は漆黒のマントを広げ、エルシーたちがいる壁に向かって空を滑るように飛んでいく。
悲鳴が上がった。
「ラズリー!」
「エルシー! いま行くよ」
滝の裏の穴から細く青白い腕が伸びて、ハルの足首を掴む。手の小ささや形からして、少女のようだ。
「は、離せ」
ナハティガルが片手で剣を振り、少女の腕を切ろうとしたがかわされた。足首を離したのだ。
拘束が解かれたハルが、ダッシュでかけだす。
極小の足場でバランスを取りながら吸血鬼と戦うエルシーたち。
バーネットが彼女たちを援護するが、ロープが揺れてしっかりと狙いがつけられない。
「くそったれ!」
「上がれ、バーネット。このままではロクに戦えない」
「わかっ……」
再び滝の裏の別の穴から短刀を握った青白い手が伸びて、バーネットとナハティガルの間のロープを切った。
「ラーッ」
バーネットが腕を下へ伸ばし、ナハティガルの手首をつかむ。
「二人が危ない。ハル、私たちはいいから助けに戻って!」
エルシーが叫ぶ。
「で、でも」
吸血鬼がハルへ顔を向けた。
あまりの異形に恐怖したハルが、細い悲鳴をあげる。
その時、リスのティムがエルシーの肩から吸血鬼の横顔目掛けて跳んだ。
思わぬ攻撃に怯んだ吸血鬼が壁から身を引く。
「ティーム!」
リスを助けようとして、エルシーが腕を出した。
その腕へ吸血鬼が長い鉤爪を伸ばす。
「あかん!!」
ラズリーはティムが跳び乗ったエルシーの腕を払い、吸血鬼の手から遠ざけた。とたん、バランスを崩して池へ落ちる。
吸血鬼がすかさずエルシーの足もとを狙い、炎の玉を放って細い道を崩した。
ハルが駆けつけて、まだ崩れていない道にエルシーを引き上げる。
池に落ちたラズリーは浮かんでこない。
銀に光る水面が割れて、長い黒髪の少女とラズリーが頭を出した。少女はラズリーを引いて岸に泳ぎつくと、ぐったりした体を棚に押しあげた。
――ええから、逃げて。
ラズリーの腕が微かに振られる。
置いて行けるか。
ナハティガルとバーネットの叫び声を、凶器のような羽音がかき消す。
吸血コウモリが川の口から噴き出し、大ホールに黒い渦を作った。凄まじい数だ。
池に無数の蛇とカニが湧いた。目がなく色が白い。もともと、洞窟に住んでいたものを吸血鬼が支配したのだろう。
「この足音はネズミ!?」
ナハティガルの顔が絶望に歪む。
吸血ネズミまで……。このままでは全滅する。
「撤退だ!」
バーネットが叫んだ時にはもう、ハルはエルシーを崖の上へ連れ戻していた。
「ラズリー、必ず助けに戻る!」
ナハティガルはバーネットの腕をよじ登った。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準4 / 4〜4人
2021年07月29日 11時24分57秒 公開
相談掲示板
シューターのエルシー・サリバンだよ。ヨロシクね。 前回、吸血コウモリの件が気になってたのでハルと来たよ。 捜波は持つね。暗視もあるなら持った方が良いよね? それと垂直に落ちちゃうのは困るので足元に用心して進むか お互いにロープで繋がって距離を空けて歩く…のかな?ここはみんなに合せるね。 戦闘目的じゃないのと、光が苦手そうだから、何かあったらエンライトで怯ませようと思うよ。 相手が活動的な時間の方が出会えそうなので、入るのは『夕』でどうかな? 夜行性の動物を避けるなら『朝』が良いと思うし、ここも皆に合せるね。
シーフのナハティガル=ラーだ。今回は宜しく頼む。 ――ツリーハウス作りの時に群がって来た吸血コウモリ発生に、何らかの事情があったとはな。 >活動時間 吸血コウモリが寝ている間に調査を行う場合は『朝』、活動時間中に調査を行うなら『夕』だろうか? この辺りは他参加者の意見をもっと聞いてから最終決定したい処。 >OPの親子 現時点ではPL情報だが、恐らくはこの親子の存在と吸血コウモリの発生は関係があるのだろうな。 >スキル 俺は【探波】【暗視】【超聴覚】を持って行く予定だ。 昼・夜どちらでも洞窟内は暗いだろうから、【暗視】かエンライト・ランタン等の光源は必須になるかと。
キャスターのバーネット・フォーサイスだ。 まぁ、よろしく頼むわ。 >時間帯 リスクを軽減するなら朝や昼の方が良いんだろうが、より詳細を把握するなら 夕に調査を始める方が良さそうだな。 まぁ、俺もそこの所は皆の希望次第だが、夕に調査でも問題はないと思う。 >探索 縦方向の移動が必要になる事を考えると、ロープの類は必要だろうな。 あとは、ロープの固定用に楔だとかも用意して、洞窟の壁面に打ち付けておく必要もあるか? 暗視に関しては可能なら用意できた方が良さそうだな。 灯りにせよエンライトにせよ、照らす範囲とか時間に制限があるし。
遅くなりました、シーフのハルです よろしくお願いします 僕も夕方良いとおもうです! コウモリはお外に出てる可能性が高いですし 洞窟の中なら光の有無はあまり関係がないですし 了解です【暗視】持っていこうと思います ほかは、【壁歩き】持っていきますね もし縦穴があったら先におりてロープの固定と安全確認をするのですよ あとは、【看破】と【探波】かな? まだちょっとこのふたつは悩んでるですよ
『夕』で良いみたいだね。 調査依頼だけど、吸血カニ、吸血ヘビとかは 危険生物なのに倒しちゃうか、捕獲して持ち帰ろうと思うの。 それと、初めの発言で【捜波】を持つと話したけど 女の子のお友達が欲しいって事なので【感波】に変更しようと思うよ。 他はプレイングを書き始めないと思い浮かばない質なので 何か気付いたら改めてお話しさせてね。 準備とかでして欲しい事があれば遠慮せず言ってね。
>捕獲 サンプルとして持ち帰るのは問題無いとは思うが、探索するのに嵩張りそうでもあるから、 捕獲するなら帰り道の方が良さそうか? あと、必要なら光縛呪も俺の方で用意しようか? >探索 そういえば、洞窟内は地下川が流れているって事だし、川を渡ったりとかを考えて、 ウォーターウォークも用意しておく。
>時間帯 では、『夕』に探索する方向で。 >スキル 特性:壁歩き/トリプルファング 汎用:暗視/超聴覚 アクション:フェザーステップ/疾風足//闘気槌2/スカウトの心得 ――上記の構成で行く予定だ。
>捕獲するなら帰り道 了解だよ、暴れさせないようにロープかブランケットでグル巻にするね。 洞口の奥に行くと水の中を歩く前提だからウォーターウォークがとっても嬉しい。 >毎晩少しずつ数を増やしているようだ。 って事だから、増える理由を突き止めれるように考えるね。
>スキル すまん。訂正がある。 特性:壁歩き/探波 汎用:暗視/超聴覚 アクション:フェザーステップ/疾風足/闘気槌2/衝撃刃3 ――上記の予定だ。
夕方了解です! どのスキルもとてもありがたいのばかり 僕はこんな感じで行きますね! 捜波・改/壁歩き 位置感覚/暗視 エアーライド/ヒール/疾風足/闘気槌
うぬぬ、色々考えた結果位置感覚ではなくジャマーを持って行ってみることにしました。