命の重さを量るモノ
ゆうきつかさ
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シナリオID:1135
オープニング
●クリエスター山脈【地下】
コボルト達にとって、好都合だったのは、授恵者が邪魔をしなかった事だった。
そのため、コボルト達は、やりたい放題。
ドワーフ達を蹴散らし、彼らが見つけた鉱脈を占拠した。
それはドワーフ達にとって、由々しき事態。
しかも、コボルト達は蹴散らしたドワーフ達を奴隷にして、採掘作業をさせているようである。
「あいつらが何を言っていたのか分からねぇが、捕まった奴らは犬のように扱われている。だから、何を言っているのか分からなくても、自分の頭で考えて、正解を見つけるしかねぇ。そんな状態の仲間を見捨てる事が出来ず、何度も助けに行ったんだが、俺達じゃ勝ち目がねぇ。だから頼む! コボルト達を倒して、仲間達を救ってくれ!」
依頼をしてきたのは、ドワーフのひとりだった。
彼の話では、コボルト達は、捕まえたドワーフの首を縄で縛り、まるで犬のように扱っているらしい。
実際に、犬を躾けるような感じで、ドワーフ達に指示を出しているらしく、怒り狂ったコボルト達に鞭を打たれ、力尽きてしまったドワーフもいるようである。
「本当だったら、俺達が助けに行くべきだが、仲間達を人質にされたんじゃ、手も足も出ねぇ。そのせいで、このザマさ」
依頼をしてきたドワーフが、深い溜息を洩らした。
人質さえいなければ、コボルト達を追い払う事が出来たかも知れない。
だが、人質を見捨てて、戦う事が出来る程、心を鬼にする事が出来なかった。
そのため、授恵者達に頼って、冒険者ギルドに依頼を持ち込んだようである。
コボルト達にとって、好都合だったのは、授恵者が邪魔をしなかった事だった。
そのため、コボルト達は、やりたい放題。
ドワーフ達を蹴散らし、彼らが見つけた鉱脈を占拠した。
それはドワーフ達にとって、由々しき事態。
しかも、コボルト達は蹴散らしたドワーフ達を奴隷にして、採掘作業をさせているようである。
「あいつらが何を言っていたのか分からねぇが、捕まった奴らは犬のように扱われている。だから、何を言っているのか分からなくても、自分の頭で考えて、正解を見つけるしかねぇ。そんな状態の仲間を見捨てる事が出来ず、何度も助けに行ったんだが、俺達じゃ勝ち目がねぇ。だから頼む! コボルト達を倒して、仲間達を救ってくれ!」
依頼をしてきたのは、ドワーフのひとりだった。
彼の話では、コボルト達は、捕まえたドワーフの首を縄で縛り、まるで犬のように扱っているらしい。
実際に、犬を躾けるような感じで、ドワーフ達に指示を出しているらしく、怒り狂ったコボルト達に鞭を打たれ、力尽きてしまったドワーフもいるようである。
「本当だったら、俺達が助けに行くべきだが、仲間達を人質にされたんじゃ、手も足も出ねぇ。そのせいで、このザマさ」
依頼をしてきたドワーフが、深い溜息を洩らした。
人質さえいなければ、コボルト達を追い払う事が出来たかも知れない。
だが、人質を見捨てて、戦う事が出来る程、心を鬼にする事が出来なかった。
そのため、授恵者達に頼って、冒険者ギルドに依頼を持ち込んだようである。
解説
戦闘が行われるのは、坑道内です。
坑道内は二人通れる程度の広さしかないため、コボルト達の生活エリアまで攻め込んでいく必要があります。
ただし、その近くでドワーフ達が作業をしているため、人質に取られてしまうかも知れません。
基本的には、コボルト達を全滅させる事が出来れば成功ですが、可能な限りドワーフも助けておきましょう。
【コボルト】
革の鎧で武装したコボルト達です。
剣や斧を振り回して襲い掛かってきます。
【眼帯コボルト】
鞭を振り回して、ドワーフに採掘作業をさせています。
【ボスコボルト】
コボルト達のリーダーです。
全身に傷跡があり、他のコボルトと比べて、筋肉質です。
鋼の鎧を纏っており、ハンマーを振りまわして、攻撃を仕掛けてきます。
マスターより
どうも、ゆうきつかさです。
今回の目的は、鉱脈を占拠しているコボルト達を殲滅する事です。
コボルト達の数は、参加した人数で対応できる数であると考えてください。
ボスコボルトを倒す事が出来れば、他のコボルト達は逃げていきます。
オープニングに書かれていない事は、都合よく解釈してかまいません。
他のプレイングと矛盾が無いように調整しながら、採用していこうと思っています。
リプレイ
●クリエスター山脈
「コボルトのくせに、ドワーフを犬のようにしてるだとふざけやがって」
ケン・Z・ブラッドリーは仲間達と共に、クリエスター山脈の地下にある坑道にやってきた。
坑道は迷路のように入り組んでおり、その場所に住んでいるドワーフがいなければ、途中で迷ってしまう程だった。
幸い、ケン達は途中までドワーフ達に案内をしてもらったため、迷う事なく目的の場所まで行く事が出来た。
その途端、坑道の奥から漂ってきたのは、何かが腐ったようなニオイであった。
そのニオイには、むせ返るほど濃厚なケモノ臭が混ざっており、息をするだけでも苦痛であった。
それでも、ケンは怯む事なく天眼と暗視を駆使して、視野と視界を確保しつつ、坑道の奥に進んでいった。
「これは……、真正面からぶつかっても勝ち目が薄そうじゃの」
夕霧が警戒した様子で岩陰に身を隠し、暗視と捜波と探波を使って、辺りの様子を窺った。
その視線の先には、コボルト達がおり、首に縄をつけたドワーフ達に鞭を打ち、延々と採掘作業をさせていた。
その場所は広場のようになっており、ドワーフ達が何度もツルハシを振り下ろし、虚ろな表情を浮かべていた。
「みんな油断しているようだね」
そんな中、コハクが超聴覚と超嗅覚を駆使して、音やニオイから坑道内の様子を探った。
コボルト達は坑道内で恐れる存在がいなかったため、好き放題やっているらしく、何も怖いモノがないほど、強気になっているようだった。
それでも、ドワーフ達が今まで何もしなかった訳ではない。
何度もコボルト達に攻撃を仕掛けていったものの、ボスコボルトに勝てず、返り討ち。
その事が原因で、奴隷になってしまったドワーフも、決して少なくはないようだ。
「……とは言え、状況的に回り込むのは無理そうね」
エデル=マグノリアが複雑な気持ちになりながら、岩の後ろに身を隠した。
コボルト達の棲み処に行く事が出来るのは、エデル達が今いる坑道からのみ。
それ以外のルートが存在していないため、奇襲を仕掛ける事は不可能だった。
だが、逆に言えばコボルト達には逃げ道がないため、やり方次第で戦闘を優位に進める事が出来そうだ。
「だったら、速攻でコボルト達を殲滅して、ドワーフ達を解放するだけだ」
アルベルト=V=シュタールシュヴェーアトが攻撃を仕掛けるタイミングをうかがいながら、少しずつ距離を縮めていった。
コボルト達はドワーフ達に鞭を打つのに夢中で、アルベルト達には気づいていなかった。
おそらく、ドワーフ達は士気を高めるため、雄叫びを響かせながら、コボルト達に突っ込んでいったのだろう。
そのせいで、返り討ちに遭っていたようだが、その事をドワーフ達に指摘するのは野暮だろう。
「だったら、すぐに始めよう」
その気持ちに応えるようにして、コハクが隠蔽を駆使して、コボルトの背後に回り込み、鳴き声を上げる前に息の根を止めた。
それと同時に、コボルトが眠るようにして崩れ落ち、そのままピクリとも動かなくなった。
「……!」
その途端、近くにいたコボルトが、驚いた様子で、鳴き声を上げようとした。
「ああ、そうだな」
次の瞬間、ケンがチャージングで肉薄し、鳴き声を上げようとしていたコボルトの首を刎ねた。
それはコボルトにとって、一瞬の出来事であった。
それでも、首が地面に落下するまでの間は、時間がゆっくりと進んでいるような錯覚に襲われていた。
だが、コボルトには、何も出来ない。
何かしなければいけない事が分かっていても、時間を戻す術はない。
それどころか、生命の灯が消える瞬間まで、苦しみと痛みと絶望を与え続けていた。
「ギャッギャッギャギャッ!」
だが、他のコボルト達はまったく気づいていなかった。
その間も、ドワーフ達をいたぶり、ゴキゲンな様子であった。
「だからと言って、ここで焦りは禁物じゃ」
一方、夕霧はコボルトの進行路に、いくつかトラップを仕掛けていった。
それはペグとロープを使った簡素なモノであったが、限られた時間の中で作成する事が出来た。
「……ギャ? ギャギャギャ!」
その作業に気づいたコボルトが、興奮した様子で鳴き声を響かせ、夕霧達に迫っていった。
「こっちじゃ!」
すぐさま、夕霧が大声を上げ、コボルト達を挑発し始めた。
「ギャッギャッギャアアアアアアアアア!」
その挑発に乗ったコボルト達が剣を振り上げ、一斉に襲いかかってきた。
しかし、コボルト達は気づいていない。
自分達が向かった先に、トラップが仕掛けられている事を……。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
それと同時にコボルト達が悲鳴を響かせ、前のめりにズッコけた。
しかも、まったく予想をしていなかったため、誰ひとりとして立ち上がる事さえ出来なかった。
それどころか、互いに足を引っ張り合い、起き上がる事さえ出来ず、その不満をぶつけるようにして、悪態をつきまくっていた。
「……」
その隙をつくようにして、コハクが舞い踊るようにして、ダブルエッジを繰り出し、近くにいたコボルトを切り捨てた。
それに合わせて、夕霧もコボルトの背後に回り込み、ノービスレイピアで首を衝いた。
「ギャッギャッギャアアアアアアアアアアアア!」
その騒ぎを聞きつけたコボルト達が、次々と剣を取って、夕霧に襲いかかっていった。
「この『コボルトの敵』が貴様等を殲滅する!!」
それを迎え撃つようにして、アルベルトが鋭撃2を仕掛け、先頭にいたコボルトを斬りつけた。
「ギャッギャッギャアアアアアアアアアアアア!」
それでも、コボルトが両目を血走らせ、アルベルトの首元に食らいつきそうな勢いで、牙を剥き出しにした。
だが、その気持ちに反して、牙はまったく届かず、アルベルトが放った次の一撃で、生命の灯が断末魔と共に消え去った。
「……動けますか? もう大丈夫ですからね」
その間に、エデルが首に縄をつけられたドワーフに駆け寄り、ヒールを使って治療すると、肩を貸して安全な場所まで避難しようとした。
しかし、ドワーフは飲まず食わずで作業を強要されていたため、今にも倒れそうな勢いでフラついていた。
この様子では、空腹と喉の渇きで、意識が朦朧としているのだろう。
だからと言って、この場所で食事をさせる事は、自殺行為に等しかった。
そんな危険を冒してまで食事をさせる訳には行かないため、必死に励ましながら一歩ずつ確実に進んでいった。
「ギャッギャッギャギャ!」
その邪魔をするようにして、コボルト達が興奮気味に剣を振り回し、エデルに斬りかかっていこうとした。
「邪魔はさせない」
すぐさま、コハクが先手必勝でエーテルを体内に巡らせ、反応速度を高めると、壁を歩くようにして、近くにいたコボルトの首を刎ねた。
それに合わせて、夕霧が別のコボルトの死角に回り込み、ノービスレイピアで身体を貫いた。
「これが貴様らの未来だ」
即座に、コハクがコボルトの首を拾い上げ、まわりにいたコボルト達に警告すると、黒刀についた血を勢いよく振り払った。
「……!」
その気迫に圧倒されたコボルト達が、剣を構えたまま、ジリジリと後ろに下がっていった。
「ギャッギャッ!」
その事に苛立ちを覚えた眼帯コボルトが、鞭を何度も振り下ろし、コボルト達を嗾けた。
それでも、恐怖の方が勝っているのか、コボルト達は動けなかった。
それが最悪の選択である事を頭で理解していても、身体が拒絶反応を示していた。
「さぁ早く逃げるんだ」
その隙をつくようにして、ケンがドワーフの首に繋がれているロープを切断し、殺界でエーテル光を首狩刀『SHIMADZU』に纏わせ、同時に不可視のエーテルを範囲内へ張り巡らせた。
「ギギギィ!」
その事に危機感を覚えた眼帯コボルトが、苛立ちを隠せない様子で、何度も鞭を叩きつけた。
しかし、コボルト達は置物の如く、その場から動こうとしなかった。
「ここはよろしくお願いします」
その間に、エデルがドワーフに肩を貸しながら、仲間達の無事を祈りつつ、坑道まで避難していった。
「ああ、任せろ!」
一方、アルベルトは棒立ちになったコボルト達に狙いを定め、闘気槌3を繰り出すと、巨大な光塊を纏ったダマスカス鋼の大太刀Reを振り下ろした。
「それじゃぁ……、一狩りいきますか。……と言うか、あんたら終わったな」
それに合わせて、ケンがコボルト達に斬りかかり、次々とトドメをさした。
「ギャッギャッ!」
そんな中、眼帯コボルトが捨て身の覚悟で鞭を振り上げたものの、その首はケンによって刎ねられ、華麗に宙を舞っていた。
「グオォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!」
次の瞬間、ボスコボルトが咆哮を響かせながら、ハンマーを振り上げて襲い掛かってきた。
この様子では、先程までコボルト達の戦いを見守っていたのだろう。
臆病者など、この場所に必要ないと言わんばかりにハンマーを振り回し、邪魔なコボルト達を殴り飛ばしながら、一気に距離を縮めてきた。
「まさか、味方も巻き込んで、攻撃してくるとは……」
夕霧が呆れた様子で、その場から飛び退き、ボスコボルトの動きが止まった瞬間を狙って、ノービスレイピアで容赦なく衝いた。
「グガァァァァァァァァァァァァァァ!」
その一撃を食らったボスコボルトが、力任せにハンマーを振り上げた。
「それで俺達を叩き潰すつもりか? だったら、無理だ。……諦めろ」
それと同時に、アルベルトが紫電一閃を繰り出し、ボスコボルトの右腕を斬り落とした。
その拍子にハンマーごと右腕が地面に落下し、大量の血が地面を真っ赤に染めた。
「グギィィィィィィィィィィィィィィィィ!」
その事でボスコボルトが殺意を剥き出しにしたものの、ハンマーを失った事で戦う術は残されていなかった。
「それじゃぁそろそろ、その首狩らせてもらおうか!!」
次の瞬間、ケンが一気に間合いを詰め、ボスコボルトの首を刎ねた。
ボスコボルトの首は、真っ赤な血を撒き散らし、弧を描くようにして地面に落下した。
そして、主を失ったボスコボルトの巨体が、轟音と共に崩れ落ちた。
「皆さん、お怪我は……! とりあえず、治療をしておきますね」
そんな中、エデルがドワーフ達の避難を終え、仲間達の治療をするのであった。
「コボルトのくせに、ドワーフを犬のようにしてるだとふざけやがって」
ケン・Z・ブラッドリーは仲間達と共に、クリエスター山脈の地下にある坑道にやってきた。
坑道は迷路のように入り組んでおり、その場所に住んでいるドワーフがいなければ、途中で迷ってしまう程だった。
幸い、ケン達は途中までドワーフ達に案内をしてもらったため、迷う事なく目的の場所まで行く事が出来た。
その途端、坑道の奥から漂ってきたのは、何かが腐ったようなニオイであった。
そのニオイには、むせ返るほど濃厚なケモノ臭が混ざっており、息をするだけでも苦痛であった。
それでも、ケンは怯む事なく天眼と暗視を駆使して、視野と視界を確保しつつ、坑道の奥に進んでいった。
「これは……、真正面からぶつかっても勝ち目が薄そうじゃの」
夕霧が警戒した様子で岩陰に身を隠し、暗視と捜波と探波を使って、辺りの様子を窺った。
その視線の先には、コボルト達がおり、首に縄をつけたドワーフ達に鞭を打ち、延々と採掘作業をさせていた。
その場所は広場のようになっており、ドワーフ達が何度もツルハシを振り下ろし、虚ろな表情を浮かべていた。
「みんな油断しているようだね」
そんな中、コハクが超聴覚と超嗅覚を駆使して、音やニオイから坑道内の様子を探った。
コボルト達は坑道内で恐れる存在がいなかったため、好き放題やっているらしく、何も怖いモノがないほど、強気になっているようだった。
それでも、ドワーフ達が今まで何もしなかった訳ではない。
何度もコボルト達に攻撃を仕掛けていったものの、ボスコボルトに勝てず、返り討ち。
その事が原因で、奴隷になってしまったドワーフも、決して少なくはないようだ。
「……とは言え、状況的に回り込むのは無理そうね」
エデル=マグノリアが複雑な気持ちになりながら、岩の後ろに身を隠した。
コボルト達の棲み処に行く事が出来るのは、エデル達が今いる坑道からのみ。
それ以外のルートが存在していないため、奇襲を仕掛ける事は不可能だった。
だが、逆に言えばコボルト達には逃げ道がないため、やり方次第で戦闘を優位に進める事が出来そうだ。
「だったら、速攻でコボルト達を殲滅して、ドワーフ達を解放するだけだ」
アルベルト=V=シュタールシュヴェーアトが攻撃を仕掛けるタイミングをうかがいながら、少しずつ距離を縮めていった。
コボルト達はドワーフ達に鞭を打つのに夢中で、アルベルト達には気づいていなかった。
おそらく、ドワーフ達は士気を高めるため、雄叫びを響かせながら、コボルト達に突っ込んでいったのだろう。
そのせいで、返り討ちに遭っていたようだが、その事をドワーフ達に指摘するのは野暮だろう。
「だったら、すぐに始めよう」
その気持ちに応えるようにして、コハクが隠蔽を駆使して、コボルトの背後に回り込み、鳴き声を上げる前に息の根を止めた。
それと同時に、コボルトが眠るようにして崩れ落ち、そのままピクリとも動かなくなった。
「……!」
その途端、近くにいたコボルトが、驚いた様子で、鳴き声を上げようとした。
「ああ、そうだな」
次の瞬間、ケンがチャージングで肉薄し、鳴き声を上げようとしていたコボルトの首を刎ねた。
それはコボルトにとって、一瞬の出来事であった。
それでも、首が地面に落下するまでの間は、時間がゆっくりと進んでいるような錯覚に襲われていた。
だが、コボルトには、何も出来ない。
何かしなければいけない事が分かっていても、時間を戻す術はない。
それどころか、生命の灯が消える瞬間まで、苦しみと痛みと絶望を与え続けていた。
「ギャッギャッギャギャッ!」
だが、他のコボルト達はまったく気づいていなかった。
その間も、ドワーフ達をいたぶり、ゴキゲンな様子であった。
「だからと言って、ここで焦りは禁物じゃ」
一方、夕霧はコボルトの進行路に、いくつかトラップを仕掛けていった。
それはペグとロープを使った簡素なモノであったが、限られた時間の中で作成する事が出来た。
「……ギャ? ギャギャギャ!」
その作業に気づいたコボルトが、興奮した様子で鳴き声を響かせ、夕霧達に迫っていった。
「こっちじゃ!」
すぐさま、夕霧が大声を上げ、コボルト達を挑発し始めた。
「ギャッギャッギャアアアアアアアアア!」
その挑発に乗ったコボルト達が剣を振り上げ、一斉に襲いかかってきた。
しかし、コボルト達は気づいていない。
自分達が向かった先に、トラップが仕掛けられている事を……。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
それと同時にコボルト達が悲鳴を響かせ、前のめりにズッコけた。
しかも、まったく予想をしていなかったため、誰ひとりとして立ち上がる事さえ出来なかった。
それどころか、互いに足を引っ張り合い、起き上がる事さえ出来ず、その不満をぶつけるようにして、悪態をつきまくっていた。
「……」
その隙をつくようにして、コハクが舞い踊るようにして、ダブルエッジを繰り出し、近くにいたコボルトを切り捨てた。
それに合わせて、夕霧もコボルトの背後に回り込み、ノービスレイピアで首を衝いた。
「ギャッギャッギャアアアアアアアアアアアア!」
その騒ぎを聞きつけたコボルト達が、次々と剣を取って、夕霧に襲いかかっていった。
「この『コボルトの敵』が貴様等を殲滅する!!」
それを迎え撃つようにして、アルベルトが鋭撃2を仕掛け、先頭にいたコボルトを斬りつけた。
「ギャッギャッギャアアアアアアアアアアアア!」
それでも、コボルトが両目を血走らせ、アルベルトの首元に食らいつきそうな勢いで、牙を剥き出しにした。
だが、その気持ちに反して、牙はまったく届かず、アルベルトが放った次の一撃で、生命の灯が断末魔と共に消え去った。
「……動けますか? もう大丈夫ですからね」
その間に、エデルが首に縄をつけられたドワーフに駆け寄り、ヒールを使って治療すると、肩を貸して安全な場所まで避難しようとした。
しかし、ドワーフは飲まず食わずで作業を強要されていたため、今にも倒れそうな勢いでフラついていた。
この様子では、空腹と喉の渇きで、意識が朦朧としているのだろう。
だからと言って、この場所で食事をさせる事は、自殺行為に等しかった。
そんな危険を冒してまで食事をさせる訳には行かないため、必死に励ましながら一歩ずつ確実に進んでいった。
「ギャッギャッギャギャ!」
その邪魔をするようにして、コボルト達が興奮気味に剣を振り回し、エデルに斬りかかっていこうとした。
「邪魔はさせない」
すぐさま、コハクが先手必勝でエーテルを体内に巡らせ、反応速度を高めると、壁を歩くようにして、近くにいたコボルトの首を刎ねた。
それに合わせて、夕霧が別のコボルトの死角に回り込み、ノービスレイピアで身体を貫いた。
「これが貴様らの未来だ」
即座に、コハクがコボルトの首を拾い上げ、まわりにいたコボルト達に警告すると、黒刀についた血を勢いよく振り払った。
「……!」
その気迫に圧倒されたコボルト達が、剣を構えたまま、ジリジリと後ろに下がっていった。
「ギャッギャッ!」
その事に苛立ちを覚えた眼帯コボルトが、鞭を何度も振り下ろし、コボルト達を嗾けた。
それでも、恐怖の方が勝っているのか、コボルト達は動けなかった。
それが最悪の選択である事を頭で理解していても、身体が拒絶反応を示していた。
「さぁ早く逃げるんだ」
その隙をつくようにして、ケンがドワーフの首に繋がれているロープを切断し、殺界でエーテル光を首狩刀『SHIMADZU』に纏わせ、同時に不可視のエーテルを範囲内へ張り巡らせた。
「ギギギィ!」
その事に危機感を覚えた眼帯コボルトが、苛立ちを隠せない様子で、何度も鞭を叩きつけた。
しかし、コボルト達は置物の如く、その場から動こうとしなかった。
「ここはよろしくお願いします」
その間に、エデルがドワーフに肩を貸しながら、仲間達の無事を祈りつつ、坑道まで避難していった。
「ああ、任せろ!」
一方、アルベルトは棒立ちになったコボルト達に狙いを定め、闘気槌3を繰り出すと、巨大な光塊を纏ったダマスカス鋼の大太刀Reを振り下ろした。
「それじゃぁ……、一狩りいきますか。……と言うか、あんたら終わったな」
それに合わせて、ケンがコボルト達に斬りかかり、次々とトドメをさした。
「ギャッギャッ!」
そんな中、眼帯コボルトが捨て身の覚悟で鞭を振り上げたものの、その首はケンによって刎ねられ、華麗に宙を舞っていた。
「グオォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!」
次の瞬間、ボスコボルトが咆哮を響かせながら、ハンマーを振り上げて襲い掛かってきた。
この様子では、先程までコボルト達の戦いを見守っていたのだろう。
臆病者など、この場所に必要ないと言わんばかりにハンマーを振り回し、邪魔なコボルト達を殴り飛ばしながら、一気に距離を縮めてきた。
「まさか、味方も巻き込んで、攻撃してくるとは……」
夕霧が呆れた様子で、その場から飛び退き、ボスコボルトの動きが止まった瞬間を狙って、ノービスレイピアで容赦なく衝いた。
「グガァァァァァァァァァァァァァァ!」
その一撃を食らったボスコボルトが、力任せにハンマーを振り上げた。
「それで俺達を叩き潰すつもりか? だったら、無理だ。……諦めろ」
それと同時に、アルベルトが紫電一閃を繰り出し、ボスコボルトの右腕を斬り落とした。
その拍子にハンマーごと右腕が地面に落下し、大量の血が地面を真っ赤に染めた。
「グギィィィィィィィィィィィィィィィィ!」
その事でボスコボルトが殺意を剥き出しにしたものの、ハンマーを失った事で戦う術は残されていなかった。
「それじゃぁそろそろ、その首狩らせてもらおうか!!」
次の瞬間、ケンが一気に間合いを詰め、ボスコボルトの首を刎ねた。
ボスコボルトの首は、真っ赤な血を撒き散らし、弧を描くようにして地面に落下した。
そして、主を失ったボスコボルトの巨体が、轟音と共に崩れ落ちた。
「皆さん、お怪我は……! とりあえず、治療をしておきますね」
そんな中、エデルがドワーフ達の避難を終え、仲間達の治療をするのであった。
マスターコメント
今回は、誰がMVPになっても、おかしくない程、素晴らしいプレイングばかりでした。
ショートシナリオ普通 報酬:標準5 / 4〜8人
2021年07月18日 21時30分12秒 公開
大成功