命の重さを量るモノ

ゆうきつかさ

コメント 2

シナリオID:1135

オープニング

●クリエスター山脈【地下】
 コボルト達にとって、好都合だったのは、授恵者が邪魔をしなかった事だった。
 そのため、コボルト達は、やりたい放題。
 ドワーフ達を蹴散らし、彼らが見つけた鉱脈を占拠した。
 それはドワーフ達にとって、由々しき事態。
 しかも、コボルト達は蹴散らしたドワーフ達を奴隷にして、採掘作業をさせているようである。
「あいつらが何を言っていたのか分からねぇが、捕まった奴らは犬のように扱われている。だから、何を言っているのか分からなくても、自分の頭で考えて、正解を見つけるしかねぇ。そんな状態の仲間を見捨てる事が出来ず、何度も助けに行ったんだが、俺達じゃ勝ち目がねぇ。だから頼む! コボルト達を倒して、仲間達を救ってくれ!」
 依頼をしてきたのは、ドワーフのひとりだった。
 彼の話では、コボルト達は、捕まえたドワーフの首を縄で縛り、まるで犬のように扱っているらしい。
 実際に、犬を躾けるような感じで、ドワーフ達に指示を出しているらしく、怒り狂ったコボルト達に鞭を打たれ、力尽きてしまったドワーフもいるようである。
「本当だったら、俺達が助けに行くべきだが、仲間達を人質にされたんじゃ、手も足も出ねぇ。そのせいで、このザマさ」
 依頼をしてきたドワーフが、深い溜息を洩らした。
 人質さえいなければ、コボルト達を追い払う事が出来たかも知れない。
 だが、人質を見捨てて、戦う事が出来る程、心を鬼にする事が出来なかった。
 そのため、授恵者達に頼って、冒険者ギルドに依頼を持ち込んだようである。

解説

 戦闘が行われるのは、坑道内です。  坑道内は二人通れる程度の広さしかないため、コボルト達の生活エリアまで攻め込んでいく必要があります。  ただし、その近くでドワーフ達が作業をしているため、人質に取られてしまうかも知れません。  基本的には、コボルト達を全滅させる事が出来れば成功ですが、可能な限りドワーフも助けておきましょう。 【コボルト】  革の鎧で武装したコボルト達です。  剣や斧を振り回して襲い掛かってきます。 【眼帯コボルト】  鞭を振り回して、ドワーフに採掘作業をさせています。 【ボスコボルト】  コボルト達のリーダーです。  全身に傷跡があり、他のコボルトと比べて、筋肉質です。  鋼の鎧を纏っており、ハンマーを振りまわして、攻撃を仕掛けてきます。

マスターより

 どうも、ゆうきつかさです。  今回の目的は、鉱脈を占拠しているコボルト達を殲滅する事です。  コボルト達の数は、参加した人数で対応できる数であると考えてください。  ボスコボルトを倒す事が出来れば、他のコボルト達は逃げていきます。  オープニングに書かれていない事は、都合よく解釈してかまいません。  他のプレイングと矛盾が無いように調整しながら、採用していこうと思っています。

リプレイ

●クリエスター山脈
「コボルトのくせに、ドワーフを犬のようにしてるだとふざけやがって」
 ケン・Z・ブラッドリーは仲間達と共に、クリエスター山脈の地下にある坑道にやってきた。
 坑道は迷路のように入り組んでおり、その場所に住んでいるドワーフがいなければ、途中で迷ってしまう程だった。
 幸い、ケン達は途中までドワーフ達に案内をしてもらったため、迷う事なく目的の場所まで行く事が出来た。
 その途端、坑道の奥から漂ってきたのは、何かが腐ったようなニオイであった。
 そのニオイには、むせ返るほど濃厚なケモノ臭が混ざっており、息をするだけでも苦痛であった。
 それでも、ケンは怯む事なく天眼と暗視を駆使して、視野と視界を確保しつつ、坑道の奥に進んでいった。
「これは……、真正面からぶつかっても勝ち目が薄そうじゃの」
 夕霧が警戒した様子で岩陰に身を隠し、暗視と捜波と探波を使って、辺りの様子を窺った。
 その視線の先には、コボルト達がおり、首に縄をつけたドワーフ達に鞭を打ち、延々と採掘作業をさせていた。
 その場所は広場のようになっており、ドワーフ達が何度もツルハシを振り下ろし、虚ろな表情を浮かべていた。
「みんな油断しているようだね」
 そんな中、コハクが超聴覚と超嗅覚を駆使して、音やニオイから坑道内の様子を探った。
 コボルト達は坑道内で恐れる存在がいなかったため、好き放題やっているらしく、何も怖いモノがないほど、強気になっているようだった。
 それでも、ドワーフ達が今まで何もしなかった訳ではない。
 何度もコボルト達に攻撃を仕掛けていったものの、ボスコボルトに勝てず、返り討ち。
 その事が原因で、奴隷になってしまったドワーフも、決して少なくはないようだ。
「……とは言え、状況的に回り込むのは無理そうね」
 エデル=マグノリアが複雑な気持ちになりながら、岩の後ろに身を隠した。
 コボルト達の棲み処に行く事が出来るのは、エデル達が今いる坑道からのみ。
 それ以外のルートが存在していないため、奇襲を仕掛ける事は不可能だった。
 だが、逆に言えばコボルト達には逃げ道がないため、やり方次第で戦闘を優位に進める事が出来そうだ。
「だったら、速攻でコボルト達を殲滅して、ドワーフ達を解放するだけだ」
 アルベルト=V=シュタールシュヴェーアトが攻撃を仕掛けるタイミングをうかがいながら、少しずつ距離を縮めていった。
 コボルト達はドワーフ達に鞭を打つのに夢中で、アルベルト達には気づいていなかった。
 おそらく、ドワーフ達は士気を高めるため、雄叫びを響かせながら、コボルト達に突っ込んでいったのだろう。
 そのせいで、返り討ちに遭っていたようだが、その事をドワーフ達に指摘するのは野暮だろう。
「だったら、すぐに始めよう」
 その気持ちに応えるようにして、コハクが隠蔽を駆使して、コボルトの背後に回り込み、鳴き声を上げる前に息の根を止めた。
 それと同時に、コボルトが眠るようにして崩れ落ち、そのままピクリとも動かなくなった。
「……!」
 その途端、近くにいたコボルトが、驚いた様子で、鳴き声を上げようとした。
「ああ、そうだな」
 次の瞬間、ケンがチャージングで肉薄し、鳴き声を上げようとしていたコボルトの首を刎ねた。
 それはコボルトにとって、一瞬の出来事であった。
 それでも、首が地面に落下するまでの間は、時間がゆっくりと進んでいるような錯覚に襲われていた。
 だが、コボルトには、何も出来ない。
 何かしなければいけない事が分かっていても、時間を戻す術はない。
 それどころか、生命の灯が消える瞬間まで、苦しみと痛みと絶望を与え続けていた。
「ギャッギャッギャギャッ!」
 だが、他のコボルト達はまったく気づいていなかった。
 その間も、ドワーフ達をいたぶり、ゴキゲンな様子であった。
「だからと言って、ここで焦りは禁物じゃ」
 一方、夕霧はコボルトの進行路に、いくつかトラップを仕掛けていった。
 それはペグとロープを使った簡素なモノであったが、限られた時間の中で作成する事が出来た。
「……ギャ? ギャギャギャ!」
 その作業に気づいたコボルトが、興奮した様子で鳴き声を響かせ、夕霧達に迫っていった。
「こっちじゃ!」
 すぐさま、夕霧が大声を上げ、コボルト達を挑発し始めた。
「ギャッギャッギャアアアアアアアアア!」
 その挑発に乗ったコボルト達が剣を振り上げ、一斉に襲いかかってきた。
 しかし、コボルト達は気づいていない。
 自分達が向かった先に、トラップが仕掛けられている事を……。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
 それと同時にコボルト達が悲鳴を響かせ、前のめりにズッコけた。
 しかも、まったく予想をしていなかったため、誰ひとりとして立ち上がる事さえ出来なかった。
 それどころか、互いに足を引っ張り合い、起き上がる事さえ出来ず、その不満をぶつけるようにして、悪態をつきまくっていた。
「……」
 その隙をつくようにして、コハクが舞い踊るようにして、ダブルエッジを繰り出し、近くにいたコボルトを切り捨てた。
 それに合わせて、夕霧もコボルトの背後に回り込み、ノービスレイピアで首を衝いた。
「ギャッギャッギャアアアアアアアアアアアア!」
 その騒ぎを聞きつけたコボルト達が、次々と剣を取って、夕霧に襲いかかっていった。
「この『コボルトの敵』が貴様等を殲滅する!!」
 それを迎え撃つようにして、アルベルトが鋭撃2を仕掛け、先頭にいたコボルトを斬りつけた。
「ギャッギャッギャアアアアアアアアアアアア!」
 それでも、コボルトが両目を血走らせ、アルベルトの首元に食らいつきそうな勢いで、牙を剥き出しにした。
 だが、その気持ちに反して、牙はまったく届かず、アルベルトが放った次の一撃で、生命の灯が断末魔と共に消え去った。
「……動けますか? もう大丈夫ですからね」
 その間に、エデルが首に縄をつけられたドワーフに駆け寄り、ヒールを使って治療すると、肩を貸して安全な場所まで避難しようとした。
 しかし、ドワーフは飲まず食わずで作業を強要されていたため、今にも倒れそうな勢いでフラついていた。
 この様子では、空腹と喉の渇きで、意識が朦朧としているのだろう。
 だからと言って、この場所で食事をさせる事は、自殺行為に等しかった。
 そんな危険を冒してまで食事をさせる訳には行かないため、必死に励ましながら一歩ずつ確実に進んでいった。
「ギャッギャッギャギャ!」
 その邪魔をするようにして、コボルト達が興奮気味に剣を振り回し、エデルに斬りかかっていこうとした。
「邪魔はさせない」
 すぐさま、コハクが先手必勝でエーテルを体内に巡らせ、反応速度を高めると、壁を歩くようにして、近くにいたコボルトの首を刎ねた。
 それに合わせて、夕霧が別のコボルトの死角に回り込み、ノービスレイピアで身体を貫いた。
「これが貴様らの未来だ」
 即座に、コハクがコボルトの首を拾い上げ、まわりにいたコボルト達に警告すると、黒刀についた血を勢いよく振り払った。
「……!」
 その気迫に圧倒されたコボルト達が、剣を構えたまま、ジリジリと後ろに下がっていった。
「ギャッギャッ!」
 その事に苛立ちを覚えた眼帯コボルトが、鞭を何度も振り下ろし、コボルト達を嗾けた。
 それでも、恐怖の方が勝っているのか、コボルト達は動けなかった。
 それが最悪の選択である事を頭で理解していても、身体が拒絶反応を示していた。
「さぁ早く逃げるんだ」
 その隙をつくようにして、ケンがドワーフの首に繋がれているロープを切断し、殺界でエーテル光を首狩刀『SHIMADZU』に纏わせ、同時に不可視のエーテルを範囲内へ張り巡らせた。
「ギギギィ!」
 その事に危機感を覚えた眼帯コボルトが、苛立ちを隠せない様子で、何度も鞭を叩きつけた。
 しかし、コボルト達は置物の如く、その場から動こうとしなかった。
「ここはよろしくお願いします」
 その間に、エデルがドワーフに肩を貸しながら、仲間達の無事を祈りつつ、坑道まで避難していった。
「ああ、任せろ!」
 一方、アルベルトは棒立ちになったコボルト達に狙いを定め、闘気槌3を繰り出すと、巨大な光塊を纏ったダマスカス鋼の大太刀Reを振り下ろした。
「それじゃぁ……、一狩りいきますか。……と言うか、あんたら終わったな」
 それに合わせて、ケンがコボルト達に斬りかかり、次々とトドメをさした。
「ギャッギャッ!」
 そんな中、眼帯コボルトが捨て身の覚悟で鞭を振り上げたものの、その首はケンによって刎ねられ、華麗に宙を舞っていた。
「グオォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!」
 次の瞬間、ボスコボルトが咆哮を響かせながら、ハンマーを振り上げて襲い掛かってきた。
 この様子では、先程までコボルト達の戦いを見守っていたのだろう。
 臆病者など、この場所に必要ないと言わんばかりにハンマーを振り回し、邪魔なコボルト達を殴り飛ばしながら、一気に距離を縮めてきた。
「まさか、味方も巻き込んで、攻撃してくるとは……」
 夕霧が呆れた様子で、その場から飛び退き、ボスコボルトの動きが止まった瞬間を狙って、ノービスレイピアで容赦なく衝いた。
「グガァァァァァァァァァァァァァァ!」
 その一撃を食らったボスコボルトが、力任せにハンマーを振り上げた。
「それで俺達を叩き潰すつもりか? だったら、無理だ。……諦めろ」
 それと同時に、アルベルトが紫電一閃を繰り出し、ボスコボルトの右腕を斬り落とした。
 その拍子にハンマーごと右腕が地面に落下し、大量の血が地面を真っ赤に染めた。
「グギィィィィィィィィィィィィィィィィ!」
 その事でボスコボルトが殺意を剥き出しにしたものの、ハンマーを失った事で戦う術は残されていなかった。
「それじゃぁそろそろ、その首狩らせてもらおうか!!」
 次の瞬間、ケンが一気に間合いを詰め、ボスコボルトの首を刎ねた。
 ボスコボルトの首は、真っ赤な血を撒き散らし、弧を描くようにして地面に落下した。
 そして、主を失ったボスコボルトの巨体が、轟音と共に崩れ落ちた。
「皆さん、お怪我は……! とりあえず、治療をしておきますね」
 そんな中、エデルがドワーフ達の避難を終え、仲間達の治療をするのであった。

マスターコメント

 今回は、誰がMVPになっても、おかしくない程、素晴らしいプレイングばかりでした。
ショートシナリオ

ショートシナリオ普通 報酬:標準5 / 4〜8人

2021年07月18日 21時30分12秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. エデル=マグノリア

    まだ人数が集まっていないけれど、相談は早い方が良い気がしたから、発言するわね。 私はヒール主体の構成で行こうかと思っているの。首の縄が問題だけれど、それさえどうにかなれば、弱って動けないようなドワーフの方々にはヒールを使って危ない場所から離れてもらうのが安全かしら…と。

  2. コハク

    ぎりぎりだけど人が集まったから頑張るよ。 シーフコハク、よろしく。 今回は壁歩きとか先手必勝に疾風足を駆使して前衛は皆に任せてコハクはドワーフの救出及びその周りのコボルトの潰す、みたいな感じで動くようにするよ。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0