危険で冷たいかき氷
馬車猪
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シナリオID:1086
オープニング
●
2メートルの氷像が拳を振り回している。
これが冬山にいたなら平凡なクリーパーだ。
しかし今は初夏。
しかも冒険者の足なら数時間走れば都市部に到着する場所である。
つまり倒して運べば売れるのだ!!
「なんで私がここにーっ!?」
授恵者が涙目で槍を突きだし男の氷像を食い止めている。
この授恵者は冒険者ではない。
普段はマジカルポケットを使って零細運送業を営んでいるのだが、大口顧客の頼みを断り切れずに討伐依頼に参加することになったのだ。
「ひぇっ!?」
クリーパーの飛びつき攻撃。
必死に飛び退いて躱すと、岩が砕けるような轟音と地震じみた振動が授恵者の体に襲いかかる。
おそるおそる振り返る。
地面を砕いたのに無傷の氷像型クリーパーが平然と立ち上がるところだった。
「冒険者さーん! たすけてー!!」
授恵者なのだから非授恵者を守って戦うのは納得も出来る。
けれど、かき氷にする目的でクリーパーに襲いかかって反撃で殺されるのは、まっぴらごめんであった。
●数日前
初夏である。
太陽の光が肌を焼き、風が止まればうんざりした暑さになる。
「冒険者の旦那ー、エールを一杯どうですかー」
商人が木製のジョッキを掲げて客寄せする。
冒険者は嬉嬉として近づき、値札を見てうげっという顔になった。
「井戸で冷やしてんでさ。飲み頃ですよ!」
冷たくはないが生温くもない。
手間の分を計算にいれても値段は高いが、今の気温なら買おうとする者は多いはずだ。
実際、売り子の背後では水に濡れた樽が新たに運び込まれていた。
冒険者は得意気ににやりとする。
最近使っていなかったスキルを発動。
真冬に格納してから放置していた氷が、掌の上にごろりと出現した。
「なっ!?」
商人が動揺する。
初夏の氷なんて高値で売れるが物がない商品の典型だ。
「一杯もらおうか」
そんな貴重な品を、冒険者は雑に砕いてジョッキに入れて一気に飲み干す。
「んー、うまいっ!!」
がははと笑うのも商人は気付いていない。
マジカルポケットに生涯最大級のビジネスチャンスを見つけ、武者震いをしていた。
●討伐依頼。あるいは氷採取依頼。
「人の命はかかっていません」
冒険者ギルド職員は、依頼人にとっては緊急でもそれ以外にとっては不要不急の依頼であると明言した。
「まずこちらをご覧下さい」
地図が広げられる。
特に何の利用価値もない山裾の地図だ。
呪いに侵されたとか、病が蔓延っているとかの特殊な理由は一切ない。単に人里から離れていて利用価値が低すぎるのだ。
「昨年の冬に、氷像に見えるクリーパーがここで発見されました」
脅威ではある。
しかし緊急に討伐する必要があるクリーパーや魔獣は結構な数いるので後回しにされ続けてきたクリーパーであり、討伐依頼であった。
「今回、ある商人が捕獲依頼を出そうとしました」
討伐ではなく捕獲。
クリーパーが可食であることに賭け、マジカルポケットで冷たいまま街まで運ばせようとした。
「マジカルポケットには生きているものは入らないと説明したところ、討伐兼回収依頼に変更されました」
氷のまま最低でも数ヶ月存在し続けているクリーパーではあるが、倒した後は普通に溶ける可能性大だ。
「かき氷……ではなく氷が残らなくても冒険者の皆さんの責任にはなりません。最近暑いですし、涼しい相手と戦うのも面白いのではないでしょうか。
そのタイミングで冒険者が質問する。
参加者全員がマジカルポケットを使えなかった場合、紋具でも貸してくれるのかと。
「申し訳ありません。説明が抜けていました」
必死に気配を消し目立たぬようしていた授恵者が、怯えた小動物のように震えた。
「運搬はこの方が担当してくれます。現地には猪も出没するようですし、マジカルポケット持ちが複数いた場合は新鮮な猪肉を運んで帰るのもよいかもしれません」
敵を倒し、敵の肉を持ち帰る依頼だ。
この時点では誰も予測していなかったが、持ち帰った氷や肉を冒険者が調理等して売らないと、依頼人が破産しかねない依頼でもあった。
2メートルの氷像が拳を振り回している。
これが冬山にいたなら平凡なクリーパーだ。
しかし今は初夏。
しかも冒険者の足なら数時間走れば都市部に到着する場所である。
つまり倒して運べば売れるのだ!!
「なんで私がここにーっ!?」
授恵者が涙目で槍を突きだし男の氷像を食い止めている。
この授恵者は冒険者ではない。
普段はマジカルポケットを使って零細運送業を営んでいるのだが、大口顧客の頼みを断り切れずに討伐依頼に参加することになったのだ。
「ひぇっ!?」
クリーパーの飛びつき攻撃。
必死に飛び退いて躱すと、岩が砕けるような轟音と地震じみた振動が授恵者の体に襲いかかる。
おそるおそる振り返る。
地面を砕いたのに無傷の氷像型クリーパーが平然と立ち上がるところだった。
「冒険者さーん! たすけてー!!」
授恵者なのだから非授恵者を守って戦うのは納得も出来る。
けれど、かき氷にする目的でクリーパーに襲いかかって反撃で殺されるのは、まっぴらごめんであった。
●数日前
初夏である。
太陽の光が肌を焼き、風が止まればうんざりした暑さになる。
「冒険者の旦那ー、エールを一杯どうですかー」
商人が木製のジョッキを掲げて客寄せする。
冒険者は嬉嬉として近づき、値札を見てうげっという顔になった。
「井戸で冷やしてんでさ。飲み頃ですよ!」
冷たくはないが生温くもない。
手間の分を計算にいれても値段は高いが、今の気温なら買おうとする者は多いはずだ。
実際、売り子の背後では水に濡れた樽が新たに運び込まれていた。
冒険者は得意気ににやりとする。
最近使っていなかったスキルを発動。
真冬に格納してから放置していた氷が、掌の上にごろりと出現した。
「なっ!?」
商人が動揺する。
初夏の氷なんて高値で売れるが物がない商品の典型だ。
「一杯もらおうか」
そんな貴重な品を、冒険者は雑に砕いてジョッキに入れて一気に飲み干す。
「んー、うまいっ!!」
がははと笑うのも商人は気付いていない。
マジカルポケットに生涯最大級のビジネスチャンスを見つけ、武者震いをしていた。
●討伐依頼。あるいは氷採取依頼。
「人の命はかかっていません」
冒険者ギルド職員は、依頼人にとっては緊急でもそれ以外にとっては不要不急の依頼であると明言した。
「まずこちらをご覧下さい」
地図が広げられる。
特に何の利用価値もない山裾の地図だ。
呪いに侵されたとか、病が蔓延っているとかの特殊な理由は一切ない。単に人里から離れていて利用価値が低すぎるのだ。
「昨年の冬に、氷像に見えるクリーパーがここで発見されました」
脅威ではある。
しかし緊急に討伐する必要があるクリーパーや魔獣は結構な数いるので後回しにされ続けてきたクリーパーであり、討伐依頼であった。
「今回、ある商人が捕獲依頼を出そうとしました」
討伐ではなく捕獲。
クリーパーが可食であることに賭け、マジカルポケットで冷たいまま街まで運ばせようとした。
「マジカルポケットには生きているものは入らないと説明したところ、討伐兼回収依頼に変更されました」
氷のまま最低でも数ヶ月存在し続けているクリーパーではあるが、倒した後は普通に溶ける可能性大だ。
「かき氷……ではなく氷が残らなくても冒険者の皆さんの責任にはなりません。最近暑いですし、涼しい相手と戦うのも面白いのではないでしょうか。
そのタイミングで冒険者が質問する。
参加者全員がマジカルポケットを使えなかった場合、紋具でも貸してくれるのかと。
「申し訳ありません。説明が抜けていました」
必死に気配を消し目立たぬようしていた授恵者が、怯えた小動物のように震えた。
「運搬はこの方が担当してくれます。現地には猪も出没するようですし、マジカルポケット持ちが複数いた場合は新鮮な猪肉を運んで帰るのもよいかもしれません」
敵を倒し、敵の肉を持ち帰る依頼だ。
この時点では誰も予測していなかったが、持ち帰った氷や肉を冒険者が調理等して売らないと、依頼人が破産しかねない依頼でもあった。
解説
マジカルポケット大活躍(予定)依頼です。
華麗に敵を倒し、敵から手に入れたものを劣化させずに街へ持ち込みましょう!
●討伐リスト
・氷像型クリーパー
なかなかの戦闘力を誇る強敵ではありますが、最大の脅威は死亡直後にただの氷になってしまうことです。
どういうことかというと、強い攻撃で止めを刺すと砕けて土まみれになってかき氷に出来なくなります。
また、大火力の術で止めを刺すと完全に蒸発してしまうかもしれません。
能力は徹底した物理攻撃特化。物理を除けば、生命と抵抗がやや高い他は平凡かそれ以下の能力です。
2メートル級が1体、1.5メートル級が2体。合計3体が草がぼうぼうに生えた平地をうろうろしています。
3体とも移動は4で、1度白兵戦が始まると完全に冒険者を見失うまで追って来ます。
・夏バテ気味の猪
冒険者がクリーパーと戦っていると様子を伺いに来る猪たちです。
全長0.5~1メートル。
冒険者にとって脅威になる攻撃は、勢いをつけた突撃が辛うじてというところです。
ただし、同行する授恵者にとっては脅威です。
氷像型クリーパーと戦っている冒険者を背後から襲おうとし、不利になると仲間を置いて逃げだそうとします。
最大7体。移動はどれも3です。
●他
・授恵者(マジカルポケット使い)
大口顧客の頼みで(実質強制)参加します。
冒険者が「クリーパーを倒して氷を手に入れて渡す」ことを約束すれば、素直に指示に従うようになります。
・商人
氷を手に入れて、富裕層や貴族に高く売りつけることを目指す欲深商人で今回の依頼人です。
なお、面識のある貴族や富裕層は避暑に出かけているため、冒険者に頼らないとぼったくり価格どころか損が出ないぎりぎりの価格でも氷を売れません。
・屋台
冒険者が自由に使えます。
かなり本格的で設備は小規模な厨房並み。場所の使用許可も出ています。
王国の地方都市の、大通りに近い人通りの多い場所にあります。
討伐から戻ってくると昼過ぎの時間ですので、涼しい飲み物や食べ物も売れ易いかも。
マスターより
マジカルポケットってすごい!
リプレイ
●
「休んでいろ。な?」
サイラスが労いを込めてそっと肩にふれると、逃走で体力を使い尽くした一般的授恵者が涙の量を増やした。
(弱い授恵者を仕留めきれない? 行動が独特なクリーパーか)
サイラスが考え込むが答えは出ない。
(僕どうしてここに居るのでしょうね? ギルドの職員も緊急性がないと言っておられましたし、主要街道でもないというのに)
大湿原とは違う種類の暑さに耐えながら、ドローミが軽いため息を吐く。
(クリーパーは成長する前に倒すのが最上。受けてしまった以上は確実に倒すとしましょう)
やる気は出したが、敵の姿は見当たらなかった。
(氷のクリーパーがいるそうですね。悪いことはしてないそうですね。でも氷が必要なんですね)
華奢でエルフらしいエルフ射手であるレラ・シュマリは、木の上に登りながらそんなことを考えている。
(美味しい猪鍋とモツ焼き、モツ煮、猪カツ、猪シチューも食べられそうですね。しかも)
出発する前に見た屋台には、かき氷にあうフルーツやシロップが複数種類用意されていた。
食欲が刺激される。
お腹の調子が良くなって今にもぐぅと鳴りそうだ。
レラは、食欲旺盛エルフでもあった。
(さあ、私たちの美味しい食材になってもらいますよ)
ホークアイと天眼により、氷像クリーパー3体と猪の群れはすぐに見つかった。
●
レラから伝えられた情報に従い冒険者が殺到する。
「カキゴーレムですわね。ほんとに食べられるのかしら?」
地面の震動と巨体の移動速度から重量を察して、バンビは敵の強大な攻撃力に気付いた。
まぐれ当たり1発で死者が出かねない相手だ。
「ここは通しませんわよ?」
魔力が雷に変わって地面を這う。
破壊力は皆無で移動妨害の効果も単独では平凡。
しかし発動速度は圧倒的で、強力な破壊力を持つ氷クリーパー3体に移動攻撃を許さない。
しかも行動はまだ終わりではない。
「なんですのこの手応え?」
付与術に抵抗する力が弱すぎる。
振りかぶられた透明な拳が、大きく狙いを外して空振りした。
「今時期便利な奴等がいたもんだぜ」
ナハシュがクリーパーとクリーパーの間をすり抜ける。
当たれば痛いがこの程度の攻撃に当たるほど鈍くはない。
戦う以上まぐれ当たりは必ずあるが、被弾する前に削り切る策を用意している。
「針じゃ届かないと思ったか? 甘いんだよ!」
重装備の前衛に氷像達が気をとられた瞬間、素早い一撃離脱で左右の小型氷像に一撃ずつ撃ち込む。
毒の性質を持たされたエーテルが、氷を汚さずクリーパーの存在にのみ継続的なダメージを与える。
当てるのも抵抗を貫くのも難しい技のはずなのに、ナハシュの武術と付与術は一点特化型氷像に対して死齎刃を完全成功させた。
「今回は情報量が多いですねっ」
フリーダ=ブロムヴィストは啓示の戦士である。
神というのはもともとそういうものかもしれないが、その中でも明らかに変わりものが情報を送り付けるので啓示の解釈も大変だ。
「何にせよ上手く氷を集めていきたい所ですね」
透明な拳も足も光を反射しているので視認は簡単だ。
速度もフリーダにとっては止まって見えるほど低速で、けれど重さと威力だけは油断できない。
「っと」
シーザーロアの使用を意図して止める。
ほとんど受け流しても内蔵まで響く衝撃に耐えながら、白金のラウンドシールドで透明な拳を防ぎきる。
「頑丈そうな見た目なのに触れたら壊れそうなのが」
内部に生じた亀裂が外側から確認可能だ。
歪な能力の氷クリーパーに対し、フリーダもエーテルを毒に変えて氷の肌へ浸透させた。
黒々とした刀身の片手半剣が、殺害ではなく加工を目的として振るわれる。
職人としては熟練、戦士としては常人の域をとうに脱したサイラスの一撃は、彫刻刀のように少量だけ氷を本体から切り離して夏の日差しで蒸発させた。
「氷だから普通にしても駄目ってことか」
可能な限り丁寧に斬ったのに本体内部に亀裂が生じている。
サイラスは氷像の1体を引きつけながら、攻撃は仲間に任せて防御と接近中の猪への警戒に専念した。
「効き過ぎるのも問題ですね」
ドローミは1度矢を矢をあてた後、狙いを急接近中の猪へ向けた。
手加減をしても氷像は脆すぎ、1度命中を下げた後は追撃する必要性が薄いのだ。
「猪は餌に不自由しているようなのに……」
重撃射で狙う。
猪とクリーパーでは強さの次元が違うはずなのに、付与術への抵抗はほぼ同レベルだった。
「ここまでですね」
レラはクリーパーへの攻撃を止めた。
アーケインが突破された後も、十分離れて遮蔽物を活かして射撃することで無傷で済んだ。
しかしこのままだと敵にとどめを刺してしまいそうなのだ。
(止めを刺す際は手加減必須。スリップダメージでいくしかないですね)
レラ達の実力なら勝つのは簡単だ。
だが、勝った上で食材にするのは、かなりの高難度であった。
●
勢いがついた7頭の猪。
初陣の授恵者なら厳しい相手だが、この場の冒険者にとっては雑魚でしかない。
1対1なら敵ですらない。それほど戦闘力に差があった。
「変なクリーパーのせいで調子が狂ってるのかもな」
筋肉に血がたっぷりな状態で殺すのは勿体ない、と思いはするが人間に刃向かう獣に容赦はしない。
リザードマン戦士らしい優れた体格を持つサイラスが、装備の大重量も活かして正面から迎え撃つ。
非授恵者なら内臓破裂や背骨損傷が当然な突撃も、サイラスにとっては戦闘の興奮で痛みを感じない程度だ。
器用に刃を使って猪の腹を割く。
内臓を引きずり出して士気を砕く手段を思いつきはしたが自重する。
(怯えて逃げると拙いからな。しかし洗って軽く火を通すだけでご馳走だな)
猪の士気が砕ける前に、2頭、3頭と手際よく仕留めた。
「仕留めますよ」
フリーダが呼びかける。
冒険者達は皆、言葉や身振りや気配で同意を表明する。
猪が危険に気付くがもう遅い。
鋭く真っ直ぐな刀から巨大な光塊が延び、フリーダが剣を振り回すと光塊が猪の生き残りに止めを刺した。
●
「内臓は最優先でポケットに入れとけ」
サイラスは大忙しだ。
マジカルポケットの中身は劣化しないが中に入るのは1つだけだ。
複数の内臓ではなく、内臓を1つに纏めた物を用意する必要がある。
「臭いな……」
破れて中身が零れているのは地面に掘った穴に捨てて、無事な内臓だけを大きな袋に入れる。
精神的にはかなりの重労働だった。
「そろそろだ。強度は普通の氷と変わらないと思え!」
ナハシュは氷の拳を全力で回避する。
威力は戦闘開始直後と同じでも支える腕には細かな亀裂が生じている。盾で防ぎでもしたら肩まで砕けてしまいそうだ。
(勢いがついた状態で死んだら支えきれないぞ)
破壊するなら簡単。
氷として回収するのは至難。
今回の獲物の本質はそれだ。
「来るぞ」
氷像に染みこんだエーテルから毒の性質が消える前に、クリーパーが1体死亡した。
化物としての性質が失われ、体を構成していた氷が普通の氷に戻る。
ナハシュが誘導してほぼ静止させていたとはいえ、転げないよう支えるのも大変だ。
時間との勝負が始まった。
「バックパックに詰め込め。まだ入るぞ」
普段は多少でも心がけている愛想が消えて、ナハシュの言動が荒くはないが非常に率直になる。
非冒険者も手を貸してくれるが速度が足りない。
「入れるぞ」
直径2メートルという、馬車や船を使わない輸送では最大級の荷物が異空間へ格納される。
重さが消え劣化もなし。
使い手の数と使い方によっては、社会の構造を変える可能性すらある特別なスキルであった。
冷やすのは処理の準備が整ってからで構わない、という割り切りで肉が1箇所へ集められていく。
「なんだか凄い光景に」
農村育ちで畜産の実態も知っているフリーダが、これまでの常識とは違う光景に結構驚いていた。
「氷と一緒なら収納されても冷えるでしょうか?」
ドローミは、少量ではあるが非常に綺麗なピュアウォーター産の水で2つめの氷を洗っている。
バンビは無言で首を横に振る。
昔からマジカルポケットを使って来たバンビは、何がどこまで可能か熟知している。
(クリーパー氷の組成を調べるため試料が欲しいですわ。氷全部持ち帰って依頼人と交渉しましょう)
運ぶ数が1つだけというのが絶対的なルールだ。
数人係でまとめた氷入り大袋を格納して、バンビは次の荷造りにとりかかった。
戦っているときは小柄にも見えた氷像も、クリーパーでなくなった後は特大の氷だ。
冬でも極寒の地でない限り、まずあり得ない大きさだ。
「氷はお願いします。猪の血を付着させるわけには」
器用に背中を使って倒れかけた氷像を支え、仲間が氷像を回収してからレラは解体作業を再開する。
「食べられる分のお肉や氷は絶対にお残しはしません」
今回、実に6人分のマジカルポケットがあるのだ。
余裕をもって格納しても十分足りる。
「冷たい氷もいいですが……」
狩った直後の内臓の味を知る彼女は、冷静で礼儀正しい外見のまま目だけを輝かせていた。
●
「うむ!」
どん、と金貨が数枚屋台の支払いに出現した。
「きさまぁっ、それは儂のモンじゃぞっ!!」
どう見ても貴族か豪商のお忍び姿の老人達が、非常に大人げない争いをしている。
「刺激が強すぎたでしょうか」
ドローミは焼き担当だ。
新鮮な部位は金持ちが超高額で買い上げてしまうので、その分他の部位を安くして一般以下の人々へ提供する。
「火が通るまで待ってください。もう少しですから」
バラ肉やヒレは小さく切って串にして、衛生に気を付けて強めに塩をして網で焼く。
他の部位は熟成してからしたいが今は需要が大きすぎる。
授恵者の体力と腕力を使って、少し強引に挽いてまとめてパン粉をつけて揚げる。
(油も安くないですからね)
揚げると焼くの中間になってしうまったが美味いものは美味い。
子供や若者だけでなく、新鮮な内臓という希少物を堪能した金持ち達もドローミの料理に釘付けだ。
「ソースはどうしましょう?」
「いいからはやくよこせーっ!!」
銅貨、銀貨、金貨が乱れ飛び、凄まじい勢いで肉が消費されていく。
「出し入れも可能なのはよいね」
サイラスは必要分の氷を取り出した後は異空間へ戻し、手際よく氷の彫刻を仕上げる。
夏の陽光に照らされた氷像は、光できらめき巨大な宝石のようだった。
「ある所にはあるものですね」
キラーン、とバンビの瞳が輝いた気がした。
工業が発展した社会なら安価で買えるかもしれないかき氷マシンも、良い意味でも悪い意味でも田舎なここでは技術の粋を集めた高級品だ。
特に、氷の固さと授恵者の腕力に耐えられる刃と本体からなる品はとんでもなく高価だ。
静から動へ。
黙っていれば絶世の美少女なバンビがハンドルを回す。
鋭利で強靱な刃が劣化していない透明な氷を削る。
薄く切り取られた氷は白くなって一方向へ飛びガラス製の器の中に降り積もる。
ふわふわで、きらきらだ。
試食係に就任したレラが、神妙な態度で苺ジャム風シロップをたっぷりとかける。
半ば溶けたシロップ接触部分の赤と、氷の白の対比。
大きな銀匙ですくって小さな口に入れると、甘く冷たいたい衝撃が舌を通って脳天に突き抜ける。
「んーっ!」
キーンとした痛みも、楽しみの一部だ。
とても美味しそうに食べ、とても涼しそうにするレラが、客と客候補の食欲と購買意欲を強烈に刺激した。
「おらあ、かき氷をかく速度も最速ですわぁ!!」
用意された大量の器へ食用氷が飛び込んでいく。
バンビのしているのはただのハンドルまわしではなく全身全ての力を使ったハイスピードかき氷マシン駆動だ。
授恵者の体力が優れた知性により動力として扱われ、量の限られた氷を最速最高効率で食用のふわふわ氷へ変えていった。
「今日みたいなクソ暑い日にゃこいつがお似合いだぜ!!」
銀盆に載せられたかき氷の器が宙に浮かび、落ち始めた瞬間消えて今度は熱々の辛い肉料理が現れる。
マジカルポケットを使ったナハシュの芸で宣伝だ。
単独でも客を呼べて金をとることのできる芸と匂いに、涼しさと匂いが加わるともうたまらない。
「最後尾はこちらです」
(それにしても初夏とは言え汗を掻く程度には暑いですね。少々はしたないとは思いますが、少しシャツのボタンを外しておきますか)
フリーダは意図せず色気を振りまいている。
枯れかけた老人から青少年だけでなく、色香を理解していなかった子供、そして一部女性まで反応して顔を赤くしている。
(啓示は「汎用スキルで売上2倍! 勝ったなガハハ!」という雰囲気でしたが、どういう事でしょう?)
圧倒的な生命力がもたらす色気が、老若男女を惑わしていた。
「足りませんね」
客足が予想の倍を超えていた。
ドローミは第2案を採用する。
氷と肉にパンを加えることで品切れを遅らせるのだ。
適度な酸っぱさのソースと肉料理とパンが合体した一品は、肉の割合が減っても魅力はそのままだ。
なお、結構な数がレラ達のまかないとして美味しく消費されている
「こんなもんか?」
ナハシュはマジカルポケット芸に使っていた料理を一般客へまわす。
非一般客は既に満足しているようで文句は出ない。
「スゲェ儲けだな」
金貨が数十枚は入った小型金庫を見る。
これなら依頼人も満足するだろと、依頼の成功を確信していた。
「休んでいろ。な?」
サイラスが労いを込めてそっと肩にふれると、逃走で体力を使い尽くした一般的授恵者が涙の量を増やした。
(弱い授恵者を仕留めきれない? 行動が独特なクリーパーか)
サイラスが考え込むが答えは出ない。
(僕どうしてここに居るのでしょうね? ギルドの職員も緊急性がないと言っておられましたし、主要街道でもないというのに)
大湿原とは違う種類の暑さに耐えながら、ドローミが軽いため息を吐く。
(クリーパーは成長する前に倒すのが最上。受けてしまった以上は確実に倒すとしましょう)
やる気は出したが、敵の姿は見当たらなかった。
(氷のクリーパーがいるそうですね。悪いことはしてないそうですね。でも氷が必要なんですね)
華奢でエルフらしいエルフ射手であるレラ・シュマリは、木の上に登りながらそんなことを考えている。
(美味しい猪鍋とモツ焼き、モツ煮、猪カツ、猪シチューも食べられそうですね。しかも)
出発する前に見た屋台には、かき氷にあうフルーツやシロップが複数種類用意されていた。
食欲が刺激される。
お腹の調子が良くなって今にもぐぅと鳴りそうだ。
レラは、食欲旺盛エルフでもあった。
(さあ、私たちの美味しい食材になってもらいますよ)
ホークアイと天眼により、氷像クリーパー3体と猪の群れはすぐに見つかった。
●
レラから伝えられた情報に従い冒険者が殺到する。
「カキゴーレムですわね。ほんとに食べられるのかしら?」
地面の震動と巨体の移動速度から重量を察して、バンビは敵の強大な攻撃力に気付いた。
まぐれ当たり1発で死者が出かねない相手だ。
「ここは通しませんわよ?」
魔力が雷に変わって地面を這う。
破壊力は皆無で移動妨害の効果も単独では平凡。
しかし発動速度は圧倒的で、強力な破壊力を持つ氷クリーパー3体に移動攻撃を許さない。
しかも行動はまだ終わりではない。
「なんですのこの手応え?」
付与術に抵抗する力が弱すぎる。
振りかぶられた透明な拳が、大きく狙いを外して空振りした。
「今時期便利な奴等がいたもんだぜ」
ナハシュがクリーパーとクリーパーの間をすり抜ける。
当たれば痛いがこの程度の攻撃に当たるほど鈍くはない。
戦う以上まぐれ当たりは必ずあるが、被弾する前に削り切る策を用意している。
「針じゃ届かないと思ったか? 甘いんだよ!」
重装備の前衛に氷像達が気をとられた瞬間、素早い一撃離脱で左右の小型氷像に一撃ずつ撃ち込む。
毒の性質を持たされたエーテルが、氷を汚さずクリーパーの存在にのみ継続的なダメージを与える。
当てるのも抵抗を貫くのも難しい技のはずなのに、ナハシュの武術と付与術は一点特化型氷像に対して死齎刃を完全成功させた。
「今回は情報量が多いですねっ」
フリーダ=ブロムヴィストは啓示の戦士である。
神というのはもともとそういうものかもしれないが、その中でも明らかに変わりものが情報を送り付けるので啓示の解釈も大変だ。
「何にせよ上手く氷を集めていきたい所ですね」
透明な拳も足も光を反射しているので視認は簡単だ。
速度もフリーダにとっては止まって見えるほど低速で、けれど重さと威力だけは油断できない。
「っと」
シーザーロアの使用を意図して止める。
ほとんど受け流しても内蔵まで響く衝撃に耐えながら、白金のラウンドシールドで透明な拳を防ぎきる。
「頑丈そうな見た目なのに触れたら壊れそうなのが」
内部に生じた亀裂が外側から確認可能だ。
歪な能力の氷クリーパーに対し、フリーダもエーテルを毒に変えて氷の肌へ浸透させた。
黒々とした刀身の片手半剣が、殺害ではなく加工を目的として振るわれる。
職人としては熟練、戦士としては常人の域をとうに脱したサイラスの一撃は、彫刻刀のように少量だけ氷を本体から切り離して夏の日差しで蒸発させた。
「氷だから普通にしても駄目ってことか」
可能な限り丁寧に斬ったのに本体内部に亀裂が生じている。
サイラスは氷像の1体を引きつけながら、攻撃は仲間に任せて防御と接近中の猪への警戒に専念した。
「効き過ぎるのも問題ですね」
ドローミは1度矢を矢をあてた後、狙いを急接近中の猪へ向けた。
手加減をしても氷像は脆すぎ、1度命中を下げた後は追撃する必要性が薄いのだ。
「猪は餌に不自由しているようなのに……」
重撃射で狙う。
猪とクリーパーでは強さの次元が違うはずなのに、付与術への抵抗はほぼ同レベルだった。
「ここまでですね」
レラはクリーパーへの攻撃を止めた。
アーケインが突破された後も、十分離れて遮蔽物を活かして射撃することで無傷で済んだ。
しかしこのままだと敵にとどめを刺してしまいそうなのだ。
(止めを刺す際は手加減必須。スリップダメージでいくしかないですね)
レラ達の実力なら勝つのは簡単だ。
だが、勝った上で食材にするのは、かなりの高難度であった。
●
勢いがついた7頭の猪。
初陣の授恵者なら厳しい相手だが、この場の冒険者にとっては雑魚でしかない。
1対1なら敵ですらない。それほど戦闘力に差があった。
「変なクリーパーのせいで調子が狂ってるのかもな」
筋肉に血がたっぷりな状態で殺すのは勿体ない、と思いはするが人間に刃向かう獣に容赦はしない。
リザードマン戦士らしい優れた体格を持つサイラスが、装備の大重量も活かして正面から迎え撃つ。
非授恵者なら内臓破裂や背骨損傷が当然な突撃も、サイラスにとっては戦闘の興奮で痛みを感じない程度だ。
器用に刃を使って猪の腹を割く。
内臓を引きずり出して士気を砕く手段を思いつきはしたが自重する。
(怯えて逃げると拙いからな。しかし洗って軽く火を通すだけでご馳走だな)
猪の士気が砕ける前に、2頭、3頭と手際よく仕留めた。
「仕留めますよ」
フリーダが呼びかける。
冒険者達は皆、言葉や身振りや気配で同意を表明する。
猪が危険に気付くがもう遅い。
鋭く真っ直ぐな刀から巨大な光塊が延び、フリーダが剣を振り回すと光塊が猪の生き残りに止めを刺した。
●
「内臓は最優先でポケットに入れとけ」
サイラスは大忙しだ。
マジカルポケットの中身は劣化しないが中に入るのは1つだけだ。
複数の内臓ではなく、内臓を1つに纏めた物を用意する必要がある。
「臭いな……」
破れて中身が零れているのは地面に掘った穴に捨てて、無事な内臓だけを大きな袋に入れる。
精神的にはかなりの重労働だった。
「そろそろだ。強度は普通の氷と変わらないと思え!」
ナハシュは氷の拳を全力で回避する。
威力は戦闘開始直後と同じでも支える腕には細かな亀裂が生じている。盾で防ぎでもしたら肩まで砕けてしまいそうだ。
(勢いがついた状態で死んだら支えきれないぞ)
破壊するなら簡単。
氷として回収するのは至難。
今回の獲物の本質はそれだ。
「来るぞ」
氷像に染みこんだエーテルから毒の性質が消える前に、クリーパーが1体死亡した。
化物としての性質が失われ、体を構成していた氷が普通の氷に戻る。
ナハシュが誘導してほぼ静止させていたとはいえ、転げないよう支えるのも大変だ。
時間との勝負が始まった。
「バックパックに詰め込め。まだ入るぞ」
普段は多少でも心がけている愛想が消えて、ナハシュの言動が荒くはないが非常に率直になる。
非冒険者も手を貸してくれるが速度が足りない。
「入れるぞ」
直径2メートルという、馬車や船を使わない輸送では最大級の荷物が異空間へ格納される。
重さが消え劣化もなし。
使い手の数と使い方によっては、社会の構造を変える可能性すらある特別なスキルであった。
冷やすのは処理の準備が整ってからで構わない、という割り切りで肉が1箇所へ集められていく。
「なんだか凄い光景に」
農村育ちで畜産の実態も知っているフリーダが、これまでの常識とは違う光景に結構驚いていた。
「氷と一緒なら収納されても冷えるでしょうか?」
ドローミは、少量ではあるが非常に綺麗なピュアウォーター産の水で2つめの氷を洗っている。
バンビは無言で首を横に振る。
昔からマジカルポケットを使って来たバンビは、何がどこまで可能か熟知している。
(クリーパー氷の組成を調べるため試料が欲しいですわ。氷全部持ち帰って依頼人と交渉しましょう)
運ぶ数が1つだけというのが絶対的なルールだ。
数人係でまとめた氷入り大袋を格納して、バンビは次の荷造りにとりかかった。
戦っているときは小柄にも見えた氷像も、クリーパーでなくなった後は特大の氷だ。
冬でも極寒の地でない限り、まずあり得ない大きさだ。
「氷はお願いします。猪の血を付着させるわけには」
器用に背中を使って倒れかけた氷像を支え、仲間が氷像を回収してからレラは解体作業を再開する。
「食べられる分のお肉や氷は絶対にお残しはしません」
今回、実に6人分のマジカルポケットがあるのだ。
余裕をもって格納しても十分足りる。
「冷たい氷もいいですが……」
狩った直後の内臓の味を知る彼女は、冷静で礼儀正しい外見のまま目だけを輝かせていた。
●
「うむ!」
どん、と金貨が数枚屋台の支払いに出現した。
「きさまぁっ、それは儂のモンじゃぞっ!!」
どう見ても貴族か豪商のお忍び姿の老人達が、非常に大人げない争いをしている。
「刺激が強すぎたでしょうか」
ドローミは焼き担当だ。
新鮮な部位は金持ちが超高額で買い上げてしまうので、その分他の部位を安くして一般以下の人々へ提供する。
「火が通るまで待ってください。もう少しですから」
バラ肉やヒレは小さく切って串にして、衛生に気を付けて強めに塩をして網で焼く。
他の部位は熟成してからしたいが今は需要が大きすぎる。
授恵者の体力と腕力を使って、少し強引に挽いてまとめてパン粉をつけて揚げる。
(油も安くないですからね)
揚げると焼くの中間になってしうまったが美味いものは美味い。
子供や若者だけでなく、新鮮な内臓という希少物を堪能した金持ち達もドローミの料理に釘付けだ。
「ソースはどうしましょう?」
「いいからはやくよこせーっ!!」
銅貨、銀貨、金貨が乱れ飛び、凄まじい勢いで肉が消費されていく。
「出し入れも可能なのはよいね」
サイラスは必要分の氷を取り出した後は異空間へ戻し、手際よく氷の彫刻を仕上げる。
夏の陽光に照らされた氷像は、光できらめき巨大な宝石のようだった。
「ある所にはあるものですね」
キラーン、とバンビの瞳が輝いた気がした。
工業が発展した社会なら安価で買えるかもしれないかき氷マシンも、良い意味でも悪い意味でも田舎なここでは技術の粋を集めた高級品だ。
特に、氷の固さと授恵者の腕力に耐えられる刃と本体からなる品はとんでもなく高価だ。
静から動へ。
黙っていれば絶世の美少女なバンビがハンドルを回す。
鋭利で強靱な刃が劣化していない透明な氷を削る。
薄く切り取られた氷は白くなって一方向へ飛びガラス製の器の中に降り積もる。
ふわふわで、きらきらだ。
試食係に就任したレラが、神妙な態度で苺ジャム風シロップをたっぷりとかける。
半ば溶けたシロップ接触部分の赤と、氷の白の対比。
大きな銀匙ですくって小さな口に入れると、甘く冷たいたい衝撃が舌を通って脳天に突き抜ける。
「んーっ!」
キーンとした痛みも、楽しみの一部だ。
とても美味しそうに食べ、とても涼しそうにするレラが、客と客候補の食欲と購買意欲を強烈に刺激した。
「おらあ、かき氷をかく速度も最速ですわぁ!!」
用意された大量の器へ食用氷が飛び込んでいく。
バンビのしているのはただのハンドルまわしではなく全身全ての力を使ったハイスピードかき氷マシン駆動だ。
授恵者の体力が優れた知性により動力として扱われ、量の限られた氷を最速最高効率で食用のふわふわ氷へ変えていった。
「今日みたいなクソ暑い日にゃこいつがお似合いだぜ!!」
銀盆に載せられたかき氷の器が宙に浮かび、落ち始めた瞬間消えて今度は熱々の辛い肉料理が現れる。
マジカルポケットを使ったナハシュの芸で宣伝だ。
単独でも客を呼べて金をとることのできる芸と匂いに、涼しさと匂いが加わるともうたまらない。
「最後尾はこちらです」
(それにしても初夏とは言え汗を掻く程度には暑いですね。少々はしたないとは思いますが、少しシャツのボタンを外しておきますか)
フリーダは意図せず色気を振りまいている。
枯れかけた老人から青少年だけでなく、色香を理解していなかった子供、そして一部女性まで反応して顔を赤くしている。
(啓示は「汎用スキルで売上2倍! 勝ったなガハハ!」という雰囲気でしたが、どういう事でしょう?)
圧倒的な生命力がもたらす色気が、老若男女を惑わしていた。
「足りませんね」
客足が予想の倍を超えていた。
ドローミは第2案を採用する。
氷と肉にパンを加えることで品切れを遅らせるのだ。
適度な酸っぱさのソースと肉料理とパンが合体した一品は、肉の割合が減っても魅力はそのままだ。
なお、結構な数がレラ達のまかないとして美味しく消費されている
「こんなもんか?」
ナハシュはマジカルポケット芸に使っていた料理を一般客へまわす。
非一般客は既に満足しているようで文句は出ない。
「スゲェ儲けだな」
金貨が数十枚は入った小型金庫を見る。
これなら依頼人も満足するだろと、依頼の成功を確信していた。
マスターコメント
今回の大成功で調子にのってしまった依頼人は、冒険者に依頼せずに似たようなイベントをしようとして大失敗しました。
幸いなことに死者と怪我人は0でしたが、儲けは全て吹き飛んだようです。
ショートシナリオ普通 報酬:標準6 / 6〜8人
2021年07月09日 00時25分49秒 公開
普通
相談掲示板
マジカルポケットは凄い!!シーフのナハシュだ。よろしく。 要は氷魔神をぶっ殺して死骸を詰めて持って行きゃあいいんだろうが、程よく襲ってくる猪は邪魔だな。何人かはソッチ回った方がいいのかね。 と、マジカルポケットは持ってっから、氷を詰める事は出来るぜ。 3体いんなら協力する冒険者以外にもいた方が沢山持って行けるよなたぶん。
ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 氷魔神の倒し方についても倒した時点で氷になってしまうみたいですし、 例えば継続ダメージが入る攻撃で仕留めれば、 ある程度を維持したまま仕留められそうな気がします。 とりあえず私は盾役としての行動を考えています。
シューターのレラ・シュマリと申します。 よろしくお願いします。 カキ氷楽しみですね。 遠距離からの狙い撃ちをしていきたいと思います。
ハイスピードキャスターのバンビですわ。 基本的のジャマ―をしつつ遠距離で狩る予定ですわ。
No.5
サイラスだ、よろしくなー 取り敢えず相談見た感じ猪行こうかな。そうすれば残ってる氷担当に全クラスいるから対応しやすかろ 後俺もマジカルポケット持ってるので持ち込むわ
すみません、ドローミですよ。 マジカルポケットは、ないですねぇ。 獲得した氷をピュアウォーターで洗えます。 イノシシの方は普段通りい対処して、現場で血抜き、屋台では加工行いと思います。
私もマジカルポケットで持ち帰りますね。