雨空に願いを

真柄 葉

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シナリオID:1059

オープニング

 雨粒が瓦屋根を叩き雫が樋を流れていく。
 長く降り続く雨に、街が陰鬱に沈んでいるようにも感じる。

「なかなかやみませんね」

 旅館の軒先から街へと降りていく客を見送ったキサキ・アカネは、ふと空を見上げた。
 もう何日も雨が降り続いている。
 この時期はそういう季節だとわかっているが、それでも気分がすっきりしないのも事実。
 アカネはふぅと小さくため息をつくと旅館の戸をくぐった。

「もう少し作っておきますか」

 控室へと戻ったアカネは、机の上に広げていた和紙を手に取ると、くるくると丸めだした。
 机の上には和紙の他に、何やら見慣れる人形らしきものが幾つか転がっている。

「アカ姉さん。これって何なんですか?」

 そんな机に顎を乗せ、じっと人形らしきものを見つめている少年があった。
 この旅館『巴屋』で丁稚をしているハーフビーストの少年、ソゴウ・テンヤは、獣の耳をぴくぴくと動かしながら、アカネの返事を待つ。

「何ですか、アカ姉さんって……。えっと、これは東方から伝わったおまじないの一種で『てるてる坊主』って言うんですよ」

 いつの間にか新設された呼称に呆れつつ、アカネは人形の一つを取り上げると、テンヤに渡した。

「てるてるぼうず?」

「ええ、『てる』は晴れるの照る。『坊主』は頭をそり上げた人の事ですよ」

「ふーん? ……どゆことですか?」

「この人形をですね。ああやって、軒先に吊るすと――」

 と、首をかしげるテンヤにアカネは微笑みながら窓の外を指さした。
 そこには人形が三体、軒先から吊るされている。

「晴れを呼ぶって言われているんですよ」

「晴れを……」

 アカネに言われ窓に駆け寄ったテンヤは、窓から身を乗り出し、珍しそうにじっと見つめていた。

●
 翌日――。

「すっかり晴れましたね。てるてる坊主が効いたのでしょうか」

 雨で洗い流された澄んだ空気の元、アカネは空を見上げる。
 空は雲一つない快晴。清々しい空気がシャルガネ居住区を包んでいた。

「アカ姉さん!」

 すると、空を見上げていたアカネの元へテンヤが駆けてくる。

「おはようございます、テンヤさん。今日はいい天気ですよ」

「本当に晴れるんですね! すごいや!」

 外へと出てきたテンヤは空を見上げ目を輝かせた。

「たまたまかもしれませんけどね」

 そんなテンヤの純粋さに、少し申し訳なさをにじませるアカネ。

「あ、そうだ、忘れてた!」

「はい?」

「冒険者の人達連れてきたんでした!」

「……はい? 何故冒険者の人達を……?」

 いきなり訳の分からない事を言うテンヤに、アカネは首を傾げた。

「昨日貰った『てるてるぼうず』を冒険者の人達にあげたら、自分達も作ってみたいって!」

 と、そんなアカネにテンヤは旅館の入り口を指さす。
 そこにはすでに数名の冒険者達が集っていた。

「え……? こんなものすぐに作れますが――」

 そう言おうとしてアカネはテンヤを見る。
 キラキラとした瞳と揺れる狸の尻尾で、期待感を全身で表す少年。

「……いえ、楽しそうですね。折角なのでいろんな種類の物を作ってみましょうか」

 アカネは、それに答える様ににこりと微笑んだ。

解説

●目的 てるてる坊主を沢山作りましょう! ●場所 シャルガネ居住区にある旅館『巴屋』。 結構な老舗で今はアカネが女将に就いています。 ●人物 キサキ・アカネ 旅館『巴屋』の若き女将さん。シャルガネ居住区の事とか東方の文化とか、いろいろ詳しいお姉さん。 ソゴウ・テンヤ 『巴屋』の丁稚。狸のハーフビーストの少年。 ●補足 材料は沢山用意されています。 カラフルな和紙や色とりどりの着物の端切れ。庭に咲いている花(この時期の日本で咲いている種が多いですが、別のものが咲いていても構いません)。 色々なモノを使って様々なてるてる坊主を作ってあげてください。 作った物は持って帰っていただいても構いませんし(アイテム化はできませんが……)、旅館に飾ってもいいです。宿泊客に配ったりするのもいいかもしれませんし、即売会とかもいいですが……多分字数が足りません(メタ

マスターより

OPをご覧くださりありがとうございます。 本シナリオを担当させていただきます、真柄 葉(まがら よう)と申します。 今回のシナリオは、リクエストにて頂いたてるてる坊主のシナリオになります! 特に難しい事はありません! 思い思いに東方伝来の珍しい雨よけ人形を作ってみてください!

リプレイ


 キサキ・アカネに連れられて入った部屋には、既に幾つもの「てるてる坊主」が吊るされていた。
「こんな、人形で、雨よけ……不思議」
 軒先から吊るされたそれをじっと見上げ、ユズが呟く。
「合羽をかぶったお人形さん? とっても可愛いね!」
 ユズの横に並ぶベアトリーチェ・カロッサも人形を見上げ、頬を緩めた。
「ふふ~ん、それはてるてる坊主って言うのだ! シャルガネに古くから伝わるお天気を呼ぶお人形なのだ!」
 と、そんな二人に大福が自慢げに鼻の下を指でこする。
「丸ッとしたシンプルな造りなのに、このそこはかとなく漂ってくる愛嬌は何なんでしょう……! コロンとした頭とひらひらスカートのコラボレーション! まさに黄金比!」
 一方、リゼット・ブランはてるてる坊主の造詣に一人感激していた。
「しかし、このような簡素な人形で雨天を退けるとは……これも太陽信仰の一種なのか?」
「そ、そんな大仰なものじゃないですよ。願掛けみたいなものです」
 真剣な表情で質問してくるナタリア・フィッツジェラルドに、アカネは苦笑する。
「でも実際晴れたんだし、きっと効果があるって事だよね! いつも晴れになるのなら、僕絶対作り方をマスターしちゃうぞ!」
 二人のやり取りを聞いていたララベル・サン・ディーベルがぐっと拳を握った。
「それじゃ材料を用意しますね」
 アカネはそう言って部屋を後にする。そして、しばらくするとテンヤに大きな葛籠を持たせて戻ってきた。
「普通は白い布で作るのですけど、ちょっと数がなかったので色々な物を持ってきました」
 そう言いつつアカネは葛籠を開けた。
 中には色とりどりの和紙。そして、東方の着物の端切れが詰まっている。
「作り方がわからなければ聞いてください。もっとも、作り方もあってないようなものなので、お好きな色、お好きな形で作ってみてくださいね」

●
「できた! これで基本の形はいいとして……後は装飾よね」
 ベアトリーチェは器用な手先でサクッと白いてるてる坊主を作り上げると、葛籠の中に目を向ける。
「え、ちょっと待って! さっきのとこどうやったの??」
 そんなベアトリーチェの手際の良さに完全に置いて行かれたララベルが慌てて問いかけた。
「あー、そんなに難しく考えなくてもいいよぉ。綿でお団子つくって――」
「えっと、こう?」
「そうそう、それでここを結んで――」
 ベアトリーチェはララベルの手を取りながら丁寧に教えていく。
「あ……できた!」
「いぇい! やったね!」
 そして、完成した人形を挟み、二人はぱちんと手を重ねた。
「後はぶら下げ用の紐を結ぶだけだよ」
「それくらいなら僕にもできるね!」
 ベアトリーチェに言われララベルは紐を人形に結び付け、端を持って吊るしてみるが――。
「うわっ! 絶望したみたいになったぁ!!」
 取り付け位置が悪かったのか、人形は頭を真下にひっくり返ってしまった。
「ちょっと下すぎるね。もっと上の方に結ばないと」
 と、ベアトリーチェはララベルの人形を掴み上げると、紐の位置を調整する。
「――これでよしっ! どうかなー」
「おぉっ! ちゃんと頭が上になった!」
「ふふ~、それじゃ飾りつけもしちゃおうか」
「うんっ!」
 二人は完成した人形に飾り付けを開始した。

「実際、昨日の雨が上がったのだ。何らかの効果がこの人形達にあったと見ても間違いはないのではないか?」
「え……?」
 軒先に吊るされるてるてる坊主を眺めつつ、ナタリアはテンヤに質問する。
「もしこれに陽光を呼ぶ力が秘められているのだとしたら、それは這い寄る闇(クリーパー)すらも退ける力を内包している可能性もある」
「う、うん?」
「これを大量に用意し……いや、この『軒先に吊るす』という行為が術式の引き金(トリガー)になる可能性もあるのか。ふむ」
 何だか難しい事を言ってるナタリアをテンヤはぼーっと見つめる。
「え、えっと、効果はどうかわかんないけど、とりあえず作ってみたらいいんじゃないか?」
「なるほど、確かに作成方法を習得していれば、例え戦場であっても効果の再現が可能、か」
 テンヤの言葉に深く頷いたナタリアは、早速と材料を手に取る。
「ではご教授願おう、少年」
「う、うん!」
 ちんぷんかんぷんな説明がやっと終わったと顔を輝かせたテンヤは、大きく頷いた。

「作るのだ~!」
 ぽふぽふお手々で葛籠から材料を選び出した大福は、「わふっ?」と首をかしげる粽の色に似た生地を選りすぐっていく。
「これも、呪い(まじない)の一種。沢山覚えて、占いに、生かす」
 反対側ではユズが葛籠から小さな紙を取り出し、早速と人形を作ってみた。
「……ちょっと、不格好? これで、いい?」
 しかし、できたばかりのてるてる坊主は、軒先に吊るしてあるものとは微妙に形が違って見える。
「いいえ、とっても上手ですよ」
 不安そうに首をひねるユズに、アカネが話しかけた。
「よかった……。初めての、てるてる坊主」
 ほっと胸をなでおろし、できたばかりのてるてる坊主を見つめるユズに、アカネは微笑みかける。
「慣れてきたら他の生地も使ってみてくださいね」
「わかった、次は、布で、作ってみる」
 アカネに言われユズはもう一度葛籠の中身を漁った。
「ユズは次に何を作るのだ?」
 と、そんなユズを見つめながら、大福が声をかける。
「次は布で、てるてる坊主。大福さんは?」
「大福もてるてる坊主作るのだ! でもちょっとあれんじずるのだ!」
「あれんじ?」
「そうなのだ! てるてる坊主は坊主である必要はないのだ!」
 大福はふふんと胸を反らし、粽に背に手を添えた。
「大福は、てるてる粽を作るのだ!」
「てるてる、粽……? なるほど、形が、違えば、効果も、かわる。大福さん、すごい」
「う? そ、そうなのだ。すごいのだ! なんか褒められたのだ!」
「それなら、素材も、変われば、また、変わる?」
「変わる? そ、そうなのだ! 変わるのだ……?」
 自らの占いに通じるものがあると、深く考え込むユズに対し、大福は「そうなのか?」と、相棒に同意を求めるも、粽は「わふ?」と大福のほっぺをぺろりと舐めて答える。
「わかった。やってみる」
 頭の中でイメージが像を結んだのか、ユズはこくりと頷くと葛籠に手を伸ばした。
「大福も頑張るのだ!」
「わふっ!」

「それはお花ですか?」
「はいっ! どうでしょう、見えますか?」
 リゼットが作る人形を興味深く眺めるアカネ。それは不自然に襞が膨らんだ人形だった。
 リゼットはアカネに向けて人形をひっくり返して見せる。
「すごいアイデアですね。確かに軒へ吊るすので下から見上げる形になります。それを考えての事ですか」
「わわっ、流石アカネさん! 正解です!」
 人形に仕込んだギミックを一瞬で見抜いたアカネに、リゼットは嬉しそうに何度も頷いた。
「梔子の花を一ついただいて仕込んでみたんですけど、紫陽花とかをこんもりと盛るのもいいかなって思ってます!」
「ええ、素敵だと思います。紫陽花は庭に沢山咲いてますので、どうぞ使ってください」
「いいんですか! ありがとうございます!」
 アカネの申し出にリゼットはぱぁと表情を明るくすると、体を折って頭を下げる。
「素敵なてるてる坊主を沢山作ってくださいね」
 そんなリゼットに、アカネは優しく微笑みかけた。

●
 皆がそれぞれアイデアを絞り出し、様々なてるてる坊主を作り出していく。
「お着物てるてるちゃんに、和紙でフードを添えてみました!」
 リゼットがフード付き和装てるてる坊主を披露し。
「幻想的な儀式には、やはり幻想的な生物を模すものだろう」
 ナタリアが蝶の模様が織り込まれた端切れで妖精を彷彿とさせるものを作りあげる。
「やっぱり、綺麗にするなら女の子よね!」
 ベアトリーチェが頭部に大きなリボンをあしらった可愛らしいものを作り、
「もしかしたら、大小でも、違いが、あるかも」
 ユズが大きさの違う幾つもの人形を作る。
「できたのだ! どうだ、粽。そっくりなのだ!」
 味のありすぎる粽人形を自慢げに掲げる大福を、当の粽は「わふぅ……」と微妙な顔で見つめ。
「折角お花を使えるのなら、こういうのもありじゃないかな?」
 ララベルが緑色の和紙を使い蛙に似せた人形を作ると、紫陽花を添える。

 初めて見る様々なてるてる坊主(と呼んでいいのかわからないものも交じりつつ)が次々に机に並べられていった。
「あ、そうなのだ! みんな、よかったらもう一つずつ作らないのだ?」
 そんな中、大福がビシッと手を上げ皆を見渡す。
「もう一つ? こんなに作ったのに?」
 と、ベアトリーチェが大福の提案に首を傾げた。
「そうなのだ! 折角みんな集まったから、みんなに似せたてるてる坊主を作ってみたいと思ったのだ!」
「わわっ! 面白そうです! ぜひぜひ作りましょう!」
 改めて説明した大福に、リゼットが目を輝かせながら頷く。
「ふむ、皆に似せた人形か……それはさぞかし太陽の恩恵に与れそうだな」
「うん……身代わり人形、みたいな感じに、なりそう。また、違った……効果、あるかも」
 ナタリアとユズも大福の案に賛成した。
「もちろん僕も賛成だよ! 実はまだ作ってみたい人形があったんだよね!」
 と、最後にララベルも賛成し、皆でそれぞれに似せたてるてる坊主を作る事となった。

「似せる……意外と、難しい」
 ユズはどうやら大福に似た人形を作っているようで、小花の透かしが入った和紙を元にふくよかな大福の体形を形作っていく。
「顔を描いて……前掛けは、この布。後は……目元の化粧を」
 ユズは出来上がった人形に、大福をイメージした装飾を重ねた。
「わわ、とっても似てるのだ! ユズはすごいのだ!」
 同じように粽に似せたものまで作ってしまったユズに、大福は感激。ユズの裁縫の腕を羨望の眼差しで見つめる。
「でも大福だって負けないのだ! 大福は粽を……さっき作ったから、てるてるユズを作るのだ!」
「嬉しい。楽しみにする、大福」
「任せるのだ!」
 大福はぽふぽふお手々で頑張って和紙を丸め、ユズの纏う猫耳フードに似せた外套を羽織らせた人形に、大きな瞳を描いていく。
「うぅ……緊張するのだ」
 プルプルと震えながら器用に筆で瞳を描いてく大福。
「……できたのだ! とってもユズに……わわわっ! 外套の端っこに肉球スタンプしちゃったのだ!?」
 折角うまくできた人形だったが、最後の最後でインクの付いた肉球をぺたりとやってしまった。
「大丈夫。これも、かわいい」
 と、あわあわする大福に、ユズはにこりと微笑んだ。

「あ、あった! ありました! イメージピッタリです!」
 ガサゴソと葛籠を漁っていたリゼットが取り出したのは一枚の端切れ。白地に銀糸で雪輪の模様が刺繍されていた。
「凛麗としていて高潔な白! まるで銀糸のような御髪とも完璧完全一致です!」
「う、うむ……そこまで褒められると流石に照れるが」
 取り出した端切れとナタリアを重ね合わせながらはしゃぐリゼットに、ナタリアは照れながらも苦笑する。
「それではお返しに、私は君に似せたモノを作成しよう」
「えっ、本当ですか! うれしいです!!」
 喜ぶリゼットを横目にナタリアが葛籠を覗き込む。リゼットに似せるのはどれかと悩みながらいくつかリゼットの前に重ねてみるのだが――。
「ふふ、君はわかりやすいな」
「えっ……?」
 くすくすと笑うナタリアに、リゼットは首を傾げた。
「布を君の前に差し出すたびに、表情がころころと変わる」
「ええっ!? そんなに表情に出てましたか!?」
「ああ、とても分かりやすくてよかったよ。君の人形にはこれとこれ、それとこれを使うとしよう」
 と、ナタリアはリゼットの反応が特によかったいくつかを取り出し人形を作り始めた。

「ララベル、それは誰仕様?」
「え、見てわからない? ベアトリーチェだよ?」
「ええっ! それアタシなの!? で、でもそれって、花嫁衣裳っぽくない……?」
「うん、そうだよ! よく気付いたね。ちょっとフリルを重ねてお姫様っぽくして見たんだけど、どうかな?」
「う、うん……いいんじゃないかな?」
「あれ、どうしたの? なんか顔が赤いけど……」
「いやさぁ、流石に人形だっていっても花嫁衣装は照れるというかなんというか……」
「……ええっ!? ご、ごめん、そういうつもりで作ったんじゃ――ってどういうつもり!?」
「それはこっちが知りたいよ!」
 なんて、ララベルとベアトリーチェが二人でわたわた互いの人形を作り合う。

「てるてる坊主で、こんなに楽しそうにしてもらえるなんて、テンヤのお誘いに乗ってよかったですね」
 冒険者達の楽しそうな制作会をテンヤと共に見守っていたアカネ。
「あ、アカ姉のももちろんあるのだ!」
「テンヤさんのもありますよ!」
 そんな二人に大福とリゼットがそれぞれそっくりな人形を差し出した。
「えっ! わわっ、すごい、そっくりだ! ありがとう!」
 突然の事に驚くテンヤは、リゼットから人形を受け取ると、嬉しそうに頭を下げる。
「アカ姉もどうぞなのだ!」
「その呼び名、すっかり定着してしまいましたね。でも、ありがとうございます。大切にしますね」
 大福から渡された人形にアカネは笑顔で礼を述べた。

●
「最後の、仕上げ」
「うむ、やろうか」
 お互いのそっくり人形も完成し後は片付けかと思っていたら、ユズとナタリアがまだ何かごそごそとやっていた。
「まだ何か作るの?」
 二人してちくちく布に針を通している様子に、ララベルが問いかけた。
「検証。てるてる坊主は……大きいと、効果も高いのか。知りたいから」
「うむ。効果が質量に比例する可能性もあるからな。折角なので、飛び切りでかいのを作る」
 興味深そうに眺めるララベルに、二人は趣旨を説明する。
「面白そうなのだ! 大福もお手伝いするのだ!」
「私もいいですか! 布がいっぱいパッチワーク……たまりません!」
 大福とリゼットも集まってきて、早速二人を手伝いだした。
 みんなで協力しちくちくと布を繋ぎ合わせ、巨大な一枚布を作り上げると、頭に入れる綿をユズが用意する。それを包むように布をかぶせ、首を太めのひもで縛れば――。

「完成だッ!」
「うむ。なかなかに立派ではないか」
 ララベルとナタリアが満足げに声を弾ませた。
「はぁぁぁ……素敵」
 蕩けそうな表情で巨大てるてる坊主を眺めるリゼット。
 皆の協力で大福の身長ほどもある大きなてるてる坊主が無事、完成したのだった。

「お土産もいっぱいできたのだ!」
 巨大てるてる坊主は流石に持って帰るれないので、巴屋での飾ってもらう事になった。
 皆は自ら手掛けたてるてる坊主を手に満足げに頷く。
「うん。ボクの、処女作。お弟子さん、喜んでくれるかな」
 ユズは一番最初に作ったシンプルな人形を手に、嬉しそうに頷いた。

「次の雨の日が楽しみだね!」

 そういうベアトリーチェに皆は笑顔で頷いたのだった。

マスターコメント

てるてる坊主の製作おつかれさまでした! 皆さんの素敵なアイデアで沢山のてるてる坊主がこの世に生を受ける?事が出来ました! それぞれの性格がたっぷり反映されたてるてる坊主は、きっと陰鬱な雨を晴らす事でしょう! お付けした称号は、リク主さんであるリゼットさんからの贈り物です! 参加者さん全員のイメージがプレイングにあったので、参考にさせていただきました! ご参加ありがとうございました! お楽しみいただければ幸いです!
ショートシナリオR

ショートシナリオR易しい 報酬:少ない6 / 4〜6人

2021年06月27日 12時20分36秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. 大福

    大福と粽なのだ~!わーい!てるてる坊主なのだ~! 大福知ってるのだ!うちのお店先にも飾ってるのだ! みんなで楽しく作るのだ~! 大福、粽やみんなに似せたてるてる坊主作りたいのだっ!(ソワソワソワソワ‼ワクワクワクワク‼)

  2. ユズ

    えと、……ボク、ユズ。よろしく。 てるてる坊主、まじないの、一種。占い師とまじない、縁がある。気になった、から、作り方、教えて貰えるの、……嬉しい。頑張ろ、う。 >大福さん てるてる坊主、みんなに、似せるの、……妙案。お互いに作り合えたら、いい、ね。

  3. リゼット・ブラン

    リゼット・ブランです。 良かった……入れた……(リクエストした本人) 沢山のキモノの端切れ うれしい、嬉しい…!ヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。 宜しくお願いします!

  4. ベアトリーチェ・カロッサ

    ベアトリーチェだよ、よろしくね! 細かい手作業は得意な方だから、カワイイ飾りを縫い付けたてるてる坊主をたくさん作りたいな♪

  5. ナタリア・フィッツジェラルド

    ヒーラーのナタリア・フィッツジェラルドだ。宜しく。 てるてる坊主も縁起担ぎというべきか、太陽信仰の一種なんだろう? それに皆の試みも面白そうだ。私からもやってみよう。

  6. ララベル・サン・ディーベル

    僕は、シーフのララベル・サン・ディーベル。 みんな、よろしくね! どんなの作ろうかな(わくわく)。

  7. リゼット・ブラン

    あ、はしゃいでてご挨拶忘れていました 宜しくお願いします!

  8. ユズ

    リゼットさん、……花嫁衣装の荷物配達、振り。良かった、入れて。気になってた依頼、だったけど、予約、多かったから、……リク主さん入れるか心配、だった。ホッとした。 ところで、てるてる坊主……大きさ、問わないのかな。大きいのも、欲しい……気が、する。

  9. リゼット・ブラン

    ユズさんありがとうございます!  目安箱、悩ましいですよね 私の初めての依頼もリクエストの依頼で 素敵な依頼だったから予約しちゃいましたけど ご依頼主さんが入られるか物凄く冷や冷やしました。 因果は巡りました(こく) 花嫁衣装も無事に届けられています様に。 大きいのありだと思います!布は端切れらしいので、パッチワークみたいに 繋げるとまた趣の違う素敵な布になったり 和紙?も貼り合わせて大きいの、作れそうですよね!

  10. ナタリア・フィッツジェラルド

    この依頼はブランのリクエストだったのか……例えFPをつぎ込もうと、落ちるときは落ちると聞く。 君も無事に入れた者の一人だったとは。おめでとうだ。 個人的な試みだが、大きさ次第ではエンブレム(?)をあしらったものでも作ってみたい所だ。

  11. 大福

    >ユズ ありがとうなのだ~!大福、てるてるユズも作ってみていいのだ? >リゼット リゼットの発案だったのだ?とっても素敵なのだ!ありがとうなのだ! 入れて本当に良かったのだ。大福、ちょっと心配してたのだ。 いろんなてるてる坊主が生まれそうで大福ワクワクするのだ!

  12. ユズ

    >リゼットさん パッチワーク案、……いいかも。 ちょっと、裁縫、習ってくる。きっと可愛い、てるてる、出来る、はず。 >大福さん ……てるてる、ボク。 ちょっと、恥ずかしい、けど、……喜んで。 お礼に、ボク、大福さんのてるてる、作る、ね。 あっという間、明日、出発。 プレイング、頑張って、書かなきゃ。

  13. リゼット・ブラン

    わ、わ、ナタリアさんも 大福さんもありがとうございます! 本当はいれて良かったし、ご一緒出来て嬉しいです 可愛いてるてる坊主さんたっくさん作りましょう!

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0