【学乱】いじわる魔女をどうにかする方法
空色みなも
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シナリオID:1018
オープニング
「またジュエリアさんは王党派の牛耳る会合などに出席されていらっしゃいますの……!」
金色の巻き毛を揺らし、バンッと机を叩きながら立ち上がった少女。
彼女はカーリィ・ブロンド、リーンエス王国に設立されたパンクリアース学園の五年生である。
「せっかくわたくしがご忠告を差し上げましたのに……」
こうしてカーリィがハンカチを噛んでいるのにも訳がある。
貴族の子女が集うパンクリアース学園において、カーリィもまた貴族の生まれである。
それも、貴族の権利を最大限に主張する貴族派の。
王家に従順な王党派との対立が、学園内で顕在化を始めた現在、カーリィは貴族派生徒の囲い込みに動いていた。
しかし、ジュエリア・シャイニーという貴族派の同級生がカーリィに従わず、事も有ろうに王党派の生徒が部長を務める卓上遊戯部でよろしくやっているというではないか。
現在、学園では生徒会総選挙を通じて覇権を争おうとする動きが持ち上がっている。
万が一にも、貴族派生徒の票が王党派に取り込まれてしまうようなことでもあれば、貴族派勢力を守りたいカーリィにとっては死活問題だ。
「わたくしたちには家を守る責務がありますというのに、遊戯に現を抜かすなど……こうなれば、わたくしが直談判に参りますわ!」
カーリィは他の貴族派生徒が引き止めるのも聞かず、ズカズカと教室を出た。
向かう先は勿論、卓上遊戯部の部室である――。
●
「どうしてジュエリアさんに会わせて頂けませんの!?」
「当の本人が会いたくない、と言うんだ、仕方ないじゃないか」
卓上遊戯部の部室入口で、詰め寄るカーリィを、部長リーブス・リテラスは手で押し返すようにして制していた。
「シャイニー先輩から伝言です。ブロンド先輩と会ってもいいが条件がある、だそうで」
そこへ、部員のハンデルス・トレイダーが部室内から現れる。
「はぁ!? このわたくしが、何故そのようなことを!?」
ハンデルスの口から語られた条件を聞いたカーリィは、素っ頓狂な声を上げていた――。
●
「というわけで皆さんには、カーリィさんと卓上遊戯をして頂きたいんです」
部室内では、ジュエリアが冒険者たちを集めて依頼を行っていた。
要するにカーリィと勝負して打ち負かせばいいのか、と冒険者たちの間から声が上がる。
「いいえ――カーリィさんと協力して、一つの卓上遊戯を攻略して頂きたいと思っています」
ジュエリアは同級生としてカーリィとの付き合いがあり、その人柄を知っていた。
カーリィへは勝負を持ちかけて引き下がらせようとするより、むしろ遊戯を通して態度を和らげさせるほうが良い――ジュエリアはそう踏んでいた。
冒険者に依頼を行ったのも、そのほうがカーリィが偏った目を向けずに共に遊戯に取り組めるだろう、との思いがあるようだ。
「カーリィさんは真面目過ぎるきらいがあるだけで、根っから悪い方とも思えないのです――その証拠に、ほら」
ジュエリアが視線を向けた先、部室の入口に、しぶしぶといった顔でカーリィが姿を現していた。
●
「勝ち負けに関係なく、この戯れに最後まで付き合えば、わたくしの話を聞いて頂けますのね?」
「ええ、それが約束だから、今は堅苦しい話は無しにしましょ」
席につきながらも睨みつけてくるカーリィを、ジュエリアは軽くいなす。
「じゃあ僭越ながら僕が説明役を務めさせて貰うよ」
部室の棚から持ち出した箱を開け、手際よく備品をテーブルに並べていくリーブス。
「この遊戯で、参加者の皆は色とりどりの魔法使いになる」
「ははあ……カードや駒が五色ありますのね」
リーブスに促されてカーリィが備品を眺めると、なるほど、赤、緑、青、黄、白と色分けされたカードや駒が揃っていた。
「魔法使いである参加者たちの目的は、世界に悪さする魔法使いの女……黒の魔女を懲らしめること」
そう言ってリーブスが見せたのは、黒衣をまとった魔女が描かれた大きなタイル。
そこには何やら細々と数字が書き込まれたりもしていたが、後で説明するので今は気にしなくていいとのことだった。
「そのため、参加者たちは手持ちの魔法使いを最初に『生み出す』んだ」
「生み出す……ですって? それはどういうことですの?」
リーブスは五色の魔女が描かれたタイルを取り出し、そのうち1枚をカーリィの目前に差し出した。
「言葉の通りさ。自分の操る魔法使いはどんな魔法が得意なのか想像しながら、それを表現していくのさ」
この先、リーブスが行った説明はやや長いので要約しよう。
遊戯の参加者たちは、ゲームの開始前に魔法使いの『特徴』を2つ、切り札の【大魔法】を1つ決めることができるらしい。
それによって、魔法使いが命中精度の高い攻撃魔法を操るのか、それとも高威力の攻撃魔法を操るのか――といった特徴を表現することになる。
「それは面白いですわね――って、ハッ!? 今のは違いましてよ……そう、滑稽ですわね、と言いたかったのですわ!」
カーリィも息を飲んで話を聞いていたあたり、この時点でジュエリアの見込みは間違いでもなさそうである。
「魔法使いが5人揃ったら、魔女の配下や、黒の魔女そのものとの戦いに赴くことになるんだけど――」
リーブスによると戦闘は攻撃や回避などの概念を伴い、カードを使って進行するらしい。
各参加者は1から8までの数字が書かれた8枚のカードを自分の山札として持つ。
攻撃や回避といった行動を求められるたび、自分の山札からカードを1枚引き、その数字を成功の度合いとするのだとか。
ちなみに、各色の山札は尽きるたび捨て札を集めてシャッフルするとのことだ。
「戦闘は3ステージに分かれているんだ。例えば最初の戦闘だと、魔女の配下の黒猫が3体現れる」
並べたタイルを例にとりながら、リーブスは進行について説明する。
「手番1巡をラウンドと呼ぶんだけど、その間に魔法使いたちは好きな順番で、任意の敵を1回ずつ攻撃するんだ」
その際に、カードを山札から1枚引くことを命中判定と呼び、カードの数字を命中値とする、と説明するリーブス。
特徴などの数値を足した命中値が、敵の回避値以上になれば、その攻撃は命中するらしい。
攻撃が命中した場合、ダメージ判定としてやはり山札から1枚カードを引き、数字の分をダメージとして敵を守る障壁を削ることができるとのこと。
敵が持つ障壁を0以下にすることができれば、その敵は倒したことになるようだ。
「魔法使いたちの手番の後に、もし倒していない敵が残っていたら――そいつらは魔法使いたちに攻撃してくる」
リーブスが声を低くして説明するには、敵は1手番で魔法使いたち全員に攻撃を行うのだとか。
このとき魔法使いたちは好きな順番で、敵の攻撃の回避判定に臨む。
山札からカードを1枚引き、出た数字を回避値として、敵の命中値以上になれば、回避成功。
回避に失敗すると、敵の攻撃値だけ障壁が削られる。
障壁の初期値は35で、0以下になると行動不能になってしまうので注意が必要だ。
「ステージの敵を全て倒して、ステージ3まで順にクリアすれば勝ち。逆に、魔法使い全員が行動不能になると負けというわけさ」
「よろしくってよ! その挑戦、受けて立ちますわ!」
ともすれば長く感じるリーブスの話を、カーリィはなんだかんだ最後まで聞いており。
ついには、このような宣言を高らかに行う始末であった――。
解説
マスターより
リプレイ
(ブロンドさんはあくまで貴族派のため、という体で行動されているようですが……傍から見れば、シャイニーさんの身を案じているようにも見えます)
前回に続いて卓上遊戯部の依頼を受けたリディリディ・トゥラ・イェレミース。
その考え通りならば、卓上遊戯部の部員もカーリィも、ジュエリア・シャイニーを思って行動しているということ。
両者が歩み寄る道はあるはずなのだ。
(派閥が違うというだけで仲良くしてはいけないなんて……とても寂しいことだと思うから)
内心で呟くゲルダ・クラインもパンクリアース学園に通う四年生で、新年度でようやく学内にお友達がいるようになった頃。
できれば良い形で騒動が収まって欲しい、と考えるのも無理からぬことであろう。
(ジュエリアさんはカーリィさんに卓上遊戯の楽しさを知って頂きたいんですね。それなら私は全力でサポートしますよ!)
という思惑を伝えるべく、ルアンナ・ミュラーはジュエリアに目配せを送っていた。
「さて、今回は……カーリィ、だったか。お前さんとの共闘だったな」
「そ、そうですわよ。文句でもありまして?」
視線を向けたヴァンゲルス・ロッドに対し、精一杯の虚勢を張ってみせるカーリィ。
「まさか。ま、肩の力を抜いて楽しもうかね。お前さんも案外こういうのは嫌いじゃないんじゃねぇか?」
「むう……」
それでもヴァンゲルスが笑顔で返したものだから、これにはカーリィも毒気を抜かれたようだった。
「カーリィ様、一緒に頑張りましょうね……! まずは、魔法使いを作りましょう」
もともとは貴族に苦手意識のあるゲルダも、この機会にカーリィと仲良くできれば嬉しいと、積極的に声をかける。
「といっても、どのようにするのがいいか……まずは皆様のやり方を見物させて頂きますわ」
「わたしも卓上遊戯は初めてで。なのでここは直感で……『障壁+15』と『護衛』、大魔法は『予知』で仲間を護る盾をやってみようかと」
カーリィが様子見に回ったので、ゲルダが先んじて魔法使いを完成させる。
「じゃあ俺は回避しつつの反撃型だな。『回避+1』『反撃』で、大魔法は『予知』といこう」
冒険者としても素早い立ち回りを得意とするヴァンゲルスがこのような選択をするあたり、魔法使いの作成にもそれぞれの性格が反映されていた。
「私は……『命中阻害』と『回避阻害』で阻害特化にしようかと。大魔法は『必中』です」
一方、リディリディは妨害に優れた構成と、面単位の魔法攻撃を好む普段のスタイルから離してみたようだった。
「私は『範囲攻撃』と『攻撃+2A』をとって、大魔法を『必中』にしておきますね」
「となると、まだ使われてない特徴は『攻撃+2B』と『命中+2』になりますわね」
ルアンナの構築が終わったのを見て、特徴の一覧を読みつつカーリィが呟く。
「違う魔法使いなら、特徴が被っていてもいいそうですが……とはいえ攻撃や命中を底上げするものは役に立つかと」
「なるほど……それに、せっかくなら他の方と違うほうが楽しいですわね。特徴はこの二つでいきますわ!」
この時点でリディリディの助言に素直に耳を傾けているあたり、カーリィも遊戯にのめり込みつつある様子。
「なら命中率はあるので、大魔法は『増幅』にしてみてはいかがでしょう?」
「……いいですわね!」
ルアンナのアドバイスにもカーリィは気を良くしたようで、こうして黒の魔女に挑む魔法使いが揃ったのであった。
●
「どなたから行動します?」
「私は……命中阻害を生かすためにも、様子を見たいですかね。最初に攻撃して、その相手を倒すことになってしまってもなんですし」
三枚の黒猫のタイルを前に発せられたゲルダの問いに、リディリディが自らの希望を述べる。
「では最初に私が全体攻撃しましょう……それっ!」
範囲攻撃の特徴を取っていたルアンナが、先陣を切って命中判定を行うべく赤い山札に手を伸ばした。
「命中値は5! 敵の回避が4なので全体に命中です! ダメージは……カードが3、特徴込みで5ダメージ!」
ルアンナは喜びながら黒猫の残り障壁を表す駒を動かしていく。
「ここはわたくしが!」
「お、やっぱり乗り気じゃないか。いいぜ、やってみな」
興奮気味のカーリィに、ヴァンゲルスがニヤリと笑んで判定を促す。
「えっと、今はどの黒猫も同じですわね。黒猫Aに、えーと……そう、魔法の矢を飛ばしますわ!」
勢い込んでカーリィが白の山札から引いたのは――6のカード。
「命中ですわよね、これ!」
「やりましたね!」
すでに遊戯をクリアしたかのごとく喜ぶカーリィに、ゲルダが拍手を送る。
「次にダメージでしたわね! ……カードが1でしたの」
「それでも特徴があるから3ダメージ、悪くない結果さ」
カードの数字の大小に一喜一憂するカーリィを、ヴァンゲルスがフォローする。
「じゃあ次は俺が行っとくか。黒猫Aに――命中値が5で当たり、ダメージが2だ」
「次がわたしですね。同じく黒猫Aを――4で命中です! ダメージは……わたしも2でした」
ヴァンゲルスは、軽快に黄色の山札をめくっていき、テンポよく処理を進めていく。
そして緑の山札が生み出す判定結果に対してゲルダは都度、新鮮な反応を見せていた。
「黒猫Aの障壁は残り6……次のラウンドの範囲攻撃もありますし、黒猫Bにいきましょう」
そしてリディリディが青の山札から引いたのは5のカード。
「ダメージは2ですが、命中阻害するには当たるのが大事なので……」
次いでリディリディが行った描写により、魔法使いが生きる世界の中で黒猫の一体を白い霧が覆い、その視界を塞いでいた。
「そして回避ですね……!」
「護衛はラウンドに1回なので、最後に使いますね」
ルアンナが参加者たちに進行を伝え、ゲルダがそれに頷く。
黒猫Aに対して運悪く攻撃を受けたのが、3を引いたゲルダと、2を引いたカーリィ。
一方、ルアンナとリディリディはともに6を引いて被害を免れる。
「テメェらの攻撃なんて当たってやるものかよ。こちとら本職なモンでな、こんなの慣れたモンさ」
すっかり魔法使いへと入り込んだヴァンゲルスが4のカードを引いて、特徴の補正込みで回避を成功させる。
結論から述べると、黒猫Bの攻撃は全ての魔法使いが回避に成功した。
カーリィは5を、ゲルダとヴァンゲルスはともに7を引き。
そしてルアンナとリディリディが4を引いたものの、命中阻害が功を奏してダメージを受けることはなかったのだ。
「役に立ってよかったです……!」
「ナイスですリディリディさん!」
この成果にはリディリディも顔をほころばせ、ルアンナも快哉の声を上げていた。
「ち、油断したかな」
そこへ黒猫Cからの攻撃が、3を引いてしまったヴァンゲルスを始めとした四人に突き刺さる。
リディリディはここに来て1を、ルアンナは2を引いてしまい被弾。
ゲルダは自身の回避を6で成功させていたものの、カーリィを庇った際に1を引いてしまったのだ。
「ほらよ、お返しだ!」
せめてもの反撃にと、ラウンド最後にヴァンゲルスが攻撃をかわせた黒猫二体の障壁を削っていた。
「一気に畳みかけますよ! 命中8! ダメージは1のカードに特徴加えて3です!」
ここで魔法使いたちは攻勢に転じ、ルアンナの範囲攻撃により黒猫Aがついにダウンする。
「黒猫Bのほうに5で命中して――わ、8が出ましたよ!」
ここでもう一体の黒猫を落としたゲルダが、大ダメージにはしゃぐ。
「残った黒猫に……3ですが特徴で5、命中ですわ! ダメージは4の2足して6!」
そして、もはやカーリィも遊戯に夢中になっているのは一目瞭然となっていた。
このラウンド、ヴァンゲルスとリディリディは命中判定でそれぞれ1と3を引き、以降に運を溜めることとなる。
しかし生き残った黒猫の攻撃に対し、ルアンナ、リディリディ、ヴァンゲルスは7、8、6と引いて回避に成功。
カーリィを護衛したゲルダも5、8と続けて回避に成功したため、被害を受けることもなく。
ヴァンゲルスの反撃を受けた黒猫は、次ラウンドに6を引いて攻撃を命中させたゲルダが4ダメージを出した結果、沈むこととなった。
●
「リテラスさんに聞いたところ、命中と回避の阻害は同時に使えるそうなので……単体の狼男相手には初手に攻撃しますね」
中ボスの狼男戦、リディリディは7のカードを引いてしっかり攻撃を命中させ、5ダメージを与えるとともに狼男の行動の自由を奪う。
ここでゲルダが2を引いて運を溜め。
ルアンナは5で命中させ、3のカードによる5ダメージと着実に敵を削っていく。
ヴァンゲルスは精度高く8で命中させるも、ダメージは1に留まる。
「10ダメージですわー!」
そこへ7を引いて命中させたカーリィが続けざまに8を引いてキャッキャと喜んだところで、攻守が入れ替わった。
「けっこう痛いですね……!」
焦りの声を上げたルアンナを始めとし、ゲルダ、リディリディが2、3、3を引いてダメージを受け。
ゲルダのカーリィを庇っての判定は7で成功、8を引いたヴァンゲルスはカウンターを狼男に加える。
この時点で残り障壁6となっていた狼男は、4、1を判定で引いたリディリディとゲルダの攻撃をかわすも。
ルアンナの命中8には敵わず、ダメージ判定で6のカードが出たことにより撃破された。
●
「いよいよ親玉が相手だな。ま、俺は回避で生き残りを図りながら奴さんを叩いて行くか。ククッ、俺は結構しぶといんだぜ?」
黒の魔女と鴉のタイルを並べ、その強大なデータを見たヴァンゲルスが不敵に笑う。
「ここは……大技の切りどころですね……! 大魔法を発動します……!」
宣言により、リディリディは魔法使いの持つ必中の魔法を黒の魔女に叩き込む。
ダメージが1であったとはいえ、霧による妨害が確実にその効果を表すのが大切であった。
「私も行きますよ――大魔法!」
ルアンナの放った必中の範囲攻撃に、敵は回避することも能わず飲み込まれ。
4のカードが引かれたことにより、6ダメージが敵にまとめて与えられた。
そしてこのラウンド、ゲルダは黒の魔女への命中判定で2を引いて、運を溜めることとなり。
回避阻害の甲斐あって、ヴァンゲルスは5の命中値で黒の魔女へ3のダメージを与えることに成功する。
「これは――いってしまってもよろしくて?」
「いってしまってもよろしいと思います!」
カーリィが4を引いて特徴込みで黒の魔女へ当て、さらに引いた6のカードを見て、ルアンナが大きく頷く。
「では……極太の魔法の槍を飛ばしますわ! 大魔法! 諸々込みで16ダメージですわー!」
承認を受けて大魔法を宣言するカーリィの表情は、間違いなく輝いていた。
攻守交替して臨んだ鴉の攻撃。
3、1、2、1を引いてゲルダ、リディリディ、ルアンナ、カーリィが被弾。
6を引いたヴァンゲルスが特徴の助けあって回避からの反撃に成功。
そして黒の魔女の苛烈な攻撃がついに魔法使いたちを襲い。
5、3を引いたゲルダ、カーリィはかわしきれず深手を負う。
だが、ここでもリディリディの妨害は大きな効果を表し。
ともに7を引いたルアンナ、リディリディの攻撃を代わりに受ける際のゲルダの回避成功に繋がった。
また、ここで強運を発揮したヴァンゲルスが7を引いて回避、手痛い反撃を黒の魔女へと加えた。
しかし、幸運と不運は交互に訪れるようにできている。
次ラウンド、リディリディが8の命中値により7のダメージを黒の魔女に与えるも。
続くルアンナ、ゲルダ、ヴァンゲルス、カーリィのカードが4、1、2、2と振るわず、敵に手番を渡すこととなる。
ここで鴉が猛威を振るい、ルアンナが8を引いて回避した他は、ゲルダ、リディリディ、ヴァンゲルス、カーリィが4、6、4、5を引いてダメージを受ける。
そこへ黒の魔女の追い打ちがかかる。
これにより、6、5、3を引いたゲルダ、ルアンナ、リディリディが大ダメージ。
残り障壁がそれぞれ2、7、2と、息も絶え絶えの状態となる。
「ここでわたくしを庇いますの!? 倒れてしまいますわよ!?」
「いいえ、わたしは倒れません――大魔法!」
驚くカーリィを庇ったゲルダが、予知により黒の魔女の攻撃を無効化してみせる。
「……勝機が見えた。よし、ここらで俺も大魔法だ! ここからが反撃開始だぜ?」
そして、ヴァンゲルスも予知を発動することにより黒の魔女へ反撃、残り障壁を11までに追い込んだ。
こうして迎えた次ラウンドの攻撃で、リディリディとルアンナがともに1を引いてしまう。
そこでゲルダが8の命中値で6ダメージを黒の魔女に与え……残り障壁は5。
「じゃ、俺は鴉をやるから黒の魔女は任せたぜ、カーリィの嬢ちゃん」
「ええ!?」
ヴァンゲルスが命中で7を引いて鴉に6ダメージを与えた横で、カーリィは素っ頓狂な声をあげる。
これで黒の魔女を仕留め損ねたらどうするのか、とカーリィは訝しむも。
「ええい! やってやりますわ!」
覚悟を決めたカーリィが残り2枚となった山札に手を伸ばし――。
●
「やりましたね、カーリィさん!」
「ふ、よろしっくてよ!」
ルアンナが掌を掲げると、カーリィはパシッと手を合わせて来た。
カーリィは7と8のカードを続けて引き、黒の魔女を倒していたのだ。
その後、もう1ラウンドかけて鴉を倒し、魔法使いたちは見事に勝利を収めていた。
「ま、嬉しそうで何よりだ」
「……ロッドさんは、残りのカードを知っていたんですね」
ヴァンゲルスがあの場面をカーリィに任せたのは、引かれたカードを覚えており、山札の残りが分かっていたからだった。
リディリディもカードはなんとなく覚えていたので、そのことに気付いたようだった。
「わたし、貴族の方って少しだけ苦手だったんです。でもカーリィ様と一緒に卓上遊戯でハラハラドキドキして……カーリィ様への苦手だなって気持ちが、どこかに行っちゃいました」
「ゲルダさん……」
そこで意を決して行われたゲルダの告白に、カーリィは少なからず動揺した様子を見せる。
「カーリィ様はどうでしたか? ……楽しく、ありませんでしたか?」
「そ、それは……楽しくないこともありませんでしたわ!」
上目遣いで見上げるゲルダに対し、カーリィは精いっぱいの照れ隠しをしていた。
「実は私、卓上遊戯部の初期メンなんです」
ここでルアンナもカーリィに対してカミングアウトを行なう。
「卓上遊戯部は、どんな立場であっても気兼ねなく遊戯を楽しめる中立な場所です。それは何があっても変わりません」
ルアンナの宣言を、カーリィは神妙な面持ちで聞き入っていた。
「卓上遊戯って、すごいですね。貴族とか平民とか……派閥とか、そういうのを超えて楽しめる」
緑の駒をちょん、と指先でつつきながら、ゲルダが独り言つ。
この様子であれば、カーリィも卓上遊戯部と和解することができるだろう。
ゲルダは願った――卓上遊戯部に、明日も皆の笑顔がありますように、と。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準4 / 4〜4人
2021年06月14日 08時30分24秒 公開
参加者
ゲルダ・クライン
ルアンナ・ミュラー
- イェレミース トゥラ リディリディ
ヴァンゲルス・ロッド
相談掲示板
ヴァンゲルス・ロッドだ。ヴァンと呼んでくれ。 ルアンナの嬢ちゃんは二度目だな。今回も宜しく頼む。 さて、4人揃うかねぇ。まだ時間はあるし、ゆっくり待つとするか。
ルアンナ・ミュラーです。 無事に成立しましたね♪ 皆さん、ご参加下さりありがとうございます!
ゲルダです。 ええと、こういった遊びは初めてで……ちょっと、緊張していますけど カーリィ様はもちろん、わたしも楽しめたらいいな、って思います。 よろしくお願いします……!
No.4
その・・・、リディリディと言います。 よ、よろしく・・・、お願いします。 卓上遊戯部からの依頼は以前受けたことがありますが、今回は前回とまた違った様子ですね。 勝ち負けは関係ないようですが、参加するには、あの・・・、頑張りたいです。 皆さんは希望の色とかありますか?
よ、リディリディは前回振りか。ゲルダは初めて会うな。二人共宜しく頼む。 希望の色か……そうだな、じゃあ俺は前回と同じく「黄色」を希望しとくか。 今回は時間もあるし、折角だから色々話しながら決めていけると良いな。 お前さんらは魔女にどんな特徴を持たせるつもりなんだ?
あらためまして、よろしくお願いしますね。 色……ええと、何色でも大丈夫ですが、青と緑が好きなので、その色だと嬉しいです。 魔女……やっぱり、役割分担ができるよう、それぞれで異なる特色を持たせた方がいい、でしょうか? 現時点では……ですけど、障壁+護衛で、防御によった動きにしようかなって考えています。
私は赤の魔女を使おうと思います。 能力は『攻撃+2A』と『範囲攻撃』でガンガン魔女を攻撃しようかと! 勝ち負け関係なく、カーリィさんと一緒に楽しみましょうね♪
No.8
では私は青の魔女を選びます。 それと特徴は阻害特化として「命中阻害」と「回避阻害」を持ちましょう。 これはステージ3までのクリアで1ゲームなのですよね。 大魔法は使いどころが難しそうですね。
なるほどな。んじゃ俺は回避して生き残りを図りながら奴さんを叩いて行くとするか。一人でも残れば希望は見えて来る筈だからな。 特性は回避+1と反撃、予知を持っていこう。 確かに大魔法の使いどころは悩むところだな。 基本的にはここ一番って時に使うので良いと思うが。
では、私が緑の魔女ですね。 大魔法は予知にして、大ダメージが予想される黒の魔女戦で使用しようかなと。 ヴァン様の仰る通りで、ここ一番ってところで使えば、きっと盛り上がりますよね! ふふ、いまからワクワクしてきました。たくさんたくさん、がんばりますね!