町おこし、走れ走れ!
狐野径
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シナリオID:923
オープニング
●町おこし
その町はリーンエス王国のシルトラース帝国寄りにある。
国境が近いと言うことで、それなりに人通もあった。
現在も寂れているという訳ではないけれども、一昔前より来訪者は減っている。来訪者の職業比率も変わっている感覚はある。
結局、早く手を打っていかないと、何があるか分からないと商店街の人間は思った。ただ、どうやって町おこしをするかが難しかった。
町はそれなりに大きいけれども、特産品があるわけでも、風光明媚なところがある訳ではない。
城壁も若干あるけど、町全体を覆うという物ではない。大通りの端には壁があるので、城壁作りと町の拡張が一緒に起こったのかも知れないと推測する事もできた。
それをひもとく……となると、時間は掛かる。だからこそ、色々平行して人を集める方策を考えのだった。
そんな中、イベント企画を押しつけられた人物がいた。
押しつけられたのは商店街に小さいながらも店を構える若い女性ササナだった。
「またかー」
と、机に突っ伏し呻いた。チョコレート祭りの時にも仕事を押しつけられていたから。
ただし、今回は、助っ人がいた。
この町の冒険者ギルドの若手男性職員セツだった。
「ササナさん、頑張りましょう!」
そして、ササナとセツでイベントの内容を考える。
「町全体で楽しんでももらうのが一番ですよね。オリエンテーリング、みたいなのはどうでしょう?」
と、セツは地図を見ながら告げる。
「オリエンテーリング?」
「チェックポイントをヒントから見つけて、通って、ゴールを目指すものです」
セツはざっくりと解説する。
「これなら町の中を走り回ってくれることになりますよね」
「確かに……で、ヒントってどうするのかしら?」
「そうですね……それはお店にも協力してもらいましょう」
店にヒントを置いてもらうということだった。
そして、協賛してくれる店を募った。
ヒント置き場になってくれる店と張り紙など運営の手伝いをしてくれる店は現れた。そこから二人は内容を詰めるのだった。
●どうにかこうにか
ササナとセツはスタートとゴール、ヒント出しに協力してくれる店の位置などを地図で確認した。
まずはスタート地点だ。
「東側にある広場から出発でいいかしらね」
「そうですね。人数の集まり方を考えると……多い場合は整理しないと駄目ですし」
そこからどう最初のポイントに誘導するか。
スタート時間は同じだ。
「詩みたいにするのはどうでしょうか?」
セツがそれに続いて「僕は太陽を背に歩き出す。きらめきを腹に収める」という。
ササナは少し眉を寄せた。それで目的地には着くのだが、
「……近くに宝飾店があるのよね。なんできらめきなの?」
「えっと、最近、チョコレートを作っていますが、ここの菓子、きらきらしているのがあるんですよ」
「……あ、そういえば、飴のお菓子」
「それです」
最近チョコレートに埋もれていたからササナは失念していた。
「確かにきらきらよね」
「あ、それと、店主さんが『リザードマンの鱗の枚数を答えよ』という質問を出したいそうです」
「はぁあ? 答えって何? 店主がそれでいいというなら……」
ササナは素っ頓狂な声が出た。
店主は話をするのも聞くのも好きなタイプなため、哲学的な何かかもしれないとササナは考えた。
「それに応えると、新作チョコの試食と目的地のヒントが教えてもらえます」
「ヒントは?」
「そうですね……『大鼬歩く道、気をつけて、真っ直ぐ歩く。胃袋を捕まれる』というのはどうでしょう?」
というセツにササナは首を傾げた。
「鼬歩いているの? あの辺飼っている人いたかしら?」
「分かりません」
「そうね、看板くらい作ってくれそうだし、その日だけその道は『鼬通り』で」
と、ササナは力技でねじ伏せた。
ササナは胃袋については気にしなかった。なぜならば、そこが飲食店が並ぶところだからだ。
スタート地点から考えると昼ご飯時。そのため、胃袋を捕まれてお金を落してくれることを願う。
そして、当日「鼬通り」となる道を真っ直ぐ歩くと宿が一軒ある。
そこではハーブティーを飲むことができる。
もちろんクイズ付きである。
飲んだハーブティーに入っているハーブを当てる。それも、ブレンドされたものだと言う。
そこにいくつかの草や花が並んでおり、選ぶ事になるのだ。
「これ、味が分からないと駄目だし、ハーブの見た目も知らないと駄目じゃない?」
「そう、ハードル高いみたいです。なお、クイズ外すと、店主による、ハーブ講座を1時間受けてもらいます」
ゴールが遅くなるペナルティとなる。それでも、次のヒントを得る事はできる。
「宿の人、答えられないことを前提にしているみたいですよ」
「あー、講習会したいのね」
「正解しても参加していいのでしょうか?」
「宿の人の書き方見ると、解答に即した講習会ね」
ササナは受ける価値があるかは人それぞれだと考えた。
「で、ここで得られるヒントは『最新ファッションは当店へどうぞ』……ヒント?」
「知らない人にはヒントだと思います」
町の人に服屋に聞けば分かるだろう。
「クイズは……この服に似合う組み合わせは何か」
シンプルな、青いドレスが提示されるらしい。
そこに、各種色のストールや色々な形の帽子、アクセサリーが置かれており、組み合わせるらしい。
「答えあるの?」
「店長をうならせたら正答です」
「なるほど……それ、えと……」
ササナは無難に会う物を組み合わせられるか、言いくるめるかのいずれかのような気がした。
「で、ここで得られるヒントは……『運命を切り開け!』」
「占い処です?」
ササナはうなずいた。あの店主はこの町の人間ではないし、流れてきた人だ。店を開いたけれどもやる気のない雰囲気の店だから、いなくなるのも早いかと思ったけれども、意外と定着していた。
その上、なぜか商店街のイベントに協力してくれた。ササナとしては助かる。
「で、ここで何をするのかしら」
占いのカードを一枚引くとあった。
「本当に運命を切り開く……占いじゃないの?」
「そして、ゴールに行ってもらうのです」
「ヒントは!?」
「カードだそうです」
「……それ、分かるものかしら?」
二人は首を傾げた。
クイズやらなんやらは作り上げた。
最後に、塔の方の準備をすればいい。
「宝は、ここの大地って……いいのかしらねぇ」
ゴールの城壁ぽい塔のような何かから、見えるは国境方面。国境は見えないのだけれども――。
ここで、何を思うかはそれぞれだろうとササナは思った。
その町はリーンエス王国のシルトラース帝国寄りにある。
国境が近いと言うことで、それなりに人通もあった。
現在も寂れているという訳ではないけれども、一昔前より来訪者は減っている。来訪者の職業比率も変わっている感覚はある。
結局、早く手を打っていかないと、何があるか分からないと商店街の人間は思った。ただ、どうやって町おこしをするかが難しかった。
町はそれなりに大きいけれども、特産品があるわけでも、風光明媚なところがある訳ではない。
城壁も若干あるけど、町全体を覆うという物ではない。大通りの端には壁があるので、城壁作りと町の拡張が一緒に起こったのかも知れないと推測する事もできた。
それをひもとく……となると、時間は掛かる。だからこそ、色々平行して人を集める方策を考えのだった。
そんな中、イベント企画を押しつけられた人物がいた。
押しつけられたのは商店街に小さいながらも店を構える若い女性ササナだった。
「またかー」
と、机に突っ伏し呻いた。チョコレート祭りの時にも仕事を押しつけられていたから。
ただし、今回は、助っ人がいた。
この町の冒険者ギルドの若手男性職員セツだった。
「ササナさん、頑張りましょう!」
そして、ササナとセツでイベントの内容を考える。
「町全体で楽しんでももらうのが一番ですよね。オリエンテーリング、みたいなのはどうでしょう?」
と、セツは地図を見ながら告げる。
「オリエンテーリング?」
「チェックポイントをヒントから見つけて、通って、ゴールを目指すものです」
セツはざっくりと解説する。
「これなら町の中を走り回ってくれることになりますよね」
「確かに……で、ヒントってどうするのかしら?」
「そうですね……それはお店にも協力してもらいましょう」
店にヒントを置いてもらうということだった。
そして、協賛してくれる店を募った。
ヒント置き場になってくれる店と張り紙など運営の手伝いをしてくれる店は現れた。そこから二人は内容を詰めるのだった。
●どうにかこうにか
ササナとセツはスタートとゴール、ヒント出しに協力してくれる店の位置などを地図で確認した。
まずはスタート地点だ。
「東側にある広場から出発でいいかしらね」
「そうですね。人数の集まり方を考えると……多い場合は整理しないと駄目ですし」
そこからどう最初のポイントに誘導するか。
スタート時間は同じだ。
「詩みたいにするのはどうでしょうか?」
セツがそれに続いて「僕は太陽を背に歩き出す。きらめきを腹に収める」という。
ササナは少し眉を寄せた。それで目的地には着くのだが、
「……近くに宝飾店があるのよね。なんできらめきなの?」
「えっと、最近、チョコレートを作っていますが、ここの菓子、きらきらしているのがあるんですよ」
「……あ、そういえば、飴のお菓子」
「それです」
最近チョコレートに埋もれていたからササナは失念していた。
「確かにきらきらよね」
「あ、それと、店主さんが『リザードマンの鱗の枚数を答えよ』という質問を出したいそうです」
「はぁあ? 答えって何? 店主がそれでいいというなら……」
ササナは素っ頓狂な声が出た。
店主は話をするのも聞くのも好きなタイプなため、哲学的な何かかもしれないとササナは考えた。
「それに応えると、新作チョコの試食と目的地のヒントが教えてもらえます」
「ヒントは?」
「そうですね……『大鼬歩く道、気をつけて、真っ直ぐ歩く。胃袋を捕まれる』というのはどうでしょう?」
というセツにササナは首を傾げた。
「鼬歩いているの? あの辺飼っている人いたかしら?」
「分かりません」
「そうね、看板くらい作ってくれそうだし、その日だけその道は『鼬通り』で」
と、ササナは力技でねじ伏せた。
ササナは胃袋については気にしなかった。なぜならば、そこが飲食店が並ぶところだからだ。
スタート地点から考えると昼ご飯時。そのため、胃袋を捕まれてお金を落してくれることを願う。
そして、当日「鼬通り」となる道を真っ直ぐ歩くと宿が一軒ある。
そこではハーブティーを飲むことができる。
もちろんクイズ付きである。
飲んだハーブティーに入っているハーブを当てる。それも、ブレンドされたものだと言う。
そこにいくつかの草や花が並んでおり、選ぶ事になるのだ。
「これ、味が分からないと駄目だし、ハーブの見た目も知らないと駄目じゃない?」
「そう、ハードル高いみたいです。なお、クイズ外すと、店主による、ハーブ講座を1時間受けてもらいます」
ゴールが遅くなるペナルティとなる。それでも、次のヒントを得る事はできる。
「宿の人、答えられないことを前提にしているみたいですよ」
「あー、講習会したいのね」
「正解しても参加していいのでしょうか?」
「宿の人の書き方見ると、解答に即した講習会ね」
ササナは受ける価値があるかは人それぞれだと考えた。
「で、ここで得られるヒントは『最新ファッションは当店へどうぞ』……ヒント?」
「知らない人にはヒントだと思います」
町の人に服屋に聞けば分かるだろう。
「クイズは……この服に似合う組み合わせは何か」
シンプルな、青いドレスが提示されるらしい。
そこに、各種色のストールや色々な形の帽子、アクセサリーが置かれており、組み合わせるらしい。
「答えあるの?」
「店長をうならせたら正答です」
「なるほど……それ、えと……」
ササナは無難に会う物を組み合わせられるか、言いくるめるかのいずれかのような気がした。
「で、ここで得られるヒントは……『運命を切り開け!』」
「占い処です?」
ササナはうなずいた。あの店主はこの町の人間ではないし、流れてきた人だ。店を開いたけれどもやる気のない雰囲気の店だから、いなくなるのも早いかと思ったけれども、意外と定着していた。
その上、なぜか商店街のイベントに協力してくれた。ササナとしては助かる。
「で、ここで何をするのかしら」
占いのカードを一枚引くとあった。
「本当に運命を切り開く……占いじゃないの?」
「そして、ゴールに行ってもらうのです」
「ヒントは!?」
「カードだそうです」
「……それ、分かるものかしら?」
二人は首を傾げた。
クイズやらなんやらは作り上げた。
最後に、塔の方の準備をすればいい。
「宝は、ここの大地って……いいのかしらねぇ」
ゴールの城壁ぽい塔のような何かから、見えるは国境方面。国境は見えないのだけれども――。
ここで、何を思うかはそれぞれだろうとササナは思った。
解説
●目的・目標
町おこしのイベントに参加して町を走り回る。
出発は朝の10時くらい。
●オリエンテーリング、ルート
広場からスタートして、塔に向うことになります。
ここでは、OPの「●どうにかこうにか」のまとめと、ハーブティーについては追記も含みます。
プレイングで「ここが私の見せ場!」を探すヒントにお使い下さい。
・(スタート地点)僕は太陽を背に歩き出す。きらめきを腹に収める
・(ある店にて)リザードマンの鱗の枚数を答えよ
・(目的地)大鼬歩く道、気をつけて、真っ直ぐ歩く。胃袋を捕まれる
・(某所)飲んだハーブティーと元の物を当てる。
ハーブティーの色は薄茶、味は酸味と草の味、香りはバラとツンとしたスパイス系。
その場には、バラをはじめとしたいくつかの乾燥した花、見た目も違う草や葉、実のようなものがそれぞれ数種類ずつ置いてある。
・(目的地)最新ファッションは当店へどうぞ
・(某所)青いシンプルドレスに似合う組み合わせは何か
・(目的地)運命を切り開け!
・(某所)占い用のカードを一枚引く
●クイズ?について
答えが正確にあるものと、言いくるめる物、哲学的な物などあります。
とはいえ、どれがそれかというのは野暮です。
汎用スキルによる適度な対応もあり得ますし、NPCを言いくるめる内容でもかまいません。
マスターより
こんにちは、狐野径です。
……クイズ?
汎用スキルで判定に持ち込むも良し、とんちのようなものもありますので言いくるめるも良し。
ただ、汎用スキル、ぴったりはまるものも少ないので、そのあたりは……力技? 参加者さんの数だけ答えがあるかもしれません。
クイズと思われるものにどう答えるか、道をどう進むか……。
よろしくお願いします。
リプレイ
●一斉に
最初の目的地へのヒント「僕は太陽を背に歩き出す。きらめきを腹に収める」を聞くと、広場から人が消えた。同じ方向に。
主催者の商人ササナと冒険者ギルド職員セツは、簡単だったのかなと思う。
反省より運営のためにゴールに先回りするのだった。
リサ・ベイカーはゲルダ・クラインに問う。
「『きらめきを腹に収める』てどういうことだろうね?」
ゲルダは「謎解きあんまり得意じゃなくて」と前置きしつつ、考えていた「金平糖とか、飴玉とか?」という。
宝飾品の店と菓子屋があった。二人は菓子屋の扉を開けた。
「タマさんと一緒に頑張るぞー」
やる気十分のルルト・アーキスは猫のタマさんと歩く。治安はいいから、猫が歩いても安心だ。
「この店かな」
覗くと、ルルトの目が輝いた。
シャロン・ラ・モリエールは日々の武術のトレーニングの走り込み。
「いつも通りのランニングでは退屈ですし、たまにはこういう催しも乙ですよね」
ヒントの食べられるきらめきが何か悩ましいけれども、方向が合っていれば分かるはずだ。
店舗が軒を連ねるところで速度を落し、探した。
ゴブロウタは太陽を背に歩き出す。
「町おこしって人助けのついでに俺も色々都合がいいし、二方良し、てわけだ」
輝く物というのは、砂糖菓子や飴などだろうと目星はつけている。
商売のことを頭の中に置きつつ、街の店舗を見る。
行商しやすい保存に優れた甘い物に目星をつけ、途中で購入することも視野に入れていた。
そして、目指した方向で、きらめく菓子屋を見つけた。
●菓子屋
菓子屋の店主は神妙な顔で「リザードマンの鱗の枚数を答えよ」という。
「答えてくれたら、行き先のヒントを教えるよ」
と笑顔で続けた。
シャロンは店内の砂糖菓子が輝くことに気づく。
店主からクイズを出され、シャロンは少し考えた。
「イラストとか鱗の現物とかあるわけではないのでしょうか?」
シャロンの問いに店主は「ないよ」と告げる。
(ハンカチ一枚当たりの面積の鱗枚数を縦横で出して、全身の面積はハンカチ何枚相当かで計算するというのもなしですね)
色々考えて浮かんだ答えは一つ。
「個体差あるでしょうから、どのリザードマンの方か確認するのが最初にすべきことでしょうね」
店主はにこにこ顔だ。
「具体的だね。では、試食のチョコレートとヒントだよ」
シャロンは薄いチョコレートを数枚もらう。
歯ごたえではなく口どけを楽しむものだった。
ルルトは店で菓子を見る。
「うわぁ……どれもおいしそうなんだよ」
焼き菓子、宝石のような輝きを持つ砂糖菓子、それとチョコレート。
「きれいだねー、どれにしよう♪」
買いたい物を選び、店内用の籠に入れる。
会計が済んだところで「ところで、次のところのヒントは?」と店主に問う。
「お客様かつ参加者さん!? 色々お買い上げいただきありがたいですが、クイズは公平なので」
「もちろんです!」
ルルトはクイズを聞き、「いーっぱい!」と両手も広げ即答した。
「リザードマンって数えられないくらいたくさんいるよ。なら、鱗だって数えられないよね?」
店主は目を見開いた。
「なるほど! 確かに」
店主が嬉しそうに笑う。
「こちらが試食だよ。あと、次の場所は――」
ルルトはチョコレートを早速口に含む。
「ふふふー、おいしい♪」
二枚目をパクリ。
一緒にとろけそうな笑顔。
「タマさんにはこれね」
おやつのささみをあげた。タマさんも嬉しそうなので、ルルトもおいしいを共有でき嬉しい。
お菓子を食べて抱えて、店を後にした。
ゴブロウタは店内を見る。行商をする場合、日持ちが重要だ。この店は砂糖菓子だろうか。
そして、クイズに対しては、
「リザードマンの鱗? たくさん、でいいだろ」
と答えた。そこから、考えていたことを店主に話す。
「それよか、どこに厚めについているか、関節の動きの阻害になってねぇのはどういう構造なのかが気になるな」
「それは気になるね」
店主は相槌を打った。
「だろ? それが分かりゃあ、鎧を含めた防具の構造に使えそうだ。おっと、これも『金』のタネになるな」
ゴブロウタはひらめいたとばかり、心のメモ帳にメモをした。
もしここにリザードマンがいたら、鱗の構造をじっくり見せてもらいたいところだった。残念ながらいなかった。
試食をもらい、その日持ちなども聞いてみる。
色々食いついた後、目的地に向かった。
リサは質問を聞いて、
「へ? リザードマン? えっと、どこかにいるのかな? 置物とか?」
と、きょろきょろと見渡した。
ゲルダは頭を悩ます。
(うーん、うーん……たくさんは答えになっていないですよね。でも、人によって鱗の数も違うし、それこそ十人十色というか、千差万別というか……)
ゲルダは考えを聞きたくて「リサちゃん、どう思う思いますか?」と尋ねた。
「え、実際に数える訳じゃないの?」
リサの言葉に、ゲルダは周りを見た。
回答を考え、二人は呻いた。
「どんな答えでもいいよ」
店主が言ったため、リサとゲルダは思い切って答えた。
「たくさん……です?」
「数え切れない、ですね」
ゲルダとリサの声が重なる。ニュアンスは若干異なる。
「だって、ヒューマンの皮膚やハーフビーストの毛と同じで、成長に伴って生え替わったり、入れ変わったりしますから!」
リサは理由も告げた。
「二人とも正解だよ」
と店主は告げ、チョコレートの試食を勧めた。
目的地のヒントは「大鼬歩く道、気をつけて、真っ直ぐ歩く。胃袋を捕まれる」だ。
●宿屋
真新しい「大鼬通り」という看板。
すぐに発見され、冒険者も一般人も進む。
宿屋では、ハーブティーの中身を当てることになる。
外しても講習を経て目的地へのヒントが入る。
シャロンは通りの名前を見て「よくわかりませんね」と首を傾げつつも、進む。
胃袋を揺さぶる匂いが漂う。
魚の絵が描いた看板を見たとき、その前に立つ店員と目が合った。
店員が「すぐ準備しますよ」と反応した。
シャロンは「魚料理のお店なのですか?」と確認後、
「イベントの最中なので、あとで、来ます。おいしそうなお魚の店のようですし」
と言った。店員は「お待ちしていますー」と答えて見送ってくれた。
シャロンは宿屋に到着する。
ハーブティーとその原材料を見て念を押した。
「もしかして並んでいるハーブがブラフってことはないですよね?」
「この中に答えはあるよ?」
宿屋の人は素直に答えてくれたはずだ。
そして、飲んでみる。
色、味、香りがヒントと考えた。ハーブティーと植物を見て、嗅いで、そして、運にかけた。
正解だったため、次のヒントをもらって走り出した。
ルルトは看板を指さし、
「イタチ見つけたー!」
とタマさんと大鼬通りを進む。
昼食準備の匂いに釣られ、食べ歩きを敢行する。
その場で食べられるものは頬張る。
自然と浮かぶ笑顔。
おいしそうに食べるルルトがやってくると、店員が呼び込む。
つい、買ってしまう――というループ。
「むむぅ……ちょっと寄り道しすぎたね」
神妙な顔で串焼きを頬張る。
タマさんは呆れた顔をしているように見えた。
じわじわと直進し、目的に宿屋に到着した。
「いらっしゃい。胃袋を捕まれてくれてありがとう」
宿屋の主は商店街を代表して礼を述べる。
ルルト、照れる。
そして、提供されたハーブティーを飲んでみる。
「これは、口の中がさっぱりしたよ」
食べ物と相性はあったらしい。
しかし、肝心な植物はさっぱり分からなかった。
講習を聞いて、植物のイメージと味に驚いた。
ゴブロウタはあっさりと見つかった道を眺めつつ進む。
宿屋に到着するとハーブティーを味わう。
「うん、これは……あれか……」
ゴブロウタはぶつぶつとそれらしい植物の名前をつぶやく。
他の参加者や宿屋の人の反応を洞察してみることにした。
参加者の動きは迷いがあったけれども、宿屋の人はただうなずいている。
確定は難しいけれども、各種観察から答えを出した。
部分的にはあっていたらしいとはいえ、講習会に参加することになる。
ハーブは行商にもってこいだと考えていたため、知識が入るならいいと前向きにとらえる。
軽くて保存は利くだけでなく、味や効果など考えると付加価値は多い。
「いいとこだらけだな。後は味と、色の組合わせとか……いずれ試してもいいか?」
色々考えつつ宿屋を後にした。
リサは店を後にして周囲を見渡し、通りを示す看板を見つけた。
「イタチ? むむむ……あっ!」
「道の名前が大鼬って面白いですね」
ゲルダの感想にリサは「そうだよね」とうなずいた。
「えへへ、おいしそうな匂いで、お腹がすいてきちゃいました」
「そうだよね、ランチにしよう?」
ゲルダとリサは店に入り、料理を頼む。
「……なるほど……これが胃袋をつかむ……」
ゲルダはもぐもぐと食べつつ、つぶやく。
リサも「本当、しっかりつかまれてるわ」という。
一息ついて、宿屋に向かった。
ハーブティーを試すのだけれども、色と味から現物を結び付けるということは結構難しいようだった。
ゲルダはなんとなく味わいは感じ取った。
「ローズヒップ? あとは、クローブかなぁ……お母さまだったら詳しいんですけど自信はないです」
「うーん……わかりませんね」
リサは素直に答えた。
なお、ゲルダの方は部分的に当たっていた。
「リサちゃんと一緒に講義受けます」
「ありがとう」
二人は講義したくてうずうずしていた宿屋の人の話を聞いた。
次の目的地のヒント「最新ファッションは当店へどうぞ」。
聞き込みしつつ向かうことになる。
●洋服屋
店には青いシンプルなドレスがおいてある。
それに合うものを選ぶというのが問題だった。
シャロンは【おしゃれさん】な知識を生かし、つばが広い白いハットと白のレースのストールを選ぶ。
「今の季節に合う、涼しげな雰囲気です」
「確かにエレガントさを持ちつつも、涼しさを演出できるわね」
店主は褒めた。
ゴブロウタは女性ものの服について頭を悩ませた。
それでも、今までの経験や見た物などから、これだと思うものを合わせた。
店主は「なるほど」とうなずき、次の目的地を教えてくれた。
ルルトは道で洋服屋の位置を聞きつつ到着する。
青いドレスには白いレースのストールや花の着いた帽子などを選ぶ。
一通りコーディネートして、どきどきしながら評価を待つ。
「そうね、花ね……」
店主の何か心に触れる物があったようだ。
リサとゲルダはあれこれしゃべりながら、それぞれ小物などを選ぶ。
「青いドレス……わたしは白が好きかな」
ゲルダは真珠のネックレス、白のストール、貝殻のブローチを当てる。バッグと靴は深紅にしてアクセントにする。
ゲルダは色々考えながら、「リサちゃんと今度一緒にお洋服買いに行きたいな」と思った。
「これなら少しは心得ありです!」
とリサは目を輝かせた。
「ちょうど、お義母様とそういうお話したばかりです」
リサは、赤いストールや極彩色のアクセサリーを載せた。
「ちょっと奇抜ですけど、流行を創るというのもありじゃないかな?」
店主はゲルダに対して「海、そして夏という感じでいいわね」と褒める。
リサに対して「面白わね! 流行を創る……いい響き!」と楽しそうに言った
店主は「運命を切り開け!」とかっこよく言ってみた。
●占い?
ヒントが曖昧だけど、占い師がいるという話だからと、占い処に向かうことになる。
占いで目的地のヒントになるのか。
シャロンは「ここ、来たことありますよね」とつぶやく。
占い師はカードを広げながら、うなずく。
テーブルの上には広げられた裏向きのカード。
「一枚引けばいいのですね」
「そうですよ」
占い師は言う。
「下手な願掛けはよしましょう。外れたら縁起悪いので」
当たれば大鼬通りで見つけた店がおいしくてお値段が手頃で……など、今後の予定を考えた。
引いたカードは塔。
シャロンは硬直して占い師を見る。
占い師は「塔を目指せ」と何気なく言う。
「……占い?」
「占いです」
シャロンはヒントだととらえ立ち去った。
ゴブロウタは一枚カードを引く。
塔に向かうように指示が出た。
占い師の手元を見ていると、占いではないような気はしたかもしれない。
ルルトは占い師に示されたカードの束から一枚引いた。
それは「塔」が描かれている。
「こ、これは」
「うん、塔に向えということだよ」
「なるほど」
ルルトは素直に納得して、出かけた。
リサとゲルダが飾り気のない占い処に入る。
「さて、一枚引いてくれるかな?」
胡散臭げな男の占い師がカードを切り、引きやすいように広げた。
「これば悩んでも仕方がないところかな?」
「そうですね……」
二人がそれぞれ一枚引こうとしたところ、
「どっちかにしてくれます?」
と占い師が言う。
リサがえいやっと引くと、塔の絵があった。
「この街の高い塔に向かうこと」
占い師は言う。
二人は早速ゴールの塔に向うのだった。
●宝は、ここの大地
シャロンは全体の一番乗りで、ゴールにたどり着いた。
展望できるところで景色を一通り見る。
「気分転換によかったですね。さて、お店やっていることを信じて、行きましょう」
途中で目星つけた店に急いだ。
ゴブロウタは塔に登った。
「さて、今日見ためぼしいものは? もう一度見ておくべきところ」
町を見下ろし、風に吹かれつつ、今日見たものなど考えるのだった。
ルルトは聞き込みしつつ来たところは城壁なのか、塔かよく分からない高い建物。
係の人がいたので、目的地だと知る。
上がって景色を眺めて欲しいと言われた。
ルルトはタマさんと建物の中にある階段を上っていく。
最上階で外に出ると、町が一望できる。
「町が全部見えるよ!」
壁にひょいとタマさんが上る。
「あ、あのお店、チョコ、おいしかったよね♪」
バルコニーを移動して、角度を変え、町を見ながら今日の出来事を思い出す。
「とっても楽しく素敵な思い出になったよ♪」
ルルトの頬を、風がなでた。
リサとゲルダは、日が傾き始めたころ、塔だと思われるところにたどり着いた。
係の人に迎えられる。そこで、階段を上って景色を見てと勧められた。
広がる景色は町の中と反対側はどこかにつながる道、太陽に照らされた木々などだ。
「わぁ素敵な眺め……!」
「素敵な眺めですね」
ゲルダとリサは見下ろすと、そこには町に入ってくる人が見える。
遠くから音も聞こえる気がした。
「リサちゃん、今日は誘ってくれてありがとうございます」
「ゲルダちゃん、今日はありがとう」
二人の声は重なった。
目を丸くして笑う。
また出かける約束をし、しばらく景色を眺めるのだった。
参加者の様子を見て、主催者も町の人も喜んだ。それに無事催しが終わったことに、安堵した。
最初の目的地へのヒント「僕は太陽を背に歩き出す。きらめきを腹に収める」を聞くと、広場から人が消えた。同じ方向に。
主催者の商人ササナと冒険者ギルド職員セツは、簡単だったのかなと思う。
反省より運営のためにゴールに先回りするのだった。
リサ・ベイカーはゲルダ・クラインに問う。
「『きらめきを腹に収める』てどういうことだろうね?」
ゲルダは「謎解きあんまり得意じゃなくて」と前置きしつつ、考えていた「金平糖とか、飴玉とか?」という。
宝飾品の店と菓子屋があった。二人は菓子屋の扉を開けた。
「タマさんと一緒に頑張るぞー」
やる気十分のルルト・アーキスは猫のタマさんと歩く。治安はいいから、猫が歩いても安心だ。
「この店かな」
覗くと、ルルトの目が輝いた。
シャロン・ラ・モリエールは日々の武術のトレーニングの走り込み。
「いつも通りのランニングでは退屈ですし、たまにはこういう催しも乙ですよね」
ヒントの食べられるきらめきが何か悩ましいけれども、方向が合っていれば分かるはずだ。
店舗が軒を連ねるところで速度を落し、探した。
ゴブロウタは太陽を背に歩き出す。
「町おこしって人助けのついでに俺も色々都合がいいし、二方良し、てわけだ」
輝く物というのは、砂糖菓子や飴などだろうと目星はつけている。
商売のことを頭の中に置きつつ、街の店舗を見る。
行商しやすい保存に優れた甘い物に目星をつけ、途中で購入することも視野に入れていた。
そして、目指した方向で、きらめく菓子屋を見つけた。
●菓子屋
菓子屋の店主は神妙な顔で「リザードマンの鱗の枚数を答えよ」という。
「答えてくれたら、行き先のヒントを教えるよ」
と笑顔で続けた。
シャロンは店内の砂糖菓子が輝くことに気づく。
店主からクイズを出され、シャロンは少し考えた。
「イラストとか鱗の現物とかあるわけではないのでしょうか?」
シャロンの問いに店主は「ないよ」と告げる。
(ハンカチ一枚当たりの面積の鱗枚数を縦横で出して、全身の面積はハンカチ何枚相当かで計算するというのもなしですね)
色々考えて浮かんだ答えは一つ。
「個体差あるでしょうから、どのリザードマンの方か確認するのが最初にすべきことでしょうね」
店主はにこにこ顔だ。
「具体的だね。では、試食のチョコレートとヒントだよ」
シャロンは薄いチョコレートを数枚もらう。
歯ごたえではなく口どけを楽しむものだった。
ルルトは店で菓子を見る。
「うわぁ……どれもおいしそうなんだよ」
焼き菓子、宝石のような輝きを持つ砂糖菓子、それとチョコレート。
「きれいだねー、どれにしよう♪」
買いたい物を選び、店内用の籠に入れる。
会計が済んだところで「ところで、次のところのヒントは?」と店主に問う。
「お客様かつ参加者さん!? 色々お買い上げいただきありがたいですが、クイズは公平なので」
「もちろんです!」
ルルトはクイズを聞き、「いーっぱい!」と両手も広げ即答した。
「リザードマンって数えられないくらいたくさんいるよ。なら、鱗だって数えられないよね?」
店主は目を見開いた。
「なるほど! 確かに」
店主が嬉しそうに笑う。
「こちらが試食だよ。あと、次の場所は――」
ルルトはチョコレートを早速口に含む。
「ふふふー、おいしい♪」
二枚目をパクリ。
一緒にとろけそうな笑顔。
「タマさんにはこれね」
おやつのささみをあげた。タマさんも嬉しそうなので、ルルトもおいしいを共有でき嬉しい。
お菓子を食べて抱えて、店を後にした。
ゴブロウタは店内を見る。行商をする場合、日持ちが重要だ。この店は砂糖菓子だろうか。
そして、クイズに対しては、
「リザードマンの鱗? たくさん、でいいだろ」
と答えた。そこから、考えていたことを店主に話す。
「それよか、どこに厚めについているか、関節の動きの阻害になってねぇのはどういう構造なのかが気になるな」
「それは気になるね」
店主は相槌を打った。
「だろ? それが分かりゃあ、鎧を含めた防具の構造に使えそうだ。おっと、これも『金』のタネになるな」
ゴブロウタはひらめいたとばかり、心のメモ帳にメモをした。
もしここにリザードマンがいたら、鱗の構造をじっくり見せてもらいたいところだった。残念ながらいなかった。
試食をもらい、その日持ちなども聞いてみる。
色々食いついた後、目的地に向かった。
リサは質問を聞いて、
「へ? リザードマン? えっと、どこかにいるのかな? 置物とか?」
と、きょろきょろと見渡した。
ゲルダは頭を悩ます。
(うーん、うーん……たくさんは答えになっていないですよね。でも、人によって鱗の数も違うし、それこそ十人十色というか、千差万別というか……)
ゲルダは考えを聞きたくて「リサちゃん、どう思う思いますか?」と尋ねた。
「え、実際に数える訳じゃないの?」
リサの言葉に、ゲルダは周りを見た。
回答を考え、二人は呻いた。
「どんな答えでもいいよ」
店主が言ったため、リサとゲルダは思い切って答えた。
「たくさん……です?」
「数え切れない、ですね」
ゲルダとリサの声が重なる。ニュアンスは若干異なる。
「だって、ヒューマンの皮膚やハーフビーストの毛と同じで、成長に伴って生え替わったり、入れ変わったりしますから!」
リサは理由も告げた。
「二人とも正解だよ」
と店主は告げ、チョコレートの試食を勧めた。
目的地のヒントは「大鼬歩く道、気をつけて、真っ直ぐ歩く。胃袋を捕まれる」だ。
●宿屋
真新しい「大鼬通り」という看板。
すぐに発見され、冒険者も一般人も進む。
宿屋では、ハーブティーの中身を当てることになる。
外しても講習を経て目的地へのヒントが入る。
シャロンは通りの名前を見て「よくわかりませんね」と首を傾げつつも、進む。
胃袋を揺さぶる匂いが漂う。
魚の絵が描いた看板を見たとき、その前に立つ店員と目が合った。
店員が「すぐ準備しますよ」と反応した。
シャロンは「魚料理のお店なのですか?」と確認後、
「イベントの最中なので、あとで、来ます。おいしそうなお魚の店のようですし」
と言った。店員は「お待ちしていますー」と答えて見送ってくれた。
シャロンは宿屋に到着する。
ハーブティーとその原材料を見て念を押した。
「もしかして並んでいるハーブがブラフってことはないですよね?」
「この中に答えはあるよ?」
宿屋の人は素直に答えてくれたはずだ。
そして、飲んでみる。
色、味、香りがヒントと考えた。ハーブティーと植物を見て、嗅いで、そして、運にかけた。
正解だったため、次のヒントをもらって走り出した。
ルルトは看板を指さし、
「イタチ見つけたー!」
とタマさんと大鼬通りを進む。
昼食準備の匂いに釣られ、食べ歩きを敢行する。
その場で食べられるものは頬張る。
自然と浮かぶ笑顔。
おいしそうに食べるルルトがやってくると、店員が呼び込む。
つい、買ってしまう――というループ。
「むむぅ……ちょっと寄り道しすぎたね」
神妙な顔で串焼きを頬張る。
タマさんは呆れた顔をしているように見えた。
じわじわと直進し、目的に宿屋に到着した。
「いらっしゃい。胃袋を捕まれてくれてありがとう」
宿屋の主は商店街を代表して礼を述べる。
ルルト、照れる。
そして、提供されたハーブティーを飲んでみる。
「これは、口の中がさっぱりしたよ」
食べ物と相性はあったらしい。
しかし、肝心な植物はさっぱり分からなかった。
講習を聞いて、植物のイメージと味に驚いた。
ゴブロウタはあっさりと見つかった道を眺めつつ進む。
宿屋に到着するとハーブティーを味わう。
「うん、これは……あれか……」
ゴブロウタはぶつぶつとそれらしい植物の名前をつぶやく。
他の参加者や宿屋の人の反応を洞察してみることにした。
参加者の動きは迷いがあったけれども、宿屋の人はただうなずいている。
確定は難しいけれども、各種観察から答えを出した。
部分的にはあっていたらしいとはいえ、講習会に参加することになる。
ハーブは行商にもってこいだと考えていたため、知識が入るならいいと前向きにとらえる。
軽くて保存は利くだけでなく、味や効果など考えると付加価値は多い。
「いいとこだらけだな。後は味と、色の組合わせとか……いずれ試してもいいか?」
色々考えつつ宿屋を後にした。
リサは店を後にして周囲を見渡し、通りを示す看板を見つけた。
「イタチ? むむむ……あっ!」
「道の名前が大鼬って面白いですね」
ゲルダの感想にリサは「そうだよね」とうなずいた。
「えへへ、おいしそうな匂いで、お腹がすいてきちゃいました」
「そうだよね、ランチにしよう?」
ゲルダとリサは店に入り、料理を頼む。
「……なるほど……これが胃袋をつかむ……」
ゲルダはもぐもぐと食べつつ、つぶやく。
リサも「本当、しっかりつかまれてるわ」という。
一息ついて、宿屋に向かった。
ハーブティーを試すのだけれども、色と味から現物を結び付けるということは結構難しいようだった。
ゲルダはなんとなく味わいは感じ取った。
「ローズヒップ? あとは、クローブかなぁ……お母さまだったら詳しいんですけど自信はないです」
「うーん……わかりませんね」
リサは素直に答えた。
なお、ゲルダの方は部分的に当たっていた。
「リサちゃんと一緒に講義受けます」
「ありがとう」
二人は講義したくてうずうずしていた宿屋の人の話を聞いた。
次の目的地のヒント「最新ファッションは当店へどうぞ」。
聞き込みしつつ向かうことになる。
●洋服屋
店には青いシンプルなドレスがおいてある。
それに合うものを選ぶというのが問題だった。
シャロンは【おしゃれさん】な知識を生かし、つばが広い白いハットと白のレースのストールを選ぶ。
「今の季節に合う、涼しげな雰囲気です」
「確かにエレガントさを持ちつつも、涼しさを演出できるわね」
店主は褒めた。
ゴブロウタは女性ものの服について頭を悩ませた。
それでも、今までの経験や見た物などから、これだと思うものを合わせた。
店主は「なるほど」とうなずき、次の目的地を教えてくれた。
ルルトは道で洋服屋の位置を聞きつつ到着する。
青いドレスには白いレースのストールや花の着いた帽子などを選ぶ。
一通りコーディネートして、どきどきしながら評価を待つ。
「そうね、花ね……」
店主の何か心に触れる物があったようだ。
リサとゲルダはあれこれしゃべりながら、それぞれ小物などを選ぶ。
「青いドレス……わたしは白が好きかな」
ゲルダは真珠のネックレス、白のストール、貝殻のブローチを当てる。バッグと靴は深紅にしてアクセントにする。
ゲルダは色々考えながら、「リサちゃんと今度一緒にお洋服買いに行きたいな」と思った。
「これなら少しは心得ありです!」
とリサは目を輝かせた。
「ちょうど、お義母様とそういうお話したばかりです」
リサは、赤いストールや極彩色のアクセサリーを載せた。
「ちょっと奇抜ですけど、流行を創るというのもありじゃないかな?」
店主はゲルダに対して「海、そして夏という感じでいいわね」と褒める。
リサに対して「面白わね! 流行を創る……いい響き!」と楽しそうに言った
店主は「運命を切り開け!」とかっこよく言ってみた。
●占い?
ヒントが曖昧だけど、占い師がいるという話だからと、占い処に向かうことになる。
占いで目的地のヒントになるのか。
シャロンは「ここ、来たことありますよね」とつぶやく。
占い師はカードを広げながら、うなずく。
テーブルの上には広げられた裏向きのカード。
「一枚引けばいいのですね」
「そうですよ」
占い師は言う。
「下手な願掛けはよしましょう。外れたら縁起悪いので」
当たれば大鼬通りで見つけた店がおいしくてお値段が手頃で……など、今後の予定を考えた。
引いたカードは塔。
シャロンは硬直して占い師を見る。
占い師は「塔を目指せ」と何気なく言う。
「……占い?」
「占いです」
シャロンはヒントだととらえ立ち去った。
ゴブロウタは一枚カードを引く。
塔に向かうように指示が出た。
占い師の手元を見ていると、占いではないような気はしたかもしれない。
ルルトは占い師に示されたカードの束から一枚引いた。
それは「塔」が描かれている。
「こ、これは」
「うん、塔に向えということだよ」
「なるほど」
ルルトは素直に納得して、出かけた。
リサとゲルダが飾り気のない占い処に入る。
「さて、一枚引いてくれるかな?」
胡散臭げな男の占い師がカードを切り、引きやすいように広げた。
「これば悩んでも仕方がないところかな?」
「そうですね……」
二人がそれぞれ一枚引こうとしたところ、
「どっちかにしてくれます?」
と占い師が言う。
リサがえいやっと引くと、塔の絵があった。
「この街の高い塔に向かうこと」
占い師は言う。
二人は早速ゴールの塔に向うのだった。
●宝は、ここの大地
シャロンは全体の一番乗りで、ゴールにたどり着いた。
展望できるところで景色を一通り見る。
「気分転換によかったですね。さて、お店やっていることを信じて、行きましょう」
途中で目星つけた店に急いだ。
ゴブロウタは塔に登った。
「さて、今日見ためぼしいものは? もう一度見ておくべきところ」
町を見下ろし、風に吹かれつつ、今日見たものなど考えるのだった。
ルルトは聞き込みしつつ来たところは城壁なのか、塔かよく分からない高い建物。
係の人がいたので、目的地だと知る。
上がって景色を眺めて欲しいと言われた。
ルルトはタマさんと建物の中にある階段を上っていく。
最上階で外に出ると、町が一望できる。
「町が全部見えるよ!」
壁にひょいとタマさんが上る。
「あ、あのお店、チョコ、おいしかったよね♪」
バルコニーを移動して、角度を変え、町を見ながら今日の出来事を思い出す。
「とっても楽しく素敵な思い出になったよ♪」
ルルトの頬を、風がなでた。
リサとゲルダは、日が傾き始めたころ、塔だと思われるところにたどり着いた。
係の人に迎えられる。そこで、階段を上って景色を見てと勧められた。
広がる景色は町の中と反対側はどこかにつながる道、太陽に照らされた木々などだ。
「わぁ素敵な眺め……!」
「素敵な眺めですね」
ゲルダとリサは見下ろすと、そこには町に入ってくる人が見える。
遠くから音も聞こえる気がした。
「リサちゃん、今日は誘ってくれてありがとうございます」
「ゲルダちゃん、今日はありがとう」
二人の声は重なった。
目を丸くして笑う。
また出かける約束をし、しばらく景色を眺めるのだった。
参加者の様子を見て、主催者も町の人も喜んだ。それに無事催しが終わったことに、安堵した。
マスターコメント
ご参加ありがとうございます。
オリエンテーリングだろうが、クイズ大会だろうが、個数いるよねと考えた結果、OPがあの状態です。
皆さま、よく、色々考えてくださりました。
OPの状況はリプレイにも直結するのはわかってました。
カットしたり、まとめたり……ど、どうでしょうか?
名前決めてない町ですが、来訪三度目の冒険者さん……占い師の心情は脇に置きました。名前、考える時がきたのかもしれません……名前……。
ご縁があれば、お会いしましょう。
ショートシナリオR普通 報酬:無し5 / 4〜6人
2021年05月30日 20時36分00秒 公開
大成功
相談掲示板
シャロンです。シスターをしております。 成立するでしょうか……? プレイングはすべての関門に対応を書いたらぎりぎりでした。
リサ・ベイカーです。 お友達のゲルダちゃん誘って一緒に参加します! よろしくお願いします。
正直言うと飴玉に釣られたウォーリアーです。 よろしくおねがいします。
ルルト・アーキスだよ、よろしくね! 色んなところを見て回れて楽しそうだね。 おいしい物がたくさんあると嬉しいなぁ♪
ゲルダです。リサちゃんにお誘いいただいての参加です。 たくさん楽しめたらいいなって思います。 よろしくお願いします。