胸膨らませたい少年と、魅惑の素材の進撃(?)と。
菊華 伴
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シナリオID:871
オープニング
●曖昧3センチなんて無いに等しい
――『エレガミオ』・ポップ孤児院。
その日、孤児院に暮らすエルフの少年、セレセレは首を傾げていた。鏡の前で院長であるユアン・イェーガーがちょっと悲し気な顔で姿見の前に立っているのである。
(先生、どうしたんだろう?)
不思議に思い見つめているうちに、セレセレは気付いた。気付いてしまった。
「ユアン先生、やっぱり胸の事がコンプレックスだったんじゃ……」
と、セレセレが思うほどに、ユアンの視線は胸にあるように見えた。
ユアンは、セレセレからみれば美しくて穏やかで、母性溢れる糸目の女性だった。
小柄な身体で30人ほどもいる孤児たちの世話をし、時に授恵者として人々を危機から救い、街の人たちにも慕われている。
だが、時折若者たちがユアンの胸を見てああだこうだ言っているのを聞いたことがある。そのほとんどが「平坦」「まな板」「ささやか」といったものである。
またユアンは、セレセレから見ればもうちょっと自信をもって行動してもいい様に思える場面がたまにある。時折食材などを売りに来る商人に対し微妙に及び腰で値段を吹っ掛けられそうになることもしばしばだ(それをどうにか救っているのが近所のおばちゃんたちである)。
「うーん、どうにかできないかなぁ。胸が大きくなったらユアン先生ももうちょっと自分に自信が持てるかもしれないんだけど……」
セレセレは落ち込んだ姿のユアンを思い出し、痛む胸をおさえながら図書室の本を漁り……一冊の本のとある内容に目を見張った。
セレセレがユアンを心配している頃、ユアンはユアンで鏡の前でため息を付いていた。
「この服、胸元が寂しい、ですね……。鳥か花の刺繍でも入れましょうか……」
ユアンは、ただ作った服を見ていただけであったがセレセレは知らない。
●少年は、めっちゃ考えた
「……はい?」
「だから、ユアン先生の胸を大きくしたいからこいつを探したいの」
冒険者ギルドの依頼受付窓口。受付担当のゴブリナ、タバサはエルフの少年からの依頼におもわず変な声を上げた。
>魔獣ソイージーのお乳採取
「……えーっと、セレセレ君。ソイージーってそうめったに出ませんよ……?」
とタバサは眼鏡をかけ直し、情報を記録した書類を漁る。
魔獣ソイージー。一見牛のような姿をした魔獣だが、それはマメ科の植物のつるをはやしている。花が咲けば一晩で実を結び、もう一晩立てば大豆に似た豆を採取することができる、基本的におとなしい魔獣である。だが、彼らはとある特性から乱獲され、絶滅の危機に瀕している、と噂されていた。それは、捨てるところがほとんどない、という所である。
そして、このソイージーの価値は特にお乳にある。このあっさりとした乳白色のお乳を飲むと、女性のバストアップに繋がる……と信じられているのだ。
「ユアン先生にこのお乳を飲ませたら、きっと胸が大きくなる筈」
「いやそのちょっとまってください。そういうことは小さい声でお願いします」
真顔で言い張るセレセレにあわてて突っ込みを入れるタバサ。だが、そんなとき別のギルドスタッフが一枚の依頼書を持ってきた。
「タバサ、大至急!! ソイージーが畑を食い荒らしている!! 授恵者案件だからすぐ集めてくれないか!!」
「え?!」
「なんというジャストタイミング!! ユアン先生にソイージーのお乳を飲ませられるぞ!」
タバサが困惑している傍ら、セレセレはガッツポーズ! 瓶片手にわくわくしている。タバサは深いため息を付き、授恵者たちへの依頼書を纏めることにした。
●ソイージーを狩ってくれ
「というわけで、今回は畑を荒らす魔獣ソイージーを狩っていただきます。全部で2体、体高130センチ2体、雌と思われます。彼らは一度食事を始めると腹が満たされるまで食事を終えません。その為、畑で食事を行った個体は狩っていただきます」
タバサの説明に、一同は息をのむ。なんでもソイージーは数年に1度腹が満たされるまでがっつり食事を行うと、しばらくは水と陽光だけで生きられるらしい。だが、その一度の食事で小さな村の畑が全滅する、という事も起こりえる。それが2頭もいるのだから仕方ないだろう。
「また、今回はソイージーのお乳を採取して欲しいという依頼も合わせて受けております。討伐前に採取していただけると幸いです」
タバサが桶を2つ取り出し、頭を下げる。その後ろでは目をキラキラとさせたセレセレの姿があった。
「僕も! ソイージーの!! お乳採取したい!!!」
「ダメです。あれ、そこそこ強いので」
タバサにつっこまれ、セレセレはしょんぼりと項垂れる。だが、子供の命には変えられないのである。
「ソイージーのお肉はあっさりしているので、濃いめのソースと煮込むと美味しいんです。体を覆うツタも湯がいたり、炒めたりすると美味しいし、豆も煮込んだりシャルガネ地区から伝わった『豆腐』や『醤油』、『味噌』を作ることができます。また、内臓は薬の原料に、骨は燃料になります。捨てるところが全くないので、皆さん、逃がさないでください」
ソイージーは、ある程度攻撃を受けると逃走を開始するらしい。彼らは食事を邪魔された場合別の場所で満腹になるまで食事を続け、そうなると別の畑が荒らされる可能性があるそうだ。
「依頼者のご厚意で倒したソイージーはポップ孤児院に寄付してくださるそうです。授恵者さんにも、《もちろん》ご馳走しますので、がんばってくださいね!」
タバサはそういうと、ぺこりと頭を下げた。
解説
マスターより
リプレイ
●まずは、採取からはじめます
――大きすぎると速度面に不利が付くのでフリーダちゃんにはいりませんね!
(わ! 私だって人並みには欲しいですよ! 男性はみんな胸が大きい方が良いって田舎のおじさんがぁ~!)
のっけからなんかフリーダ=ブロムヴィストが暴走しているが、彼女が受けた啓示(?)に対する反応である。ふるふる。
「ん-……確か、ソイージーは『絶滅危惧』ではなかったかと思うが村の危機ならしょうがないのだ」
ふるふるするフリーダはさておき、とストレガ・L・リベルガストラは視線の先で畑の野菜をもっしゃもっしゃ食べる2頭のソイージーを見て呟いた。
実を言うとあくまで『絶滅危惧』は噂であるため、本当の所どうなっているかは調査中なのだそうな。
「ちゅー、なんか、牛っぽい魔獣でちゅー」
と、ネズミのハーフビーストがストレガの後ろからひょっこり。パティ・ポップはまじまじとソイージーを観察する。同じようにストレガの背後から見ているのはラティア・ミゼリア。彼女はあほ毛を揺らし、こてっ、と首を傾げる。
(か、かわい……いややっぱり蔓もじゃもじゃであんまり可愛く……いやでも声は……)
――もうもうぅ~。
(か、かわいい……)
聞こえたソイージーの声にちょっと表情を和らげる。と、2つの桶とソイージーを見比べるセリオス・オーガストが僅かに瞳を細めた。
「採取するなら、今かもしれないな」
「そうね……。今がチャンスかもね」
相槌を打ったエミリア・シバも観察しながらもぼそり、と呟いた。
「ソイージーちゃん、話を聞いてる限りだと繁殖とかさせれないものかしらねぇ」
「そうなのだ。食事が数年に一度がっつり、ならその周期と飼料確保、安全性を考慮できればとても優秀な家畜になるはずなのだ」
エミリアの呟きに頷いたのはストレガ。彼女は魔獣研究が捗る、と頷きながら近くの野菜を引きぬき、ソイージーに接近し始めた。
さあ、ミッション開始である。
「そっと近づかないとな……」
セリオスの言葉に、一同は深く頷く。
「一斉に行くとソイージーちゃん驚いちゃうだろうし……順番を決めて少しでも驚かせないようかしらね?」
「そうですね……。どうせ桶は二つしかないので、あまり乳絞りのために殺到しすぎないようにしたほうがいいでしょう……」
エミリアとラティアの意見もあり、一同は話し合って順番を決める。
トップバッターはパティとセリオスである。ストレガは先ほど抜いた野菜をソイージーの前に置きソイージーの動きを引き付けられるか試す。その間にパティは早速桶を置き、乳搾りを開始。
(このミルク、効くかどうかわからないでちゅけど。あちし、こんな見た目で、胸がちいっちゃいままなんでちゅけど)
内心ソイージーのお乳へと想いを馳せるパティ。
「ほんとに、乳しぼり出来るでちゅかな?? ……ん、出てくるでチュね」
乳牛同様、お乳を搾ればいい音をたてて桶に溜まっていく。リズミカルにやれば、楽しくなってくる。その途中にちょっとだけ試飲してみるパティ。さっぱりしている上にどこかほっこりする豆の味が口に優しい。
(ちゃちゅがに、一気には大きくならないでチュねぇ)
少し胸に違和感を覚えるような気もするが、『一日で大きくなる』かというのは与太話だろう、と判断。
もう一方のソイージーの方ではストレガが気を引くため野菜を少しずつ剥がして与えている。ちまちまと与える事で被害を最小限にしながら時間稼ぎができるはず、と睨んだストレガだが、効果は抜群だった。
セリオスもなかなかよい手際で乳搾りをしていた。
「手際がいいのだ」
「それほどでもない」
ストレガの言葉にセリオスは平静のまま答える。ストレガは、乳搾りをされていることを気にせず餌を食むソイージーを見つめ「乳搾りは攻撃判定にあたらず、と」とメモを取る。
それにエミリアがソイージーの後ろから〈声帯模写〉でリラックスしているだろうソイージーの声を出せば、2頭ものんびりともしゃもしゃ。こちらも効果抜群なようだ。
(この隙にお豆も収穫できないかしら?)
と、そっと近づいて採取するが、ソイージーは気付いていないようで、予想以上にお豆の収穫もできた。
(この調子で搾ってしまえるか?)
セリオスはちらり、とパティを見たがさすがに手が疲れてきたように思う。彼はパティと共に交代するべく下がる。
次に挑むのはお豆を収穫して待機していたエミリア。そしてちょっと離れた所で見守っていたラティアとフリーダである。
「グッドラック」
相変わらずちまちまと野菜を与えるストレガに頷き、エミリアは丁寧な手つきで乳搾りを行う。それはフリーダも同じ。
「攻撃したと思われないように……」
と、慎重かつ丁寧に行えば、思ったより多くの量のお乳が桶に。途中でストレガと交代しつつ行うも、ソイージーは特に気にしていないようだ。
一方〈動物交感〉を使い相手が嫌がったら〈ハイディング〉で隠れようと考えたエミリアは拍子抜けしていた。というのも、ソイージーは乳搾りされても違和感を覚えないほどに、食事の事だけしか考えていない気がしたからだ。
(これならば大丈夫かしら?)
と、軽やかな手つきで乳搾りすれば、いい具合に桶にたまるお乳。途中でラティアに交代し、しばらくすると……
「どっちもいい量かもしれません」
と、ラティアは判断し、戦闘の邪魔にならないところへと桶を運んだ。もう一つを途中でフリーダが〈動物交感〉と〈フェロモン〉を発動して相手を注意しつつ運び、ゴミが入らぬよう大きな葉っぱを被せる。
(……案外すんなりいきましたね)
目を丸くするフリーダ。一方セリオスは桶の位置を見、これなら大丈夫だろうと確認したうえで己の得物の点検を行う。他の面々も戦闘準備を整え、パティがソイージーを見つめる。
「という訳で、次の仕事でちゅ」
●ソイージーの討伐
「極力苦しませたくないわよねぇ」
エミリアがため息交じりに呟く。確かに、ソイージーたちはただ食事をしているだけなのだから。だが、彼らの食事は多大な被害を齎すのだ。
一同は速やかに戦闘態勢に入る。だがソイージーは素知らぬ顔で畑の野菜をもしゃっている。
(どうせ私自身に防御力は皆無なので……)
ラティアがソイージーの足目掛け〈精密射撃〉を放てば、一撃で後ろ足が打ち抜かれ膝をつく。そこへ続くパティの〈強打2〉!
(まぁ、依頼でちゅし、ちかたないと思うんでちゅけどね)
1頭ずつ仕留めよう、とラティアが足を撃ったソイージーの頭部を銅の短剣で打つ。だが、もう一頭のソイージーはもしゃもしゃと食事に集中して気付かない。
「集中攻撃で痛みを感じる時間を少なくしたいわね」
軽やかな足取りでエミリアが迫り、閃く〈トリプルファング〉! 細剣と短剣が蔦を切り裂き、ソイージーが僅かに呻く。だが、エミリアへと首を伸ばし、はもはもしようとした! だが、エミリアの足さばきには叶わず口は届かない。
そして、セリオスが冷静に〈グラヴィティボルト〉を放てば重力波エーテルがソイージーに炸裂! 動けずもがもがと藻掻いている。
「少しやりすぎな気もしますが……」
フリーダは「これは依頼だ」と自分に言い聞かせ、〈シーザーロア〉でもう一頭のソイージーを引き留める。
「任せるのだ」
ストレガが〈アーケインテンペスト改〉でソイージーを囲み逃走を防ぐ。
―もうもう~! もうもう~!
ソイージーから声が上がり、豆が発射! ラティアたちに降り注ぐ!
「きゃっ?! で、でもあまり痛くない……?」
「弱まってるでちか?」
ラティアが首を傾げ、パティもまた不思議に思いながらもう一撃ソイージーに喰らわせる。上がる悲鳴、バランスを崩すソイージー。ラティアはもう一本の足を潰すべく〈精密射撃〉で足を打ち抜く。
「ごめんなさいね、お仕事だからしっかり倒させてもらうわ」
と、再び細剣と短剣を閃かせ、確実に狙うエミリア。まだ息はあれどもう突進はできない。だが苦しませたくはない、と。その願いは通じたのだろう。一体目のソイージーは弱く鳴き、それっきり動かなくなった。
ここで予想外の事が起こった。事切れただろうソイージーを見、全くダメージを受けていないはずのもう一頭も逃げ出そうとし始めたのだ。
「すぐに終わらせる」
セリオスが狙いを定め、放つは渾身の〈真ハーツベインショット〉! ソイージーは動くたびに傷が痛むのか、動きが鈍くなったように見える。
続くフリーダの一撃も的確に決まる。
(退路立って、足狙って……。とりあえず早く仕留められそうですかね)
フリーダがソイージーの様子から読み取っている間に、ストレガがフリーズボルトでソイージーを打つ。だが、あと少し何かが足りない。ソイージーは鳴き声を上げ、豆をあたりにまき散らす。
(痛くはないが……)
セリオスは表情を変えないものの、なんだか複雑な気持ちに。それはソイージーを囲む冒険者たちが皆思ったことだ。だがソイージーが弱いのではない。集った冒険者が強くその上作戦が的確過ぎたのだ……。
「終わらせます」
ラティアの〈精密射撃〉が前足を打ち抜き、パティが得物で〈強打2〉を与え……2頭目のソイージーも漸く倒れたのであった。
●いのちの、いただきかた
「解体しよう」「解体なのだ」
セリオスとストレガが同時に言い、さっそく行動に移す。
「まずは血抜きだな」
セリオスの言葉にストレガは頷き、全員で水場へとソイージーを運ぶ。先ほどまで生きていた分、まだ温かいがそれ以上に青物の匂いが強かった。
「たしか、内臓は薬、骨は燃料と余すことなく使えるそうですね……」
ラティアが黒曜石の短剣で蔓を狩る。戦闘の際蔓に囚われた仲間がいればこれで救出するつもりだったが、作戦がうまくいった為出番はなかった。故に今使っている。
「お乳はたっぷりでちゅ。次はしっかりお肉とかでちゅね」
「とりあえず運びやすい大きさにしましょう」
パティとフリーダも作業をしながらソイージーを改めてみる。血の匂いを覚悟したが、妙に土の匂いがして、特に気にならなかった。
「部位構造、機能……色々気になるのだ」
作業しながらもメモを取るストレガ曰く「絶滅した場合の学術資料として」記録に残しておきたいらしい。
しばらくして解体も終わり、一同はポップ孤児院へと向かうのだった。
「みなさん、話は聞いております。今回は、大変お疲れさまでした」
そう言ってポップ孤児院の院長、ユアン・イェーガーが一同を出迎える。そしてセレセレの依頼を受けてくれた事についても礼を述べた。
「ほら、セレセレくんも……」
「ぼ、冒険者のみなさん、ありがとございます」
セレセレというエルフの少年も、恥ずかしそうにではあったが、冒険者たちに礼を述べる。が、その後ろからばたばたと足音がする。
「待ってましたよ! 皆さんは湯で体を綺麗にしていてください! ソイージーで料理作っておきますから!」
ギルド職員のゴブリナ、タバサが眼鏡を正しながら一同を風呂場へと押し込んだ。どうやら、草の汁やらソイージーの血やら付いていたらしい。
「私も調理するのだ」
と、入浴を終えたストレガは厨房へとやってくる。それに驚いたユアンではあったが、申し訳なさそうに「お願いできますか?」と頭を下げた。
ストレガは早速キノコ類と少しの醤油、豆乳を鍋に入れて煮はじめる。そのいい匂いにタバサが眼鏡を正す。
「いい匂いですね。豆乳鍋ですか?」
「そのとおりなのだ。もうちょっとしたらお肉も入れるのだ」
ストレガはスープの味見をタバサにもしてもらい、材料を入れていく。その一方、フライパンで生米と大蒜玉葱、ソイージー肉を炒めておくのも忘れない。
「こちらは何でしょう?」
ユアンが興味深そうに見つめれば、ストレガは少し胸を張り「お鍋の後のお楽しみなのだ」とドヤ顔になった。
一方、他のメンバーはというと……セレセレと共にソイージーのお乳をカップに注いでいた。エミリアの提案で料理を食べる前にこれで乾杯することになっているのだ。
「僕は、ユアン先生の胸を大きくしたいんだ。だからすっごく嬉しいな」
胸が大きくなればユアンも自信を持つはず! とセレセレが小さな声で冒険者たちに言うと、「あらあら」とエミリアは苦笑する。
「女性の胸の話題はデリケートな部分なのよ。だから、ユアン先生には内緒ね?」
「うんっ」
エミリアの言葉に素直に頷くセレセレ。それに一同はちょっとほっとする。
「私はこれ以上大きくならなくても……むしろ胸は萎んで欲しいなって……」
と胸を見て深いため息を付くラティアだが、フリーダはその逆で少し興味深そうにソイージーのお乳を見つめる。
「これが、胸が大きくなるお乳ですか……」
なんか脳裏で『タ=スさんならIカップ以降も増やせますが』とか聞こえた気がした。
(さすがにそこまでは……)
対照的な反応に見えるラティアとフリーダを見、セレセレは
(女の人の胸ってホントデリケートな話なんだなぁ)
と学習したようだ。
その間パティは「多分すぐには大きくならないでちゅ」と少し悟ったような顔をしていた。
「ん?」
とりあえず話題に乗らず他の子供たちの相手をしていたセリオスの耳が動く。彼の耳は厨房から聞こえる声や音を捉えたらしい。
「おまたせなのだ」
ストレガが鍋を持って現れ、セリオスが受け取ってテーブルにおけばタバサとユアンもまたいくつもの料理を並べる。
漸く揃ったところでソイージーのお乳で乾杯だ。
「! さっぱりして美味しいですっ」
「うーん、私はこの癖が少し気になりますね……」
フリーダとユアンが漏らした感想を聞き、エミリアも一口。彼女自身はサイズに拘っていないそうだ。それはさておきソイージーのお乳の味に笑顔になる。
「こっちも美味しそうだ」
セリオスが蓋を開けた豆乳鍋はソイージーの肉入りで、こちらは濃厚な味が楽しめる。お肉もほろほろになっており、食べたラティアは「牛肉に似た味ですが、臭みがないですね」と驚いていた。
蔦の炒め物も、豆の煮物も美味しく、セリオスは綺麗に食べてしまう。
(命を貰っている実感があるな)
一人しみじみと味を噛みしめていると子供達もまた好き嫌いせず食べているように見えた。
「後でリゾットにするのだ。捨てるところがないとはこういう事なのだ」
ストレガが炒めたお米を見せて穏やかに言えば、そうだな、とセリオスが相槌を打つ。ユアンはそんな二人に大きく頷いた。
こうして、ソイージーのお乳採取と討伐は無事終わった。が、ソイージーのお乳を飲んだ女性陣のバストサイズがアップしたかは未知数である。
「弓が使いにくくなるからあまり大きくは……でも、少しはあった方がいいのでしょうか?」
ユアンが漏らした胸への迷いは、冒険者しか知らない。
(終)
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:少ない6 / 4〜6人
2021年05月26日 08時06分20秒 公開
相談掲示板
ラ、ラティア・ミゼリア、シューターです…… よろしくお願いします……
ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 流れとしてはソイージーからお乳を採取後に撃破する形ですね。 採取については食事中という事ですのでそこまで難しくはないでしょうが、 畑の被害が拡大する前に早めに採取したい所ですね。 戦闘についてはそこまで驚異ではなさそうですが……
はーい、おねえさんはシーフのエミリアっていうわ、よろしくね! セレセレちゃんは、こうなんといえばいいかだけれど、いい子ねぇ。 頑張ってソイージーのお乳は採取してあげたいわね。 おねえさんはマスターさんが例で出してる<声帯模写>持ってるし、採取は他の方にお任せして、それで気を引いてみようかしら? 戦闘の時は、移動力アップするスキルを持っていくので、逃走などの時にもそれなりに対応できると思うわ それにしてもこのソイージーちゃん、危険が少なければ家畜として繁殖させたいわねぇ…
どもでちゅー。 あちし、パティ・ポップでちゅ。 よろちくでちゅ。 ちーフやってるでちゅ。 ソイージは乳ちぼってから、倒ちゅことでちゅ。
そもそも絶滅危惧ではなかったか?等 まあ村の存亡なら仕方ないとして ストレガなのだ。よろしくなのだ よってたかって、だと嫌がられそうだし少しずつ採取、て感じだと思うのだ 豆乳鍋にして後でリゾットにするのだ
・・・・ん、遅くなったがシューターのセリオスだ、よろしく頼む とりあえず採取するまで攻撃したりしないで問題ないだろうな あとはないと思いたいが逃がさないようにしとくぐらいか
逃がさない……真っ先に思いつくのは、脚を狙って動きづらくするとかでしょうか……
もうそろそろ24時間切っちゃうわねぇ。 一応、どこ迄採取してから戦闘に移るかぐらい決めておいたほうがいいかしら? 例えば全員が一回採取とか、何リットルぐらい採取したらとか……。 特にそこまで決めなくても平気かしらね?
細かく決めなくても、桶を二つ渡されているので、その辺りは融通が利きそうな気はしますね…… 桶がだいたい一杯になったら桶をいったん少し離れたところに置いて戦闘開始、という感じでいいかなと……
ああ、解説から、事前にお豆とかの採取もできたりするみたいだったから、乳絞り以外にもそう言うの先に採取するかなっていう人がいるかしらって思ったったのだけれど、まあ気にしなくても大丈夫そうかしらね?
っと、どんな感じになるか、ちょっとわからないので、一応おねえさんも、乳しぼりするようなことはプレイングに入れてみるわね。