領主娘のおでかけ
広大野人
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シナリオID:767
オープニング
帝国との国境にほど近い王国の街、ヴォーン。
大きさでいうと王国内の標準的な村を数倍したような規模で、街の周囲には城壁……ではなく、人ほどの厚さに石壁が申し訳ない程度に点在しているだけだ。
主な産業は周囲のなだらかな地形と街の横を流れる川を水源として活かした大規模農場と牧場だ。
集落が点在せずに街として大きくなったのは、代々の領主達が、ひたすらに『道』を整備した事による。
街から伸びる『道』は大きい物は街道として他の諸都市に繋がり、小さいものは職場と自宅を繋がる生活基盤として使われ、度々、効率的な動線の確保の為、必要であれば道の取替えなども行われていた。
「難民達はどうにもならんのか……」
街の領主であるクナード・セルフォライドは頭を悩ませていた。
帝国からの突然の難民。勿論、難民全てを受け入れる事ができるキャパシティは無いので、大部分の避難民は難民キャンプや他の街、都市へと散っていった。
だが、一部の難民……例えば、逃れてきたものの生き別れてしまい再会できるのを待つ人、あるいは、どうしていいのか分からず途方に暮れている者などが残っていた。
ただ残っているだけなら、領主も困る事はなかった。問題なのは、住む場所として『道』を不法に占拠している事だ。
「……心情的な事もあるし無理も出来ん……」
「時には非情に切り捨てる必要もございますよ、御当主様」
女性執事であるフランセスが書類の束を手にして告げる。
愛人ではない。とある貴族の令嬢で優秀だった為、クナードの一人娘の教育係として招いたのだ。今ではすっかり、執事としての役目もこなしている。
「それはできん。しかし、道を塞がれるのは困る……何か、智恵はないか?」
「過剰な施しは自らの首を絞める事になりますし、住民達に不平等感を与えてしまいます。私からは強制排除しか妥当な案はございませぬ」
「……ふうむ」
クリーパーに襲われ、住まいを失い、命からがらで逃げてきた難民から、また安住の地を奪う事になる。
それは自らがクリーパーとそう変わらないのではないか……領主は心の中でそう考えていた。
けれど、領主としての役目もある。課題は解決しなければならない。このヴォーンの街の生命線は『道』なのだから。
「お父様……わたしから、一つ……よろしいでしょうか?」
自信がなさそうに言ったのは娘であるイルダだった。
幼さが残る可愛らしい顔の造形。桃色の美しい髪は二つに結っている。髪と同じ色の瞳が真っ直ぐに父である領主を見つめていた。
どれも母親ばかり似ている――と亡き妻の面影を感じつつ、クナードは大きく頷く。
「うむ。何かあれば申せ」
「はい……冒険者の方々は、色々と見識のある方も多いとお聞きします。お知恵を頂いてはいかがでしょうか?」
「なるほど、な……さて、どうしたものだろうか、フランセスよ」
「狼藉者も多いというのが私の印象ではありますが、ここは社会勉強という事も兼ね、イルダ様に託してもよろしいのではないでしょうか」
教育係でもある女性執事の台詞に目を輝かせるイルダ。
なかなか屋敷から外に出してもらえないので、絶好の機会だ。気持ちが昂らない訳がない。
「屋敷から滅多に出していなかった事が幸いしたな。イルダであれば正体は分かりにくいはずだ……護衛としてフランセスも行ってくれるか?」
「かしこまりました」
胸に手を当てて優雅に頭を下げるフランセスの口元が笑っている事を、領主は知る由もなかった。
●
領主の娘であるイルダと女性執事フランセスは簡単な変装をした上で屋敷から出た。
最初に目指したのは冒険者ギルドだ。冒険者達から話を聞く為には、依頼という形にした方が良いと判断したのだ。
「ようこそ、冒険者ギルドへ。冒険者達への依頼でしょうか?」
カウンターごしに出迎えたのは受付嬢のアーネリーだった。
建物に入ってきた女性二人は見るからに裕福な商人に見えた。護衛の依頼かと想像して、書類を手元に用意する。
「えと……冒険者の方々のお知恵を頂きたいと思いまして」
「あ……はい。コンサルタントですね」
「コン……? は、はい」
よく分からない言葉が出てきて戸惑うイルダであったが、フランセスが特に表情も変わらず何も言わないので、状況の流れにそのまま乗る。
「それでは、この用紙に――って、違う、これじゃなかった!」
手元に用意していたのは護衛依頼の用紙。
慌てて、書類のボックスから所定の書式を取り出そうとするが、そこでも迷って、手が宙を行ったり来たりした。
「しょ、少々お待ち、下さい!」
「フフフ。大丈夫ですよ」
穏やかにニッコリと笑ったイルダの言葉と態度に、救われる気持ちで受付嬢はホッと一呼吸置いた。
なんか後ろに立つ女性からは怖い空気を感じるが……どうやら口を出してくる様子はないようだ。
「……ありました。こちらの用紙の必要事項にご記入下さい」
「はい」
スラスラと記入していくイルダ。名前もそのまま記入したが、この地方では珍しい名前ではないので、問題ないだろう。
報酬の所で一瞬、ペンが止まるが相場が分からず、迷った挙句にフランセスに視線を向けた。
「お気になす事はありませんよ」
「分かりました」
お知恵をいただくのだ。タダという訳にはいかない。
必要な事を記入し終えて、それを受付嬢へと丁寧な仕草と共に返す。
ちょっとした身振り手振り、立ち振る舞いだけで只者ではないと感じたアーネリーだったが、余計な事は聞かない方が良いという先輩の教えを思い出し、グッと堪える。
なので、仕事モードに入ろうとスケッチブックを取り出した。
「では、依頼の詳細についてもう少し詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか?」
解説
マスターより
リプレイ
依頼主であるイルダとの自己紹介もそこそこに一行は街中へと出掛けた。
率先して先頭を進む依頼主の横をロゼットが並んで歩く。
「日中に強盗が出るほど治安が悪いとは思えないけど……」
「……確かに用心した方が良いですよね」
歩くペースを緩める彼女にロゼットは微笑んだ。
立ち振る舞いを見るに、自然過ぎるほど、身体に馴染んでいるようだ。
どこかの大きい商家のご令嬢といったところだろうか。
「一見すると同じような家に見えて、ちょっとした作りや内装が違うのですね」
まるで初めて街に来た人のように興味深く周囲を見ているイルダ。
何か惹かれようなものがあったようで、指差し……ではなく掌を向けた。
「あれは……何か分かりますか、ロゼット様」
「冒険者の装備です。振り回して使う物ですよ」
「棒から伸びる鎖の先端の鉄球を上手く当てるのは難しそうですね」
そう言って手を振るイルダに、商人という肩書には似合いそうになかった。
バーネット・フォーサイスはチラっとフランセスと名乗った人物を視界の隅に捉える。イルダと違って無表情のままだ。
二人がどのような関係か分からないが、色々事情が有りそうだ……。
(ま、藪蛇になる詮索は辞めとこう)
そう内心思いながら、イルダに声を掛ける。
「さてと、これから色々な現実に直面する事になるが……良いんだな?」
育ちの良さが滲み出ている依頼主には想像できないような辛い出来事を抱えた難民達と接するのだ。
大きなショックを受けるかもしれない。覚悟あっての事なのだろうが、念のため、確認する。
「はい。とても大事な事だと思うのです」
イルダの即答に、バーネットは頷いた。
必要があれば、冒険者である自分達でフォローすればいいだけの事だ。
「一先ず、難民の皆さんの様子を見てみるか。助言するにも聞く方は現状を理解していないと意味がないしな」
そう言ったのはアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトであった。
帝国出身である彼の言葉に、真剣な眼差しで依頼主は頷く。
「本来であればよき隣人として――」
「イルダお嬢様」
台詞を遮るように唐突にフランセスが名前を呼ぶ。
「……現状をよく見ておこうかと思います。冒険者の皆様には可能であれば難民の皆様からお話もお聞きになっていただければと」
「あとは正確な人数や構成も確認しておくか」
難民は街中の色々な『道』に点在している。
支援するにも人数や性別・年齢などの把握は必須だろう。
仲間達とイルダの会話を聞きながら頷いていたストレガ・L・リベルガストラが人差し指を立てた。
「結論は概ね決まっていると思うのだ」
だからこそ、それが妥当だという事を確認する為、現地に足を運ぶ意味がある。
「あとはイルダ嬢の社会勉強、というところなのだ。フランセス殿」
「お嬢様は甘い所が多いですから。恐れ入ります」
無表情の上に淡々と答えながらフランセスは軽く頭を下げた。
依頼主であるイルダよりも得体の知れない存在のように感じられる。
それこそ油断ならない相手と思いながら、マタリキー・T・ヒーローが見えてきた難民のテントを視界の中に入れつつ言う。
「残っているひとたちは、難民の中でもちょっとこう、弱めの人たちなんすかね」
大規模な難民キャンプへ移動する力もなければ、仕事に就く事も難しい状況ならば、所謂、社会的弱者の人達もいるだろう。
「困っている人を全員、助けられればいいのですが……」
「ままならなすねえ」
寂しそうな表情を浮かべたイルダにマタリキーはそう答える。
難民達に罪があった訳ではないだろう。そもそも、帝国が崩壊しなければ、このような事態には陥らないのだから――。
●
街中全てを見回る事は時間的にも難しいが、それでも一行は『道』を不法占拠している難民達に話を聞いて回る。
「この中で、大規模な難民キャンプへの移動を希望する者はいないか? 向こうに行けば、仕事も、家も期待できるぞ」
アルベルトの声掛けに対し、前向きに答える難民は少なかった。
ここから大規模な難民キャンプまでは馬車を乗り継いで数日は掛かる。
相当な費用が掛かる故、それで足踏みする者もいる。だが、アルベルトの質問の狙いはそこだけではなかった。
「思った以上に、気力がないな」
「あぁ……健康状態もあまりよくないようだ」
路上生活で冬を越したのだ。食事すら満足に取れているか分からないのだから、健康状態が良いはずがない。
調べた内容をメモにまとめながらバーネットが告げた。
「圧倒的に女性が多いようだ。年齢層も高齢者と小さい子に二極化している」
「あの難民のお婆さん……テンナ様が仰るには、孤児も相当な数だとか」
バーネットが書き残しているメモを覗き込みながらイルダが言う。
テンナと名乗ったお婆さんは、この一帯の難民の事をよく知っていた。取りまとめ役ではないそうだが、難民達の中で頼りにされているようだ。
難民達の中にもネットワークが存在している事が分かった事も、調査の成果だろう。
「基本だけど衣食住の希望が多いみたいだな」
要望の聞き取りも行った結果、調べた中ではそれが多かった。
もっとも、全ての難民に聴いた訳ではないので、後ほど、追加調査が必要になるだろうが。
「街中に入ってきたのも、冬の寒さが厳しかったみたいよね」
そう言ったのはロゼットだった。
ヴォーンの街は周囲を城壁で囲まれていないので、外周ほど気候の影響を直に受けやすい。
おまけに今季、この街は例年にないほど、よく冷えたらしいので、テント生活者にとっては相当に堪えただろう。
「つまり、見立てとしては……」
ストレガが前置きして、ここまでの調査内容を踏まえた見立てを述べる。
最初は遠慮していた難民達だったが、冬の寒さに耐えきれず街中へと移動した。『道』を塞ぐ事自体は申し訳ないとは思っている。
大規模な難民キャンプまでは遠く、移動が出来ず、また、街中でも決まった仕事が無い。
「それと、住民側としては、難民に対して辛い立場にある事は理解しているが、やはり、治安や衛生の問題があり不安を覚えている……と」
「難民だけを見るのではなく、関わる住民の皆様の視点も……確かに、支援を考えていく上で必要な事ですわ」
感心したようなイルダの反応にストレガは頷く。
「解るのだー。我々の祖先もそうして危険な樹海を突っ切ってきたのだー」
概ねストレガの見立ては正しいだろう。
あとはどのように支援をしていくか……ロゼットは考えながら言葉を口にする。
「難民の事情は分かるけど、往来を阻害することはかえって難民の立場を悪くするし、なんとか打開策を見つけたいわね」
それも何らかの事件が発生する前が望ましいだろう。
「寒い間街中で、というのは分かるす。でも、暖かくなったなら町外でもいいんじゃないすか?」
「彼ら彼女らにそのような気概があるとは、私は思えませんが」
否定するように言ったのはフランセスだった。
冒険者の誰よりも早く、イルダが咎めるように言い返す。
「難民の方々は辛い日々の中にいらっしゃるのです。その様な言い方はよろしくありません」
「……失礼致しました。イルダ様」
すぐに謝るとフランセスはまた口を閉ざす。
その直後の事だった。突如としてイルダ目掛けてナイフが飛んできたのは――。
「イルダさん危ない」
アルベルトの警告よりも早く、たまたま近くにいたマタリキーが自身のエーテルを展開し、素早い動きでイルダを庇った。
ナイフは全身鎧に弾かれて乾いた音を立てて落ちるが、防具無しのイルダに当たっていたら、間違いなく刺さっていただろう。
「毒は……塗ってないみたいっすわ。それにしても、良いタイミングっす」
投擲された方向から屈強な野郎が3名ほど向かってくる。
格闘技の覚えがあるのか身構えたフランセスにストレガが腕を伸ばして静止し、エーテルを高める。
「……覆え、遮れ、五感に。集え、散れ、この地に。掠め、翳め、霧となりて、霞め!」
魔霞の術が投擲ナイフを持った者を包み込んだ。
「守りはマタリキーに託した。俺が片をつけてくるぜ」
立ち位置の問題でイルダのカバーを仲間に任せ、アルベルトが前に出る。
相手は一般人のようだから、授恵者である冒険者との力量差は明らかだ。
背後を警戒しながらロゼットはイルダに訊ねた。
「襲われる心当たりがあるの?」
「いえ、私にはまったく……」
難民の窮状を目にした事以上に、ショックを受けているようだ。
明らかな敵意を向けられる事に慣れていないのだろうか。一方のフランセスは場慣れしている様子を隠しているようにも感じられる。
(これはやっぱり、ただの商人ではないな)
そう思いながらバーネットはアルベルトがのした不届き者に対して光縛呪を掛けていくのであった。
●
襲ってきた不届き者共を衛兵に突き出した後、イルダと共に冒険者ギルドの建物へと戻ってきた一行。
事情聴取の為、フランセスが誰かに呼び出しを受けて退出したが、依頼自体に特に問題はないようだ。
「まずは皆様に感謝を。助けていただき、ありがとうございました」
「怪我が無くてよかったっすわ。ああいう輩でもどう活かすかは貴女次第す」
結局、襲ってきた連中は難民ではなかったようだが……。
全員が席についたところで改めてイルダが頭を下げる。
「それでは、難民への支援についてご助言を頂きたいと思います」
「大規模な難民キャンプへの移動を希望する者が少なからずいるようだから、移動できるのであればそれに越した事はない」
アルベルトの言うようにやはり、移動できればそれが現状だとベストだろう。
それはイルダも分かっているようだ。
「そうですね。これまで難民について、きちんと調べていなかったと思いますので、改めて意向を確認する必要があると私も感じました。今からでもキャンプ地への移動を希望する人がいるかもしれませんし」
「領主に馬車を用意できないかも含めて確認か。護衛が必要なら俺が行うし、費用が必要なら提供もできる」
帝国関係者だからこその彼の言葉だが、イルダは首を横に振った。
「アルベルト様だけにご負担を頂くわけにはいかないかと思います……あくまでも、この街の問題ですので」
本来であれば、移動に要する費用も難民への支援に掛かったものも帝国に負担してもらうものではあるが、国ごと崩壊した今となっては難しい。
それを帝国出身者であるアルベルトだけに背負わせる事ができないのが、依頼主の考えなのだろう。
「……ですが、難民キャンプへの移動があるとしたら、その護衛の仕事は、改めて冒険者の皆様に依頼されるかと思います」
移動する際には危険な場所を通る必要もあるらしいので、その際には依頼がきっと出るだろう。
次にバーネットから受け渡された書類に目を通すイルダ。
そこには今回の調査で集めた難民に関する情報が記されてある。難民全員ではないので、回り切れなかった所は今後も調査が必要だが。
「難民の代替の居住地候補も見繕っておいたけど……」
「はい……やはり、スペースとなると街の外にしかありません」
街の中に点在する公園では狭いし、何より、住民達の憩いの場でもある。
長い期間、ずっと難民の為に使われると互いの心情的によろしくないだろう。
バーネットは続いて、別の書類を取り出した。
「道路上からの移動を条件に、簡易住居を設けた新しい居住地を用意するとか。一応、最小限の資材と労力で建てられる簡易住居を設計した。きっと使えるはずだ」
「助かります。仮住まいへの入居を条件に移動ならば難民の方々も受け入れやすいかもしれません」
一方的に移動させる……よりも好印象だろう。
今までテント生活を強いられていたのだ。雨風憂いのない建物があれば喜ぶ者もいるはず。
補足するようにマタリキーも提案する。
「石材や木材の利用許可さえあれば、周囲を囲う柵とか作れるはずす。それに将来的に難民が居なくなったら街の設備や訓練場とかに使えばいいす」
「それは良い案だと思います。将来的に街の発展にも繋がるのであれば領主様からの支援も受けやすいですし」
「炊き出し場所とかを町の外に用意すればいいと思うす。今よりもそこのほうがまだ暮らしやすいなら道は開くと思うんす」
急場しのぎすけどねと続けたマタリキーの台詞を一字一句も聞き逃さないようにイルダは真剣に頷いた。
移動を断る人がいても、生活の場が簡易住居の地域にあれば、自然と移動する可能性が高い。
元々、街の外に居た難民が、冬の寒さに耐えきれず街の中に移動してきたのであれば、その逆だって可能だろう。
「一朝一夕で、という訳にはいかないけれど、長い目で見て、街の発展に繋がるようにしたいものね」
支援の方策がまとまってきたようでロゼットはしみじみとそう言った。
イルダもそれは感じているようだ。だが、一つ課題が残っている。
「後は費用の問題ですが……」
「そこは商人に協力を募って街外での炊き出しや露店とか、生活の場を整備してみてはどうでしょうか?」
「確かに、そうですね。『道』を塞がれて困っているのはしょう……私達、商人ですから」
「後は、居住区の清掃、農場や牧場の経営者に協力を募って、今いる難民の方々でも出来そうな軽作業の斡旋も」
最初の支援は必要だが、その後、ずっと世話が出来る訳ではないので、難民達自ら生活できるようにしていく必要もあるだろう。
これで助言は一通り出揃っただろうか。ストレガが話を纏めるように告げる。
「ヒトとは楽をしたい反面、手に職ないと不安になる難儀な生物なのだ。今は軽めの仕事を斡旋し、『道』から立ち退く条件として簡易住居を用意するのだ」
炊き出しや斡旋紹介もその簡易住居を中心に行うようにすれば、自ずと移ってくるかもしれない。
「街は拡張のご予定はあるのだ?」
「必要があれば行うと思います」
「なら、それらの整備に難民も参加させる。自分達が住む為の労働、励んでくれると思うのだ」
衣食住が安定してきて気持ちの余裕が出てこれば大規模な難民キャンプへの移動を希望するものもいるだろう。
あるいは、ここを第二の故郷として移住する者も出てくるはずだ。
「今回、皆様のおかげで私も希望が持てました。必ずや領主様を説得して参ります」
熱が入り過ぎたのか、陳情ではなく説得と言ってしまっているイルダだったが、自分では気づいていないようだ。
冒険者達全員の顔を見渡し、彼女は意を決したようで何か言葉を続けようとしたが……ぐっと唇を閉じる。
伝えるべきか、伝えないでおくべきか、そんな迷いのようにも受け取れた。
しばしの沈黙が続き――イルダはぎこちない微笑を浮かべ、冒険者達に向かってこう告げたのであった。
「……この度は、ご助言の程、ありがとうございました。皆様にはいずれ……色々とお話できればと思います」
――と。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:多い5 / 4〜5人
2021年04月16日 17時02分04秒 公開
相談掲示板
マタリキーす。今回はよろしくお願いするす。 >(珍しく用意した書類を間違えなかったが、シャツの胸元が大きく開いている事に気が付いていない) …………………………。 さて。重要そうなのは「道」の扱いすね。 難民たちも故あってここにいるので、全部をどうにかするのは難しそうすけど、なんとか道筋をつけてあげられればすくなくとも現状だけは解決できそうす。 とはいえ、単に道を開けるだけじゃだめそうなんで、何か双方にとって利がある落とし所を付けてあげたいすね。
ロゼットよ。4人目だから、これで依頼は成立ね。 一時は街の塀の外に居た、とあるから街の中に入ってきたのは 利便性や安全性のため…かな?その辺りが課題なのかしら。 何もない場所にキャンプを設立するのも大変だったけど、 こうやって街に残る難民も難しい問題ね…。 >(珍しく用意した書類を間違えなかったが、シャツの胸元が大きく開いている事に気が付いていない) (…大胆な格好ねえ。王国のファッションかしら??)
お、成立したのだ。ストレガなのだ。よろしくなのだ。 ヒトって手に職ないと不安になる難儀な生物なのだ。 今は重労働の斡旋は無理、という事は後々アテがない事もないともいうと思うのだ。 不法占拠で迷惑をかけていることは自覚してるはずだし匿ってもらっている恩義がないこともないはず。居心地が良いはずもなし。 とりあえず軽めの作業をあてがって自分達の食い扶持を稼いでもらうのがよし。 そして現状受け入れられないなら受け入れ先を作っていくのがよいかと。道を伸ばし街を拡張とか。今はスラムでもいい、後々ちゃんとした住居立てて立派な街にしていくとか。 とりあえず正確な難民の人数の把握と、御用聞きなのだ。 >(珍しく用意した書類を間違えなかったが、シャツの胸元が大きく開いている事に気が付いていない) せーくしー。
お、成立したか。 バーネット・フォーサイスだ。 まぁ、よろしく頼むわ。 唯々退去しろってのだと反発も有るだろうし、余計な労力も必要になるだろうな。 難民って事で情状酌量のよりも有るし、こっちの要望を通すためにも向こうに 利益を示す形にする方がいいだろう。 既に出ているが仕事を斡旋して経済活動に組み込むのも良いと思うし、 先にこっちで簡易的な住居を別所に用意するってのも、資材とか労力があるなら良いと思う。 治安や衛生面の観点でも、無秩序に住処を用意されるよりは、ある程度纏まった居住区を 用意する方が管理もしやすいだろうし。 >(珍しく用意した書類を間違えなかったが、シャツの胸元が大きく開いている事に気が付いていない) (大分油断してるな……大丈夫か?色々な意味で)
皆よろしく。 難民についてはストレガやバーネットと、 だいたい似たような考えかなって。 >路地で一般人の不届き者が1回だけ襲ってきます 一応これも忘れずに。対処自体は難しくはないと思うけどね。 これオープニングで怪しげなフランセスと、関わりあるのかしら。 誰でもなくイルダが襲われるということは、PL情報の彼女の素性か、 もしくは何か吹き込まれた?とか。考えすぎかな。
ウオーリアのアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 行動提出の締め切り24時間を切っている状態での突然の参戦申し訳ありません。 大規模な難民キャンプへの移動は難民「全員」を連れて行くのは困難ということだから、途方に暮れている人から希望者を募って可能な限り希望者を移動させるって方法はどうだろうか?あくまでもここに残って家族を待つという人とか体力的に困難な方は残ってもらうって事でさ。 それにしてもアーネリーさんて、かなり無防備だな・・・
ううーん。そうすね。 手形だけでもまあ、目に見えるものがあれば納得しやすいでしょうね。 俺に学があれば、なにか仕事になりそうなことも思いつくかもしれないんすけど、うーむ。 >不届き者が一回だけ メタに考えると、甘いことを考えそうなイルダの社会見学的なニュアンスのような気がしなくもないすけど……穿った見方をすると、有能さで取り入って、なにかの目的のために動いている、とかはありえるすよね。 そのあたり、なにか絞れると良いかもしれないすけど……モヒカンセンサーとかで、俺よりも強かったらワンチャンわかるかもしれないすかね…… あ! イルダさんにはいざとなったらカバリングする系の準備だけはしておくす。
>方針 とりあえず、俺の独断込みになるが、ざっくりと方針として纏めるならこんな感じか? ・街中を回りながら難民の人数を調査し、可能なら名前等をリスト化して管理 ・道路上からの移動を条件に、街の外等空いている土地にテントよりは快適な簡易住居を用意 ・簡易労働(街の清掃作業等)を斡旋し、それを対価に食料や難民キャンプへの移送等の要望を聞く
のだー。そんなところだと思うのだ。 のした不届き者はヒールと光縛呪しとくのだ。コレからも訴えはあるだろうし。
バーネットの方針に賛成するわ。 人数の調査は、不明とあるからには10や20じゃなさそうだし、 視察と並行しては、ちょっと厳しいかもしれないけど聞き取りで、 難民の現状や街中に入ってきた理由なんかは、直接聞けるかなと。 >マタリキー ありがと。私も悪意なのか教育指導なのか迷ってたから。 本題からは外れてるし、今回は深く考えないようにするわ。