【CP】外敵が尽きない畑
馬車猪
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シナリオID:478
オープニング
「クソッ、後1頭っ」
「まだ死んでない。気を逸らすんじゃないよっ」
鎧すら身につけていない難民が、殺意を剥き出しにして猪に止めを刺す。
筋肉を貫き内臓まで届いた槍を抜くには時間と腕力が足りず、開墾途中の土地に転がる石を両手で拾い上げる。
「畜生が。リット1人がいないだけでこれかよっ」
帝国難民キャンプ在住の授恵者リットがエルフに捕まった。
授恵者とはいえ14歳の少年1人だ。
砦から派遣された兵士もいる難民キャンプの防衛体制は万全なまま……とはならなかった。
「リットにビビってた三下共がデカい顔しだしたからキャンプの警備に人手が取られて、クソがっ」
先程とは別の猪に殺害目的の投石を浴びせ、猪の突撃を見切って横へ飛んでぎりぎりで回避する。
「姉御!」
「あ゛ぁ?」
リットの前では猫を被っている少女が凄まじい目つきになる。
彼女より数歳年上の新入りが冷や汗を流しながら、開墾途中の林の奥を指差した。
「し、視線を感じるんだ。エルフ野郎共とも獣とも違う」
「さん付けで呼びな。リットちゃんの前で姉御呼ばわりしたら落とし前をつけてもらうよ」
猪相手に先頭に立って戦いながら、五感を研ぎ澄ませて周囲を探る。
「嫌な感じだ。コイツを仕留めたら後ろの畑まで下がるよ」
「ちょ、ここ放棄したら獣に入り込まれますよ! 開墾計画に遅れがっ」
「お客人に怪我人出す訳にはいかないだろ。ゴールディの……ブラックなんとかから預かった連中だ。マフィア相手に隙見せるのはヤバイんだよ」
難民キャンプの立場は弱い。
特に、リーダーであり主力でもある授恵者を失ったキャンプ内グループなど吹けば飛ぶような立場だ。
「リットちゃんの救出を冒険者に頼む金があればね」
エルフ相手の全面戦争を避けつつ救出を行うとなると難易度は高く報酬も相応だ。
このグループの財布を空にしても足りない。
「ブヒブヒうるせぇんだよこの汚ぇ豚野郎がよぉ!!」
殺意に塗れた穂先が害獣の腹を切り裂く。
湯気をあげる内臓が地面を汚しても、スラム出身の少年少女は眉一つ動かさなかった。
●数日前
「リットって坊主はいるか?」
そのゴブリンは明らかに堅気では無かった。
しかし身なりは整い礼儀も知っている。
身元の証明はヴァイセントラフ砦による正規のもので、手土産である各種医薬品も貴重な代物だ。
「エルフに捕まっただぁ!? 波瀾万丈な人生送っていやがるな」
ダークスーツの上に分厚い防寒具を羽織ったゴブリンが、呆れたように肩をすくめた。
「言づてがあれば伺いますが」
個人としての武力はともかく属する組織の力では圧倒的に上のゴブリンを相手に下手に出る少女。
ブラックデスの中級幹部であるゴブリンは、笑顔の仮面を維持したまま高速で計算を行う。
(坊主が無事に帰ってくるかは五分五分か? 帰ってくるなら恩に着せるのに良い機会……いや、帰ってこなくても棄民じゃなく入植者として送り込む好機か)
リットの仲間達はこのゴブリンの考えを読めない。
年齢でも経験でも圧倒的に負けているからだ。
「商談だ。ヴァイセントラフ砦が予想以上に寒くてな。寒さに耐えられなかった連中を何人か連れて来た」
「……開拓は危険ですよ」
「南のゴールディからわざわざ帝国まで行くような連中だぜ? あの寒さには負けても危険程度気にはしねぇよ」
こうして、十数名の非授恵者のゴブリンが労働者として難民キャンプに加わった。
彼等が一時的な滞在者で終わるか、それ以上の存在になるかは、今はまだ誰にも分からない。
●敵は不明の護衛依頼
「帝国難民キャンプの依頼です」
相変わらず愛想がないギルド職員ではあるが、冒険者の利益が最優先という点だけは信用出来る。
「近隣のエルフ集落複数との関係が悪化したことで、難民キャンプの戦力が足りなくなりました」
開拓や物資調達の護衛、不満分子を威圧するための警備活動に加えてエルフ相手の警戒の仕事まで増えたのだ。
戦える人間は限られているため、戦力不足に陥った場所が複数ある。
「今回の依頼は、難民キャンプの外縁にある畑の警備です」
現在、ゴールディから来た一般ゴブリンが十数名が働いている場所だ。
彼等は危険を承知で農作業を担当している。
冒険者に彼等を保護する義務はないと職員が断言する。
「依頼の目的は畑の防衛です。防衛が成功するなら、誰を助けるかも、どの外敵を討伐するかも冒険者の判断で決められます」
依頼人の希望を最低限以上叶えるなら、冒険者は何をしても自由。
淡々とした態度で、職員はそう断言していた。
解説
マスターより
リプレイ
「人に悪さをする指は、この指かしら」
アヴェラ・ウッチェロが窃盗犯を捕まえている。
窃盗犯が振りほどこうとしても巧みに押さえ込まれる。気付いたときには兵士が目を血走らせて目の前にいた。
「私、隠れるの得意なの。さて、たまに見に来ようかしらね。ふふ……」
いつの間にかアヴェラの姿は消え、リットという暴力から解放された不満分子に恐怖を思い出させていた。
●
「良くも悪くもスラムに近いわね」
治安担当者がいう「三下」への教育を終えたアヴェラが、今年春の植え付けを目指して鋭意作業中の畑を訪れた。
「最初の罠づくりと設置だけ手伝ってほしいわ。作り方に、設置個所について、実際にやりながら教えた方が効率いいと思うのよ。その後は……先に休む?」
武装した難民の顔色は、疲れで酷いものだった。
「一難去ってまた一難――か。少しずつでも前に進めると、いいんだが」
エリザ・A・ミシャールが熟成小屋の確認を終え畑に戻ってくる。
以前渡した肉は既に消費され、今は別の肉が加工中だ。
「リットがいない現状、無理は禁物だよ。人も物資も、等しくかけがえが無い。キャンプ住人もゴブリンもね」
農作業中のゴブリンがぺこりと頭を下げた。
「私らが来たから、少しは休めると思うよ。休んだ後は、ちょいとばかしは働いてもらうけどね」
エーデルワイス・エンゲルが、難民達の外傷をヒールで治療した。
「害獣殺すべし! 皆様、もう一息です! 罠そのもので殺せずとも移動を封じ確実に始末することが可能です……!」
ハリス・アル・ターミルの言っていることを10割理解出来る者は少ない。
冒険者のような例外を除き、理解を可能にするための教養が足りないのだ。
しかしハリスの熱意と誠実さは伝わる。
個々の罠を長持ちするよう組み合わせることも、実際の戦いを考慮した配置にすることも、ハリスの人柄を信じてハリスの言う通りに行っていく。
「ロープは惜しむな。ある程度は持ってきたし他からも支援がある」
セリオス・オーガストはゴールディゴブリンや農業専業の農民と共に土にまみれて罠を組み立てる。
木にロープを通した簡易鳴子や、木の棒を縦横で縛っただけの簡易柵を畑の周りに設置し、確実に訪れる未来に備える。
「そうですか、リット様が」
詳しい事情を聞いたフリーダ=ブロムヴィストが頷いている。
「やはり被害担当艦なのでは?」
独特な神あるいは神的な何かと縁があるせいか言葉使いが独特だ。
が、仕事は確かだ。
素人でも出来る罠を使った狩りを仕込む手際は明らかに専門家である。
高度な知識の気配を感じたゴブリンが、体と脳味噌に刻みつけるよう真剣に見、聞き、覚えて実行する。
「啓示でも『害獣駆除はお金になるからウマ=アジ』と出ています」
半ば以上意味不明でも非常に頼り甲斐があるフリーダは、しかし全てを語っている訳ではない。
(しかし、本当に害獣だけになるのでしょうか?)
本格的な入植が始まってから半年も経過していない土地だ。
フリーダは最悪の場合は時間稼ぎのみが出来ればよいと割り切って、罠作業を指導していた。
「はー、みんな熱心だー」
メア・ステルツァは感動している。
かつてメアがいた場所と同じ空気を纏う難民が、汗まみれ泥まみれになって冷たい風を浴びても歯を食いしばって土と格闘している。
時折罠の設置にしくじって涙目になってはいるが、決して挫けはしない。
帝国崩壊時に別れた連中の最期の言葉を思い出す。
「よーし、害獣退治だ! 気合い入れてやるぞ!」
泣きそうになったのを勢いで誤魔化して、メアは廃棄予定の袋というより袋の残骸を十字に組んだ枝と組み合わせる。
つまり案山子だ。
質の向上を目指すなら布を使いたいところだが、物資不足な難民キャンプでは布はゴミになるまで酷使される。
だがメアの案山子は低性能では無い。
奇妙なほど実戦的な案山子の威圧感は凄まじく、ゴールディゴブリンや難民が怖がるほどだ。
「見てろよ。あたしはやってやるからな」
今なすべきことを済ませたメアは、夜に備えて寝だめを開始した。
音が鳴った。
仮眠を終えた武装難民リーダー格が、組み上げた罠を試しに作動させた音だ。
「そうそう上手い上手い。音が鳴ったら侵入者が居るからね」
エーデルワイスは依頼の3日間だけでなく長期間の防衛力向上を目指している。
そのためには、ここに住む者達に技術を身につけさせる必要が有る。
「後もうちょいだから頑張りな! これが出来たら少しは畑を守るのが楽になるよ!」
彼女自身は手を出さず、厨房へ向かい薬湯を用意してあげる予定だった。
「アンタらにも出来ることは多い。人手は宝だ」
エリザは冒険者以外の全員を励ます。
農作業と罠の設置作業を並行するのは負担が大きい。
足跡の見分け方などの狩猟の技も教えていくのでさらに大変だ。
それでも、泣き言を言ったり手抜きをする者は皆無であった。
●
夜は更け、獣の時間が始まった。
灯りは小さな窯しかなく、限界まで節約された薪のせいであまり暖かくはない。
「最悪3日間出てこないかも……来るならこの時間帯かな?」
普段は薄着で戦うメアも防寒着を借りる必要があるほど寒く、1杯欲しくなっていた。
「昼に足跡を見つけたのだ。猪も鹿も腹を満たせてはいない。冒険者が消えるまで待つ余裕はきっとないのだ」
ストレガは、差入れである暖かい珈琲が入ったカップをメアへ渡す。
暗視能力があるので火から離れ、白い息を吐きながら耳を澄ませる。
罠にかかった音はしない。
だが、人の臭いがする罠を避ける足音を、鋭敏な耳が拾い上げていた。
「任せなっ」
松明に火を付けメアが駆け出す。
昼間に記憶した通りの畝と罠を避けて一気に駆け寄り、畑へ忍び寄っていた猪に斧を叩き込む。
十分な速度がのった一撃は甚大なダメージを与え、しかし最大の効果は猪を興奮させたことだ。しばらくは逃げだそうとはしないはずだ。
(畑は恵みを生む。守るのは当然。恵みに引き寄せられる獣もまた恵みである、のだ)
ただ倒すだけでは勿体無い。
ストレガは理詰めで作戦を立て実行する。
畑に近づこうとしたりメアの背後をとろうとした猪に氷矢を浴びせて速度を低下させる。
魔法攻撃が強くなりすぎない装備をわざと使っているので、猪は痛みに怒るが逃げ出しはしない。
エーテル力場を伴う矢が飛翔する。
セリオスが射た矢は、短弓で射たとは思えないほど威力が強い。
分厚い皮膚と脂肪を貫き、重力波により狼の動きが激しく乱れる。
冒険者未満武装難民以上だった命中や回避の精度が、難民以下まで激減した。
「戦いに慣れた個体がいるな」
灯りを使わず猪の数と練度を評価する。
雄雌いるが落ち着いているのは1頭の雌のみ。これが実質の長だった。
「逃がさないのだ。ゆっくりしていくのだ」
ストレガの声に熱はなく、徹底的に冷静だ。
荒れ狂う雷を思わせる光は畑にも罠にも影響を及ぼさず、猪の脚のみを妨害する。
切り開かれたばかりの土地が、猪にとっての死地に変わった。
「リーダーだけは倒しておくべきか。援護する。仕掛けろ」
エリザに命じられたゴリラが駆け出す。
移動速度は冒険者の倍ほどもあり、猪など問題にもならない。
あっという間に追い抜いて、猪の退路を塞ぐ分厚い壁となる。
そうしている間もエリザは行動している。
魔法の如き矢、あるいは矢の如き魔法がほとんど同時に雌猪を貫き地面へめり込む。
雌猪は退路をゴリラに塞がれ、怒りと絶望の入り交じった視線をエリザへ向け、眼窩を第3の矢に貫かれて止めを刺された。
「今のは……」
セリオスが第三勢力に気付く。
遠くの茂みに、狩られていく猪を見ている人型がいる。
「コボルトか」
即座に狙いを切り替え矢を放つ。
射程ぎりぎりであったが見事に届き、人間より少し小さな喉に刺さって1体を仕留める。
残ったコボルトは、怒りと恐怖に耐えて仲間の死体から回収する。そして一切迷わず逃げ去った。
「はぐれではなく部族か?」
既に射程外だ。猪との戦闘も続いている。
セリオスはコボルトの追撃はひとまず諦め、目の前の戦いに集中した。
キャンプの天幕に動きがあった。難民がようやく戦闘に気付いたのだ。
「敵は全て捕捉している。テントの中にいろ」
エリザは2頭3頭目と仕留めていく。
魔法攻撃に対する備えをただの猪が持っている訳がない。エリザの矢は非常に良く効いた。
ストレガが光弾の群れを放つ。
猪の立派な体を易々貫き地面に血を零す。
猪は残り2頭。いずれも重傷。
エリザのペットのゴリラを突破する能力も打ち倒す能力もなく、後は狩られるだけだ。
だがエリザの機嫌は悪い。
(この土地はどうなっている)
音も視線も届かない距離に害獣の気配を確かに感じた。
1つ2つではなく、大量に。
「キャンプといっても実質的には新規開拓地。一筋縄ではいかないか」
猪を仕留めた後も、警戒は解かなかった。
●
ゴールディゴブリンは元々森で狩猟をしていた。
血抜きと剥ぎ取りの技術は歴史と知識の積み重ねで磨かれた。
襲撃地点から見えるように干す様は、『次はお前だ』との宣言であり即ち呪物でもある。
そんな自身の作品の出来映えに満足するストレガの近くで、彼女ほどの知識を持たないゴールディゴブリン達が仕事しながら怯えていた。
「皆さん、お疲れ様よ」
防寒具の上にエプロン姿のアヴェラが、猪肉たっぷりの麦粥と人数分のどんぶりを運んで来る。
犯罪者殺し(※死者は出ていません)として知られるようになった謎の女がアヴェラだとは、現時点では誰も気付けていない。
「来ないですね」
警戒の当番であるハリスは、分厚い甲冑と重厚な盾と強靱な槍を装備したまま警戒を続けている。
畑は広く、畑予定地はもっと広い。
前日しかけた罠があるとはいえ、1人あたりの担当範囲はかなり広大だった。
「狙い通り、ね」
アヴェラが微笑み、脱いだエプロンごと昼食をゴブリン達へ渡す。
鹿がこそこそと近づいてきている。
「相手が悪かったわね」
アヴェラは速い。
猪より速い鹿があっという間に追いつかれて2本の刃で端から削られる。
「動物の指は流石に食指が動かないのよね」
言葉は通じなくても、アヴェラの怖さは鹿にも理解出来た。
「よりにもよってこの種ですか」
ハリスの言葉は穏やかでも怒気は凄まじい。
鹿にも様々な種類があるが、今ここにいるのは食欲旺盛で放置すれば環境ごと食い尽くすタイプだ。
畑予定地の雑草が瞬く間に食い荒らされた。
「守りは罠に任せて攻撃に専念します。逃がす訳にはいきません!」
加速する。
体格の良いハリスの体重と重装備の大重量が、槍の穂先に集まり大柄な鹿へ直撃する。
強靱な毛皮も分厚い筋も、より強靱な装甲と筋肉の前には全くの無意味。
深手を負った鹿が悲鳴をあげ、恐怖と混乱が鹿の群れに広がった。
「ハリス様の突撃でも倒しきれないですか」
フリーダの脳裏に『ガ=バ』という専門用語が浮かぶ。
「心も攻めましょう」
エーテル光を全身に纏い、盾を先頭に全身でぶつかる。
チャージングより射程は短いが威力は互角。しかも衝突の勢いが相手によく伝わり鹿の巨体が吹き飛ばされる。
最低でも十数メートル。
若く軽い個体であれば倍は飛ぶだろう。
(こちらが猪のそれより突進が強いとみて混乱してくれたら)
「フリーダ殿! 突き飛ばすならあちらです。罠を使いましょう」
ハリスもチャージングからドラゴンチャリオッツに切り替える。
特に逞しい個体であったので飛距離は伸びず、しかし小さな穴が鹿の足に骨折を強い、簡易の柵が凶悪な杭と化して鹿に重傷を負わせた。
「いいですねやりましょう!」
フリーダはハリスの提案を全面的に受け入れた。
迂闊にもフリーダに近付いてしまった鹿に、回り込んでからエーテル光付きの突撃を食らわせる。
何もない平地なら打撃を受けた後に突き飛ばされるだけなのだが、前日に大勢で仕掛けた罠がある状況では凶悪な罠の中へ放り込む一撃と化す。
「そーれ!!」
骨が折れる音が響き、濃い血の臭いが漂った。
畑の敵である鹿が怖じ気づく。
戦闘は、迎撃戦から追撃戦に移行した。
装飾が施された片手剣が眩い光を宿す。
美しくもあるが禍々しくもあり、魔法を理解しない獣にも脅威が伝わる。
「逃がしはしないよ!」
エーデルワイスが剣を振り下ろす。
野生で生き抜いてきた獣も魔法の剣を見るのは初めてで、まともな防御も出来ずに毛も皮膚も肉も砕かれ骨まで折れる。
(もったいない)
内心思ってしまったが口には出さず、彼女はより強いエーテルを込めて斬撃を繰り出す。
逃走よりも回避を優先した鹿へ見事に直撃。
脚だけでなく尻まで破壊された鹿が、開拓途中の土地に転がった。
「害獣の頭かっ!」
普段は非常に礼儀正しいハリスも戦場では勇敢な戦士だ。
特に農業の邪魔をする相手には容赦はなく殺意は特濃だ。
迎撃の蹴りが盾に直撃する。
火花とエーテルが散るが傷は皆無。盾を支える腕が少し疲労した程度だ。
「ここで仕留める」
鹿の長を部下が庇う。
だがハリスの攻撃は槍の穂先ではなく衝撃波であり、庇った鹿は絶命し庇われた鹿も深手を負った。
鹿を刃が刻み矢が突き刺さる。
最期の覚悟を決める時間も与えず、エーデルワイスは深く踏み込み輝く剣を突き立てる。
いつの間にか、戦闘の音は消えていた。
●
「害獣も結構手強いね。クリーパーほどじゃないけど傷が多いよ」
エーデルワイスの癒やしの業が冒険者の傷を効率よく治療する。
戦闘中に治療が必要なほどではないが、後で回復するときヒールが大量に必要。今回の敵はそういう水準の敵だった。
生気に満ちた匂いが漂う。
セリオスは解体した肉の一部を焼かせている。
罠の一部は難民とゴブリン農夫の手によるものだ。
分け前を受け取る資格は十分にある。
「駄目だ。しっかりと焼け」
とはいえ不衛生を許容する気は皆無だ。
体と胃袋に知識を刻み込ませるつもりで、少し強めに威圧している。
「食べないのは内臓は穴を掘って埋めるか焼くのだ」
ストレガはよく洗った肉を香草で臭み抜きしてから焼いている。
狩人であるセリオスとは別方向で肉の扱いに熟練している。
「種族は関係ないのだヒューマンもゴブリンも勿論他種族も皆料理食べるのだー」
適切なタイミングで、本心であると同時にプロパガンダでもある言葉を囁く。
実にゴールディゴブリンであった。
「骨は境界線に飾って、外敵へのメッセージにしましょうか」
エプロンを返して貰ったアヴェラが、調理の後に残った骨を運んでいく。
「残った肉は小屋に運べ。薪が足りなくても干し肉には出来るだろう」
セリオスは肉の無駄遣を許さない。
ゴブリンとヒューマンが、獲れたての肉を慎重に小屋へ運び込んでいた。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 6〜8人
2021年01月29日 01時09分39秒 公開
相談掲示板
ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 3日間ずっと畑周辺に張り付くことができるのが理想的ではありますが、 その場合は防寒対策をどうするかがカギになりますね。 班分けをして定期的に入れ替わるというのもありだとは思いますが、 入れ替わりの隙を突かれる可能性は十分あり得るでしょう。 後は敵をどうするかといった所ですが、 猪については授恵者の実力を思い知ったら無謀な攻めはしてこなくなりそうですね。 鹿については既にこちらの実力を知っているようですし、 襲撃の際はこちらを迂回して接近してくる可能性も考えられます。 コボルトは潜伏して状況を伺って情報を集めているのでしょうか? 何にせよ逃がさないで倒せるならそれに越したことは無いかと。
ウォーリアのメアだ、よろしくな! 見張りと侵入者の対処が大きな問題かなって思うんだけどさ。見張りの方はあたしが大部分引き受けちまおうかなって思っているんだけどどうだろ? あたしは汎用スキルに強いこだわりとかないからさ、ショートスリーパーと温度耐性と道具持ち込みの力技でこう…なんかいい感じにさ。 ショートスリーパーでも小1時間は寝ないといけないけどそれもタイミングずらして真っ昼間にちょっと寝るとか。 動物は最悪畑に入り込まれたら戦わないといけないだろうけどさ、人に見える人形作るとびびって帰ってくっての聞いたことあるんだ。 鹿とか賢いらしいし畑に入るのためらったりしてくんないかな、と思って暇なとき木の棒や着れなくなったボロ着借りて作ってみようと思うぞ。
畑の危機と伺いました(ザシャアアアァ(チャージング( ウォーリア、いえ、農民のハリスです。速やかに害獣を駆逐致しましょう。 >見張り メア殿が担ってくれるとの事で、大変有難く存じます。 私の一般スキルには超嗅覚とサーマルアイがあります。 夜間や寒気に伴う霧などの環境下でも敵の接近を察知することが可能かと。 戦闘においては物理偏重型の壁役として敵の侵入を防ごうと思います。 主軸が防衛なので、特性スキルはエーテルブレードと殺界が第一候補ですね。
ん。シューターのセリオスだ、よろしく頼む 俺もショートスリーパーを持ってるから夜の番は可能だな あとは来たたわかるようにな鳴子の罠を作るとかか
ストレガなのだ。よろしくなのだ。 狩れればこれも恵みなのだ。 夜番は珈琲でも差し入れするのだ。 戦闘は後衛でアーケインとフリーズボルトを仕掛けるのだー。
ヒーラーのエーデルワイスだよ。 今回はよろしく頼むさね。 >見張り メアやセリオスが夜番を担ってくれるなら助かるさね。 この機会に私達で鳴子なんかの早期警戒用の罠を作っておくと良いかもしれないね。 >戦闘 私はアタッカータイプだから、【エーテルブロー】なんかの【物魔撃】を使っていくとするよ。 無論、回復もちゃんとやるから安心して良いさね。 >武装した難民 これ、扱いをどうする? 大分疲労してるっぽいし、私達が居る間は休息を取らせてあげたい所だけど…?
シーフのアヴェラよ。よろしくね。 >見張り 夜番がいてくれるのは助かるわね。 わたしはとりあえず捜波持ち込むから、罠ができるまでは捜波で重点的にコボルドを探すわ。 >戦闘 機動力を生かして、侵入してきた敵に真っ先にあたって、足止めするようにするわ。 >武装した難民 この仕事の成功だけを考えると手伝ってもらいたいけど、休んでほしいのもそうなのよね。 罠の作成と設置までは手伝ってもらうのはどうかしら。 罠を残していくなら引き継ぐ事になるのだろうし、それなら作り方も配置場所も指導しておいて、作り終わったら休んでもらう形ね。 どうかしら。
顔出しが遅くなってすまなかった。 シューターのエリザだ、よろしく。 前にも畑の護衛を請け負わせてもらったが、なかなか大変なようだな。 畑としての形は整ってきたけど、害獣への備えが足りていないのか。 私も見張りを重点的に対策しようと思う。 罠の作成に難民の手を借りるのは賛成だ。 罠は設置して終わりではなく、メンテナンスが欠かせない。 私たちが毎度毎度仕掛け直すわけにもいかないから、難民たち自身で管理が出来るようにする必要があるだろうね。
とりあえずやってくる害獣どもは敵対してるから合同でということない、というよりかち合わせたらお互い戦いになりそうだからそれを狙うのもありかもな イノシシは体力と物防が高いからBSとか魔法攻撃で対処すればいい。 鹿とコボルトは授恵者を見ると逃げ出すとあるから逃げ出させないようにどうにかしたほうがいいだろうな。 鹿のほうは経験のある個体が含まれるとあるからそれを先に倒せれば有利に事を進められそうだな。 あとは日中は罠とかを作成しつつ周囲の警戒、夜は俺やメアで夜番をして警戒という感じだろうか <罠 まあ確かに難民が作れたりするのは今後を考えればいいだろうな あとそれこそあるだけましぐらいで柵を作るのもいいと思う。どの方向から来るかわかるしな。
>罠、難民との協調 了解しました。私は建築学と戦術を多少学んでおります。 故郷ほど大きな仕掛けとはいきませんが、場所の吟味と制作指揮は可能かと。 難民の方々に協力を仰ぎ、可能な限り迅速に仕上げて見せましょう。 害獣殺すべし。 >猪 魔法や状態異常での対処については賛成です。 私は前衛を張り、後衛の方が攻撃に集中できるよう抑えましょう。 メア殿、並びにフリーダ殿とも協調して動ければ幸いです。 >スキル 殺界の使用を考えていましたが、味方の移動も妨害する可能性がありますね。 ドラゴンチャリオッツ等で畑から引き離すような動きの方が良いでしょうか?
>夜番 あたしは夜になると焚き火を焚いて暖を取りつつ見張るって風に書こうと思ってるから、暗闇に目をなれさせたいって人がもしいるなら、少し焚き火から離れたところにいるとか書いてくれたらありがたいかな、焚き火やめてくれって人がいるならやめるけども。 >獣との戦闘 戦いになったら、畑踏み荒らされるのも癪だし、スキルはないけど勢いでぶつかって押し出すていで動こうと思ってるぞ。 相談時間はもうあんまりないけど、よろしくな!