【初夢】もふもふ天国へようこそ
藤原ゆう
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シナリオID:464
オープニング
●
あなたはふわふわとした床の上に立っていた。
なんだかきらきらした雪のような結晶が降っている。
「もしや、ここは天国か……?」
あなたがそう呟くと、目の前にいくつかの扉が急に現れた。
「え……!?」
その扉は何やら淡い光を放っている。
「お、おお。この先に天国が……」
すると、それぞれの扉に、何やら絵が浮かび上がった。
あなたは目を凝らして、その絵を見る。
「ね……こ……?」
そう。ある扉に描かれたのは、猫の絵。
また、別の扉に描かれたのは、犬の絵。
そして、また別の扉には……。
「え、これって、猫部屋ってこと……?」
あなたは扉のノブに手をかけ、おもむろに開いた。
「お、おお~~~」
変な声出た。
だって、そこには得も言われぬ幸せな光景が広がっていたのだから――。
※このシナリオは「夢オチシナリオ」です。シナリオ内容は架空のものであり、アニエピカの世界観に一切影響を与えません。報酬は冒険者ギルドからのお年玉です。
あなたはふわふわとした床の上に立っていた。
なんだかきらきらした雪のような結晶が降っている。
「もしや、ここは天国か……?」
あなたがそう呟くと、目の前にいくつかの扉が急に現れた。
「え……!?」
その扉は何やら淡い光を放っている。
「お、おお。この先に天国が……」
すると、それぞれの扉に、何やら絵が浮かび上がった。
あなたは目を凝らして、その絵を見る。
「ね……こ……?」
そう。ある扉に描かれたのは、猫の絵。
また、別の扉に描かれたのは、犬の絵。
そして、また別の扉には……。
「え、これって、猫部屋ってこと……?」
あなたは扉のノブに手をかけ、おもむろに開いた。
「お、おお~~~」
変な声出た。
だって、そこには得も言われぬ幸せな光景が広がっていたのだから――。
※このシナリオは「夢オチシナリオ」です。シナリオ内容は架空のものであり、アニエピカの世界観に一切影響を与えません。報酬は冒険者ギルドからのお年玉です。
解説
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
さて、新年最初のシナリオは、「夢オチシナリオ」となりました。
こちらの「夢オチ」は、目覚めるまでの時間、扉の向こうにいるもふもふと思いのままに戯れていただこうというシナリオです。
*あなたが戯れたい動物をご指定ください。
そうすれば、そのもふもふの部屋があなたの前に出現するでしょう。
ただし、一つの部屋につき、一種類のもふもふしかいないので、ご了承くださいね。
猫の部屋には、猫のみ。
犬の部屋には、犬のみ。
たぬきの部屋には、たぬきのみ。
今年の干支である牛の部屋には、牛のみ。
プレイングには、戯れたい動物を一種類と、その動物とどんなふうに遊んで過ごしたいかをご記載ください。
*部屋の中の間取りに決まったものはなく、あなたのプレイングに合わせた仕様になります。
*グループで参加される場合は、【】などでわかるように明記してください。
もふもふと戯れるだけの初夢。
いかがですか?
マスターより
牛や羊など、普段は遊べない動物と戯れるのも一興かもしれませんね。
どこかの高原を、羊飼いとして歩くだけでも癒されそう。
一日牛舎で牛のお世話をするプレイングも楽しそうです。
それでは、ご参加お待ちしています。
リプレイ
犬、猫、羊、栗鼠に、カピバラ……それから、それから……。
目の前に現れたいくつもの扉。
そこに描かれた動物の絵。
夢の中で冒険者たちは、光る不思議な扉の前で考え込んでいた。
これは、好きな動物を選べばよいということ?
さあ、選んだ扉を開こう。
その先には、きっと素敵な夢の世界があなたを待っている――。
●
緑溢れる森の中に流れるのは、オカリナの音色。
穏やかで、優しい音色が森の中を渡って行く。
その音色に誘われるように、栗鼠たちがちょこちょこと集まってくる。
エルナ・クルプファルツは、見つけた切り株に座り、オカリナを吹いていた。
その目に、栗鼠たちが木の枝を渡り、幹を伝って下りて来る姿が映る。
シマリス、エゾリス、タイワンリス……。
いろいろな種類の栗鼠が、エルナの周りに集って来た。
「かわいい……!」
ちょこちょこ走っては立ち止まり、木の実を拾う姿に、エルナの頬が緩む。
顔つきも性格も違って見える栗鼠たちの中には、おっとり木の実を集める子もいれば、あるだけ頬袋に詰める子もいる。
「ほっぺ、大丈夫ですか!?」
その子の頬は、思わずエルナが心配してしまうくらいにパンパンだ。
「木の実、たくさんあるみたいだから、ゆっくり落ち着いて食べてくださいね!」
くすくす笑いながら、パンパンになった頬をツンツン。
「では、みなさん。私のオカリナ、聞いてください!」
初めてのはずなのに、さっきからすらすら吹けているオカリナ。
そのオカリナが奏でるメロディに、栗鼠たちも聞き耳を立てているようだ。
オカリナの優しい音色を栗鼠たちもわかるのだろうか。
「ま、まだまだ、栗鼠さんたちが集まってきます……!」
いつの間にか、エルナが座る切り株の周りは、栗鼠たちでいっぱいになっている。
「なんて幸せな夢なんでしょう」
可愛い栗鼠たちに囲まれて吹くオカリナの音色は、いつまでも途切れることなく森の中を流れて行った。
●
ヴィルヘルミナが扉を開けた途端、高原を渡る風が吹き込んできた。
「気持ちの良い所ですね」
扉から高原に足を踏み出すと、緑の草原の上に、白くてもこもこしたものが点在しているのがわかった。
「あれは……羊ですか?」
そう。もこもこしたものは、羊の群れだった。
顔の白いもの、黒いもの、いろいろな種類の羊がいるみたいだが、とにかくもこもこもこもこしている。
羊たちはのんびりと草を食んでいるようだ。
ヴィルヘルミナは脅かさないように、群れに向かって歩いて行った。
「こんにちは」
声をかけながら羊たちに近づくと、羊たちがわらわらとヴィルヘルミナに近寄って来た。
「おや、歓迎してくれるのですか?」
それから羊たちに囲まれながら高原を歩いた。
爽やかな風に吹かれながら羊たちの先頭を歩けば、気分はすっかり羊飼いだ。
「なんだかんだ戦闘続きでしたし、夢とは言え、たまにはこういうのんびりした時間もいいものですね」
すると子羊がヴィルヘルミナの横を歩き始めた。
「迷子になってはだめですよ?」
返事をするように「メェ~」と鳴いた子羊に微笑む。
「では、あの丘まで競争しましょう」
小高い丘の上の一本木。
そこを目指して、よーいどん!
丘の上に辿り着けば、知らぬ間にとっぷり日が暮れていた。
「さすがは夢ですね。唐突な夜……」
そうは言ったが、頭上の満天の星にヴィルヘルミナは息を飲んだ。
「すごい……」
草の上に座り込んで星を見るヴィルヘルミナの膝の上に、一頭の子羊が上って来た。
「あなたも一緒に星を見ますか?」
膝の上で丸くなる子羊。
ヴィルヘルミナはその背を撫でてやりながら、夢から覚めるまでの間飽くことなく星を眺めていた。
●
レイラ=ルナフィニスは迷うことなく、犬の絵が描かれた扉を開いた。
「まあ、かわいい」
ふわふわの絨毯の上の犬たちが、レイラの方を一斉に見た。
いくつものつぶらな瞳に見つめられ、レイラは思わず手を振った。
「こんにちはー」
すると、手を振るレイラに誘われたように、犬たちが駆け寄ってくる
「わあ、来てくれるのですか」
それをレイラは手を広げて迎え入れる。
一匹一匹を抱き上げては頬ずりをし、わしゃわしゃと撫で、愛情のありったけを注ぐ。
「かわいい! 大好きですよー!」
頬をすりすり寄せれば、ぺろぺろレイラの頬を舐める子犬。
「ふふ。そんなに舐めたら、くすぐったいですわ」
そんなことを言いながら、子犬の好きにさせている。
「幸せですわ。みなさん、まるで伴侶様のようにわたしのこと大事にしてくださるのですね」
くすくす嬉しそうに笑いながら、レイラは犬たちを撫でるのをやめない。
そして一匹一匹に頬ずりを返しながら抱きしめる。
「とてもかわいくて、愛おしいあなたたち。本当に伴侶様のようですわね」
夢の向こうで隣に寝ているはずの人のことを、レイラは思った。
目覚めたら、この子たちと同じように抱きしめよう。
ありったけの愛情をこめて。
それから、この年も一緒にいられることに感謝するのだ。
隣で安らかに眠る人を抱きしめ、見つめることのできる幸せを感じながら――。
●
パティ・ポップは湯気の立つ温泉に浸かっていた。
これは夢の中だったと思うが、しっかり温まって、ほかほかになっている。
「気持ちイイでちゅねえ。カピバラちゃん」
パティは隣でぬぼ~っと湯につかるカピバラに話かけた。
夢の中でパティが入ったのは、カピバラの部屋だった。
一歩足を踏み入れた部屋は、ジャングル。
木が鬱蒼と生い茂る中を進んで行くと水場を見つけた。
「お水でちゅ!」
パティはそこに手を突っ込んだ。
「……あったかい……でちゅっ!?」
よく見れば、水面から湯気が立っている。
もしや、これは……。
「おんせん、でちゅか!」
まさか、こんなジャングルの中に温泉があるとは思わず。
パティはさっそく温泉の中へ。
都合の良いことに、いつの間にか水着を着ていた。
「はわ~。いい湯加減でちゅね……」
とっても広い、プールみたいな温泉。
そこを今独り占めしているのでちゅ。
「ん?」
パティは岩陰に何かがいることに気付いた。
「どなたでちゅか?」
岩の向こうをひょいと覗いてみると――。
「カピバラちゃんでちゅか!」
お湯から顔だけを出して、ぬぼ~っとしているカピバラが三匹。
「……仲間に入ってもいいでちゅか?」
カピバラたちの間に入り、パティは同じ方向を向いてぬぼ~っと宙を見つめた。
「はあ。夢みたいな心地よさでちゅ。……て、これ夢だったでちゅね」
温泉でぬくもったら、カピバラちゃんにまたがって、もふもふ。
「まったりできて良い初夢でちゅねえ」
夢なら冷めないでほちいな……。
温泉であったまって、カピバラたちをもふもふして、まったりできたパティだった。
●
エヴァン・ピオネロは犬の絵が描かれた扉を見るなり、その扉を開けて飛び込んだ。
「すごい……!」
開けられたままの扉の向こうから、エヴァンの弾んだ声。
その声に誘われるように、フラム・アニムスも部屋の中に足を踏み入れた。
「いっぱいいる……」
フラムは目にした光景に圧倒された。
そこは犬の楽園だった。
トイプードルやチワワのような小型の犬がちょこちょこ動き回っている中で、のっそりと風格のある佇まいを見せている大型犬たち。
エヴァンはその大きな犬たちを呼び寄せた。
ウルフハウンドやチベタン・マスティフ、バーニーズ・マウンテンドッグなどなど。
大きな体の優しい子たちが、エヴァンの周りに集まって来た。
「ああ、この安心感。かわいいです! わんこ団子、かわいいです……!」
エヴァンはのんびり寝そべる犬たちの間に横たわる。
「フラムさんも、どうぞ!」
「う、うん」
フラムもちょこんと犬の隣に座ってみる。
(よ、よーし。ここでフェロモン発動だ!)
フラムから漂う犬心を惹きつける香りを感じたのだろうか。
犬たちが一斉にフラムを見た。
「お、おお、お前たち、俺を見てくれるのか……!」
それまでフラムを遠巻きにしていた犬たちが、誘われるようにフラムに近寄ってきた。
フラムがもふもふたちに囲まれるのを微笑ましく眺めていたエヴァンは、ふと手に当たったふんわりとしたしっぽをついでのように撫でると。
フラムが「ギャー」と言いながら逃げ出した。
「犬の毛は口の中に入るし、お、お前はしっぽ触るし……! なんつー部屋だ、ここ!!」
「フラムさん、しっぽ触られるの、いやですか?」
「いやっていうか……いきなりでびっくりしたというか……。別にいやじゃないよ」
フラムはふさふさのしっぽをパタパタ。ご機嫌は良いみたい。
もふもふに囲まれていたエヴァンはうとうと。
大きな犬の、安心感のある体に包まれていると眠くなってしまったようだ。
「俺を置いて寝るなよ……」
フラムは少し寂しそうに、エヴァンの寝顔を見た。
夢の中で、また眠ってしまったエヴァンは、その眠りの中でどんな夢を見ているのだろう。
「夢の中で、夢って見るのか?」
幸せそうなエヴァンのほっぺをツンツン。
それにつられるように、トイプードルが小さな舌で、エヴァンのほっぺをペロッ。
「ん……? ああ、ごめんなさい。寝ちゃってました」
寝ている間側にいてくれた犬たちにお礼を言って、
「また元気が出ましたよ。サッカーしましょう!」
エヴァンがボールをポンと蹴ると、大型犬も小型犬も一緒になってボールを追いかける。
「負けませんよ! 小さい子たちは踏まれないように気を付けてくださいね」
エヴァンの心配がわかるように、チワワや柴犬たちは大型犬の足元を上手にすり抜けて走る。
「ぼくも負けませんからっ!」
大きいのも小さいのも一緒になって、エヴァンと全力で遊んでいる。
エヴァンのサッカーを見ていると、一匹の子犬がフラムの袖口をくいくい引っ張った。
「ん? 遊んでくれって言ってるのか?」
つぶらな瞳に見上げられると、いやだともいいにくい。
「仕方ないなあ」
フラムは小さなボールをポンと子犬の足元に転がしてやった。
それをちょこちょこ追いかける子犬。
まるで、もこもこの毛玉がボール遊びをしているみたいだ。
「俺はお前で十分だな」
白熱していくエヴァンと犬たちの勝負を横目に、子犬とのゆったりとした時間を楽しむフラムだった。
「はあ、楽しかったです!」
犬たちとしっかり運動したエヴァンが弾んだ声で言った。
「ああ、俺も。いい初夢だったな」
まだ足元でコロコロしている子犬をひと撫でして、フラムは満足そうに微笑んだ。
●
マリイ・パルティスの両の掌の上にはたくさんのヒナ。
シュロは小さな団子をヒナたちにあげている。
コハクはそんな2人の様子をにこにこしながら見守っていた。
マリイ、シュロ、コハクの3人が入ったのは、扉に鳥の絵が描かれた部屋だった。
「さあ、この子たちを全部、私の体の上に乗せてください。」
横になったマリイの背中の上に、コハクがヒナを乗せていく。
ピヨピヨ鳴きながらちょこちょこ動き回るヒナは、背中の上に留まっているはずもなく滑り落ちる。
「元気だから、いっぱい動きますね」
寝そべるマリイの鼻先にやって来たヒナのふわふわの体を撫でてやる。
「動物の赤ちゃんを見る機会ってあまりなかったですけど……。ほんとに純粋無垢って感じで、小さくて、かわいいです。……ピヨピヨ、よく鳴く子はおなかがすいているのでしょうか」
「たぶんな。よく食べるよ。あげてもあげても、みんな寄って来る。嘴がつんつん当たって、くすぐった……!」
シュロはお団子をあげながら、楽しそうに笑った。
いっぱい食べたヒナたちは少し大きくなった気がする――。
「夢だからでしょうか?」
マリイは大きくなったヒナは何を食べるのかと思案する。
「――虫……でしたっけ? 探してきます!」
夢は便利なものだ。
頭に思い描けば、そのものが現れてくれる。
部屋の中に現れた草地で、若鳥のエサとなる虫を探す。
気付けば、小さな子たちがよちよちあとをついて来ていた。
「うわあ……かわよ……。ここって、もしかして夢の中じゃなくて、天国――?」
楽しくなって、親鳥まねっこをして歩いてみる。
よちよち、よちよち、ついてくるヒナたち。
「あなたたちもすぐに大きくなっちゃいますね」
少し寂しいけど……。
「でも、大きくなるのは良いことです。いっぱい食べてくださいね。あら、あなた、シュロちゃんに似てますね」
おっかなびっくりで虫の幼虫を摘みながら、マリイはくすりと笑みを零した。
「いっぱい食べたなあ」
シュロは1羽をすくい上げて目の高さに持ってくる。
「おなか、ぽんぽこになったな。よし、食後の運動をしよう」
シュロの掌の上で、ぱたぱた羽ばたきを始めるヒナ。
「おお、いい調子。落ちても膝の上だ。今日のわたしは鎧ではないから硬くないぞ!」
ヒナは一所懸命羽ばたきを繰り返して、ついにふわっと。
「おお!?」
そのままシュロの頭の上に。
「やったー。飛べたな。そこで休憩しているといいよ」
順番待ちのように集まってくるヒナたちを、次々持ち上げては羽ばたきの練習をさせてやる。
「みんな、飛べるようになるといいな」
ぱっと景色が変わって――。
マリイとシュロは雲の上を飛んでいた。
跨っているのは、大きく成長したヒナの背中。
「てか、大きくなりすぎー!?」
「すごい、すごい! 立派になりましたね!」
雲の切れ間からは、眼下の景色が見える。
ヒナたちとの楽しい時間の最後は、気持ちの良い空の旅。
●
アステルは夢の世界の扉がゆっくり閉まっていくのを見届けた。
閉まると、消えてしまう夢の扉。
もう二度と訪れることはないかもしれない。
けれど、もふもふたちと過ごした初夢は、幸せな思い出となって冒険者たちの心の中に――。
目の前に現れたいくつもの扉。
そこに描かれた動物の絵。
夢の中で冒険者たちは、光る不思議な扉の前で考え込んでいた。
これは、好きな動物を選べばよいということ?
さあ、選んだ扉を開こう。
その先には、きっと素敵な夢の世界があなたを待っている――。
●
緑溢れる森の中に流れるのは、オカリナの音色。
穏やかで、優しい音色が森の中を渡って行く。
その音色に誘われるように、栗鼠たちがちょこちょこと集まってくる。
エルナ・クルプファルツは、見つけた切り株に座り、オカリナを吹いていた。
その目に、栗鼠たちが木の枝を渡り、幹を伝って下りて来る姿が映る。
シマリス、エゾリス、タイワンリス……。
いろいろな種類の栗鼠が、エルナの周りに集って来た。
「かわいい……!」
ちょこちょこ走っては立ち止まり、木の実を拾う姿に、エルナの頬が緩む。
顔つきも性格も違って見える栗鼠たちの中には、おっとり木の実を集める子もいれば、あるだけ頬袋に詰める子もいる。
「ほっぺ、大丈夫ですか!?」
その子の頬は、思わずエルナが心配してしまうくらいにパンパンだ。
「木の実、たくさんあるみたいだから、ゆっくり落ち着いて食べてくださいね!」
くすくす笑いながら、パンパンになった頬をツンツン。
「では、みなさん。私のオカリナ、聞いてください!」
初めてのはずなのに、さっきからすらすら吹けているオカリナ。
そのオカリナが奏でるメロディに、栗鼠たちも聞き耳を立てているようだ。
オカリナの優しい音色を栗鼠たちもわかるのだろうか。
「ま、まだまだ、栗鼠さんたちが集まってきます……!」
いつの間にか、エルナが座る切り株の周りは、栗鼠たちでいっぱいになっている。
「なんて幸せな夢なんでしょう」
可愛い栗鼠たちに囲まれて吹くオカリナの音色は、いつまでも途切れることなく森の中を流れて行った。
●
ヴィルヘルミナが扉を開けた途端、高原を渡る風が吹き込んできた。
「気持ちの良い所ですね」
扉から高原に足を踏み出すと、緑の草原の上に、白くてもこもこしたものが点在しているのがわかった。
「あれは……羊ですか?」
そう。もこもこしたものは、羊の群れだった。
顔の白いもの、黒いもの、いろいろな種類の羊がいるみたいだが、とにかくもこもこもこもこしている。
羊たちはのんびりと草を食んでいるようだ。
ヴィルヘルミナは脅かさないように、群れに向かって歩いて行った。
「こんにちは」
声をかけながら羊たちに近づくと、羊たちがわらわらとヴィルヘルミナに近寄って来た。
「おや、歓迎してくれるのですか?」
それから羊たちに囲まれながら高原を歩いた。
爽やかな風に吹かれながら羊たちの先頭を歩けば、気分はすっかり羊飼いだ。
「なんだかんだ戦闘続きでしたし、夢とは言え、たまにはこういうのんびりした時間もいいものですね」
すると子羊がヴィルヘルミナの横を歩き始めた。
「迷子になってはだめですよ?」
返事をするように「メェ~」と鳴いた子羊に微笑む。
「では、あの丘まで競争しましょう」
小高い丘の上の一本木。
そこを目指して、よーいどん!
丘の上に辿り着けば、知らぬ間にとっぷり日が暮れていた。
「さすがは夢ですね。唐突な夜……」
そうは言ったが、頭上の満天の星にヴィルヘルミナは息を飲んだ。
「すごい……」
草の上に座り込んで星を見るヴィルヘルミナの膝の上に、一頭の子羊が上って来た。
「あなたも一緒に星を見ますか?」
膝の上で丸くなる子羊。
ヴィルヘルミナはその背を撫でてやりながら、夢から覚めるまでの間飽くことなく星を眺めていた。
●
レイラ=ルナフィニスは迷うことなく、犬の絵が描かれた扉を開いた。
「まあ、かわいい」
ふわふわの絨毯の上の犬たちが、レイラの方を一斉に見た。
いくつものつぶらな瞳に見つめられ、レイラは思わず手を振った。
「こんにちはー」
すると、手を振るレイラに誘われたように、犬たちが駆け寄ってくる
「わあ、来てくれるのですか」
それをレイラは手を広げて迎え入れる。
一匹一匹を抱き上げては頬ずりをし、わしゃわしゃと撫で、愛情のありったけを注ぐ。
「かわいい! 大好きですよー!」
頬をすりすり寄せれば、ぺろぺろレイラの頬を舐める子犬。
「ふふ。そんなに舐めたら、くすぐったいですわ」
そんなことを言いながら、子犬の好きにさせている。
「幸せですわ。みなさん、まるで伴侶様のようにわたしのこと大事にしてくださるのですね」
くすくす嬉しそうに笑いながら、レイラは犬たちを撫でるのをやめない。
そして一匹一匹に頬ずりを返しながら抱きしめる。
「とてもかわいくて、愛おしいあなたたち。本当に伴侶様のようですわね」
夢の向こうで隣に寝ているはずの人のことを、レイラは思った。
目覚めたら、この子たちと同じように抱きしめよう。
ありったけの愛情をこめて。
それから、この年も一緒にいられることに感謝するのだ。
隣で安らかに眠る人を抱きしめ、見つめることのできる幸せを感じながら――。
●
パティ・ポップは湯気の立つ温泉に浸かっていた。
これは夢の中だったと思うが、しっかり温まって、ほかほかになっている。
「気持ちイイでちゅねえ。カピバラちゃん」
パティは隣でぬぼ~っと湯につかるカピバラに話かけた。
夢の中でパティが入ったのは、カピバラの部屋だった。
一歩足を踏み入れた部屋は、ジャングル。
木が鬱蒼と生い茂る中を進んで行くと水場を見つけた。
「お水でちゅ!」
パティはそこに手を突っ込んだ。
「……あったかい……でちゅっ!?」
よく見れば、水面から湯気が立っている。
もしや、これは……。
「おんせん、でちゅか!」
まさか、こんなジャングルの中に温泉があるとは思わず。
パティはさっそく温泉の中へ。
都合の良いことに、いつの間にか水着を着ていた。
「はわ~。いい湯加減でちゅね……」
とっても広い、プールみたいな温泉。
そこを今独り占めしているのでちゅ。
「ん?」
パティは岩陰に何かがいることに気付いた。
「どなたでちゅか?」
岩の向こうをひょいと覗いてみると――。
「カピバラちゃんでちゅか!」
お湯から顔だけを出して、ぬぼ~っとしているカピバラが三匹。
「……仲間に入ってもいいでちゅか?」
カピバラたちの間に入り、パティは同じ方向を向いてぬぼ~っと宙を見つめた。
「はあ。夢みたいな心地よさでちゅ。……て、これ夢だったでちゅね」
温泉でぬくもったら、カピバラちゃんにまたがって、もふもふ。
「まったりできて良い初夢でちゅねえ」
夢なら冷めないでほちいな……。
温泉であったまって、カピバラたちをもふもふして、まったりできたパティだった。
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エヴァン・ピオネロは犬の絵が描かれた扉を見るなり、その扉を開けて飛び込んだ。
「すごい……!」
開けられたままの扉の向こうから、エヴァンの弾んだ声。
その声に誘われるように、フラム・アニムスも部屋の中に足を踏み入れた。
「いっぱいいる……」
フラムは目にした光景に圧倒された。
そこは犬の楽園だった。
トイプードルやチワワのような小型の犬がちょこちょこ動き回っている中で、のっそりと風格のある佇まいを見せている大型犬たち。
エヴァンはその大きな犬たちを呼び寄せた。
ウルフハウンドやチベタン・マスティフ、バーニーズ・マウンテンドッグなどなど。
大きな体の優しい子たちが、エヴァンの周りに集まって来た。
「ああ、この安心感。かわいいです! わんこ団子、かわいいです……!」
エヴァンはのんびり寝そべる犬たちの間に横たわる。
「フラムさんも、どうぞ!」
「う、うん」
フラムもちょこんと犬の隣に座ってみる。
(よ、よーし。ここでフェロモン発動だ!)
フラムから漂う犬心を惹きつける香りを感じたのだろうか。
犬たちが一斉にフラムを見た。
「お、おお、お前たち、俺を見てくれるのか……!」
それまでフラムを遠巻きにしていた犬たちが、誘われるようにフラムに近寄ってきた。
フラムがもふもふたちに囲まれるのを微笑ましく眺めていたエヴァンは、ふと手に当たったふんわりとしたしっぽをついでのように撫でると。
フラムが「ギャー」と言いながら逃げ出した。
「犬の毛は口の中に入るし、お、お前はしっぽ触るし……! なんつー部屋だ、ここ!!」
「フラムさん、しっぽ触られるの、いやですか?」
「いやっていうか……いきなりでびっくりしたというか……。別にいやじゃないよ」
フラムはふさふさのしっぽをパタパタ。ご機嫌は良いみたい。
もふもふに囲まれていたエヴァンはうとうと。
大きな犬の、安心感のある体に包まれていると眠くなってしまったようだ。
「俺を置いて寝るなよ……」
フラムは少し寂しそうに、エヴァンの寝顔を見た。
夢の中で、また眠ってしまったエヴァンは、その眠りの中でどんな夢を見ているのだろう。
「夢の中で、夢って見るのか?」
幸せそうなエヴァンのほっぺをツンツン。
それにつられるように、トイプードルが小さな舌で、エヴァンのほっぺをペロッ。
「ん……? ああ、ごめんなさい。寝ちゃってました」
寝ている間側にいてくれた犬たちにお礼を言って、
「また元気が出ましたよ。サッカーしましょう!」
エヴァンがボールをポンと蹴ると、大型犬も小型犬も一緒になってボールを追いかける。
「負けませんよ! 小さい子たちは踏まれないように気を付けてくださいね」
エヴァンの心配がわかるように、チワワや柴犬たちは大型犬の足元を上手にすり抜けて走る。
「ぼくも負けませんからっ!」
大きいのも小さいのも一緒になって、エヴァンと全力で遊んでいる。
エヴァンのサッカーを見ていると、一匹の子犬がフラムの袖口をくいくい引っ張った。
「ん? 遊んでくれって言ってるのか?」
つぶらな瞳に見上げられると、いやだともいいにくい。
「仕方ないなあ」
フラムは小さなボールをポンと子犬の足元に転がしてやった。
それをちょこちょこ追いかける子犬。
まるで、もこもこの毛玉がボール遊びをしているみたいだ。
「俺はお前で十分だな」
白熱していくエヴァンと犬たちの勝負を横目に、子犬とのゆったりとした時間を楽しむフラムだった。
「はあ、楽しかったです!」
犬たちとしっかり運動したエヴァンが弾んだ声で言った。
「ああ、俺も。いい初夢だったな」
まだ足元でコロコロしている子犬をひと撫でして、フラムは満足そうに微笑んだ。
●
マリイ・パルティスの両の掌の上にはたくさんのヒナ。
シュロは小さな団子をヒナたちにあげている。
コハクはそんな2人の様子をにこにこしながら見守っていた。
マリイ、シュロ、コハクの3人が入ったのは、扉に鳥の絵が描かれた部屋だった。
「さあ、この子たちを全部、私の体の上に乗せてください。」
横になったマリイの背中の上に、コハクがヒナを乗せていく。
ピヨピヨ鳴きながらちょこちょこ動き回るヒナは、背中の上に留まっているはずもなく滑り落ちる。
「元気だから、いっぱい動きますね」
寝そべるマリイの鼻先にやって来たヒナのふわふわの体を撫でてやる。
「動物の赤ちゃんを見る機会ってあまりなかったですけど……。ほんとに純粋無垢って感じで、小さくて、かわいいです。……ピヨピヨ、よく鳴く子はおなかがすいているのでしょうか」
「たぶんな。よく食べるよ。あげてもあげても、みんな寄って来る。嘴がつんつん当たって、くすぐった……!」
シュロはお団子をあげながら、楽しそうに笑った。
いっぱい食べたヒナたちは少し大きくなった気がする――。
「夢だからでしょうか?」
マリイは大きくなったヒナは何を食べるのかと思案する。
「――虫……でしたっけ? 探してきます!」
夢は便利なものだ。
頭に思い描けば、そのものが現れてくれる。
部屋の中に現れた草地で、若鳥のエサとなる虫を探す。
気付けば、小さな子たちがよちよちあとをついて来ていた。
「うわあ……かわよ……。ここって、もしかして夢の中じゃなくて、天国――?」
楽しくなって、親鳥まねっこをして歩いてみる。
よちよち、よちよち、ついてくるヒナたち。
「あなたたちもすぐに大きくなっちゃいますね」
少し寂しいけど……。
「でも、大きくなるのは良いことです。いっぱい食べてくださいね。あら、あなた、シュロちゃんに似てますね」
おっかなびっくりで虫の幼虫を摘みながら、マリイはくすりと笑みを零した。
「いっぱい食べたなあ」
シュロは1羽をすくい上げて目の高さに持ってくる。
「おなか、ぽんぽこになったな。よし、食後の運動をしよう」
シュロの掌の上で、ぱたぱた羽ばたきを始めるヒナ。
「おお、いい調子。落ちても膝の上だ。今日のわたしは鎧ではないから硬くないぞ!」
ヒナは一所懸命羽ばたきを繰り返して、ついにふわっと。
「おお!?」
そのままシュロの頭の上に。
「やったー。飛べたな。そこで休憩しているといいよ」
順番待ちのように集まってくるヒナたちを、次々持ち上げては羽ばたきの練習をさせてやる。
「みんな、飛べるようになるといいな」
ぱっと景色が変わって――。
マリイとシュロは雲の上を飛んでいた。
跨っているのは、大きく成長したヒナの背中。
「てか、大きくなりすぎー!?」
「すごい、すごい! 立派になりましたね!」
雲の切れ間からは、眼下の景色が見える。
ヒナたちとの楽しい時間の最後は、気持ちの良い空の旅。
●
アステルは夢の世界の扉がゆっくり閉まっていくのを見届けた。
閉まると、消えてしまう夢の扉。
もう二度と訪れることはないかもしれない。
けれど、もふもふたちと過ごした初夢は、幸せな思い出となって冒険者たちの心の中に――。
マスターコメント
夢オチシナリオへのご参加ありがとうございました。
今年一年が、みなさまにとって良い年となりますように……。
ショートシナリオ易しい 報酬:標準10 / 4〜10人
2021年01月25日 14時21分30秒 公開
大成功
相談掲示板
エルヴンシューターのエルナです!皆様よろしくお願いしますね! 一先ず、成立待ちではありますが……もふもふ! もふもふしなければ! 今のところ私は栗鼠さん一杯の森の中で、一人オカリナを奏でようかなと思っていたりします!
エヴァン・ピオネロ…です。 フラムさんと…モフりモフられ隊…しゅつど―!って わんこのお部屋で…モフられ捲って…とっても…幸せになります。 みなさまヨロシク…お願いします(頭深々さげ)
どもでちー、パティでチュー。 あちし、カピバラのところに行くでちゅ。
フラムだぜー!みんなヨロシクな! エヴァと犬部屋でモフモフしまくるらしいんで行ってくる。
No.5
アステルと申します。よろしくお願いしますね! もふりもふもふ、堪能しますっ!!
シュロだっ。今回は友達のマリイと一緒の予定だぞ。 どんな夢になるか楽しみだな!
ヴィルヘルミナです。よろしくお願いしますね。 いい夢になるといいですね。
マリイと申します。 今回は鳥さんのお部屋にお邪魔しようと思います!もふもふ、………ふわふわ?