【初夢】夢見た貴方を、猫が見る

根来言

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シナリオID:422

オープニング

※このシナリオは「夢オチシナリオ」です。シナリオ内容は架空のものであり、アニエピカの世界観に一切影響を与えません。報酬は冒険者ギルドからのお年玉です。

 来年は、果たして――。

 年末というものは、慌ただしいものらしい。
 商いの総仕上げ。あるいは1年分の大掃除。それから、この1年でやり残したこと探し……。
 誰もかれもが、今と未来に何かしらの不安を持っているのだろう。
 ……全ての不安を拭うことは不可能だとしても。
 『それ』は、できるだけ、少なくあってほしい。
 人々はそう願い、神に祈る。
 そして、きっと……。例外はあまりいない。
 貴方もまた、願う1人のようで……。

「……くぁぁぅ。……『占い』に、きょーみありか、にゃぁ?」
 静寂の図書館に響く場違いな声。
 耳につく、なんとも眠そうなそれに。貴方は思わず、座っていたソファーから立ち上がった。
 手から滑り落ちそうになる本を慌てて掴み取り、落としていないという事実に小さく安堵する。
 声の主はそんな貴方の反応を、さぞかし不思議そうに観察していた。
 ――貴方が驚くのは、無理もない。
 今までソファーに掛かっていた分厚いひざ掛け……と、思い込んでいたものが急に動き出し、声を発したのだから。
 むくり。
 ひざ掛け……もとい、ソファーの背に寝そべっていた者が小さく伸びをする。
 白い体毛と衣服で覆われた巨大な猫……いや、ハーフビーストは眠そうに目を擦った。
「占いの本……、もってるにゃぁ。さぞかし、不安でいーっぱい……ってぇ、とこかにゃぁ」
 当たらずとも遠からず。貴方を見つめ、猫は目を細めて笑う。
 さしずめ、不安をあおりツボを高額で買わせるような商売の話なのだろう。
 聞いてなどいられない。帰り支度を始める貴方。しかし猫は、構わないとばかりに言葉を紡いでいく。
「ふぁんかにゃ? 心配あるにゃぁ? ……吾輩が聞いてやるにゃ? 占ってしんぜようかにゃ?」
 見ず知らずの人、それも猫に相談など。可笑しなこというものだ。
 しかし、貴方はその言葉に思わず振り返った。
「きょーみあるにゃ? ……それじゃぁ、お休みにゃさい」

「ネコマタ? まーた適当言ったの?」
「てきとぉじゃない、にゃ。……いちおー、評判はじょーじょーにゃ。それに、占ってやるのは本当にゃ」
 様子を見かねた職員が、声を荒げる。
 ソファーには、先ほどまで猫と会話をしていた利用者が丸くなって寝息を立てていた。
 1人だけではない。他のソファーではまた別の利用者……。
「まったく! これじゃ、他の人が座れないじゃない」
「どうせ、いつも使ってないにゃ。みぃんな、目当ての本見つけたらすぐ帰るにゃ」
 ただし、ネコマタ……と、呼ばれた猫は、まったく素知らぬ顔。
(カリカリしてるにゃぁ。カリカリは触感の良い食べ物だけでじゅーぶんだにゃ)
「手はソファーのいつものとこ。盗みなんかしない。吾輩なにもしないにゃ……、見張っててもいいにゃ?」
「大体、あんたが占いやってるとこなんて見たこと無いわよ」
「そりゃ、そーにゃ。占いは、される方がするもんにゃ」
「はぁ?」
 分からず屋職員に、小さくため息を吐き。猫はまた、大きな欠伸をする。
「吾輩がするのは、夢の解析、考察云々……。つまり、自己分析のお手伝い……ってとこかにゃぁ? 夢の占いってそーいうやつにゃ?」
「ネコマタ……。それは、占いじゃないわ。占いを騙った人生相談みたいなものじゃない」
「占いの良いところは、当たるも八卦当たらぬも八卦ってやつだにゃ。……自分の信じたいことだけ信じればいいにゃぁ。でも、不安は少しは取れるかも……にゃ?」

解説

謎の人物【ネコマタ】による、夢占いを受けるシナリオです。 プレイングにて、皆さまがどのような夢を見たかをお書きください。 ・皆様同じ場所で眠りにつき、同じ夢を見ています。  そのため他の方の夢と互いに影響しあい、皆さまはカオスな夢の世界を体験している可能性が高いです。  例)A:ドラゴンに乗る夢    B:ケーキを食べる夢    C:モンスターを倒す夢     →ドラゴン型のケーキを倒す夢 ・参加人数が15名以上の場合、2つのグループに分かれてそれぞれ夢を見ることになります。  また、参加人数が20名以上となった場合、3つのグループに分かれて、それぞれ夢を見ることになります。  例)Aに分けられた7人が、7人の夢が混ざったAの夢を見る     Bに分けられた8人が、8人の夢が混ざったBの夢を見る ・グループに分けられた場合、基本的にはランダムにメンバーが分けられます。  何方かと同じ夢を見たい場合、相互のプレイングにて記述ください。記述が確認された場合のみ、対応いたします。

マスターより

明けまして、おめでとうございます。 皆様はどのような初夢をご覧になられましたか? 今回のシナリオは、ネコマタによる夢占いを受けるという内容になっております。 ……僭越ながら、占い内容はマスターが自己解釈でお伝えさせていただきます。 当たるも八卦当たらぬも八卦。ですが、おみくじのようなものと考えていただければと思います。 皆様のご参加、お待ちしています!

リプレイ

●夢見る貴方
「おやすみ、にゃぁ~」
 緊張感の一切ない声に見送られ、眠りにつく。

●お休みは暗闇から
「ふぇぇ!? お、お姉ちゃん!?」
「えへへ、おはよぉ、月ちゃん~♪」
 御邑 奈月は、背後から抱き着かれた衝撃と、声に思わず振り向いた。
「夢でも月ちゃんと一緒って、なんだか不思議だね~♪」
 戸惑う妹を、姉……御邑 都が、愛おしそうに抱きしめる。
「お二人は知り合いなのですね。……それにしても、ここは一体どこなのでしょう。洞窟……のようですが」
 そして、これは……? と、ナンチ・ヤジナイは手に握られた包みの感触を探る。
「貴方、それは? その形は多分剣……かしら?」
「……いつの間にか、手の中に。……これは、どうやら贈り物のようです。ただし、何方へ渡せば良いのか」
 イネス・エレディアの言葉に、包みに張り付けられた紙を見せる。
 『親愛なる〇〇へ』。インクの掠れた小さなメモ用紙は、今にも剥がれてしまいそうだ。
「親愛なる……? もしかして、これを届けることがこの夢の内容なのかしら」
「恐らく。……ここにいる誰かに渡せ……、あるいは、新たな登場人物が現れるということでしょうか?」
 もしかすると、この近くに……? 辺りを警戒するように観察する。
 しかし、この場には9人……。共に夢へと入った仲間たちがいるのみだ。
 薄暗いこの洞窟の何処かに、また他の人物がいるのか。はたまた、出口がどこかにあるのか。
「……何か、聞こえないか?」
 サマエラ=フォリウムが耳を澄ませる仕草をする。
 暗い中、響く不気味な足音。
 ぴたり。ぴたり。
「コハクが見に行くよ……。……あ、やっぱり、危ない。かも?」
「レディ、俺も一緒に……あれ……ッ!? えっ、何あれ!?」
 コハクを追いかけようとするキオルティス。
 だが、その先に居たものを見て、思わず叫ぶ。
 ――――そこにいるのは。血濡れた……血気盛んそうなゴリラが1匹。
「女王様! お待ちください! さァさァ! 早く玉座へお戻りそしてテ……テテ……」
 鼻息荒く、4足歩行で向かうゴリラのその姿に、皆が一斉に逃げ出した。
「こっちこないでーっ! ……あれ、ルナの杖どこ!?」
 その言葉の通り、皆何時もの装備を持っていないことに気づいた。
「戦うの……、ちょっと難しい?」
「厳しいな。……かといって出口も」
 コハクの言葉に、キオルティスが首を振る。
(……ですが、このままでは皆あのゴリラに殺されてしまいます。……あれ?)
 フリーダ=ブロムヴィストが足を止める。
(……これは、啓示……? 何時もの……いいえ、いつもよりはっきり聞こえます! ……成程、そのように!)
 彼女にしか聞こえない謎の声に大きく頷き、声に従う。
「皆さん、こちらです! この柱と壁の間でジャンプして、パンチしてください」
「……は? 何を言っているんだお前は」
 いたって真面目な顔のフリーダに、サマエラが思わず突っ込みを入れる。
 彼女が指さした先は、壁。扉もなければ、窓もない。
「え? ジャンプして、パンチするのです。……あ、私が先にした方がいいですよね」
 フリーダが当然のように壁にめり込み、そして消えてしまった。
「はうっ!? フリーダしゃんが、消えてしまいました……!?」
「……壁、よね?」
 フリーダが行った先の壁に恐る恐る触れる奈月とイネス。
「まぁ、夢だからねー。ルナも行こうかな。……ここ居ると、死んじゃいそうだしー」
 月の言葉にハッと振り向けば、ゴリラはもうすぐ傍まで迫っていた。
「怖い怖いー、ルナはお先に行くねー。えーと、じゃんぷ、ぱんt……」
 フリーダに倣い、月が同じ行動を真似る。……と、同じように月も壁にめり込み消えていった。
「ジョ、女王様様様様様! こち、こちこちこちへ! ウホ!」
「あ、安全な方法なのか分からないけれど。……これは夢だ、皆で行けば怖くないよね? 多分!」
 確かに、キオルティスの言う通り。常識が通じないからこその逃げ道なのかもしれない。
 最も、血まみれの会話が通じないが喋るゴリラに追い掛け回される……などどという事自体、かなりの現実的ではない状況(ファンタジックな光景)だが。
 ……どっちにしろ、何をされるかも分からないゴリラに掴まることよりも、未知へと繋がる壁の先へ行くことを選択せざるを得ない。
 逃げ伸びる可能性があるのならば、試さないということはないだろう。
「さっきより酷くなってるねぇ~……。月ちゃんいっしょに行くよ~♪」
「ぱっ、ぱーんちッ!」
 固い壁に拳を当てれば、そこには青空が広がっていた。

●寝心地は甘味に乗って
「まさか、本当に出られるなんてね。それにしても、ここはどこかしら? 凄く甘い匂いがするのだけれど」
 壁から抜け出したイネス達は、呆然と辺りを見渡す。
 今にも崩れてしまいそうな塔。
 そして、その周りを囲むように張り巡らされた、迷路のような長い階段。
 その踊り場に、彼女らは立っていた。
「ここ、すっごく甘くて美味しいケーキで出来てるみたいだねー」
 飄々と話す月が、足元の階段を掬う。断面こそ古びた石のようだが、内側はたっぷりと生クリームが詰まってるようだった。
「食べてもいいよね……? 僕、こんなに沢山のお菓子見たの、初めて♪」
「……おいしい。あ、上の方はイチゴ味になってる」
 都とコハクが階段のケーキを摘まむ中、ナンチは腕を組み、物思いにふける。
「……」
「ナンチ……? お前は食べないのか?」
 サマエラの言葉に、我に返る。
「あぁ……、サマエラさん。いえ、ふと気になったんです。この階段はどうやってできているのか……と」
 食べ物でありながらこの強度。
 上手く取り入れることができれば、非常食になる剣や盾……なんてものもできるかもしれない。
 なんて……と、我ながらしょうもない。と、苦笑いをする。
「うーん……」
 一方のフリーダもまた、気難しそうな顔で耳を澄ませていた。
「さっきは助かったよ。……ところで、フリーダさんは壁を抜けられる事、知っていたのかい?」
「キオルティス様。……先ほど、啓示が聞こえたのです」
「啓示?」
「えぇ、私を導いてくれる神様のお声が……。いつも以上にダイレクトに聞こえるので、きっとここは神様が住んでいる世界の夢なのかもしれません」
「神様の声……? 耳を澄ませているようだけど、もしかして、ずっと聞こえてるのかい?」
「えぇ、ずっと。……えーと、今は『実績獲得バグありRTAはーじまーるよー! はい、よーい、スタート!』……? と、言っています」
「バグ? RTA? ええと……何?」
「さぁ……? 塔の下の方から響いて聞こえるような――ッ!」
 ずっどぉぉぉん!
「ジョジョジョマ! さが、探探探! 帰りまままし!」
 塔の壁が爆発とともに、勢いよく砕け散った。
「さ、さっきのゴリラ様……ッ、じ、地面が!?」
 爆発の衝撃と共に、階段が上の方から崩れていく。
「と、とにかく逃げましょう! ここに居たら私達も危ないわよ!」
 イネスの言葉に、崩れていく階段を駆け下りる。
 しかし、無事な足場も少ない上に、迷路のように入り組んだ道……。
 少しずつ、ゴリラとの距離は縮んでいく。
「……ここから、落ちてみる?」
 コハクの言葉に、誰もが耳を疑った。しかし。
「――そっか、ルナ達は怪我するかもしれないってこと考えなくてもいいかも。これ、夢だった」
 幾度も危ない目に遇ってはいるが、よくよく考えれば死ぬことはない。そのはずなのだ。
「よぉし! せーので飛び降りよう♪ だいじょーぶだよ、月ちゃん。もしかしたら次は、空を飛ぶ夢かもしれないよぉ!」
 妹の手を握り、都ははにかむ。
「いっくよー! せぇ、のっ!」

●寝返りは幸福と共に
 ぽふん。
 短い飛行時間だった。
 飛び降りたかと思えば、いつの間にか地に足をついていたようだ。
 粘土のように柔らかなレンガ畳の感触を確かめる。
 ……多少の柔らかさはあるものの、しっかりと地面としてそこにある。
「い、生きてるぅ……。はぅぅう……よかったぁぁ」
 奈月の、今にも泣きだしそうな。けれどどこか安心したような声がただ静かに響く。
「……ここは、やけに見覚えがあるような……。あぁ、そうだ」
 サマエラは辺りを見渡す。飲食店、雑貨店、そして街を歩く人々と。
「冒険者ギルド……か。まさか、夢の中にまであるとはな」
 いつの間にか、彼らは冒険者ギルドの前にいたようだった。
 『任意コード実行から実績入手完了です。ここでタイマーストップ』。
 ギルドの内から突如響いた声。
(……あ、啓示が。……なんのことでしょう)
 唯一、フリーダだけがその正体(?)に気づいていた。
「このなかから、声がした? 開けてみる?」
「……あ、そうですね。開けてみましょう。……神様がいるかも」
「……? うん、開けるね」
 返事を聞き、コハクが扉に手をかける。
 『コングラチュレーション!』。
 開いた扉の先は、泉が広がっていた。
 何処か楽し気で、陽気な歌。
 そして、それを奏でるのは、そこら中にある『本』。
 まるで自分を蝶か鳥だとでもいうように、頁を羽ばたかせて空を飛ぶ。
「そうか、本も歌を奏でるんだね……。ふふ、いいね。俺も一緒に歌おうかな」
 もう諦めた、とでもいうように。けれど、楽しそうに。本と共に歌を歌いだす。
 面白いほどに、見知らぬ歌を彼の口は奏で。それに合わせるように本は空を舞う。
「……あ! こ、この本もしかして……はうぁ……!」
 奈月が上を見上げると、本が空を楽し気に泳いでいた。
「この本、とっても珍しくて、本屋さんにもない本です! あ、あれは高くて手が届かなかった……。ま、まってくださいぃ! もっと読ませてくださいぃぃ!」
「月ちゃん楽しそうだね~♪ よぉし、僕が取ってあげよう! まてー、本ー!」
「あ、お姉ちゃん! 優しく! ……はわわ!?」
 空を飛ぶ本と、それに右往左往振り回される姉妹。
「……あれ、誰かしら?」
 ふと、イネスは泉の辺に誰かがいるのに気が付いた。
 男性なのか、女性なのか。ふわふわと煙のように形がつかめず、エルフなのか、ドワーフなのか。
はたまた、ハーフビーストなのかもわからぬ姿。
 しかし、不思議と悪い気配はしない。
「……もしかすると」
 もしや、と。手元の荷物に目をやる。
 それに答えるように、ナンチの持つ包みがほのかに温かみを帯びた……気がした。
「これは、あなたへの贈り物ですか?」
 その言葉に影は静かに蠢き、包みに手をかける。

●お目覚めは鳴き声で
「ふぁぁぁ……。にゃぁ。お目覚めか、にゃ?」
 もふり。
 巨大な猫……及び、ハーフビーストのネコマタが眠っていた彼らを出迎えた。
 何故か、寝ていた彼らよりも眠そうな猫はゆっくりとソファーの定位置へと寝そべる。
「えぇと、さっきまで見ていた夢の話をすればいいのよね?」
「……そう、にゃ。吾輩が寝てしまう前に伝えて欲しいにゃぁ」
(……忘れていたわね、多分)
 イネスは、小さく息をつき。夢の話を始めた。

●猫が見る
「にゃぁ……。カオス、にゃぁ」
「面白いよねー」
 困惑するネコマタ。そして、ケラケラ楽しそうに笑う月。
「にゃぁ……、全体的に、かなり不安が貯まってるにゃぁ。……しっかり休んでるかにゃぁ?」
 総評が、『疲れている』。その言葉に数人は思い当たる節があったのか、静かに目を反らす。
「たったそれだけー? それだけじゃ分からないよー」
 不満げに頬を膨らませる都の言葉に、それもそうかにゃと、補足する。
「それじゃぁ、順を追っていくかにゃ。先ずは、薄暗い、洞窟空だったかにゃ? ……洞窟は、未知や無意識を現すことが多いにゃぁ。それが薄暗いなら、緊張や窮屈さを抱いている可能性があるにゃ……。出口が見つからない夢にゃら、今のまま現状を打破できない。そう思っているかもにゃ?」
「最後まで追ってきたゴリラは? あれが一番異質だったわね」
 イネスの言葉に、ネコマタは顔をしかめた。どうやら、難儀な質問だったらしい。
「にゃぁ……、ゴリラは血まみれだったにゃ? うー、ゴリラと血を別物として考えさせてもらうにゃ。……ゴリラ自体は、力の現れにゃ。逃げるにゃら、ストレス、苦手なものから逃亡。でも、見方によっては女王と慕われていた……と考えて、友好的だった……にゃ? 友好的にゃら人間関係の円滑にゃんだけども」
「だけども?」
「正直、慕われてたとして、嬉しいと感じたかにゃ?」
「そうね……、あまり嬉しくはないわ」
「それにゃら、その円滑を維持することに疲れているかも、にゃ」
「血だらけだった意味は?」
「他人……、見知らぬ他人が血を流す夢は、将来に対する不安かもにゃぁ。洞窟の夢と合わせるにゃら、将来を窮屈なものと考えているかもにゃ」
「じゃぁじゃぁ! 美味しいもの食べる夢はー?」
「ケーキ、美味しかったよ」
 都とコハクが声を出す。
「美味しいもの、食べたにゃ。どのくらいあったのかにゃ?」
「えっとねー、これくらいー……。えへへ、手で表せない~♪ 建物がケーキで出来てて、食べても食べても全然減らないの♪」
「うん。色んな味があって、幸せだった」
「うんうん、美味しい食べ物は、良いことが起きる暗示といわれているにゃ。沢山食べる夢も、気力ややる気にあふれていることを差すことが多いにゃ。……ただ、食べすぎの夢にゃらば、今後仕事が忙しくなる……なんて解釈もできそうだにゃ」
「なるほどー、つまり、いい夢♪ なんだねぇ♪」
「……にゃー」
 素直に仕事運が上がるという言い方をすればいいものの。猫は言葉を濁す。
(冒険者の仕事が多くなるということは……、猫様は、クリーパーが多くなるということか……なんてことを思っているのでしょうか)
 フリーダは1人、成程と納得する。
「えぇと、そのあとは。……そうそう、塔の階段でゴリラと追いかけっこしたねー」
「階段の夢は……、さ迷ってるにゃ。自分が何をすべきか、分からない状態かもしれないにゃぁ。……行き止まりがあるなら、戸惑いがあるにゃ」
 月の言葉に、猫は首を掻きながら答える。
「塔自体に意味をつけるにゃら、塔は自分の作り上げてきたものにゃ。オンボロだったりヘンテコな形にゃらば自分を卑下、立派なものなら理想や目標に向かって進んでいるようだにゃ」
「……んー、ルナ達は自分に自信がなくて、それにコンプレックスを持ってるってこと?」
「……そういう見方もできるかもにゃぁ。……何か夢中になれることを探したいっていうことだと思うにゃ。意欲はあるけど、それをどう使ったものか悩んでいる……ように見えるにゃ」
 やる気があるなら、にゃんでもできるにゃ? そう言って猫は欠伸をする。
「他には、にゃにかあったかにゃ?」
「……本、本が、いっぱいありましたぁ! とても珍しい本ばかりで……、もっと、読みたかったですぅ……。はぅぅ……」
 思い出し、うっとりと目を閉じる奈月。
「本の中身は、スラスラ読めたかにゃ?」
「は、はい! し、幸せでした」
「それにゃら、欲しい情報が見つかるかもしれないにゃ。何か問題を抱えているなら、それが解決する糸口になるかもにゃ」
 奈月の夢の返答を待ち、キオルティスも、俺も。と、問いかける。
「じゃぁ、歌を歌う夢は……?」
「んにゃ……? 歌は、吉の夢のことが多いにゃぁ。気分の高揚、やる気に満ち溢れているようだにゃ」
「じゃぁ、さっきの階段と同じ解釈なのかな? やる気はあるってこと」
「……にゃぁ、そうなるかにゃ?」
 それぞれが思い思いに夢の解釈を聞く中、ナンチが問いかける。
「誰かに、何かを届けようとする夢……って、何か、意味があるのですか?」
 自分が持っていた何か。それが何であったのか、どのような意味があったのか。
 ナンチは今になって疑問に思う。
「……にゃぁ」
「……ない、ですか?」
 イエスとも、ノーとも言えない鳴き声を出す猫に、やや落胆の声を上げる。
「んー……、なんといったものか。にゃ。……届人に自分がにゃる夢は、変身願望の現れらしいにゃ」
「変身願望?」
 2人のやり取りに、思わず他の者も注目する。
「にゃぁ。送る夢、受け取る夢のどちらでもないにゃらば。自分が何かを変えたがっているかもしれないにゃ。それが仕事なのか、環境なのかはわからにゃいけど」
「ない、けど?」
「……他の夢にも言えることにゃ。んー……。けども」
 猫は、一息ついて口を開ける。
「冒険者は大変にゃ? まずは一休み。にゃ。ゆぅっくり休んで、自分を見つめ直す時間がたぁっくさん必要にゃ。……やる気はあっても、倒れてからは何もできないにゃ」

マスターコメント

ご参加いただき、ありがとうございました! プレイング頂き、大変困惑いたしました(楽しそうだと思いました!)。 調べながら、『え? こんな夢もあるんだ』と、驚くものがいくつかあり、自分としても大変勉強になりました……! 占いの世界は深いですね……。 今回、文中には乗せることができませんでしたが、『泉』は生命力。水浴びすれば恋愛、あふれ出るならば才能やアイディア……吉となるもののようです。 夢占いには、同じ夢でもシチュエーションによって解釈が変わることが数多くあるようです。 例えば、本。図鑑や絵本、ページが破れていたら……等。 よろしければ、是非是非調べていただきたいものばかりです! 結果はともかく、かなり幅広い夢があり、読み物としても面白いものです(まさか、ゴリラの夢でここまで幅広く書かれているとは思いませんでした)。 ご参加いただき、ありがとうございました!
イベントシナリオ

イベントシナリオ易しい 報酬:少ない9 / 4〜25人

2021年01月25日 20時06分02秒 公開

大成功

相談掲示板

投稿はありません

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0