【死軍】難民達を抱える村を助けて下さい
岩岡志摩
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シナリオID:353
オープニング
リーンエス王国北方に、難民が押し寄せた村がある。
この村だが、帝国南部鎮守都市ヴィントより南下してきた大量のゾンビ達の襲来を受け、一度は放棄された。
その後冒険者達の協力も得て、ゾンビ達が撃退されると、この村はヴァイセントラフ砦より解き放たれた難民たちが、当面の間身を寄せる場所として利用されることになった。
難民の数は100人までいかないものの、老人が一番多く次に女性、子供達の順に数が多い。
その難民たちの暮らしを支える為、この村では急ピッチで復興作業に追われている。
しかしゾンビ達の襲来で影響を受けたのか、近隣の森から散発的に野良アンデッドと思しきスケルトンが現れるようになり、復興は思うように進んでいなかった。
「……やはり冒険者の力が必要になるか……」
スケルトンを撃破した兵士達より報告を受け、最近兵士達の隊長に昇格した人物は冒険者ギルドへの手紙を書き始める。
「今回の一件も、彼らに頼むとしよう」
新しい隊長とここにいる兵士達は、過去に近隣の峠を占拠した魔獣やスケルトン達の退治に向かったことがある。
今その峠を含む街道は通行に支障はないものの、兵士達は一度撃退され、前の隊長も戦いの中で死んだ。
新任の隊長を含め、兵士達は戦死した前任者を尊敬しており、その仇を討ってくれた冒険者達に感謝していた。
そして近隣の町に存在する冒険者ギルド支部に、隊長からの手紙を携えた兵士が訪れる。
応対したギルド職員は手紙の内容に目を通していく。
「拝見した限りですが、ご依頼の内容は村の復旧の手伝いということでよろしいですね?」
今回ギルド支部に手紙を届けた兵士は、依頼元となる村からの使者も兼ねている。
「はい、それでお願いいたします」
現在その村では難民となって流れ込んだ人々が、村に辛うじて残っていた建物に身を寄せ合って暮らしているという。
人々の食事については、幸いにして村に運び込んだ食料を村にある倉庫に備蓄しているため、今のところは問題ない。
それぞれの家屋は、家族単位で住み分けられているところが多いが、それだと少し家屋が不足するため、一部では複数の家族が1つの家屋内で暮らしている。
ただしどの建物も応急的に修理されただけの状態で、すきま風がひどく長期間の生活には耐えられないようだ。
これからは冬の季節となる以上、冬を越せるよう各家屋の傷んだ箇所を修繕し、できればあと2、3棟は内壁がない小屋造りでいいので、難民用の家屋を建築する必要がある。
このため村では村での問題を解決するために、冒険者達の助力を求めてきた。
「村の北側より出没するスケルトンについては、冒険者の力が必要になりますか?」
手紙にはスケルトンについて、村に在住する兵士達で対処はできると記載してあったが……。
「先日10体ほどの襲撃を受けましたが、全て撃破しました。残っていても3、4体程度だと見込んでいますのでそちらへのご助力は必要ありません」
兵士の話では、今までに現れたスケルトンは全て撃退しており、難民達への被害は出していない。
その代わり、スケルトンが現れるたびに復興作業に携わる兵士が駆り出され、作業がどこかで遅れるので今回冒険者達の協力を得るべく依頼が出されたと、兵士は説明する。
一通り話を聞き終えた職員は、復興を手伝う冒険者の募集を請け負い、依頼斡旋に動く。
「みんなには現地の村で行われている復旧作業の手伝いや、村で発生している問題の解決をしてもらいたい」
依頼に応じた皆様に向け、担当する職員は依頼内容を説明していく。
「依頼を届けに来た兵士の話では、難民達への対処とか、いろんな所へ手が回りにくくなっているようだ」
たとえば村の中を守る為の柵や見張り台といった防護設備が破壊されたまま、そのままになっている。
別のところでは、村で生活する難民達の中に、症状は軽いものの病人が出ている。
彼ら病人は仮設の診療所に放り込まれ、隔離されているが診療する医者がいない。
これらの問題を解決するため、皆様の協力が必要となった。
「村の外にいたアンデッドは全て退治されたが、念のため現地の兵士達が警戒に当たっているそうだ」
現地の兵士達を束ねる隊長は、万が一アンデッドが出現した場合に備え、村の周囲の警戒を行っている。
そのため隊長自身が村の各問題に対処することは難しいが、既に隊長は手を打っていた。
職員は皆様に向け、それぞれ何かが書かれた紙を1枚ずつ渡していく。
「これは村において隊長が実行できる様々な権限を、依頼を受けたみんなが行使できる証明書になる」
この証明書があれば、皆様は兵士達にや難民のまとめ役に提案をしたり指示を出して動かすこともできる。
既に隊長のほうで村を守る兵士達や、難民のまとめ役には話を通してある。
この村に派遣されている兵士の数は、隊長と今目の前にいる兵士を除くと20人ほどになる。
難民達のまとめ役の話では、難民達の中で作業に動員できそうな頑健な成人男性は10人ほどいる模様だ。
彼らが皆様の指示に従い、要望や提案に応じて動いてくれる模様だ。
ただし行使できる権限として認められるのは、村の復旧や難民達への対処に関することに限られる。
皆様の指示や提案を受ける兵士達や難民達は、内容によっては拒否することもあるので、その点は注意してほしい。
「現地にいる人達の協力も得られれば、今村で発生している問題はある程度解決できるはずだ。よろしく頼む」
そう言って職員は皆様に頭を下げた。
●今回できること
今回皆様にやってほしいことは、難民が押し寄せた村の復旧作業の手伝いや、難民達への対処です。
現在村では100人に満たないものの、多くの難民が暮らしています。
これまでは物資も不足がちでしたが、皆様が現地に到着することには、不足していた物資は村に届けられるので、そちらについては問題ありません。
ただ物資があっても、それを使って村の復旧作業や難民対策に携わる人達が不足しているため、皆様へ依頼を出す事態となりました。
現地の見込みでは、最低でも冬が終わりまで難民達はこの村に留め置かれることになります。
滞在が長期に及ぶことは確実で、そうするためには村のさまざまなところに問題が発生しています。
なおスケルトンは既に全て退治されており、もう村の周囲には残っていません。
PL情報ですが、敵が現れることは一切なく戦闘は発生しません。
この依頼を出した隊長は、万が一敵の残りがいた時の用心として、一部の兵士と共に周辺を警戒しています。
皆様は現地の村を守る隊長より一時的に貸与された権限もうまく使い、皆様にできることで村で発生している問題を解決して下さるようお願いします。
解説
マスターより
リプレイ
兵士達に案内され、到着した冒険者達が目にしたのは半ば倒壊している村の姿だった。
「どこもかしこも大荒れって感じだな」
シニング・W・テュパラは村の中に足を踏み入れ、なぜ依頼が出たのか理解する。
「おーおー、こいつァまた見事にぶっ壊れちまってんな」
リンタロウ・イナバもテュパラと同じ意見らしい。
「でかい戦いの後だからしょうがねぇけどな」
「そうだな。また元の通りにするにはちぃと骨が折れるぜ」
テュパラやリンタロウが言い交わしながら周囲を見渡す限りでは、瓦礫が多い。
「まずは瓦礫の撤去だな。衛兵やら男衆やら力に自信がある奴引き連れて、力仕事が必要そうな所に回るぜ」
そう言ってリンタロウは兵士達のいる詰所に向かい、テュパラも続く。
「面倒ったらないぜ。何もかも足んなくなるからな。ま、アタシらはアタシらのできる事をするしかねぇか」
テュパラもまた気持ちを切り替えると、同行するコハクにも目を向ける。
「……瓦礫、多い。……柵、ない?」
コハクは本来なら村を守る為に、周囲に張り巡らされているはずの柵があまり見当たらないことに、首を傾げる。
兵士の話では、ゾンビ達がこの村を蹂躙した時に大半が破壊されたらしい。
「……再生、は、可能。……できること、やる」
片言ながら、コハクはテュパラにそう応えて後に続く。
「失くした者へ手を差し伸べる時、理由が必要ですか?」
ルーファス・W・ワーズワースは、詰所で顔を合わせた難民達のまとめ役に助力する理由を尋ねられた時、逆にそう問い返す。
ややあって、ルーファスは自身の答えを伝えた。
「僕はそうは思いません。難民の皆さんの生活環境を最大限整えるのが僕達の役割です」
ルーファスはまず、病気にかかった人を隔離するために、テントの建設を支援するつもりだった。
「私の名はノノアよ。皆さんよろしくお願いするわね」
詰所にいた人達へ挨拶したノノアは、持参した紙に書いた村の見取り図を広げ、復旧計画を話し合う。
「村の復旧ね。帝国軍所属としてやれる事を精一杯に頑張るわ」
ノノアも家の建築や病人の隔離といった内容から手を付けるべく、建設候補となる場所を絞っていく。
「大変だった……なんてことでは言い表せないですね」
リディリディ・トゥラ・イェレミースは、そんな状態の村に居住せざるを得ない人々のほうが気がかりだ。
「帝国の崩壊によって住む場所を移さなければならなくなって、そしてたどり着いた村でもアンデッドに追われてだなんて……」
リディリディは難民となった人々の境遇に心を痛め、近くにいたハルハン・ツァガーンナルも同意する。
「ゾンビたちを追い払っても、まだまだ、残された傷痕は多いですね」
村を守る柵は大半が破壊され、住居も痛めつけられ、不足していると聞く。
そんなときだからこそ、冒険者の協力が必要だとツァガーンナルやリディリディも理解している。
「どれだけ力になれるかは分かりませんが、ボクも、頑張ります……!」
ツァガーンナルの意気込みにリディリディも頷き、話し合いに参加すべくそれそれ詰所へと向かう。
「何とか村を取り返す事が出来ましたが、この惨状のままでは次の襲撃に耐えられないでしょう」
村を一巡し、状況を把握したフリーダ=ブロムヴィストはため息をつく。
このままでは村に身を寄せる難民達は冬を越せそうにないことは、フリーダにも理解できた。
「啓示でも「タワーディフェンスは準備が全て」と出てますし、出来る限り十分な設備を整えたい所です」
――私達のできる限りの事は果たして見せます。
フリーダはそう心に定めて復旧に臨む。
●作業
冒険者達は兵士や難民の一部に協力してもらい、それぞれの作業を開始する。
「兵士は東西南北に2名づつ警戒に残して他は復旧作業。難民達のうち男性は力仕事。女性と子供は軽作業。老人は手作業など、出来る範囲のことで」
ノノアは手製の見取り図を片手に人々に作業を割り振っていき、流れができる。
「まずは瓦礫の撤去からでしょうか。こうあちこちに瓦礫などがあれば、何をするにも不自由です」
リディリディは復旧作業の邪魔になる瓦礫の撤去を優先的に行うべく、人を集めながら撤去を開始する。
「とはいえ、再度利用することができるのならば、使いたいですね。木材、煉瓦は別にして、まとめておきましょう」
リディリディは人々への指示が伝わりやすいよう、内容を簡素化して伝えていく。
リディリディ自身も率先して瓦礫の収集と分別に取り組み、その姿を見ながら人々も収集と分別を手分けして行う。
「まずは大まかな瓦礫の撤去を中心に行っていきます」
フリーダも作業のできる人達を引き連れ、鋼の斧を振るい運び出すのが難しいほど大きな瓦礫を断ち割りながら、撤去にとりかかる。
瓦礫は村を囲っていたが柵があった個所が特に多く、次いで破壊された建物があった場所付近に多く散乱している。
「瓦礫を撤去後はそれぞれ家の建設や感染者隔離場所の建設、見張り櫓や柵等の修繕等に別れて作業を行ってください」
作業をしている間は次の作業を忘れがちになることを考慮し、フリーダは作業にあたる人々へ繰り返し次の作業内容を説明していく。
ここでフリーダたちの撤去作業にリンタロウも加わる。
「テコを上手く使って少しでも楽してくぞ。まだまだ仕事は山程あるからなァ」
リンタロウの言う通り、瓦礫撤去以外にも家の修繕や病人の隔離、足りない家や村を守る柵の建設など、やることは多い。
リンタロウはテコの原理で重さのある瓦礫を動かし、村に届いた物資の中にある道具類も使い効率よく運搬作業を進める。
「瓦礫は煉瓦、材木、それ以外で分別を。煉瓦は暖炉や窯造りに生かして貰う為脇に寄せて後回しにして下さい」
「木片は乾燥後に燃料や他へ利用するわよ。煉瓦の破片は形が残ってるのは加工後に竈や他へ、小さいのは砕いて囲炉裏作りに利用してよね」
ルーファスが瓦礫を分別する流れを教えて回り、ノノアがそれぞれの用途を説明し、人々を動かしていく。
その中でルーファスは持参したバックパックに材木として使えそうなものを詰め、家屋の建設予定地へと運びながら、用途に適さない瓦礫はエーテルブレードを駆使して破砕し、運びやすくしていく。
「ともかく最初は空間の確保を優先して下さい。感染症は時が経つほど響きます」
ルーファスは病人を隔離するスペースを作る人々にも進行状況を確認し、同時進行でそれぞれの作業が進むよう動いている。
「仕分けが終わったら建築の手伝いだ。地図を見ながら逐一指示出すぞ。届いた物資も有り難く使わせて貰おうか」
あらかた撤去作業が終わったと判断したリンタロウは、物資の在庫を確認すると、作業にあたる人々の前で兵士より借りた地図を広げ、どの場所で何を建てるのかを話し合い、建設にとりかかる。
「柵自体も頑強なものに。獣用のを応用すればいいかな。柵周辺に獣よけと音の出るタイプの奴がねぇとな」
テュパラはコハクと共に、瓦礫の片付いたところから柵の設置を始めていく。
「……今は、人手、ある。……この後……どうする?」
「まずは作ってみせて。その後は教える形だな」
使えそうな材料を瓦礫の中からかき集めるコハクの問いに、テュパラはそう答えると、教導スキルを駆使して今後作業を担うであろう人々へと柵の作り方を教えていく。
「人手はいつ足りなくなるかわかんねぇから、無人でも何とかできるようにしねぇと、手が足りなくなるだろうな」
テュパラは今後も兵士や難民達の手で持続が可能な柵になるよう、自身の狩猟スキルも活用した柵を敷設するつもりだった。
「……自給自足、……大事」
コハクもテュパラの方針に頷きを返す。
コハクもまたサバイバル知識のスキルを活かし、かき集めた材料を使いながら難民達自身でも構築可能な柵の作成を手掛けていた。
その一方でコハクは探波を発動して、精密な探知用のエーテルの波を周囲に走らせることで、周囲の地形や転がっている物体の構造などを把握していく。
「ボクの背丈が活かせるなら、どんどん、使ってください……!」
ここでツァガーンナルもテュパラやコハクたちの作業に加わり、柵の設置や破壊された見張り用の櫓の修復に着手する。
「テュパラ。柵は、獣避けも作れると、良さそうですね。前面に杭を出せば、突撃してくるような、動物などは、避けれるでしょうか?」
狩猟知識があるテュパラにやり方を尋ねながら、ツァガーンナルは柵となる材木を束ねたり、後ろに支柱を入れ、頑丈にするといった作業をこなしていく。
「有事を知らせる音は、大切ですよね。兵は拙速を尊ぶ、と聞きます……!」
なおツァガーンナルは兵士達に、鐘や簡単に音を出せるものがないか確認していたが、それらしきものはあるようで後で櫓につけると回答を得ている。
こうした役割分担と同時進行によって、村にあった瓦礫は分別の後数か所に集められ、柵や隔離用のテントといったものも、順次設置されていった。
●残す
村の復旧作業は柵の敷設を一部残した状態で、傷んだ建物の修繕や足りない分の住居の建築へと移行していく。
「私は村の方に教えられるような技術は持っていませんから、柵作りに専念ですね」
そう言ってリディリディは柵の設置作業の残りを引き受ける。
(本当に心安らげる地に着くのはいつのことになるかを考えると、気が重いですね)
リディリディは内心の葛藤を隠し、作業に邁進する。
(ただ、それはこの場では出さないようにしなければ)
いつまでここに難民として暮らしていくかは不透明だが、内心を表に出すことなく、リディリディは人々と共に柵の敷設を完遂させていく。
その間にもノノアと櫓の設置を終えたツァガーンナルが、家屋の修繕作業へと移行する。
「風の通り道や、危ないな、って思ったところ。あったら教えて下さい。しっかり、直しますから」
ツァガーンナルは難民のまとめ役や難民達に、各家屋で過ごす際に不便だったり、直しが必要と思われる箇所を聞いて回り、その箇所を借りた紙に記録する。
「ノノア。ここらへんの家屋は、その大半が屋根付近ですきま風が特に強いそうです」
しゃがんで難民の子供から話を聞いていたツァガーンナルが、顔をあげてノノアに修繕箇所を伝えていく。
「了解よ、ツァガーンナルさん。ここからは屋根を中心に壁歩きやエアーライドを使用して修繕の作業をするわ」
ノノアはそうツァガーンナルに応じ、壁歩きを行使する。
巧みにエーテルを操ったノノアは、壁へと跳躍してつま先で壁を踏み、さらに屋根の上へと駆け上がる中、修繕箇所を見つけ出しては携帯する道具を使い、修繕を施していく。
「一つずつ、しっかりと直しましょう!」
ツァガーンナルもまた、ノノアの指示に従って手の空いた兵士や難民達と共に、他の家屋を回って修繕を重ねていく。
「各家に簡易暖炉や鍋等が出来て、冬も暖かく過ごせるように完備させないとね」
ノノアは屋根周囲の修繕を一通り済ませると、周囲にいる兵士や難民達に各家屋へ設置する暖炉の作り方を説明し、集めた煉瓦の欠片や物資を活用しながら設置を進めていった。
村に唯一ある診療所では、フリーダが医療・薬学スキルを駆使して病気にかかっている人達を診察し、薬品の在庫を確認していた。
「感染症とまではいきませんが、この人とこの人は隔離して治療した方がよさそうですね」
一通り人々の診察と薬品を使っての治療を済ませると、フリーダは設置した隔離用のテントに該当する人達を搬送する。
「この村には医者がいないという事ですから、私は難民や兵士の方々でも対応可能なレベルでできる事を指示する事にします」
フリーダは教導スキルも駆使して、村にいる人々へ病気にかかりにくくするための清潔な環境の維持や食事のとり方など、人々自身ができることを教え込んでいくことも忘れない。
それまで裏方に回り、様々な雑務を処理していたルーファスは、難民のまとめ役に帝国から来た難民達が、文字の読み書きができるのかを確認していた。
するとルーファスの危惧した通り、読み書きができない難民も多いらしい。
「最低読みだけでも習得させたいですね。この村が冬から春へ真っ当に生きていこうと思ったら、商人との交渉は不可避です」
――騙されたり陥れられるリスクは、文字が読めるだけで激減しますから。
そう言ってルーファスはまとめ役に読み書きを覚えたいと希望する難民達を集めてもらい、持参した紙や羽ペンを用意する。
「僕らが出来るのは足場を踏み固めることだけ。歩くも止まるも皆さん次第です」
そう言ってルーファスは学習意欲のある難民達に、文芸スキルも駆使して根気よく教えていく。
難民達への「教導」には、テュパラとコハクも加わる。
「獲物の獲り方も教えとかねぇとな。罠の作り方は教えられてるだろうから罠猟でいいよな」
獣道の見つけ方。
警戒されにくい罠の仕掛け方。
逆に獣に警戒させるための音や光の仕掛けなど、テュパラが教えられそうなことは色々ある。
「コハク。お前のほうで教えることとかで、アタシにもできる事があれば、可能な限り手を貸そうか?」
「……一緒に、教える」
コハクはテュパラからの協力の申し出に、頷きで応じる。
コハクが教えようとするのは、保存食の作り方や作成した柵を補強するやり方、
狩猟によっての食料を確保するやり方など。
「……全部、経験済み。……やり方、覚える。……そうしたら、できる」
自身のサバイバル知識や狩猟経験をもとに、コハクは片言ながら説明し、説明が不足がちな部分はシリングに助けを受けながら、なんとか難民達に教え込んでいく。
「そうだ。一休みついでに石鹸の作り方と使い方もレクチャーしとこうかね? 水に少量溶かして泡立るといい汚れ落としになるんだこいつが」
リンタロウはある程度家屋の修繕や新築に目途が着いたところで、村にあるもので石鹸を自作することを難民達に提案する。
「外から帰ったときや風呂に入るとき、料理の前、食事の前なんかに食器や体に使うといい。薬がなくても体綺麗にしとくだけで防げる病気は結構あるからな」
リンタロウが兵士に確認したところ、必要な材料は今の段階でも調達が可能なようだ。
「何人か手の空いてる奴を、こっちに寄越してくれれば助かるぜ」
リンタロウは石鹸を作成する際は、発生する蒸気も危険なので屋外で作業すること、素手で行わないことも人々に徹底させ、教えていた。
●感謝
やがて家屋の修繕と、不足分の家屋の新築作業が完了した。
そして村を守る櫓や柵も設置が全て終わり、難民達がこの村で冬を越す目途がついた。
兵士達や難民達は冒険者の皆様に感謝し、深々と頭を下げて皆様の帰還を見送る。
この村にいる間に皆様が村に施し、難民達へ教えた様々な知識や技術は、今度難民達が生き残る為に役立つはずだ。
皆様のご助力に感謝いたします。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 4〜8人
2020年12月19日 13時27分36秒 公開
参加者
フリーダ=ブロムヴィスト
シニング・W・テュパラ
リンタロウ・イナバ
- イェレミース トゥラ リディリディ
ノノア
コハク
ルーファス・W・ワーズワース
ハルハン・ツァガーンナル
相談掲示板
ヒューマンのキャスター、リンタロウ・イナバだ。よろしく頼むぜ。 とりま俺は男手の必要そうなところに回るとするかねぇ。がれきの撤去に大工仕事、力仕事要員は何人いても足んねぇだろ。
ノノアよ。よろしくね。 村の復旧でする事が多いわね。防衛施設、家の修復や追加の小屋や長屋作り、村の病人や衛生面、冬を越すための準備や施設など、どれも重要な感じね。 兵士達は最低限の警戒を残せば他は手伝って頂けそうなのと、後は難民でも動ける方がいるので、男性は力仕事、子供や女性は掃除や物作りなどを頼んで見るのはどうでしょうか? 相談によっては兵や難民の作業配分、私達の作業分担や協力などになりそうですね。 わたしは冬を越す為の施設や家の修復など作るのを重点にする予定ね。料理作り以外なら大抵は大丈夫なので、作業変更も出来るのから遠慮なく言ってね。
ウォーリア。ハルハンの子、ツァガーンナルです。 力仕事の他は、何か手伝えることを探したいです
見知った顔もいらっしゃるようで心強いです。 ウォーリアのルーファスと言います。どうぞお見知り置きを。 差し当たり、最優先とされている3点。 1、村の柵、見張り用の櫓の修復。 2、病人への対処。 3、難民達用の家屋の修繕や建築。 でどれを軸とするか役割分担してみては如何でしょう。 1と3は一見平行して作業も出来そうですが、 設計まで考えるならやはり片手間は厳しいでしょうから。
シーフコハク、よろしく。 サバイバル知識とかが役に立つのであれば柵や櫓の修復はなんとかやれそうだけれども、病人の対処はヒーラーとかいないと難しいんじゃないかなって。 後はあっても邪魔になるし瓦礫の撤去とかかな。 1と7のAからMまで丁度瓦礫があるしそれを材料にして柵を作れば撤去と修復の一石二鳥にもなりそう。
病人の対処はヒーラーの方でなくても医療知識があれば大丈夫よ。 ヒーラーが治せるのは外傷かエーテルによる感染症と疾患なので、一般的な病気の治療は難しいみたいね。(Q&Aの医療水準) なので衛生面と感染対策の隔離施設などかしら、薬はあるようなので薬剤知識や日常的に薬の利用を知ってる方がいれば患者の対応はしやすいですね。問題は今回の依頼参加者にいるかどうかですね。 柵用の木材はあるようですが瓦礫の再利用は良いですね。煉瓦の欠片もあるようなのでシャルガネ居住区の家で見た囲炉裏を各家に作る際に利用しようと思うわ。あれは冬でも家が暖かくなるのと、各家で鍋やお湯を沸かすのに便利だった為ね。 今回の設計はわたし達になりそうですが、難民に作業方法や医療方法など色々教えると良さそうですね。
まとめ 1:瓦礫の撤去、再利用できそうなものは柵や建築物等の資材にまわす ※再利用できないものでも燃料に使えるのではないか? 2:衛生知識や医療方法、建築技術の伝授 こんなとこか? それから個人的に気になってンだが、生活魔法って教えられたか?無理なら無理でいいんだが。
>生活魔法 エーテルに働き掛ける以上、一定才能がなければ難しい筈です。 ただ、ヴァイセントラフ砦の状況を見るに授恵者の資質って 凡そ100人に1人以上くらいの割合で持っているみたいなんですよね。 なので、100人弱の難民に逐一教えたら1人、2人は使えても そんなにおかしくない気はします。有ると便利ですよね生活魔法。 >医療知識 医療・薬学のみならず、薬草毒草の基礎知識なら採集や造園、 食べて良いものダメなもの、位ならサバイバル知識で行けそうですが。 ここは流石に専門的な情報が揃わないと厳しそうな感はありますね。 身嗜みの整え方、なら礼儀作法で代用出来そうですが、 そこまでの衛生を求めるとそもお風呂とか必要になってきますし。
エーテルが関係してるので生活魔法が教えられなくても、大工技術、衛生面や掃除の仕方などのエーテルが関与しない日常的なのは有りかなと思いましたね。ゴミ収集所の掃除方法や排泄物の処理法など、色々と出てきますわね。 お風呂やトイレなどを考えたのですが街のように下水完備がないので、お風呂を作る場合はシャルガネ居住区であった五右衛門風呂などになりそうですが、届いた資材が建築系の木材が多く、鉄系が現状は釘や針金などな気がするので、作る場合は工夫が必要そうですね。後は出来そうなのはロウリュと言うサウナ室などかしら?
No.10
ご挨拶が遅れました。 リディリディといいます。 ・・・よ、よろしくお願いします。 私は柵の修繕をと思いましたが、先に瓦礫を片付けないと難しそうですね。 瓦礫の除去から行っていきますね。 煉瓦の欠片など使われるようでしたら、一か所に集めておきます。
煉瓦は、集めて焼き直せば、再利用できたりするでしょうか……? 欠片を再利用できれば、竈なども作れそうですよね。 最優先される3点が解決すれば、その辺りまで手が伸ばせそうです >最優先事項 ボクは、バランス感覚はあるので、見張り櫓と、柵の修理をお手伝いしたいです 柵は、工夫すれば頑丈になったり、獣避けにできるでしょうか……
煉瓦を作るのに千度を超える窯が必要ですね。村の事情的には窯などは無さそうなので作るしか無いかもですね。 原型がほぼ無い煉瓦の欠片だけ囲炉裏作りに頂ければ大丈夫なので、煉瓦でも原型半分以上あるのは竈にまわしても良さそうですね。そうすればハルハンさんや他の方が竈を作る時に使えそうですわ。 最初は皆さんで瓦礫の撤去と仕分けになる気がしますね。その後に各自作りたい物や、家の建設など場所をある程度決めて置いたほうが、建設の被りなど無くてスムーズに事が進めれそうですね。
っと、出遅れたか? アタシはテュパラだ。よろしくな アタシの方で使えそうなのは狩猟、採集、サバイバル辺りかな 教導もあるから教えるのはけっこ―得意だぜ 柵に獣よけをつけるんだったら狩猟よりかな? もういっぺんゾンビ共に襲われる可能性もあるしここで備えついでに使いまわせる罠でもあればいいかもな もしくは設置から教えてくか 病人の為の衛生確保だったら一度に湯沸かしできる設備で布の処理とかできるようにするのが先じゃね? 元気な奴は勝手に水浴びするだろ ま、結局風呂みたいなの作ってるけど 皆が入れる風呂みたいなんはよゆうがあればでいいんじゃねぇか?
100分の1か…微妙だな……余裕があった上でいたらラッキーくらいの気持ちで教えるだけ教えるか……?情報ありがとう。 風呂作るなら石鹸の作り方も教えた方がより衛生面は安心できるんじゃないか?草木灰と油脂を使うタイプなら村の周囲の物から原材料賄えそうだしな。
(皆博識だなあ、困りました付いていける自信がないという顔) 教導技能が有るならサバイバル知識を伝承するのが 究極的には一番役立ちそうな気がしますね。 なんて言うんでしたっけ……転ばぬ先の杖? >石鹸 そうですね、もし居たら幸運、居なくとも最悪問題無いですし。 石鹸の作り方は存じませんが教えられたら便利ですよね。 最悪お風呂が頻繁に使えなくても一定衛生が確保できますから。 >レンガ とりあえず強度にやや難はありますが、 竈を作る時点では日干しレンガで代用しては如何でしょう? 時間は掛かりますが、比較的誰でも作れますし。 >バランス感覚 こちらは柵よりも櫓向きですね。他で代用が効かないので、 櫓専門で作成に移っても良いかもです。人手は必要そうですけどね。
知識は一つの武器になりますからね。サバイバル知識はシニングさんが教えるのでしたら、石鹸はリンタロウさんが教えます? 丁度1ヶ月前に農園の冬支度(イベシナ)でジャム作りと横目で石鹸作りは見ていたので、作り方は覚えていますね。リンタロウさんが他の事を重点にしたい時は、わたしが難民に教える事はできますね。 日干しレンガは良いですね。問題がわたし達が何日滞在できるのかとリーンエス王家の左右は砂漠がありますが、周囲と担当する村が北で緑豊かなので雨が降ったり湿気がある可能性はありますね。たしか日干しレンガ乾燥に2~3日かかるのと雨に弱く脆いので、使用場所が結構限られてしまいますね。瓦礫の煉瓦の欠片が大きめのなら削って形を整えれば竈に使えそうと思っていたのと、削り煉瓦の欠片はそのまま囲炉裏の灰の代用になるかなと思っていたわ。 柵に関してはコハクさん、リディリディさん、ハルハンさん、シニングさんの4名が関わる感じのようなので、おおよその形は相談になりそうですね。 瓦礫撤去と仕分け→家の建築→囲炉裏の作り方を教え作る→その他。 わたしは今でしたらこんな感じに行動する事になりそうね。囲炉裏は男性1名と女性達に教えて、そこから広めてもらう感じね。医療系をする方がいない場合は、今のうちにギルド支部にある本で勉強しておきますわ。
ウォーリアのフリーダです。挨拶が遅れましたがよろしくお願いします。 ヒーラーではないので回復とかはできませんが、 医療・薬学は用意できていますのでそちらの対応を中心にと考えています。 特に現在すでに病気に感染している方がいるという事ですし、 できればテント等で感染者を隔離する事で感染を防ぎつつ治療に専念できる環境を作りたい所です。 ただ、どちらにしてもまずは瓦礫の撤去を行わなければ隔離用のスペースを確保する事もできないでしょうし、 流れとしては瓦礫の撤去→診療所での状況確認→感染者隔離用の建物を作成→治療を行うといった形になるでしょうか。
フリーダさんが感染の対策をするのでしたら、一通りの事は揃って大丈夫そうね。 簡単に再度まとめてみるわ。間違っていたり違うなら遠慮しないで言ってね。 ・瓦礫撤去や分別はほぼ全員(煉瓦は大きい物は加工後に竈や何かに、小さいのは砕いて囲炉裏等に使用、木材系は燃やす燃料などに再利用) ・兵士達は最低限の警戒を残して手伝っていただく(東西南北に1~2名づつなら、約16~12人は作業に加われる) ・難民でも自分達の村を作るので男性は力仕事、女性や子供は掃除や軽作業、老人は手作業など、出来る範囲で頼んでして頂く。 各担当 ・建築系 今の所みるとほぼ全員。 櫓や柵などがコハクさん、リディリディさん、ハルハンさん、シニングさん 家やテントはわたし、リンタロウさん、フリーダさん ルーファスさんはまだ決めてないようなので、どちらかですね。 ・感染対策 フリーダさん 兵士や難民、他の参加者の方が補助。 ・難民に知識などを教える 狩猟、採集、サバイバル等=シニングさん 囲炉裏=わたし 石鹸=まだ未定 その他(案や各自で出来る範囲) ・家の建築箇所(3箇所程) 図を見ると、こことこことここ辺りかしら?(B4、F4、F5)他にあれば言ってね。 ・感染の隔離施設(テント) ゴミ集積場を避けてを考えると、ここかここかしら?(5Bや2Bなど)他にあれば言ってね。
まとめご苦労。石鹸は俺が受け持つわ、言い出しっぺだしな。
No.20
ノノアさん、まとめて頂いてありがとうございます。 私も教えられるような知識があれば良かったのですが・・・。 あ、えっと、家の建築ですが、F4ではなくF6ではないでしょうか。 F4は既に建っている家屋なので、B4、F5、F6あたりになるかと思います。 その・・・、もしも見当違いのことを言っていたらすみません・・・。
えっと、教える事が有る人が、 リンタロウさん、フリーダさん、シニングさん、ノノアさん。 で、家・テントの対応も リンタロウさん、フリーダさん、ノノアさん。 ん……となると僕もテント設営及び衛生維持の側へ回りましょう。 作業と教導を並行して行うのは厳しいでしょうし、 如何にも人手が足りなく感じます。雑務でも何でもお申し付け下さい。 感染者の隔離場所> B2が良いでしょう。何か有った場合即詰め所から駆けつけられますし。 蔵、水場、ゴミの集積場と言った難民の皆さんが必然的に 利用せざるを得ない地点から外れている方が対処し易いでしょうし。 >建築場所 F5,F6は異存無いんですが、B4は止めた方が良いかと思います。 蔵が間近。と言う環境は、あまり良く知らない他人同士の 共同生活ではトラブルの元ですから。G2でどうでしょう。 本音を言えばC4も潰してK3に家を新築した方が良い位なんですが。 そこまでの余力は期待出来ないですよね。
リディリディさんわたしが間違えていたわ。家は皆さんの言葉を聞いてF5,F6,G2の3箇所な感じね。感染の隔離場所テントはB2ね。兵もいるので何かあった時に対応はしやすそうね。 ルーファスさんのC4からK3家の移動は入れてみて、余裕があればするな感じで良さそうですね。 リンタロウさんありがとうございます。石鹸はお任せしますので、足りない事は言ってくださいね。 わたしは家の建築や修理で壁登りやエアライドを使って、バランス感覚を持ち屋根作りや修理などをする感じね。
兵や難民への協力要請(挨拶や説明など)や家の建築場所などはわたしが受け持ってみますね。行動(プレイング)は簡易的に切り詰める感じにするので余ると思います。
纏めありがとう。 柵の作りだけだと手持無沙汰だから、シニングと一緒にサバイバルや狩猟の教えも一緒にやるよ。
では、僕も少し手が空きそうなので、 石鹸作り、囲炉裏造り、サバイバル教習などを受講したい人を 分野毎に元気な難民さんや駐在の兵士さん達から募りましょうか。 学習に意欲は不可欠ですし、幸い実践の場にも困りません。 結果学んだことを生かして貰えれば、その分作業が捗りますしね。
まとめありがとうございます。 とても、助かります。 ボクは、あまり教えるようなことができないので、色々、手伝いに行くと思います 見張り櫓に柵は人手が。家屋の修繕は、住人に困っている箇所を聞くことも、必要そうですから
皆さんの行動に影響が無いように共通になりそうなのは書いておきましたので、人数とか分配とかは各自にお任せしますね。 事前に書いた街の見取り図を広げて、兵士、難民、冒険者で纏まって挨拶と建築などを丁寧に口頭で説明。 家の建築はF5,F6,G2の3箇所。感染の隔離場所テントはB2。追加等は他の方など参考。 兵士は東西南北に2名づつ警戒残し他は復旧作業。難民達で男性は力仕事、女性と子供は軽作業、老人は手作業など、出来る範囲の事を丁寧にお願いし、冒険者から知識等も難民へ教える。 瓦礫の分別と再利用。木片は乾燥後に燃料や他へ、煉瓦の破片は形が残ってるのは加工後に竈や他へ、小さいのは砕いて囲炉裏作りに利用。
特に問題は無くて大丈夫でしたら、現地でもよろしくお願いしますわ。(準備が出来たので出発まで休憩)
おぅ、まとめありがとな コハクも言ってくれてっけど、アタシも物を教えるのに力入れとくぜ 狩猟と、それに伴う罠あたりになっかな よろしくたのむぜ
まとめお疲れ。 個人的にだが建築用工具いくつか持ち込むから使いたい奴は自由に使ってってくれ。