【聖祭】不変の花と贈り物作り

からすば

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シナリオID:310

オープニング

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 ロスガリア大陸に住まうものたちにとって、12月は大きな意味を持つ。この時期に執り行われる祭りや催しを、聖霊節と呼ぶ。
 その由来はハーフリングの英雄、ジド・ルウがその身をエーテルと成して世界に穿たれた大穴を塞ぎ、彼に小さな神々が続いたことが、今年までの平穏の礎を作った――という逸話に拠る。詳細な時期が定まっていないのは、この頃に暦が存在していなかったため、神代における『冬の時代』、という比喩的表現を、文字通りに解釈したためであるとされる。
 由来はともあれ、ジド・ルウの英雄的行為を称え、名を失った神々に祈りを捧げることから始まった聖霊節は、様々な土地の風習や営為と重なった結果、亡き祖先や、近しい人々への思いを捧げることだけでなく想い人と過ごす特別な時期――という習慣が定着して久しく、特別信仰心の無いものであっても神殿や家庭でモミの木や柊を飾り立てて祈りを捧げる。街をあげて催しを行い、厳しい冬の中でもとっておきのごちそうを食すこの時期は、収穫祭に続く特別な時節といえた。ジド・ルウが好んでいたという、赤白の服装も今代まで続く伝統(テンプレート)の一つとなっており、そこかしこに仮装をした人物も目立つ。
 ――実りの秋、収穫祭を終えた人々は、深まる冬の気配を感じながら、慰霊祭の準備を進めていた。


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「冒険者さん! 聖霊節のプレゼントの準備はもうお済みですか?」
 ギルドで依頼を探していた貴方へ話しかけてきたのは若い女性だ。
「あ、突然話しかけてしまってすみません! 私はリブラネスタで商売をしているディアといいます。冒険者様達に頼みたい事があって声をかけさせていただきました!」
 彼女はつい最近、雑貨屋を始めたのだそうだ。聖霊節を商売人として過ごすのは初めてらしい。
「稼ぎ時の聖霊節……商品のアイデアはあるのですが、冒険者さんにご協力いただきたく!」
 

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 バスケットギフト。
 いわゆる手提げ籠に色々なプレゼントを詰めて贈る、といった感じらしい。
 依頼を引き受けた後日、雑貨屋の一室に集まった冒険者達にディアは依頼の詳細を説明する。
「私のお店で取り扱うギフトは普通にプレゼントを詰めるだけではありません。皆さんにはコレを使ってサンプルを作って欲しいのです」
 そう言って彼女が取り出したのは鮮やかな色をした一輪の花。
 冬だというのに活き活きとした花は、まるで時間が止まっているかのように見える。
「ふふ、本物に見えましたか? これは造花というものです。材料はちょっと高価ですが、紙等を使って作っているので枯れたりすることは無いんです」
 ディアが言うには様々な造花を使い、それぞれテーマをもってサンプルを作って欲しいのだそうだ。
「綺麗な花で飾られたバスケットに入ったプレゼントは特別な感じがするでしょう?」
 彼女の作った造花は本物の花のように見える完成度。
 綺麗なだけでなく、驚かせるのにもうってつけだろう。

「テーマには花言葉を使うのもいいと思います。もし知らない方が居たらお教えするので、遠慮なく聞いてくださいね」
 ロスガリア大陸には花言葉が存在する。冒険者達の中にも知っている者は居るだろう。
 知らない人でも、彼女に「こういう意味の花を使いたい」と言えば相応しい花を用意してくれるようだ。
 彼女が用意するのは不変の花。季節を気にする必要もない。
 日頃の感謝や胸に秘めた想い……直接言葉で伝えるのが気恥ずかしい人にも、うってつけだ。

「報酬は少ないですが、作っていただいたサンプルは私が参考にした後、皆さんに差し上げます。皆さんの想いを込めた素敵なギフト、今から見るのが楽しみです!」
 そう話を締めた彼女は、花の様に綺麗な笑顔で冒険者達に微笑んだ。

解説

●内容  造花を使ってバスケットギフトのサンプルを作りましょう!  花言葉は使っても、使わなくても良いです。  ディアは製作したギフトを参考にしたいので、どういった想いを込めたか等、彼女にだけは話す必要があります。  茶化したりはしませんのでご安心を。周りに聞かれたくない内容はこっそり耳打ちしてあげてください。  リプレイでは考えながら制作する過程、製作物の紹介、それに対する皆さんやディアの反応を描写する事になると思います。 ●造花  好きなように使ってくれて構いません。  材料の紙は高価なので無駄にはしないでくださいね、食べたりもダメです。ディアがぷんぷん怒ります。  時代的に存在しない花等は似た花としてオリジナルの花に置き換える場合がございます。  また、オリジナルの花言葉を持ったオリジナルな花も世界観的におかしくないものであれば歓迎します。  ディアは器用なので、ありえない造花を依頼する事もできます(茎の先に魚がついた物等) ●人物 ・ディア  ヒューマンの女性、10代後半~20代前半。  最近リブラネスタで雑貨屋を始めたようだが、結構お金はある様子。  器用で美人、笑顔が素敵な依頼人。  しっかり者で真面目だが、お茶目なところがあり、面白い物や恋バナは好き。  話したい事があれば聞いてくれるでしょう。 ●補足  花言葉は世界観的にロスガリア大陸では広く知られているモノとして扱ってもらって構いません。  知っている人は知っているといった感じです。  また、注意点がございます。製作したギフトはフレーバーアイテムとなっており、アイテムデータとしての配布はできません。ご了承ください。  後日公開されるであろう聖霊節本番のシナリオで贈るプレゼントとして役立ててもらえると幸いです(私がリリースしたシナリオであれば、製作したものは参照する予定です)

マスターより

 オープニングを読んでいただき、ありがとうございます!  初見の方ははじめまして、からすばと申します。  今回も【聖祭】連動シナリオです、書きたいものが多い!  聖霊節の贈り物作りとなっているので、気軽に参加していただければと思います。  皆さんの想いのこもったプレイングをお待ちしております!

リプレイ

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「よし、決めたぜ。俺はサザンカを使ったギフトを作ろう。時期的にも丁度良いだろう」
 ティラミス・ノーレッジが選んだのは『困難に打ち克つ、ひたむきさ』等の花言葉を持つ山茶花。
「帝国での騒動……難民になってしまった者達も越冬に向けて頑張っているだろうし、多少でも目の保養になってくれるといいが」
「皆さんもこれからその騒動に立ち向かっていく事になるでしょうから、仲間へ贈るにも良いギフトとなりそうですね」
 ティラミスの込めた想いを聞き、ディアが答える。
 この大陸はこれからも多くの困難に見舞われるだろう。それに打ち克って欲しいという願いを込めたバスケットは、きっと素敵な贈り物となるはずだ。
「さて、どうせやるならトコトンってやつだ。美しく仕上げるから見ててくれよ」
 造花の作り方を教わり様々な色の山茶花を作っていくティラミス。
 手先が器用なうえ、冒険者としても経験を積んできている彼が作る山茶花はディアの造花と比べても遜色なく、本物の様な美しさだ。
「ティラミス様、上手でいらっしゃいますね! 私も頑張らせて頂きましょう」
 手細工好きなスィーリーンも、そんな彼に負けじと作業に取り掛かる。
 見た目も大切だが花言葉にも拘りたい。彼女が使うのを決めた造花はオレンジ色のカランコエだ。
 ディアに教えてもらいながら、彼女も本物に負けず劣らずなカランコエをその手で咲かせる。
 十分な造花を用意したところで、スィーリーンは花を引き立たせるように葉の部分へ黄色いリボンを添え、可愛らしい雰囲気を演出する。
「色合いよく、可愛らしいバスケットになりましたね! 添えた黄色のリボンが特に可愛らしいです」
 スィーリーンの作ったギフトを見て、ディアが言う。
「明るいオレンジ色は元気が出ますよね! 小さなカランコエは見た目が可愛らしいですし、花言葉も素敵です。このバスケットが幸福をもたらす、小さな思い出のひとつになれば幸いですね」
 込められたスィーリーンの想いを聞き「きっとなりますよ」とディアは笑顔で頷く。
 スィーリーンと同じくカランコエの造花を使ってギフトを作るのはマリイ・パルティス、彼女が使うのは白色のカランコエだ。
 幸福を告げる、沢山の小さな思い出、あなたを守る……カランコエの花言葉を思い出しながら、細かい作業が得意な彼女は暗めの色をしたバスケットに小さな花をレースをイメージした模様となるように丁寧に飾っていく。
(幸福を感じる今も、何年か経てば小さな思い出の一つとなるでしょう。それを振り返る時が来るまで、守りたいというか……こう、親心? 保護者的な願いを込める?)
「うーん、微妙に違う気がします……」
 頭の中で自分が込めたい想いを考えるが、妙にしっくりこない。
「マリイさんのも可愛らしいですね! 細かく飾った白いカランコエは上品さも感じさせます。贈る相手のイメージはありますか?」
「そうですね……贈る相手は自分の仕立て屋の手伝いをしてくれている子達です。弟子というよりは教室を開いているような感覚ですが、あの子達が来るようになってからお店が明るくなったんですよね」
 ディアの問いにマリイは贈る相手を想い、微笑みながら答える。
「だからせめて、あの子達が幸せになる時まで、守れたらなって……感謝の気持ちを込めたお花も付ければ良かったかな?」
「感謝の気持ちはバスケットに入れるプレゼントで表してもいいかもしれませんね」
 マリィの話を聞き、ディアが助言する。
 バスケットから感じる上品さは、高潔な彼女の想いにぴったりだとディアは感じていた。
「ディアさん、ディアさん!」
 花言葉を確認しようと元気よく呼びかけるのはスフィカ。
 彼女のバスケットは三種類の小さな花々で彩られていた。その中心にあるのはライラック。
「友情の花言葉ですか? 色々な花がありますが、ライラックもその一つで間違いないですよ」
「よかったー! リブラネスタに来て初めて出来た友達にあげようと思ってるんだ!」
 ディアが答えると、スフィカは贈る相手について話し始める。
 ライラックの周りには、彼女が友人をイメージした、ロベリアとネモフィラの花が飾られていた。
「えへへ、ロベリアは友達と同じ名前で、もう一つはゴリラと悩んだけどネモフィラにしたんだ! 青くて可愛いし、生命力の強い花だからヒーラーの友達にぴったりだなって!」
「え、ゴリラ……?」
 友人のペットでもイメージしたのだろうか、もしゴリラのままギフトを作っていたら……と想像するディアは、それも楽しそうだとか考えてたり。
「あ、最後にディアさんに作って欲しい花があるんだけどいいかな?」
 スフィカがディアに頼んだのは花の代わりに蜂が先っちょについた造花。
 蜂がスフィカを表していると聞いたディアは、明るく元気な表情のデフォルメされた姿の蜂の造花を作ってスフィカに渡す。
「うちってこんな感じなの?」
「ふふ、とても元気で可愛らしい方だと思ったので」
 受け取ったスフィカに、ディアが言う。
「造花って作り物だから枯れないんだもんね。それで作ったこのギフトはずっと変わらない友情って事だ、嬉しいなー!」
 友人達との変わらぬ友情を想い、スフィカは嬉しそうにギフトを眺める。
 そんな様子を見て、ディアは『そこまで想い合える友達っていいな』と思うのだった。
「あ、あの……! このお花にも花言葉はあるんでしょうか?」
 次にディアに話しかけたのはエシギ。
 彼がディアに花言葉を聞いた花はシクラメンだ。
「シクラメンは気後れ、内気――」
 ディアが花言葉を伝えていくが、その内容にエシギは少ししょんぼり。
(う、うん……僕が好きになる花ですもんね……)
「他には憧れや清純といったのもありますよ!」
「憧れ……! 他にはどんなお花があるんでしょう……?」
 ディアから花言葉を聞き終えたエシギはオススメの花があれば、と問う。
「でしたら、ノースポールは如何でしょう? 小さな白い花で、誠実といった花言葉があります」
「誠実、ですか……では、その二種類で作ってみます!」
 エシギはコンセプトとして『特別じゃなくても構わない。控えめに、誰かの日常の当り前の存在になれればいい』というものを決めていた。
 それは彼が紋具職人として一人前になった時に作りたい紋具のコンセプトでもある。
 あまり派手にならないように造花をまとめると、バスケットの持ち手にピンクのリボンを結ぶ。
「綺麗に、できたんじゃないでしょうか!」
 完成品をディアの元へ持っていくエシギ。コンセプトを説明している間、ジーっとギフトを眺めるディアを見て、上手く出来ているか徐々に心配になってくる。
「控えめな色合いは部屋に飾ってもインテリアとして浮く事も少ないでしょうし、日常に寄り添うといったコンセプトにピッタリですね!」
 確認を終えたディアに渡されたバスケットを彼は、住み込み先の工房に置こうと考えていた。
「自分が作ったものが側にあるのはやっぱり嬉しいですよね」
「ええ! ふと見た時に、作った当時を思い出したり……」
 二人の職人が笑い合う、笑うのが苦手なエシギはハッとすぐに顔を背けてしまったが、ディアは「普段はどんな作品を作るんですか?」と笑顔のまま彼に話しかけ続けるのだった。


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「不変の花か……変わらねぇままで側に置いておけるってのは喜ばれそうだな。折角だから俺も花言葉を意識して作りてぇが、殆ど知らねぇんだよな……」
 アーシェル・G・クラインは花言葉と聞き、庭に咲き誇る花々と今は亡き母の笑顔を思い出していた。
『あなたの誕生花なのよ、白は希望。あなたの瞳と同じ赤はね……』
 その先はどうにも思い出せない。どんな花だったのかも曖昧だ。
「おや……もし良ければ俺と一緒に作ったりしてみる? 吟遊詩人をやってるだけに、花言葉には親しみ深いんだ」
「ご要望とあれば、一緒に調べてみますよー」
 花言葉に詳しくないアーシェルが悩んでいると、比喩表現として花言葉をよく使うが故に親しみ深いという吟遊詩人のキオルティスと花言葉を調べていたフェイルーン・フラスカティが協力を申し出る。
「ああ、それは助かる」
 アーシェルが言い、三人は作業に取り掛かる。

「俺にはね……大切な人が居るんだ。と言っても、歳の離れた妹なんだけどね。そりゃあもう可愛くてキュートで――」
 キオルティスは微笑みを浮かべながら、贈る相手である妹の話を始める。
 吟遊詩人としての語彙を活かして延々と妹への褒め言葉を続ける彼の話を聞く二人。
「――そんな妹に贈りたいんだよね、最高の花言葉が付いたフラワーバスケットを」
 そう締めくくるキオルティス。
「俺は死に別れた家族への感謝をテーマにしてみようと思う。暗いテーマだが、遺された人間は少なくねぇだろうしな」
 同じ想いや痛みを知る人に寄り添えるものを作りたい。その想いを胸にバスケットを手に取るアーシェル。
「アーシェルさんも納得のいくギフトを作れるといいね」
 家族へ贈るというアーシェルに、キオルティスは親近感を抱いている様だ。
「私のコンセプトは幸福。贈り物にはぴったりじゃないかと思うんだよー」
 フェイルーンが言い、選んだ花はカキツバタ。花言葉は『幸運は必ず来る』だ。
 ディアに作るコツを聞き、手助けしてもらいながらも沢山の造花を作ってバスケットを埋めていく。
「結構難しいなあ……」
 ディアの作った造花の出来と比べるが、それは経験の差ゆえ仕方ない事だ。
 気持ちを込めて自らの手で作るのは大切な事。それに数を作るごとに、出来栄えも良くなってきている。
 十分な造花でバスケットを飾り、隙間にキャンディを詰めたらフェイルーンのギフトは完成だ。

 キオルティスは妹を現す花や、その妹を想う自身の心……沢山の花を選ぶ。
 妹を現すラナンキュラスを中心にし、ペチュニアやヒペリカムの明るい色をカスミ草とカランコエの優しい色が包み込むように……彼自身がもつ天性のセンスでバスケットの中を飾り付ける。
(いつも明るく笑顔で可愛らしい自慢の妹……そんな彼女の笑顔を俺は守り続けたい)
 普段は飄々としているキオルティスだが、妹を想いながら作業する彼は真剣な面持ちだ。

 アーシェルは花言葉を教えてもらいながら造花を選ぶ。
「感謝や家族への想い……って意味の花があれば使いたいんだが、どうだ?」
「ピンクの薔薇が感謝、お母さんに限定するなら赤いカーネーションもあるかなー。家族愛だとサルビアとか」
「エーデルワイスや鈴蘭なんかもいいだろうね、それぞれ大切な思い出、幸福の再来って意味があるよ。それと赤いカーネーションには会いたくて堪らない……って意味もあるね」
 アーシェルに、フェイルーンとキオルティスが答える。
(死んだ家族への想い……そして、遺された哀しみから抜け出せない奴等がまた前を向いて幸せを望めるようになって欲しい)
「よし、二人が教えてくれた花を使えば自分の想いを込めたギフトが作れそうだ。感謝するぜ」
 アーシェルは二人へ礼を言うと、サルビア、薔薇、カーネーション、エーデルワイス……順に手に取っていく。
 鈴蘭はその花言葉を想い、最後に飾り付けた。
 完成した自らのギフトを眺めながら、彼は何かを考えたまま。
「キオルティス」
「なにかな?」
 アーシェルに呼ばれたキオルティスが顔を向ける。
「お前からは同じ匂いがする、今度はもっとお前の話を聞かせろよ」
 人は自分以外の者にはなれず、全く同じ痛みや悲しみなんて存在しない。
 けれど、似た痛みや悲しみを持っている者同士……ほんの少しでも寄り添えたら。アーシェルはそう願う。


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 コルネリウス・アーラとイズレンディル・パラリムは二人で作業を行っていた。
「イズさんはアヤメの花を使ったのですね。やっぱり、とても似合っていると思います」。
 コルネリウスは以前、イズレンディルがアヤメを好きだと言っていたのを思い出しながら声をかける。
「私が込めたい想いにもぴったりでしたので……コルネさんはガーベラ、でしょうか? 色鮮やかで可愛らしいですね! どこかコルネさんに似ている感じもします」
「似ている、でしょうか……ガーベラは明るくて、暖かい色が心を落ち着けてくれる気がするから、好きなんです」
 イズレンディルが言うと、コルネリウスが目を細めて微笑みながら答える。
 そんな二人の元へ、そわそわしながらディアが近づいてきた。
「お二人とも完成したようですね! どんなコンセプトかお聞かせ願えますか?」
 恋仲にでも見えたのだろう、そういうのが好きなディアは若干前のめり気味。
「では、私から……私は故郷の森へと届けたい想いを込めました。今は森の安泰を願い、こうして外で活動しています。定期的に便りを出しているのですが、森の将来への希望と共に良い便りを届け続けたい、と」
 イズレンディルがコンセプトの説明をする。
「私は……自分自身へのギフトを作りました」
 続けてコルネリウスが。彼女の言葉にディアは興味深げに耳を傾ける。
「オレンジ色のガーベラは私自身、黄色のはイズさんをイメージしています。……以前、自分を赦せず燻っていた気持ちに、イズさんが背中を押してくれた事があるんです。その時の事を思い出して、この花を選びました」
 自分を大事に想ってくれる人に応えたい……このギフトは、自身の未来の為のギフトだ。
「誰かに贈る物ではないのですが……こんなギフトがあっても、いいでしょうか」
「自身への贈り物……良いと思いますよ! 参考になります」
 恥ずかしそうに微笑みながら、少し自信なさ気に言うコルネリウスにディアが答える。
「ガーベラの花言葉は前進、希望……背中を押してもらったという思い出にもピッタリですね。イズレンディルさんをイメージした黄色には優しさという意味合いもありますし!」
「では、オレンジのガーベラにはどんな花言葉が?」
 ディアが話していると、気になったイズレンディルが問いかける。
「我慢強さですね!」
「なるほど、我慢強く何かを頑張れるのはきっと、コルネさんの美徳ですね」
 ディアの答えにイズレンディルはコルネリウスを見て微笑む。
 イズレンディルはディアが去った後、コルネリウスへ白いアヤメの造花を差し出した。花言葉は『あなたを大事にする』。
「イズさん……これは?」
「少し早いですが、私からの贈り物です。辛い事があった時には、この花を思い出してくださいね」
 もっと自分を大事にして欲しい。そんな想いが込められた造花をコルネリウスが受け取る。
「嬉しいです。今も十分すぎる程に支えて貰っていますけれど……辛い時は必ず、この花を思い出します」
 渡された造花を優しく握りしめ、抱きしめるかのように胸の前へ持ってきた彼女は今日一番の笑顔をイズレンディルに見せる。
 その笑顔はまさに、彼女が自身を例えたガーベラの様に明るく咲き誇っていた。

マスターコメント

 リプレイ、長らくお待たせいたしました!  またもや文字数の壁と戦い、二倍以上あった文字数を削る事に……!  まだまだ書きたいシーンがあっただけにとても悩みました。  製作したギフトはフレーバー的扱いとなりますが、皆さんがそれぞれ受け取った事となります!  このバスケットにプレゼントを入れて本番で渡すロールプレイ等していただけると嬉しいです。  満足していただける物語となっていれば幸いです。  ご参加いただき、ありがとうございました!
ショートシナリオ

ショートシナリオ易しい 報酬:少ない10 / 4〜10人

2020年12月20日 12時59分50秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. フェイルーン・フラスカティ

    ウォーリアのフェイルーンだよ! 皆さんどうぞ宜しくお願いします!

  2. ティラミス・ノーレッジ

    ティラミス・ノーレッジだ、宜しく頼むぜ。 花か…さて何を作ろうかな。

  3. コルネリウス・アーラ

    コルネリウスです。どんなギフトにするか悩みますね。 宜しくお願いします。

  4. スィーリーン

    スィーリーンと申します。 よろしくお願いします。 どんな花を使いましょうか。とても楽しみです。

  5. イズレンディル・パラリム

    イズレンディル・パラリムと申します。宜しくお願い致します。 好きな花で造花を作ってみたいと思います。どんな思いを込めるかは……悩みますね。 じっくり考えてみます。

  6. スフィカ

    スフィカだよ、友達にあげるつもりで面白楽しいの作りたいな。 よろしくねー!

  7. エシギ

    えと、エシギです。よろしくお願いしますね。 工房にお花があったらなんかいいなぁ、って思って。 せっかくだから花言葉もいろいろ考えて作りたいと思います。

  8. キオルティス

    キオルティスと言うよ。美しいモノは良いね。 今回は宜しく。

  9. マリイ・パルティス

    マリイと申します。よろしくお願いしますね。 お花、何がいいかなぁ……なやむ。

  10. アーシェル・G・クライン

    アーシェルだ。よろしくな。 せっかくだから花言葉を意識して作りてぇが、殆ど知らねぇんだよな。 ディアの他にも詳しいやつがいたら教えてくれると助かる。

  11. フェイルーン・フラスカティ

    意味から花言葉、逆引き出来ますよー。 例えば愛の意味を持つ花はなんだろうと思ったらその花言葉を持ってる花を調べられるんです。 ご要望とあれば、調べてみますよー。

  12. キオルティス

    >アーシェルさん そうだね…フェイルーンさんの言う通り、調べられたりもするけれど もし良ければ俺と一緒に作ったりしてみる? 吟遊詩人やってるだけに色々と比喩表現の為なんかに花言葉も 知ってるつもりだけれど…。どうかな。もし良ければ、だけどね。

  13. アーシェル・G・クライン

    フェイルーンとキオルティスは声をかけてくれてありがとな。 返事が遅くなって悪りぃ。 >フェイルーン 教えてもらえるのはすごく助かる。 『感謝』や『家族への想い』って意味の花があったらそれで作ってみてぇと思ってるんだが、俺の返事が遅くなったせいで負担をかけちまいそうだな。 俺の分を調べる時間を自分の為に使ってくれ。 気持ちだけありがたく受け取らせてもらうぜ。 >キオルティス 当日に一緒に作ってくれんのは心強いな。 まだ間に合うならぜひ頼む。 俺自身が繊細な表現とは無縁の男だから、キオルティスから学べる事が多そうだ。

  14. フェイルーン・フラスカティ

    >アーシェルさん 気にしなくていいですよー。 通年ある花ならピンクのガーベラにピンクの薔薇なんかが、感謝の花言葉持ってるよー。 家族というかお母さんに限定するなら赤いカーネーションが母への感謝、だよ。 後、家族愛だとサルビア。家族の和合で、ピンクのバーベナかな。 作りやすいのは薔薇かなあ? 時間も遅いから目に留まらないかもだけど、一応!いいの出来るといいね。お互いがんばろーね。

  15. キオルティス

    >アーシェルさん まだ間に合うよ。では一緒に作ろうか。 何を想って作るのか、なんて話も出来ればいいね。 何となくだけど…求める花言葉的には俺と一緒の方向なのかな…とか。 違ったら違ったで、またそれも面白いけれど、ね。 アーシェルさんがギリギリまで確認出来るようなら、後程、プレを 送らせて貰うけれど…どうしようか。 ま、行き当たりばったりでも面白いとは思うけどね(微笑

  16. アーシェル・G・クライン

    フェイルーンとキオルティスは出発時間が迫る中、ありがとな。 後で手紙を送らせてくれ。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0