お届け物は小さなゴブリン
STANZA
コメント 19
シナリオID:289
オープニング
リブラネスタの一角、冒険者ギルドにほど近い小さな食堂で、客の一人が女将に声をかけた。
「ごめんよ、チョロチョロして邪魔だったかい?」
カウンターの中から答えると、客は「いや」と首を振る。
「そうじゃないけどさ……そろそろじゃないかと思って」
そう言って、客はちょうどテーブルの脇に顔を出した小さなゴブリンの頭を撫でた。
「こぷぷっ」
くすぐったいのか、子ゴブは首を竦めながら嬉しそうに笑う。
「この子、一時預かりなんだろ? ゴールディの施設に引き取ってもらうって聞いたけど」
「ああ、もう話は付いてるよ」
女将の返事に、客は残念そうにコプリンを見た。
「この子もだいぶここに慣れてきたのにな」
もうすっかり看板息子じゃないかと、もう一度頭を撫でる。
「お前さん、ここが好きかい?」
「こぷ!」
客の問いかけに、子ゴブはバンザイをしながら飛び上がった。
その子は先日、冒険者ギルドから頼まれて預かったものだ。
年齢は5〜6歳くらいだろうか、だが言葉を話すことは出来ず、ただ「こぷ」としか言えない。
だからギルドでもここでも、その子はコプリンと呼ばれていた。
コプリンはヒューマンかエルフとの混血らしく、緑色の肌や二本のツノ、ぎょろりと大きな目などはいかにもゴブリンらしいが、その頭にはまるで人間のようなふさふさの毛が生えていた。
爪は丸く柔らかで、鼻は低く、耳も歯もそれほど尖ってはいない。
経緯は不明だが、生まれてすぐにゴブリンの盗賊団に拾われたらしく、つい先日冒険者達に救い出されるまでは、敵性種のゴブリンとして暮らしてきた。
そのため言葉を習う機会もなく、多種族の文化に触れることもなく、ここまで育ってしまったのだ。
だが今からでも遅くないだろうと、冒険者達からは「ゴールディで保護して貰ってはどうか」と提案されていたのだが。
その前に多少は人間世界に慣れ、少しでも知識を身に着けた方が良いだろうと、ここに預けられて、ひと月ほど。
最初こそ「ウチは保育所じゃないよ!」などと言っていた女将だが、近頃ではこのチビ助に情が移ってしまったようで……
「この子のためには、仲間のところで育つのが良いんだろうけどねぇ」
と言いつつなんだかんだと理由をつけて引き伸ばしているうちに、今に至る。
女将は今、たった一人でこの店を切り盛りしている。
以前は一人娘が手伝っていたのだが、つい最近、遠くの街に嫁いでしまったのだ。
ギルドの方では「一人では寂しかろう」という配慮もあって、ここを預け先に選んだようだ。
「ま、ここに置いといたって何か手伝うわけでもなし、とっとと放り出すとしようかね!」
強がりにしか聞こえないそんな台詞と共に、彼女はコプリンの手を引いて冒険者ギルドを尋ねた。
コプリンを別室に残し、女将は受付に向かう。
「そんなわけだから、誰かゴールディまで連れてってやっとくれよ」
向こうの施設に話は付けてあるから、そこまで辿り着けば面倒な手続きもなく、すぐに戻れるだろう。
「そんなに危ない道でもないだろうけど、念の為の護衛ってことでさ!」
本当は2〜3人でも充分なのだろうが、そこは道中を楽しく過ごさせてやりたいという親心。
ギルドからも補助金が出るということで、予算めいっぱいの人数設定だ。
手続きを済ませた女将は大人しく待っていたコプリンを呼び寄せた。
「さあコプリン、お出かけだよ」
「こぷ?」
かくりと首を傾げるコプリンの頭を撫で、冒険者達を紹介した。
「街の外にはあんたが見たことないものがいっぱいだよ。馬車だって、あんた乗ったことないだろ? 皆も遊んでくれるだろうし……だから、行っといで」
「こぷ!」
話の内容を大体理解したコプリンは、良い笑顔でこくりと頷いた。
そして女将の袖を取り、引っ張る。
「こぷ! こぷぷ!」
一緒に行こうと言っているらしい。
「あたしは……ほら、お店があるだろ? だからこれは、あんただけの特別なお出かけなんだ」
「こぷ?」
「うん、待ってるから。だから……行っといで?」
「こぷ!」
もう一度頭を撫でられ、コプリンは嬉しそうにぴょんと飛び跳ねた。
冒険者達はコプリンを連れてギルドを後にする。
彼等の目には、手を振って見送る女将の顔に寂しげな影が落ちたのが、はっきりと見て取れた。
解説
マスターより
リプレイ
「おぅ元気そうじゃないか、上手くやっているようで一安心だ」
ニーラ・メッコとティラミス・ノーレッジに声をかけられ、コプリンは「こぷ!」と答えてぴょこんと跳ねた。
「それじゃ、楽しいお出かけしような」
クラルスに頷き、けれど少し不安げに後ろを振り返る。
「おばちゃんと離れるの、寂しいのか?」
サイラスが声をかけると、頷いたコプリンにネモが言った。
「余輩は此度で初めて会うが、此方はもうとっくにひとりぼっちなんかではない」
その言い回しは少し難しかったのか、コプリンは首を傾げる。
「ああ、つまり……」
ロサード・シュナイダーは噛み砕いて説明しようと考えたが、どう言えば上手く伝わるのかと眉間に皺を寄せる。
「なに、こんな時はジェスチャーだ!」
戸惑うロサードに、ディアンが言った。
「子供は大きく身振り手振りで見せりゃ反応してくれるもんだしな!」
「そういうものか」
ロサードは謎のボディランゲージを交えて意思疎通を図ろうとする。
「みんな、いっしょ。さみしく、ない……おでかけ、まちの、そと、いく、ばしゃ……は、わからないか。うま、パカパカ……」
コプリンはそれをじっと見て、何を思ったかそっくり真似を始めた。
「これは……伝わっている? の?」
自分の物真似に自分でウケてきゃっきゃと喜んでいるけれど。
「え? こっちの言う事は大体わかる?」
それを早く言って欲しかった。
ロサードは易しい言葉を選び、ハイとイイエで答えられるような問いかけをしてみる。
それでどうやら会話が成立するようになった。
「人に自分の意思を伝えるのは、難しい。でも、きっとすごく大事」
こうして彼等は互いに納得した上で、楽しいお出かけをする事になったのである。
「余輩は道中ヒトにも伝わる言葉を教えてやろう。此方は真似て声に出してみろ」
身振りの真似が出来るなら言葉の真似も難しくないだろうと、ネモは街外れで待つ馬車のもとへ歩きながら目に入る物を指差してはその名前を口にする。
けれどコプリンは真似して指差しはするものの、声に出るのはやっぱり「こぷ!」で。
「まあ道中は長いんだ、気長にやればばいいさ」
クラルスが言った。
「そうだね、赤ん坊だって突然ペラペラ喋り出したりするし!」
ペラペラかどうかはさておき、ニーラが言う様に言葉のシャワーを浴び続ける事で何かのスイッチが入る可能性はある。
「よし、ならありったけ詰め込んでみるか」
ティラミスが向こうの市場を指差した。
「あそこなら物は豊富だし看板もある。値札もあるから数字も覚えられるだろうし、あとは買い物の練習もしないとな」
「ああ、金の概念や使い方を覚えられれば今後も困らないだろう」
施設に行くにしろ、戻るにしろ――とクラルス。
「コプリン、お小遣い貰ったんだろう?」
ティラミスに言われ、コプリンは最初首を傾げていたが、「こういうのだよ」とコインを見せられ、ポケットから一掴みの小銭を取り出した。
「じゃあ、そうだな……ちょうど小腹も空いたし、パンでも買ってみるか」
ティラミスはコプリンに好きなパンを選ばせ、その手からコインを選んで差し出そうとする。
が、コプリンはぶんぶん首を振ると慌てて手を引っ込めた。
「取られちゃうって思ったのかな? そうだね、女将さんから貰った大切なモノだもんね」
ニーラがコプリンの頭を撫でる。
「でもねコプリン、それはお金っていうんだよ」
お手本を見せようと、ニーラは自分のお金でパンを買い、コプリンに手渡した。
「ね? こうやって交換するものなの」
「……こぷ!」
こくりと頷くと、コプリンは豪華なケーキを指差してコインを差し出した。
それはちょっと、お小遣いじゃ買えないかな。
その辺の事も少しずつ覚えていこうね。
買い物を済ませ、一行は馬車のもとへ。
「これは馬だ、後ろに立つと危ないからね」
足で蹴り上げる真似をしながら、クラルスが上手な付き合い方を教えてみる。
「後で一緒にブラシを掛けてあげよう、そうすると喜ぶんだ」
馬車に乗り込んだら食事の時間だ。
「そうだ、今回は土産を持ってきたぜ」
ティラミスが荷物から何かを取り出す。
「チョコレートっていうんだ、こいつをこう……」
パンに塗って「美味いぞ?」と差し出すと、夢中で頬張ったコプリンは「こぷ!」と鳴いた。
「そういう時はおいしい、或いはごちそうさま……もっと良いのはありがとうだ」
ネモ先生の教えにも、やっぱり「こぷ!」だ。頷いている所を見ると理解はしている様子だが。
そしてゴトゴト馬車に揺られながら、突如始まるディアン先生の算数教室。
(この歳の子供は移動続きじゃすぐ退屈しちまうもんだからな)
ついでに数も覚えられれば一石二鳥と、途中で拾ったどんぐりを床に並べてみる。
ガタゴト揺れる馬車の床は不安定で、どんぐりはコロコロ転がり、それが面白いとはしゃぐコプリン。
「うん、まあいいか……じゃあ、今転がったのはいくつだ?」
「こぷ?」
「いち、にい、さん……」
転がったどんぐりを拾って、サイラスは数えながら並べ直してみた。
「数の練習だ。これが出来たら、おばちゃんの手伝いが出来るよ? お出かけの後で披露したら褒められるかもしれないね?」
おばちゃんと聞いて、コプリンは急にそわそわと帰りたそうな素振りを見せる。
「あっ、ほらコプリン、あれはコスモスの花畑だよ! 綺麗だねぇ」
ニーラが上手く気を逸らし、コプリンの意識は再び目の前の事に向けられた。
「川があるね。お魚さんがいっぱい泳いでいるんだよ。食べるとおいしいね!」
その声に、今度は「ぐぅ」と腹が鳴る。
「よし、じゃあおやつにするか!」
ディアンは秘蔵の干し肉をちょびっとだけ分けてやった。
「お前に噛み切れるか……おぉ、歯並びすごいな!」
え、もっと欲しい?
「それじゃもう少し遊んでからな!」
同じ事ばかりでは飽きるだろうから、今度はお絵かきの時間だ。
まずはディアンが紙にインクで自分の似顔絵を描いてみせる。
「ほれ、真似してみ?」
上手く描けるようになったら女将の顔を……いや、思い出させたらホームシックになるだろうか。
昼間散々動き回って頭も使ったせいか、宿に着くなりコプリンは倒れるように眠ってしまった。
付添達はその間に、居間に集まって大人の話を始める。
「さてはて、女将も自身にもコプリン坊やにも酷な選択をしたことだな」
ベルク・オスマットが口を開いた。
だが、そこに「そうか?」という声が返る。ディアンだ。
「正直な話、俺はゴールディの施設へ行かせるのが最善だと考えている。せっかく世界を知れるいい機会がやって来たんだ、新天地で感性を育てるのもありだろう」
周囲の何か言いたそうな顔に対して、ディアンは「まあまあ」と言う様に手を振った。
「……が、それはもうちょいあいつが成長してたらの話だ」
コプリンはまだ幼い。
「一番愛情を注いでくれる人物の近くで育つのが一番なんじゃないか?」
「選ぶのは彼自身」
ロサードが言った。
確かにこの選択は難しい。今の生活で彼も周りの人も幸せなら、現状維持も良いだろう。でもゴールディならもっと色々な事を経験して世界を広げる事が出来るかもしれない。
正しい選択なんてきっと誰にも――本人にも、ずっと後になってからさえ、わからないかもしれない。
けれどだからこそ今の彼の意思を尊重したいと、ロサードは思う。
「きっとこの旅での新しい経験は、彼がその選択をする助けになる」
ただ、もし戻るとしても彼の希望だけでは決められない。
「最低限、おかみさんの同意もとらないと」
生活費云々の問題等、解決すべき課題は多い。
「コプリンの為とかじゃなくて、彼女はどうしたいかを聞きたい」
「あの様子だと一も二もなく歓迎って気はするがね」
ベルクがひょいと肩を竦めた。
「ところで我等オスマット族は悪戯大好きな狐の半獣部族でな」
ニヤリと笑い、続ける。
「送り出して無事届けたと報告されたはずの者が何故か戻ってきていて抱き着いてくるとか、実にいい顔が見られそうな悪戯だとは思わんかね? まぁこの辺りは坊や次第だが」
それからも、一行はコプリンと遊び、時には叱り、色々な事を教えながら旅を続ける。
やがて旅にも慣れてきたコプリンは、少しずつ夜更しになっていった。
「まだ眠くないか? じゃあひとつ手品を見せてやろう」
ティラミスが手品でコインを消し、それをコプリンの耳の後ろから取り出して見せた。
「こぷ! こぷ!」
コプリンは手を叩いて大はしゃぎ、もう一回と何度も催促し、終いには自分でやって見せようとする。
「これじゃ興奮して眠るどころじゃないな」
「なら、これはどうだ」
サイラスが子供達に人気の昔話「猿蟹怪獣最終戦争」を語って聞かせるが……続きを催促されて、やっぱり眠れない。
漸く眠りに就いても油断は出来なかった。
(逃げられても困るし、寂しくて眠れないのも困るしなぁ)
タダで宿泊出来てゴールディに行ける上、おばちゃんへの点数稼ぎにもなると聞いて参加したのだが、仕事は仕事。
(何も考えず遊ぶわけにもいかないよなぁ)
睡眠を短時間で済ませたサイラスは、途中で買った無害に踊る大根を弄びながら、夜中にコプリンの様子を見守っていた。
ベルクも隣の部屋で聞き耳を立てて様子を窺っている。
と、室内で何か物音がした。
二人がそっと覗いてみると……ほかほかと湯気の立つベッドを前に、途方に暮れるコプリンの姿があったそうな。
翌朝。
「おはこぷ!」
元気な挨拶で、冒険者達は起こされた。
昨夜は皆が総出でシーツを洗ったりマットレスを乾かしたり、コプリンを着替えさせたりと、大半の者は寝不足だったのだが――その一言でシャキッと目が冴える。
中途半端な合成語になってはいるが、それでも大した進歩だ。
朝食もそこそこに、ネモ先生は今までに教えた言葉を復唱させてみる。
たたこぷ、おかこぷ、いてりゃこぷ、ありやこぷ、とーいたちこぷ……そして、おはこぷ、おやしゅこぷ。
「いらっしゃーこぷ!」
教えていない言葉まで。これなら女将の手伝いも出来そうだ。
「誰もが最初は拙いものだ。しかし今、これだけ単純に一言、伝えたい事が伝えられるのだぞ」
ネモの表情は変わらないが、その声には満足そうな響きがあった。
「此方はその言葉を誰に一番聞かせたいと思う」
問われたコプリンはディアンに貰った紙を取り出し、インクで何やら描き始め――
「こぷ!」
幼児特有の画風で描かれたそれは、正直ヒトであるかも怪しいものだ。
だが皆の目に、それはあの女将の姿にしか見えなかった。
「ただ人懐っこいだけじゃない、誰が一番愛情をくれるかわかってるんだろうな」
ディアンがその頭を撫でた。
この後どうしたいかなど、もう訊くまでもない気はするが、現地で気が変わる可能性もある。
一行はゴールディに向け、再び馬車に乗り込んだ。
無事に着いたら、まずは観光だ。
「ほら、ゴブリンの仲間達がたくさんいるでしょう?」
ニーラはコプリンの手をとって大通りを歩いて行く。
「これまでの町とは比べ物にならない程にね」
けれどコプリンはニーラの手をぎゅっと握り、落ち着かない様子で辺りを伺っていた。
「……あ、そうか」
この子はゴブリンの荒くれ者の中で育ったのだ。
自分と似た者達は怖いと思っているのかもしれない。
「こぷ、しゅてるこぷ?」
突然、大きな目に涙が溢れる。
「えっ……違う違う!」
ニーラは慌ててコプリンを抱き上げると、広場のベンチに皆を集めた。
「コプリン、此処はな、コプリンと同じ種族……見た目が似てたり、言葉を話せるひとが沢山いるところだ」
クラルスが隣に座る。
「今はまだ知らない人が多いが、此処に居たら仲良しが沢山出来て楽しくなる……かもしれない」
「すぐ帰ればおばちゃんと暮らせるけど、今後おばちゃんも苦労するだろう」
サイラスが言った。
「ここの施設では色んな事が学べる。頑張ってから帰ればおばちゃんの助けになれるかもな」
さあ、どっちがいい?
だがすぐ目の前の慣れ親しんだ未来と、全く知らない遠い未来。その二つを比べて選べと言われれば、大人だって迷うことだろう。
「すまない、忘れ物をした」
突然、ネモがコプリンの腕をとって走り出した。
「今この世界で生きている以上、距離がどうあれ会えないわけでもないが。余輩は伝えられる時に、伝えたい事を伝えるべきだと思った。余輩は後悔したからな!」
だが、いくらも行かないうちにベルクに追い付かれてしまった。
「そんなに戻りたいなら安心するといい」
力づくで連れ戻されるかと思いきや、ベルクはその顔に笑みを浮かべている。
「それが其方の意思なら我はオスマット族の誇りにかけてその意思を尊重して連れ帰ってやろう」
とは言え、施設も準備を整えて待っている筈だ。
「先に詫び入れしに行かねばならんがな」
迎えに出た職員の前で、ディアンが目線を合わせてコプリンに尋ねる。
左手で施設を指し、右手でコプリンが描いた女将の似顔絵を掲げ――
「どっちがいい?」
コプリンは勿論、迷わず似顔絵を指差した。
「じゃ、それをお土産に持って帰ってやらなきゃな」
笑顔を返し、頭を撫でる。
「ここなら安定した生活と教育が約束されているんだろう」
それは理解しているが、とティラミスが職員に告げる。
「本人が少しでも慣れた場所が良いならそっちの方が良いだろう」
「すまない!」
ネモが頭を下げるどころか寧ろふんぞり返る勢いで言うと、職員も思わず笑い出した。
「これからコプリンが色々なものを見て、成長していく中で、やっぱり別の道を選びたいと思う事があると思う」
その時は彼の意見をちゃんと聞いて、力になってあげてほしい。
そう言って、ロサードは丁寧に頭を下げる。
戻ったら女将にも同じ事を頼むつもりだった。
「それじゃ、女将さんのいる食堂に帰ろうか」
ニーラが笑いかける。
「あ、でも街の見物が途中だったね。あとお土産も買わないとね!」
お小遣いで買ってあげたらきっと喜ぶだろう。
「でもさぁ、女将さんにはさ、コプリンの笑顔が一番のお土産だよね!」
そしてコプリンは帰って来た。
「女将さんはな、コプリンが大好きだからコプリンが一番楽しいと思う場所に居て欲しいんだって」
だから大丈夫と、クラルスが不安げな背中を押す。
小さな食堂にはロサードとベルクがそれぞれの思惑を持って先行していた。
けれど二人が口を開く前に――
「まま! たたいまこぷ!」
サプライズはもうそれで充分だろう。
「待ってる、って女将さんも言っただろ……嘘にしちゃ寂しいって」
クラルスが笑う。
置いてやったらどうだと、改めて言う必要もなさそうだった。
後日、施設にはギルドの使者だという、黒スーツのリザードマンが正式に詫びを入れに来たとか――
マスターコメント
ショートシナリオ易しい 報酬:多い8 / 4〜8人
2020年12月09日 11時20分50秒 公開
参加者
- クラルス
ティラミス・ノーレッジ
- サイラス
- シュナイダー ロサード
ディアン
ベルク・オスマット
- ネモ
ニーラ・メッコ
相談掲示板
キャスターのニーラ・メッコです。 よろしくね!
お?なんだ、あのチビっ子元気にやってるじゃねぇか安心したぜ。 シーフのティラミス・ノーレッジだ、宜しく頼むぜ。
おいっす、ウォーリアの傭兵ディアンだ! 見知った顔も初顔も、気楽によろしく頼まァ! 依頼内容を聞いてるとどうもほっとけなくてな、コプリンも女将も満足できる結果を探し出せりゃあいいんだが…
No.4
シューター、ロサード・シュナイダー。 よろしく。 …難しい話。 未来の可能性が広がる道、未来の選択肢は狭まるだろうけど2人が笑顔になれる道。 どちらを選ぶのが、彼にとっての幸せ?
No.5
今回はよろしく頼む。 話(OP)を聞く限り、余輩はコプリンが店の手伝いを出来るようになれば「仕方なく」女将も置いておく事を許してくれるのでは、と思ったのだが…住み込みというやつだな。 それはそれで、新たな問題も出てくるかもしれないが。 とはいえ、出掛けはする。 道中、余輩は言葉というか簡単な単語を教えてみようと思う。
No.6
サイラスだ、よろしくなー とりあえず施設まで向かうのか否か、あるいは向かいつつ話し合って(?)食堂に居たいと言うなら戻るのか その辺どうする?
No.7
クラルスだ、よろしく。 コプリンがどうしたいかっていうのを尊重してやりたいなぁ。 取り敢えず『楽しいお出掛け』はするか。 施設まで向かって途中で戻ってもいいとは思うが。
とりあえずチョコレート辺りでも土産に持っていってやるかなあ。 まぁ難しい事はわからないだろうし、遊びつつ楽しい旅になるように頑張るか。 施設までは行っても良いかなとは思ってる、宿代はギルド持ちだろう?俺の懐が寂しくならないなら大歓迎さ。 俺も最終的にはコプリンの選択に委ねる方に賛成だな。 んー、あとは…お金の種類や使い方とか【幻影】織り交ぜて遊びながら軽く教えてみるか…。 何らかの選択肢を提示する際にもわかり易いかもしれないし使ってみよう。
遅くなった。 自分もコプリンに最終選択を委ねるのは賛成だ。 とりあえず施設に向かって、道中でコプリンの意思確認して、戻りたいと言うなら連れて帰ればいいだろう。 なんなら施設への詫び入れは我が行ってもいい。(連れていかないことになったら流石に一言ぐらい伝えるべきだと思うので)
そうだねぇ。 とりあえずゴールディの施設までは送り届けようか。 そういう依頼だしね。 そのあと、ゴールディ土産でも買って、コプリンと一緒にリブラネスタまで帰ってくるとか? コプリンが「帰りたい!」って意思表示をしてくれたらね。
No.11
とりま街中回るだけで送らないってことはないのなー了解 詫び入れの方は俺も行きたいなと。
遅くなってすまんが、以前にも交流があるティラミス的には何かコプリンとうまく疎通が取れる方法に心当たりはないか? 俺としちゃ、コプリンが今一緒に住んでる女将との生活をどう思ってるのか、坊主自身の気持ちをより細かく聞ける手段が欲しい。
No.13
流れは了解。 本人の意思で決められるなら、それが一番大事。 もしもお詫びにいかなくてはいけない事態になったら…その時は私もご一緒させてほしい。 施設の人にも話しておきたい事がある。
うまく疎通できる方法…まぁ人間の1~2歳児を相手するみたいなイメージで良いと思うぜ。 なんせ言葉はわからないし難しい事もわからない、同族とも意思疎通が出来ているか怪しい感じだったな。 でも声の抑揚等で何となく意思は伝わるし、薄っすら善悪の判断は出来るってことろか。 そうだな…パッと思い付くのは簡単な絵を描いて指差しさせたりイエス・ノーを聞く方法とか良いんじゃないか?
かまわない、詫びに行く場合は道中で引き返した場合になる。施設まで行った後だったらその場で伝えられる話にもなるのでな。女将の元に帰してから施設に行く形でいいかな?>サイラス殿、ロサード殿
No.16
詫びの方はおかみさんとこやった後でも問題ないよ。異種族語持ち込むからフォローとか出来たらするつもり
No.17
施設側のフォローは挙手してるひとに任せるよ 意思疎通に関しては絵とかで解り易くして選んでもらうってのも良さそうだね 難しい言葉は理解できない可能性も高いし、話しかける時は成るべく解り易い表現も使っていこう
紙を使った意思表示か、こいつは使えそうだな… 俺も施設側へのフォローは皆に任せて、コプリンとどう旅の中で接するかに集中させてもらおう!
No.19
了解。ありがとう、ではその方向で動く>ベルク コプリンとの意思疎通…なかなか難しそう。 私も私なりに精一杯言葉は伝えたいけれど。 …頑張る。 まずは、コプリンにとって楽しいお出かけになるように。