【秋祭】隣町の収穫祭に行きたい!
狐野径
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シナリオID:112
オープニング
風は涼しく空高くなり、ロスガリア大陸に収穫期が訪れた。
農村では収穫作業に追われる日々。日の出から日の入りまで、穂を刈る小気味のいい鎌音や脱穀の音が絶えず響いている。
村から町をつなぐ道には収穫を積んだ荷馬車が行き交い、町側もまたそわそわと気忙しさに包まれていた。
収穫が一段落すると何が行なわれるか。そう、――収穫祭である。
多種多様な風土や宗教が混在するロスガリア大陸でも、この時期になるとそれらの枠を超え、各地で一斉に収穫祭が行われるのだ。
元々は秋の恵みに感謝する純然たる収穫祭だったが、いつの頃からか魔物除けや鎮魂祭としての側面を持ち始めた。
実りの季節であると同時に、夜闇が日毎濃く長くなり行く時期でもある。悪しきものに憑かれぬよう魔物や亡者に仮装をしたり、死者の魂を慰める催しをしたりと、祭りの内容は村や町により様々だ。
●エラトゥーン都市同盟、とある村
「お祭り行きたい!」
「たい」
ヴェル・コルトゥーラ(姉10歳)とローザ・コルトゥーラ(妹3歳)は農作業の準備をしていた両親に声を上げる。
「行かないっ」
「行きたいっ!」
「たいっ!」
再度ヴェルとローザは言うが、父親は「行かない」と答えた。
「うううう」
口をとがらせるヴェルを見て、ローザもまねをする。
「収穫中だから、忙しいんだよ」
「行きたいよぉ」
ヴェルはふてくされる。
「駄目。ローザの面倒をみて遊んでて」
両親は出かけた。
「隣町の収穫祭……楽しそうなのに……はぁ……」
ヴェルに言葉にローザは首を傾げる。
ヴェルの住む村でも収穫祭はあるが、実りに感謝して、みんなで飲んで食べておしまい。
余興はあるけれども、村の誰かがするため、毎年見ている。
隣町の収穫祭は大道芸が来たり、楽団が来たり、様々な催しがあるというのだ。
「いいなー。あたしも行きたいよー」
「よ? ローはね、ありさんとぽつとむぎがいいとおもうの」
「……あああああ」
ローザが理解できないのは分かるが、ヴェルは腹が立つ。
「隣町、一人で行けばいいんだ」
とはいえ、子守を頼まれている。
ローザはお気に入りの人形を振り振り歌って踊っている。
「……あ、そうだ! まだ、間に合うかも!」
「かも?」
「ロー、大人しくできる?」
「るー?」
「楽しいこと、お祭りに行くんだよ」
「くー!」
ローザはびょこびょこ跳ねる。
「かくれんぼして出かけるんだからね」
「ロー、ぼ、できなのっ」
ヴェルは貯めた小銭を財布に入れ、肩掛けカバンを提げる。
今から行けば、隣町に農産物を運ぶ馬車に間に合うはずだ。その馬車にこっそり乗っていけばローザがいても簡単につける。
帰りはちょっと歩くことになるかもしれないけれども。
ローザを連れて、ヴェルは村の入り口に向かう。
ちょうど収穫物を積んだ馬車がいた。持ち主を確認後、荷台に乗る。別の街に行くものだったら意味がない。
「いい、ロー? 静かにするのよ」
「うん」
ローザは大人しく人形を抱きしめ、壺の陰に隠れた。
馬車は出発する。
●依頼
ヴェルの両親は農作業に出掛けたが、やはり二人を祭りに連れて行ってあげようということになった。ヴェルに手伝ってもらえばいいのだ、翌日に。
二人は少々作業して自宅に戻るが、もぬけの殻。
「隣の家に行ったのかしら?」
両親は隣の家に行く。ヴェルやローザと年の近い子どもたちいるから遊びに行っているのかもしれないと考えたのだ。
「え? ヴェルなら、ローザ連れてあっちに行っていたよ?」
両親はその証言をもとに、向かう。
村の入り口方面に行く途中、何人かに目撃されている。ただ、馬車が止まっていたところから目撃が消える。
「……まさか……と思うのだけど?」
両親は頭を抱える。
ヴェルならやりかねない、馬車の荷台にこっそり紛れて出かけることを。
「でも、違ったら? 村の中にいるかもしれないし……?」
どうしたら良いのだろうか?
冒険者たちが通る。
両親が声を掛けると、隣町に報告のために戻るというのだ。
「うちの子どもたちを見つけたら、連絡くれませんか。そのとき、お礼は致します」
その申し出を受けても良いし、受けなくてもいい。
子どもたちが自分たちで歩いているならば、三歳児がいる状況なので、すぐに追いつくだろう。馬車に紛れ込んでいる場合も急げば途中で追いつく。なぜならば、荷物もあるためスピードは速くはないからだ。
馬車は順調に進んでいる。
ヴェルの一番の心配はローザがぐずることだった。幸いなことにローザは昼寝をしている。
馬車が突然止まった。
ヴェルは嫌な予感がして荷台から頭を出した。
街道のそばにある林から何か出てくるのが見える。
「……オオカミ?」
この時期にオオカミが出てくるということはおかしいとヴェルは思う。
すぐにわかるが、オオカミどころか動物ではない。
大きさはその倍はあるだろう。
目が三対、目つきが鋭い感じがした。
ヴェルはローザを抱きしめる。
隠れていれば見つからないかもしれないと考える。それに、馬車の人がすぐに動かすかも知れない。
「守らないと……どうしよう……どうしよう……あっ……」
ローザが目を覚ました。
「ヴィー? どー?」
「しっ」
ヴェルはローザの口をふさいだ。
うなり声が近づいてきた。
人の悲鳴が上がった。ヴェルはローザを抱きしめ、震えるしかできなかった。
クリーパーは一体ではない。
ヴェルから見えないけれども、馬車を足止めしたのはもう一体が道をふさいだからだった。
解説
マスターより
リプレイ
仕事帰りに、通り過ぎるだけの村だった。しかし、子どもが行方不明という話を聞き、手伝う必要もあると思った。
アルマ・ヴァレンタインは「迷子かー」とつぶやく。
「ボクも身に覚えがあったり、なかったりするからね……お手伝いするよ。村にいればそれでそれで問題ないし、すぐに馬車の方を追いかけてみようかなって」
仲間に問う。
ロベリアは話を聞き、報酬もあるため仕事だと考えるとともに子らの心配をする。
(元気いっぱいで行動的なことはいいことだけど、それが危険につながることは多々あるね。必ず見つけてみせよう)
迷子に関する情報を聞いておく。
「迷子の理由の心当たりと子どもの名前と特徴は?」
両親は応える。
姉がヴェル・コルトゥーラで10歳、妹がローザ・コルトゥーラで3歳。特徴については身長と髪型などが伝えられる。
心当たりは隣町の収穫祭に行きたがっていたこと。両親が一度は「連れて行かない」と言ったことが挙げられる。
セリオス・オーガストは話を聞き「馬車に乗っているという最悪の状況もありえる」と考える。
「すぐに追おう。馬車に乗っている可能性は否定できないだろうから。もちろん、村の中で隠れているかも知れないが……」
イヴェール・イリュジオンは話を聞くと「余程お祭りに行きたかったのでしょうか」と思う。町の祭りの噂から興味引かれたのは間違いない。
「親に内緒で子どもだけで出かけるのは許容できませんし、もしもの時を考えたら心配ですからね。急げば追いつけそうですし、早めに連れ帰ってあげましょう」
百鬼 朱羅は子どもたちの様子を考えると憂う。何もないはずの道が、クリーパーや悪人により、一瞬で危険な道になることもある。
「急いで追いかけましょう」
村の中は両親や、手の空いた村人が手伝うだろう。子どもたちが出かけたことを想定し、一行が追いかけることで探す範囲は広くなる。
ディレイン・オールドケイジは「んー、まあ、十中八九……だよね。一仕事後とはいえ全力で走るしかないな」と内心つぶやく。そして、出発前に必要な情報を考えた。
「町に行ったはずの馬車はどういうのか、その御者をしている人の名前や見た目を教えてくれるかな?」
子どもたちが乗っているかどうかは別として、その馬車の人に話を聞く必要もある。
名前と積んでいるのはツボに入れた物と、藁だという。
冒険者たちは急いだ。話を聞く限りでは、追いつけそうだった、
●敵発見
心配ごとを持って進むとなると道のりは長く感じる。
道は緩やかに曲がったり登ったり下りたり、決して平坦ではないが、険しかったりはしない。
だからこそ、ヴェルは「行ける」と考えたのだろう。
基本明るい道であるが、見通しが若干悪いところにくる。
近くに灌木や茂み、林が出てくるのだ。
セリオスが目をこらすと、進行方向に荷馬車らしいものが見えてきた。詳細を知るには近づく必要はあるが、動いていないようだった。五感を研ぎ澄まし、状況をとらえようとする。
「なんかあったのか?」
セリオスが目視できるようになってからも、一方的に近づいている感覚だ。
馬車の故障か、それ以外の要素で止まっているかはわからない。
「馬車ですか?」
イヴェールが問う。
「地形が邪魔で見えない」
「急いで確認したほうが良いね?」
ロベリアの言葉に、イヴェールは「分かりました。先に行きます」と言う。
「気をつけて」
「何かあったら声を掛けてよね」
セリオスとアルマの言葉にイヴェールは「はい」と答え、走るスピードを上げた。
他のメンバーも全力で走り、追う。
ロベリアは考える。急がない理由はないし、すぐに荷台は確認した方がいいだろう。
イヴェールは少しでも近づくために【チャージング】をこまめに用いる。
状況が明確に見えるところに一足早くたどり着く。
荷台のそば、林のある近くに動物のようなモノがいる。
野生動物にも見えるが、形状が違う。
オオカミよりは大きいし、毛並みも尋常な色ではない。色が奇妙であるだけでなく、目が三対ある。
「魔物ですっ!」
イヴェールは振り返り、仲間に声を掛けた。
自身は木の大剣を手に、その魔物めがけ走る。
「冒険者です! 助けに来ました」
御者は見えていないが、声を掛ける。
魔物は荷台に向い飛びかかるが、高さが足りず一旦後方に戻った。
「させませんっ!」
イヴェールが鉄の盾を持ち、割って入る。
御者台の方から「冒険者? 助かりました」という声がする。
「正面にもいます」
「分かりました」
御者に応える。馬を止める物もいると考え、前に向いたい。
ただし、荷台のそばにいる物が荷台に上ろうとしているのは引き留めたい。そうなると、仲間の到着が必要だ。
魔物がいる、というイヴェールの声が届く。
「それで馬車が止められている訳だね」
ロベリアは飄々と言うが、そこにいるはずの人はどうなっているのか。
二体いるということがイヴェールから追加情報として来る。
「先に確認した方がいいかな」
ロベリアは荷台の状況について考える。
「中にいるかも知れないからか」
ディレインにロベリアはうなずいた。
アルマは名案に「あっ!」と小さく言う。
「先行ってね」
アルマは一端足を止めると、大きく息を吸った。注意を引きつけるように、拍子を打つ。
パン、パンという澄んだ音が響いた。
「いま、助けに行くよっ! もうちょっと待ってね!」
馬車の周りにいる人間には助けが来ることがわかるように、魔物にとっては別の物が来るという注意になる。
音がしたため、荷台の横の魔物は視線を逸らした。
「そろそろだな」
セリオスは足を止めると、矢をつがえる。
射程をとらえ攻撃を開始した。荷台のわきにいる敵に対して素早く二射する。
魔物は射られたことにより、荷台よりも冒険者に意識を移した。
イヴェールは正面に急いだ。
正面にいた魔物は馬に食らいつこうとしていた。御者は馬を動かし逸らそうとしていた。
しかし、魔物がいるため近づけないし、馬はつながれているため、思うように行動は取れない。
そこに魔物の牙が迫ったところで、馬が大きく動く。
イヴェールは馬を回避し、魔物に向う。
荷台から子どもたちの悲鳴と鳴き声が響く。
「びぎゃあああああああああああ」
「うわああああああああああああ」
冒険者たちは、荷台に子どもたちがいることを知る。
「それまでですっ」
イヴェールはすぐに魔物に向って剣を振るう。馬に踏まれる危険もあるが、馬を落ち着かせるのは御者に任せる。
魔物はイヴェールの攻撃を回避する。馬を狙いたいようで、イヴェールにうなり声を上げた。
「私が相手です」
イヴェールは魔物と対峙した。
ロベリアと朱羅は荷台に向う。
魔物は冒険者に走り出す。
ディレインは【堅甲】を用い、魔物の方に向う。キャスター二人に攻撃が行くのを避けたい。
荷台が揺れたとき、子どもの声がした。
「やっぱりいたか」
ディレインは渋い顔になる。いることは想定にあるだが、魔物がいる以上、大変危険な状況だ。
近づく二人を見つつ、セリオスとディレインは魔物に攻撃を重ねる。
それは回避されることも多い。
「素早いか……これでどうだ」
セリオスは焦らず、【重撃射】を使う。動きを鈍らせられれば、攻撃しやすくなる。
セリオスに並んだアルマは状況を確認する。
「回復はいらないね? じゃ、ボクも前に出るよ。結界張るかは状況によるね」
アルマは硬木の戦槌を手に魔物に打ちかかる。
ロベリアは荷台と戦場が近すぎるため、まずは子どもたちはそのまま守る方が良いととらえた。
怯えて飛び出てくる場合は落ち着かせて行かねばならないが、今は逃がす方が危険だ。
「荷台にいるのはヴェル君とローザ君かな? キミたちの両親にお願いされて、収穫祭を抜け出して迎えに来た魔女だよ」
ロベリアは話しかけた。
「頼むから早まったまねはしないでちょうだいね」
朱羅は子どもたちの行動が見えないため、心配しつつ状況を見守る。
「魔女?」
ヴェルの声が返る。
「そう、魔女だよ。ほかにも仲間もいるよ」
「ヴェルちゃん、ローザちゃん、そこに隠れていて下さいね」
ロベリアと朱羅は告げた。
「うん」
荷台から飛び出さないというのを信じて、魔物に攻撃を開始する。
朱羅が【フリーズボルト】を放ち、続いたロベリアは【魔導の潮流】から【フリーズボルト】を放つ。
イヴェールと対峙している魔物は鋭い爪で薙ぐ。それは盾で防がれるが、激しい音を立てる。
「こちらから行きます」
イヴェールは魔物の足止めだけではなく、倒しきることを意識した。その気迫が魔物の動きを左右するかもしれないし、早く倒す方がいいに決まっているのだ。
イヴェールは攻撃を叩き込むが、魔物は回避する。
「すばしっこいですね……」
守るために、構える。
セリオスの矢をよけた魔物はその先でアルマとディレインの攻撃を受ける。
そこにロベリアの魔法も加わった。
相当な攻撃を食らい、魔物は倒れた。
「まだいるんだよね」
アルマは言う。
「ヴェルちゃん、ローザちゃん無事?」
朱羅が声を掛けると「うん」と声がある。
「もうちょっとで怖いのは倒すから、荷台から離れてくれるかい? あのお姉さんのそばにいてくれるかな」
ロベリアの言葉にのそのそと荷台から動く音がした。
「はい、任せてよ!」
アルマが手を挙げて、子どもたちを待った。
この場を任せて、朱羅とロベリアも前にいる魔物に向った。
一体魔物が倒れた時、セリオスとディレインがイヴェールに加勢していた。
イヴェールは耐えていたし、攻撃も加えていたが、さすがに無傷ではない。
加勢が入ったところでイヴェールは【ヒール】を用いる。
その後、冒険者たちの連携により、すぐに魔物は倒されるのだった。
●安堵と
周りに魔物がいないか、確認したり、荷馬車の持ち主に説明をする必要がある。
「――というわけで、子どもが乗っているらしい」
ディレインの説明に農家の人は驚き、荷台を見る。
「まー、あの嬢ちゃんは元気だからねぇ」
納得したようだった。
ディレインは様子を見に荷台の方にいく。
(子どものなだめ方なんて、頭なでるくらいしかわかんないなぁ)
仲間がどうなだめるのか見る。
アルマが「魔物はいなくなったよ」と言った瞬間、状況を理解しているのかローザが泣き叫んだ。
「え? ええっ! ほらほら泣かない泣かないー」
アルマは慌てる。ヴェルも慌てる。
なかなか泣き止まないが、暫くすると、ヴェルに背負われて、静かになる。
ローザは「も、もっ」といいながらセリオスの方を見ているようだった。
ヴェルは口をとがらせて、下を向いている。
「大丈夫かい? ローザ君は泣き止んだね。あやすのがうまいんだね」
ロベリアはヴェルに微笑む。
「そうだ、説明しないとね」
ロベリアが言うと、二人が行方不明で両親が探していること、通りすがりの冒険者がそれを引き受けたこと、たまたま魔物が出たことを順序立てて言う。
「無事でよかったです。ヴェルちゃんはローザちゃんを守ったのね」
イヴェールは怒るのは親の仕事だと思い、ほめておく。
「さて戻ろうか」
セリオスは促した。
戻るついでに道の状況も確認できる。
「さて、こういう怖い目に遭うんじゃないかって親御さんが心配してたのわかっただろ? 帰ったらごめんなさいするか」
ディレインとヴェルが不安そうな顔になる。
「説教をしてもらわないとな」
セリオスが言ったことに、ヴェルはしょんぼりする。
「元気な姿を見せないとね」
アルマに言われ、しぶしぶヴェルはうなずいた。
「祭りに行きたいなら、謝った後、ちゃんと頼まないとな。そうだ、あんたも戻った方がいいんじゃないか? 馬車の不具合や荷物のチェックもあるだろう?」
ディレインは農家の人に提案する。
「大丈夫だとは思うけれども……」
馬の状況もあるため、戻った方が安心のような気もするようだ。
「俺たちも彼女たちを送った後、町に戻る。ついでの護衛ってなるわけだ」
魔物は討伐されたとはいえ、いまいち不安も残るのも事実だ。
農家の人は戻ること、再度、一緒に向かうということに同意した。
村に戻ると、ヴェルたちの親と一緒に探していた村人たちが、馬車と冒険者に気づく。
ヴェルは両親を見て、冒険者に隠れる。
ローザはとけとけと親の方に走っていく。
「よ、よかった無事で」
馬車に乗っていたこと、魔物が襲ってきたことなど、冒険者が説明する。
「なんてお礼をいっていいのかっ」
両親が頭を下げる。
「ヴェル!」
両親の厳しい声が響く。
「だって、だってっ!」
ロベリアの後ろに隠れ、ヴェルは涙をこぼす。
ディレインはヴェルの頭をなで「謝ることは謝らないと」と告げ、背中を押す。
「ヴェルちゃん、自分のしたことわかってる?」
朱羅が目線を合わせて告げる。
「下手したらローザちゃんも巻き込んで危ないところだったのよ」
「ううっ」
ヴェルはちらりとローザを見た。ローザは泣いていないが、横隔膜をヒクヒクさせている。母親にしがみつき、何か言っている。
「ごめんなさい……」
「わかっているなら良いわ。二度目は決してしないこと」
「うん」
「お姉さんたちとの約束よ」
ヴェルは泣きながら親にごめんなさいと謝る。
「せっかくのお祝いの日だし、あまり怒らないであげてほしいなぁ」
アルマはつぶやく。
両親はヴェルを抱きしめる。ヴェルは「わああああ」と大きな声をあげた。
集まっている村の人は「良かった」と口々に言い立ち去る。
冒険者は一段落付くのを待っていた。
収穫祭に連れて行くということで意見はまとまっていたのだ。
「さあ、お祭りに行こう!」
「せっかくのお祭りだ、怖い事を忘れるくらい楽しもうよ!」
アルマとロベリアがにこにこという。
ヴェルは喜んでいいのか、どうしていいのか分からない様子だ。両親の顔をじっと見ている。
「今日、連れて行ってあげようということになったの」
「だから、二人がいないことに早く気づいたんだ」
両親が告げると、ヴェルは顔を明るくした。
「怖い思い出になるのも嫌ですから」
「私たちが連れて行けば安全です」
イヴェールと朱羅が言う。
「乗りかかった船だ。一緒に行こう」
セリオスが促した。
「こっちも仕事だしな」
ディレインが馬車を指さす。
馬や荷馬車の状況は問題ないため、出発できる。
「準備が整いましたら出発ですね」
イヴェールの言葉に、コルトゥーラ一家は急いだ。
今回の道中は何事もなかった。
町に到着後、それぞれ仕事もあるため、冒険者と農家の人、コルトゥーラ一家は別れる。
「あ、あの……ごめんなさい。助けてくれてありがとうございました」
ヴェルは別れる際にしっかりと頭を下げた。
涙の跡はあるけれども、すっきりとした笑顔だった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準6 / 4〜6人
2020年11月09日 12時47分06秒 公開
相談掲示板
百鬼 朱羅と申します。 皆様、宜しくお願い致しますわね。
ウォーリアのイヴェール・イリュジオンです。 今回はどうぞよろしくお願いいたします(ぺこり)
ヒーラーのアルマだよ。 6人編成の依頼は初になるかも、どーぞよろしく。
やあ、ボクはエルフのロベリア。 見ての通り、悪い魔女さ…見知った顔も居るね、皆、よろしく頼むよ。 いや~、親の心子知らず、子の行動親に予想できず(?)とはこの事か! 馬車に乗ってたら子供二人で隣町まで行っちゃうんだろう? どうせ隣町に報告に行くんだ、馬車を追いかけてやってもいいんじゃないか?
・・・ん、シューターのセリオスだ、よろしく頼む
ヒーラーのディレイン・オールドケイジだ。 まあよろしくな。 村の中は住人でも探せるだろうから、それ以外の可能性を俺たちが、ってなるのが自然かねえ。
6人だし、挨拶は出揃ったね! (子供の状況などはPL情報ですが、対応の相談しない訳にもいきませんし襲われている前提で書き込みしちゃいますが悪しからず) >子供の捜索 ボクは悪い魔女だからな…両親の言う事聞けない悪い子は放って置けなくてね(薄っすら笑みを浮かべて) 皆が問題なければ…ディレイン君の言うように村の中は両親や住人に任せ、ボク等は馬車を急いで追っていくので大丈夫かな? 追う前に準備したり、追う方法に案がある人が居れば聞かせてくれると嬉しいな。 ボク的には他に馬車を用意するよりはすぐに駆け出した方がいいような気がしていてね。 >追いついた後 戦闘時の連携等をスムーズに行う為(追いついた時に初めて襲撃されている事に気付くので)、ボクは戦術眼のスキルを持って行こうと思うよ。 後は遠くからでも状況確認できるように超視覚か、子供達を落ち着かせるためにカリスマか話術のどれかを持ち込もうか悩んでるね。 今の所は戦術眼と合わせて使える超視覚が有力かな? >戦闘 さて、早めに追いつけたとして100m(20hex)の距離からになる訳だが… 移動力的に直ぐ移動して駆けつけれる人が居ない感じだね。 どう敵の気を惹くかが肝になるかな? 弓を第二武器に持ち込んで威嚇射撃する案も考えているが…ボクみたいに非力だとイマイチかなぁ…
『騎乗』持ちでもすぐ乗れる馬とか馬車を探すの大変そうだし すぐ追いかけていくしかないかなーと 他シナリオなら『あっ!?』と『サウンドボマー』の同時使用で敵の気を引けた事もあったけど 今回のクリーパーに通じるかと子供たちがビックリしちゃいそうでちょっと心配 馬車が射程に入るくらいになったら『光縛封』でNPCを保護するか、 敵の片方を閉じ込めてみようかなとは思ってるけど最初を乗り切るいい案が今の所ない…
走るしかないわな。 少なくとも俺は他に手段はないなあ。 馬車に追いついた時点では、俺たちも農家の人も、馬車の中に子供がいることは知らないわけだな。 農家の人に子供を探してること、中にいるかもしれないことを伝えると同時に、 子供には、いるなら声を出せとか、外に出てくるなとかを伝える必要があるんじゃないかねえ。 農家の人と子供と、固まってくれると守りやすいんだが。 あ、子供の名前だけは親から聞いとくわ。 …馬車前方の敵が見えないってことで、勝手に幌付きの馬車を想像してたんだが、 その辺は明記されてないのか。
>あっ!とサウンドボマー ボクも以前、サウンドボマーと声帯模写で相手の気を惹く事に成功した事があるので、アテにしすぎるのは良くないかもしれないが、試してみる価値はあるかもしれないな! 子供達への配慮はボクも悩んでる所だが…クリーパーに言葉は通じないし、商人へも助太刀が来た事を伝えるために「助けに来ました!」と爆音で呼びかけ、言葉が分からないクリーパーはビックリ、襲われてる面々には安心を届けるっていうのはどうかな? 多少時間が稼げるだけでも、全力疾走してるメンツは間に合うと考えるよ。(1ターン気を惹ければ全力疾走なら20hexは走り切れるはず) >子供の名前とか そうだね!親から聞いて助けに来たと言っても、自分の名前を知っている者の方が子供達も安心するだろう。 >馬車について 収穫物を運ぶとの事だし、ボクの幌付きの馬車をイメージしていたかな。 まあ、そうじゃなかったとしても…それなりのサイズの敵が隠れる程なので、子供が紛れても気づかない程には大きいんじゃないかな~とは思う。
>子供の捜索 私もすぐさま走って行くぐらいしか思い浮かびませんね…。 これが思い違いならマシと言った具合でしょうか? >子供の名前 そうですね、最低限聞いておくのは状況的に考えても筋が通っていますわよね。 現地について馬車に近寄れたら、直様声を掛けてみるのはどうでしょう? >サウンドボマーで「助けに来ました!」と爆音で呼びかけ 名案かもしれませんわね。 一手で商人達への状況説明、クリーパーへの注意を惹くことが出来ますから。 ただ懸念すべき所があるとすれば、商人と馬車馬、子供達を驚かしてしまう可能性があることでしょうか? まぁ驚かしてしまったとしても、全力疾走しているメンバーが間に合ってしまえればそれで大丈夫でしょうが。 >馬車 私は大型の馬車なのかな、と思っていましたけど、幌馬車ですか。 そこまでは考えついていませんでした。 何にせよ、馬車に近づく人はすぐさま状況確認が必要な状態ですわね。
>サウンドボマー たぶんやらないよりはやった方がいいかなということでボクはやってみる予定に 助けにきたよ(助けにいくよのほうがいい?)っていうのと~… 荷台に避難してて的なのも付け加えたほうがいいのかどうか あと進行方向的にだけど商人さんってこっちから見えるかな 視界に入らなくても悲鳴はあげてるっぽいから聞こえてきそうな気もするけど 距離100メートルで超聴覚までいるかどうかは何ともいえない…
<子供の捜索 OPを見る限り勝手に入り込んでいきかねないと思うわけだから最悪を想定してという形で先に追いかけるという形でいいのじゃないか。 探しに行って馬車にはいませんでしたと戻って報告すればいいわけだし。まあPL情報的に入るのはわかってるんだが <サウンドボマー まあやらずにいるよりかはましだと思うぞ、それで注意をひけるなら儲けものという奴だ。 <戦闘 20hexならぎりぎり射程だから俺は到着後クリーパーを牽制する形で即座に攻撃する形だな。それで当たる当たらずにしても敵の注意をひければそれに越したことはないしな
近接戦が主体なのは私だけですか…となれば何があっても倒れる訳にはいかなさそうですね。 >子供の捜索 幼い子供が二人、大人の引率も無しに村の外に出た可能性があるのであれば急ぐ理由としては十分ですね。 追いかけるにして特別な方法を持ち合わせている訳ではないので全力で急いで追いかける他に手段はないですね… 私はチャージングを使っても14が最大なので接敵まで少し間が開きそうです。 サウンドボマーや弓矢で注意を惹いて貰えるのであれば、特に近い位置になる私に狙いを変えてくれるかも知れませんね。 林側のはそれで注意を逸らせそうですが…問題は町側のでしょうか? 馬車の傍までいけば否応なしに町側の狼の存在にも気付く事になると思いますが、これを最速で抑えるのであれば足の速い私がいく必要性があり、林側の狼の対応からすぐそちらに向かわざる負えないのですが… どうしましょう?時間をかければ私で無くでも町側の狼の対応に行って貰う事も出来ると思いますが…
御者台にいるはずの農家の人が馬車の後ろ側に来てくれれば、前側にいる狼も移動してくるんじゃないかなあ。 挟み撃ち状態なのは変わらないけど、林側のやつの気をセリオス君が引いて、その隙にイヴェールちゃんが突っ込む感じ? こっちから行くだけじゃ厳しいなら、あちらさんにも近づいてきてもらった方が早いでしょ。 林側のは、俺が自分で堅甲かければ、とりあえずもつと思うんだよね。
あと1日ちょっとで出発だねー、馬車の後ろ側~…荷台側に来てもらうのも呼びかけに入れるね 大声を出したボクのほうに突っ込んでくるかもしれないし、前に立てる装備にはしておくよ あとは最初にいってた届く距離になったら馬車を結界で保護をしようかなと 馬車と同座標に敵がいて無理そうなら近くまでいって普通に倒すしかないけど
ふむ、ボクもディレイン君が言うような立ち回りが良いと思うかな? どちらにせよ、確実に駆けつけられない(移動力的に)ならリスクは出てしまうので、セリオス君の牽制と、アルマ君のサウンドボマーで気を惹けるように祈りつつ… 他の皆は全速力で駆け付ける感じになるかな? 一応、ボクもサウンドボマーを使用できるが…予定通り、戦術眼をまず用意… 相手が子供なのもあるし、もう一つはカリスマを持っていく事にするよ。 ボクはわるーい魔女だが、あふれ出すオーラで安心してくれるはずさ!(? 故に、駆け付けた後は子供がいないか探し…声をかけるつもりだよ。(戦術眼的にも居るかいないかの確認はハッキリした方が良さそうなので 狙われる危険性があるアルマ君も前に立てる装備なので、ボクは光縛封内に敵を入れないように移動阻害等での妨害と、結界が消える前に1匹でも片付けられるように火力を特化していくよ。 そして、こっちは無事に終わったらの話なんだが… 両親の元に送り届けた後で、ボク等も一緒に隣町のお祭り見に行ってあげたいと思うんだが…どうだろうか。 無論、怪我無く済んで…両親を安心させたら、だけどね。 折角の収穫祭のお祭りだ…悪い思い出になるのは残念だろう!
んじゃ、セリオス君とキャスター組の壁になりますかね。 アルマちゃんと2人で並べば、直撃は防げるかなあ
私も全速力で駆けつける感じになりますわね。 その後、ロベリア様と一緒に子供達に声を掛ける気でおります。 戦闘になれば私は火力には特化していませんので、フリーズボルトを主に使って敵の移動阻害でしょうか? 戦闘が無事に終わりましたら、ロベリア様が言うように子供達を収穫祭に連れて行ってあげたいと思っておりますわ。 怖い思いをしたのですし、十分お説教になったでしょう。 ならばこれ以上口を出すのも違うでしょうからね。 最後くらいは楽しい思い出でしめたいと思いますが、皆様いかがでしょう?
それでは私は林側の狼は無視して、町側の狼の方へ向かうのを優先しますね。 こちらは一先ず一人で抑えますので林側の方をお願いします。 わるい魔女にしては言っている事が思いやりと優しさに満ちていますね…。 収穫祭に連れて行ってあげるのはいいですね。狼の出た道も私達も一緒なら安心できるでしょうし、安全確認も出来そうです。
おっと、大事な話が抜けてたな。 俺も収穫祭に付き添うのはいいんじゃないかと思うよ。 たまには息抜きさせてやらないとなあ。
終わってから一緒に収穫祭に行くのは大賛成だよ その辺も入れてプレイング出すようにするね
今日の19時には出発だね、皆は準備(プレイング)大丈夫かな? ボクは今からちゃんと終わらせるので、出来たら行動部分を掲示させてもらうので…認識違いがないか確認してくれると嬉しい。 >わるい魔女にしては フフ、ボクは純真無垢な子供が大好きだからね!思いやるし、慈愛に満ち溢れもするさ (ささやくように)もし、誰も他にお祭りへ着いて行こうって言う人が居なかったら、あまりの可愛さに連れ去ってしまっていたかもしれないね (ギザ歯を見せてニカッと笑い) まあ、今の所そんな事にはならなさそうだし、冗談で済ませてもらえるかな~?なんてね。 >戦闘 朱羅君も移動阻害をしてくれるそうなので、一度子供達・馬車の人と敵の距離を離す事が出来ればそれなりに安全確保は出来そうだね。 前に出て抑え込みをしてくれる人達には感謝だ、かよわいボクも一生懸命に頑張るとしよう。
一応、こんな感じで出来たよ! ギリギリまで相談を覗く事も出来るので、変更が必要なら言ってくれれば対応できるよ。 いやあ、文字数足りないね… ・現場へ 手短に「迷子の理由の心当たり」と「子供の名前、特徴」を聞く 村の中ならまだいいが…外に行ってしまったのなら大事件だね まずは馬車を急いで追って確認しよう ・不測の事態 馬車が止まってる?いや、止められてるのか 馬車が見えた時点で戦術眼を用いて状況から作戦や連携を適宜考え、必要なら仲間へ伝える 何にせよ…急がないとマズイな、これは! 全力移動し可能な限り馬車へ素早く近づく 子供達が居るか探し状態確認(怪我をした場合はヒール まずは落ち着かせる為にカリスマも用いて声をかけるよ フフ、キミ達の両親にお願いされて、収穫祭を抜け出して迎えに来た魔女だよ (持って来たチョコを渡し)信じてくれるかな?大丈夫さ…ヴェル君、妹を連れてあのお姉さん(結界で守る予定のアルマ君)の所まで離れられるかい? 良い子に出来たら、チョコを食べていいよ 怖ければ目を閉じていてもいい…ボク達があっという間に怖い奴等をやっつけてあげるね ・戦闘 速攻を意識 全て攻撃集中魔導の潮流を使用 フリーズボルトで移動阻害を狙い魔矢で確実に仕留める ・無事終わったら 両親の元へ報告に行った後 一緒に隣町の収穫祭へ行く事を提案 折角のお祭りだ、怖い事を忘れるくらい楽しもうよ! アドリブ歓迎