【秋祭】ゆらめく炎に魂の熱を見て
空色みなも
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シナリオID:88
オープニング
●
風は涼しく空高くなり、ロスガリア大陸に収穫期が訪れた。
農村では収穫作業に追われる日々。日の出から日の入りまで、穂を刈る小気味のいい鎌音や脱穀の音が絶えず響いている。
村から町をつなぐ道には収穫を積んだ荷馬車が行き交い、町側もまたそわそわと気忙しさに包まれていた。
収穫が一段落すると何が行われるか――そう、収穫祭である。
多種多様な風土や宗教が混在するロスガリア大陸でも、この時期になるとそれらの枠を超え、各地で一斉に収穫祭が行われるのだ。
元々は秋の恵みに感謝する純然たる収穫祭だったが、いつの頃からか魔物除けや鎮魂祭としての側面を持ち始めた。
実りの季節であると同時に、夜闇が日毎濃く長くなり行く時期でもある。悪しきものに憑かれぬよう魔物や亡者に仮装をしたり、死者の魂を慰める催しをしたりと、祭りの内容は村や町により様々だ。
さて、この町でも祭りが行われるようだ。
●
「あんた達、この町の慰霊祭を見たことはあるかい?」
エラトゥーン都市同盟にある冒険者の宿「女神の賽子亭」にて。宿の女主人シリス・アローゼアは食卓についた冒険者達をぐるりと見渡しながら、問いかけた。テーブルの上では、シリスお手製の焼きたてパンが香ばしく香り、芋と燻製肉のスープが湯気を立てている。
「この町の慰霊祭じゃ、昼に仮装した子供達にお菓子を配ってるんだけど、夜には祖先の霊を悼む行事があってね」
その風貌から幼ささえ感じさせるシリスの口調はしかし、年季の入った女将さんそのものである。そんなシリスの桃色の髪から突き出した長い尖り耳は、その出自を仄めかしていた。
「手のひらサイズに作った小舟達に、特製の蝋燭を乗せて、みんなで川に流すのさ」
なんでも、小舟に乗せる蝋燭はこの祭りのために用意された希少なもので、蝋燭ごとに様々な色の炎が灯るのだという。
「温かみのある赤い炎だけじゃない。木々の癒しのような緑の炎に、この世の神秘を表すかのような紫の炎なんかが闇夜に浮かぶのは、それはもう幻想的な光景でねえ」
冒険者達に語りかけながら、シリスは目を閉じた。今、シリスの瞼にはこれまでの祭りの情景が浮かんでいるところだろうか。
「で、あんた達がこの町に寄ったのも何かの縁だ。今度の慰霊祭、参加してみないかい?」
そう言って開かれたシリスの目には、温かな光が灯っているように見えた。
風は涼しく空高くなり、ロスガリア大陸に収穫期が訪れた。
農村では収穫作業に追われる日々。日の出から日の入りまで、穂を刈る小気味のいい鎌音や脱穀の音が絶えず響いている。
村から町をつなぐ道には収穫を積んだ荷馬車が行き交い、町側もまたそわそわと気忙しさに包まれていた。
収穫が一段落すると何が行われるか――そう、収穫祭である。
多種多様な風土や宗教が混在するロスガリア大陸でも、この時期になるとそれらの枠を超え、各地で一斉に収穫祭が行われるのだ。
元々は秋の恵みに感謝する純然たる収穫祭だったが、いつの頃からか魔物除けや鎮魂祭としての側面を持ち始めた。
実りの季節であると同時に、夜闇が日毎濃く長くなり行く時期でもある。悪しきものに憑かれぬよう魔物や亡者に仮装をしたり、死者の魂を慰める催しをしたりと、祭りの内容は村や町により様々だ。
さて、この町でも祭りが行われるようだ。
●
「あんた達、この町の慰霊祭を見たことはあるかい?」
エラトゥーン都市同盟にある冒険者の宿「女神の賽子亭」にて。宿の女主人シリス・アローゼアは食卓についた冒険者達をぐるりと見渡しながら、問いかけた。テーブルの上では、シリスお手製の焼きたてパンが香ばしく香り、芋と燻製肉のスープが湯気を立てている。
「この町の慰霊祭じゃ、昼に仮装した子供達にお菓子を配ってるんだけど、夜には祖先の霊を悼む行事があってね」
その風貌から幼ささえ感じさせるシリスの口調はしかし、年季の入った女将さんそのものである。そんなシリスの桃色の髪から突き出した長い尖り耳は、その出自を仄めかしていた。
「手のひらサイズに作った小舟達に、特製の蝋燭を乗せて、みんなで川に流すのさ」
なんでも、小舟に乗せる蝋燭はこの祭りのために用意された希少なもので、蝋燭ごとに様々な色の炎が灯るのだという。
「温かみのある赤い炎だけじゃない。木々の癒しのような緑の炎に、この世の神秘を表すかのような紫の炎なんかが闇夜に浮かぶのは、それはもう幻想的な光景でねえ」
冒険者達に語りかけながら、シリスは目を閉じた。今、シリスの瞼にはこれまでの祭りの情景が浮かんでいるところだろうか。
「で、あんた達がこの町に寄ったのも何かの縁だ。今度の慰霊祭、参加してみないかい?」
そう言って開かれたシリスの目には、温かな光が灯っているように見えた。
解説
●目的
慰霊祭の夜の部に、なんらかの形で関わってください。
●概要
この町の慰霊祭では、夜の部として、小舟に蝋燭を乗せて川に流す行事が行われます。
シナリオ参加者の皆さんは、祭りに参加したり観光したりしても構いませんし、祭りの実施に伴って発生する仕事(祭りの警備や、放流した小舟の回収など)の手伝いを申し出ても構いません。自由な形で祭りに関わってください。
●会場
町を通る河川沿いが祭りの会場となります。
●人物
プレイングでお声かけ頂ければ、以下のNPCを登場させることができます。
シリス・アローゼア:冒険者の宿「女神の賽子亭」の女主人。仕事柄、かつて見送った人物なども存在するかもしれない。
アネータ・シブリングス:「女神の賽子亭」のお隣さんの女性。両親を亡くし、働きながら妹を養っている。
イスタ・シブリングス:アネータの妹。
※詳細はシナリオ「キノコ岩の怪鳥」などを参照してください。
●その他
慰霊祭で用いられる蝋燭は、この祭りのために用意されるものであり、慰霊の火として神聖視されている背景もあって、他の目的に持ち出すことは禁止されています(この蝋燭を他シナリオへ持ち出すことはできません)。
また、蝋燭はこの町で作られているものではないため、蝋燭の製造を見学したり手伝ったりすることは、このシナリオ内ではできないのでご注意ください。
マスターより
お世話になっております、空色みなもです。
炎って近づくと熱いのに、不思議と安らぎを感じさせる存在でもありますよね。
皆さんの熱のこもったプレイングをお待ちしております。
リプレイ
●
「いへいはいはあ……もごもご、んぐっ!」
宿でシリスの話を聞いていたニーラ・メッコは、食べながら喋ろうとしたために、うっかりパンを喉に詰まらせそうになった。
慌ててスープでパンを胃に流し込もうとするも、今度はスープの熱さに苦戦することになる。
「ふぅ……慰霊祭かあ。面白そうね! せっかくだし私も参加してみたい!」
ようやくパンを嚥下することに成功したニーラは、シリスの話に興味を持ったようで、慰霊祭への参加を決めたのであった。
●
「ほらほら、ボク達! お姉さんがお菓子をあげましょう!」
夜が訪れるまでの間、祭りで賑わう町を散策していたニーラは、仮装した子供達を見かけ、菓子屋で買い込んであったお菓子を配っていた。
お菓子を配るニーラの頭には、仮装用にと売られていた、カボチャのお化けのお面が付けられている。
「これはなんです? 美味しいの?」
お菓子をねだる子供達にもみくちゃにされた後は屋台巡り。
この時、ニーラが見つけたのは柿の実の切れ端を串に刺し、飴でコーティングしたお菓子だった。
話を聞くに、このお菓子に使われている巨大な柿は、この町のちょっとした名物らしい。
「時間が経つのは早いものね。そろそろ川に流す蝋燭も貰ってこよっと」
日が沈み始めたのに気づいたニーラは、慌てて蝋燭流しの会場へと向かった。
●
「ほんとにいろんな色があるのね」
すっかり日も暮れた頃、会場を訪れていたシリスと偶然に出会ったニーラは、蝋燭を選んでいた。
「私は青にしようかな。青には何か意味はあるの?」
「あえて統一した意味とかは決めらていないね。色には蝋燭を流す人が好きな思いを乗せればいいのさ」
そっかあ、と納得するニーラの横で、シリスは桃色の炎が灯る蝋燭を受け取っていた。
「シリスさんは蝋燭に誰への思いを込めるのかな」
「あたしは――まあ身内、かね」
少し答えづらそうに口ごもったシリスを見たニーラは、それ以上は追求しないことにした。
「うわぁ、綺麗ね……」
それぞれの蝋燭を川に流したニーラとシリスは、橋の上に移動することで川を一望していた。
深紅や橙などの強い灯に混ざり、ニーラとシリスが流した青の蝋燭や桃色の蝋燭が、慎ましくも美しく闇に浮かび上がっている。
「よし、今日はいい日だった! 今夜のスープはどんなのかしら?」
蝋燭の列が流れ去った後、ニーラは今夜も宿を取るべく、シリスと共に女神の賽子亭へと戻るのであった。
●
「お菓子を配るのはボクの村でもやっていましたねえ」
慰霊祭の概要を聞いたユネスコ・ビスコは、故郷の祭りに思いを馳せていた。
「ただし、夜は巨大な木製人形を燃やして、その周りで踊り狂うというアレなやつでしたが」
それだけに、静かに死者を悼む祭りというのはユネスコにとって新鮮だ。
「せっかくですので、ゆっくり見物させて貰いましょうか。行きますよ、シバ」
ユネスコはお供の狼を伴い、川辺を散歩してみることにした。
●
時に暖を取る役に立てば、時に獣を遠ざける役にも立つ。
そんな炎は、狩猟者であるユネスコにとって野営に欠かせない仲間でもあり、安心感を抱かせる存在であった。
「やはり炎というものは、ずっと見ていても飽きませんね」
赤い装束を身に着けるユネスコの好みとしては、見慣れた赤い炎も捨てがたい。
しかし色とりどりの炎というものは、やはり見る者の心に訴えかけるものがあった。
赤い炎にしても、通常の炎より鮮やかな赤に染まった、深赤色とでも呼ぶべき色の炎もある。
「山での狼煙や炎の明滅による合図も、この炎があればより複雑な情報伝達ができそうなんですが」
この蝋燭は他の目的に転用禁止とのお達しが出ているため、今のところ合図に使うのは諦める他なさそうだった。
●
「小腹が空いたので、ご飯にしましょう」
そう言ってユネスコがゴソゴソと鞄を探って取り出したのは、女神の賽子亭で提供されている、シリスお手製のパンだ。
朝食として出されたパンなので、すっかり冷えて、少し固くなっている。
パンは焼きたてが美味しい。しかし、だからといって冷えたパンが美味しく食べられないわけではない。
「ボクのとっておきのチーズを乗せれば……うん、とても美味しいのです!」
チーズパンを頬張り、満足げに顔をほころばせるユネスコ。
「シバにもおやつをあげましょう。でも、夜だから食べすぎちゃダメですよ」
動物用に用意されたおやつを貰い、お供の狼も尻尾を振って喜んでいる。
静かに蝋燭を見物できるスポットを見つけたユネスコは、そのまま川原に腰を落ち着ける。
その下流には、川に渡された橋の上に、見物客が集まっているのが見えた。
柿飴を手にした人が、川原を通り過ぎていく。
「こうしていると、普段とは時間の流れすら違っているみたいです」
お供の狼の背を優しく撫でながら、ユネスコは川に蝋燭の列が絶える最後まで、川原で穏やかな時間を過ごしたのだった。
●
「ふむ、慰霊祭か……いいね! エーテルに還った人々を思い起こし、送る事は、僕ら生者にのみ許される特権だ!」
シリスの呼びかけにそう答えていた、蝋燭の炎のように鮮やかな赤髪を持つ青年が、レオナルド・ピーフォウルだ。
祭りに参加して蝋燭を流すことにし、川原を訪れたレオナルドは、配られた蝋燭を手に、自らの祖父との思い出に浸っていた。
(ずいぶんと長生きで、孫の僕ですら本当にヒューマンかと疑いたくなるくらい元気な爺さんだったな)
レオナルドの祖父が亡くなったのは、まだレオナルドが就学する前のことであっただろうか。
(それでも、割と覚えているものだ……懐かしいね)
闇夜に浮かぶ蝋燭の灯りのように、レオナルドの脳裏に祖父の思い出が蘇ってくる。
やさしく頭を撫でてくれた手の感触、家臣をいびる野太い声、そして領民から取り立てた税を確認する時のゲスい笑顔……。
「……あんまり思い返さないほうが良い気もしてきたね!」
掘り起こすほどいささかブラックな思い出が出土してしまうことに気付いたレオナルドは、小さく苦笑を漏らすと、さっさと蝋燭に火をつけてしまうことにした。
たまたま配られた蝋燭が、他の人はなかなか選ばないような暗い青紫の炎が灯るものであったため、祖父との思い出と相まっていっそ炎がどす黒くすら見えたが、レオナルドはもはや気にしないことにした。
「――なにより、死んだ者に善も悪もないのだしな」
この慰霊祭に参加するまで自身でも気付いていなかったようだが、どうやらレオナルドは死者を弔うという行為が嫌いではないようだ。
いっそのこと、好きであると言ってもいい。
送る者と蝋燭の炎に違いこそあれど、逆に言えば、死者に対してはそれだけの違いしかない。
貧しき者も、富める者と平等に変らぬ小舟で送られる。
たとえ生前に褒められた人物でなかったとしても、聖者と変わりなく悼まれる。
それがレオナルドの故郷であるリーンエス王国で嫌というほど見せつけられてきた、王族や貴族によって生み出される『格差』の世界との対比によって、実にかけがえのない風景に見えた。
「この光景を、いつかもっと多くの場所で見てみたいものだね」
例えば誰もが等しく、このような時間を過ごせる世界になったとしたら。
それはきっと、素敵なことなんじゃないだろうか。
故人との過去を偲ぶ蝋燭の灯りに、レオナルドは明るい未来へと続く光を見たような気がした。
●
「これだけの人の賑わいは、普段なら早々は見られないな。流石は祭りの現場とでも言うべきか」
この日、たまたま町を訪れていたグレイシア・ハーシーは、シリスから慰霊祭の話を聞き、見回りの仕事を買って出ていた。
(この土地の者でもない私が参加者として混ざるのも気が引けましたので、警備を引き受けましたが)
町の外から来た者にとって、仕事を手伝うというのは、祭りの仲間として受け入れてもらうために良い方法であった。
「祭りの喧噪こそあれ、今のところは平和なものだ」
慰霊祭の性質として、もとよりそう騒がしくするものでもないので、参加者達は概ね行儀よくしているようだった。
尤も、警備の腕章をつけた冒険者がうろついているとあっては、行儀の悪い者がいたとして、うかつな真似をする気は起きなかったであろう。
得てして面倒ごとというのは起こってから解決してみせることが評価されがちであるが、その実、未然に防げるのであればそれに越したことはないのだ。
慰霊祭の実行委員が後に語ったところによると、今年の慰霊祭は例年よりトラブルが少なかったという。
グレイシアの静かな働きは、確かに慰霊祭へ平穏をもたらしていたのだ。
●
不審な動きがないか、祭りの参加者達に目を光らせながらも、グレイシアは川に流された蝋燭を眺めていた。
つい先程も、青い蝋燭を乗せた小舟と、桃色の蝋燭を乗せた小舟が仲良く並んで下流へ流れていくのを見送ったところだ。
次々と流れ過ぎていく小舟の中には、暗い青紫の蝋燭を乗せたようなものもあって。
これらの蝋燭は失われた人の魂を慰めるために川に流されると聞いたが、あの蝋燭には果たしてどんな人物への思いが込められているのであろうか。
「……親しい人を亡くしたことはまだないけれど、誰かの想いに寄り添うのも慰霊なのかもしれませんね」
たまたま近くに人が居なかったことで気が緩んだのか、男装したグレイシアからも、柔らかい表情で素の口調がこぼれてしまう。
「と、ごほん。さて、酔っ払いが面倒ごとを起こしたりしないように、しっかりと警備をがんばらなくてはな」
思わず素を現してしまっていたことに気付いたグレイシアは、取り繕うように大きく一つ咳払いをすると、きりりと眉を上げ、見回りへと戻っていく。
グレイシアが警備を行っていた、その向こう岸で。
隣に座った主に背中を撫でられている狼が、甘えるようにアオーンと鳴き声を上げた。
●
「祭りはいいものだね。町それぞれの思いと形があって」
セヴラン・クアルトは、お菓子をねだって回る子供達で賑わう昼の広場で、しみじみと呟いていた。
「楽師としても大事な時期だ。でも、そうだね」
一曲捧げるとしたら来年かな、とセヴランは今年の慰霊祭の光景をじっくり目に収める心づもりでいる。
「その分、昼に稼いでおこうか」
セヴランが楽器を取り出して演奏した軽やかな曲は、お菓子を集める子供達の弾むような足取りを、聴く者の心に思い浮かべさせた。
一曲終え、セヴランが聴衆に向かってお辞儀をする。
セヴランの前には、投げ銭が山を築いていた。
●
やがて夜を迎え、蝋燭流しが始まる時間となる。
町を歩くセヴランの手には、飴でくるんだ柿を刺した串が、何本か握られている。
シリスにお勧めの屋台を聞いたところ、教えて貰ったものだ。
柿飴の屋台の店主は、今日は冒険者の客がよく訪れる、と語っていたが、これもシリスが冒険者を慰霊祭に誘った影響だろうか。
セヴランがそのようなことを考えながら歩いていると、警備の人員の中に、宿で会った冒険者仲間の姿を見つけた。
「やあ、お疲れ様」
セヴランは差し入れとして、持っていた柿飴の内の一本を差し出した。
●
「美しいねえ。炎の色がたくさんあるのは、魂の色も人それぞれってことかな」
川を流れる蝋燭の一群が目に入ると、セヴランはその光景の美しさに目を奪われた。
慰められた魂は何処へ向かうのであろう。
よく言われているように、マトリクス界に至った後、マテリアル界にエーテルとして還るのであろうか。
そのような物思いに耽りながら、セヴランは自らの経験を思い起こしていく。
セヴランにとって、肉親との別れと言えば祖父くらいのものであった。
「あの頃、小さかった僕にとっては実感がなかったけど」
しかし祖母が時折見せていた、寂しさの滲む微笑みだけは、やけに印象に残っていた。
種族柄もあって、すでに長い時を生きたはずの祖母であっても、色褪せない感情の有り様をそこに見た気がして。
「たまには夢に降りてきてやって欲しいな」
祖母が夢枕でも祖父に再会できるよう願いつつ。
「まだ帰らないけど、この風景は何時か家族にも話してあげたいね」
セヴランは故郷への土産話が出来たことを喜んだ。
その後、セヴランは回収された小舟の整理を手伝ったという。
晴れの日を終え、再び迎える日常が気持ち良いものであるように。
●
「綺麗……」
闇夜。星の瞬きがTalaraを見下ろす中で、蝋燭の炎が織りなす極彩色の煌めきがTalaraを見上げていた。
光がTalaraを見つめる時、Talaraもまた光を見つめている。
Talaraは描いていた。川面に浮かび、流れ、揺らめく極彩色を。
青、桃色、そして紫。
都度、異なる塗料を拾い上げる筆は、忙しくパレットとキャンバスの間を往復し。
「……足りない。Talaraの腕、多分足りない」
祭りを訪れた人々は、蝋燭に想いを乗せ。
Talaraは筆に想いを乗せる。
たったそれだけの違いのはずなのに。
Talaraには自分に人を乗せるだけの想いが足りない気がしてしまう。
「悔しい、羨ましい、不思議」
Talaraは知りたいと思った。
自らの筆に乗せるべき、人々の想いというものを。
●
Talaraが受け取った蝋燭が灯すは赤い炎。
「Talaraの蝋燭、Talaraの赤、Talaraの血。戦いの色、実りの色、生きる色」
赤は血を表し、戦と生死を表し、そしてTalaraを表した。
Talaraは自らの蝋燭を乗せた小舟をそっと川へと放す。
川面に浮かぶ色とりどりの蝋燭の列に、Talaraの赤が加わる。
しかし、塗料のように混じり合って一つの色になるでもなく。
蝋燭の色は交ざり合いながらも、一つ一つがその存在感を放っていた。
蝋燭を乗せた小舟は、並び立って下流を目指す。
小舟は蝋燭の炎を死者へと送り届ける乗り物だ。
差し詰め、蝋燭が向かう先は生から死への境界線といったところだろうか。
「……ん」
Talaraは分かったような気がした。
人々が選んだ蝋燭の色は、まさしく十人十色。
蝋燭はそれぞれ異なる色を灯しながらも、向かう先は同じ。
淀みなき川の流れによって、ただ自然に流れ行く。
そこには個々の想いが尊重されながらも、自然によって生み出された調和の世界があった。
●
Talaraは再び描いていた。
蝋燭を運ぶ川の流れのように。
時の流れは人々を未来へと運んでいく。
その先に待ち受けるものが何かは分からない、だからこそ。
かけがえのない時間を、形に。今という一時を、永遠に。
たとえ完璧ではなかったとしても。
少しでも、時を残すことができたなら。
Talaraは満足であった。少なくとも、今は。
「ん、上出来」
程なくして絵を完成させたTalaraは、満足げな顔をして筆を置く。
キャンバスの上に、今度こそ慰霊祭の熱を宿らせることができたような、そんな気がして。
Talaraは昨日より少しだけ色を知ったのだ。
「いへいはいはあ……もごもご、んぐっ!」
宿でシリスの話を聞いていたニーラ・メッコは、食べながら喋ろうとしたために、うっかりパンを喉に詰まらせそうになった。
慌ててスープでパンを胃に流し込もうとするも、今度はスープの熱さに苦戦することになる。
「ふぅ……慰霊祭かあ。面白そうね! せっかくだし私も参加してみたい!」
ようやくパンを嚥下することに成功したニーラは、シリスの話に興味を持ったようで、慰霊祭への参加を決めたのであった。
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「ほらほら、ボク達! お姉さんがお菓子をあげましょう!」
夜が訪れるまでの間、祭りで賑わう町を散策していたニーラは、仮装した子供達を見かけ、菓子屋で買い込んであったお菓子を配っていた。
お菓子を配るニーラの頭には、仮装用にと売られていた、カボチャのお化けのお面が付けられている。
「これはなんです? 美味しいの?」
お菓子をねだる子供達にもみくちゃにされた後は屋台巡り。
この時、ニーラが見つけたのは柿の実の切れ端を串に刺し、飴でコーティングしたお菓子だった。
話を聞くに、このお菓子に使われている巨大な柿は、この町のちょっとした名物らしい。
「時間が経つのは早いものね。そろそろ川に流す蝋燭も貰ってこよっと」
日が沈み始めたのに気づいたニーラは、慌てて蝋燭流しの会場へと向かった。
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「ほんとにいろんな色があるのね」
すっかり日も暮れた頃、会場を訪れていたシリスと偶然に出会ったニーラは、蝋燭を選んでいた。
「私は青にしようかな。青には何か意味はあるの?」
「あえて統一した意味とかは決めらていないね。色には蝋燭を流す人が好きな思いを乗せればいいのさ」
そっかあ、と納得するニーラの横で、シリスは桃色の炎が灯る蝋燭を受け取っていた。
「シリスさんは蝋燭に誰への思いを込めるのかな」
「あたしは――まあ身内、かね」
少し答えづらそうに口ごもったシリスを見たニーラは、それ以上は追求しないことにした。
「うわぁ、綺麗ね……」
それぞれの蝋燭を川に流したニーラとシリスは、橋の上に移動することで川を一望していた。
深紅や橙などの強い灯に混ざり、ニーラとシリスが流した青の蝋燭や桃色の蝋燭が、慎ましくも美しく闇に浮かび上がっている。
「よし、今日はいい日だった! 今夜のスープはどんなのかしら?」
蝋燭の列が流れ去った後、ニーラは今夜も宿を取るべく、シリスと共に女神の賽子亭へと戻るのであった。
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「お菓子を配るのはボクの村でもやっていましたねえ」
慰霊祭の概要を聞いたユネスコ・ビスコは、故郷の祭りに思いを馳せていた。
「ただし、夜は巨大な木製人形を燃やして、その周りで踊り狂うというアレなやつでしたが」
それだけに、静かに死者を悼む祭りというのはユネスコにとって新鮮だ。
「せっかくですので、ゆっくり見物させて貰いましょうか。行きますよ、シバ」
ユネスコはお供の狼を伴い、川辺を散歩してみることにした。
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時に暖を取る役に立てば、時に獣を遠ざける役にも立つ。
そんな炎は、狩猟者であるユネスコにとって野営に欠かせない仲間でもあり、安心感を抱かせる存在であった。
「やはり炎というものは、ずっと見ていても飽きませんね」
赤い装束を身に着けるユネスコの好みとしては、見慣れた赤い炎も捨てがたい。
しかし色とりどりの炎というものは、やはり見る者の心に訴えかけるものがあった。
赤い炎にしても、通常の炎より鮮やかな赤に染まった、深赤色とでも呼ぶべき色の炎もある。
「山での狼煙や炎の明滅による合図も、この炎があればより複雑な情報伝達ができそうなんですが」
この蝋燭は他の目的に転用禁止とのお達しが出ているため、今のところ合図に使うのは諦める他なさそうだった。
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「小腹が空いたので、ご飯にしましょう」
そう言ってユネスコがゴソゴソと鞄を探って取り出したのは、女神の賽子亭で提供されている、シリスお手製のパンだ。
朝食として出されたパンなので、すっかり冷えて、少し固くなっている。
パンは焼きたてが美味しい。しかし、だからといって冷えたパンが美味しく食べられないわけではない。
「ボクのとっておきのチーズを乗せれば……うん、とても美味しいのです!」
チーズパンを頬張り、満足げに顔をほころばせるユネスコ。
「シバにもおやつをあげましょう。でも、夜だから食べすぎちゃダメですよ」
動物用に用意されたおやつを貰い、お供の狼も尻尾を振って喜んでいる。
静かに蝋燭を見物できるスポットを見つけたユネスコは、そのまま川原に腰を落ち着ける。
その下流には、川に渡された橋の上に、見物客が集まっているのが見えた。
柿飴を手にした人が、川原を通り過ぎていく。
「こうしていると、普段とは時間の流れすら違っているみたいです」
お供の狼の背を優しく撫でながら、ユネスコは川に蝋燭の列が絶える最後まで、川原で穏やかな時間を過ごしたのだった。
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「ふむ、慰霊祭か……いいね! エーテルに還った人々を思い起こし、送る事は、僕ら生者にのみ許される特権だ!」
シリスの呼びかけにそう答えていた、蝋燭の炎のように鮮やかな赤髪を持つ青年が、レオナルド・ピーフォウルだ。
祭りに参加して蝋燭を流すことにし、川原を訪れたレオナルドは、配られた蝋燭を手に、自らの祖父との思い出に浸っていた。
(ずいぶんと長生きで、孫の僕ですら本当にヒューマンかと疑いたくなるくらい元気な爺さんだったな)
レオナルドの祖父が亡くなったのは、まだレオナルドが就学する前のことであっただろうか。
(それでも、割と覚えているものだ……懐かしいね)
闇夜に浮かぶ蝋燭の灯りのように、レオナルドの脳裏に祖父の思い出が蘇ってくる。
やさしく頭を撫でてくれた手の感触、家臣をいびる野太い声、そして領民から取り立てた税を確認する時のゲスい笑顔……。
「……あんまり思い返さないほうが良い気もしてきたね!」
掘り起こすほどいささかブラックな思い出が出土してしまうことに気付いたレオナルドは、小さく苦笑を漏らすと、さっさと蝋燭に火をつけてしまうことにした。
たまたま配られた蝋燭が、他の人はなかなか選ばないような暗い青紫の炎が灯るものであったため、祖父との思い出と相まっていっそ炎がどす黒くすら見えたが、レオナルドはもはや気にしないことにした。
「――なにより、死んだ者に善も悪もないのだしな」
この慰霊祭に参加するまで自身でも気付いていなかったようだが、どうやらレオナルドは死者を弔うという行為が嫌いではないようだ。
いっそのこと、好きであると言ってもいい。
送る者と蝋燭の炎に違いこそあれど、逆に言えば、死者に対してはそれだけの違いしかない。
貧しき者も、富める者と平等に変らぬ小舟で送られる。
たとえ生前に褒められた人物でなかったとしても、聖者と変わりなく悼まれる。
それがレオナルドの故郷であるリーンエス王国で嫌というほど見せつけられてきた、王族や貴族によって生み出される『格差』の世界との対比によって、実にかけがえのない風景に見えた。
「この光景を、いつかもっと多くの場所で見てみたいものだね」
例えば誰もが等しく、このような時間を過ごせる世界になったとしたら。
それはきっと、素敵なことなんじゃないだろうか。
故人との過去を偲ぶ蝋燭の灯りに、レオナルドは明るい未来へと続く光を見たような気がした。
●
「これだけの人の賑わいは、普段なら早々は見られないな。流石は祭りの現場とでも言うべきか」
この日、たまたま町を訪れていたグレイシア・ハーシーは、シリスから慰霊祭の話を聞き、見回りの仕事を買って出ていた。
(この土地の者でもない私が参加者として混ざるのも気が引けましたので、警備を引き受けましたが)
町の外から来た者にとって、仕事を手伝うというのは、祭りの仲間として受け入れてもらうために良い方法であった。
「祭りの喧噪こそあれ、今のところは平和なものだ」
慰霊祭の性質として、もとよりそう騒がしくするものでもないので、参加者達は概ね行儀よくしているようだった。
尤も、警備の腕章をつけた冒険者がうろついているとあっては、行儀の悪い者がいたとして、うかつな真似をする気は起きなかったであろう。
得てして面倒ごとというのは起こってから解決してみせることが評価されがちであるが、その実、未然に防げるのであればそれに越したことはないのだ。
慰霊祭の実行委員が後に語ったところによると、今年の慰霊祭は例年よりトラブルが少なかったという。
グレイシアの静かな働きは、確かに慰霊祭へ平穏をもたらしていたのだ。
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不審な動きがないか、祭りの参加者達に目を光らせながらも、グレイシアは川に流された蝋燭を眺めていた。
つい先程も、青い蝋燭を乗せた小舟と、桃色の蝋燭を乗せた小舟が仲良く並んで下流へ流れていくのを見送ったところだ。
次々と流れ過ぎていく小舟の中には、暗い青紫の蝋燭を乗せたようなものもあって。
これらの蝋燭は失われた人の魂を慰めるために川に流されると聞いたが、あの蝋燭には果たしてどんな人物への思いが込められているのであろうか。
「……親しい人を亡くしたことはまだないけれど、誰かの想いに寄り添うのも慰霊なのかもしれませんね」
たまたま近くに人が居なかったことで気が緩んだのか、男装したグレイシアからも、柔らかい表情で素の口調がこぼれてしまう。
「と、ごほん。さて、酔っ払いが面倒ごとを起こしたりしないように、しっかりと警備をがんばらなくてはな」
思わず素を現してしまっていたことに気付いたグレイシアは、取り繕うように大きく一つ咳払いをすると、きりりと眉を上げ、見回りへと戻っていく。
グレイシアが警備を行っていた、その向こう岸で。
隣に座った主に背中を撫でられている狼が、甘えるようにアオーンと鳴き声を上げた。
●
「祭りはいいものだね。町それぞれの思いと形があって」
セヴラン・クアルトは、お菓子をねだって回る子供達で賑わう昼の広場で、しみじみと呟いていた。
「楽師としても大事な時期だ。でも、そうだね」
一曲捧げるとしたら来年かな、とセヴランは今年の慰霊祭の光景をじっくり目に収める心づもりでいる。
「その分、昼に稼いでおこうか」
セヴランが楽器を取り出して演奏した軽やかな曲は、お菓子を集める子供達の弾むような足取りを、聴く者の心に思い浮かべさせた。
一曲終え、セヴランが聴衆に向かってお辞儀をする。
セヴランの前には、投げ銭が山を築いていた。
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やがて夜を迎え、蝋燭流しが始まる時間となる。
町を歩くセヴランの手には、飴でくるんだ柿を刺した串が、何本か握られている。
シリスにお勧めの屋台を聞いたところ、教えて貰ったものだ。
柿飴の屋台の店主は、今日は冒険者の客がよく訪れる、と語っていたが、これもシリスが冒険者を慰霊祭に誘った影響だろうか。
セヴランがそのようなことを考えながら歩いていると、警備の人員の中に、宿で会った冒険者仲間の姿を見つけた。
「やあ、お疲れ様」
セヴランは差し入れとして、持っていた柿飴の内の一本を差し出した。
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「美しいねえ。炎の色がたくさんあるのは、魂の色も人それぞれってことかな」
川を流れる蝋燭の一群が目に入ると、セヴランはその光景の美しさに目を奪われた。
慰められた魂は何処へ向かうのであろう。
よく言われているように、マトリクス界に至った後、マテリアル界にエーテルとして還るのであろうか。
そのような物思いに耽りながら、セヴランは自らの経験を思い起こしていく。
セヴランにとって、肉親との別れと言えば祖父くらいのものであった。
「あの頃、小さかった僕にとっては実感がなかったけど」
しかし祖母が時折見せていた、寂しさの滲む微笑みだけは、やけに印象に残っていた。
種族柄もあって、すでに長い時を生きたはずの祖母であっても、色褪せない感情の有り様をそこに見た気がして。
「たまには夢に降りてきてやって欲しいな」
祖母が夢枕でも祖父に再会できるよう願いつつ。
「まだ帰らないけど、この風景は何時か家族にも話してあげたいね」
セヴランは故郷への土産話が出来たことを喜んだ。
その後、セヴランは回収された小舟の整理を手伝ったという。
晴れの日を終え、再び迎える日常が気持ち良いものであるように。
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「綺麗……」
闇夜。星の瞬きがTalaraを見下ろす中で、蝋燭の炎が織りなす極彩色の煌めきがTalaraを見上げていた。
光がTalaraを見つめる時、Talaraもまた光を見つめている。
Talaraは描いていた。川面に浮かび、流れ、揺らめく極彩色を。
青、桃色、そして紫。
都度、異なる塗料を拾い上げる筆は、忙しくパレットとキャンバスの間を往復し。
「……足りない。Talaraの腕、多分足りない」
祭りを訪れた人々は、蝋燭に想いを乗せ。
Talaraは筆に想いを乗せる。
たったそれだけの違いのはずなのに。
Talaraには自分に人を乗せるだけの想いが足りない気がしてしまう。
「悔しい、羨ましい、不思議」
Talaraは知りたいと思った。
自らの筆に乗せるべき、人々の想いというものを。
●
Talaraが受け取った蝋燭が灯すは赤い炎。
「Talaraの蝋燭、Talaraの赤、Talaraの血。戦いの色、実りの色、生きる色」
赤は血を表し、戦と生死を表し、そしてTalaraを表した。
Talaraは自らの蝋燭を乗せた小舟をそっと川へと放す。
川面に浮かぶ色とりどりの蝋燭の列に、Talaraの赤が加わる。
しかし、塗料のように混じり合って一つの色になるでもなく。
蝋燭の色は交ざり合いながらも、一つ一つがその存在感を放っていた。
蝋燭を乗せた小舟は、並び立って下流を目指す。
小舟は蝋燭の炎を死者へと送り届ける乗り物だ。
差し詰め、蝋燭が向かう先は生から死への境界線といったところだろうか。
「……ん」
Talaraは分かったような気がした。
人々が選んだ蝋燭の色は、まさしく十人十色。
蝋燭はそれぞれ異なる色を灯しながらも、向かう先は同じ。
淀みなき川の流れによって、ただ自然に流れ行く。
そこには個々の想いが尊重されながらも、自然によって生み出された調和の世界があった。
●
Talaraは再び描いていた。
蝋燭を運ぶ川の流れのように。
時の流れは人々を未来へと運んでいく。
その先に待ち受けるものが何かは分からない、だからこそ。
かけがえのない時間を、形に。今という一時を、永遠に。
たとえ完璧ではなかったとしても。
少しでも、時を残すことができたなら。
Talaraは満足であった。少なくとも、今は。
「ん、上出来」
程なくして絵を完成させたTalaraは、満足げな顔をして筆を置く。
キャンバスの上に、今度こそ慰霊祭の熱を宿らせることができたような、そんな気がして。
Talaraは昨日より少しだけ色を知ったのだ。
マスターコメント
お疲れ様でした。空色みなもです。
このたびは当シナリオにご参加頂き、誠にありがとうございました!
今回はオムニバスのような形式でリプレイを執筆してみました。PC様ごとに独立したストーリーのようにはなっていますが、ちょっとだけ互いのプレイングが影響し合っている部分があったりするので、是非とも全編通して読んで、探してみてください。
また皆さんにシナリオ参加して頂けるのを心よりお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ショートシナリオ易しい 報酬:標準6 / 4〜6人
2020年10月29日 15時40分48秒 公開
大成功
参加者
- ビスコ ユネスコ
レオナルド・ピーフォウル
セヴラン・クアルト
Talara
ニーラ・メッコ
- ハーシー グレイシア
相談掲示板
No.1
ウォーリアのグレイシアだ、と言っても今回は別にジョブは関係ないか。 この土地の者でもないし、慰霊祭に参加者として混ざるのは気が引けるので、警備の手伝いで考えている。
キャスターのニーラ・メッコよ。 よろしくね!
どうも セヴラン・クアルトだよ どういう立ち位置で参加するかはまだ考え中だけど 皆、穏やかな良い時間を過ごせると良いね。
Talara。お祭り参加、予定。 蝋燭、炎、色とりどり。絵描く、スケッチ、予定。 よろしく。
No.5
ユネスコ・ビスコです。 観光させて頂こうかと思っています。 よろしくです。
レオナルドだ。よろしく頼むよ。
私は観光してまわろうかと思っています。 NPCに話しかけてみたりもするつもり、です。