おねショタ神殿大清掃

キャラクターノベル(グループ)制作 おおくまねこ納品 2022年03月22日 10時38分28秒

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「あら、ギャメルじゃない」
「あれ、ハティ?」

 ここはゴールディの首都シルバードから少し離れたところにある農村。偶然鉢合わせしたハティとギャメルは顔を見合わせた。二人は同じ長屋の住民(ご近所さん)同士なのだが、どうやら奇遇にも同じ依頼を引き受けたらしい。その依頼とは、ゴブリンが暮らす村のはずれにある神殿を掃除するというものだった。依頼人は件の神殿に住む神官一家。その村では、毎年春になるとお祭りを行うのだが、御神体である神像が全長3メートルほどあり、小柄なゴブリンではピカピカに磨くことが難しい。そこで、毎年この季節に冒険者を雇い、掃除を代行してもらっているというわけである。

「この依頼の内容でちっこい冒険者が派遣されたら世話ないわよね」
 ハティはギャメルをからかうような視線を送った。平均的な体格の獣人女性であるハティの身長は165センチ。それに対して、依頼人と同じゴブリンであるギャメルの身長は120cmである。果たして彼に3メートルあるという神像の掃除が務まるのだろうか?

「なんだよ、身長制限は別になかったし、像をよじのぼるぐらいは別にどうってことないぞ?」
 少しむくれたような声で、ギャメルが抗議した。確かにギャメルはちっこいが、彼も歴戦の冒険者である。その身体能力は常人を凌駕しており、壁歩きスキルの心得はなくとも、凸凹した像をよじ登るぐらいは朝飯前である。

「ごめんごめん。馬鹿にしたわけじゃないのよ」
「そか。まあオレ達ゴブリンは成人しても小柄な奴が多いからな。ヒューマンやハーフビーストから見ると確かにチビに見えるかもなー」
 ギャメルにとって、ゴブリン的な自身の容姿は種族の誇りだ。特に劣等感はない。
「依頼人のいる場所は分かる?」
「おう、地図がちょっと大雑把だけど、この森の奥にあるはずだぜ」

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 ――き、汚ねえ……!

 件の神殿に着いた二人は神殿のあまりの荒れっぷりに絶句した。確かに神殿の清掃の依頼だとは聞いていたが、依頼の要はデカい神像の掃除だったはずだ。だが、目の前に広がるのは、足の踏み場もないほどにゴミが散乱する建物。神殿というよりも廃墟かゴミ置き場、といった方がしっくりくる。もし神様がこの光景を見ているならば、「見ろ、神殿がゴミ屋敷のようだ」と嘆くだろう。そして住職には天罰が下るに違いない。それぐらい酷い有様であった。

「こりゃ、大仕事になりそうだな……」
 げんなりしながら、ギャメルが呟く。
「あそこにあるのが住職一家の居住区かしら。挨拶しときましょう」
「そうだな。やれやれ、どんなずぼらな坊さんが住んでるんだか……」
 二人は本殿の隣にあったあばら家へと近づいて行く。

「ごめんください」
 ハティが扉をコツコツと叩くと、皴だらけの法衣(カソック)を来たゴブリナが間延びした声を発しながら出てきた。
「はぁい~」

 その時、ギャメルに稲妻走る!

「あ、あの、依頼を受けた冒険者だけど!」
 頬を紅潮させ、上擦った声で挨拶するギャメル。そう、このゴブリナさんは、とても美人だったのだ。牛のような二本の角と、これまた牛のような大きなお胸がとてもセクシー。そして、ギャメル好みのダメなお姉さんという点で大幅加点。ギャメルのテンションはうなぎ登りだ。

「へぇ、ほぉ、ふぅん?」
 鼻の下を伸ばしてデレデレするギャメルの姿をハティはジト目で見ていた。

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「よろしくお願いしますぅ。巫女のアローナですぅ」
「よろしく!」
 のんびりした声の巫女さんにギャメルは元気よく返事をした。

「ぼくは弟のアロイです! よろしくおねがいします!」
 姉に続いて元気よく挨拶をしたのは、ギャメルと同じぐらいサイズのゴブリンの少年だった。顔立ちは割と人間に近いタイプだが。付け加えるなら、姉によく似ている。

「ハティよ。よろしく」
(そういえば、ハティはああいうのが好みなんだっけ?)
 真顔のままチラチラと少年を見ているハティの尻尾は高速でぴょこぴょこしていた。

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「なあ、ハティってチビッ子が好きなのかよー」
 雑巾がけをしながら、ギャメルは小声でハティに囁いた。すると、両耳をピンと立てたハティはくるりとギャメルの方を振り返り、冷たく言った。
「そういう貴方はお姉さんが好きなんでしょう? あの時出てた夢魔も今回の依頼人みたいな自堕落な感じの女の人だったわね。ああいう、駄目なお姉さんが好みなのね」
「なっ……!」

 その瞬間、ギャメルの脳裏にビターチョコのように苦い思い出が蘇る。実は、ギャメルとハティは少し前迷宮都市エドゥノーグのダンジョンで『敵対者の好みの異性の姿になるモンスター』と戦ったことがあるのだ。その時ハティの眼前には10才くらいの少年が出現し、ギャメルにはゴブリナのダメな感じの隙だらけな感じのお姉さんが出現していた。そして、ギャメルとハティは二人揃って夢魔の魅了にかかり、醜態を晒したのである。

「――オレが悪かった。この話はここまでにしようぜ」
「ええ、それがいいわね」

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 二人は時に休憩を挟みつつ、依頼人姉妹と共に熱心に神殿の掃除を遂行した。

「ギャメルくん~。大理石って燃えるゴミでいいのかしら~? 分別合ってるか見てくれない~?」
「おう、どれどれ……なんだこりゃ!? 無茶苦茶じゃねえか! し、仕方ないなぁ! オレが分別してやるよ!」

「ハティお姉ちゃん、もっかいあれやって、あれー! 『残像よ』ってやつ!」
「――あれはもう品切れなのよ。代わりに光るパンチを見せてあげる」
「わーい!」
 ――。

「いやあ、ようやく片付いたな!」
 ピカピカになった神殿を前にして、ギャメルは誇らしげに笑った。5時間以上にも及ぶ大清掃の結果、はじめはゴミの城のような神殿は本来の輝きを取り戻したのだ。

「お互い、すっかり埃だらけね」
「ハティ、ゴミが毛皮に巻き付いてるぜ。とってやるよ」
「いいの? じゃあお願いするわ」
「あ、ぼくもお姉ちゃんのけづくろい、一緒にやる! 面白そう!」

 ハティはごろんと綺麗になった床に寝転がると、ギャメルと依頼人の弟アロイがハティの横についた。二人はブラシを取り出し、ハティの毛繕いを始めた。途中、ハティの耳がピコピコ動き、ギャメルは驚いた。

「わっ、くすぐったかったか?」
「大丈夫よ。続けて」
 ハティの目を閉じ、しばし毛繕いの快楽に身を委ねる。ちっこいショタ達(ギャメルは成人だが)による熱心な奉仕。思わぬ役得である。

「この尻尾、ふさふさだなー。それにいい匂い……」
「おい、アロイ。あんま強く握ると怒られるぞ」
 ギャメルがちょっと悪ふざけ気味のアロイを注意したが、ハティの尻尾は彼女の歓びを代弁するようにせわしなく左右に動いていた。

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「私達の部屋まで掃除してもらってありがとうございましたぁ」
 巫女さんはぺこりとギャメル達に礼をした。神殿の清掃が依頼だったが、居住区の惨状を見かねたギャメルがついでに依頼人姉弟の部屋も掃除したのだ。ちなみにその間、ハティはアロイにせがまれて一緒にゴブリン式相撲をしていた。

「おう、このぐらいいいって!」
「また、来年も依頼を出すといいわ」

 ギャメルが巫女さんに親指を立てると、そこはかとなくツヤツヤした様子のハティも頷いた。

「ゴールディに帰ったら、二人で打ち上げでもするか?」
「そうね、たまにはいいかも」

 ギャメルとハティは一仕事終えた後の満足感と共に、ゴールディへと帰還したのであった。

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アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0