台本『AnnihEpica(アニエピカ) -幻創の箱庭- page_15244』

ボイス台本制作 真柄 葉納品 2021年02月24日 20時20分00秒

「ふぅ、ようやく行(い)った。まったく変(へん)に強情(ごうじょう)なんだからなぁ。たまには俺(おれ)を立(た)ててくれてもいいと思(おも)うんだ。なぁ、アンタもそう思(おも)うだろ? ――はは、そんな怖(こわ)い顔(かお)をしないでくれよ。せっかくのいい顔(かお)が台無(だいな)しだ。アンタには悪(わる)いけど、ここからは俺一人(おれひとり)だ。こんな舞台一生(ぶたい いっしょう)に一度(いちど)あるかないかだしな、吟遊詩人(ぎんゆうしじん)としては譲(ゆず)れないさ。――俺(おれ)、結構本気(けっこう ほんき)だったんだけどな。アンタはどうなんだ恋人(しゅくてき)さん。最後(さいご)に聞(き)かせてくれよ」


よりにもよってそういう結末か。出来過ぎなくらいの演出じゃないか。
仲間達は死地から送り出し、残ったのは自分だけ。
振り向いて問いかけた相手の顔は苦渋の表情で歪んでいる。だから、俺は笑う。

『俺とアンタはここで死ぬんだよ』

共に過ごしたわずかな時間を思い出し、目の前の渋面に重ねる。
やっぱりその顔はアンタには似合わない。

全ては演技であの言葉は嘘だったのか? そう問うのは無粋だとわかっている。俺とアンタは表現者で演者だからな。わかってる。だから、この結末も悪くない。暇つぶしの終焉がアンタとなら、な。
せめてあっちに行っても覚えておいてくれよ、俺の顔と名前を。
俺はギド・フェルミ、さすらいの暇人さ。

登場キャラクター

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0