パンクリアース学園百鬼夜行!?
キャラクターノベル(グループ)制作 おおくまねこ納品 2025年02月08日 11時20分14秒
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「妖怪・火吹馬……学園の校舎内にモンスターが出るとは……大変だな」
レピド・クロサイトは壁に掲示された新聞を凝視しながら、ぽつりと呟いた。この新聞は『壁新聞』。パンクリアース学園の新聞部が発行している学園を紹介する刊行物だ。冒険者の常識はあるが、学園生活にはまだ馴染んでいないレピドは、色々と学園の情報を載せてくれているこの新聞を頼りにしていた。部長や部員が友人・知人であるというのも大きい。
そして、そのレピドが信頼する新聞によると、どうやら夜中の学園校舎内に火を吹く馬の怪物が出没するらしいのだ。
(どこから迷い込んだんだ……? クリーパーか? いや、学園関係者がうっかり逃がしてしまった魔獣という可能性もあるか……)
「少し、調べてみるか。俺は睡眠時間も短くて済むしな」
習得していてよかったショートスリーパー。その日からしばらくレピドは自主的にパンクリアース学園の夜間警備に励んだ。そして3日が過ぎた。
(……もういないのか? いや、決めつけるのはまだ早い……)
レピドはあてもなく深夜の学園を練り歩く。そしてついに――中庭の辺りで怪しい影を見つけた。
「ぼぉおおお! ぼぉおおお!」
(あれか!)
レピドが目撃したのは、後ろ脚で立ち上がり、天に向かって嘶く赤い馬の姿だった。口からは赤い炎のようなものが零れている。
(一撃で首を――はまずいな。誰かのペットの可能性もある。ここは――こいつを使おう)
レピドは懐から、色つやのいい人参を取り出した。新聞部の記事によれば、火吹き馬はニンジンを与えると大人しく立ち去るのだという。
「喰らえっ!」
レピドは掛け声と共に人参を火吹き馬へと放り投げる。すると、レピドの声に反応した馬はぐりんとこちらを向いた。
「……!」
レピドはその瞬間、馬の首の付け根に赤毛のエルフ女性の頭が埋まっている姿を見た。しかも、なんか見たことある学園のパイセンの顔だった。
(――そういうことか。いや、どういうことなんだ……!?)
レピドは見てはいけないものを見てしまったような気まずさを感じ、素早くその場から立ち去ったのだった。
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「なるほど……学園七不思議……そんなのもあるんだねえ」
学園内のカフェにて。レピドと向かいの席に座っていたディレイン・オールドケイジは腕を組んで唸った。たまたま王都の近くまで来ていたのでレピドに会えないか打診をしてみた所、快諾されたので一緒にお茶をすることになったのだ。さらにレピドと同じ学園生であるコルネリウス・アーラも来てくれるらしい。
「ああ、学園は不思議だらけで、まるでエーテル溜まりだ。きっとこれまで王家や学園長が学園の平和を守るため、秘密裏に戦ってきたに違いない」
ほっこりした様子で頷くディレインに、レピドは真面目な顔で答えた。
「ところで、火吹き馬だっけ? 学生か先生のただの見間違いってことは?」
「俺も最初はそう思ったんだが、かなりリアルな目撃談があってな。情報の発信元も信頼できるところだったんだ」
「なるほど。で、具体的にはどんな怪物なの?」
「――それは……その。なんだ」
「?」
どこか歯切れが悪そうなレピドにディレインが詳しく話を聞こうとした時だ。カランカランと店の入り口の鈴が鳴り、二人が見慣れた女性が飛び込んできた。
「すみません、遅れました!」
遅れてパタパタとカフェに入ってきたのは、コルネリウスだった。
「ディレインさん、お久しぶりです」
「うん、コルネちゃんも久しぶり。元気そうだね」
「おじさまは……寝食ちゃんとしてますか?」
「ああ。体を壊すような無茶はしていないよ、もちろん」
「授恵者基準じゃなくて、普通の人基準で、ですよね」
「あ、ああ。もちろん」
コルネリウスからお小言を頂戴し、ディレインは苦笑する。
「コルネリウス、アンタも忙しいだろうに、急に呼び立てて済まないな」
「ふふ、水臭いですね。同じ学園生同士なのに」
にこにこと微笑むコルネリウス。レピドは慎重にコルネリウスの様子を観察してみるが、特に病んでいるような様子はない。
(コルネリウスは何故、夜中にあんなことをしていたのだろう? 強くなりすぎて発狂したようには見えないし……先祖代々伝わる儀式とかだろうか……)
レピドは本人に聞かれたら怒られそうなことを考えつつ、コルネリウスの分のお茶をとってあげた。
……。
「……こないだの歴史の授業は我ながらよく出来たと思う。予告なしで『始まりの百家』の家名と家紋の組み合わせを答えるテストがあったんだが、満点は俺だけだった。あの先生はそろそろ何か仕掛けてくると思っていたんだが、カンが当たって良かった……ああいうのは『抜き打ちテスト』と言うのか?」
「へえ、レピド君やるなあ!」
「レピドさんも学園に慣れたようで安心ですね」
そんな風に、三人はお茶を飲みながらしばし近況報告などした。
●
「おっと、すっかり本題を忘れてたね。火吹き馬って、外見に特徴はあるのかな」
「ああ、それなんだが……これを見てくれないか」
レピドがコルネリウスの反応を伺いながら取り出したのは、一枚の絵だった。そしてそれが机に置かれた瞬間、コルネリウスから笑顔が消えた。そこには、燃え盛る炎を口から盛大に吐き出す赤い馬がフルカラーで描かれていた……。
「この絵は学園に掲示されていた新聞から俺が写し書きしたものだ」
「へえ、学園にはこんな生き物? もいるんだねえ」
お茶をすすりながらふむ、と頷くディレイン。
「コルネちゃんは? 見たことあるの?」
「えっ!? ……いえ、私はまだ見たことはないんです」
ディレインが真顔で固まっているコルネリウスに問いかけると、コルネリウスはぶんぶん手を振りながら答えた。
(あ。つい誤魔化してしまいました……)
レピドには既にバレているが、妖怪・火吹き馬の正体とは新聞部部長コルネリウス・アーラその人であった。別に新聞の話題性の為にモンスターを捏造したとかでもなければ、変な性癖があるわけでもない。全ては彼女が隠し芸を夜中の学校で練習していた現場を一般人が目撃してしまったことが原因なのだ。
ちなみにコルネリウスは冒険者活動の中でも何度か火吹き馬芸を披露しており、レピドとディレインも同席する機会はあったのだが、たまたま別の用事が合ったり、レピドが自分のコスプレで忙しかったりしたため、ニアミスに終わっていた。
何も知らないディレインをよそに、レピドとコルネリウスが互いの反応を探り合っていると、その時後ろのテーブルに着いていた学園生の二人組が興味深いことを口にした。
「え~化け猫!? 何それ~!?」
「本当だって! 夜中の校舎に出るのよ! 猫のお化けが!」
「なにっ!? 化け猫だと!?」
キュピーン、と目を輝かせるレピド。
「おや、それは初耳ですね?」
新聞部ソウルに火が点き、コルネリウスもくるりと振り向く。
「面白いな……学園ってのはけっこう色んな生き物が出るんだね」
ディレインは色めき立つ二人に目を細め、お茶を啜る。
「……で、化け猫っていうのはどんな奴だったのかな?」
ディレインは学生達から事情聴取を終えて戻ってきた二人に尋ねた。
「二足歩行する、人間大の猫だそうです」
(あれ? なんだか既視感が……)
「トラみたいな模様だが、ちょっと黒っぽいらしい!」
(ショウガそっくりじゃないか。ぜひ、会ってみたい!)
「なるほど?」
(それ、もしかして……いや、まさかね。火を吹く馬がいるなら、虎ぐらい大きな猫もいるさ)
一瞬、ディレインの脳裏に見慣れたレピドの一張羅がよぎったが、彼はそんなまさかと、その考えを振り払った。
●
というわけでその日の夜、コルネリウス、ディレイン、レピドの三人は夜の学園を調査することにした。
「うう。さぶ。この時期でも夜は冷えるね。レピド君はまだかな?」
二番目に集合場所にやってきたのはディレインだった。まだレピドだけ来ていなかったので、一番乗りのコルネリウス(当たり前だが普段着である)に尋ねた。
「はい。今は寮に住んでるはずですから、すぐ来ると思いますよ」
「そっか」
実際にそれから3分もしない間に、レピドはやってきた。
「待たせたな。二人とも」
「レピドさん……」
「レピド君……」
コルネリウスとディレインは絶句している。何故なら、レピドは猫の着ぐるみを着用して登場したからである。そして手には短剣ほどの大きさの鰹節が握られている。
「どうした?」
レピドは二人が固まっているのを不審に思い、尋ねた。
「いや、その服が衝撃なんだけど」
ディレインは苦笑しながら答える。
「……この服か? まるごとショウガだが」
レピドは見せつけるようにゆっくりと一回転する。
説明しよう! 丸ごとショウガとは、レピドが飼っているキジトラを模して造られた着ぐるみ(顔が出るタイプ)である! レピドはこれを着込むことで、愛の戦士・キジトラマンに変身することができるのだ!(一部誇張あり)
「レピド君、もしかして最近、その服で深夜徘徊とかしてないかい?」
ディレインが尋ねると、レピドはこくりと頷いた。
「ああ、寒さも凌げるから先の夜回りの時も着たな。それが?」
「「それだー! それが化け猫だー!」」
思わず突っ込むディレインとコルネリウスだった。
●
「……ところで、火吹き馬の正体なんだが。コルネリウスでいいのだろうか」
「……ええ。はい」
レピドに尋ねられ、コルネリウスは少し照れた様子で頷いた。
「やはりそうだったのか……」
「あ、そっちもコルネちゃんなんだ!? なんで!?」
「い、色々事情があるんです!」
ディレインも思わず目を丸くすると、コルネリウスは慌てて弁解した。
その後、パンクリアース学園の一部を騒がせた化け猫と火吹きの真相は永遠の闇へと葬られた。世界を揺るがせた幽界樹なき今、パンクリアース学園はそれなりに平和であった。
「妖怪・火吹馬……学園の校舎内にモンスターが出るとは……大変だな」
レピド・クロサイトは壁に掲示された新聞を凝視しながら、ぽつりと呟いた。この新聞は『壁新聞』。パンクリアース学園の新聞部が発行している学園を紹介する刊行物だ。冒険者の常識はあるが、学園生活にはまだ馴染んでいないレピドは、色々と学園の情報を載せてくれているこの新聞を頼りにしていた。部長や部員が友人・知人であるというのも大きい。
そして、そのレピドが信頼する新聞によると、どうやら夜中の学園校舎内に火を吹く馬の怪物が出没するらしいのだ。
(どこから迷い込んだんだ……? クリーパーか? いや、学園関係者がうっかり逃がしてしまった魔獣という可能性もあるか……)
「少し、調べてみるか。俺は睡眠時間も短くて済むしな」
習得していてよかったショートスリーパー。その日からしばらくレピドは自主的にパンクリアース学園の夜間警備に励んだ。そして3日が過ぎた。
(……もういないのか? いや、決めつけるのはまだ早い……)
レピドはあてもなく深夜の学園を練り歩く。そしてついに――中庭の辺りで怪しい影を見つけた。
「ぼぉおおお! ぼぉおおお!」
(あれか!)
レピドが目撃したのは、後ろ脚で立ち上がり、天に向かって嘶く赤い馬の姿だった。口からは赤い炎のようなものが零れている。
(一撃で首を――はまずいな。誰かのペットの可能性もある。ここは――こいつを使おう)
レピドは懐から、色つやのいい人参を取り出した。新聞部の記事によれば、火吹き馬はニンジンを与えると大人しく立ち去るのだという。
「喰らえっ!」
レピドは掛け声と共に人参を火吹き馬へと放り投げる。すると、レピドの声に反応した馬はぐりんとこちらを向いた。
「……!」
レピドはその瞬間、馬の首の付け根に赤毛のエルフ女性の頭が埋まっている姿を見た。しかも、なんか見たことある学園のパイセンの顔だった。
(――そういうことか。いや、どういうことなんだ……!?)
レピドは見てはいけないものを見てしまったような気まずさを感じ、素早くその場から立ち去ったのだった。
●
「なるほど……学園七不思議……そんなのもあるんだねえ」
学園内のカフェにて。レピドと向かいの席に座っていたディレイン・オールドケイジは腕を組んで唸った。たまたま王都の近くまで来ていたのでレピドに会えないか打診をしてみた所、快諾されたので一緒にお茶をすることになったのだ。さらにレピドと同じ学園生であるコルネリウス・アーラも来てくれるらしい。
「ああ、学園は不思議だらけで、まるでエーテル溜まりだ。きっとこれまで王家や学園長が学園の平和を守るため、秘密裏に戦ってきたに違いない」
ほっこりした様子で頷くディレインに、レピドは真面目な顔で答えた。
「ところで、火吹き馬だっけ? 学生か先生のただの見間違いってことは?」
「俺も最初はそう思ったんだが、かなりリアルな目撃談があってな。情報の発信元も信頼できるところだったんだ」
「なるほど。で、具体的にはどんな怪物なの?」
「――それは……その。なんだ」
「?」
どこか歯切れが悪そうなレピドにディレインが詳しく話を聞こうとした時だ。カランカランと店の入り口の鈴が鳴り、二人が見慣れた女性が飛び込んできた。
「すみません、遅れました!」
遅れてパタパタとカフェに入ってきたのは、コルネリウスだった。
「ディレインさん、お久しぶりです」
「うん、コルネちゃんも久しぶり。元気そうだね」
「おじさまは……寝食ちゃんとしてますか?」
「ああ。体を壊すような無茶はしていないよ、もちろん」
「授恵者基準じゃなくて、普通の人基準で、ですよね」
「あ、ああ。もちろん」
コルネリウスからお小言を頂戴し、ディレインは苦笑する。
「コルネリウス、アンタも忙しいだろうに、急に呼び立てて済まないな」
「ふふ、水臭いですね。同じ学園生同士なのに」
にこにこと微笑むコルネリウス。レピドは慎重にコルネリウスの様子を観察してみるが、特に病んでいるような様子はない。
(コルネリウスは何故、夜中にあんなことをしていたのだろう? 強くなりすぎて発狂したようには見えないし……先祖代々伝わる儀式とかだろうか……)
レピドは本人に聞かれたら怒られそうなことを考えつつ、コルネリウスの分のお茶をとってあげた。
……。
「……こないだの歴史の授業は我ながらよく出来たと思う。予告なしで『始まりの百家』の家名と家紋の組み合わせを答えるテストがあったんだが、満点は俺だけだった。あの先生はそろそろ何か仕掛けてくると思っていたんだが、カンが当たって良かった……ああいうのは『抜き打ちテスト』と言うのか?」
「へえ、レピド君やるなあ!」
「レピドさんも学園に慣れたようで安心ですね」
そんな風に、三人はお茶を飲みながらしばし近況報告などした。
●
「おっと、すっかり本題を忘れてたね。火吹き馬って、外見に特徴はあるのかな」
「ああ、それなんだが……これを見てくれないか」
レピドがコルネリウスの反応を伺いながら取り出したのは、一枚の絵だった。そしてそれが机に置かれた瞬間、コルネリウスから笑顔が消えた。そこには、燃え盛る炎を口から盛大に吐き出す赤い馬がフルカラーで描かれていた……。
「この絵は学園に掲示されていた新聞から俺が写し書きしたものだ」
「へえ、学園にはこんな生き物? もいるんだねえ」
お茶をすすりながらふむ、と頷くディレイン。
「コルネちゃんは? 見たことあるの?」
「えっ!? ……いえ、私はまだ見たことはないんです」
ディレインが真顔で固まっているコルネリウスに問いかけると、コルネリウスはぶんぶん手を振りながら答えた。
(あ。つい誤魔化してしまいました……)
レピドには既にバレているが、妖怪・火吹き馬の正体とは新聞部部長コルネリウス・アーラその人であった。別に新聞の話題性の為にモンスターを捏造したとかでもなければ、変な性癖があるわけでもない。全ては彼女が隠し芸を夜中の学校で練習していた現場を一般人が目撃してしまったことが原因なのだ。
ちなみにコルネリウスは冒険者活動の中でも何度か火吹き馬芸を披露しており、レピドとディレインも同席する機会はあったのだが、たまたま別の用事が合ったり、レピドが自分のコスプレで忙しかったりしたため、ニアミスに終わっていた。
何も知らないディレインをよそに、レピドとコルネリウスが互いの反応を探り合っていると、その時後ろのテーブルに着いていた学園生の二人組が興味深いことを口にした。
「え~化け猫!? 何それ~!?」
「本当だって! 夜中の校舎に出るのよ! 猫のお化けが!」
「なにっ!? 化け猫だと!?」
キュピーン、と目を輝かせるレピド。
「おや、それは初耳ですね?」
新聞部ソウルに火が点き、コルネリウスもくるりと振り向く。
「面白いな……学園ってのはけっこう色んな生き物が出るんだね」
ディレインは色めき立つ二人に目を細め、お茶を啜る。
「……で、化け猫っていうのはどんな奴だったのかな?」
ディレインは学生達から事情聴取を終えて戻ってきた二人に尋ねた。
「二足歩行する、人間大の猫だそうです」
(あれ? なんだか既視感が……)
「トラみたいな模様だが、ちょっと黒っぽいらしい!」
(ショウガそっくりじゃないか。ぜひ、会ってみたい!)
「なるほど?」
(それ、もしかして……いや、まさかね。火を吹く馬がいるなら、虎ぐらい大きな猫もいるさ)
一瞬、ディレインの脳裏に見慣れたレピドの一張羅がよぎったが、彼はそんなまさかと、その考えを振り払った。
●
というわけでその日の夜、コルネリウス、ディレイン、レピドの三人は夜の学園を調査することにした。
「うう。さぶ。この時期でも夜は冷えるね。レピド君はまだかな?」
二番目に集合場所にやってきたのはディレインだった。まだレピドだけ来ていなかったので、一番乗りのコルネリウス(当たり前だが普段着である)に尋ねた。
「はい。今は寮に住んでるはずですから、すぐ来ると思いますよ」
「そっか」
実際にそれから3分もしない間に、レピドはやってきた。
「待たせたな。二人とも」
「レピドさん……」
「レピド君……」
コルネリウスとディレインは絶句している。何故なら、レピドは猫の着ぐるみを着用して登場したからである。そして手には短剣ほどの大きさの鰹節が握られている。
「どうした?」
レピドは二人が固まっているのを不審に思い、尋ねた。
「いや、その服が衝撃なんだけど」
ディレインは苦笑しながら答える。
「……この服か? まるごとショウガだが」
レピドは見せつけるようにゆっくりと一回転する。
説明しよう! 丸ごとショウガとは、レピドが飼っているキジトラを模して造られた着ぐるみ(顔が出るタイプ)である! レピドはこれを着込むことで、愛の戦士・キジトラマンに変身することができるのだ!(一部誇張あり)
「レピド君、もしかして最近、その服で深夜徘徊とかしてないかい?」
ディレインが尋ねると、レピドはこくりと頷いた。
「ああ、寒さも凌げるから先の夜回りの時も着たな。それが?」
「「それだー! それが化け猫だー!」」
思わず突っ込むディレインとコルネリウスだった。
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「……ところで、火吹き馬の正体なんだが。コルネリウスでいいのだろうか」
「……ええ。はい」
レピドに尋ねられ、コルネリウスは少し照れた様子で頷いた。
「やはりそうだったのか……」
「あ、そっちもコルネちゃんなんだ!? なんで!?」
「い、色々事情があるんです!」
ディレインも思わず目を丸くすると、コルネリウスは慌てて弁解した。
その後、パンクリアース学園の一部を騒がせた化け猫と火吹きの真相は永遠の闇へと葬られた。世界を揺るがせた幽界樹なき今、パンクリアース学園はそれなりに平和であった。