【嵐竜】嵐逆巻く魔海竜

ヴィルジニア・テレーザ・セルッティ

どうやら王国も帝国も自分達のことで手一杯のようだし、この間の『アレ』を聞く限りじゃあ征竜も人間が減るのを良しとしているようじゃないか。あの化け物からリブラネスタを守るのは自分達だってこったね。
幸い、ヴィンダールヴル達の協力も得て防衛の準備は進めている。「竜巻破壊兵器トールハンマー」であの竜巻さえ何とかできれば、相手にこちらの手も届こうってもんさ。あとは、いざって時のための備えに、火事場で妙なことをしでかしそうな連中の警戒……。まったく、手がいくらあっても足りそうも無いよ。

超大型クリーパー「嵐逆巻く魔海竜」に対し、迎撃の準備も整いつつある。まずは前衛を倒し、竜巻の守りを破壊することが必要だ。
(8月11日より 【嵐竜】嵐逆巻く魔海竜 連動シナリオリリース予定!)

assignment【嵐竜】嵐逆巻く魔海竜 概要

「嵐逆巻く魔海竜」は、冒険者達の本拠地リブラネスタに迫る、超大型クリーパーとの戦いを描く連動である。はたして、リブラネスタは滅亡の未来を回避することができるのか? すべては冒険者の活躍にかかっている。

assignmentここまでの流れ

ある日、「預言の魔女」オペラが予知夢を見る。それは、外洋から現れた超大型クリーパー「嵐逆巻く魔海竜」によって、冒険者達の本拠地であるリブラネスタが壊滅するという衝撃的な物だった。
リブラネスタの壊滅まで、あと二ヶ月。冒険者達はリブラネスタを守る為に立ち上がる。
(8月10日追記)
預言の警告に従い、戦場となるリブラネスタは防衛のための備えを進めた。『神匠』ヴィンダールヴィルや雪百合騎士団の協力を得て新兵器を開発。邪竜と戦った経験のあるドワーフ王国からも支援の声があがった。押し寄せる「嵐逆巻く魔海竜」の分体や海の魔獣を倒し、本体の持つ竜巻の守りを砕こうとしている。

person_pin関連NPC

「必ず的中する」予知夢を見ると証明された女性。予知の範囲はロスガリア大陸全土にわたり、夢の中に「白い鳥」が現れることが彼女の予知夢の特徴である。彼女はそれを神の預言であると信じ、世界中の人々を救うべく活動している。現在はリブラネスタの冒険者街に滞在し、予知夢の情報を冒険者ギルドへ提供している。

《本連動での動き》

嵐逆巻く魔海竜によってリブラネスタが滅亡することを予知夢に見た。

《授恵者》たちが振るう特殊な武器の作成を一手に担う鍛冶師。扱いの難しい《授恵者》の武器や防具の製作・調整に人生を捧げた結果、鍛冶のみならず、木工、裁縫、彫金など様々な分野に精通し、それぞれの分野の高弟を多数抱えている。リブラネスタの職人街に新しい工房を構えており、同都市で最も冒険者と付き合いの多い人物の一人である。

《本連動での動き》

嵐逆巻く魔海竜に対抗する為の武具の制作協力を依頼され、冒険者の協力を得て「竜巻破壊兵器トールハンマー」を完成させた。

「預言の魔女」オペラの予知夢に現れた、超大型クリーパー。巨大な竜巻を纏った竜のような姿をしており、この竜巻が多くの人々を呑み込むと予知されている。また、この竜巻は、外敵からの攻撃を弾く効果も持っているようだ。

《本連動での動き》

外洋から、リブラネスタを目指している。

menu_book関連用語・情報

リブラネスタ

エラトゥーン都市同盟の一角にある都市。冒険者ギルドの本拠地がある。 1220年の帝国崩壊以降に生まれた授恵者は、原則、冒険者ギルドに所属することになっていることから、リブラネスタには大きな「冒険者街」が造られている。

嵐逆巻く魔海竜の分体(8月10日追加)

超大型クリーパー『嵐逆巻く魔海竜』は自身の姿と能力を模した中型のクリーパーを出現させる能力を持っている。それらは本体の為の前衛として、一足早くリブラネスタへと迫っているようだ。

嵐逆巻く魔海竜の竜巻(8月10日追加)

リブラネスタに迫る嵐逆巻く魔海竜が纏う竜巻は、尻尾に存在する器官が発生させている事が判明した。「竜巻破壊兵器トールハンマー」により一時的に竜巻を破壊できるが、その器官を破壊しない限り、竜巻は再生するだろう。

対竜兵器(8月10日追加)

ドワーフ王国を襲った邪竜に対抗すべく開発されていた兵器の一部や、今回開発された「竜巻破壊兵器トールハンマー」が対策として考えられている。その他、ベールコートのミルドレッド領も独自に準備を進めており、ゴールディからは密かに秘密兵器が輸送中とのこと。

 ――白い鳥が飛んでいく。
 ああ、また夢を見ているのだと『預言の魔女』オペラは気付いた。
(あれは……『嵐逆巻く魔海竜』)
 海の果てに見える巨大な竜巻。1ヶ月後にリブラネスタを襲うことが判明している超巨大クリーパーの姿を、オペラは再び夢に見ていた。
 周囲を見渡せば、そこは陸地も見えぬ大海原。まだリブラネスタとは距離があろう、と後ろを振り返ったオペラの目に飛び込んできたのは、異様な光景だった。

(な、なんじゃあれは……!?)

 恐らくはロスガリア大陸へと続く方面の海に、一面の白波と海中に蠢く無数の何かが見える。
 そのいくつかは海面に顔を出したり、跳ねたりしながら進み、遠ざかっていく。

(海の魔獣に、クリーパーか!? 『嵐逆巻く魔海竜』から逃げて――?)

 前進を続ける圧倒的強者『嵐逆巻く魔海竜』の気配を察知し、無数の水棲魔獣やクリーパーたちが逃げ惑っているのだ。四方八方に逃げる彼らの一部は『嵐逆巻く魔海竜』に捕らわれ糧となり、一部は高速で脇に逸れて捕食を免れ、さらに一部は――後ろから追われるままに突き進み、ロスガリア大陸方面へと流れていく。
(なんという事じゃ。リブラネスタを襲う脅威は『嵐逆巻く魔海竜』のほかにも……!)

 その時、不意にオペラの視点が切り替わる。
 ハッとして見下ろせば、オペラは『嵐逆巻く魔海竜』の生み出す竜巻の内側にいるようだった。

 海面から半身をのぞかせた巨大な海竜が、不意に動きを止める。
 荒れ狂う竜巻は瞬時に消え失せ、獰猛な咆哮が天高く響き渡った。

(分身、じゃと!?)

『嵐逆巻く魔海竜』を取り巻く海面が大きく波打ち、姿を現したのは何体もの中型クリーパー。サイズこそ違えど、すべて『嵐逆巻く魔海竜』と瓜二つの外見だった。

 本体と同様に咆哮をあげ、分体たちは素早く海中に消えていく。
 逃げ惑う海の魔物たちが彼らに追われ、一部を捕食されながら大陸のほうへと突き進んでいくのが遠くに見えた。
 眼下では本体たる『嵐逆巻く魔海竜』が太い尾を海面から振り上げ、くねくねと宙を泳がせている。
(……あれは、もしや?)
 オペラが目を凝らした先で、海竜の尾の先がぼんやりと光を放つ。
 そして、その尾が半円を描くように大きく振られた瞬間、辺りは再び竜巻に覆われた――。

●
「ったく、『嵐逆巻く魔海竜』って奴はとんだ迷惑野郎じゃないか。本人が来るだけじゃない、奴に追われたクリーパーやら魔獣やら、おまけに奴の分体までぞろぞろ押し寄せてくるなんてさ」
 オペラが見た二度目の予知夢を受けて開かれた緊急議会の後、執務室に戻ったリブラネスタ市長ヴィルジニア・テレーザ・セルッティは、思わず頭痛を感じてこめかみに片手をあてる。
 超大型クリーパー『嵐逆巻く魔海竜』の襲来が預言されてから約1ヶ月、リブラネスタ市は冒険者ギルドと連携しつつ、迎撃態勢を整えるために奔走した。

 市内に工房を構える『神匠』ヴィンダールヴルらが制作した新兵器『竜巻破壊兵器トールハンマー』は無事に完成し、『嵐逆巻く魔海竜』が纏う防壁と思しき竜巻を破壊する手段として期待されている。ベールコートはミルドレッド領から駆け付けた雪百合騎士団からも、既存兵器とイカ魔獣の素材を組み合わせた対クリーパー・魔獣兵器などの迎撃準備が行われていると連絡があった。南方のゴールディからも、詳細は不明だが何らかの秘密兵器が送られているという。
 さらには、少し前までリブラネスタと内戦状態にあった都市同盟の大都市エスト・ポーラからも支援の声があがり、既に海軍第四軍船隊らが到着。市民の間に流れた不穏な噂にも対処がなされ、遠くドワーフ王国からは対邪竜武器の輸送も行われている。夏を迎えた市内ではあちこちで祭りが催され、今のところ都市経済も滞ることなく回り続けていた。

 いよいよ『嵐逆巻く魔海竜』が接近すれば段階的に市民を避難させる必要があるものの、大きな混乱を生むことなく第一段階の対応を終えられたことに、ヴィルジニアを始め多くの議員が安堵した――その矢先に、第二の予知夢である。

「しかし、神様はわらわたち人類に味方したのじゃ! 奴が先触れの如く分体を送ってこようとも、海の魔物が近海にあふれようとも、予めわかっておれば対処のしようもある」

 執務室のソファにちょこんと腰かけた『預言の魔女』オペラの言葉に、ヴィルジニアは小さく息を吐いてから「まあ、そうだね」と同意した。

「アンタの神様が二度も同じ悲劇の夢を見せるなんて珍しい。それだけ『嵐逆巻く魔海竜』が脅威で、何としても倒してくれってことなんだろうけどさ。神様にそこまでされちゃ、期待に応えないワケにはいかないねぇ」
「その通りじゃ! 幸い、奴(魔海竜 )の竜巻を発生させる器官の位置も見えた。前に居るクリーパーや魔獣どもが邪魔じゃが……竜巻を破壊し、発生器官も潰すことができれば、奴を丸裸にしてやれるのじゃ」

 先ほどの議会で固まった凡その対応方針を頭の中でなぞりながら、ヴィルジニアは首を縦に振る。
『嵐逆巻く魔海竜』を倒すには、第一段階として、奴を取り巻く竜巻を破壊する必要がある。そのために、未だリブラネスタから遠い海へと船を出し、『竜巻破壊兵器トールハンマー』を叩きつけて竜巻を消滅させる作戦がもともと存在していた。
 しかし、ただ竜巻を消滅させただけでは心許ない。二度目のオペラの夢によれば、恐らく竜巻を再発生させることが可能なのだ。トールハンマーで竜巻を消滅させることに成功した場合、すぐに『嵐逆巻く魔海竜』の至近に迫り、尾の先にある竜巻の発生器官を破壊しなくてはならない。

 しかも、『嵐逆巻く魔海竜』より手前には分体クリーパーや海の魔物がウヨウヨいる。本体へ向かう船を通すため、それら前衛を引きつけ、数を減らすための戦力も用意しなくてはならないだろう。

「やれやれ、また難易度が上がったような気がするけどね。こっちには冒険者ギルドの協力だって、援軍だってあるんだ。やってやれないことはないさ」

 そう言って、ヴィルジニアが見つめた窓の外――どこまでも広がる青い海には。
 数日後、多数の海の魔物たちが押し寄せることになる。


 執筆:桃谷かな
アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0