【RP】目を逸らされた歴史


「うーん、内容は疑問点もあるが、この尖り切った差別思想はよく文章にできたな……」
古びた紙の匂いが漂う館内の中、男が本のページを捲っている。

受付で聞いた、雇われの司書もどきの特徴と一致しているようだ。
何か本を探しているなら尋ねればいいだろうし、そうでなくともこのような奇妙な場所にいる人間ならば、興味本位で話しかけてもいいかもしれない。

1:1RP
どなたでも先着一名様と。
2020年09月20日 05時14分12秒 |48

2020年09月23日 00時05分01秒
これ、置いてるだけで命を狙ってくる者も居そうなんだが……。
まあいいか、どのような思想でも、知ると知らぬでは大違いだ。

2020年09月23日 00時19分19秒
もし……そこの人……書籍を探しているのですが、手伝っていただけますか。具体的には神話と差別思想に関する……種族の生誕順からその序列を導き出したものを探しているのですが……

2020年09月23日 01時03分26秒
おや、お客様だ。
(読んでいた本を閉じ、声をかけてきたエルフへとほほ笑む)

生誕順での序列を書いたもの……歴史と神話と思想の区域を探すことになるな。
結構時間がかかってしまいそうだが、探している本の作者なり書かれた国なり、他に何かわかることはあるかな?

2020年09月23日 01時37分13秒
読書中でしたか……ありがとうございます。作者はTAPとしか記されていませんが……製本の仕方から王国人と噂されています。書かれた国も同様に王国であると目されています。初出は9世紀頃。内部争いが激化する王国でストレスを溜めに溜めた人々がその捌け口を求めたものだと、評する史家もいるそうですね。たしか……同年代の書籍でもしばしば引用されることがあったはずです。

2020年09月25日 02時34分37秒
うむ、そこまで分かっているならすぐに見つけられると思うよ。
9世紀……王国の歴史に詳しいようだね、確かに王家の権威が急速に失われ、今も続く各問題が激化していった時代だ。
(語りながら、慣れたようにある本棚に手をかけ一冊の蔵書を取り出す)

む……おそらくコレだが、保存状態が良くないな……。
館長はアレで本の扱いには誠実だし、此処に来た時点でこれか……ということは写本も期待できないな。
(ぶつぶつとぼやいた後、女エルフへと一冊の本を差し出す)
確認してくれ、お探しの本の筈だ……内容が欠落してないかは保証できないが。
ちょっと状態が良くないから、扱いは慎重に頼むよ。

2020年09月25日 22時24分07秒
国を持たない私達ですが、国に興味を持つものはそこそこいるということです。種明かしをすれば、私塾でやったというだけですが(壊れ物を触るように受け取り、そっと捲る)。

おお……この初期4種族以外をとことん貶し続け、終いには絶滅に依る浄化を求める記述の数々……聞いていた通りです。特に「今年殺せるだけ殺せば来年は殺す分が少なくて済む」だなんて、なかなかみることがありませんよ(そっと目的のページを開き、確認する)。

……少し前9世紀頃の王国を調査している同族に会いましてね。これに対する解釈を話し合ったのですが……しかし、その内容でお互いに食い違いがありましてね。それで確認しに来た、というわけです。目的は果たせました、ありがとうございます。ただ、質問をしても宜しいでしょうか。先程読んでいた本は一体……?

2020年09月26日 02時33分11秒
なるほど……エルフと見受けるが、私塾とはフィルエスの大森林での話かな?
実に興味深い話だが……お客人を捕まえて掘り下げる事ではないか。

それにしても、また極端というかなんというか。
ゴブリンは……まだ他の亜人と変わらぬ扱いを受けていた頃だろうが、ハーフビーストやリザードマンが現れた頃からその時点で二千年近く経ってるだろうに。
もっとも、ビッグオウムで情報の伝達も早くなった今だからこその感想かもしれないがね。

ああ、この本かい?
(問われ、本を掲げて表紙を見せる)
『神に愛された平原と狡猾な盗賊について』……今のリーンエスがある土地の肥沃さと、著者の語る【盗賊】……帝国と同盟について記されている。
著者は、大層二大国を警戒していたらしいね。パンクリアース成立後の書物だが、留学生の首を取れだの中々好戦的だ。

2020年09月26日 03時24分39秒
ええ、フィルエス大森林にある私塾です。

そうですね、歩く者にとって大陸は広大でしょう……しかしビッグオウムに乗る者にとってはその10分の1の広さしかないのです。それゆえ、ビッグオウムとは大陸を握り締める力であり……微睡みのなかにいた大陸中の人々の時間を急き立てて当時とはまるっきり違う時間と空間を生きる者に仕立て上げてしまいました。おそらく……彼等の二千年前は我々の200年前……あるいは昨日。我々にとって2000年は彼等にとっての2万年前……あるいは永遠の彼方……想像さえしなかったかもしれません。こんな時間が早くなる日が来るなどと。何れにしても、彼等は私達よりも遥かに身近に考えていたと思いますよ。神話というものを。

留学生の首を取れ……ですか。いや、なかなかですね。あの学園の設備は随一ですが、好戦的である事にかけても随一になろうとしているのですね。しかし、ちょっとした好奇心ですが、実際実行されたのですか?

2020年09月27日 10時20分32秒
なるほど、ビッグオウムによって生きる時間が変わった、か……。
そうだね、それほどまでにあの鳥が我々に与えた影響は大きいのだろう。
神話が身近であり、同じ時代を生きる別種族は遠かったのだと思えばこのような書が出るのも無理はなかったのかな。

いや、流石にそうはならなかったというか、著者が貴族でね。
王国の貴族にとって、他国より異種族より身近な敵が他の貴族だ。
さあ隙ができたぞと集中的な批判を受けて……結局彼は行方不明『ということになった』。

2020年09月27日 22時57分50秒
ええ、その通り。あくまで実体験なのですが……故郷の300近い翁などに言わせると私はひどくせっかちで妄想が激しいと……たんに私の性格かもしれませんけれども。しかし、どうやらそちらも妙な形で均衡が取れているようですね。身近な敵が同族とは……狼に怯える兎の如く怯えてしまいそうです。文献通りの姿がみれそうで安心するとも言えますが。

2020年09月29日 00時50分15秒
ふむ……まあ妄想に縁がない者ならそもそも此処に居ないだろうしね。
せっかちも、ヒューマンである僕からすれば丁度いいくらいだ。

ああ、知識や予測が当たっていると安堵を覚える。僕にも覚えがあるよ。
しかし、その物言いだとエルフ同士は大きな争いは無いのかな?
もっとも、そうでなければ大森林で纏まらず、ヒューマンのようにいくつも国が出来る事態になるかもしれないし当然かもしれんが。

2020年09月29日 19時54分12秒
……そうですか。しかし、エルフ同士で大きな争いはないのか……に対しては「私の周囲ではなかった」としておきましょう。ただ、そちら……つまり王国と同じ意味合いで大森林で纏まっているかというと微妙です。というのも、よく知られているように各氏族の長と助言役の長老の合議ですからね。王みたいなものはいませんし、王国が国として纏まっていると主張するときのそれとは意味合いが異なるでしょうから。いえ、私は今後もあまりはっきりと敵味方を分ける体制に落ち着いて欲しくはありませんが……

2020年09月30日 23時26分53秒
なるほど、ヒューマンの国家では同盟の方が近しいのかもしれないね。
とはいえ、種族単位でそれを出来ているなら僕らよりは平和的だと言っていいんじゃないかな?
王は居ないというが……確か、森の一員であるという意識が強いのだったか。
うむ、同じ姿と同じ力を持った相手を王とするよりは、そちらの方が安定してそうだ。

2020年10月01日 22時56分15秒
同盟ですか、合議であることに関しては似ているかもしれませんね。平和である事や森の一員であること、安定性に関してもある程度は同意します。ただ、同盟の商圏が森になったバージョンと考えると少し齟齬が出ますね。合議に関してもあちらは商圏全体と自らの姿がくっきりしていてその利益を最重視していますが、此方は特筆するほどではありませんし部族の集まり感が否めませんから。しかし、そのうち大森林も同盟のようになるかもしれません。なにせ帝国が「ああなって」いてその遺児たちが「こう」ですからね、これからは大森林も積極的に表舞台に乗るでしょうし……そうなると「同盟的」であった方が都合がいい。ちょうどよく似たモデルもある事だし――ならばこれを真似て大森林は第二の同盟に……あるいは「王みたいなもの」を立てるか、です。何れにせよ、変革を迫られるでしょうね。私はもう少し曖昧に行きたいものですが。

2020年10月02日 23時40分50秒
ふむ……確かに、同盟は金銭という秤によってそれぞれの力関係も分かりやすい。
このリブラネスタを筆頭に、いくつかの有力都市とそこに属する残り……といった具合だろうか。
そちらの森は……ハイアルヴだったか? 敬うべき象徴がいるとは聞くが、ああしろこうしろと口出ししてくる類の性格でもないらしいしな……。

まあ、変革が求められるだろうという事は同意だ。エルフに限った話ではないかもしれないが。
帝国で起こったあの災害はあまりにも話が大きすぎる。ビッグオウムを扱えるゴールディや冒険者を筆頭に、大陸は急速に変化していくかもね。

2020年10月03日 00時24分46秒
ええ、いわば同盟の貴族たちとそれ以外です。しかし、我々の信仰――ハイアルヴですか。彼/彼女の性格はよく知りません、ああしたこうしたと口出ししてくる類の性格ではないかに関しても同様です。というのも部族毎に姿や存在の描かれ方、受け入れられ方などが違いますし、同一部族内で宗派の違いからお互いに破門し合う事もある程度には多様な言葉ですからね。例えば、我が部族ではハイアルヴとの交信によって得た事柄は森の維持に役立てるための助言と解釈するのが伝統なのですが、私なんかはもっと会話のように広い文脈をもったものだと解釈する宗派です。ただ、簡単なイメージは誰しも持っているかもしれません。我が部族の長なんかはけっこう厳格な性格で不味い事があれ口出ししてくるイメージしていると思いますが、私はもっと生々しさをもった口出しすることもあればしないこともある性格だと感じています。

はい、既に世界は変わってしまった――といっても過言ではないでしょう。

2020年10月07日 00時57分28秒
なるほど……複数の神を信仰する者同士で意見が食い違うというのは王国でも聞いたが、同一存在に対する解釈が異なるというのは、個人的には中々不思議な話だな……。
貴方のように、属する部族とは違う理解をする者も居るとなると、定義の統一は生半可なことではできないな。
その辺りに、今までエルフたちが大きな変化をしてこなかった要因などもあるのだろうか。

世界は変わった。残念ながら、今のところはあまり良くない方向に。
ただ人が死ぬ災害だけでも頭が痛いが……願わくば、その影響が少しでも善いものになってほしいものだ。

2020年10月07日 03時34分44秒
卿らがせっかちなのですよ、現在大きな変化の途中と古老なら言うでしょうか。流石に神学議論に忙しくて他の事に手を出さなかったとかではないですが……ただ、そうですね……時間間隔の違いはあるでしょう。例えば、今回私が探しに来た本の年代である9世紀頃はまだ祖父たちの思い出話にひっかかります、ですが貴方からすればもう歴史の出来事でしょう?神学議論にもそうした態度で挑むと、お互い気が長いのでなかなか統一が進まないとか大きな変化を迎えるにしてもゆっくりと進むので卿等からすればはるか昔から大きく変化していないと感じられる……かもしれません。しかし、まぁそれも今後は変わるかもしれませんけれどね。

2020年10月07日 18時47分00秒
なるほど、変化の途中か……いや、これは失礼した。
寿命が違うのだから時間の感覚も違うと、頭では理解しているつもりだが、やはり自分の物差しで測ってしまう部分はあるものだな。
今後は……ああ、帝国で起こった話が事実なら、クリーパーも増えるだろう。
連中の振る舞いに、『エルフなのだから気が長いだろう』なんて考えはないだろうね。

2020年10月07日 19時23分33秒
そういうものです、大森林から出る前の私も森のなかの移動時間で旅の日程を見積もったものです。しかし、クリーパーもそうなのですが……あれらはおそらくなんとかなるでしょう。激動が予測されますが、なんとかならねばだらだらと滅びを先延ばしにするだけになるでしょうから。問題はどの着地点に如何に着地するかです。現状だと冒険者にけっこうな特権が与えられていますが……このまま冒険者優位のまま進められてついには帝国跡地を冒険者の楽園にでもするつもりなのか……とか。そうなるとですね、こう……偶然冒険者のエルフが増えて、ちょっと忙しくなるな……と。

2020年10月09日 03時02分16秒
確かに、なんとかならなければ滅びは避けられない。そこを考えることに大きな意味はないかもしれないな。
授恵者が増加している話もあるしな……エーテルを扱える者とそうでない者の間の力の差は容易には埋まらないものだ。
帝国に現れたクリーパーは授恵者にしか見えぬという話も聞くし、その所属が義務付けられている冒険者ギルドの力が強まるのは無理もないだろうね。
……話してて思ったが、偶然冒険者のエルフが増えたら大部分は見えない怪物に食われないかと心配になったぞ。

……僕としては、帝国跡地以外も気がかりではあるよ。
特に同盟や王国では、事態解決後に所属の制限が解けた授恵者をいかに引き込むか頭を働かせている者も多いだろう。
そうなれば、多くは冒険者に特権を与える方向に進むかもしれないが……そのしわ寄せの行き着く先が、本当に気がかりだ。

2020年10月10日 20時36分12秒
そうですね、ちょっと危険かもしれません。あとは森から焼け出されただとか勘ぐる人もいるでしょう。いえ、そんな事実はないのですが……ただどこも似たような事をするでしょう。なので相対的にそこそこの割合に落ち着くかもしれませんね。しかし、冒険者の特権のしわ寄せですか。冒険者の地位を世襲できる、とかになったら国際的な新しい貴族制の始まりですね。さすがにそんな冗談みたいな事はないでしょうけれども……ただ冒険者ギルドが国々の実質的な傀儡と化す事はあるかもしれませんね。現状は、冒険者が増大の傾向ですが……あまり増えすぎると従来の冒険者ギルドの財源で賄える量を超えてしまい、諸国の介入を許してしまうとかはありそうな事です。

2020年10月11日 17時09分10秒
エルフの森が燃えたーなんてジョークはたまに聞くね。
まあ、リザードマンの湿地が干からびたとかドワーフ火山大噴火とかよりは現実味があるからかもしれないが。
授恵者の数の増え方はどこも同じようなものだし、なんだかんだでそれなりの割合に落ち着くのでは、というのは同意だね。

授恵者はどこまで増えるのか……。
ギルドの拠点がある同盟の影響が今は強いかもしれないが、だからこそ他国も動く動機も生まれる。
しがらみが増えすぎて、冗談みたいなことが現実になる前に帝国の問題も解決して欲しいところだが……さてどうなるのかな。

2020年10月12日 00時06分43秒
沼地が干からびたり、火山大噴火はそれ程容易いことではありませんからね。いえ、当然どの森を燃やすのも容易だといっているわけではありませんが。しかし、けっきょくは帝国の問題に戻って来ますか。たしかに帝国跡地にあると噂の大樹なんかはもう神話のそれです。いや、修道騎士としては心が躍る……というと少し不謹慎でしょうか。ただ、帝国の書籍!こればかりは是が否でも救いにいかねばならないですね。別に私でなくとも構わないのですが、卿はどうです?救いに行く気になりませんか。ここに務めている程ですし。

2020年10月14日 00時51分27秒
うむ、帝国に空いたという大穴に大樹……まさしく神話に語られる出来事だろうね。
その上、己が身をもって穴を塞いでくださった神々ももう居ない。
大陸、いやこの世界を揺るがしかねない問題なのだから、多くの話がここに戻ってくるのも必然かもしれないな。

帝国の書籍はなー……皇太子に見逃してもらえる範囲で持ち出せるならそりゃ持ち出したいところだ。
とはいえ、重要な本は写本も気軽には出来なかったろうし、そのようなものは中枢に留めておいたものも多いだろう。
危険を冒して帝国に踏み入ったとて……果たしてまだ無事かと考えてしまうね。

2020年10月14日 04時24分37秒
それは同意しましょう。クリーパーにその種の気遣いを期待する方が間違いですからね。しかし、実を言うとですね。私が期待しているのは原本や写本ではありません。そちらもできれば欲しいのですが、今回は司書や研究者など帝国にあったそれらの本の内容を理解している人々です。彼等こそが帝国の生きた知識であり、あの帝国に「あったもの」を作り上げるでしょうから。実際どうだったかを問わず。ただ、彼等を難民のなかから見つけ出すためにはけっこうなゴールドが掛かりそうです。そもそも明日生きているとも限りません。そこで卿ですよ。なかなか羽振りが良さそうで、本に興味のある卿ならば希望があるかと思いましてね。どうです、帝国の中身が欲しくはありませんか。ええ……入れ物のほうはまったく神話的になってしまいましたが、我々は人事を尽くすべきですからね。

2020年10月15日 01時49分51秒
まあ、羽振りがいいのは僕というより親なのだけどね。
(苦笑しつつ、相手の言を否定するようなそぶりは無い)
その親の方は、今せっせと食糧確保や冬備えをして帝国難民を笑顔で迎えてる頃じゃないかな?
勿論、王国や帝国皇太子に睨まれない程度には留めているようだが……良くも悪くも現金な人だ、労働力として集めようとしている人員の中に別の価値を持つ者が混じっていたなら、有効に活用しようとするだろうね。

ただ、そうなると自分の領地を肥えさせる為に有用なものを優先するだろう事……。
そして、国内の王と貴族すらも睨み合うあの環境で、他国の人間に自分の見つけた『お宝』を共有するつもりも無いだろうな。ハッキリ言えば、此処に関しては僕も同意見だ。

――例外があるならパンクリアース学園だな。
金を出せる者は多くいても、知識を出資出来る者は限られ、だからこそそれを為せる者は存在感を増す。
王国に流れた知識人と冒険者が接触するのであれば、あそこが現実的ではないかと思うよ。
クリーパーとは、別種の敵意は向けられるかもしれないがね。

2020年10月15日 02時53分39秒
まぁそうなるでしょうね。知識の秘匿は自らの価値を高める常套手段ですし、それを除いても王国ならばせいぜいパンクリアース学園を選択する事が無難といえましょう。ただ、宝の方は誰かが回収してくれたらそれで構わないのですよ。それは所有に関しても同様です。無いものはどうしようもないですが、在るものには可能性がありますから。というのも、私はエルフですからね。100年程度ならば待てますし、現在の100年は長いですから期待を維持したまま別のことに専念できるというものです。しかし、パンクリアース学園に辿り着くまでの摘み食い旅行はやはり先延ばしになりますか。それは残念です。

ところで、『貴族たちの王国(1100年、著者不明)』という本を読んだ事があるでしょうか。パンクリアース学園について「王家の奨学金制度の利用者が形骸化してもはや思い出す者もいない事が嘆かわしい」と言い出し、王国の今後については「王国はこのまま貴族たちのものになるだろう」といった記述が見られるなかなか攻めすぎて著者が消されていそうな本なのですが、ちょっと読みたくなりましてね。ここにあるでしょうか。

2020年10月16日 00時24分53秒
うむ……やはり、知識の蒐集において時間があるということのアドバンテージは凄まじいな。
パンクリアースも冒険者の受け入れで変化はあることだろう。100年後、貴女にとって望ましい変化であることを祈ろう。流石に僕には関係ない時代だし!

む、『貴族たちの王国』……。
初めて聞くタイトルだが、此処の本は題名が削れているのも多いしな、年代が分かれば探せはするが……。
その手の王家の凋落を嘆く内容となると――該当するものが多すぎて見つからないかも。

2020年10月18日 02時22分21秒
卿も健康に気を付ける事ですね。新しい時代が見れるかもしれませんよ。しかし、該当するものが多すぎるとは……それ程までに王家の権威失墜は激しいのですか。そうなるとその本に記されていた現代の国家に対する分析……「国王は領主たちの中で比較的大きな存在感がある。なぜなら、貴族や商人など裕福なものたちから多くの出資を受けて彼等の財産を守るから」も怪しいところですね。いえ……流石に形式上は残っていると思いますが。しかし、そうですね……それなら卿のおすすめとかありますか。関連するもので面白そうなものを一冊。

2020年10月24日 01時26分25秒
60年生きられれば割と長生きという種族だからなぁ……とはいえ、早死にする気も無いがね。

権威の失墜そのものも酷いが、こういう時にこっそり手を回して学園の教育に口出ししたり本出したりで隙見せた相手をどんどん貶めるのも貴族だからね……。
無理やり批判するようなのも多いが、そのような本が増えることに意味があるわけだ。

僕のオススメかい?
そうだな……9世紀の本で、『フィルエス・ディズル、あるいはドワーフと都市国家の友好に関する調査報告』というものがある。
前半は雇い主たる貴族から依頼を受けた著者による該当国の文化歴史に関する調査報告でしかないが、後半の内容は王国のみの利益追求に対する批判に変わっている。
ようするに「我々もより関係の深い友邦を見出せねば危険だ」という話なのだが、情を一切抜きに損得勘定でどこかに恩を売ろうと主張する文章は、うすら寒いものすら感じるね。

2020年10月24日 01時59分14秒
好んで早死したい者はあまりいません……とも言い難いのが厄介な処で、しばしば栄光のままに死ぬのがよいと叫ばれまるので自明という程でもないのでしょうね。しかし、本を見せた隙に上手いこと貶めるとはやりますね。流動性が高そうで、その点では羨ましいですね。というのも、大森林の議会に出るような長老たちは経験が多いせいかまるで隙を見せずその政争への適応と財力でずっと居座っているものでしばしば若者の権利が……っと愚痴に見えますね。別に悪いことばかりではないので、各々の特色というやつでしょうか。

面白そうですね。読んでみましょうか。しかし……情抜きの損得勘定で恩を売る事に拒否感を覚えるのは同意いたします。これが行き過ぎれば、損得のみが優先される世の到来を招きますからね。そこであらゆる徳の在る行為や悪徳に満ちた行為をする理由はそれが巡り巡って私の利益となるから以外では有りません。それゆえ、それは倫理を欠いていますし、損得の追求のブレーキもありません。ただ、実際に住んでいる者たちの全員が損得勘定のみで動くのは非現実的ですから現実的にはそこそこ上手くいくでしょうね。そして、おそらく其処では損得勘定で動く方が生き残り易いのです。怖い社会ですね。

2020年10月29日 01時09分34秒
ああ、若く強いまま、美しいままエーテルへと帰りたいというのは偶に聞く話ではあるね。
個人的には、せめて髭が似合う歳くらいまでは生きてみたいものなのだが。
ふむ、エルフの社会との差も、言ってしまえばやはり寿命の差なのだろうかね。
300年生きる老人と火花を散らすよりは、60歳の老人を相手にする方が楽ではあるような気がするよ。

ああ、では本を用意しよう。自分で話題に出した本だし、流石に場所はすぐわかる。
(言う通り、すぐに近くの本棚から見つけ持ってくる)
冷静に物事を見られる、といえばそれは長所でもあるし、そういった人間もコミュニティには必要だとは思うがね。
アリやハチなどは殆ど個のない生き方を構築しているという話も聞くが……同じようになりたいとは思わん。
かといって、情を排した者とそうでない者が混在する場所も、まあ住んでて気分はよくなさそうだね。

2020年11月02日 00時32分28秒
気がするだけかもしれませんけれどもね。なにせ私は60歳の老人が表舞台で政治をやっている現場を見たことがないもので……

ありがとうございます(受け取ろうとする)。
しかし、コミュニティの理想系ですか。卿も察している通り……多様性がコミュニティを栄えさせるのですが、しかしそれはたしかに住みやすさを減じさせます。なぜなら、情の無い者は畢竟すべてを自らの目的の為に整える者なのですが……情の在る者はそれができないからです。例えば、私は森林の多様性を好みます。つまりあれば同胞を傷付け、それを取り去ったところで森林に悪影響を及ぼさない毒物が在るとしてもこの世から抹消する事などは好みません。その毒物も森林の一部であって存在しなくなることが哀しいからです。しかし、同胞の事を好みながらも毒物には情を感じない者はこれを絶滅させる事を望むでしょう。なにせ消してもなんら問題がないのですからね、その毒物は。それゆえ、私と彼等は争いそれが止むことはなかなかないわけです。住心地が悪くなるのも当然ですね。ただ、大陸という有限の大地はこうした情と非情が葛藤する空間でしょう。

そうした場合私は毎度修道士として、すべてが自らの目的の為に整えられた大陸や反対の混沌を想像してみればこれ程の恐怖はあるまいと言うのですが……上手くないでしょうね。正直私も修行不足なので、けっこう非情な者を殲滅したくなる非情さに駆られますから。卿はどうです、というのを聞くのも奇妙ですか。

2020年11月12日 02時14分53秒
その辺りは土地柄としか言えぬだろうなぁ……。
仮に、支配者層に様々な種族が入り混じる国ができれば答えも分かるだろうが……大分混乱しそうな気もする。

(そのまま本を渡す)
治める側としても、住民一人一人の意見が真っ向から食い違えばやりにくかろうしな。
それに一定の縛りを与え、人々の行動の方向性をある程度均すのが法ではあるが……『圧倒的多数が否定するもの』以外を縛る法は無いか、ごく一部の有力者の意向によるものだからね。
多様性とそこから生まれる争いは消せやしないもの、と割り切るのが一番楽な気もするが……もう何十年かくらいは悩んでからにしたいものだ。

(最後の問いに、しばし考え)
……あまり無いな。依頼を受けて族の捕縛をすることもあるが、積極的に息の根を止めようとは思わなかった。
実際はギルドに突き出す余裕もなく殺める相手もあったが……僕の力量の問題であって、貴女の問いとはズレる話だろう。
まあ、割と甘やかされ平和に育てられた自覚はあるし、単純に怒り方が下手なだけかもしれない。

2020年11月24日 02時32分56秒

混乱には同意します。というのも、エルフはリザードマンと交流してはいますが……お互いに配慮するには、時が熟するのを待つ必要がありましたから。

(本を受け取り、小脇に抱える)
死ぬまで悩むついでに答えが見つかったら教えて下さい。しかし、ただ……そうですね……私としては多様性による争いを少なくする為に「己が貧しさゆえに街道で待ち伏せし、隊商を襲って金品を奪ってしまった事実を鑑みて、己の事を貧しくなれば窃盗を働く者だと理解し、貧しくならぬよう働くとか、止めてくれる友人を作るとか、己の悪行を防止する」などの実践的な処方箋を使いながら悩みたいです。というのも、悩んでいるうちに厄介な問題が生じて作業が中断されてはたまりませんからね。それゆえ、この種の教育を行う機関を設置するだとかをすれば悩みに集中できるかもしれません。

私が過激なだけかもしれません。私は色々やりすぎて逃げる羽目になった口ですからね。しかし、卿は真面目ですね。卿にとっては、賊が非情な者になるのですから。たしかに罪を犯してはいますし、盗んだにしろ殺したにしろそれへの情はないのでしょうが……しかし私はどこか同情しているところがありましてね。半ば立ち尽くすところがあるものです。いえ、給料分は働きますが。ところで、卿はなぜ依頼を受けているのですか?まさか生活費が?

2020年11月25日 01時58分05秒
うーむ、実現は難しそうだし、実現しても大変だなコレは!

ああ、貴女の方も僕が死ぬ前にそれっぽい答えを知ったら教えて欲しい。
教育による安定というのは理想的ではあるな……設置する気がありそうな権力者に心当たりはないが。
貴族であったり有力な商人ならばやれない事はないだろうが、彼らにとって一般的な道徳心は邪魔になることもままあるしね。
未来の罪人を減らすことに利を見出すのは……あらゆる人にとってそんな余裕はない、というのが大半の返事になりそうだ。

なるほど、同情か……いや、言っていることは分からなくもない。賊とて好き好んでそうなる者など殆どいないだろうしね。
……僕の場合、生まれた時から授恵者だった。
故にどこかで、本当に選択肢を失った弱者という立場を理解できないのかもしれないね。
そうなるのは、本人の心根の弱さのせいという意識がどうしても生まれる。

ちなみに依頼は生活費目当てだ! いや、医者の真似事とか他に稼ぐ手段が無いわけもないのだが。
それこそ力を授かった授恵者として、求められるならば力を振るうのを惜しみたくはないと考えているよ。無償とは言わない辺り振り切れてはいないがね!

2020年11月26日 04時13分00秒
そうですね、仮に成功しても瞬く間に崩れ去る事は想像に難くありません。というのも、われわれは他者を疑うように出来ていますからね。善行を為したところで、相手は報いてくれるだろうか……もし相手が己と同様の心根ならば、ただ一度過ちを犯せばもはや私に何も与えはしないだろうだとか。それゆえ、実現しても大変であるといった卿の懸念は実に全うです。

教育による安定化がそう否定的に応答されるのも無理からぬ事です。貴族や商人などの疑心に満ちた者たちにとって世界は、相手を見限るか見限られるかをかけた争いですからね。したがって、そんな争いの最中に他の事にかまけている余裕がないのはまったくもってその通りといえましょう。しかし、まだ目はあります。というのも、教育は長期的な利潤が出るからです。なにせ、生き物は死にますからね。ただ、けっきょく実現する為の資本がない事は否定できません。こればかりは、肥沃な土地がよい樹を育てるように大陸が肥沃になるようせねばならないでしょう。

いえ、実際彼等は心根も弱いと思いますよ。貧しい農村出身の、生活の為に賊になった人々で農民との繋がりが強く、しばしば彼等と結託しながら反乱を起こす……というだけではありませんからね。普段から乱暴狼藉しますし、略奪のときは大暴れ、それが忘れられなくてズルズルと続け、しまいには頭目争いの為に味方も殺す。それゆえ、卿の感覚は同意します。違うとすれば、私は弱く罪深い彼等に共感する事です。理解ではなく、感じる事だとでもいいましょうか。

授恵者ゆえにですか。それは血気盛んですね、しかし戦う事が怖くないのですか?欠損とかしたらまずいじゃないですか。

2020年12月03日 22時38分20秒
人間、なんだかんだで悲観的な者が多い気もするしね。
よくわからない他人ならば、基本的には悪い方に考えそうだ。

ああ、どれほど優れた人間であろうともいつかは死ぬ。
代わりを用意する力もまた必要とされるのはその通りで……む、最初の話からズレそうだなコレは。
なんにせよ、大陸が肥沃にならねばというのは同意だが……リーンエスよろしく、各所で超大型クリーパーを倒す必要が出てきてしまうな!

うーむ、僕の場合、『その心の弱さは本人の責なのか?』という問いも出てしまうのだよな。
僕も彼らと同じ生まれ、同じ才覚であればどうなっていたのかと、キリが無いと分かっても思ってしまう。
それこそ、共感ができないからこそ、どこまでも想像と推測を止められないのだ。

戦いは好きじゃ無いし、死ぬのも欠損も嫌だがね。
それなりに恵まれた生まれと育ちをしているなら、相応に社会に貢献をすべき、というような意識があるのだと思うよ。

2020年12月11日 03時29分40秒
そうですね、どれ程見る目の在る方でもこの世のみを考えるならば悲観的になる他ないかもしれませんね。しかし、超巨大クリーパーですか……どうにかそれ以外の手法を探りたいものですが……なかなか難しいですね。われわれの経験に依ると、大地を覆う多様な植物と微生物の組み合わせによって土壌を管理する事で日々飢える事なく生活できるようになりますが……そちらにはそちらの気候があるでしょうからね。加えて仮に同じ手法が上手く行くとしても、農夫たちの説得も必要でしょうし。

そうですか、致し方がありませんね。しかし、責任ですか。卿は倫理的な問題が気になるのですね。恵まれた生まれと育ちゆえに社会に貢献すべき、も含めて社会のなかでの自らが如何に在るべきかを関心ごとにしている様子です。たしかに、公式の社会からすれば無法者は慮外者ですし痛みや欠損……そして死への恐怖は勇気によって超克されるべきものかもしれません。彼らは悪いことしていますし、恐怖が義務を妨げるならば押しのけろと社会は叫びますからね。それゆえ、卿は社会的に模範的な人物です。ただ、共感のできぬ卿でも想像と推測を止められるかもしれない手法があります。自らの主張を一旦放棄し、彼らになりきる事です。というのも、キリのない想像と推測が出てしまうのは自らの立場を維持したままに明らかに公式の社会を投げている彼らの立場を理解しようとするからですからね。それゆえ、いったん自らの社会性を放棄して彼らになりきれば少し疑問が減るかもしれませんよ。いえ、自己批判がいきすぎて別人になってしまった方もいますから気をつけねばなりませんが。

2021年01月17日 23時41分12秒
エルフの考える土壌管理法というのは大変興味深いものではあるが……。
貴女の言う通り、リーンエスの土は特殊だし、フィルエスも他に類を見ない土地だからね。
農夫たちも愚かではないし、違う土地の手法を試そうなんてまず抵抗するだろうね。命がかかっているのだから、必死に。

――なりきる、か。
完全に盲点の発想だね、なるほど……。
その過程で傷つける人々を思えば許されざることだ、と言うこともできるが、そうでもしない限り理解できない距離があるという事を理解するには悪くない仮定かもしれないね。
……最後に付け加えられた御仁のように、リスクが高すぎるが。
(最後は苦笑しながら)

2021年01月26日 02時40分33秒
はい、私でも避けます。他者に土地を渡す事は子々孫々を他者の土地で働く者にすることを意味するといった風に危惧を感じますから。しかし、卿は農夫たちに農耕の教育をしていたりするのですか?いえ、彼らが先祖伝来の技法を有する事は疑う事ではないのですが……この千年紀が終わるまでに人口の増大に大地が耐え得る農法を使っているかどうかが心配でしてね。というのも、父祖たちの粘り強い記録によれば以前の千年紀に街がない場所での土の侵食速度は通してだいたい羊皮紙62枚程度、一方街のある地域だと一世紀で同程度だったからです。いえ、何分古い記録ですし……その是非を巡って私達の間でも議論があるものではありますが。

ええ、危険な手法です。修道院にでも入らなければわれわれもやったりはしませんし。しかし、卿はこれまでそうした聖域に入った事はありますか?公的権力の及ばない、及ぼしてはならない場所に。

2021年02月06日 16時52分27秒
僕はそういうのをしたことは無いね。
領地を継ぐ兄の領分を次男の僕が侵すと色々ややこしくなるというのも理由の一つだが、貴族がそういった技法を学ぶ習慣も無くてね。
ヒューマン故にエルフと比べれば長期的な視野を持ちにくいというのもあるだろうが、『竜喰らい』を倒した結果と言われる大地の肥沃さを疑う者もほとんどいないだろう。
だがしかし、クリーパーを倒して得られた豊かさならば、いずれは枯渇しても可笑しくはない、か……?

公的権力の及ばない場所、というと覚えが無いな。
昔に通っていた学園がある意味近かったが、どちらかというとアレは権力同士の牽制の結果として影響が実感しづらくなってただけだし。
……しかし、なんだ。修道院に入ったエルフはそういうこともやるのか……!?

2021年02月14日 03時00分02秒
そうですか。ただ、こうした問題が真実でも何百年か後の子孫たちに怨嗟をぶつけられる程度です。しかも、彼らは仕方なかったと弁護してくれるでしょう。怪し気な情報を信じるべきでない事は彼らも知っているはずですから。つまり、この問題は真でもわれわれの人生にそれ程関わりがないのです。安心できますね。

やりますよ。他にも森の恵みに浴し、森と一つとなって、輝ける森を見る為に、孤独と静寂のなか祈りの言葉を繰り返す事で心身を浄化するだとか……無言で動かずに一日過ごすとか、古い書物を読む為に文法学を学ぶとかもします。しかし、聖域に行った事がないのですか。もしかしてそちらでは親が聖域に我が子を連れて行くお祭りだとか、聖域に逃げ込んだ罪人を公権力は害してはいけないだの決まりとかそうした事もないのですか?

2021年02月18日 00時57分06秒
ふむ……まあ確かに。
数百年後の子孫が飢えようとも僕らには関係ないな!
関係ないが、どうせなら飢えない方がなんとなく気分がいいのだよな。
気分は大事だ、心は健やかでなければ。
しかし、竜喰らいに関連すると調べようにも……崩壊した帝国か?

あ、良かった。平和的な社会性の放棄だった。
いや、話の流れ的に山賊体験とかになるのかと。
不動で一日か……やったこと無い身としては効果が分からないが、成しえたなら一つの自信になりそうだ。
あー……ヒューマンの社会って、エルフのハイアルヴのような大きな信仰対象が無いから。
色んな神の教会はあるが、公権力と対抗できるほどの力がある所は、そう無いと思う。
領主の信仰と同じ神を掲げる教会なら、貴女の言う聖域に当てはまるかもしれないが……権力や金の力が通じる場所の方が多いだろうねぇ。

2021年03月06日 05時52分59秒
たしかに、私が死を賜るのはその生によってです。つまり、存在は存在である為に存在せねばならなりません。しかも、百年後の子孫も自らを「私」と呼ぶのです。すなわち、誰もが存在せねばなりません。ならば、私は百年後の彼らを気遣わねば……不誠実ですか。どうやら卿は、世代を超えて他者を慮ることができる様ですね。そして、資料に関してですが……卿が言う通りに、崩壊した帝国にもあると思います。ただ、卿の母校にもある様な気がします。というのも、竜喰らいは有名ですからね。

まぁそうですね、たしかに山賊体験の類になると予想させたかもしれません。ただ、無法者の気持ちを知ろうとするのは彼らを慈しむゆえなのですから、実際山賊になって慈しみを欠いた行いをするのは本末転倒というやつです。なので、山賊体験はありません。一方で、森への祈りと苦行と古い書物の読解は慈しみを身につける役に立ちます。祈りと苦行は自己を顧みさせ、古い書物の読解は分かり会えぬ他者を慈しむ心を教えますから。したがって、実際にやることは倫理の訓練です。彼らになりきる、というのもその延長です。がっかりしましたか?

やはりというか、社会に関する考えも違うのですね。すくなくとも私がいた場所だと、族長は聖域に捧げられる事によって権勢を誇ります。つまり、そもそも聖域の権威が公権力の源泉です。一方で、卿は公権力が聖域の権力と対立したり聖域の権威の源泉になったりし、また権力や金の力が通じると言いました。すなわち、ヒューマン社会の聖域の類は世俗的な勢力を意味する事になる、と。それなら、私の感覚ではないと言ってもいいかもしれません。意味が違いますから。

2021年03月23日 02時12分10秒
ふむ、不誠実……。
なんというか、真面目だな貴女は。いや、僕自身、特別に不真面目であるつもりもないのだが……こうした話を自発的に考えるという時点で、僕の価値観としては誠実と言えると思うよ。
ああ、パンクリアースなら、ある意味当事者そのものだしね。
調べる手段は多いだろうが……さて政治闘争を放っておいてそのような事を追った者が何人いたかは、少し不安もあるね。

(がっかり、という言葉に首を振り)
いいや、僕はその手の慈しみというのは好きな方だよ。
しかし、倫理か……言葉の意味は分かるが、こうして聞くとなかなか遠く感じる言葉だね。
流石に倫理観0の人間はそうそう見たことがないが、僕の生まれ育った環境だと、そういった感情は品性の問題から発せられるものだった。無意味に他者を害するのははしたないという事だね。
故に、自己を顧みて他者を考えるのはある種新鮮なものに映るが……いや、中々聞いてて楽しい考えだ。

王国での権力の源泉というと、竜喰らいを倒した剣士、つまり王家だろうね。
王国の豊かな今を作った剣士とその子孫は尊ばれるべきで、それを助け支えた現在の貴族たちもまた力を持つ……ようは仕事の報酬みたいなものだ。
こう考えると、リーンエスはその成り立ちからしてどこか世俗的なものもある気がするな。
初代の王があまりに傑物だったから、権威付けに神を頼る必要もなく、自然と周りもそれに倣う形で国の在り方ができたとも言えるかもね。

2021年04月27日 01時39分57秒
私が誠実ですか。そう言われるのは初めてですね。故郷では、軽薄さで名が通っていましたから。しかし……、卿たちの政治闘争への情熱には関心しますね。故郷でもそこそこあったものの、それに血道を上げる方は正直其処まで多くなかったですから。

そうですか、卿は社会的なのですね。いえ、わたしたちの倫理の根の一部は同じところにあったとは思いますが、しかしやはりわれわれの倫理の根の大半は静かな場所で森の意思と対峙することにあります。つまり、卿等が他者と自己に注目する一方で、我らは森の意思と自己に注目するのです。なので、私からしても卿の倫理観はすこし異文化ですね。

そうなりますか……となると、王国の主体は王家なのですね。そうなってくると、主体が常駐する事になりますよね。私の感覚からすればこれは奇妙です。というのも、われわれの故郷の村々の主体は季節で変動しますからね。冬は森の意思、夏は族長といった具合に。また、森の意思はそれ自体独自の主体区分ですし、族長は一個人でありながらに議会を含めた集合的人格の区分にありますからこれも少し違う用法でしょう。ですから、われわれと卿等ではどうやら国の成り立ちと共にそれに使う言葉の意味まで違うようですね。所変われば実に変わるものですね。
アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0