在りし日の想い出に重ねて

コースケ

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シナリオID:3076

オープニング

●目覚め
 少年は平凡な農村の生まれだった。
 慎ましくも飢えることはない家に生まれ、同年代の子供達と遊び回り、悪戯をしては怒られ、農作業の手伝いや弟妹の世話をして過ごして来た。
 彼は自分の村と近隣の村しか知らず、それより外の世界については大人達や、たまに訪れる行商人から聞くだけで、成人したら外へ行ってみたいと漠然と考えているのみだった。
 いつか叶うだろうと考えていたが、それは思いの外早く訪れた。
 ある時、原因不明の熱で寝込んだ彼は、それが回復したとき、世界が変わっている事に気付く。
 普段なら一日がかりで耕す範囲の畑を半日もかからずに耕し終え、大人でも運ぶのに苦労する石を簡単に抱え上げる。それだけの事をやっても尚、少年には余力があり、自分の変化に戸惑うばかりだった。

『この子は神の祝福を受けたのじゃよ』

 心配した母親が近隣の医者に診せると、自身も授恵者である医者は少年が授恵者となったことを告げる。それは少年の新たな日常の始まりとなった。


●冒険者ギルド
「初めてなんだけど、僕に受けれる仕事はありますか?」

 ここは迷宮都市エドゥノーグの冒険者ギルド。そこに少年は立っていた。
 授恵者となった事が分かり、紆余曲折あったものの冒険者となる事を決めた少年は、迷宮都市を訪れたのだ。

「冒険者登録は済んでるの? それならあそこの壁に募集が出されてるけど、初めてならあまり危険なものは避けた方がいいわね」

 受付の女性は席を立ち、少年にとって無理のない依頼を探して目を走らせる。
 やがて、一枚の依頼書に目を通し、頷いて少年へ勧める。

「うん。これなら適正ね。エドゥノーグダンジョンで行方不明になった人の捜索依頼。非授恵者が襲われると感情を失う魔物に襲われて逃げ遅れたみたい。魔物の特性上、一般人だと対象が出来ないの」
「一般人には無理ということですか?」

 少年の問いに、受付は頷いて確認する。

「そうよ。あなたみたいな授恵者にしか出来ない仕事ね。受けるつもりがあるならここに名前を書いて。今はまだいないけど、その内に他の参加者も集まると思うわ」
「……分かりました。その依頼を受けます!」

 少年は手続きを終えると、掲示板に集まる人を眺めながら成立を待つのだった。

解説

エドゥノーグダンジョンの上層一階にある枝場に取り残された一般人の救助。 ●救助対象 ラスト・ニール。ヒューマンの男性。 エドゥノーグでカエル漁を生業とする非授恵者。 漁の途中で魔物に襲われ、仲間を逃がすために魔物を引き付けて奥に進み帰還しなかった。 仲間が救出に行こうとしたが、魔物の特性上断念し、冒険者ギルドへ依頼を出した。 ある程度ダンジョンには慣れているので生存の可能性は高いと見られるが、死亡が確認されれば遺体と遺品を持ち帰って欲しいとのこと。 行方不明になり数日が経過している。 ●捜索範囲 エドゥノーグダンジョンの宝石の特徴を持つ魔物が出現する上層一階の枝場。順調に行けば二日ほどで捜索出来る。 洞窟の様なダンジョンで、暗いため明かりなど視界の確保は必須。 ●敵情報 ・翠玉蜻蛉(脅威度低~中) エメラルドの目を持つトンボです。一体一体は弱いのですが、群で行動し移動と回避が高いので、対処手段が無いと苦戦することがあります。 ただし、この枝場で群れる数はそう多くありません。 ・ジュエリースライム(脅威度中) 透明な体を持つ粘液状のモンスターです。体内に宝石や貴金属を取り込んでおり、隠密状態でダンジョンに潜み、宝石に誘われた獲物を呑み込んで消化してしまいます。 物理・魔法防御は0ですが、物理攻撃のダメージを4分の1にする耐性を持っています。 ・ジュエルビーンズ(脅威度中) 宝石化の魔物と呼ばれる、人間が持つ強い感情を宝石化する魔物。感情を宝石化された場合、非授恵者はその感情を失ってしまう。授恵者なら影響は無し。 宙に浮くカカオ豆の様な姿をしており、種を飛ばして攻撃してくる。命中したら種は感情に反応して宝石に変わる(一人一回まで) 一般人が感情を宝石化された失った場合、それを破壊すれば元に戻ります。 ●同行者 駆け出しの冒険者一名が同じ依頼を受けている。ギルドの受付から出来ればフォローをして欲しいとの事。 名前はコノス。クラスはウォーリア。性格は素直な少年。 装備はノービス装備にマント、松明。

マスターより

お世話になっております。コースケです。 初心に戻ってちょっとした救出シナリオを公開させていただきます。 誰にだって初めてはあるもので、皆さんの初めての冒険はどんなものだったでしょうか? エドゥノーグダンジョンの上層は訓練を受けた一般人でも行動出来るくらいの場所とのことなので、レベル1でノービス装備(ショップで無料の装備)の駆け出しパーティーでもしっかり用心すればクリア出来る戦闘難易度となっております。 なので初心者の方でも安心ですし、ベテランの方はコノス君や初心者の方のサポートをしたり、救助者の状況を推測して捜索するなど戦闘以外の部分で活躍して頂けたらと思います。 分からないことなどあれば、質問して頂ければ何でも屋のオッターが回答します。 それでは、よろしければご参加お願いいたします。

リプレイ

●まずは準備
 冒険者達は、ダンジョンへ向かう前に救出対象(ラスト・ニール)がはぐれた時の状況を確認していた。
 その様子を、コノスは不安げに見つめている。

「急いで行かなくて大丈夫かな……?」
「そんな事も分からねぇのか」

 その呟きを聞き付けたペルゼィックは、コノスへ丹色の瞳を向けた。

「漠然と探しても無駄だろうが。絞り込んだ方が早い」
「……あ。すみません」

 しゅんとするコノスを、若草色の瞳にカールした金色の髪の少女がフォローする。

「まぁまぁまぁまぁ。ペルゼィックさんも怒ってる訳では無いですから指導として受け止めるのが良いと思うですよ。……ですよね?」
「は? 何で怒るんだ」
「ホラ! なので俯かず胸を張っていきましょー。コノスさん、初めまして、ですね。ギュンタはギュンターと申します。ウォーリア同士、力を合わせて共にがんばって参りましょうね。どぞ、よしなに」

 自らをギュンタと呼ぶレラ・F(フェネル)・ギュンターは、冒険者としてはコノスよりやや先輩といった所だが、実戦は初めてである事から共に学ぶつもりでいた。

「ただ闇雲に探すより、起点と状況が分かってた方がいいからね……時間もたってて心配だと思うけど、絶対助けようね!」
「そうですね。迷宮に慣れた方だそうですし、きっと無事で助けを待っていることでしょう」

 一見少女に見える少年、ララベル・サン・ディーベルが激励し、慈愛の笑みを浮かべるシルク・メイプルリーフは不安を取り払うように声をかける。

「あ……皆さん、ありがとうございます」

 気遣いに頭を下げるコノスに、レラ(ギュンタ)は笑顔で『気にしなくてよいですよ』と応えた。


「新人のフォローも良いですが、今回の依頼は行方不明者の救助です。それを取り違えませんよう。効率的に捜索を進めるため私は別行動させて貰います」
「そうだな。なら、俺も付き合おう。怪我してる可能性もあるし癒し手(ヒーラー)が居た方が良いだろ?」

 Alexandra(アレクサンドラ)・Hexe(ヘクス)・Claudia(クラウディア)が黄金色の瞳を細めながら放った指摘と宣言に、黒髪の長髪に切れ長の紫水晶(アメジスト)の瞳の青年、クラルスも同意して同行を申し出る。

 こうして様々な準備を整えた一行は、迷宮(ダンジョン)へ出発するのだった。


●浅層にて
 浅層と呼ばれる二階層のエリアは危険も少なく、一行はコノスに迷宮の歩き方などをレクチャーしながら進んで行く。

「熟練冒険者さん方のご活躍を間近で見られるチャンス、しっかり目で見て耳で聞いて学びますよ。わくわく致しますねぇ」

 レラはララベルがエーテルの波動を放ち、物音にも注意しながら異変がないか警戒し進む様子を観察し、コノスもそれに倣っている。
 実際、先頭を行くララベルと、最後尾で蒼玉(サファイア)の瞳を光らせ周囲を警戒するリディリディ・トゥラ・イェレミースは、ここより奥である中層を探索するパーティーを率いる事が出来る目安となる鋼級の探索者記章を持つ熟練者であり、パーティーを先導していた。

「不意打ちを受けない様に話しはしていてもまわりは警戒してください。そのうち慣れると思いますけど」
「ありがとうございます。心がけてみます」
「さっそくアドバイス頂いちゃいましたねえ。勉強になります」

 シルクの助言を受けるコノス達を横目に、クラルスはリディリディに声をかけていた。

「久し振りだね、俺のこと覚えてるよね?」
「…………?」

 リディリディは、相手が覚えのないヒューマンの男性ということもあって警戒の視線を向ける。だが、自分が覚えていないだけで何処かで会ったことがあるのかもという思いもあり、困って眉を下げる微妙な表情が出てしまう。

「あー、何度か依頼で一緒になった事があるんだが……、ほら、ユニコーンを捕まえたり、一緒に肉を食ったりとかさ……?」

 困ったようにクラルスが口にした単語に、リディリディが反応する。

「……お肉?」
「思い出してくれたか?」

 それにクラルスの声に喜色が混じるが、リディリディは後ろに下がりながら警戒の混じった声を上げる。

「あ、あなたがいくら好きでも、これはあげませんよ!?」

 彼女の胸にはお弁当のお肉(大好物)が大事そうに抱えられていた。


●上層第一層枝場
 冒険者達は浅層を抜けると、捜索対象を探して二手に分かれる。
 ランタンに照らされた迷宮は水溜まりや浅い川が流れ、ブオ、ブオォ……と蛙の鳴き声が響いていた。


「もう変容が起きてるな。地図が役に立たねえ」

 ペルゼィックは救助対象の仲間に描いて貰った地図が、実際とまるで違っている事に忌々しそうに舌打ちする。

「変容?」
「エドゥノーグの迷宮は、時間が経過すると構造が変わるんですよ。それを変容と言うんですけど、出来れば変わる前に探し出したかったですね」
「そんな所に人が迷い込んでいるんですか……」

 シルクの説明にコノスは気味悪そうに岩肌を見上げる。

「あんまり怖がってると、いざというとき身体が動かないですよー」
「話の途中だけど何か来るよ!」

 レラ(ギュンタ)がその緊張を解こうと声をかけた時、ララベルが警戒の声を発する。コノスは落ち着かない様子で辺りを見回すが、それ以外の者は既に迎撃態勢を取っていた。
 やがて迷宮の奥から六匹の翠玉蜻蛉が現れる。

「喰らえ、旋風三連撃!!」

 疾風の様に駆け出したララベルの両手に握る竜牙の細剣が三度閃き、三匹の蜻蛉が両断された。だが、それを抜けて三匹がコノス達へ向かう。
ら
「うわわっ! 意外とすばしこいですよ!?」
「このっ、当たらない!」

 レラが『えいやーっ』と鉄の戦槌に光塊を纏わせ纏めて攻撃するが、機敏に軌道を変える二匹に避けられ、命中した一匹もふらつきながら向かって来る。コノスもノービスブレードで切り付けるが、これも躱されていた。

「駆け出しども落ち着け。相手をよく見て動きを予測しろ」
「そうですね。落ち着いて相手をすれば大したことない相手ですよ?」

 ペルゼィックはノービスセイバーにエーテルを込めた物魔撃(エーテルブロー)で弱っていた蜻蛉を貫き、シルクはのほほんとした様子で左腕の純白の手袋で向かって来る蜻蛉を払いつつ、レラが受けていた傷を癒す。

「ここは動きを阻害した方が良さそうですね」

 リディリディは愛用の杖から蜘蛛糸のようなエーテルを飛ばして蜻蛉を絡め取る。完全に動きを止めることは出来ないが、蜻蛉の動き(回避)は大きく制限された。

「今だ、動きが鈍ってる内に二人で畳み掛けろ!」
「はいっ!」
「ていやーっ!」

 ペルゼィックの指示にコノスが無我夢中でブレードを突き出し、傷付いてバランスを崩した所に、レラが戦槌を力一杯振り下ろす! 蜻蛉は戦槌とダンジョンの床に潰され、動かなくなった。

「やってやりましたよ!」
「まだ一匹居る! 気を抜くんじゃねえ!」

 喜ぶレラを叱り付け、迫る蜻蛉へペルゼィックが鞘に古代文字が刻まれた細剣(クローン)に手をかける。だが、それより速くララベルの細剣が蜻蛉を貫いていた。

「大丈夫?」
「やったと思った時が一番油断が出る。死にたくなかったら忘れるな」
「はい。すみません……」
「ギュンタも油断してしまったのですよ……」

 気遣うララベルに頭を下げ、ペルゼィックの忠告にしょんぼりするコノスとレラへ、シルクが怪我がないか確認しながら声をかける。

「よい経験になったでしょう? 今回は私たちがフォローしますから、失敗を恐れず学んで、次に活かして下さい。そしていつか新人さんと一緒になった時、学んだことを教えてあげてくださいね?」

 そう言って二人をギュッとハグして、落ち着かせる様に背中をポン、ポンと叩く。

「ふわぁ、良い匂いがするのですよ……」
「あ、ありがとう、ございます……」

 レラとコノスの落ち込んだ様子は吹き飛んだが、リディリディはシルクの腕の中で固まっているコノスを見て首を捻っていた。

(コノスさんはそれどころではないのではないでしょうか……?)

 シルクは無自覚に接しているが、彼女の豊穣の恵体(ぼんきゅっぼん)とせいなるちから(フェロモン)は、田舎育ちの純朴な少年には刺激が強過ぎるのだ。


 ランタンの光に反射して、地面に落ちた翠玉蜻蛉の眼が光る。

「これは本物なのですか? 不思議な生き物ですねえ?」
「そうだよ。迷宮の魔物は他には無い不思議な特徴を持ってるものも多いんだ。面白いよね?」

 ララベルの説明を聴きながら、レラが蜻蛉の眼を光にかざす。小粒だが光を透かすそれは、ホムンクルスであるレラの側頭部に付いている翠玉(エメラルド)色の賢者の石に似た輝きを放っていた。


●上層第一層枝場(深部)

 ――ジジッ!

 向かって来る翠玉蜻蛉がAlexandraの短剣に弾かれた。弾かれた蜻蛉は顎を開いて再び向かって来るが、Alexandraは蒼玉鋼の霊刀(メイガス・グラディウス)を鋭く振って蜻蛉を両断した。
 キャスターであるAlexandraだが、その研鑽と鍛え上げた装備によって危なげなく上層の魔物を排除し進んでいた。

「見事なものだな。流石は一人で行くと言っただけある」
「……わざわざ私に付いて来ることも無かったでしょうに」

 同じく蜻蛉を倒したクラルスの称賛に対し、Alexandraが返した言葉にクラルスは苦笑まじりに答える。

「いや別に避けられてるからこっちに来た訳じゃないぞ?」
「分かっています。愛想の無いエルフもどきに付き合うことは無かったという話です」

 Alexandraの黄金色の瞳に全て見透かされている様で居心地悪く感じつつも、クラルスは言葉を返す。

「まあ、俺も救助は優先したかったしな。けれど、コノスさんと一緒でも良かったんじゃないか?」
「初の依頼でもの言わぬ人と付き合うのは面白くないでしょうから」
「……ほう」

 クラルスはAlexandraについての認識を改める。物言いには刺があり率直だが、その内面は深く考えを巡らせている。
 そのまま捜索を続けるが、枝場をくまなく回るため魔物との遭遇も多く、人数が少ないためその対処に時間がかかっていた。


「これを見てくれ」
「……足跡ですね」

 暫く進んだ後、クラルスが指す先をAlexandraがランタンで照らすと、明らかに靴によって付いた跡があった。迷宮の変容を考えれば、そう古くは無いだろう。
 より注意深く捜索を続けた結果、Alexandraの耳が何かから逃げる様に走る足音を拾う。

「此方です!」

 その方向へ走ると、透明な流体(ジュエリースライム)に男が追われる場面に遭遇する。

「ウワッ!」

 疲労のためか足を縺れさせ転ぶ男にスライムが迫る! だが、その直前に男は輝く六角形の柱の中に保護され、スライムはその壁面を這い回るにとどまる。

「間一髪、だな」
「これ以上の小細工は不用ですね」

 一時の避難所として光縛封を使用したクラルスが息を吐き、Alexandraが振り抜いた蒼玉鋼の霊刀から放たれた魔法攻撃(エーテル弾)が着弾し、スライムの身体が四散する!
 更にクラルスが輝く竜石の祭刀を突き入れると、スライムは身体を痙攣させ、やがて動きを止めた。


●想いの宝石
「これが宝石化の魔物……!」

 コノスは眼前に浮かぶジュエルビーンズを見据えていた。縦に長くした南瓜のような姿をしたそれは、パカリと身体を開いて種子を飛ばす!

「こっち来たのですよっ!?」

 狙われたレラはダマスカス鋼の盾で弾き被害は軽微である。弾かれた種子がパリンと割れ、中からピンク色の宝石が転がり出た。

「どうする?」
「コノス君達にやって貰いましょう」
「では、私もフォローに回ります」

 自分達が手を出せばすぐに決着が付く事を把握したララベルの問いに、サポートに回ることにしたシルクは異界神の呼び声で仲間を強化し、リディリディも身体を脆くさせるエーテルを放ち、ビーンズの防御を低下させた。

「敵(アレ)のトドメ頼む」

 ビーンズに斬り付けたペルゼィックは、コノスとレラへ指示を出す。それを受け、桃色の光を纏う二人の戦士はビーンズに突進する!

「はいっ!」
「がんばりますよー!」

 コノスはブレードを両手で握ると、自身の持つ最も威力の高い攻撃を鋭く撃ち込み、レラは二度の斬撃で動きの鈍ったビーンズめがけ、威力重視の一撃を叩き込んだ!

「やったですか?」
「まだです! ギュンタさん油断しないで!」

 フラフラと浮かび上がるビーンズに、コノスはブレードを構え直す。先の蜻蛉戦での失敗からきちんと学んでいるらしい。

「これなら大丈夫でしょうか」
「うん。しっかり成長してるね!」

 その様子をリディリディとララベルが見守り、シルクは癒しで、ペルゼィックも剣を振りながら助言を与え、レラとコノスは数度の攻撃の結果、ジュエルビーンズを打ち倒した。


●奪回
「おお、来てくれたか」

 枝場の深部で待機していたクラルスは、Alexandraの狼の案内で合流した仲間を迎え入れ笑顔を向けるが、リディリディはシルクの後ろに隠れ警戒を解いていない。

「……それで、ニールさんは無事でしょうか?」
「ああ。怪我も癒したし命に別状はないぜ」

 リディリディはクラルスの言葉にほっとした表情を浮かべる。リディリディだけでなく、多くの者が最悪の事態を想定し、それがコノスに与える影響を気にかけていた。

「とは言え問題があります。どうやら、感情を宝石化された為に帰ろうという気にならずここに居た様です」

 Alexandraによれば、『帰りたい』という思いを宝石にされ喪失した可能性が高いという。

「あのう……、もしかしてコレなのでは無いでしょうか?」

 それを聞いたレラが差し出したのは、ジュエルビーンズを倒した時に落ちた乳白色の宝石だった。

「可能性はあるな。試しに砕くがいいか?」

 クラルスが宝石を砕くと、それまで感情が薄かったラストの目に、驚きの色が浮かび上がる。

「俺は何故帰ろうとしなかったんだ……?」


●在りし日の想い出に重ねて
 ラストを連れ無事に帰還した冒険者達は、冒険者ギルドに報告を済ませると報酬を受け取る。これで依頼は終了となるが、コノスがぺこりと頭を下げた。

「本当なら足を引っ張る僕のことを気にかけて下さったお陰で、無事に初めての依頼を追えることが出来ました」

 クラルスからは初めての依頼の時の話を。

 シルクからは癒し(ヒール)の必要性を。

 リディリディとララベルからはダンジョン攻略の心得を。

 Alexandraからは依頼に真摯に挑む姿勢を。

 ペルゼィックからは厳しくも思いやりのある指導を。

 そしてレラからは先達に学ぶ姿勢を。

 それらへの感謝を込めて、コノスはもう一度頭を下げる。

「皆さんありがとうございました!!」


 その様子を冒険者ギルドの受付が眺めていた。

「あの子達も立派になったものね。最初に会った頃は駆け出しだった子も多いのに。ホント、最近の冒険者の成長は早いものだわ」

 いつかコノス君も後輩に指導をする日も来るのかしらと呟いて、受付は業務に戻っていった。

マスターコメント

お待たせしました。 思いの外コノス君が人気で驚きました。気にかけていただいてありがとうございます。 素直な子なので教わったことを真面目に守って成長したことだと思います。 ありがとうございました!
ショートシナリオ

ショートシナリオ易しい 報酬:標準7 / 4〜7人

2023年07月15日 08時11分18秒 公開

大成功

参加者

相談掲示板

  1. No.1

    シスターシルクです みんな仲良く行くもよし スピード重視で手分けするもよしですね。 タンク兼サポートとして初心者さんを導きたいと思います

  2. ララベル・サン・ディーベル

    僕はシーフのララベル・サン・ディーベル。 みんな、よろしくね! 地形把握と敵や救助者含めた周囲の生命体の探索に動けたら。

  3. No.3

    あの・・・。 キャスターのリディリディです。よろしくお願いします。 ええと・・・。コノスさんでしたか。 その方のサポートという形で動こうと思います。 移動の阻害などを行うつもりです。

  4. ペルゼィック

    ペルゼィック。一応キャスターだ(←挨拶 サポートの宣言が多いな。なら俺はサポートは最低限にして、この駆け出し(コノス君)と一緒に前に出て近接で戦う予定だ。 こいつが将来盾持ちになるか脳筋になるかはわからねえが、今回の依頼が将来への判断材料になるのは確かだろうからな。 そっちの助けになるように行動しようと思う。

  5. レラ・F・ギュンター

    ギュンタはギュンターと申します。どぞ、よしなに。 あっ、ウォーリアです。 生憎とギュンタ、実践経験は浅いもので、コノスさんとご一緒に先輩方の胸を借りるつもりでエイヤーってしますよー。(ぶんすか素振り)

  6. No.6

    ヒーラーのクラルス、よろしくな。 俺は全体のサポートで動こうかな。戦闘に手は足りてるようなら救助者の確保を優先にするよ。

  7. ペルゼィック

    >カエル漁 「漁」って事は深さは分からんが、探す場所は池や沼、湿地みたいな足場の悪い場所って考えていいよな? ウォーターウォークが必要そうだし持ってく。

  8. Alexandra・Hexe・Claudia

    すみません、遅くなりました! キャスター、クラウディアです。よろしくお願いします。 ―ふむ。これだけ人数が揃っている となると、参加メンバーへのサポートはお任せして大丈夫そうですね。 こちらは依頼目標を軸に行動することにします。 救助対象が数日姿を消している となると、野営知識を備えていてもいつまで生存できるかは考えどころ… なるべく急ぎで見つけたいですから、捜す領域はこちらから分かれる形をとろうと思います。 なにか見つけたら、引き連れたペット…私の場合は狼ですが、彼に伝達を任せますので。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0