【茜蔓】重きは記憶か犯した罪か
岩岡志摩
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シナリオID:2584
オープニング
茜蔓。アカネの別名。込められた意味は「傷」「異端」「私を想って」。
●調査結果
冒険者ギルド支部職員アルヒ・ラスカスは、道化師ロコが関わる事件の調査を続けている。
過去【呪輪】事件の際、フィルエス大森林内にあるムーセルの里において、ロコが口にした場所はリーンエス王国と帝国の間に実在した。
そこは様々な領地や種族、氏族の権利が複雑に絡み合う係争地で、所有権が曖昧だった。
アルヒが調べたところ、その場所はいずれの国にも属していない流浪の民が最初に住み着き、次いで犯罪者たちの巣窟と化したらしい。
それを憂慮したある貴族が有志を募り、国家や種族の垣根を超えた義勇兵が結成され、攻め滅ぼしたという。
現在その場所には、彼らの偉業を称える記念碑が建てられているようだ。
アルヒがさらに詳しい調査を進めると、複数の事実が判明する。
まずこの場所が犯罪者達の巣窟と化していたという情報だが、根拠がはっきりしない。
次に犯罪者たちがこの場所にいるという情報を広めたのは、義勇兵を結成させたある貴族だという。
その貴族の名は、ヴィガ・リスタ子爵。
過去【CP】において帝国難民キャンプ周囲で暮らすエルフ達に下剤を盛り、自作自演の救出劇を行わせる過程でエルフ達の里を滅ぼした黒幕と言われている。
冒険者達の説得で投降した実行犯たちは、子爵が下剤を盛ることを命じたと証言したが、実際にエルフの里を滅ぼしたのは魔獣を率いた道化師だという。
恐らくそれはロコである可能性が高い。
そのロコがエルフ達や様々な人々を憎悪する理由だが、それもアルヒは慎重な調査の結果、手掛かりを得ている。
ロコが口にした場所を滅ぼし、自身の属する氏族のシンボルに見立てた旗を現場に立てた義勇兵達の中に、フィルエス大森林で暮らすエルフの名があった。
【魂禍】においてロコが襲った村にも義勇兵がいた可能性は高い。
もし滅ぼされた場所がロコの故郷で、滅ぼした者達の中にエルフも含まれていたとすれば、ロコがエルフを憎悪する理由にはなるだろう。
だがロコのそれは、個人の行動を種族全体へと拡大解釈しすぎている。
リーンエス王国では、国や種族、氏族の庇護を失った流浪の民を殺した場合、非難されるが罰せられることはない。
しかし犯罪者が相手なら、その行為は称賛に変わる。
――では、その情報自体が子爵の嘘だったとしたら?
その場所の周囲で暮らしていた人々は、犯罪者たちに襲われ全員死亡したとされているが、それもリスタ子爵が関与しているとアルヒは考える。
調査を進めれば進めるほど、義勇兵には欺瞞がつきまとっていた。
●何が正解か
そしてアルヒは調査の過程で浮かび上がった、ある人物の暮らす里を訪れる。
なおアルヒは不測の事態に備え、冒険者達に護衛の依頼を出し、同行してもらっている。
「初めまして。私は冒険者ギルド職員のアルヒ・ラスカスと申します」
アルヒはその人物――ルグレという名のエルフと対面する。
アルヒが見たところ、ルグレの体には至る所に大小さまざまな傷があり、その戦歴の長さが伺える。
ただルグレというエルフは、困惑と諦めが混じる表情でアルヒや冒険者達にこう答えた。
「すみません。僕は記憶の大半を失っています」
ルグレは過去の戦闘で、自分の名前と同居するエルフ以外の記憶を失ったと語る。
「私が代わりにお話を伺います」
そしてルグレと同居するというエルフ――セロがルグレを守るように前に出て、アルヒ達と応対する。
アルヒはセロの意志をくみ、ルグレのいる家から離れた場所で、セロと向かい合う。
アルヒはこれまでに集めた資料をもとに、訪問した理由を説明していくが、話が進むにつれてセロの表情が硬くなる。
そしてついにセロは叫んだ。
「嘘よ!」
一方アルヒはその反応を予想していたのか、別の資料もセロに提示する。
説明が増えていくたびにセロは力をなくし、やがて地面にへたりこむ。
それを見て、アルヒが手を差し伸べた時だった。
セロはその腕に全身でしがみつき、懇願する。
「お願い、あの人には言わないで!」
アルヒはセロからその理由を聞かされる。
セロの話によると、ルグレは授恵者だという。
「いつもいつも、あの人はそうだった」
ルグレは各地で戦闘を重ね、この里の危機にも駆けつけ人々を救ってきた。
しかしある戦いで受けた負傷がもとで記憶を失って以降、ルグレは戦いの場から退いた。
「記憶を取り戻したら、あの人はまた誰かを救うため命がけになる」
セロはルグレを失うことを恐れていた。
「あの人はいつも傷だらけで。でも無理やりに笑う」
その笑顔が、セロにはつらかった。
「戦いにいくたびに、あの人は傷ついて命の火が削られていく。それを黙って見続けろと言うの!?」
だからセロは戦いからルグレを遠ざけ、今の状態が続くことを望んでいる。
アルヒはそれ以上強く出ることができず、一旦その場を退いた。
●罪人の望み
その少し後。近くの森の中で。
セロは弓を携え、ある人物と対峙する。
「冒険者ギルドの人が来たわ」
「そうデスカ。では記憶が戻るのも時間の問題デスネ」
セロの話に人物――ロコは仮面の奥で笑う。
しかしセロは首を横に振り、「記憶は戻させない」と言い切る。
「あの人が何をしたのかは聞いた。貴方の話が正しいこともわかった」
どうやらセロは以前よりロコと繋がりがあったようだ。
「であれバ、私が彼を殺したい理由もわかるデショウ?」
「……あれだけのことをして、まだ足りないっていうの?」
「フェンヌ様の件でご協力下さったことは感謝しマス。ですが彼が私たちの仇であることには変わりまセン」
ロコは以前、記憶を失ったルグレを殺そうとした。
それをセロは阻止しようとしたものの、力の差は明らかだった。
だからセロはロコに懇願した。
――何でもするからルグレを殺さないで。
この時ロコは記憶のないルグレを殺すのは面白くないのか、ある条件を出した。
――自分のやることに協力するなら、記憶を取り戻すまでルグレやこの里は見逃すと。
ロコが突きつけた条件を、セロは受け入れた。
それ以外で、ルグレを生かす方法はないと思ったから。
そして【呪輪】事件が起こり、フィルエス大森林で暮らす多くのエルフ達は傷つき、今に至る。
「仮に私が諦めたとしても、この大森林を危機にさらすことに手を貸した貴方を、彼や里は受け入れますカネ?」
「あの人がこれ以上傷つくことなく、生きていてくれるなら、私のことはどうでもよかった!」
叫びと共にセロは弓弦を引き絞り、弦を鳴らす。
矢羽根が風を切る音と共に、飛来した矢をロコは軽く身を屈めて躱すと、低い姿勢のままセロに詰め寄り、首を掴んで体ごと持ち上げる。
セロは弓をとり落とし、ロコの腕を外そうともがくがロコの腕は外れない。
「私は真実とかこの里とか、私の犯した罪よりも――」
しがみつく腕に力を込め、セロは血を吐くような叫びを放つ。
「あの人の方が、ずっと大事よ!」
それを聞いたロコの周囲で何かが蠢き、ロコも吊り上げたセロの首に力を入れようとして――。
「そこまでだ。彼女を離せ」
異変に気付き、駆けつけたアルヒがロコに制止の声を放つ。
ここでロコは周囲に潜めていた大蛇達を出現させ、対決する姿勢を見せる。
これより始まるのは、醜悪な物語。
悔恨と憎悪と。願いの話だ。
解説
マスターより
リプレイ
これより始まるのは復讐と執念の絡まる中に隠されていた、醜悪な物語の数々。
悔恨と憎悪と――願いの話だ。
●救出
フィルエルス大森林内のとある里近隣で、冒険者達はロコや蛇型魔獣こと大蛇との戦いを始める。
「さて、全部まとめて射程範囲におさまってくれると良いんだが」
東より進出したジュスト・ヴェルジーは、暗視を駆使してロコの周囲にいる大蛇達を捕捉し始める。
「そこまで大事な人なんですね……」
一方トーラは先ほどまでセロが発していた叫びの内容を聞き、複雑な思いを抱く。
大切な人を守るため、セロはロコに協力した。
それに対しトーラは思うところはあるものの、今はセロの救出が先と意識を切り替え、身を潜めつつロコ達へ近づく。
「事情があるようだけど……助けを求める声を放ってはおけないわ」
同じく東より進み出たロゼットは、まずセロを救出するためトーラと歩調を合わせる。
(……トーラに合わせて、ロコの攻撃を、こちらに移す!)
そして3人とは反対側に位置する西の方面より、サイラスもまた蛇の群れに狙いを定めていた。
「まあとりあえず、南にいる蛇のどちらかを飛ばすの目指すのが先か?」
サイラスが最も南側にいる蛇を射程にとらえたところで、まずジュストが光の壁を形成する。
「人質以外を纏めて攻撃して敵の勢いを削ぐ。人質保護の隙を作る。両方を達成するには、このあたりだね」
光の壁を展開したジュストは自身の戦略眼に従い、翠風挽歌を発動する。
美しくも悲し気な歌が、ジュストの指定した場所一帯に響くとともに、不可視の波紋が駆け抜ける。
次の瞬間、爆発めいた速度で不可視の衝撃が周囲を席巻し、まとめて引き裂いた。
攻撃を察知したロコがセロより手を放し、ジュストの攻撃を防ぐも、その周囲にいた大蛇達より血が噴出する。
「まずは押し切るか。避難させるのに使うだろうし」
さらにサイラスがその背に構築した焔翼へと周囲のエーテルを集めて放ち、自身を前方へと射出して敵との距離を詰めていく。
そのままサイラスは大蛇身を突き出すと、その先より放たれた光球が、狙い過たず大蛇の1体を貫いた。
サイラスの一撃で胴を抉り取られた大蛇は力尽き、血霧を撒いて倒れ伏す。
ジュストとサイラスの攻撃によってセロへの道が拓かれ、トーラが空を跳ぶが如き歩行法によって、セロとロコの間へ割り込んだ。
「悪いようにはしませんから!」
何が起きたのかわからないセロが困惑する中、トーラはそう叫ぶとセロを庇う。
これに対しロコの近くにいた大蛇がトーラへ牙をむくも、とっさにロゼットがスケープセイントを駆使してダメージを肩代わりし、トーラを守る。
ロゼットはロコの動向にも目を向けながら、トーラを攻撃した大蛇との距離を詰めていく。
「援護するわ。そのまま後ろに退いて」
そのままロゼットは眩く光輝くエーテルをダマスカス鋼の祭棍へと収束し、素早い一撃を大蛇へ叩き込む。
祭棍が大蛇の身に打ち込まれた瞬間、武器に込められたエーテルが開放され、爆発的な衝撃力となってその威力を炸裂させる。
まともに一撃を浴びた大蛇は血を噴いて地面に横転し、絶命した。
●暴露
ロゼットや仲間たちの援護を受け、大蛇達がいない方角へと退避したトーラは、抱えていたセロを地面に降ろす。
「ここでじっとしていて下さい」
トーラはセロにこの場での待機を言い含める。
「貴女の気持ちは分かりました。ですが、このままでは皆道化師に殺されてしまいます」
セロの答えを聞く前に、トーラは言葉を継ぐ。
「ルグレさんに全てを話して、記憶が戻ったらギルドに保護して貰いましょう?」
俯いて答えようとしないセロに対し、トーラはさらに語りかける。
「好きな人が辛い目に遭っているのに何も出来ない気持ちは分かります」
トーラはセロの心情に理解を示す一方、案じる言葉を投げる。
「ですが。それで罪を重ねても、セロさんが辛い想いをするだけだと思うんです」
そう言ってトーラはセロからロコがいる方向へ視線を向ける。
その先ではサイラスやロゼット、そしてジュストがロコ達を相手取り、トーラのもとへ向かうのを妨げていた。
「ロコの相手はやりたい人に行かせればいいか。むしろ敵意を集めて蛇たちの数を減らしていく感じだな」
――縁は何も無いのでな。
ロコへの対処を味方に任せ、サイラスは大蛇退治へと意識を向ける。
サイラスは剣鱗を構えると、鳥の翼めいたエーテルを形成して大蛇の前に割り込ませ、大蛇の放つ毒から味方をかばう。
「集まっているところにメテオライト。押し切りたいなら魔弾、というところだな」
サイラスは毒やダメージを受けながらも、自身の戦術眼より次の行動を導き出すと、周囲に大量の小光弾を顕現して撃ち放つ。
直後、蛇が複数いる場所へと小光弾の雨が降り注ぎ、その全身を手荒く打ち据える。
全身を穿たれた大蛇達は血飛沫をあげてのけぞり、骸となって地面に横転する。
「私は毒の解除にあたるわ。アルヒは味方が受けたダメージの治療に回って」
ロゼットはロコへの手出しは行わず、アルヒ・ラスカスに指示を出し味方の回復に動く。
ロゼットより抵抗力を増幅させる光がサイラスへと放たれ、光を受けたサイラスのエーテルが活性化することで、毒の効果を解除する。
さらにロゼットの指示を受けたアルヒからも治癒の光が投じられ、冒険者達の負傷を癒していく。
(大蛇を減らした段階でロコの撤退か、こちらがセロを連れての離脱を試みるつもりだったけれど……)
ロゼットの戦術眼では、ロコを撤退させる方が堅実だと告げている。
「道化師にとって仮面は大切だろうし。むしろ生半可な攻撃ではまともにダメージが通りそうにないだろうな」
ジュストはクレネルウォールの後方より、ロコの頭部――正確には仮面に狙いを定めていく。
「恨みを買うのに抵抗はない。貴族として生きるということはそういうことだ」
ジュストは仮面を壊すことで、ロコの恨みを買う可能性も考慮している。
(どこぞの子爵のやり方や利用された義勇兵を擁護する気は欠片もないが)
ジュストは冒険者として活動する中で、王国の社会構造、貴族やヒューマン至上主義に端を発する様々な事件を見聞してきたようだ。
貴族の家柄に生まれた者としてジュスト自身も責任を感じるものの、謝れば済む話でもなく、容易に改善できるものでもないことを理解している。
「だからこそ俺は道化師から目を逸らさない」
――その憎悪や怨恨は他人事ではない。
覚悟と共に、ジュストは風の精霊を通じてマテリアル界に働きかけ、竜石の長杖を突き出す。
杖の先より不可視の空気弾がほとばしり、宙を飛び渡るとロコの頭部へ命中した。
ロコの被っていた帽子が引き裂かれ、その奥より仮面と一体化している兜めいたものが姿を見せる。
どうやらロコの仮面は頭全体を覆う構造のようだが、損傷が蓄積させていたのか、無数のひび割れが生じている。
ジュストへとロコが視線を向けたとき、既にホライゾナルジャンプを駆使してロコの背後まで迫っていたトーラが、死角より襲いかかる。
練りに練ったエーテルを小人の薄刃に籠めて飛び上がったトーラより、今必殺の暗殺撃がロコの頭部に突き刺さる。
既に壊れかけていた仮面はトーラの一撃に耐え切れず、あっけなく砕け散る。
「……やって、くれまシタネ」
仮面の欠片が散らばる中、隠されていた銀髪が風に舞い、その素顔もあらわになる。
「……女の人!?」
ロコの素顔を見たトーラが思わず声を上げると、ロコは片手で顔を隠して大きく後方へと飛び退き、森の奥へと姿を消した。
●それぞれの意見は
そして最後の大蛇に向け、ロゼットが眩い光を宿した祭棍の非常に強い一撃を浴びせ、血煙があがる。
頭蓋を叩き潰された大蛇が、地面に叩きつけられ絶命し――。
戦いは幕を閉じた。
「終われば素材回収だな。蛇の素材を集めて回るとしよう」
大蛇達の全滅を確認したサイラスは、躯と化した大蛇より素材となりうるものを回収し始める。
「処遇? 他の人の意見があるでしょ?」
サイラスはセロの処遇については他の仲間達に任せるつもりだったが、意見を求められこう答える。
「罪状全て洗い直して土地の法に則った刑罰なり投獄なりを行う。重罪として厳密に処罰は行うべきであると判断する。そんなところだな」
――罪を犯したのなら罪に応じた罰を。
サイラスの指針は簡潔だがわかりやすい。
実際にはサイラスもセロに対し思うところはあるが、その内容を言った場合の影響を理解しているため、口に出すことはしない。
それを受け、まずロゼットがセロに語りかける。
「セロ、貴方の寿命は私たちヒューマンより、ずっと長いわ」
ロゼットはセロにこれ以上隠し通すのは無理だと伝える。
「その長い寿命を、罪の意識を抱えて生きるのは辛いと思う」
被害を受けたエルフ達に、真実を打ち明けるべきだとロゼットは告げる。
「罪を償い、貴方の気持ちをルグレに伝える時が来たのだと思うわ」
それはルグレに対しても例外ではないと、ロゼットは言った。
「俺も情状酌量の余地はあるが罪を償ってもらうべきだと思うぞ」
ジュストもまたセロには罪があり、贖う義務はあると自身の意見を口にする。
「罰を受け贖うことで罪が赦されるなら、それは救いではないだろうか?」
一方でジュストは、償うことで罪を精算できることは救いだと語る。
「ロコが出したという交換条件は、減刑の対象になりそうなの?」
ロゼットがアルヒに対し、冒険者ギルドから口添えをすることで減刑を図ることは可能か確認する。
「ルグレさんも含めてロコの情報を得るために、ギルドで保護が出来ないでしょうか?」
トーラもセロやルグレの2人について、情報源という形で冒険者ギルドに保護させることができるのかアルヒに問う。
「利用されている部分は酌量の余地もあるでしょうし」
トーラはセロに対する罪への取り扱いや、ロコから守るという意味でも保護は必要だとアルヒに訴えた。
●この世界は優しくない
一通り意見を聞いたアルヒは、冒険者ギルド支部の方針を答える。
「冒険者ギルドは基本的に依頼の仲介をする組織であり、誰かを保護することはあまりない」
本来であればサイラスやジュストの言うように、その土地の法に触れる行為をしていた場合は、その土地にいる役人へと身柄を引き渡してその土地の法で裁くのが筋となる。
セロの場合はフィルエス大森林におけるロコの犯罪に加担していた形になるので、フィルエルス大森林の法に照らし合わせ、その統治者が情状酌量の余地を考慮し、減刑するか否かを決める。
一方ルグレについては、セロと事情が異なる。
まずリーンエス王国内で義勇兵としてルグレの行ったことは、犯罪者を討伐した義挙扱いになっている。
これは黒幕と目されるヴィガ・リスタ子爵による隠蔽工作の結果だが、工作がなくても被害者の大半はリーンエス王国への義務を果たしていない流浪の民であるため、流浪の民側が加害者を訴える権利はない。
仮にロコが訴えようが、義務を果たさない者の訴えは門前払いされる。
だからロコは法に則すことなく自力での解決を決めた可能性が高いと、アルヒは皆様に述べる。
現在ルグレはフィルエルス大森林内の里で暮らす住民であるため、その里の長に保護を求めるのが本来の流れとなるものの、対価なしで保護されることはないようだ。
しかしルグレがリスタ子爵の悪事を証言し、失脚させることで利益を得る貴族や、今後生じるであろう不利益を回避できる存在がいれば、リーンエス王国の方で保護に乗り出す者が現れる可能性はある。
このためアルヒはルグレの証言を対価として、里以外にもルグレを保護してもらえそうな相手を探し出す方針のようだ。
「セロの減刑についてだが、みんなの意見を伝えることは約束しよう」
一連の説明を終えたアルヒは、そのことについて確約する。
そしてアルヒからの連絡を受け、里の役人にあたるエルフ達がセロの身柄をおさえて連行し、避難していた者達も里へ戻っていく。
「……あの道化師とも、決着をつけないといけないわね」
ロゼットはこれ以上ロコを野放しにするのは危険だとみなしている。
「……あれは、諦めていない目をしていました」
トーラは自身が見たロコの素顔を思い出していた。
今回セロやルグレという生き証人を確保できたが、残る義勇兵に対しても、ロコが報復を止めることはないだろう。
(おれは素材を回収する蜥蜴でいたいなぁと。他の意見あるなら他に流されておくよ?)
倒した大蛇から素材の回収を終えたサイラスは、他の冒険者達や冒険者ギルド支部が決めた方針に口を挟むつもりはないようだ。
「ルグレについても、過去に行ったことによっては同じ扱いになるはずだ」
ジュストはセロの前では言わなかったが、ルグレについてもその所業が明らかとなれば、相応の刑罰が必要だとアルヒに語る。
そしてジュストはより罪を問うべき相手として、リスタ子爵の名を挙げる。
「子爵には罪が明らかになったら、さらに重い罰が必要だ」
ジュストはルグレや義勇兵を動かした元凶と目されるリスタ子爵については、より罪深い存在だと論評した。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準4 / 4〜6人
2022年11月15日 10時51分06秒 公開
参加者
相談掲示板
No.1
サイラスだ、とりあえず今回は成立すると良いな 相談するとしたらボスと敵の蛇どっち優先して撤退させるかとかかね?
ヒーラーのロゼットよ。参加させてもらうわ。 >ロコの仮面か魔獣の撃破か 魔獣の一定数撃破を目指した方が良いかもしれないわね。 ある程度、能力も判明しているし行動も考えやすいでしょう。 ロコの仮面を狙うなら、魔獣の抑え役やロコ担当の割り当て、 協力の相談もしないといけないし、ちょっと難しそうかな? 副題のセロの処遇に関しては一応、考えはしてるから、 そいういうのは任せた!って人が参加しても大丈夫よ。
シーフのトーラです。 あと一人で成立ですね。よろしくお願いします! 仮面を狙うとしても、撤退する時に蛇を暴れさせるでしょうし、蛇の対処は必要ですよね。 シーフらしく素早さを活かして救出に走るか、杖をもって範囲攻撃で蛇退治どちらでも行けますよ。
成立するかは分からないけど、少しは進めておきましょうか。 >トーラ 素早さを活かして、ロコからセロを奪い返すのをやってみる? 私はスケープセイント(ダメージ身代わり)で、 セロか救出役が受ける負傷を、肩代わりしようかなって。 タイミングが合えば、ロコの意表はつけるかなと。 NPCアルヒが、ヒールと解呪を持って共闘してくれるから、 私は近接系スキルで、蛇の撃破に加わろうかと思うわ。 トーラがセロを奪い返して、蛇を一定数、倒せれば ロコの仮面に攻撃が届かなくても、成功条件は満たせるかなと。
冒険者ギルド支部職員アルヒ・ラスカスだ。 まだ成立ではないが今回集まってくれてありがとう。 現地ではロゼット殿の言うように、何かあれば遠慮なく私に指示を出してもらえればありがたい。 よろしくお願いする。
No.6
とりま蛇と分担なら俺蛇行こうか? 別に因縁も何もないし 一応処遇書くつもりではなくも無いけど、他の人の判断優先でと書くつもり。
明日は出発までに来れないと思うから、 プレイングは出しておくわ。 ・PCスタート地点I6 ・トーラの救出をスケープセイントでセロ、トーラを援護 ・大蛇を近接系のスキルで攻撃、一定数撃破を目指す ・NPCアルヒに回復・解呪の支援要請 こんな感じで提出しておくわ。 ロコの仮面は、ちょっと自信がないから私は諦めるわ。 >セロの処遇 個人的な意見は、出して良いんじゃない?参加したんだし。 ひとつの意見に整理するのは、悪いけど付き合えなさそう。 私は、まあ罪の清算はすべきって感じかな。 無罪にはならないでしょうけど実質、脅迫を受けての行為だし。 死罪にするべし、とまでは言わないけどね。 その辺りを、ちょっと言葉を変えて伝えるつもりよ。
書き漏れ。 >サイラス 蛇を倒してくれるなら、ありがたく。 私は見取り図、右側サイドのI6から行くわ。
救出優先了解です! ではわたしはI5からスタートして、隙を見てセロさんを助け出しますね。 処遇についてはよい案が出れば何か書くと思います。
キャスターのジュストだ、人数が足りないようだから出発前夜の参加で申し訳ないがよろしく頼むよ。 重複可とのことで俺もl5から。 威力上げた新空間爆砕で纏めて攻撃、トーラ嬢が救出して追撃されそうになったら魔弾で仮面を狙いに行くよ。
集まってくれたみんな。本当にありがとう。 改めて現地ではよろしく頼む。
成立ですね! よろしくお願いします! ジュストさんが空間爆砕を使うなら、その隙にセロさんの救助に回ろうと思います。 そのまま森の中にセロさんを避難させたら戻ってきますね。