【謀都】ある店での謎解き(食事つき)
岩岡志摩
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シナリオID:2427
オープニング
メアリー・リーンエス王女が冒険者達の協力を得て稼働させた新生「王家の耳」は、様々な情報をメアリーのもとへ送り続けている。
届けられる情報を整理し、分析を続けているメアリーは、その内容から1つの結論を導き出す。
――王都グランスパーダが、悪意に侵食されている。
悪意の正体は明らかとなっていないが、メアリーは様々な対策を講じていく。
この日、メアリーがフローラ・ウォレス伯爵を呼び出したことも、その一環と言えた。
儀礼的挨拶の後、メアリーは告げる。
「これからある店に向かって下さいませ」
そう言ってメアリーはフローラ伯爵に向け、ある店を客として利用してほしい旨を伝える。
メアリーによると、その店ではメドゥの指先に関わる取引が行われていると「王家の耳」が突き止めたらしい。
その店で取引が行われているというのは確かだが、何を取引しているのかはわからないそうだ。
またこの店自体も、丸ごとメドゥの指先の傘下におさまっているのか、従業員の一部が関与するに留まるのかも明らかではない。
「難しいことをお願いしてはいませんわ。ただその店に客として向かい、内情を探ってきて下さればいいのです」
お願いと言うよりも、命令に近い。
【恋眼】事件以降、メアリー王女はフローラ伯爵をこき使う回数が増えている。
「不安でしたら、護衛役として冒険者を雇うことを許可いたしますわよ」
フローラはメアリー王女に頭を垂れ、承諾の意を示す。
「あくまで私は周囲の目を引き付ける囮役で、実質的な調査は冒険者達が行うということですね?」
「そういうことになりますわね。現場での判断はお任せしますわ」
メアリー王女からのお願いに従い、フローラは直ちに冒険者ギルドへと依頼を出すと、冒険者を集め始めた。
●店
高級とは言えないが、平民向けの店として存在するその飲食店は、夕食前と言うこともあり、とても繁盛していた。
多くの客が店の内外を往来し、店の従業員はせわしなく動き回っているため、どこに誰がいようと店にいる人々は気にも留めない。
一部の区画は予約していた団体客にのみ開放されているため、あまり大っぴらには言えないが、密談場所としてその区画が利用されていることも多い。
そしてその区画の1つを、フローラ・ウォレス伯爵が借りていた。
既に料理の注文は済んでおり、給仕たちが料理をテーブルに並べ、退出していく。
ここでフローラ伯爵に同行していたアルヒ・ラスカスは、護衛の形で随伴していた冒険者達に数枚のメモを見せる。
メモの内容を冒険者達が記憶したところで、アルヒが口を開く。
「それは先程給仕の1人から渡されたものだ」
アルヒの説明では、既にこの店には「王家の耳」より派遣された者達も潜入しており、支援してくれるとのことだ。
「このメモによると、取引は食事をした客に対する「景品」を介して行われるらしい」
そう言ってアルヒはメモを見ながら、給仕が料理を運ぶ際に使用した台車の底へ手を伸ばし、隠されていた箱を引っ張り出す。
箱自体はどこにでもありそうな木箱で、中にはチェスに使用する駒のうち、キングとビショップを除いた4種が収納されていた。
「客はこの駒を使い景品と交換するようだ」
箱の中に駒は1種類あたり6色分揃えてあり、合計24個ある。
「そして景品と交換する場所で、この駒の中にある「正解」を渡せば必要なものが手に入るようだ」
その正解を引き当てるには2つの謎を解く必要があると、アルヒは冒険者達に伝えていた。
●謎かけ
アルヒが箱の底より紙を引っ張り出し、その内容に目を通す。
「ここに正解へと繋がる謎かけが記載されている。みんなも目を通して欲しい」
そう言ってアルヒは冒険者達にその紙を渡し、内容を共有する。
謎解きの内容だが、片方は事件の犯人を当てるもので、もう一つは宝の入った箱を当てるものだ。
そして犯人に該当する駒の種類と、宝の入った箱の色の組み合わせが正解の駒となるようだ。
1つ目の謎かけは、こうだ。
ある街で発生した事件の容疑者として、衛兵は以下の4人を連行した。
4人の名前はそれぞれポーン。クイーン。ルーク。ナイト。
衛兵は捜査の結果、以下の事実を把握する。
犯人は1人。
犯人は必ず嘘をつく。
犯人以外は本当のことを言うか、嘘をつくかわからない。
4人はそれぞれこう証言する。
ポーンは言った。
「クイーンは犯人じゃない。彼女は誰かをかばっている」
クイーンは言った。
「正直に言うわ。私が犯人よ」
ルークは言った。
「俺は犯人ではない」
ナイトは言った。
「ルークは犯人じゃない。犯人は他の誰かだ」
犯人の名が、正解となる駒の種類にあたる。
次に駒の色を当てる謎かけとなり、メモにはこう書かれている。
貴方は宝の入った箱を開けるカギを持っている。
箱は全部で6つ。
緑色、黄色、青色、白色、赤色、黒色の6つだ。
宝が入っている箱はその中の1つだけで、他は全て空箱になる。
それぞれの箱には次のような記載がある。
緑色の箱にはこう書かれていた。
「この箱に宝がある」
黄色の箱にはこの文言がある。
「赤の箱は空だ」
青色の箱にはこんな記述がある。
「黄色の箱に宝がある」
白色の箱には、こんな記載がある。
「緑色の箱に宝がある」
赤色の箱にはこう書かれている。
「緑色の箱は空だ」
黒色の箱には、こう書かれていた。
「この箱に宝がある」
宝の入った箱には本当のことが書かれているが、空の箱には常に嘘が書かれている。
正しいことが書かれている箱は宝のある1つだけで、残りは全て嘘が書かれている。
宝の入った箱の色が、正解となる駒の色を示す。
そして店内に用意されている景品との交換場所で、正解の駒を従業員に示すことが出来れば、「正解」の景品に偽装したものが渡される。
「正解として渡されるものは干したマンゴーで、その中に鍵が仕込まれているとのことだ」
メモによると、「正解」の駒は取引に関わる者以外には渡されない仕組みになっており、鍵はこの店の客が利用する貸金庫の1つを開けるためのものだと記載がある。
不正解となる駒を持って行った場合は、干したフルーツ(ぶどう、りんご、パイナップル、バナナ)を1つ渡されると、紙には記載されている。
ただし完全なランダムなので、全部揃えるとしたら複数回不正解となる必要があるとかないとか。
「潜入している味方と共に手を回しましたので、皆さんは何度景品交換を行う場所に行っても大丈夫です」
フローラも自身のできることで、冒険者達の行動を支援している。
「取引の現場をおさえたいので、今回店に直接手を出す真似は控え、手掛かりを確保したらそのまま店より立ち去るように、とのことです」
命じられた内容の一部をフローラは明かす。
冒険者達が確保に乗り出す際、フローラ自身は従業員達の注意を引き付ける囮になるつもりでいるようだ。
「難しく考える必要はない。食事を楽しんでから謎解きと少し調査をして、怪しまれずに店から出ればいいだけだ」
アルヒは今回やることを簡略化し、皆様に伝えていく。
こうして皆様はこの店で食事会――もとい取引の手掛かりを確保するため、動き出した。
解説
マスターより
リプレイ
リーンエス王国の王都、グランスパーダ内に存在するその飲食店に、ある依頼を受けた冒険者達が集まっていた。
「今回はありがとうございます」
ロイ・アウレアはこの店で料理を味わう機会を設けてくれたフローラ・ウォレス伯爵や、ギルド職員アルヒ・ラスカスに礼を述べる。
(活気のある店は人気店。ということは料理も美味しいに違いない)
ロイの言う通り、この店で出される料理は美味と評判で、様々な人々が利用している。
(耳と指先が働く店か……優秀な店員しか居ないな)
その一方でロイはこの店の中で、既に「王家の耳」やメドゥの指先に関わる者達も潜入していることを知っているため、用心を怠らない。
「王家の耳」によれば、この店はメドゥの指先との取引に関与している疑いがあるようだ。
そしてその取引の手掛かりになりそうなものも、徐々に明らかとなりつつあるが……。
「おじさん、本当に何度やっても全然答えにたどり着かないぞ」
アラン・スミシーは用意されたチェスの駒と、テーブルに置かれた「謎かけ」の内容を見比べ、頭を悩ませている。
その手がかりに辿り着くためには、2つの謎かけを解く必要があった。
「私も積極的に考えてみます」
ダヴィーズ=ベニト=エヴェンは、今回示された謎かけの内容を改めて確認する。
「1つ目はポーン、クイーン、ルーク、ナイトという名前を持つ4人の中から、それぞれの証言をもとに犯人を当てるものですね」
その犯人の名前が駒の種類となると、ダヴィーズが持つ紙には書かれている。
2つ目は駒の色を当てる内容で、6つの箱から宝の入った箱を見つけ出すものだ。
「宝が入っている箱の色が、正解となる駒の色となるみたいだけど……おじさん1人じゃ答えに辿り着きそうにないから、きみ達全員の考えを聞いた上でもう一回見直してみるつもりだ」
アランは持参した紙や羽ペン、インクを使って謎かけの内容を写し取り、何かを書きこんでいるところだが、既に自力で答えに辿り着くことを諦めたようだ。
「どちらの謎かけも、矛盾を見つけた後に1つずつ嘘を見抜いて行く種類になりますね」
ロイはこの手の謎解きが好きなのか、アルヒから借りた紙や筆記用具を使い、謎かけの内容を書き写すと、楽しそうに何かを書きこんでいる。
「オレわかったかもしれない」
謎かけの文章とにらめっこをしていたエヌは、何かを思いついたようだ。
「ええと、ここがこうで……あれがこっちで……」
エヌはアルヒより紙や筆記用具を借りると、あくまでお遊びとして解いている――というような雰囲気で何かを書いていく。
実際にエヌは楽しみながら謎かけを解いている。
なおこの店は現在泳がせている状態で、取引に関わる者を一網打尽にする作戦が進行中とのことだ。
その為今回は、冒険者達にも店や店員に手出しをするのは控えるよう釘を刺されていた。
●解きます
冒険者達はお互いの考えと答えをすり合わせていく。
1問目の犯人を当てる謎かけで、容疑者となる4人の証言はこうだ。
ポーンは「クイーンが犯人ではない」と言った。
クイーンは「自分が犯人」と言った。
ルークは「俺は犯人じゃない」と言った。
ナイトは「ルークが犯人じゃない。犯人は別の誰か」と言った。
「クイーンが犯人であるならば自身を犯人であると言いません。ポーンが犯人であるならばクイーンも犯人である必要が出てきます」
ダヴィーズがそう言うと、ロイも頷き賛意を示す。
「ポーンとクイーンは、片方が犯人だと仮定した場合、証言がお互い矛盾していますね」
ダヴィーズとロイは、ポーンとクイーンが犯人の可能性をそれぞれ否定する。
「ナイトはおそらく嘘をついています。しかし犯人ではありません」
ダヴィーズがそう言うと、ロイがその話を補足する。
「ナイトが犯人であれば、「ルークは犯人ではない」というあたりの話が矛盾します。よってナイトは嘘をついていますが犯人ではありません」
ここでナイトも犯人より除外される。
「そうなれば誰についても追及しておらず、自身が犯人でないと述べるルークが犯人となります」
「ルークの「俺は犯人ではない」という証言自体を嘘とすれば、話は成立します」
ダヴィーズやロイの話に続き、エヌも発言する。
「オレはそれぞれが犯人だと仮定して、証言した内容を反転して考えてみたぞ」
エヌはそれぞれの証言を反転させるというやり方で、謎を解いてみた。
その結果を紙に書きこみ、エヌは仲間達に見せる。
エヌの説明ではこうだ。
ポーンが犯人で嘘をついたと仮定すると、「クイーンが犯人」となり、犯人は2人存在してしまう。
クイーンが犯人の場合「私は犯人じゃない」となり、証言自体がおかしくなる。
ルークが犯人なら「俺は犯人だ」と犯人である可能性が残り、ナイトが犯人なら「ルークは犯人だ」となり、犯人は2人存在してしまう。
そしてエヌは告げる。
「だから犯人はルークだ」
ダヴィーズ、ロイ、エヌが同じ答えに至ったところで、冒険者達は次の謎解きにかかる。
目の前に緑色、黄色、青色、白色、赤色、黒色にそれぞれ色分けされた箱が全部で6つある。
それぞれの箱に書かれている内容をもとに、宝が入っている箱を見つけ出すという謎かけになる。
書かれている内容は、以下の通り。
緑の箱には「この箱に宝がある」。
黄色の箱には「赤の箱は空だ」。
青色の箱には「黄色の箱に宝がある」。
白色の箱には「緑色の箱に宝がある」。
赤色の箱には「緑色の箱は空だ」。
そして黒色の箱には「この箱に宝がある」と書かれている。
宝がある箱に書かれたことは正しく、空の箱に書かれた内容は全て嘘だという。
宝の入った箱の色が、駒の色を示すようだ。
「他の箱に宝があるという文言ですが、本当のことを言うはずがありません」
ロイは箱に書かれている文言のうち、まず青と白に書かれている内容が嘘だと指摘する。
「緑の箱に記載がある文言に対し赤の箱に書かれた文言は矛盾しないように見えます。しかし黄色の箱に「赤の箱は空」という文言がある以上、緑の箱の言葉が嘘である可能性が高まります」
ダヴィーズもロイに続き、緑の箱も空だと指摘した上で、その理由をこう述べる。
「白の箱に書かれた「緑の箱に宝がある」が偽りであるならば、緑の箱の中身は空であることが証明できます」
そしてエヌも、それぞれの箱に宝が入っていると仮定したとき、他の箱がどうなるかを説明する。
「青と白がそれぞれ正しい場合、宝は別の箱にあるから入ってないということになるぞ。緑と黒もそれぞれ正解とした場合、黄色の箱の文言が嘘になるからこれも宝が別にあるという話だね」
エヌは「赤に宝がある時、矛盾は生じないぞ」と締めくくると、ロイも同じ答えを口にする。
「黒が自分に宝があると書かれているのが本当であれば、赤が嘘になりますが、赤の文言に矛盾はありません」
ダヴィーズも同じ見解のようだ。
「それぞれの追及のもとに緑の箱に宝があるとすれば、赤の箱に宝があるとわかります」
よって正しい色となるのは、赤。
3人の話を聞いていたアランも、改めて自分が持つ紙を見直して思考する。
(ルークが必ず嘘を言っているものとして、ポーンとクイーンは真実を言っていることとしても、ルークが犯人であるというナイトが嘘か本当か分からないんだよなぁ)
そして駒の色についても、アランは3人の話を聞いても正解に辿り着く気配はなく、ウンウン唸っている。
(赤が正解という前提として、緑・黄・青・白は相互に嘘を言っていることになるが、黒色が嘘か本当か分からず宙に浮くからなぁ)
なおもアランは紙に自身の考えをつらつらと書き連ねていくが……。
「だめだーどちらの謎解きも、どう考えても宙に浮くのが一つずつあるんだ……おじさんパズルダメなんだぁ……」
結局アランは、自身のやり方で答え合わせをすることを諦めた。
「気持ちはわかります。最初の問題も、犯人以外が本当と嘘の両方どちらも言えることが話をややこしくしていますから」
ダヴィーズがアランのフォローに回り、ロイも1つのやり方をアランに提示する。
「本当のことを言っているのはポーンだけで、他の3人は嘘をついていると仮定してそれぞれの証言を見直してはいかがでしょうか?」
そしてエヌも正解の箱に辿り着いた理由を、こう説明した。
「赤以外が正解だと、宝が2つ存在することになるからね」
よって正解となる駒は、赤のルーク。
●手がかり入手
「それではまず景品との交換に行きましょう」
ダヴィーズはエヌやロイ、そしてスミシーにそう呼び掛けると、共に店内にある景品交換場所へと向かう。
――ただし赤のルーク以外の駒も持参して。
その間に4人は他の客と共に正解でない駒を差し出し、景品である干しフルーツを受け取り、戻ってくる。
「これはエヌ君にあげるよ」
アランは「干しフルーツが欲しいだけだ」と言いながらも、自分が入手した干しブドウをエヌに手渡した。
「これ、食べていいか?」
エヌが渡された干しブドウを手に持ったまま確認すると、アランより「いいぞ」と言われたので口に運ぶ。
干しブドウは皮が薄く、柔らかい食感と共にエヌの口内でジューシーな味わいを広げていく。
「脳に栄養が足りない……」
ロイもまた、手に入れた干しリンゴを食べながら次の駒を選んでいく。
どうやらロイは干しフルーツを全種類揃えるつもりのようだ。
干しリンゴはパリッとした食感で、リンゴそのものの味を損ねることなく、ロイの口内へ美味しさを伝えている。
「……うーん……こうに違いない」
などと言いながらも、ロイは次の駒(不正解)を手に景品交換場所に向かい、種類の異なる干しフルーツを確保していく。
不正解の駒を挟みながらも冒険者達は正解の駒を出し、干しマンゴーを手に入れることができた。
個室に戻り、皿の上で干しマンゴーを割ると、中から数字の掘られた鍵が姿を見せる。
後は鍵を使い、手掛かりを入手するだけ。
「おじさんはバレた時のための口止め、つまり万が一の暗殺の危険に気を払うことにするよ」
アランは万が一の事態を想定して、天眼を駆使して店内を見渡しながら警戒に当たる。
「エヌさんが良ければ、2人で手掛かりを取りに行きましょうか」
ダヴィーズがエヌを誘って手掛かりの確保へ乗り出すと、ロイは店員たちの注意を引き付ける囮役を買って出る。
「自分は死角での監視や、物音を立てて意識を引く役を行います」
そう言うとロイはエーテルリンク2で繋がる栗鼠のポーラを送り出し、エーテルの波動を店内へ走らせる。
把握できた情報をもとに、ロイはフローラ伯爵と共に動き出し、店員達の注意を貸金庫室から逸らし始める。
「なにかトラブルがありそうな場合は、リスを使って気を引くことも視野に入れておきます」
ロイやアラン、フローラ伯爵の援護を受けたダヴィーズは、エヌと共に貸金庫室へと向かう。
ちょうど貸金庫室に人気はなく、ダヴィーズとエヌは鍵の数字と一致する扉を開け、中身を回収すると、ダヴィーズの栗鼠とロイのポーラがそれぞれ作り出した影分身の先導を受けながら、個室へと戻る。
「アラン、その……」
何かを言いたそうにエヌはアランを見上げ、何かに気づいたのかアランは飄々としながらも「よくやったぞ」と褒めた。
●楽しんで帰ります
目的のものを回収した後は、運ばれてきた料理を平らげる時間だ。
「あとは全員と一緒に食事をめいっぱい楽しむぞ!」
アランは楽しそうに目の前に並んだ料理を味わい始める。
アランが一口大にカットした牛肉のステーキは、口に噛んだ瞬間その肉の旨味が溶け出し、コクのある甘口ソースが旨味を引き立てている。
「こんな豪華な食事……明日お腹壊したりとかしないかな」
そう言いながらもエヌは思う存分食事を楽しんでいる。
今エヌが食べている揚げ鶏の旨味ソースかけも、外はカラッとした仕上がりで、噛むごとに揚げた鶏肉の味とソースに使われた野菜の味をエヌの舌に教えてくれる。
「デザート(糖分)もお願いして良いですか?」
ロイがフローラ伯爵に確認すると「構いませんよ」と言われたので、遠慮なく店員を呼ぶとデザートを注文する。
「お薦めは?」
店員からお薦めを聞いたロイがそのデザートを注文し、運ばれてきたフルーツゼリーを味わっていく。
何種類かの果実と味が凝縮されたゼリーをロイが食せば、口の中で弾ける清らかな風味がロイの舌を喜ばせる。
食べきれない料理はロイの発案で全員へと均等に分配され、土産として持ち帰ることにした。
「まだ店の中に動きは見られません。今のうちに店を出ましょう」
エーテルリンクで結んだ栗鼠や影分身と視聴覚を共有していたダヴィーズが、店内の動向を伝達すると、全員での退去を促した。
そしてダヴィーズは空にした水袋の中に手がかりを隠し、仲間やフローラ伯爵達と共に店を後にする。
そして持ち帰った手掛かりは、後日冒険者ギルドを介して「王家の耳」へと届けられた。
店にあった手掛かりとは、店内で行われている取引の覚書めいたものだった。
「王家の耳」は取引される品物の中に、メドゥの指先が関与するものも含まれていることを見逃さない。
この店自体がメドゥの指先の傘下となっているのかは不明だが、少なくとも取引に使われていることは今回確保した手掛かりで明らかとなった。
そしてこの手掛かりとなる書類には、ある人物の名前も記載されていた。
その人物はニコラ・ゴルティエ侯爵の家臣として知られており、その人物が独断で取引に関与しているとは考えにくい。
そうなると書類に書かれている人物は、ゴルティエ侯爵の指示で動いている可能性が高い。
今の段階では書類の中に家臣の名前があるだけで、本当に侯爵も関与しているのかは不明なままだが、手掛かりは得た。
これ以降「王家の耳」は、冒険者達が確保した手掛かりをもとに店やその周囲への本格的な情報収集を進めていく。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準4 / 4〜5人
2022年08月25日 03時19分26秒 公開
相談掲示板
エヌが謎解きはできたって言ってるから、 あと二人来てくれるとすっごく嬉しいなー!!! 求む人材!!!
ロイです。よろしく。 今のところ全然判らずで… 美味しく食事をして外れフルーツのコンプを目指す事に成りそうだよ。 出発まで考えても判らなかったらエヌさんを頼りにさせて貰うね。
初めまして、ダヴィーズ=ベニト=エヴェンと申します。シューターをやらせていただいております。 今回の謎解きの件は何となくですが見当をつけておりますが、エヌさんが頼りになりそうですね。
おじさんはね!!!マジでこういう手合がダメ!!! というわけで謎解き以外でやれることがあればやるつもり!!! 貸金庫室内に人はいないようだけど、そこに至る前に子供が近寄ってるの 見られてもいたずらだと思われてセーフか、 心配なら揃ってエヌの代行する形になるかなーと! どのみち分かった人が謎解き主体のプレイングで頑張ってほしい!
成立してるね!ダヴィーズさん初めまして。 何となくでも歓迎、謎解きに挑戦でお願いします。 >マジでこういう手合が 苦手ってありますよね。 自分はこう言うのが大好きですが……大好き=得意ではない…のが、まぁ(遠い目) 解いて下さった方が居るので気楽に便乗させて頂きました。 エヌさんはまだお若いですから、同行して頂ければ安心かと。 こちらでもペットで物音を立てるとか、必要に応じて意識を逸らす等でフォローさせて頂きますね。
>ロイさん 初めましてロイさん ふふ、お力になれれば幸いです。 >アランさん 貸金庫室に行くのであれば私は目立つので思いますので鍵を手に入れたらエヌさんたちに鍵をお渡しするというのはいかがでしょうか? 同行させるペットはリスのマルウになると思いますのでこちらも物音を立てる程度のサポートは可能かと思います。
初めまして、エヌだ。 答えはなんとなくわかった気がするけど、絶対とは言い切れないから解いても良い時になったら答えが合ってるかどうか一緒に考えてくれると嬉しい。 俺も子供だから鍵を取りに行くと怪しまれるかもしれない。
>エヌさん 初めましてエヌさん。ぜひとも一緒に考えさせてください。 >アランさん >ロイさん もし貸金庫室に行くのであれば目立ちにくいお二人に任せることになるかもしれませんね。
あと一人来るかもしれないけど、22日朝出発で 事実上相談できるのが今晩から明日までだと思うから、 謎解きについてはもう早めに相談した方がいいかも。 解法とか分かったらまずここに記載かな、 正解に近そうな人にプレイングを促そうと思う。
一応解いた方法はまとまった……かも。 大丈夫そうなら分けて書こうかなと思う。
オレはとりあえず「赤のルーク」かなって思ってるけど、理由が必用だったら後で書いておく。
私も同意見ですね。「赤の箱とルーク」です。
理由はそれぞれプレイングでかけばいいと思う! 赤の箱とルークね……ロイくんも同じ意見になったのなら、 その箱を取りに行く人員の選定が必要かな? 謎解きとはいえ、景品というからには種族や年齢は問われないと思うし。
アルヒくん、質問だー! 例えば「通常の客」がもし、たまたま正解を当てた場合はどうなるのだろう? つまり取引に関与しない者が謎解きに興じて景品を手に入れる時だ。 今回の場合、おじさん達はどういう立場でこの場に入ることになるのかな? 取引をする人間として偽装していくのか、通常の客として入るのか…… というところだね。通常の客に鍵をうっかり渡すとは思えないけど、 手を回してもらってるのはわかっている。 けど、一応質問させていただいているよ~!
的外れな質問だったらごめんね!!!
お待たせしました! オレも赤のルークが答えになりました…(クラクラ) 答えに行き着いた理由はプレにザックリと記しますが 交換に行く役は先に答えを出した方達で決めて頂ければOKです。 それと、OPを改めて読んだら 『冒険者達が確保に乗り出す際、フローラ自身は従業員達の注意を引き付ける囮になるつもりでいるようだ。』 とあるので、囮役の心配も不要そうだが…それでも その間にオレも「ぁぁ…また間違えたー」と、従業員と会話で気を引いて 貸し金庫室に入る隙を作る…ついでに、他の干しフルーツを頂いて後で皆とシェアをしようと思う。 それとアランさん、質問をオレが答えてしまうと…不味いかもだが 『メモによると、「正解」の駒は取引に関わる者以外には渡されない仕組みになっており』と 説明があるので「通常の客」がたまたま正解しても、渡らないと思う。 「王家の耳」が潜入させた間者が優秀なんだろうね。
間違えたーと言うのも変か…「難しい」とか何かしらで、会話させて貰うね。
ロイくんありがとーーーー!!!! うんうん、たぶん入ってる人が優秀という認識で多分相違ないかな!! おじさんちょっと謎解き苦手すぎてくらくらしちゃってた…申し訳ない…! そして皆答えは一緒みたいだね~、 交換する人なんだけと、エヌは子供だから……ダヴィーズくんとなるかな? ただリザードマンで目立ちそうという理由ならロイくんに頼みたいかな!
そうですね。皆さんと気が合いますうで。ふふ。 交換に関しては私かロイさんでよろしいかと思います。 そちらに関してはロイさんはいかがですか?
…くらくらしますよね……。 答えは判りましたが、続いて簡潔に判り易くプレに組み込むのに…(クラクラ) 今回、自分は気を引く役と、美味しく食べる役(大切)をしたいので エヌさんが宜しければ、ダヴィーズさんにお願いします。 そして…下でお若いと話したが人目を掻い潜るならエヌさんも有利ですので 二人で連携されても良いと思いました。(誰が向うか一任です)
アルヒ・ラスカスだ。 今回はよろしく頼む。 質問があったので回答させて頂く。 Q1: 例えば「通常の客」がもし、たまたま正解を当てた場合はどうなるのだろう? つまり取引に関与しない者が謎解きに興じて景品を手に入れる時だ。 A1: こちらの答えは、ロイ殿のほうで説明してくれた内容と、アラン殿が最後に口にした認識で凡そ問題ない。 この店に潜入している者が、他のお客には正解しても違う色や別の種類の駒との組み合わせになるように、謎解きの内容や駒を「少し加工」しているようだ。 だから他の客が「正解」を引き当てても、別の景品がその客に渡されることになる。 Q2: 今回の場合、おじさん達はどういう立場でこの場に入ることになるのかな? 取引をする人間として偽装していくのか、通常の客として入るのか…… というところだね。 A2: 今回私達はこの店を利用する貴族に同伴した客、という扱いになる。 ただ今回店の中で景品コーナーにいる従業員は店内での取引も、正解の景品に鍵が仕込まれていることも知らないから、みんなが取引をする人間として偽装しても、通常のお客と同様の対応をする。 この店は王都にある飲食店にしては様々な種族や出身の人間が利用するので、みんながどのような姿や立場を偽装しても、従業員は不審に思わないという認識で問題ない。 以下は私でなくMSからの言伝になる。 (以下MSより) 今回はこの依頼にご参加下さりありがとうございます。 謎解きの正解へと至る解説の字数が多くて困る場合につきましては、要点だけに絞ってプレイングに記載して下さっても問題ございません。 よろしくお願いいたします。
>アルヒさん お答えありがとうございます >ロイさん かしこまりましたエヌさんの返答次第で行く方を決めたいと思います >エヌさん 貸金庫へは私一人で行った方がよろしいですか?それともエヌさんもついていらっしゃいますか?
アルヒくん!ありがとうー! そうすると今回は変装などの小細工の必要はなさそうだね。 エヌがどうするかどうかかな? 今回マジでおじさんポンのコツだから、 どう行動したものかな……。 (以下MS様へPLより) お疲れ様です!楽しく参加させていただいております! ご回答ありがとうございました!
多分この状況だと子供でも大丈夫そうだ。 手がかりを子供と大人の二人連れで謎解きして手に入れる、 という流れは不自然じゃないし、このご時世だから種族も関係ないだろうし。 んで、手がかり以外でメドゥの指先が関わっているか調べるにも フローラ伯爵の考えてる一網打尽作戦が一番だし不自然な動きで邪魔したくないし。 バレた時のための口止め、つまり暗殺の危険に気を払うことにするねー。
一応こっちでも考えてみたけど、どうしても宙に浮くものがあったから、 もしリプレイのフックになった幸いということで、 正解ではないけれどもその考えをそのままプレイングに書いておいたよ。 皆どうやって解法としてるんだろ……。楽しみにしているね!
ではエヌさんと二人で行動という形をとることになりますかね? エヌさんが良ければそのまま二人で手掛かりを取りに行きましょうか
アルヒさん、返信ありがとうございます。 MSからの伝言も助かります。 こう言う謎かけが好きなので、つい気合を入れて書いては首を絞める… 幸いにして自分にしては短めに出来ましたので 残り字数は、貸金庫へ向かう際の隙を作る事と 『副目標:食事を楽しむ』に気合を入れさせて頂きますね。 ダヴィーズさん、エヌさん、アランさん、鍵の入手と貸金庫は宜しくお願いします!
手がかりをふたりで取りにいく、了解。 食事を楽しむのも好きだから、単純に干しフルーツも楽しみ。